JP5044478B2 - オイル貯留装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被潤滑機構(例えばエンジン本体や自動変速機構等)の潤滑用のオイルを貯留し得るように構成された、オイル貯留装置に関する。
この種のオイル貯留装置において、いわゆる2槽式オイルパン構造が広く知られている。この2槽式オイルパン構造は、例えば、実開昭55−36799号公報、実開昭56−169406号公報、実開昭62−38408号公報、実開平4−1613号公報、特開2001−123813号公報、特開2006−105118号公報、等に開示されている。かかる2槽式オイルパン構造においては、オイルパン内が、仕切壁(インナーオイルパン又はオイルパンセパレーターと称されることもある)によって、第一室と第二室とに区画されている。
かかる構成によれば、冷間時には、前記第一室内の前記オイルが専ら潤滑に供される。すなわち、暖機中における前記オイルの使用量(循環量)が低減される。これにより、暖機の進行が促進され、燃費向上効果が得られる。一方、温間時には、前記第一室及び前記第二室内の前記オイルが潤滑に供される。これにより、暖機後の良好な潤滑が実現される。
実開昭55−36799号公報 実開昭56−169406号公報 実開昭62−38408号公報 実開平4−1613号公報 特開2001−123813号公報 特開2006−105118号公報
従来、上述した2槽式オイルパン構造において、暖機の促進と、オイル交換の作業性と、を同時に達成することは困難であった。すなわち、この両者を同時に達成するためには、例えば実開昭62−38408号公報や特開2006−105118号公報に開示されている如く、前記オイルパンと前記仕切壁との双方に特別な構成を設ける必要があり、装置コストが高くなっていた。一方、このような特別な構成が設けられていない場合、オイル排出時に前記第一室内にかなりの量の古いオイルが残留する等の不具合が生じていた。このため、この種の2槽式オイルパン構造の実用化(市販車への適用)が妨げられていた。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、暖機が良好に促進されるとともにオイル交換作業が良好に行われる2槽式オイルパン構造を、安価に提供することにある。
<構成>
本発明のオイル貯留装置は、被潤滑機構の潤滑用のオイルを貯留し得るように構成されている。このオイル貯留装置は、オイルパンと、オイルパンセパレーターと、一方向弁と、を備えている。
前記オイルパンは、前記被潤滑機構に向けて開口する凹部を有していて、この凹部の内側に前記オイルを貯留可能に構成されている。このオイルパンの底部には、前記オイルを排出するための貫通孔であるドレイン孔が形成されている。このドレイン孔は、前記凹部の内側の空間内に貯留された前記オイルが重力の作用でスムーズに到達し得る位置に設けられていて、具体的には、前記オイルパンの隅部に設けられ得る。
前記オイルパンセパレーターは、前記凹部の内側の前記空間を第一室と第二室とに区分(分割)するように配置されている。前記第一室は、前記被潤滑機構に向けて開口するように設けられている。この第一室内には、オイル吸入口が配置されている。このオイル吸入口は、前記被潤滑機構に向けて前記オイルを供給するためのオイルポンプと接続されている。前記第二室には、前記ドレイン孔が配置されている。
本オイル貯留装置は、前記被潤滑機構の暖機中においては専ら前記第一室内の前記オイルが当該被潤滑機構に供給される一方、前記被潤滑機構の暖機後においては前記第一室及び前記第二室内の前記オイルが当該被潤滑機構に供給されるように構成され得る。
本オイル貯留装置においては、前記オイルパンセパレーターが前記凹部の底面に当接するように配置されることで、前記第二室が前記第一室の側方に形成されている。例えば、前記オイルパンセパレーターが筒状の側板を備えていて、この側板の下端が前記凹部の前記底面に当接するように当該オイルパンセパレーターが配置されることで、略ドーナツ状の前記第二室が前記第一室の側方を囲むように形成され得る。
前記オイルパンセパレーターには、前記第一室の底部から前記第二室の底部に向けて前記オイルを排出するためのオイル排出口が形成されている。このオイル排出口は、前記ドレイン孔に近接する位置に設けられ得る。
