JP2010084721A - 断熱オイルパン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルパンに貯留されたオイルの保温性を向上させる。
【解決手段】クランクケースロアー1に、上底外面にオイル導入孔31へ潤滑油を案内するオイル溝34をもつ樹脂製のアッパー部材3を収容配置し、クランクケースロアー1とオイルパン2との間をアッパー部材3で仕切ると共に、アッパ部材3のオイル導入孔31と空気抜き孔33を開閉する弁部材4を設け、アッパー部材3とオイルパン2との間に潤滑油が密封状態で貯留される閉空間100を形成したので、閉空間100に貯留された潤滑油の保温性が向上する。
【選択図】 図2

Description

本発明は自動車のオイルパン構造に関し、詳しくは、潤滑油の保温性に優れた断熱オイルパンの構造に関する。
内燃機関の潤滑油を貯留する装置として、オイルパンが広く用いられている。オイルパンに貯留された潤滑油(以下、オイルという)は、内燃機関の運転時にオイルポンプによってストレーナを介して汲み上げられ、オイルフィルタで異物が除去された後に、内燃機関の各種接触部の潤滑あるいは冷却に使用される。使用後のオイルはオイルパンに戻り、再び汲み上げられるまでオイルパン内に貯留される。
従来のオイルパンは保温性を重視していないため、内燃機関の停止後には急激に油温が低下する。油温が低下すると、粘度上昇によってオイルの流動性が低下するために、内燃機関を再び運転した際に流動抵抗が高くフリクションロスが増大し、スターターモータへの負荷が大きくなったり、燃費が悪化するという問題があった。
そこで特開2000−199416号公報には、クランクケースロアーに取り付けられたアッパー側本体とロアー側本体との間にバッフルプレートを配置した二分割のオイルパン構造が提案されている。バッフルプレートにはオイル導入孔とオイル導出孔とが形成され、オイル導入孔には開閉可能な保温用カバーが設けられ、オイル導出孔はストレーナで塞がれている。したがってこの構造によれば、ロアー側本体内を密閉構造とすることができ、オイルの保温性が向上する。
しかしながらこのオイルパン構造では、クランクケースロアーの下方にアッパー側本体が固定されているので、クランクケースロアーからの突出量が大きくなりスペース面での制約が大きいという問題がある。また上記公報には、アッパー側本体とロアー側本体との材質に関する記載が無いが、金属製であると熱伝導率が高いので断熱性に劣る。
一方、実開平04−132445号公報には、樹脂製のオイルパンが記載されている。しかし樹脂製のオイルパンでは、走行時における飛石の衝突に対する強度が不足する。またオイルパンの上部が開口しているので、保温性が低い。
また特開2001−152824号公報には、オイルポンプへオイルを供給するオイル通路が設けられた第1オイル貯溜室と、この第1オイル貯溜室に連通孔を介して連通可能な第2オイル貯溜室とを設け、第1オイル貯溜室のオイル貯溜量が所定量より少ないときに連通孔を開放して第1オイル貯溜室と第2オイル貯溜室とを連通する制御弁を設けた構造が開示されている。また制御弁には、オイル流量に応じて開閉するフロート弁を用いることも記載されている。
このように構成することで、オイルの貯溜量が一定以上である時には、制御弁が連通孔を閉止して両オイル貯溜室間のオイルの流通が阻止されることで、第1オイル貯溜室にある少量のオイルがオイル通路を介してエンジン各部へ供給されることとなり、エンジン暖機運転時のオイル温度の上昇を促進することができる。
しかし上記公報には、区画板(21)にエア抜き用の孔(32)が設けられていることが記載されている。したがって上記制御弁を閉じてオイルの温度上昇を促したとしても、エア抜き用の孔を通じてオイルの放熱が進行するという問題があった。
