JP6142961B1 - 積層体およびその製造方法、並びに接着層付樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
カバーレイ前駆体とは、ポリイミドフィルム等の耐熱性樹脂フィルムにシート状の接着層を積層してなるものである。表面に導電性回路を有するプリント配線板にカバーレイ前駆体を貼り付け、前記接着層を硬化し、カバーレイ付きプリント配線板を形成する。
カバーレイ前駆体には使用前の形態安定性、使用する際の寸法安定性、導電性回路を有するプリント配線板への付着性、追従性等が求められる。そして、硬化後のカバーレイ付きプリント配線板には、耐熱性、接着強度、屈曲性、絶縁部の電気絶縁性、低誘電率および低誘電正接が求められる。
[1]: 導電性パターンと、前記導電性パターンが担持された絶縁性を示す第一被接合層と、硬化後接着層を介して前記第一被接合層と対向配置される第二被接合層と、を備え、前記第二被接合層は、導電層または絶縁層であり、前記硬化後接着層は、カルボン酸の無水物基を有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分とを含有する熱硬化性接着剤の硬化物であり、前記第一被接合層および前記絶縁層は、其々独立に、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、およびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンフィルムからなる群より選ばれる樹脂フィルムである、電子部品用の積層体。
[2]: 前記硬化後接着層の誘電正接が0.005以下である、[1]に記載の積層体。
[3]: 前記熱硬化性接着剤は、シランカップリング剤およびチオール化合物の少なくとも一方を更に含有する、[1]または[2]に記載の積層体。
[4]: 導電性パターンと、前記導電性パターンが担持された絶縁性を示す第一被接合層と、硬化後接着層を介して前記第一被接合層と対向配置される第二被接合層と、を備え、前記第二被接合層は、導電層または絶縁層である電子部品用の積層体の製造方法であって、
熱硬化性接着剤を用意し、当該熱硬化性接着剤を用いて硬化前接着層を形成する工程Aと、前記硬化前接着層を介して前記第一被接合層と前記第二被接合層を対向配置する工程Bと、工程Bの後、加熱により前記硬化前接着層の硬化物である硬化後接着層を得る工程Cと、を有し、
工程Aは、(i)剥離性シート上に前記熱硬化性接着剤を塗工して剥離性シート付硬化前接着層を形成する工程、および(ii)前記第一被接合層または前記第二被接合層のいずれかの主面に前記熱硬化性接着剤を塗工して硬化前接着層付被接合層を得る工程、のいずれか一方を含み、前記熱硬化性接着剤は、カルボン酸の無水物基を有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分とを含有し、前記第一被接合層および前記絶縁層は、其々独立に、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、およびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンフィルムからなる群より選ばれる樹脂フィルムである、電子部品用の積層体の製造方法。
[5]: 前記硬化後接着層の誘電正接が0.005以下である、[4]に記載の積層体の製造方法。
[6]: 前記熱硬化性接着剤は、シランカップリング剤およびチオール化合物の少なくとも一方を更に含有する、[4]または[5]に記載の積層体の製造方法。
[7]: 前記硬化前接着層の硬化温度を120〜240℃とする、[4]〜[6]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[8]: ポリイミドフィルム、液晶ポリマーのフィルム、およびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンのフィルムからなる群より選ばれる樹脂フィルムと、カルボン酸の無水物基を有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分とを含む熱硬化性の硬化前接着層と、が積層された接着層付樹脂フィルム。
[9]: 前記硬化前接着層が、シランカップリング剤およびチオール化合物の少なくとも一方を更に含有する、[8]記載の接着層付樹脂フィルム。
図1に、第1実施形態の積層体の模式的断面図を示す。積層体101は、導電性パターン3が形成された絶縁性の第一被接合層1と、導電層または絶縁層である第二被接合層2が硬化後接着層4を介して接合された積層構造11を有する。同図に示すように、硬化後接着層4の一主面が第一被接合層1と導電性パターン3の露出面を被覆して接合され、且つ硬化後接着層4の他主面が第二被接合層2と接合されている。積層体101には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、第一被接合層1の下層または/および第二被接合層2の上層に、導電性パターンが形成されていてもよい任意の層が更に積層されていてもよい。また、第一被接合層1および第二被接合層2を含む積層体を構成する各層は、必要に応じてビア等が形成され、一部に特性の異なる部位を有していてもよい。なお、第一被接合層1と第二被接合層2の積層順(上層および下層)は任意であり、図1とは逆に第二被接合層が下層側に配置されていてもよい。
導電性パターン3の形成は公知の方法により形成できる。例えば、第一被接合層1上に設けられた銅箔のような導電性物質を所望の形状にエッチングすることにより形成できる。あるいは、銀粉のような導電性物質を含有する導電性インキを第一被接合層1上に所望のパターンに印刷することにより形成できる。
熱硬化性接着剤は、必須成分としてカルボン酸の無水物基(以下、酸無水物基と略すこともある)を有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分を含有する。熱硬化性接着剤から硬化前接着層を形成し、硬化処理を行うことにより、熱硬化性接着剤の硬化物である硬化後接着層が得られる。
本明細書において「エラストマー」とは、加硫処理を行わなくても、常温でゴム弾性を有するポリマーを指す。化学構造的にはABA型のブロックまたは(A−B)n型のマルチブロック構造を有するものが一般的である。また、スチレン系エラストマーとは、ポリスチレンを有するブロック(以下、ポリスチレンブロックともいう)を有する共重合体をいう。
なお、これらスチレン系エラストマーにおいて、ポリスチレンブロック以外の部分は、まとめて1つのブロックと捉える。また、ポリスチレンブロック以外の部分のうち、2つ以上のモノマー由来の単位(残基)から形成されるブロックとして、上記の例では、エチレンとプロピレンとからなる共重合体や、エチレンとブチレンとからなる共重合体が例示できる。このようなポリスチレンブロック以外の2つ以上のモノマー由来の単位から形成されるブロックは、ランダム共重合体でもブロック共重合でもよい。
イミド基は、酸無水物基とアミノ基との反応によっても形成できるが、以下の点で好ましくない。酸無水物基とアミノ基との第一段階目の反応、即ち、アミノ基による酸無水物基の開環反応は極めて速いので、熱硬化性接着剤としての可使時間が短くなるという問題がある。
酸無水物基とアミノ基との第二段階目の反応、即ち、アミック酸の閉環によるイミド基の生成反応は、酸無水物基とイソシアネート基との反応によるイミド基生成反応に比して高温加熱を要する。加熱が不充分だと、イミド基の前駆体であるアミック酸が残り、誘電率や誘電正接が高くなる。また、アミック酸が残っていると、カバーレイ付きプリント配線板等の積層体101を半田浴または半田リフロー炉に入れた際に、水の脱離を伴うイミド化反応が爆発的に進行し、発泡を生じたりする。
なお、カルボン酸の無水物基とイソシアネート基とを加熱すると、どのような反応工程を経るか、その詳細はまだ明確ではない。しかし、150〜200℃程度で加熱硬化すると、耐熱性および絶縁性が向上し、誘電率や誘電正接が低くなるとともに、カルボン酸の無水物基とアミノ基との反応(上記第一段階および第二段階)の場合と同様に赤外線吸収スペクトルにおいて1700cm−2付近に新たなピークが観察されることから、イミド基が形成されたものと考察している。
酸無水物基と開環しているカルボン酸の割合は、以下の方法により求めることができる。即ち、スチレン系エラストマー1gを中和するために要するナトリウムメトキシドの量(mg)を求め、これを全酸価とする。全酸価をナトリウムメトキシドの分子量で除することにより、スチレン系エラストマー1gに含まれるカルボン酸の量:X(mmol)を求める。全酸価にはスチレン系エラストマー1gに含まれている酸無水物基を酸価測定時に開環させたカルボン酸および酸価測定時には既に開環していたカルボン酸の両方が含まれる。
別途、酸無水物基価を、スチレン系エラストマー1gを中和するために要する過塩素酸の量(mmol)を求め、これをナトリウムメトキシドの量(mg)に換算し、酸無水物基価とする。酸無水物基価をナトリウムメトキシドの分子量で除することにより、スチレン系エラストマー1gに含まれる酸無水物基の量:Y(mmol)を求めることができる。
酸無水物基1モルが開環するとカルボン酸2モルとなるので、スチレン系エラストマー1gに含まれており、酸価測定時には既に開環していたカルボン酸の量をZ(mmol)とすると、
Z=X−2Y となる。