本オイル貯留装置は、前記オイルが重力の作用で前記オイル排出口を通って前記第一室の底部から前記第二室の底部にスムーズに移動し得るように(換言すれば前記第一室の底面上の前記オイルが重力の作用で前記第二室の底面上へスムーズに移動して前記ドレイン孔に到達し得るように)構成され得る。具体的には、前記第一室の前記底面と前記第二室の前記底面とが(前記オイル排出口を介して)連続するように、前記オイルパン及び前記オイルパンセパレーターが構成され得る。
例えば、前記側板の前記下端には、前記凹部の前記底面に向けて開口する切欠部が設けられ得る。この場合、前記オイル排出口は、前記側板が前記凹部の前記底面に当接することで当該底面と前記切欠部とよって形成される貫通孔からなる。
前記一方向弁は、前記オイルパンセパレーターに装着され得る。この一方向弁は、前記オイル排出口における前記オイルの流れを実質的に一方向に制限するように構成されている。すなわち、この一方向弁は、前記第一室の底部(底面)から前記第二室の底部(底面)に向かう前記オイルの流れを許容する一方で、前記第二室の底部から前記第一室の底部に向かう前記オイルの流れを抑制(制限あるいは実質的に禁止)するように構成されている。
具体的には、前記一方向弁は、以下のように構成され得る:当該一方向弁は、前記オイルパンセパレーターによって揺動自在に支持された板状部材である揺動板を備えている。そして、前記揺動板の自由端部が前記第一室から前記第二室に向かって揺動することで前記オイル排出口を開放する動作が許容される一方で、前記自由端部が前記第二室から前記第一室に向かって揺動することで前記オイル排出口を開放する動作が制限(禁止)されるように、当該一方向弁が構成されている。
<作用・効果>
かかる構成においては、前記オイルパン内が前記オイルパンセパレーターによって前記第一室と前記第二室とに区画されている。また、前記一方向弁により、前記オイル排出口における、前記第二室から前記第一室への前記オイルの流れが制限(実質的に禁止)されている。よって、冷間時には前記第一室内の前記オイルが専ら前記被潤滑機構の潤滑に供される一方で温間時には前記第一室及び前記第二室内の前記オイルが前記被潤滑機構の潤滑に供される、という動作が、良好に行われ得る。
また、かかる構成においては、オイル交換のためのオイル排出作業の際には、前記一方向弁により、前記オイル排出口における、前記第一室から前記ドレイン孔を有する前記第二室への前記オイルの流れが許容される。このため、前記第一室内の前記オイルが、前記オイル排出口を通って前記第二室へ良好に流出し、最終的には前記ドレイン孔によって前記オイルパンの外部に良好に排出され得る。
ここで、前記一方向弁は、(例えば揺動可能に支持された揺動板等からなる)比較的簡略な構造である。よって、当該オイル貯留装置の装置構成が比較的簡略なものとなり得る。また、前記オイルパンが号口(regular production)のものであっても、上述のような構成が実現され得る。
したがって、本発明のオイル貯留装置によれば、暖機が良好に促進されるとともにオイル交換作業が良好に行われる2槽式オイルパン構造を、安価に提供することができる。
以下、本発明の一実施形態(本願の出願時点において出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。実施形態に対する変形例(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、首尾一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<実施形態の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用されたエンジン1の概略構成を示す側断面図である。図1を参照すると、エンジン1は、エンジンブロック2と、オイル貯留装置3と、を備えている。
本発明の被潤滑機構としてのエンジンブロック2の内側には、カムシャフトやピストンやクランクシャフト等の被潤滑部材が収容されている。エンジンブロック2の下端は、下方に向けて開口していて、オイル貯留装置3によって塞がれている。すなわち、本実施形態のオイル貯留装置3は、エンジンブロック2内にて潤滑に供されたオイルを、重力の作用で回収し得るように、エンジンブロック2と接続されている。
