JP2001323808A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑装置

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JP2001323808A
JP2001323808A JP2000145277A JP2000145277A JP2001323808A JP 2001323808 A JP2001323808 A JP 2001323808A JP 2000145277 A JP2000145277 A JP 2000145277A JP 2000145277 A JP2000145277 A JP 2000145277A JP 2001323808 A JP2001323808 A JP 2001323808A
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lubricating oil
internal combustion
combustion engine
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temperature
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Hideki Matsuoka
英樹 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の始動時における摺動抵抗をより一
層低減することのできる内燃機関の潤滑装置を提供する
こと。 【解決手段】 本発明の内燃機関の潤滑装置は、保温区
画3aが設けられたオイルタンク3、内燃機関1発する
熱によって潤滑油を昇温させる昇温手段9、昇温手段9
よって昇温された潤滑油を保温区画3aに貯留させる貯
留手段8と、内燃機関1の始動時に、保温区画3aに貯
留された潤滑油を内燃機関1の各部に供給する供給手段
5,6とを備え、供給手段5,6が、オイルタンク3内
の潤滑油を吸い上げるストレーナ5を非保温区画3bに
有すると共に、内燃機関1の始動時に保温区画3aに貯
留された潤滑油をストレーナ5の吸い込み口直下に送出
させる送出手段11を有していることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の始動時
のフリクションを低減することのできる内燃機関の潤滑
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関においては、吸排気弁の開閉を
行う動弁系やピストンやクランクシャフトを駆動するピ
ストン・クランク系などの各摺動部に潤滑油(エンジン
オイル)を供給して、各摺動部の摩擦抵抗の低減化を図
っている。ごく一般的な内燃機関においては、潤滑油は
エンジン底部のオイルパンに貯留され、クランクシャフ
トの回転によって駆動されるオイルポンプによって、オ
イルギャラリ(オイルを循環させるための油孔)を介し
て各摺動部に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エンジンの始動時(特
に冷間始動時)には、潤滑油が充分に暖まっておらず、
粘度の高い状態となっている。このため、エンジンの始
動時(特に冷間始動時)には各摺動部の摺動抵抗が大き
くなり、エンジン出力や燃費を向上させる際の障害とな
っている。そこで、エンジンの始動時における摺動抵抗
をより一層低減するための更なる改善が望まれている。
従って、本発明の目的は、内燃機関の始動時における摺
動抵抗をより一層低減することのできる内燃機関の潤滑
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関の潤滑
装置は、内燃機関に潤滑油を供給するもので、複数区画
に分割され、少なくともその一つの区画に保温機能が設
けられたオイルタンクと、内燃機関の発する熱によって
潤滑油を昇温させる昇温手段と、昇温手段によって昇温
された潤滑油を、オイルタンクの保温機能が設けられた
区画に貯留させる貯留手段と、内燃機関の始動時に、オ
イルタンクの保温機能が設けられた区画に貯留された潤
滑油を、内燃機関の各部に供給する供給手段とを備え、
供給手段が、オイルタンク内の潤滑油を吸い上げるスト
レーナを保温機構の設けられていない区画に有すると共
に、内燃機関の始動時に、保温機能を有する区画に貯留
された潤滑油を、ストレーナの吸い込み口直下に送出さ