つまり、スチレン系エラストマーに含まれる酸無水物と開環しているカルボン酸の割合は、
Y:Z=Y:(X−2Y)となる。
なお、全酸価の基準であるナトリウムメトキシドの分子量と、酸無水物基価の基準である水酸化カリウムの分子量とは値が近い。そこで、全酸価をX’、酸無水物基価をY’、酸価測定時には既に開環していたカルボン酸由来の酸価をZ’とすると、
簡易的には、
Z’=X’−2Y’とすることができ、
スチレン系エラストマーに含まれる酸無水物と開環しているカルボン酸の割合は、
Y’:Z’=Y’:(X’−2Y’)とできる。
ポリイソシアネート成分は、2個以上のイソシアネートを有すイソシアネート基含有化合物であり、この成分と前述のスチレン系エラストマーとの反応により、耐熱性および絶縁性に優れ、誘電率や誘電正接の低い硬化物を得ることができる。更に、接着性も付与することができる。イソシアネート化合物としては、分子内にイソシアネート基を2つ以上有する化合物であればよく、特に限定されない。
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、
3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
熱硬化性接着剤には、物性を損なわない範囲で、シランカップリング剤または/およびチオール化合物を含有させることができる。シランカップリング剤または/およびチオール化合物を、例えばスチレン系エラストマーと反応させることにより、耐熱性および絶縁性に優れ、誘電率や誘電正接の低い硬化物を得ることができる。更に、接着性も付与することができる。また、シランカップリング剤、チオール化合物を用いることにより、銅に代表される導電性パターン、導電層および樹脂フィルムに対する接着性を向上できる。また、誘電率や誘電正接を悪化させず、加湿後の半田耐熱性、プリント配線板を折りたたむ際の屈曲性、電気絶縁性も向上できる。
チオール化合物やシランカップリング剤(硫黄原子を含まない)を含むことにより、積層体の硬化前接着層を硬化する際に、寸法安定性の向上、硬化物としての加湿後の耐熱性の向上に加え、接着性と低誘電率の両立、屈曲性と電気絶縁性の両立という二律背反し易い性能をよりバランスよく向上させることができる。
熱硬化性接着剤には、難燃性の付与、接着剤の流動性制御、硬化物の弾性率向上等の目的で、更にフィラーを添加することができる。フィラーとしては、特に限定されないが、形状としては球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状等が挙げられる。
リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、ポリリン酸グアニジン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミドアンモニウム、ポリリン酸アミドアンモニウム、リン酸カルバメート、ポリリン酸カルバメート等の(ポリ)リン酸塩系化合物、有機リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスホン酸化合物、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、メチルエチルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、エチルブチルホスフィン酸アルミニウム、メチルブチルホスフィン酸アルミニウム、ポリエチレンホスフィン酸アルミニウム等のホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、ホスホルアミド化合物等のリン系難燃フィラー;
ベンゾグアナミン、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレート、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール化合物、ジアゾ化合物、尿素等の窒素系難燃フィラー;
シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ハイドロタルサイト、ウォラストナイト、ゾノトライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、ガラスフレーク、水和ガラス、チタン酸カルシウム、セピオライト、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化アンチモン、酸化ニッケル、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の無機フィラー等が挙げられる。
熱硬化性接着剤には、必須成分および上述した任意成分の他に、目的を損なわない範囲で更に、エポキシ基含有化合物、オキセタン基含有化合物、アジリジン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、ベンゾオキサジン化合物、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物を加えることができる。また、染料、顔料、酸化防止剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、イオン捕集剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤などを含むことができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシジルメタアミノフェノール、又はテトラグリシジルメタキシリレンジアミン等が挙げられる。
樹脂フィルムは、上述した通り、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムおよびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンフィルムからなる群より選択される耐熱性を有するフィルムである。樹脂フィルムの厚みは用途に応じて任意に設計できるが、1〜200μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。積層体の絶縁性向上の観点から、樹脂フィルムは厚いことが好ましい。
なお、樹脂フィルムの厚みは、厚い方が薄い場合よりも硬化後の接着強度が大きくなることがある。導電性パターンが担持された第一被接合層と第二被接合層との間に硬化前接着層を挟み、加熱加圧する際、樹脂フィルムの厚い場合には、硬化前接着層が導電性パターンや両被接合層に強固に投錨するのではないかと考えている。
ポリイミドの構造は特に限定されないが、酸二無水物、ジアミン、中でも芳香族酸二無水物、芳香族ジアミンから合成されるポリイミドを含む組成物からなるフィルムが耐熱性および耐薬品性の観点から好ましい。ポリイミドフィルムの好適な製品としては、東レデュポン社製のカプトンシリーズ、宇部興産社製のユーピレックスシリーズ、荒川化学社製のアピカルシリーズ、低誘電ポリイミド等が挙げられる。
液晶ポリマーフィルムは、電子部品用途に用いる耐熱性を有する材料であればよく特に限定されないが、好ましい構造として、パラヒドロキシ安息香酸などを基本骨格とした全芳香族ポリエステル構造が例示できる。液晶ポリマーのフィルムの製品としては、プライマテック社のBIACシリーズ、STABIAXシリーズ、クラレ社のベクスターシリーズ等が挙げられる。液晶ポリマーフィルムの膜厚は、用途により適宜設計し得るが、好ましくは25〜175μmである。
ガラス転移温度(以下、Tgという)が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンのフィルムとは、フィルムを測定したときのガラス転移温度が100〜400℃である脂環式ポリオレフィンを含むフィルムをいう。脂環式ポリオレフィンの物性に影響を与えない範囲で、他の樹脂や添加剤を加えてもよい。脂環式ポリオレフィンの構造は任意に設計可能であるが、好適な例としてシクロヘキサン環または/およびシクロペンタン環を有する樹脂が例示できる。脂環式ポリオレフィンフィルムの好適な製品としては、ポリプラスチックス社のTOPASシリーズ、昭和電工社の耐熱透明フィルムシリーズ、ゼオノアシリーズ(日本ゼオン社製 厚さ100μm)、アートンシリーズ(JSR社製 厚さ100μm)などが挙げられる。フィルムのガラス転移温度を100℃以上とすることにより、耐熱性の優れた積層体が得られる。
第1実施形態に係る電子部品の積層体の製造方法の一例について説明する。但し、本発明の積層体は、以下の製法に限定されるものではなく、種々の方法により製造できる。
一方、カバーレイ付プリント配線板等の積層体は、一般に加熱しつつ、1〜数MPaの圧力をかけて、カバーレイをプリント配線板の回路面に貼り付けた後、更に同程度の温度、大気圧環境下、窒素雰囲気下または不活性雰囲気下にて硬化前接着層を硬化させて得られる。好適な硬化温度は、120℃以上、240℃以下である。
次に、第1実施形態とは異なる電子部品用の積層体の一例について説明する。第2実施形態に係る積層体は、以下の点を除き第1実施形態の積層体と同様の構成を有し、同様の製法により得られる。即ち、第2実施形態では、第二被接合層として導電層を用いている点において、絶縁層を用いた第1実施形態と相違している。なお、以降の説明において同一の要素部材は、同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