オイル貯留装置3は、エンジンブロック2の潤滑用のオイルを貯留し得るように構成されている。このオイル貯留装置3は、いわゆる2槽式オイルパン構造を有していて、その内部には、第一室3aと、第二室3bと、が形成されている。第一室3aは、エンジンブロック2内にて潤滑に供された後に重力の作用で降下してくる(戻ってくる)オイルが流入し得るように、エンジンブロック2に向けて開口した状態で設けられている。この第一室3aの底部には、本発明のオイル吸入口としてのオイルストレーナー21が配置されている。
オイルストレーナー21は、エンジンブロック2に設けられたオイルポンプ22と、オイル輸送管23を介して接続されている。オイルポンプ22は、エンジンブロック2の内部に備えられた上述の被潤滑部材に向けてオイルを供給し得るように構成されている。
<実施形態のオイル貯留装置の構成>
以下、本実施形態のオイル貯留装置3の構成について、より詳細に説明する。このオイル貯留装置3は、オイルパン31と、オイルパンセパレーター32と、一方向弁33と、を備えている。このオイル貯留装置3は、エンジン1の暖機中においては専ら第一室3a内のオイルがエンジンブロック2に供給される一方、エンジン1の暖機後においては第一室3a及び第二室3b内のオイルがエンジンブロック2に供給されるように構成されている。
<<オイルパン>>
オイルパン31は、エンジンブロック2に向けて開口する凹部310を有するバスタブ状の部材であって、金属板のプレス加工によって一体に形成されている。オイルパン31は、この凹部310の内側にオイルが貯留されるように構成されている。凹部310の底面310aは、後述するように第一室3a及び第二室3bの底面を構成するものであって、エンジン1が車両に積載された際の凹部310の最低位置(オイルパン31内のオイルが重力の作用で淀みなくスムーズに到達する位置)に設けられたドレイン孔311からドレインプラグ312が取り外された際に、第一室3a及び第二室3bの底部のオイルが重力の作用でスムーズにドレイン孔311に向けて移動し得るようになっている。
ドレイン孔311は、オイルパン31の底板313における隅部に形成された貫通孔である。この底板313の端縁部から上方に突出するように、筒状の側板314が設けられている。すなわち、底板313と側板314とによって、上述の凹部310が形成されている。
<<オイルパンセパレーター>>
オイルパンセパレーター32は、良好な強度及び耐熱性を有する合成樹脂(例えばガラス繊維強化ナイロン)によって一体に形成されている。このオイルパンセパレーター32は、筒状の側板321を備えている。すなわち、側板321の下端縁によって、図中下方に向けて開口する開口部が形成されている。
本実施形態においては、側板321は、その下端が凹部310の底面310aに当接することで上述の開口部が実質的に塞がれるように設けられている。かかる側板321(オイルパンセパレーター32)の配置によって、凹部310の内側の空間が、オイルストレーナー21が配置された内側の第一室3aと、その外側かつ側方にて第一室3aを囲むように設けられた略ドーナツ状の空間であって最低部にドレイン孔311を有する第二室3bと、に分割されている。
側板321から外側に向けて突出するように、天板322が設けられている。天板322は、第二室3bの上端を規定するとともに、エンジンブロック2内にて潤滑に供され重力の作用で降下してくるオイルの一部を第二室3bの上方にて受容し得るように構成されている(なお、第一室3a及び第二室3bの下端はオイルパン31の底板313によって規定されている。)。
天板322には、第二室3bとその上方の空間とを連通するように、連通孔323が設けられている。この連通孔323には、開閉弁324が装着されている。この開閉弁324は、エンジン1の暖機の進行状態に応じて開閉されるように構成されている。具体的には、本実施形態においては、開閉弁324は、いわゆるサーモスタット弁構造を有していて、天板322によって受容されたオイルの温度が所定温度以上となった場合に開弁するように構成されている。
側板321の上部には、比較的大きな貫通孔からなる連通孔325が設けられている。この連通孔325は、開閉弁324が開弁することで第二室3bに上方からオイルが流入して第二室3b内のオイルレベルが上昇した場合に、第二室3bの上部のオイルを第一室3a内に誘導することで、オイル貯留装置3の内部のオイルを循環させ得るように形成されている。