特開2000−199416号公報 実開平04−132445号公報 特開2001−152824号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、オイルパンに貯留されたオイルの保温性をさらに向上させることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の断熱オイルパン構造の特徴は、クランクケースロアーと、クランクケースロアーの下部に固定されたオイルパンと、下部に開口する逆容器形状をなしクランクケースロアーに収容された樹脂製のアッパー部材と、からなり、アッパー部材がクランクケースロアーとオイルパンとで挟持されてなりアッパー部材とオイルパンとの間に潤滑油が貯留される閉空間が形成された断熱オイルパン構造であって、
アッパー部材は閉空間へ潤滑油を導入するオイル導入孔と、閉空間から潤滑油を導出するオイル導出孔と、閉空間と外部とを連通する空気抜き孔と、を有し、オイル導入孔はアッパー部材の側壁に形成され、空気抜き孔はアッパー部材の上底部に形成され、アッパー部材にはフロートと弁本体とからなる弁部材が配置され、閉空間内に貯留された潤滑油の量に応じて弁本体がオイル導入孔を開閉するとともにフロートが空気抜き孔を開閉することにある。
本発明の断熱オイルパン構造によれば、クランクケースロアーとオイルパンとの間に熱伝導率が金属より低い樹脂製のアッパー部材が配置され、アッパー部材とオイルパンとの間にオイルが貯留される閉空間が形成されている。また内燃機関の停止時に閉空間内に所定量のオイルが貯留されると、オイル導入孔は弁部材で閉じられるので、閉空間とクランクケース内との連通が遮蔽される。これにより閉空間に貯留されたオイルを略密封状態とすることができ、オイルからの放熱が抑制される。したがって内燃機関の停止時には、閉空間内に貯留されたオイルの保温性が高く、次の始動時には温度の高いオイルが循環されるため、フリクションロスを低減することができる。
そしてアッパー部材がクランクケースロアーに収容されているので嵩高になることがなく、アッパー部材の側壁にオイル導入孔が形成されているので、アッパー部材とクランクケースロアーとの間のオイルも閉空間へ導くことができる。
ところで閉空間内にオイルが流入するときに、オイルの液面がオイル導入孔より上部になると、閉空間内の空気の逃げ場がなくそれ以上のオイルの流入が困難となる。したがってアッパー部材の上部に、閉空間と外部とを連通する空気抜き孔を設けることが望ましい。しかし空気孔が常に開放されていると、そこからの放熱によって貯留されているオイルの保温性が低下する。
そこで本発明の断熱オイルパン構造では、アッパー部材にフロートと弁本体とからなる弁部材が配置されている。この弁部材はフロートと弁本体とを備え、弁本体がオイル導入孔を開閉するとともに、フロートが空気抜き孔を開閉するように構成する。閉空間に貯留されたオイルの液面が所定高さとなったときにフロートが空気抜き孔を閉じることで、貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。
そしてオイル導入孔の開閉と空気抜き孔の開閉とを一つの弁部材で行うことで、両孔の開閉の連動を容易かつ確実に行うことができる。しかもこの連動をフロートの浮力のみで行うことができるので、駆動源が不要となりコストを抑制することができる・
さらに空気抜き孔を閉じる方向へフロートを付勢する付勢部材を備え、付勢部材は所定温度以上で付勢力を発揮するように構成することが望ましい。このようにすることで、オイルパン内のオイル量が少ない時でもオイルの温度に応じて空気抜き孔とオイル導入孔を閉じることができ、放熱を抑制することが可能となる。またエンジン停止直後の早期にオイル導入孔が閉じられるので、オイルパン内のオイルの保温性が向上する。
またオイルパンを上記アッパー部材と、同じく樹脂製のロアー部材とから構成し、ロアー部材とアッパー部材との間に閉空間が形成された構造とすれば、オイルパンの全体が熱伝導率が低い樹脂から形成されるため、貯留されたオイルの放熱をさらに抑制することができる。
少なくともアッパー部材は、周壁内に空気層を有することが望ましい。このように構成することで空気層が断熱層として機能し、貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。
オイルパンにストレーナを配置し、オイル導出孔をストレーナで塞ぐことが望ましい。このように構成することで、閉空間の気密性がさらに高まり貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。