第3実施形態に係る電子部品用の積層体は、以下の点を除き第1実施形態の積層体と同様の構成を有し、同様の製法により得られる。即ち、第3実施形態では、第二被接合層として導電性パターンを有する耐熱性絶縁フィルムを用いている点において、導電性パターンを有しない樹脂フィルムを用いた第1実施形態と相違している。第3実施形態においては、硬化後接着層を層間絶縁膜として利用している。
第4実施形態に係る電子部品用の積層体は、以下の点を除き第1実施形態の積層体と同様の構成を有し、同様の製法により得られる。即ち、第4実施形態では、図5に示すように第一被接合層1の導電性パターン3が、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されている点において、硬化後接着層4との接合側主面に形成されていた第1実施形態と相違している。第4実施形態に係る積層体104は、導電性パターン3が、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されている第一被接合層1、硬化後接着層4、第二被接合層2の積層構造14を有する。第4実施形態に係る積層体によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
第5実施形態に係る電子部品用の積層体は、以下の点を除き第2実施形態の積層体と同様の構成を有し、同様の製法により得られる。即ち、第5実施形態では、図6に示すように第一被接合層の導電性パターン3が、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されている点において、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されていた第2実施形態と相違している。第5実施形態に係る積層体105は、導電性パターン3が、硬化後接着層4との接合側主面に形成されている第一被接合層1、硬化後接着層4、導電層である第二被接合層2aの積層構造15を有する。第5実施形態に係る積層体によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
第6実施形態に係る電子部品用の積層体は、以下の点を除き第3実施形態の積層体と同様の構成を有し、同様の製法により得られる。即ち、第6実施形態では、図7に示すように第一被接合層1の導電性パターン3が、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されている点において、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されていた第3実施形態と相違している。第6実施形態に係る積層体106は、導電性パターン3が、硬化後接着層4との非接合側主面に形成されている第一被接合層1、硬化後接着層4、第二被接合層2bの積層構造16を有する。第6実施形態に係る積層体によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
積層体は、以下のような積層単位が更に積層されていてもよい。即ち、図8に示すような導電層7と樹脂フィルム8が硬化後接着層4を介して接合された積層構造17、図9に示すような導電性パターンを有しない樹脂フィルム8、硬化後接着層4および導電性パターンを有しない樹脂フィルム8とをこの順に積層した積層構造18、図10に示すような導電層7、硬化後接着層4および導電層7がこの順で積層された積層構造19が例示できる。各積層構造の導電層、樹脂フィルムの好適な例は、其々第1実施形態で説明したとおりである。図9の2層の樹脂フィルムは、同一種類でも異なる種類のフィルムでもよい。図10の2層の導電層においても同様である。
Mwの測定は東ソ−社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィ−である。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6mL/min、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
全酸価は、樹脂固形1g中に含まれる酸無水物基およびカルボン酸を中和するために必要なナトリウムメトキシドの量(mg)で表したものである。共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、シクロヘキサノン溶媒100mLを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nのナトリウムメトキシド溶液で滴定する。酸価は次式により求めた(単位:mgCH3ONa/g)。
酸価(mgCH3ONa/g)=(5.412×a×F)/S
但し、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nのナトリウムメトキシド溶液の消費量(mL)
F:0.1Nのナトリウムメトキシド溶液の力価
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、1,4−ジオキサン溶媒100mLを加えて溶解した。試料中の酸無水物基の量よりも多いオクチルアミン、1,4−ジオキサン、水の混合溶液(質量の混合比は1.49/800/80)を10mL加えて15分攪拌し、酸無水物基と反応させた。その後、過剰のオクチルアミンを0.02M過塩素酸、1,4−ジオキサンの混合溶液で滴定した。また、試料を加えていない、オクチルアミン、1,4−ジオキサン、水の混合溶液(質量の混合比は1.49/800/80)10mLもブランクとして測定を実施した。酸無水物価は次式により求めた(単位:mgCH3ONa/g)
酸無水物価(mgCH3ONa/g)=0.02×(B−S)×F×54.12/W
B:ブランクの滴定量(mL)
S:試料の滴定量(mL)
W:試料固形量(g)
F:0.02mol/L過塩素酸の力価
酸無水物基:開環しているカルボン酸=酸無水物基価:(全酸価−酸無水物基価×2)
[合成例1]<酸無水物基を有するスチレン系エラストマーの合成例>
ポリマーのブロック比において(以下、同様)スチレン:ブタジエン=15:85(質量%)、質量平均分子量55000のスチレン系エラストマー100gに対して、無水マレイン酸0.49g、ベンゾイルパーオキサイド0.1g、イルガノックス1010(BASFジャパン社製、酸化防止剤)0.6gをドライブレンドし、ベント付き32ミリの二軸押出機を用いて、更に混合し、溶融混錬し、ペレット状サンプルを得た。混合、溶融混練時の二軸押出機の温度は、ホッパー下部40℃、混合ゾーン80℃、反応ゾーン170℃、ダイス180℃とした。
得られたペレット状サンプル100質量部に、アセトン85質量部、ヘプタン85質量部を加え、耐圧反応器中、85℃で2時間加熱攪拌した。同操作終了後、金網でペレットを回収し、これを140℃、0.1Torrで20時間真空乾燥して、酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。分子量分布は狭く、質量平均分子量は60000、酸無水物価は2.8mgCH3ONa/gであった。
使用したスチレン系エラストマーを、スチレン:イソプレン=15:85(質量%)とした以外は合成例1と同様の方法で表1に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−イソプレンブロック共重合体を得た。
使用したスチレン系エラストマーを、スチレン:[エチレン/ブチレン]=15:85(質量%)とした以外は合成例1と同様の方法で表1に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。
使用する無水マレイン酸の量を変え、変性量を変更した以外は合成例3と同様の方法で、表1に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。
スチレン:[エチレン/ブチレン]=15:85(質量%)のスチレン系エラストマーの代わりにスチレン:[エチレン/ブチレン]=30:70(質量%)のスチレン系エラストマーを用いた以外は、合成例3〜7と同様にして、表1に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。
スチレン:[エチレン/ブチレン]=30:70(質量%)、質量平均分子量が60000、90000、120000のスチレン系エラストマーを其々用いた以外は、合成例10と同様にして、表1に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。なお、表2には合成例10を合成例13として合わせて記載する。
合成例14で得られた酸無水物基を有するスチレン系エラストマーを40℃、90%の加湿環境下で其々3、6、9時間保管して酸無水物基の一部を開環し、酸無水物基とカルボン酸の量の異なる無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。
合成例14における無水マレイン酸変性前のスチレン系エラストマーを比較合成例1のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体とした。