側板321の下端における、ドレイン孔311に近接する位置には、凹部310の底面310aに向けて開口するように、切欠部326が設けられている。オイル排出口327は、側板321が凹部310の底面310aに当接することで当該底面310aと切欠部326とによって形成される貫通孔であって、第一室3aの底部から第二室3bの底部に向けてオイルを排出し得るように設けられている。このオイル排出口327を介して第一室3aの底面と第二室3bの底面とが連続することで、オイルが重力の作用でオイル排出口327を通って第一室3aの底部(底面)から第二室3bの底部(底面)に向かって淀みなくスムーズに移動し得るようになっている。
側板321の外壁には、支持部328が、外側に向けて突出するように設けられている。この支持部328は、一方向弁33を側板321の外側にて揺動可能に支持するように構成されている。
<<一方向弁>>
一方向弁33は、オイルパンセパレーター32における側板321に装着されている。この一方向弁33は、オイル排出口327におけるオイルの流れを実質的に一方向に制限するように構成されている。すなわち、この一方向弁33は、第一室3aの底部から第二室3bの底部に向かうオイルの流れを許容する一方で、第二室3bの底部から第一室3aの底部に向かうオイルの流れを実質的に禁止するように構成されている。
具体的には、一方向弁33は、揺動板331を備えている。揺動板331は、オイルよりも比重が高く良好な耐熱性を有する合成樹脂(例えばガラス繊維強化ナイロン)からなる板状部材であって、オイル排出口327よりも若干大きめに形成されている。本実施形態においては、揺動板331は、オイルパンセパレーター32の側板321の外側(第二室3b側)に配置されている。
揺動板331の上端の揺動中心部には、ピン331aが、側方に突出するように設けられている。このピン331aは、支持部328によって回転自在に支持されている。すなわち、揺動板331は、その下端の自由端部331bがピン331aを中心として揺動し得るように、支持部328によって支持されている。
この一方向弁33は、揺動板331の自由端部331bが第一室3aから第二室3bに向かって(図中右方向に)揺動することで、オイル排出口327を開放し得るように構成されている。一方、この一方向弁33は、揺動板331の端縁部がオイルパンセパレーター32の側板321の外壁におけるオイル排出口327の外側の部分と当接(密着)することで、オイル排出口327を閉鎖するように構成されている。すなわち、この一方向弁33は、自由端部331bが図1に示されている位置から第二室3bから第一室3aに向かって揺動することでオイル排出口327を開放する動作ができない(禁止される)ように構成されている。
<実施形態の構成の動作>
図2は、図1に示されている一方向弁33の開弁状態を示す側断面図である。以下、上述の構成による動作の概要について、図1及び図2を参照しつつ、(1)新品オイル注入時、(2)エンジン運転時、(3)オイル排出時、に分けて説明する。
<<1:新品オイル注入時>>
エンジンブロック2の上端部に設けられた図示しないフィラーキャップが取り外されることで、図示しない注油口が開放される。この注油口から、新品オイルがエンジン1内に注入される。このとき、オイル貯留装置3内の古いオイルは排出済みであるとする。すなわち、オイル貯留装置3は、オイルが貯留されていない状態であるとする。
注入された新品オイルは、エンジンブロック2の内部を通過して、オイル貯留装置3における第一室3aに到達する。このようにして第一室3a内に新品オイルが注入されると、第一室3aの方が第二室3bよりもオイルレベルが高くなる。このようなオイルレベルの差がある間は、両者の差圧によって揺動板331が図中右方向に付勢されることで、図2に示されているように、揺動板331の自由端部331bが図中右方向に揺動する。この揺動板331の揺動によって、オイル排出口327が開放される。すなわち、一方向弁33が開弁する。これにより、第一室3a内の新品オイルが第二室3b内へと流入する。
エンジン1への新品オイルの注入の終了後、第一室3aと第二室3bとのオイルレベルの差がなくなると、揺動板331の自重によって、その自由端部331bが、側板321に当接する位置(図1参照)まで図中左方向に揺動する。この揺動板331の揺動によって、図1に示されているように、オイル排出口327が閉鎖される。すなわち、一方向弁33が閉弁する。