せる送出手段を有していることを特徴としている。
【0005】本発明の内燃機関の潤滑装置によれば、昇
温手段によって昇温した潤滑油を、貯留手段を用いて、
オイルタンクの保温機能を設けた区画に貯留させ、内燃
機関の始動時に、供給手段を用いて、保温された潤滑油
を内燃機関各部に供給するので、内燃機関の始動時にお
ける各摺動部の摺動抵抗を一層低減させることができ
る。摺動抵抗が減るので、内燃機関の出力が向上し、燃
費が向上する。さらに、内燃機関をより早期に暖機完了
させることができ、排気浄化性能も向上する。なお、
「内燃機関の発する熱」には、内燃機関の燃焼によって
燃焼室部分で発生する熱のみならず、内燃機関によって
排出される排気ガスが発する熱も含まれる。
【0006】さらに、保温機能を有する区画に貯留され
た潤滑油を、ストレーナの吸い込み口直下に送出させる
送出手段を有しているので、保温されていた潤滑油を内
燃機関の各部に供給することによって摺動抵抗を低減さ
せることができるだけでなく、保温されていた潤滑油に
よって保温されていなかった潤滑油の昇温も行うことが
できる。即ち、始動時における内燃機関の摺動抵抗低減
と共に、潤滑油全体をより早期に摺動抵抗低減に適した
状態とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の内燃機関の潤滑装置の一
実施形態について説明する。本実施形態における内燃機
関及び潤滑装置の構成を図1に示す。
【0008】内燃機関であるエンジン1の本体部2は、
主としてシリンダブロック、シリンダヘッド及びクラン
クケースからなる。シリンダブロックや、このシリンダ
ブロックの下部に結合されたクランクケースの内部に
は、シリンダ内を往復運動するピストンやピストンの往
復運動を回転運動に変換するコンロッド及びクランクシ
ャフトなどが配されている〔ピストン・クランク系〕。
また、シリンダブロックの上部に結合されたシリンダヘ
ッドの内部には、吸気ポートの開閉を行う吸気弁や排気
ポートを開閉する排気弁が配置されており、吸排気弁は
カムシャフトによって開閉される〔動弁系〕。
【0009】ピストン・クランク系のさらに下方の本体
部2の最下部には、オイルタンク3が取り付けられてい
る。オイルタンク3は、通常のオイルパンとほぼ同様な
形態を有している。ただし、本実施形態におけるオイル
タンク3は、その内部が二分割されており、その一方に
保温機能が設けられている。以下、保温機能が設けられ
ている区画を保温区画3a、保温機能が設けられていな
い区画を非保温区画3bと言うこととする。また、本体
部2には、シリンダ内部で燃焼されて排出される排気ガ
スを案内する排気管4が接続されている。
【0010】非保温区画3bには、本体部2の内部で滴
下する潤滑油が捕集されるようになされている。非保温
区画3b内には、捕集・貯留された潤滑油を吸い上げる
ストレーナ5が設置されている。ストレーナ5は、オイ
ルポンプ6に接続されている。オイルポンプ6によって
ストレーナ5から吸い上げられた潤滑油は、本体部2に
形成されたオイルギャラリ(流路)7に送出され、各摺
動部に供給される。
【0011】このオイルギャラリ7のうちの主流路(メ
インオイルギャラリ)から、分岐管8が分岐されてい
る。分岐管8は排気管4に付随して形成された昇温部9
を経由して、保温区画3aに接続されている。分岐管8
上のメインオイルギャラリとの分岐点近傍には、バルブ
10が設置されている。このバルブ10を開閉すること
によって、潤滑油を昇温部9に導入して昇温させる状態
と、潤滑油を昇温部9に導入させない状態とを切り替え
ている。昇温部9は、分岐管8の内部を流れる潤滑油に
排気ガスの熱を与える機能を有している。エンジン1の
運転中に分岐管8を経由して保温区画3aに貯留される
潤滑油は、昇温部9で昇温されてから貯留され、保温区
画3aで保温される。
【0012】本実施形態の保温区画3aの壁体構造は、
図2(a)に示されるように、内部が真空層3cとされて
いる。このため、真空層によって熱の伝導が抑止され、
保温区画3a内部の潤滑油が保温される。なお、保温区
画3aに保温機能を持たせるための構造としては他の形
態も考えられ、これらを図2(b)〜図2(d)に示す。図2
(b)に示される例は、二重にした壁体の内部にシリカエ
アロゲルやグラスウールなどの断熱材3dを充填したも
のである。図2(c)に示される例は、二重にした壁体の
内部に断熱材3eと中空層3fとを交互に形成したもの
である。図2(d)に示される例は、二重にした壁体の内