一般的な自動車エンジンのクランクケースは、クランクケースアッパーとクランクケースロアーとからなり、シリンダブロックの下部に配置されている。クランクケースロアーの下部には、一般に、オイルパンに対向する比較的大きな空間が形成されている。本発明は、この空間もオイルパンの一部として用いるものである。
本発明の断熱オイルパン構造では、樹脂製のアッパー部材がクランクケースロアーとオイルパンとで挟持され、アッパー部材がクランクケースロアーの下部に形成された空間に入るとともに、アッパー部材によってクランクケースロアーとオイルパンとの間が仕切られている。このアッパー部材は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドなどから射出成形によって形成することができる。
アッパー部材がクランクケースロアーとオイルパンとで挟持されることで、アッパー部材とオイルパンとの間にオイルが貯留される閉空間が形成されている。アッパー部材は、閉空間へオイルを導入するオイル導入孔と閉空間からオイルを導出するオイル導出孔とを有している。
すなわち潤滑あるいは冷却に使用されたオイルは、クランクケースロアー内へ落下し、アッパー部材に付着した後に流動してオイル導入孔から閉空間内へ流入する。また閉空間内に貯留されたオイルは、オイルポンプによってオイル導出孔から汲み上げられる。したがってアッパー部材の上面あるいはクランクケースロアーの内周表面には、オイル導入孔へ向かうオイル流路を形成することが望ましい。またアッパー部材とクランクケースロアーとの間に、オイルが集まって流れる集合流路を形成し、その集合流路の最下部にオイル導入孔を形成することが望ましい。
アッパー部材には、閉空間にオイルが所定量貯留されたときにオイル導入孔を閉じる弁部材が配置されている。この弁部材は、閉空間に貯留されたオイルが所定量になるまではオイル導入孔を開き、内燃機関の停止時に所定量になった時点でオイル導入孔を閉じる。すなわち内燃機関の停止時には、オイルポンプも停止するため大部分のオイルが閉空間内に貯留されることになる。そして閉空間に所定量のオイルが貯留されると弁部材が機能し、オイル導入孔が閉じられる。これにより閉空間とクランクケースロアー内との連通が遮蔽される。したがって閉空間に貯留されたオイルを略密封状態とすることができ、オイルからの放熱が抑制されるため保温性が向上する。
弁部材はフロートと弁本体とを備え、オイル液面の上下動に応じてフロートが空気抜き孔を開閉するとともに、弁本体がオイル導入孔を開閉するように構成されている。閉空間に貯留されたオイルの液面が所定高さとなったときにフロートが空気抜き孔を閉じることで、貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。また閉空間のオイルの液面高さをアッパー部材の上底面近くまで設定でき、フロートは液面検知機能と空気抜き孔の開閉機能とを兼用することができる。
オイルパンにはストレーナを配置し、オイル導出孔をストレーナで塞ぐことが望ましい。このように構成することで、閉空間とクランクケース内との連通をさらに遮蔽できるので、閉空間の気密性が高まり貯留されたオイルの保温性がさらに向上する。
上部に開口し潤滑油が貯留可能な容器形状をなす樹脂製のロアー部材と、ロアー部材を下方から覆う金属製のオイルパンカバーとからオイルパンを構成し、ロアー部材をアッパー部材と固定することでロアー部材とアッパー部材との間に閉空間を形成することが望ましい。閉空間全体を樹脂で覆うことで、貯留されたオイルの放熱をさらに抑制することができる。
ロアー部材とアッパー部材とは、開口どうしが互いに対向するように固定されて閉空間が形成される。例えばロアー部材とアッパー部材の開口を互いに同一形状とし、開口端面どうしを突き合わせて溶着などで接合することもできるが、閉空間にはストレーナなどが配置されるので交換時のことも考慮し、ロアー部材とアッパー部材とは分離可能に固定することが望ましい。このようにするには、ロアー部材及びアッパー部材の開口周縁にフランジ部を形成し、両フランジ部を合わせてボルトなどで結合することができる。この場合、両フランジ部どうしの間に液状ガスケット(FIPG)などのシール材を介在させることが望ましい。