<<2:エンジン運転時>>
図1に示されているように一方向弁33が閉弁した状態で、エンジン1が始動される。エンジン1の始動により、オイルポンプ22が駆動され、第一室3a内のオイルがオイルストレーナー21を介して吸い出される。これにより、第一室3aの方が第二室3bよりもオイルレベルが低くなり、第一室3aと第二室3bとの間にオイルレベルの差が生じる。
このとき、上述のオイルレベルの差に基づく第一室3aと第二室3bとの差圧によって、エンジン1の運転中(特に暖機運転中)における、一方向弁33の閉弁状態が維持される。すなわち、一方向弁33により、オイル排出口327における、第二室3bから第一室3aへのオイルの流れが実質的に禁止される。これにより、暖機の進行が促進される。
第一室3a内から吸い出されてエンジンブロック2の潤滑に供されたオイルは、エンジンブロック2にて熱を吸収することで昇温する。この昇温したオイルは、重力の作用でオイル貯留装置3に戻ってくる。エンジンブロック2が充分に暖機されて、オイル貯留装置3に戻ってくるオイルの温度が所定温度まで上昇すると、開閉弁324が開弁する。この開閉弁324の開弁によって、オイル貯留装置3に戻ってくるオイルの一部が第二室3b内にも導入され、第二室3b内のオイルレベルが上昇する。
このようにして、第二室3b内のオイルレベルが上昇すると、第二室3b内のオイルは、連通孔325を介して第一室3a内に流入する。これにより、暖機後のオイルの循環が行われる。すなわち、第二室3b内のオイルが第一室3aに流入した後にエンジンブロック2に供給されるようになる。
<<3:オイル排出時>>
エンジン1の停止後、オイル貯留装置3内の古いオイルを排出する際には、ドレインプラグ312がドレイン孔311から取り外されることで、ドレイン孔311が開放される。すると、第二室3b内のオイルが、ドレイン孔311を通って、外部に排出される。このようにして第二室3b内のオイルが排出されることで、第二室3b内のオイルレベルが下がる。
第二室3b内のオイルが排出されることで、第二室3bの方が第一室3aよりもオイルレベルが低くなると、両者の差圧によって、図2に示されているように、一方向弁33が開弁する。この一方向弁33の開弁により、第一室3a内のオイルが第二室3bに流出する。
ここで、本実施形態においては、第一室3aの底面と第二室3bの底面とが実質的に連続するように、オイル排出口327が形成されている。よって、オイルが重力の作用でオイル排出口327を通って第一室3aの底部から第二室3bの底部にスムーズに移動する。これにより、オイル排出時における第一室3a内での古いオイルの残留が、可及的に抑制され得る。
<実施形態の構成による効果>
・本実施形態の構成においては、オイルパン31内が、オイルパンセパレーター32によって、第一室3aと第二室3bとに区画されている。また、一方向弁33により、オイル排出口327における、第二室3bから第一室3aへのオイルの流れが実質的に禁止されている。よって、暖機の進行が良好に促進される。
・本実施形態の構成においては、オイル交換のためのオイル排出作業の際には、一方向弁33により、オイル排出口327における、第一室3aから第二室3bへのオイルの流れが許容される。また、このオイル排出口327を介して、第一室3aの底面と第二室3bの底面とが実質的に連続している。これにより、第一室3a内のオイルが、オイル排出口327を通って第二室3bへ良好に流出し、最終的にはドレイン孔311によってオイルパン31の外部に良好に排出される。
・本実施形態の構成においては、オイル交換における新品オイル注入作業の際には、第一室3a内に新品オイルが注入されることで、一方向弁33により、オイル排出口327における、第一室3aから第二室3bへのオイルの流れが許容される。これにより、第一室3a及び第二室3b内のオイルレベルが一致するように、新品オイルの注入が良好に行われる。
・本実施形態の一方向弁33は、揺動可能に支持された揺動板331からなる比較的簡略な構造である。よって、オイル貯留装置3の装置構成が比較的簡略なものとなる。また、この一方向弁33はオイルパンセパレーター32に装着されていて、オイルパン31側には、一方向弁33に対応する特別な構成は設けられていない。したがって、本実施形態においては、オイルパン31として、号口のものが良好に適用され得る。