合成例14で得られた酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を40℃、90%の加湿環境下で15時間保管して酸無水物基の全てを開環した。
(実施例1)
合成例1で得られた酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体中の酸無水物基1モルに対して、ポリイソシアネート成分として、BI7982(バクセンデン社製、HDIヌレート中のイソシアネート基をジメチルピラゾールでブロックしたブロック化イソシアネート)をイソシアネート基が1モルとなるように添加し、トルエン溶剤で固形分濃度が15%になるよう溶解して熱硬化性接着剤を調整した。
この熱硬化性接着剤を剥離処理されたポリエステルフィルム(剥離性シート)上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように均一に塗工して乾燥し、硬化前接着層を形成した。
別途、樹脂フィルム8として厚さが12.5μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン社製[カプトン50EN]]を用意した。次いで、図2に示すように、硬化前接着層5上に樹脂フィルム8を重ね、硬化前接着層5の片面が剥離性シート(不図示)で覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム50を得た。後述する方法に従い、寸法安定性、接着性、耐熱性、誘電率および誘電正接を評価した。
表2〜3に示すように、合成例1で得られた酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体の代わりに、合成例2〜18で得られた酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
表4〜5に示すように、イソシアネート成分の種類を変更した以外は、実施例4と同様にして、硬化前接着層の表面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
表6に示すように、イソシアネート成分の量を変更した以外は、実施例30と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
表7に示すように、合成例1で得られた酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体の代わりに、比較合成例1で得られたスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を用い、ポリイソシアネート成分としてデスモジュールXP2565を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
なお、比較合成例1のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体は、酸無水物基を有しないので、合成例13で得られた酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体100部に対して配合した量と同量のイソシアネート成分を配合した。
また、比較合成例2のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体は、酸無水物基を有しないが、カルボン酸は有するので、カルボン酸の含有量の半分の量に対し、イソシアネート基が当量となるようにイソシアネート成分を配合した。
表7に示すように、合成例13で得られた酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体の代わりに、旭化成ケミカルズ社製のタフテックH1052、H1237、H1031を用い、ポリイソシアネート成分としてデスモジュールXP2565を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
なお、上記スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体は、酸無水物基を有しないので、合成例14の酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体100質量部に対して配合した量と同量のイソシアネート成分を配合した。
表7に示すように、合成例13で得られた酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体の代わりに、理研ビタミン社製、酸変性ポリプロピレン、REO−070−1を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
表7に示すように、実施例34で用いたイソシアネート成分の代わりに、合成例13の酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体100質量部に対して配合したイソシアネート成分の質量部の、
N−730A:DIC社製、 フェノール型ノボラックエポキシ樹脂、
EX−321: ナガセケムテックス社製、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
エピオールNPG100:日油社製、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を、其々配合し、以下同様にして硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。
表8に示すように、実施例41の処方を基準として、硬化温度を120℃、150℃、180℃、200℃、240℃と変化させた以外は、実施例41と同様にして図1に示す積層構造11を有する積層体101を得た。なお、表8には実施例41を実施例48として合わせて記載する。
表9〜12に示すように、合成例4で得られた酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体100質量部に対し、実施例41の処方を基準とし、各種化合物を更に1質量部ずつ配合し、以下同様にして硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
<ポリイソシアネート成分>
BI7982:バクセンデン社製、HDIのヌレート体中のイソシアネート基をジメチルピラゾールでブロックしたブロック化イソシアネート
24A−100:旭化成ケミカル社製、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略す)のビウレット体
TPA−100:旭化成ケミカル社製、HDIのヌレート体
TLA−100:旭化成ケミカル社製、HDIのヌレート体
デスモジュールN3400:住化コべストロウレタン社製、HDIのウレトジオン体
デスモジュールN3900:住化コべストロウレタン社製、HDIのイソイソシアヌレート体
デスモジュールXP2580:住化コべストロウレタン社製、HDIのアロファネート体
デスモジュールH:HDIイソシアネート
デスモジュールI:イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIという)
デスモジュールT−80:トリレンジイソシアネート
デスモジュールXP2730:HDIウレトジオン型イソシアネート
デスモジュールZ4470BA:IPDIのイソシアヌレート体
デスモジュールXP2565:IPDIのアロファネート体
スミジュールBL3175:HDIヌレートをMEKオキシムでブロックしたもの
デスモジュールBL3272MPA:HDIヌレートをε−カプロラクタムでブロックしたもの
デスモジュールBL5375:水添MDIをMEKオキシムでブロックしたもの
17B−60PX:旭化成ケミカル社製、HDIのビウレット体をブロックしたもの。
TS−G:四国化成工業社製、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル
SQ107:荒川化学工業社製、 チオール含有シルセスキオキサン化合物
CABRUS2、CABRUS4: ダイソー社製、ポリスルフィド系シランカップリング剤
KBM−803:信越シリコーン社製、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
ZisnetF:三協化成社製、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン
TEMPIC:SC有機化学社製、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート
PEMP:SC有機化学社製、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
カレンズMTNR1 :昭和電工社製、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H、5H)−トリオン
X−12−1056ES:信越シリコーン社製、トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン
KBE9007 :信越シリコーン社製、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