少なくともアッパー部材は、周壁内に空気層を有することが望ましい。空気層によって断熱性がさらに向上する。周壁を発泡樹脂から形成することで空気層を形成することも可能であるが、オイルが気泡に含浸したり、強度が低下する場合がある。したがって周壁を少なくとも二枚の樹脂板から形成し、各樹脂板の間に空気層を形成することが望ましい。
このようにするには、少なくともアッパー部材を容器形状の内側部材と内側部材より一回り大きな容器形状の外側部材とから構成し、内側部材と外側部材とを接合するとともに、内側部材と外側部材との間に空気層を形成することが望ましい。
フランジ部が形成された少なくともアッパー部材の周壁内に空気層を形成する場合、以下のようにして容易に空気層を形成することができる。すなわち少なくともアッパー部材を、容器形状の内側部材と内側部材より一回り大きな容器形状の外側部材とから構成し、フランジ部を内側部材に形成し、外側部材の開口端面をフランジ部に溶着などで接合するだけで、空気層を容易に形成することができる。このようにすれば、フランジ部の数が少なくなるので、シール材を介在させる工数が低減される。そしてこのフランジ部をクランクケースロアーとオイルパンとの間に挟持することで、少なくともアッパー部材をクランクケースロアーとオイルパンとの間に固定することができる。
ロアー部材を備えた断熱オイルパン構造の場合には、アッパー部材と同様に、ロアー部材にも空気層を形成することが望ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例に係る断熱オイルパン構造を、図2にその部品構成図を示す。この断熱オイルパン構造は自動車に用いられ、アルミ合金製のクランクケースロアー1と、クランクケースロアー1の下面に固定されたステンレス鋼製のオイルパン2と、ガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂製のアッパー部材3と、弁部材4と、ストレーナ5と、から構成されている。アッパー部材3は、クランクケースロアー1とオイルパン2との間に挟持されている。
クランクケースロアー1は、従来から用いられているものであり、その内部にはオイルパン2に対向する部位に比較的大きな空間10が形成されている。また下部には、オイルパン2をボルト固定するための複数のボス部11が形成されている。
オイルパン2は従来のオイルパンに相当する容器状に形成され、開口周縁部にはパンフランジ20が形成されている。また底部には、ドレインボルト21が螺合するボス22(図9参照)が突出している。
アッパー部材3は、逆容器形状をなしクランクケースロアー1の空間10に下方から収容される形状に形成されている。またアッパー部材3の外周表面の一部は、クランクケースロアー1の内周表面の一部に対応する形状をなし、クランクケースロアー1の内周表面の一部に密着して配置されるように構成されている。アッパー部材3の開口周縁部にはアッパーフランジ30が形成され、側方向に開口するオイル導入孔31(図3参照)と、上方向に開口するオイル導出孔32と、空気抜き孔33と、が形成されている。
弁部材4は、弁本体40と、弁本体40から延びるロッド41と、ロッド41の他端が固定されたフロート42とからなる。弁本体40からは、脚部43が突出している。図3に示すように、ブラケット44がアッパー部材3に固定され、弁本体40がブラケット44に揺動自在に軸支されている。すなわち弁本体40は、揺動によってアッパー部材3のオイル導入孔31を開閉する。またフロート42は、弁本体40がオイル導入孔31を閉じたときに空気抜き孔33を閉じる。
ストレーナ5は、いずれも樹脂製の台部50と、メッシュ51と、蓋部52と、蓋部52から延びる円筒部53と、円筒部53の先端54から僅かに離れた位置に形成されたフランジ部55とからなり、台部50と蓋部52とはメッシュ51を介して連通している。