部に中空層3gを形成したものである。なお、中空層と
は、真空ではなく何らかの気体を充填したものである。
【0013】上述した保温区画3aから、ストレーナ5
の吸い込み口まで、送出管11が配設されている。送出
管11は、保温区画3aの内部の潤滑油をストレーナ5
の吸い込み口下方に送出するためのものである。送出管
11上の保温区画3a寄りには、バルブ12が設置され
ている。このバルブ12を開閉することによって、潤滑
油をストレーナ5の下方に送出させる状態と、潤滑油を
非保温区画3bの内部に送出させない状態とを切り替え
ている。
【0014】ここでは、排気管4に付随して配設された
昇温部9が、潤滑油を昇温させる昇温手段として機能し
ている。また、分岐管8やバルブ10などは、潤滑油を
保温区画3aに貯留させる貯留手段として機能してい
る。また、送出管11やストレーナ5、オイルポンプ6
は、保温区画3a内の潤滑油をエンジン1の各摺動部に
供給する供給手段として機能している。さらに、送出管
11やバルブ12は、ストレーナ5の吸い込み口直下に
潤滑油を送出する送出手段として機能している。
【0015】本実施形態のストレーナ5の形状は、図3
(a)のように一般的な形状を有している。なお、ストレ
ーナ5の吸い込み口には、潤滑油内の不純物がオイルギ
ャラリ7の内部に侵入するのを防止するためのフィルタ
5aが取り付けられている。ストレーナ5の形態として
は、上述した形態以外の形態も考えられ、これらを図3
(b)〜図3(d)に示す。図3(b)は、送出管11から送出
される潤滑油をより効率的に吸い上げることができるよ
うに、ストレーナ5の吸い込み口を送出管11の先端側
に向けて形成したものである。図3(c)は、ストレーナ
5と送出管11の先端とを一体化させたものである。こ
の形態によれば、送出管11から送出される潤滑油をよ
り一層優先的にストレーナ5によって吸い上げることが
できる。
【0016】図3(d)は、保温区画3aと非保温区画3
bとにそれぞれ別々にストレーナ5,5aを設け、これ
を合流させた後にオイルポンプ6に接続したものであ
る。この形態によれば、非保温区画3b内の潤滑油が保
温されていた潤滑油によって昇温されることはなくなる
が、エンジン1の始動時に、保温されていた潤滑油をよ
り確実に各摺動部に供給することができる。なお、保温
されていた潤滑油と保温されていなかった潤滑油とを単
一のオイルポンプ6で吸引する場合、保温されていた粘
度の低い潤滑油の方が吸引されやすいので、保温されて
いた潤滑油の方が優先的にオイルギャラリ7に供給され
る。
【0017】また、本実施形態においては、潤滑油を昇
温させて保温区画3aに導くための分岐管8は、図4
(a)に示されるように、オイルギャラリ7(特にメイン
オイルギャラリ)から分岐された。なお、図4(a)には
バルブ10は図示されていない。また、図4(a)に示さ
れるように、昇温部9では分岐管8が繰り返し蛇行され
て排気ガスの発する熱をより効率的に受け取ることがで
きるようにされている。しかし、潤滑油を昇温させて保
温区画3aに導く形態としては、上述した形態以外の形
態も考えられ、これらを図4(b)及び図4(c)に示す。図
4(b)は、ストレーナ5から潤滑油を吸い上げるための
オイルポンプ6に分岐管8aが接続されているものであ
る。
【0018】また、図4(c)は、上述したような分岐管
8,8aや昇温部9を設けずに、エンジン1自体の燃焼
によって発生する熱によって昇温されて滴下する潤滑油
を保温区画3a内部に捕集するものである。図4(c)に
示される場合は、エンジン1自体が潤滑油を昇温させる
昇温手段として機能しており、昇温されて滴下する潤滑
油を保温区画3aに捕集する構造が貯留手段として機能
している。
【0019】なお、上述したバルブ10,12は、ソレ
ノイドバルブであり、図示されないECUに接続され、
ECUからの指令に基づいて開閉される。また、ECU
には、保温区画3a内の潤滑油の温度を検出する油温セ
ンサも接続されている。エンジン1の運転時には、油温
センサの検出結果に基づいて、保温区画3a内の潤滑油
の温度が一定に維持されるように、バルブ10,12が
開閉される。なお、バルブ10,12は、上述したもの
とは異なる構成によっても、ほぼ同様の機能を呈するこ
とができる。それらの例を図5〜図7に示す。
【0020】図5に示される例においては、図5(a)に
示されるように、バルブ10,12に相当するバルブ1
0a,12aが設けられている。バルブ10a,12a