KBE−903:信越シリコーン社製、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
KBM−903:信越シリコーン社製、3−アミノプロピルトリメトキシシラン
KR−517:エポキシ基を有するメトキシ・エトキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤
KR−516:エポキシ基を有するメトキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤
X−41−1805:メルカプト基を有するメトキシ・エトキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤
X−41−1810:メルカプト基を有するメトキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤
X−12−972F:アミノ基を有するエトキシ基含有多官能基型シランカップリング剤
X−12−981S:エポキシ基を有するエトキシ基含有多官能基型シランカップリング剤
X−12−984S:エポキシ基を有するエトキシ基含有多官能基型シランカップリング剤
X−12−1154:メルカプト基を有するメトキシ基含有多官能基型シランカップリング剤
X−12−1252:イソシアネート基を有するメトキシ基含有多官能基型シランカップリング剤
ATG:チオグリコール酸アンモニウム
TG−MEA:チオグリコール酸モノエタノールアミン
OTG:チオグリコール酸オクチル
MTG:チオグリコール酸メトキシブチル
BDTG:ブタンジオールビスチオグリコレート
HDTG:ヘキサンジオールビスチオグリコレート
TMTG:トリメチロールプロパントリスチオグリコレート
PETG:ペンタエリストールテトラキスチオグリコレート
(1)寸法安定性
硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムから、剥離性シートを除去した、65mm×65mmの大きさの硬化前の接着層付樹脂フィルムの前記硬化前接着層上に、厚さが12.5μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン社製「カプトン50EN」]を重ね、80℃でラミネートし、続いて180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、この試験片を180℃で1時間熱硬化させ、評価用試験片を作製した。
この試験片について、圧着処理前と熱硬化後との接着層の面積の差を測定し、これをはみ出し面積として加工性を評価した。この加工性は、圧着処理時に接着層が熱によって軟化し、回路基板の位置ズレや配線間の接触を引き起こす度合いを評価するものであり、結果を次の基準で判断した。
A・・・はみ出し面積 ≦ 100mm2
B・・・100mm2 < はみ出し面積 ≦ 200mm2
C・・・200mm2 < はみ出し面積 ≦ 350mm2
D・・・350mm2 < はみ出し面積 ≦ 500mm2
E・・・500mm2 < はみ出し面積
寸法安定性の評価で作製した試験片を幅10mm、長さ65mmに切り出し、23℃相対湿度50%の雰囲気下で、引っ張り速度300mm/minでTピール剥離試験を行い、接着強度(N/cm)を測定した。この試験は、常温使用時における接着層の接着強度を評価するものであり、結果を次の基準で判断した。
A・・・12N/cm < 接着強度
B・・・8N/cm < 接着強度 ≦ 12N/cm
C・・・5N/cm < 接着強度 ≦ 8N/cm
D・・・3N/cm < 接着強度 ≦ 5N/cm
E・・・接着強度 ≦ 3N/cm
上記(2)と同様に、幅10mm、長さ65mmに切り出した試験片を、23℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間以上保管し、その後、各種温度にて溶融半田にポリイミドフィルム面を接触させて1分間浮かべた。その後、試験片の外観を目視で観察し、硬化後接着層の発泡、浮き、剥がれ等の接着異常の有無を評価した。この試験は、半田接触時における硬化後接着層の熱安定性を、外観で評価するものであり、耐熱性の良好なものは、外観が変化しないのに対して、耐熱性の悪いものは、半田処理後に発泡や剥がれが発生する。これらの評価結果を次の基準で判断した。
A・・・270℃でも外観変化全く無し。
B・・・260℃で外観変化全く無し。270℃では発泡が確認される。
C・・・240℃でも外観変化全く無し。260℃では発泡が確認される。
D・・・220℃でも外観変化全く無し。240℃では発泡が確認される。
E・・・220℃にて発泡が観察される。
熱硬化性接着剤を、厚さが12.5μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン社製「カプトン50EN」]上に、乾燥後の膜厚が30μmになるように均一に塗工して乾燥させ、更に、この試験片を180℃で1時間熱硬化させ、評価用試験片を作製した。評価用試験片を、硬化塗膜面を外側にして180度折り曲げ、ひび割れが発生するまでの回数を次の基準で評価した。
A・・・20回屈曲させてもクラック(ひび割れ)が見られない。
B・・・14回屈曲させてもクラックが見られない。20回までにクラック発生。
C・・・8回屈曲させてもクラックが見られない。14回までにクラック発生。
D・・・3回屈曲させてもクラックが見られない。8回までにクラック発生。
E・・・3回屈曲させるまでにクラック発生。
積層構造11の導体回路に、温度130℃、相対湿度85%の雰囲気下で直流電圧50Vを連続的に100時間加え、100時間後の導体間の絶縁抵抗値を測定した。評価基準は以下の通りである。
A・・・絶縁抵抗値109Ω以上
B・・・絶縁抵抗値108以上109Ω未満
C・・・絶縁抵抗値107以上108Ω未満
D・・・絶縁抵抗値106以上107Ω未満
E・・・絶縁抵抗値106未満
硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムと同様にして、硬化前接着層の両面を剥離性シートで挟んだ両面剥離性シート付き接着性シートを形成した。
次いで、片側の剥離性シートを除去し、180℃の条件で1時間熱硬化させ後、反対側の剥離性シートを除去し、評価用試験片を作製した。この試験片について、エー・イー・ティー社製の誘電率測定装置を用い、空洞共振器法により、測定温度23℃、測定周波数5GHzにおける誘電率および誘電正接を求めた。
A・・・誘電率が2.4以下である。
B・・・誘電率が2.4より大きく2.6以下である。
C・・・誘電率が2.6より大きく2.8以下である。
D・・・誘電率が2.8より大きく3.0以下である。
E・・・誘電率が3.0より大きい
A・・・誘電正接が0.0001より大きく0.0005以下である。
B・・・誘電正接が0.0005より大きく0.001以下である。
C・・・誘電正接が0.001より大きく0.003以下である。
D・・・誘電正接が0.003より大きく0.005以下である。
E・・・誘電正接が0.005より大きい
また、カルボン酸を有するが、酸無水物基を有しない酸変性ポリプロピレンを用いる比較例6は、骨格が低極性であることから誘電特性は良好である。しかし、スチレン系エラストマーに見られるポリスチレンブロック部の物理的架橋・凝集力が無いため、充分な接着力と耐熱性が得られなかった。
一方、カルボキシル基を有するが、酸無水物基を有しないスチレン系エラストマーを用いる比較例2は、ポリイソシアネート成分との反応により架橋構造が形成されるので接着力と耐熱性は良好となるが、イミド基を生成できず、極性に富むアミド基が生成される結果、誘電特性が不良となる。
シランカップリング剤やチオール化合物によって金属への密着力(接着力)が向上するのは以前から知られていた知見であるが、耐熱性と絶縁性向上に関してはエポキシ基などの有機官能基が硬化剤のイソシアネート基と一部反応したためと考えられ、この際には寸法安定性も向上する傾向にある。
また、上記の添加剤を使用した際に見られた現象として、折り曲げ性の向上も見られた。
これは添加剤中の有機官能基が銅表面にある水酸基と反応することで密着力が上がり、空隙(亀裂の起点)が少なくなったためと思われる。
(実施例82〜91)
表13に示すように、合成例4で得られたスチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体を用い、イソシアネート成分の種類を変更した実施例19〜28と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
硬化前の接着層付樹脂フィルムから、剥離性シートを除去し、前記硬化前接着層の面を、ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板の前記回路面に重ね、80℃でラミネートし、積層構造11の前駆体を得た。
次いで、接着層付の電磁波シールドシート9の接着層を、第二被接合層2(樹脂フィルム)上に重ね、80℃でラミネートした。
その後180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図18に示す、積層構造11に電磁波シールドシート9を積層した積層体114を得た。
実施例19〜28の場合と同様にして、積層構造11を有し、電磁波シールド層を付けた積層体114の導体回路に、直流電圧50Vを連続的に100時間加え、100時間後の導体間の絶縁抵抗値を測定し、同じ基準で評価した。
