JP6365755B1 - 熱硬化性接着シート、およびその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3に開示される硬化性組成物は、高い芳香族含有量に由来する高い耐熱性と難燃性を示すものの、高い分子間相互作用により、屈曲性に劣るという問題があった。
特許文献4に開示される硬化性組成物は、アミドやエーテルに由来する高い接着性や絶縁性を示すものの、吸湿しやすい構造であることから加湿後の耐熱性に劣るという問題があった。
特許文献5に開示される積層体回路形成方法は、高温で樹脂を溶融させることにより高い接着性を発現できるが、溶融温度が280℃以上と高温なため、他の耐熱性に劣る部材に対する悪影響や、高温溶融に対応した設備導入の必要性といった問題があった。
特許文献7には、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂由来の高い耐熱分解性による耐リフロー性を付与できているものの、架橋密度が高くなりすぎることから屈曲性が不十分という課題があった。
さらに、接着後、高湿度環境下に置かれても高接着力を発現できることも求められる。
特許文献9に開示される接着剤用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の酸価を高くすることで高い加湿後接着力を発現できるが、高い架橋密度により屈曲性が不十分になるという課題があった。
一方、特許文献10に開示される樹脂組成物は、比較的剛直なエポキシやオキセタン樹脂を含むことでリワーク性を発現できるが、ブチレン樹脂由来で耐熱性が不十分という課題があった。
特許文献11に開示される樹脂組成物は、良好な折り曲げ性を示すものの、加湿後接着力が不十分という課題があった。
すなわち、本発明は、下記条件(1)〜(5)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シートに関する。
(1)樹脂(A)、硬化剤(B)、およびアルカリ金属化合物(C)を含む。
(2)硬化剤(B)は、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、およびオキセタニル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(3)樹脂(A)は、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジニル基、およびオキセタニル基を有さず、前記硬化剤(B)と反応し得る、反応性官能基を有する。
(4)前記樹脂(A)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン系エラストマー、フッ素樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(5)アルカリ金属元素の質量換算にてアルカリ金属化合物(C)を、熱硬化性組成物の固形分中、110ppmよりも多く、10000ppm以下含有する。
前記樹脂(A)1gの反応性官能基価の合計は、水酸化カリウム換算で1〜80mgであることが好ましい。
(1)樹脂(A)、硬化剤(B)、およびアルカリ金属化合物(C)を含む。
(2)硬化剤(B)は、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、およびオキセタニル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(3)樹脂(A)は、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジニル基、およびオキセタニル基を有さず、前記硬化剤(B)と反応し得る、反応性官能基を有する。
(4)前記樹脂(A)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン系エラストマー、フッ素樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(5)アルカリ金属元素の質量換算にてアルカリ金属化合物(D)を、熱硬化性組成物の固形分中、110ppmよりも多く、10000ppm以下含有する。
以下、樹脂(A)について詳細に説明する。
前記反応性官能基としては、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、酸無水物基およびアミノ基、シアネート基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、イミダゾール基、ピロール基、アセタール基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルデヒド基、ヒドラジド基、ヒドラゾン基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基および酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記反応性官能基は、硬化剤(B)と20〜200℃で反応し得ることが好ましく、140℃〜200℃で反応し得ることがより好ましい。
前記反応性官能基は、架橋形成に寄与するので、硬化物の耐熱性、絶縁性の点から、反応性官能基価は水酸化カリウム換算で1mg以上であることが好ましい。また、硬化物の接着性、屈曲性の点から、反応性官能基価は水酸化カリウム換算で80mg以下であることが好ましい。
硬化剤(B)は、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、およびオキセタニル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。2種以上を併用することができる。
硬化剤(B)の1つ、エポキシ基含有化合物としては、エポキシ基を分子内に有する化合物であればよく、特に限定されるものではないが、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するものを好ましく用いることができる。エポキシ基有化合物としては、例えば、グリジシルエーテル型エポキシ樹脂、グリジシルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、又は環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を用いることができる。
環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシシクロヘキシルメチル−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、又はビス(エポキシシクロヘキシル)アジペートなどが挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、前記化合物の一種を単独で、若しくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基含有化合物としては、高接着性及び耐熱性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンを用いることが好ましい
硬化剤(B)の1つ、イソシアネート基含有化合物としては、イソシアネート基を分子内に有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
1分子中にイソシアネート基を1個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
また、1,6−ジイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン、ジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、P−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のジイソシアン酸エステル化合物と水酸基、カルボキシル基、アミド基含有ビニルモノマーとを等モルで反応せしめた化合物もイソシアン酸エステル化合物として使用することができる。