は、油圧によって内部のシリンダ13を移動させること
によって、その開閉が行われる。シリンダ13には、図
5(b)に示されるように、流路にほぼ一致する貫通孔1
3aが形成されており、この貫通孔13aが流路断面と
一致すると開状態となる。
【0021】図5(c)に示されるように、バルブ10
a,12aの閉状態時には、シリンダ13は下方よりス
プリング15によって付勢されており、流路と貫通孔1
3aとが一致しないようになされている。しかし、バル
ブ10a,12aの開状態時には、シリンダ13は上方
より油圧を受けて下方に移動し、流路と貫通孔13aと
を一致させる。なお、図5(a)中、保温区画3aの上部
に配設されているのは、保温区画3a内の潤滑油の温度
及び貯留量を検出するセンサ14である。
【0022】図6に示される例においては、バルブ1
0,12に相当するバルブ10b,12bが設けられて
いる。バルブ10b,12bは、温度に応じて形状を変
化させる形状記憶合金によって、その開閉が行われる。
ここでは、バルブ10b,12bに、形状記憶合金によ
るスプリング16が組み込まれている。このスプリング
16は、昇温された潤滑油中に埋没されると、その長さ
を伸張させてアーム17を介して各バルブ10b,12
bを閉じる。
【0023】図6(a)には、保温区画3aが昇温された
潤滑油で満たされた状態が示されている。この状態で
は、バルブ10b,12bの各スプリング16は、共に
潤滑油内に埋没しており、伸張状態にある。このため、
バルブ10b,12bの双方が閉状態である。一方、図
6(b)には、保温区画3a内の潤滑油が少ない状態が示
されている。この状態では、バルブ12bのスプリング
16は潤滑油内に埋没して伸張状態にあるが、バルブ1
0bのスプリング16は潤滑油内に埋没して収縮状態に
ある。このため、バルブ10bは開放され、バルブ12
bは閉鎖され、昇温部9から昇温された潤滑油を保温区
画3a内部に受け入れることができる。
【0024】図7に示される例においては、バルブ1
0,12に相当するバルブ10c,12cが設けられて
いる。バルブ10cは、保温区画3a内のフロート部材
18によって、その開閉が行われる。バルブ12cは、
オイルポンプ6によって発生される油圧によって、その
開閉が行われる。保温区画3aが昇温された潤滑油で満
たされている場合は、保温区画3a内でフロート部材1
8が上方に移動され、アームを介してバルブ10cが閉
じられる。エンジン1の始動時には、オイルポンプ6に
よって発生された油圧がシーソー19の一端に加えら
れ、シーソー19の他端側に取り付けられたおもりを移
動させてバルブ12cを開放する。
【0025】なお、図5〜図7に示されるバルブ構造
は、図示されないバルブ開閉補助機構(強制的にバルブ
を開く機構など)と組み合わされてもよい。また、図5
〜図7に示されるように、保温区画3aへの潤滑油の流
入を遮断するバルブ10a〜10cが保温区画3aと昇
温部9との間にあるような場合は、バルブ10a〜10
cが閉状態であるときに潤滑剤が昇温部9によって昇温
され過ぎてしまうことが懸念される。以下には、このよ
うな状況となるのを回避するための構造について説明す
る。図8〜図11にこのような構造を示す。
【0026】図8は、形状記憶合金を用いて、昇温部9
の内部における分岐管8と排気管4との間の距離を変更
するものである。この例においては、分岐管8に形状記
憶合金からなるスプリング21が取り付けられている。
スプリング21は、所定の温度以下であれば伸張状態に
あり、分岐管8内部の潤滑油に対して排気管4によって
発せられる熱を充分に与えることができるようになって
いる。ここで、分岐管8内部の潤滑油が保温区画3a内
に流入されずに停滞された状態が続くと、排気管4から
の熱はスプリング21も暖めることになる。
【0027】スプリング21が、所定の温度よりも高い
温度にまで昇温されると、それ自体が持つ形状記憶作用
によって、図8(b)に示されるように収縮状態となる。
スプリング21が収縮状態となると分岐管8が排気管4
から遠ざけられ、分岐管の内部の潤滑油に排気管4が発
する熱が伝達されにくくなる。この結果、分岐管8の内
部の潤滑油が昇温され過ぎるのを防止することができ
る。
【0028】図9は、分岐管8自体を形状記憶合金を用
いて形成することによって、昇温部9の内部における分
岐管8と排気管4との間の距離を変更するものである。
この例においては、分岐管8自体を形状記憶合金を用い
て螺旋状に形成し、分岐管8の中心を貫通するように排