なお、電気絶縁性試験以外は、電磁波シールドシートの積層とは関係のない試験であり、実施例19〜28と同じ結果であるが、表13に合わせて示す。
(参考例92)
合成例9で得られたスチレン−ブチレンブロック共重合体を用い、イソシアネート成分としてBI7951を用いた実施例9と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
硬化前の接着層付樹脂フィルムから、剥離性シートを除去し、硬化前接着層の面を、銅張積層板の銅箔面に重ね、80℃でラミネートし、続いて180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図8に示す積層構造17を得た。後述する方法に従い性能を評価した。
(参考例93)
参考例92と同様の前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムから、剥離性シートを除去し、前記硬化前接着層の面を、厚さ12.5μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン社製「カプトン50EN」]に重ね、80℃でラミネートし、続いて180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図9に示す積層構造18を得た。後述する方法に従い性能を評価した。
(1)寸法安定性
参考例92の場合、硬化前の接着層付樹脂フィルムから、剥離性シートを除去した、65mm×65mmの大きさの接着層付樹脂フィルムの硬化前接着層上に、銅張積層板の銅箔面に重ね、80℃でラミネートし、続いて180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、この試験片を180℃で1時間熱硬化させ、評価用試験片を作製した。この試験片について、圧着処理前と熱硬化後との接着層の面積の差を測定し、これをはみ出し面積として加工性を、前述の実施例1〜91と同様の基準で評価した。なお、参考例93の場合の寸法安定性評価は、実施例9と同じ試験であるが、表14に合わせてその結果を示した。
図8、9の積層構造18、19を幅10mm、長さ65mmに切り出し、23℃相対湿度50%の雰囲気下で、引っ張り速度300mm/minでTピール剥離試験を行い、接着強度(N/cm)を測定した。評価基準は前述の通りである。
積層構造17、18を幅10mm、長さ65mmに切り出し、前述の実施例1〜91と同様に試験し、同様の基準で評価した。
実施例9と同じ試験であるが、表14に合わせてその結果を示した。
(実施例94)
合成例1で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用い、ポリイソシアネート成分として、BI7982を用い、実施例1と同様にして、図1に示す積層構造11を得た。
別途、同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板の前記回路面と、銅張積層板の銅箔面とを向い合せ、その間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、図3に示す積層構造12の前駆体を得た。
次いで、積層構造11の回路が設けられている方の樹脂フィルム(第一被接合層)と、積層構造12の前駆体の銅箔(第二被接合層)との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム50(図2参照)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層5を挟み、80℃でラミネートした後、180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図19に示す積層構造11、12、17を有する積層体115を作製した。
表15〜16に示すように、合成例1で得られた酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体の代わりに、合成例2〜18で得られた酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を用いた以外は、実施例94と同様にして、図19に示す積層構造11、12、17を有する積層体115を作製した。
実施例97で用いた熱硬化性接着剤の代わりに、表17〜18に示すように、イソシアネート成分の種類を変更した熱硬化性接着剤(実施例19〜34で用いた熱硬化性接着剤)を用いた以外は、実施例97と同様にして図19に示す積層体115を得た。
実施例97で用いた熱硬化性接着剤の代わりに、表19に示すように、イソシアネート成分の量を変更した熱硬化性接着剤(実施例35〜45で用いた接着剤)を用いた以外は、実施例97と同様にして図19に示す積層体115を得た。
実施例97で用いた熱硬化性接着剤の代わりに、比較例1〜9で用いた熱硬化性接着剤を用いた以外は、実施例97と同様にして図19に示す積層体115を得た。
表21に示すように、実施例134の処方を基準として、硬化温度を120℃、150℃、180℃、200℃、240℃と変化させた以外は、実施例97と同様にして図19に示す積層体115を得た。なお、表21には実施例134を実施例141として合わせて記載する。
実施例97で用いた熱硬化性接着剤の代わりに、表22〜25に示すように、合成例4で得られた酸無水物基を有するスチレンエチレンブチレンブロック共重合体100質量部に対し、実施例134の処方を基準とし、各種化合物を更に1質量部ずつ配合した熱硬化性接着剤(実施例51〜68で用いた接着剤)を用いた以外は、実施例97と同様にして図19に示す積層体115を得た。
(1)寸法安定性
80℃で、硬化前接着層を銅張積層板の銅箔面とポリイミドフィルムとの間に挟み、180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、この試験片を180℃で1時間熱硬化させ、評価用試験片を作製した。この試験片について、圧着処理前と熱硬化後との接着層の面積の差を測定し、これをはみ出し面積として加工性を、前述の実施例1〜91と同様の基準で評価した。
図19に示す積層構造11,12,17を有する積層体115を幅10mm、長さ65mmに切り出し、23℃相対湿度50%の雰囲気下で、前述の実施例1〜91と同様に試験し、積層構造11と積層構造12との間の強度を求め、同様の基準で評価した。
図19に示す積層構造11、12、17を有する積層体115を幅10mm、長さ65mmに切り出し、前述の実施例1〜91と同様に試験し、同様の基準で評価した。
寸法安定性評価で作製したのと同様の積層体(熱硬化性接着剤によって、銅張積層板の銅箔面とポリイミドフィルムと貼り合せたもの)を試験片とし、23℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間以上保管後、室温の10%塩酸に1時間浸漬した。
浸漬後の試験片の外観を目視で観察し、硬化後接着層の膨れ、剥がれ等の異常の有無を確認し、異常の無いものは更に1時間浸漬するという試験を繰り返した。
この試験は塩酸に対する硬化後接着層の耐性を外観で評価するものであり、浸漬回数で耐性を評価した。
A・・・4回目以降の浸漬後も外観不良なし。
B・・・3回目の浸漬では外観不良が無いが、4回目の浸漬後には発生。
C・・・2回目の浸漬では外観不良が無いが、3回目の浸漬後には発生。
D・・・1回目の浸漬では外観不良が無いが、2回目の浸漬後には発生。
E・・・1回目の浸漬で外観不良発生。
寸法安定性評価で作製したのと同様の積層体(熱硬化性接着剤によって、銅張積層板の銅箔面とポリイミドフィルムと貼り合せたもの)を幅40mm、長さ40mmに切り出し試験片とした。前記試験片を23℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間以上保管後、保管後の試験片を、ピーク温度260℃の半田リフロー温度を再現するリフロー装置(日本アントム社製「HAS−6116」)に一回通した(リフロー温度プロファイルはIPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠)。
その後試験片を平らな机の水平面上に載置し、四隅の平均の高さ(反り量)を測定した。
この試験は高温からそれ以下の温度へ暴露した際に、サンプルの反り性を外観で判断するものであり、低反り性良好なものは、外観が変化しないのに対して、低反り性が悪いものは、試験片の隅が反る。これらの評価結果を次の基準で判断した。
A・・・四隅の高さ平均が0.5mm未満である。
B・・・四隅の高さ平均が0.5mm以上1mm未満である。
C・・・四隅の高さ平均が1mm以上1.5mm未満である。
D・・・四隅の高さ平均が1.5mm以上2mm未満である。
E・・・四隅の高さ平均が2mm以上である。
実施例1〜81と同じ試験であるが、表15〜25に合わせてその結果を示した。
(実施例175〜184)