・上述のように、本実施形態の構成によれば、暖機が良好に促進されるとともにオイル交換作業(オイル注入・排出作業)が迅速に行われる2槽式オイルパン構造を、安価に提供することができる。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の実施形態等を単に例示したものにすぎないのであって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。よって、当然に、上述の実施形態に示された構成に対しては、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、さらに種々の変形が施され得る。
以下、変形例について幾つか例示する。以下の各変形例の説明において、上述の実施形態における各構成要素と同様の構成・機能を有する構成要素については、当該変形例においても同一の名称及び同一の符号が付されているものとする。そして、当該構成要素の説明については、上述の実施形態における説明が、矛盾しない範囲で適宜援用され得るものとする。
もっとも、変形例とて、下記のものに限定されるものではないことはいうまでもない。本願発明を、上述の実施形態や下記変形例の記載に基づいて限定解釈することは、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、(発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、)許されない。
また、上述の実施形態の構成、及び下記の各変形例に記載された構成は、技術的に矛盾しない範囲において、適宜複合して適用され得ることも、いうまでもない。
(1)本発明は、上述の実施形態にて開示されたエンジンの他、例えば、自動変速機等、オイルパンを備えた各種の装置にも適用可能である。
(2)オイルパンセパレーター32の下端には、オイルパン31と同様に、底板が設けられていてもよい。この場合、オイルパンセパレーター32は、その底板がオイルパン31の底面310aと密着するように配置される。このとき、オイルパンセパレーター32の底板と、オイルパン31の底板313とは、ネジやリベット等の固定部材、あるいは接着によって、固定され得る。
(3)図3は、図1に示されているオイル貯留装置3の一つの変形例の構成を示す側断面図である。図3に示されているように、揺動板331は、その外形形状が切欠部326と略同一に構成されていてもよい。すなわち、揺動板331が、暖機前の低温で高粘度のオイルが通過困難な程度の隙間を介して、オイル排出口327内に収容されていてもよい。
この場合、揺動板331の自由端部には、ストッパー332が設けられることが好適である。このストッパー332は、側板321に対して外側(第二室3b側)から当接するように配置されている。すなわち、ストッパー332は、自由端部の第二室3b側への進入を許容する一方で第一室3a側への進入を禁止するように構成されている。
(4)また、図3に示されているように、揺動板331の揺動中心部は、下端に設けられていてもよい。
この場合、揺動板331の材質が、オイルよりも低い比重のものとされ得る。あるいは、図3に示されているように、ストッパー332として、オイル内にて浮力により浮上し得るフロート部材が用いられ得る。これにより、オイル注入作業後に揺動板331に作用する浮力によって一方向弁33が自然に閉弁し得る。
(5)オイルストレーナー21は、図1や図3に示されているように、オイル排出口327及び一方向弁33の近傍位置に設けられていることが好適である。これにより、オイルストレーナー21にて生じる負圧を用いて、エンジン1の運転中の一方向弁33の閉弁状態が、エンジン1の始動時から、より良好に確保され得る。
(6)各部の材質には特に限定はない。例えば、オイルパンセパレーター32と揺動板331とは、同一の材質から構成されていてもよい(特に図3の場合)。あるいは、両者の材質は異なっていてもよい。
(7)開閉弁324として、いわゆるサーモスタット弁に代えて、電磁弁が用いられ得る。また、開閉弁324の開弁前にて天板322の上側にオイルが所定量貯留され得るように、天板322には、凹部や、上方に突出する堰が設けられていてもよい。
(8)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能な、いかなる構造をも含む。