気管4を配置してある。分岐管8は、所定の温度以下で
あれば図9(a)及び図9(b)に示されるように排気管4と
の距離を近くした状態にあり、その内部の潤滑油に対し
て排気管4によって発せられる熱を充分に与えることが
できるようになっている。ここで、分岐管8内部の潤滑
油が保温区画3a内に流入されずに停滞された状態が続
くと、排気管4からの熱は分岐管8及びその内部の潤滑
油を暖め続けることになる。
【0029】分岐管8が、所定の温度よりも高い温度に
まで昇温されると、それ自体が持つ形状記憶作用によっ
て、図9(c)及び図9(d)に示されるようにその裸線半径
を拡張させた状態となる。分岐管8の螺旋状体が拡張さ
れると分岐管8が排気管4から遠ざけられ、分岐管8の
内部の潤滑油に排気管4が発する熱が伝達され難くな
る。この結果、分岐管8の内部の潤滑油が昇温され過ぎ
るのを防止することができる。
【0030】図10は、分岐管8の内部の潤滑油の流れ
を停滞させずに、潤滑油を潤滑させ続けることによって
分岐管8内部の潤滑油の過熱を防止するものである。こ
の例では、分岐管8上の昇温部9の下流側に分岐バルブ
22を設けている。また、このバルブ22は、昇温部9
の内部において分岐管8に取り付けられた温度センサ2
3の出力に連動して開閉する。
【0031】保温区画3aに潤滑油を貯留させる場合
は、図10(a)に示されるように、バルブ22は、分岐
管8が昇温部9と保温区画3aとを連通させるよう状態
にされる。この状態から、保温区画3aが昇温された潤
滑油で満たされると、分岐管8の内部の潤滑油は停滞
し、所定温度よりも高い温度にまで昇温される。潤滑油
が所定温度以上となったことが温度センサ23によって
検出された時点で、バルブ22が図10(b)に示される
ように切り替えられる。この結果、分岐管8内部の潤滑
油は停滞せずに循環され続けるので、潤滑油が過熱され
ることはない。なお、分岐管8を経由する潤滑油は、バ
ルブ22切換後は非保温区画3bなどに還流される。
【0032】あるいは、分岐管8内部の潤滑油が昇温さ
れ過ぎるような状況となった場合に、昇温部9内部の分
岐管8部分を強制的に冷却してもよい。図11(a)に
は、このような冷却を水冷式によって実現した例を、図
11(b)には、このような冷却を空冷式によって実現し
た例を示す。
【0033】図11(a)に示されるように、分岐管8内
部の潤滑油が昇温され過ぎるような状況になった場合
は、エンジン1の冷却水を昇温部9内部の分岐管8部分
を通過させる。なお、図11(a)に示される場合は、ラ
ジエター24によって冷却した直後の冷却水を用いてい
る。これによって、冷却水が熱を受け取り、潤滑油の過
熱を防止できる。熱を受け取った冷却水は、ヒーター2
5に送られ室内暖房用の熱源として用いられている。
【0034】図11(b)に示されるように、分岐管8内
部の潤滑油が昇温され過ぎるような状況になった場合
は、エンジン1のエアクリーナ26から取り入れた空気
を昇温部9内部の分岐管8部分を通過させる。なお、図
11(b)に示されるように、エアクリーナ26から取り
入れた空気は、エンジン1の吸気系にも当然供給されて
いる。これによって、空気が熱を受け取り、潤滑油の過
熱を防止できる。熱を受け取った空気はそのまま室内暖
房用の熱源として用いられている。
【0035】上述した潤滑装置を用いて、エンジン1の
始動時の摺動抵抗を低減する方法について以下に説明す
る。
【0036】まず、エンジン1の運転中に昇温した潤滑
油を予め保温区画3aに貯留させておく。エンジン1が
十分に暖まっている状態で、バルブ10が開かれる。こ
のとき、バルブ12は、保温区画3a内が空の状態であ
れば閉じられ、保温区画3a内に温度が低下してしまっ
た潤滑油が残っているようであれば開かれる。オイルギ
ャラリ7から分岐管8へは、エンジン1本体で暖められ
た潤滑油が流れ込み、これがさらに昇温部9によって昇
温された後に保温区画3aに貯留される。
【0037】保温区画3a内に所定の温度の潤滑油が貯
留されたところで、バルブ10,12は閉状態とされ
る。なお、保温区画3a内に温度が低下してしまった潤
滑油が残っている場合に、この温度の低下した潤滑油を
保温区画3aから非保温区画3bに排出してバルブ12
を閉じてから昇温された潤滑油を保温区画3aに充填し
てもよい。また、エンジン1の運転中には、保温区画3
a内の潤滑油の温度が低下した場合は上述した制御が繰
り返し行われ、常に保温区画3a内の潤滑油の温度はあ
る一定の温度以上に維持される。