実施例19〜28と同様に、合成例4で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に対し、ポリイソシアネート成分を変化させた熱硬化性接着剤を用い、図1に示す積層構造11を得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板の前記回路面と、図1に示す積層構造11の回路の設けられている方の樹脂フィルムの反対面との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、その後180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図20に示す積層構造11の単位を2つ有する(但し、両積層構造の共用層を有する)積層体116を作製した。
(実施例185〜194)
実施例19〜28と同様に、合成例4で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に対し、ポリイソシアネート成分を変化させた熱硬化性接着剤を用い、図1に示す積層構造11を得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板(第一被接合層、第二被接合層)を2枚用意し、前記回路面同士を向い合せ、その間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、図4に示す積層構造13の前駆体を得た。
次いで、図1に示す積層構造11の回路の設けられている方の樹脂フィルムの反対面と、図4に示す積層構造13の前駆体との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、その後180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図21に示す、積層構造11、13、18を有する積層体117を得た。
(実施例195〜204)
実施例19〜28と同様に、合成例4で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に対し、ポリイソシアネート成分を変化させた熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板の前記回路面と、銅張積層板の銅箔面とを向い合せ、その間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、その後180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図3に示す積層構造12を得た。
別途、ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板(第一被接合層、第二被接合層)を2枚用意し、前記回路面同士を向い合せ、その間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、図4に示す積層構造13の前駆体を得た。
次いで、図3に示す積層構造12の回路の設けられている方の樹脂フィルムの反対面と、図4に示す積層構造13の前駆体との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、その後180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図22に示す、積層構造12、13、18の積層構造を有する積層体118を得た。
(1)寸法安定性
実施例112〜122と同様に、銅張積層板の銅箔面とポリイミドフィルムとの間に挟まれた圧着処理前と熱硬化後との接着層の面積の差を測定した。結果は実施例112〜122と同じであるが、表26〜28に合わせて示す。
図20に示す積層構造11を複数有する積層体116においては、両側の樹脂フィルム間の強度を求めた。
図21に示す積層構造11、13、18を有する積層体117においては、積層構造11、13の間の強度を求めた。
図22に示す積層構造12、13、18を有する積層体118においては、積層構造12、18の間の強度を求めた。
その他の条件および評価基準は、実施例1〜91と同様とした。
図20〜22に示す積層体を幅10mm、長さ65mmに切り出し、前述の実施例1〜91と同様に試験し、同様の基準で評価した。
実施例94〜174と同じ試験であるが、表26〜28に合わせてその結果を示した。
(実施例205)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図1に示す積層構造11を得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板を2枚用意する。
1枚のプリント配線板の前記回路面と、積層構造11の回路が設けられている方の樹脂フィルムの反対面との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、中間積層体を得た。
次いで、前記中間積層体のまだ硬化していない硬化前接着層に近い方のポリイミドフィルムと、2枚目のプリント配線板の前記回路面との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルムの両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートし、その後180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った。更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させ、図23に示す、積層構造11を複数有する積層体119を得た。
(実施例206)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図1に示す積層構造11を得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板を2枚用意する。
1枚のプリント配線板と積層構造11の回路が設けられている方の樹脂フィルムの反対面との間に、前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートすることで中間積層体を得た。
実施例9と同じ熱硬化性接着剤を用い、図3に示す積層構造12を得た。
前記中間積層体の回路が設けられている方の配線板樹脂フィルムの反対面と、積層構造12の銅箔面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートした。この積層体を180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図24に示す、積層構造11,12、17を有する積層体120を得た。
(実施例207)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図1に示す積層構造11を得た。
実施例9と同じ熱硬化性接着剤を用い、図3に示す積層構造12を得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
積層構造11の回路が設けられている方の配線板樹脂フィルムの反対面と、積層構造12の銅面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートすることで中間積層体を得た。
ポリイミドフィルム上に櫛型の銅回路パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)が形成されたプリント配線板を1枚用意する。
前記中間積層体における回路が設けられている方の樹脂フィルムの反対面と、用意したプリント配線板の回路面とを向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートした。この積層体を180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図25に示す、積層構造11,12、17を有する積層体121を得た。
(実施例208)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図1に示す積層構造11を得た。
実施例9と同じ熱硬化性接着剤を用い、図3に示す積層構造12を2つ得た。同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
得られた2つの積層構造12に関し、片方の銅箔面ともう片方の回路付き樹脂フィルムの反対面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートすることで積層構造12を複数有する積層体を得た。
得られた積層構造12を複数有する積層体における銅箔面と、前述積層構造11の回路付き樹脂フィルムの反対面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートした。この積層体を180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図26に示す、積層構造11,12、17を有する積層体122を得た。
(実施例209)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図2に示す積層構造12を得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
回路付き樹脂フィルムを2枚用意する。
積層構造12の回路付き樹脂フィルムの反対側の面と、別の回路付き樹脂フィルムの回路面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートすることで中間積層体を得た。