本実施例の断熱オイルパン構造を組み立てるには、先ずストレーナ5のフランジ部55をアッパー部材3のオイル導出孔32の周囲に溶着固定する。そして全体をオイルパン2に配置する。その状態で、クランクケースロアー1の空間10にアッパー部材3を挿入する。このとき、オイル導出孔32から突出したストレーナ5の先端54は、クランクケースロアー1に形成されたオイルポンプ吸引通路の開口に嵌合する。
そして図示しないボルトで、クランクケースロアー1、パンフランジ20、アッパーフランジ30を一体に固定する。これにより、アッパー部材3とオイルパン2との間に閉空間100が形成される。そしてクランクケースロアー1とアッパー部材3との間には、図8に示すような、流下したオイルを一時貯留する溝部12が形成され、溝部12の下部にオイル導入孔31が開口している。したがって流下したオイルを確実に閉空間100に貯留することができる。またオイル導出孔32の周囲には、図示しないオイルポンプへの接続部が液密に固定される。図示しないオイルポンプの吸引筒部先端に形成されたフランジ部が液密に固定される。
弁部材4の作動を以下に説明する。フロート42は閉空間100に貯留されたオイルに浮き、オイル液面と共に移動する。そしてオイル液面が所定高さ未満の場合には、図3及び図4に示すように、フロート42は自重によって下方へ移動し弁本体40はオイル導入孔31を開いている。また、脚部43がオイルパン2の内周表面に当接することで弁本体40の過度の揺動が規制されている。
オイル液面が上昇するにつれてフロート42が上方へ移動し、それに伴って弁本体40がオイル導入孔31を閉じる方向へ揺動する。オイル液面がオイル導入孔31より上部となった場合でも、空気抜き孔33が開口しているため閉空間100へのオイルの流入は続行される。そしてオイル液面が所定高さとなると、図5に示すようにフロート42が空気抜き孔33を閉じるとともに、弁本体40がオイル導入孔31を閉じる。これにより閉空間100は密閉状態となる。したがって貯留されたオイルからの放熱をさらに抑制することができ、保温性がさらに向上する。
したがって本実施例の断熱オイルパン構造によれば、エンジン停止時には流下したオイルの大部分がオイル導入孔31から流入して閉空間100に貯留される。閉空間100は上面が断熱性の高い樹脂製のアッパー部材3で覆われ、オイル導入孔31の開口及び空気抜き孔33は弁部材4で閉じられている。したがって貯留されたオイルからの放熱が抑制され、保温性に優れているので、次の始動時におけるフリクションロスを大きく低減することができる。
(実施例2)
本実施例の断熱オイルパン構造を図6に示す。このオイルパン構造は、クランクケースロアー1とオイルパン2との間に、アッパー部材6とロアー部材7とからなるオイルパン本体8が配置されてなる。オイルパン本体8の内部には、実施例1と同様の弁部材4とストレーナ5が配置されている。なお実施例1と同様の形状をなし同様の機能をもつ部位には、実施例1と同じ符合を付けて説明する。
オイルパン本体8の構造を図7に示す。アッパー部材6は、逆容器形状の外側部材60と、同じく逆容器形状の内側部材61とからなる。外側部材60は、クランクケースロアー1の空間10に収容される形状に形成されている。また外側部材60の外周表面の一部は、クランクケースロアー1の内周表面の一部に対応する形状をなし、クランクケースロアー1の内周表面の一部に密着して配置されるように構成されている。外側部材60には、実施例1と同様のオイル導入孔31と、上方向に開口するオイル導出孔32と、空気抜き孔33と、が形成されている。
内側部材61は、外側部材60より一回り小さな形状に形成され、その開口周縁部にはアッパーフランジ62が形成されている。また側方向に開口する貫通筒部63(図8参照)と、上方向に開口する貫通筒部64及び貫通筒部65が形成されている。
そして内側部材61は外側部材60と重ねられ、外側部材60の内周表面に形成されたリブ66が内側部材61の外周表面と当接することで両者の位置決めがなされる。そして外側部材60の開口端面がアッパーフランジ62の上面に溶着され、外側部材60と内側部材61とが一体化してアッパー部材6が形成されている。外側部材60と内側部材61との間には、リブ66の高さに相当する厚さの空気層200が形成されている。そして貫通筒部63の先端がオイル導入孔31の周縁部に接合され、貫通筒部64及び貫通筒部65の先端がオイル導出孔32及び空気抜き孔33の周縁部に接合されることで、空気層200がシールされている。