【0038】保温区画3a内の潤滑油は、エンジン1が
停止された後も、保温機能によってその温度低下が抑止
される。そして、エンジン1が始動されるときには、バ
ルブ12が開かれて送出管11を介して、保温されてい
た保温区画3a内の潤滑油がストレーナ5の下方に送出
される。保温されていた潤滑油は、非保温区画3b内の
温度の低い潤滑油を昇温させつつ、ストレーナ5から吸
い上げられてエンジン1の各摺動部に供給される。
【0039】各摺動部に供給される潤滑油は保温されて
いた潤滑油であるため、摺動抵抗を小さくできる。ま
た、保温された潤滑油がエンジン1全体と低温の潤滑油
を暖めることにもなるので、エンジン1の暖機が早期に
完了する。この結果、エンジン1の出力向上や燃費向
上、静音性向上、排出ガスの浄化率向上などの効果があ
る。特に、勤務先から帰宅し、翌朝エンジン1を始動す
る際などは、保温区画3a内の潤滑油の温度はそれほど
低下しないので充分な効果が得られる。
【0040】また、始動性も向上するので、寒冷地など
ではエンジン1の始動をより一層容易にすることにもな
る。さらに、上述した例では、潤滑油の全てを過熱・保
温するのではなく、その一部のみを過熱・保温する。そ
して、過熱・保温した潤滑油はエンジン1の始動時にの
み用いる。このため、エンジン1の運転時にエンジン1
の過熱させる危険はない。
【0041】
【発明の効果】本発明の内燃機関の潤滑装置によれば、
昇温手段によって昇温した潤滑油を、貯留手段を用いて
オイルタンクの保温機能を設けた区画に貯留させ、内燃
機関の始動時に供給手段を用いて保温された潤滑油を内
燃機関各部に供給するので、内燃機関の各摺動部の摺動
抵抗を内燃機関の始動時から一層低減させることができ
る。また、摺動抵抗が減るので、内燃機関の出力を向上
させ、燃費も向上させることができる。さらに、内燃機
関をより早期に暖機完了させることができ、排気浄化性
能も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の潤滑装置の一実施形態を示
す構成図。
【図2】保温区画の壁体構造を示す断面図である。
【図3】ストレーナの構造を示す断面図である。
【図4】昇温手段の構造を示す断面図である。
【図5】保温区画への潤滑油の流出入を調整するバルブ
機構(第一例)を示す断面図である。
【図6】保温区画への潤滑油の流出入を調整するバルブ
機構(第二例)を示す断面図である。
【図7】保温区画への潤滑油の流出入を調整するバルブ
機構(第三例)を示す断面図である。
【図8】潤滑油の過熱防止機構を示す断面図(第一例)
である。
【図9】潤滑油の過熱防止機構を示す断面図(第二例)
である。
【図10】潤滑油の過熱防止機構を示す断面図(第三
例)である。
【図11】潤滑油の過熱防止機構を示す断面図(第四例
及び第五例)である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…本体部、3…オイルタンク、3a…
保温区画、3b…非保温区画、4…排気管、5…ストレ
ーナ、6…オイルポンプ、7…オイルギャラリ、8…分
岐管、9…昇温部、10…バルブ、11…送出管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01M 11/00 F01M 11/00 D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に潤滑油を供給する内燃機関の
    潤滑装置において、 複数区画に分割され、少なくともその一つの区画に保温
    機能が設けられたオイルタンクと、 前記内燃機関の発する熱によって潤滑油を昇温させる昇
    温手段と、 前記昇温手段によって昇温された潤滑油を、前記オイル
    タンクの保温機能が設けられた区画に貯留させる貯留手
    段と、 前記内燃機関の始動時に、前記オイルタンクの保温機能
    が設けられた区画に貯留された潤滑油を、前記内燃機関
    の各部に供給する供給手段とを備え、 前記供給手段が、前記オイルタンク内の潤滑油を吸い上
    げるストレーナを保温機構の設けられていない区画に有
    すると共に、前記内燃機関の始動時に、前記保温機能を
    有する区画に貯留された潤滑油を、前記ストレーナの吸
    い込み口直下に送出させる送出手段を有していることを
    特徴とする内燃機関の潤滑装置。
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