得られた中間積層体の回路付き樹脂フィルムの反対側の面と、別の回路付き樹脂フィルムの回路面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートした。
得られた積層体を180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図27に示す、積層構造11、12を有する積層体123を得た。
(実施例210)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図3に示す積層構造12を2つ得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。
積層構造12の一つにおいて、回路付き樹脂フィルムの反対側の面と、別の回路付き樹脂フィルムの回路面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートすることで中間積層体を得た。
もう一つの積層構造12における銅箔面と、前記の中間積層体の回路付き樹脂フィルムの反対側の面とを向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートした。得られた積層体を180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図28に示す、積層構造11、12,17を有する積層体124を得た。
(実施例211)
合成例9で得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図3に示す積層構造12を2つ得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。次いで、回路付き樹脂フィルムを1枚用意する。前記で得られた積層構造12のうち一つに関して、回路付き樹脂フィルムの反対側の面と、別の回路付き樹脂フィルムの回路面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートすることで中間積層体を得た。
初めに得られた積層構造12の回路付き樹脂フィルムの反対側の面と、前記で得られた中間積層体の銅箔部分を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートした。これを180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図29に示す、積層構造11,12、17を有する積層体125を得た。
(実施例212)
合成例9で得られたスチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体とポリイソシアネート成分としてBI7951とを含有する熱硬化性接着剤(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)を用い、図3に示す積層構造12を3つ得た。
同じ熱硬化性接着剤を用い、硬化前接着層の両面が剥離性シートで覆われた硬化前の接着層付樹脂フィルムを得た。得られた積層体3つのうち、1つの積層体における回路付き樹脂フィルムの反対側の面と、他の積層構造12の銅箔面を向かい合わせ、その間に前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層を挟み、80℃でラミネートして中間積層体を得た。
得られた中間積層体の回路付き樹脂フィルムの反対側の面と更にもう一つの積層構造12における銅箔面を前記の硬化前の接着層付樹脂フィルム(実施例9の熱硬化性接着剤と同じ)の両面から剥離性シートを除去した硬化前接着層で貼り合わせ、80℃でラミネートした。これを180℃、2.0MPaの条件で5分圧着処理を行った後、更に、大気圧環境下にて、180℃で1時間熱硬化させることで図30に示す、積層構造12,17を有する積層体126を得た。
(1)寸法安定性
実施例112〜122と同様に、銅張積層板の銅箔面とポリイミドフィルムとの間に挟まれた圧着処理前と熱硬化後との接着層の面積の差を測定した。結果は実施例112〜122と同じであるが、表29に合わせて示す。
図23に示す、積層構造11を複数有する積層体119の場合は、中央にある積層構造11の樹脂フィルムにおける強度を求めた。図24に示す積層体120の場合は、積層構造17の樹脂フィルムにおける強度を求めた。図25に示す積層体121の場合は、積層構造17の樹脂フィルムにおける強度を求めた。図26に示す積層体122の場合は、二箇所ある積層構造17の樹脂フィルム間の強度を求めた。図27に示す積層体123の場合は、中央にある積層構造11の樹脂フィルムにおける強度を求めた。図28、29に示す積層体124,125の場合は、積層構造17の樹脂フィルムにおける強度を求めた。図30に示す積層体126の場合は、二箇所ある積層構造17の樹脂フィルム間の強度を求めた。その他の条件および評価基準は、実施例1〜91と同様とした。
図19〜26に示す複合した態様の積層体を幅10mm、長さ65mmに切り出し、前述の実施例1〜91と同様に試験し、同様の基準で評価した。
実施例94〜174と同じ試験であるが、表29に合わせてその結果を示した。
[実施例213]
実施例10にて樹脂フィルムとして用いたカプトン50ENの代わりに、実施例213では厚さが100μmの脂環式ポリオレフィンフィルム〔日本ゼオン社製〔ゼオノアフィルム〕]を、実施例214では厚さが50μmの液晶ポリマーフィルム〔クラレ社製〔ベクスター〕〕を、それぞれ用いた以外は、実施例10と同様にして、硬化前接着層の片面が剥離性シートで覆われた硬化前接着層付樹脂フィルム、および図1に示す積層構造11を有する積層体101を得、同様に評価した。
2:第二被接合層(絶縁層または導電層)
2a:導電層(第二被接合層)
2b:絶縁層(第二被接合層)
3:導電性パターン
4:硬化後接着層
5:硬化前接着層
7:導電層
8:樹脂フィルム
9:電磁波シールドシート
Claims (6)
- 導電性パターンと、
前記導電性パターンが担持された絶縁性を示す第一被接合層と、
硬化後接着層を介して前記第一被接合層と対向配置される第二被接合層と、を備え、
前記第二被接合層は、導電層または絶縁層であり、
前記硬化後接着層は、カルボン酸の無水物基を側鎖に有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分とを含有する熱硬化性接着剤の硬化物であり、
前記第一被接合層および前記絶縁層は、其々独立に、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、およびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンフィルムからなる群より選ばれる樹脂フィルムであり、
前記硬化後接着層の誘電正接が0.005以下である、電子部品用の積層体。 - 前記熱硬化性接着剤は、シランカップリング剤およびチオール化合物の少なくとも一方を更に含有する、請求項1に記載の積層体。
- 導電性パターンと、
前記導電性パターンが担持された絶縁性を示す第一被接合層と、
硬化後接着層を介して前記第一被接合層と対向配置される第二被接合層と、を備え、
前記第二被接合層は、導電層または絶縁層である電子部品用の積層体の製造方法であって、
熱硬化性接着剤を用意し、当該熱硬化性接着剤を用いて硬化前接着層を形成する工程Aと、
前記硬化前接着層を介して前記第一被接合層と前記第二被接合層を対向配置する工程Bと、
工程Bの後、加熱により前記硬化前接着層の硬化物である硬化後接着層を得る工程Cと、を有し、
工程Aは、
(i)剥離性シート上に前記熱硬化性接着剤を塗工して剥離性シート付硬化前接着層を形成する工程、および
(ii)前記第一被接合層または前記第二被接合層のいずれかの主面に前記熱硬化性接着剤を塗工して硬化前接着層付被接合層を得る工程、
のいずれか一方を含み、
前記熱硬化性接着剤は、カルボン酸の無水物基を側鎖に有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分とを含有し、
前記第一被接合層および前記絶縁層は、其々独立に、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、およびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンフィルムからなる群より選ばれる樹脂フィルムであり、
前記硬化後接着層の誘電正接が0.005以下である、電子部品用の積層体の製造方法。 - 前記熱硬化性接着剤は、シランカップリング剤およびチオール化合物の少なくとも一方を更に含有する、請求項3に記載の積層体の製造方法。
- 前記硬化前接着層の硬化温度を120〜240℃とする、請求項3又は4に記載の積層体の製造方法。
- ポリイミドフィルム、液晶ポリマーのフィルム、およびガラス転移温度が100〜400℃の脂環式ポリオレフィンのフィルムからなる群より選ばれる樹脂フィルムと、
カルボン酸の無水物基を側鎖に有するスチレン系エラストマーとポリイソシアネート成分とを含む熱硬化性の硬化前接着層と、が積層され、
前記硬化前接着層が、シランカップリング剤およびチオール化合物の少なくとも一方を更に含有する、接着層付樹脂フィルム。
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