ロアー部材7は、容器形状の外側部材70と、同じく容器形状の内側部材71とからなる。外側部材70の外周表面は、オイルパン2の内周表面に対応する形状をなし、オイルパン2の内周表面に密着して配置されるように構成されている。外側部材70の底部には、貫通孔72(図9参照)が形成されている。
内側部材71は、外側部材70より一回り小さな形状に形成され、その開口周縁部にはロアーフランジ73が形成されている。また外周表面には複数のリブ74が形成されている。底部には、オイルパン2のボス22が係合する貫通筒部75(図9参照)が形成されている。
そして内側部材71は外側部材70と重ねられ、リブ74が外側部材70の内周表面と当接するとともに、貫通筒部75が貫通孔72に係合しボス22が貫通筒部75に係合することで両者の位置決めがなされる。そして外側部材70の開口端面76がロアーフランジ73の下面に溶着され、外側部材70と内側部材71とが一体化してロアー部材7が形成されている。外側部材70と内側部材71との間には、図8に示すように、リブ74の高さに相当する厚さの空気層300が形成されている。
本実施例の断熱オイルパン構造を組み立てるには、先ずアッパー部材6に弁部材4を取り付けるとともに、ストレーナ5のフランジ部55をアッパー部材6の内側部材61の貫通筒部64を貫通させ外側部材60のオイル導出孔33の周囲に溶着固定する。そしてロアー部材7とアッパー部材6を仮組付けする。このとき、ロアーフランジ73とアッパーフランジ62を重ねる。ロアーフランジ73とアッパーフランジ62との間には、FIPGを予め介在させておく。
次いで、全体をオイルパン2に配置する。このとき、図9に示すように、ボス22をオーリング23を介して貫通筒部75に挿通することで、配置の位置決めとシールを容易に行うことができる。その状態で、クランクケースロアー1の空間10にアッパー部材6を挿入する。このとき、オイル導出孔32から突出したストレーナ5の先端54は、クランクケースロアー1に形成されたオイルポンプ吸引通路13の開口に嵌合する。
そして図示しないボルトで、クランクケースロアー1、パンフランジ20、ロアーフランジ73、アッパーフランジ62を一体に固定する。これにより、ロアー部材7とアッパー部材6との間に閉空間100をもつタンク形状のオイルパン本体8が形成される。そしてクランクケースロアー1とオイルパン本体8との間には、図8に示すように、流下したオイルを一時貯留する溝部12が形成され、溝部12の下部にオイル導入孔31が開口している。したがって流下したオイルを確実にオイルパン本体8の閉空間100に貯留することができる。またオイル導出孔32は、ストレーナ6の先端64とオイルポンプ吸引通路13とで塞がれている。
したがって本実施例の断熱オイルパン構造によれば、エンジン停止時には流下したオイルの大部分がオイル導入孔31から流入してオイルパン本体8の閉空間100に貯留される。閉空間100は全面が空気層200、300を有する断熱性の高い樹脂で囲われ、オイル導入孔31は閉空間100側から弁本体40で塞がれ、オイル導出孔32はストレーナ6の先端54とオイルポンプ吸引通路13とで塞がれ、空気抜き孔33は閉空間100側からフロート42で塞がれている。したがって閉空間100は密封状態となるため、貯留されたオイルからの放熱が抑制され、保温性に優れているので、次の始動時におけるフリクションロスを大きく低減することができる。
(実施例3)
本実施例の断熱オイルパン構造は、図10、11に示すように、フロート42が形状記憶合金製のスプリング状部材45によってアッパー部材3の上底に釣支されていること以外は実施例1と同様である。スプリング状部材45は、一端がアッパー部材3の上底に固定され他端がロッド41に固定されている。スプリング状部材45は、所定温度未満ではフロート42の移動に伴って容易に塑性変形し、所定温度以上では図11に示すようにコイルスプリング形状となってフロート42を上方へ付勢する。