本発明の一実施形態が適用されたエンジンの概略構成を示す側断面図である。 図1に示されている一方向弁の開弁状態を示す側断面図である。 図1に示されているオイル貯留装置の一つの変形例の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1…エンジン
2…エンジンブロック 21…オイルストレーナー 22…オイルポンプ
3…オイル貯留装置 3a…第一室 3b…第二室
31…オイルパン 310…凹部 310a…底面
311…ドレイン孔 312…ドレインプラグ 313…底板
32…オイルパンセパレーター 321…側板 322…天板
323…連通孔 324…開閉弁 325…連通孔
326…切欠部 327…オイル排出口 328…支持部
33…一方向弁 331…揺動板 331a…ピン
331b…自由端部 332…ストッパー

Claims (7)

  1. 被潤滑機構の潤滑用のオイルを貯留し得るように構成された、オイル貯留装置において、
    前記被潤滑機構に向けて開口する凹部の内側に前記オイルを貯留可能に構成されているとともに、前記オイルを排出するための貫通孔であるドレイン孔が底部に形成された、オイルパンと、
    前記被潤滑機構に向けて開口するとともに当該被潤滑機構に向けて前記オイルを供給するためのオイルポンプと接続されたオイル吸入口が配置される第一室の側方に、前記ドレイン孔が配置される第二室を形成するように、前記凹部の底面に当接して配置されていて、前記第一室の底部から前記第二室の底部に向けて前記オイルを排出するためのオイル排出口が形成された、オイルパンセパレーターと、
    前記オイル排出口における、前記第一室の底部から前記第二室の底部に向かう前記オイルの流れを許容する一方で前記第二室の底部から前記第一室の底部に向かう前記オイルの流れを抑制するように構成された、一方向弁と、
    備え、
    前記第一室の底面と前記第二室の底面とが連続することで、前記オイルが重力の作用で前記オイル排出口を通って前記第一室の底部から前記第二室の底部に移動し得るように構成されたことを特徴とする、オイル貯留装置。
  2. 請求項1に記載の、オイル貯留装置であって、
    前記オイル排出口は、前記ドレイン孔に近接する位置に設けられていることを特徴とする、オイル貯留装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の、オイル貯留装置であって、
    記オイルパンセパレーターは、
    筒状の側板を備え、
    この側板の下端が前記凹部の前記底面に当接するように配置されていることを特徴とする、オイル貯留装置。
  4. 請求項3に記載の、オイル貯留装置であって、
    前記側板の前記下端には、前記凹部の前記底面に向けて開口する切欠部が設けられ、
    前記オイル排出口は、前記側板が前記凹部の前記底面に当接することで前記切欠部よって形成される貫通孔からなることを特徴とする、オイル貯留装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の、オイル貯留装置であって、
    前記一方向弁は、前記オイルパンセパレーターに装着されていることを特徴とする、オイル貯留装置。
  6. 請求項5に記載の、オイル貯留装置であって、
    前記一方向弁は、
    前記オイルパンセパレーターによって揺動自在に支持された板状部材である揺動板を備え、
    前記揺動板の自由端部が前記第一室から前記第二室に向かって揺動することで前記オイル排出口を開放する動作が許容される一方で、前記自由端部が前記第二室から前記第一室に向かって揺動することで前記オイル排出口を開放する動作が制限されるように構成されたことを特徴とする、オイル貯留装置。
  7. 請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の、オイル貯留装置であって、
    前記被潤滑機構の暖機中においては専ら前記第一室内の前記オイルが当該被潤滑機構に供給される一方、前記被潤滑機構の暖機後においては前記第一室及び前記第二室内の前記オイルが当該被潤滑機構に供給されるように構成されたことを特徴とする、オイル貯留装置。
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