したがって本実施例の断熱オイルパン構造によれば、オイルパン内のオイル量が少ない時でもオイルの温度に応じて空気抜き孔33とオイル導入孔31を閉じることができ、放熱を抑制することが可能となる。またエンジン停止直後の早期に空気抜き孔33とオイル導入孔31を閉じることができるので、オイルパン内のオイルの保温性が向上する。
本発明の一実施例に係るオイルパン構造を示す斜視図である。 本発明の一実施例に係るオイルパン構造の分解斜視図である。 本発明の一実施例に係るオイルパン構造の要部断面図である。 本発明の一実施例に係るオイルパン構造をオイルパン本体内部側から見た斜視図である。 本発明の一実施例に係るオイルパン構造をオイルパン本体内部側から見た斜視図である。 本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造の分解斜視図である。 本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造に用いたオイルパン本体の分解斜視図である。 本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造の断面図である。 本発明の第2の実施例に係るオイルパン構造の要部断面図である。 本発明の第3の実施例に係るオイルパン構造をオイルパン本体内部側から見た斜視図である。 本発明の第3の実施例に係るオイルパン構造をオイルパン本体内部側から見た斜視図である。
符号の説明
1:クランクケースロアー 2:オイルパン
3:アッパー部材 4:弁部材
5:ストレーナ 6:アッパー部材
7:ロアー部材 8:オイルパン本体
31:オイル導入孔 33:空気抜き孔
40:弁本体 42:フロート

Claims (7)

  1. クランクケースロアーと、該クランクケースロアーの下部に固定されたオイルパンと、下部に開口する逆容器形状をなし該クランクケースロアーに収容された樹脂製のアッパー部材と、からなり、該アッパー部材が該クランクケースロアーと該オイルパンとで挟持されてなり該アッパー部材と該オイルパンとの間に潤滑油が貯留される閉空間が形成された断熱オイルパン構造であって、
    該アッパー部材は該閉空間へ潤滑油を導入するオイル導入孔と、該閉空間から潤滑油を導出するオイル導出孔と、該閉空間と外部とを連通する空気抜き孔と、を有し、該オイル導入孔は該アッパー部材の側壁に形成され、該空気抜き孔は該アッパー部材の上底部に形成され、
    該アッパー部材にはフロートと弁本体とからなる弁部材が配置され、該閉空間内に貯留された潤滑油の量に応じて該弁本体が該オイル導入孔を開閉するとともに該フロートが該空気抜き孔を開閉することを特徴とする断熱オイルパン構造。
  2. 前記空気抜き孔を閉じる方向へ前記フロートを付勢する付勢部材を備え、該付勢部材は所定温度以上で付勢力を発揮する請求項1に記載の断熱オイルパン構造。
  3. 前記付勢部材は形状記憶合金製のスプリングであり、前記所定温度以上でバネ力を発生する請求項2に記載の断熱オイルパン構造。
  4. 前記オイルパンは、上部に開口し潤滑油が貯留可能な容器形状をなす樹脂製のロアー部材と、該ロアー部材を下方から覆う金属製のオイルパンカバーとからなり、該ロアー部材が前記アッパー部材と固定されることで該ロアー部材と前記アッパー部材との間に前記閉空間が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の断熱オイルパン構造。
  5. 前記閉空間にはストレーナが配置され、前記オイル導出孔は該ストレーナで塞がれている請求項1〜4のいずれかに記載の断熱オイルパン構造。
  6. 少なくとも前記アッパー部材は、周壁内に空気層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の断熱オイルパン構造。
  7. 前記ロアー部材及び前記アッパー部材は開口周縁にフランジ部を有し、両フランジ部が前記クランクケースロアーと前記オイルパンカバーとの間に挟持されて固定されている請求項4〜6のいずれかに記載の断熱オイルパン構造。
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