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、
3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
具体的には、前記イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基を、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトン(以下、MEKという)オキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピラゾール、フェノール等でブロックしたものなどが挙げられる。特に、イソシアヌレート環を有し、MEKオキシムやピラゾールでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート三量体は、本発明に使用した場合、ポリイミドや銅に対する接着強度や耐熱性に優れるため、非常に好ましい。
硬化剤(B)の1つ、アジリジン基含有化合物としては、分子内にアジリジン基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
アジリジン基含有化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4−ビス−N,N’−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N’−エチレンウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられる。
硬化剤(B)の1つ、オキセタニル基含有化合物としては、例えば、1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、(2−エチル−2−オキセタニル)エタノールとテレフタル酸とのエステル化物、(2−エチル−2−オキセタニル)エタノールとフェノールノボラック樹脂とのエーテル化物、(2−エチル−2−オキセタニル)エタノールと多価カルボン酸化合物とのエステル化物等が挙げられる。
本発明の熱硬化性接着シートは、リワーク性と加湿後接着性の点からアルカリ金属元素の質量換算にてアルカリ金属化合物(C)を110ppmよりも多く、10000ppm以下含有する。アルカリ金属元素の質量換算でのアルカリ金属化合物(C)の含有量が110ppmよりも多いことにより、未硬化の接着シートを常温で貼り付けた際に再剥離可能なリワーク性が付与できる。これの理由は定かではないが、極性の高いアルカリ金属が接着シート中で基材表面側に移行し、未硬化時の粘着性を阻害するためと考えられる。
また、アルカリ金属元素の質量換算でのアルカリ金属化合物(C)の含有率が10000ppm以下であることにより、加湿後接着性を担保できる。アルカリ金属元素の質量換算でのアルカリ金属化合物(C)の含有率は、110よりも多く、9000ppm以下であることが好ましく、300〜3000ppmであることがより好ましい。
なお、アルカリ金属化合物(C)が、樹脂(A)、硬化剤(B)、後述するその他の硬化剤や種々の添加剤に含まれる場合、アルカリ金属化合物(C)は、それぞれの製造工程で使用した触媒やその分解物、あるいは工程上混入したものであってもよい。
アルカリ金属化合物(C)の含有量:Y(g)、
アルカリ金属化合物(C)の分子量:A、
アルカリ金属化合物(C)中のアルカリ金属元素の量:B とすると
X=[Y×(B/A)]×106
例えば、炭酸リチウム(Li2CO3)の場合、
分子量Aが73.89、
含まれるアルカリ金属の量Bが(6.94×2)となり、
熱硬化性組成物(熱硬化性接着シート)1gに炭酸リチウムが0.0001g含まれる場合、
X=[0.0001×((6.94×2)/73.89)]×106
=18.8 となる。
即ち、任意の質量の熱硬化性組成物(熱硬化性接着シート)を以下の方法で分解し、得られた分解液についてICP発光分光分析法(以下、ICP分析という)により、含まれているアルカリ金属化合物(C)の元素換算含有率Xを求めることができる。
なお、同種アルカリ金属の化合物を両方含む場合、例えば、炭酸リチウムとアセト酢酸リチウムとを含む場合、ICP分析法によれば、リチウム元素換算含有率を求めることになる。
カルボン酸の具体例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ペラルゴン酸等の直鎖飽和脂肪酸;シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、酒石酸、リンゴ酸、メバロン酸等のヒドロキシ;安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族カルボン酸等、及びこれらの水和物が挙げられる。
これらの中でも、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属の炭酸塩が好ましく、中でもアルカリ金属の水酸化物はアルカリ金属がイオン化しやすい。
その他の硬化剤の具体例としては、カルボジイミド基含有化合物、ベンゾオキサジン化合物、β-ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物、硫黄含有化合物などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
その他の硬化剤の1つ、カルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、03、05、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。本発明に使用した場合、接着性の向上が期待できるため、好適に用いられる。
その他の硬化剤の1つ、ベンゾオキサジン化合物としては、Macromolecules,36,6010(2003)記載の「P−a」、「P−alP」、「P−ala」、「B−ala」、Macromolecules,34,7257(2001)記載の「P−appe」、「B−appe」、四国化成株式会社製「B−a型ベンゾオキサジン」、「F−a型ベンゾオキサジン」、「B−m型ベンゾオキサジン」などが挙げられる。
その他の硬化剤の1つ、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL-552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
その他の硬化剤の1つ、硫黄含有化合物としては、チオール化合物、スルフィド化合物、ポリスルフィド化合物が挙げられる。本発明に使用した場合、接着性、耐熱性の向上が期待できるため、好適に用いられる。
チオール化合物は、例えば、チオール基と、直鎖、枝分かれ、又は環式の炭化水素基とを少なくとも含有する。チオール基を2つ以上含有してもよい。炭化水素基は飽和でもよく、不飽和でもよい。炭化水素基の水素原子の一部が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシシリル基などで置換されていてもよい。より具体的には、無色のチオール類としては、例えば、1-プロパンチオール、3-メルカプトプロピオン酸、(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、1-ブタンチオール、2-ブタンチオール、イソブチルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、シクロペンタンチオール、1-ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、6-ヒドロキシ-1-ヘキサンチオール、6-アミノ-1-ヘキサンチオール塩酸塩、1-ヘプタンチオール、7-カルボキシ-1-ヘプタンチオール、7-アミド-1-ヘプタンチオール、1-オクタンチオール、tert-オクタンチオール、8-ヒドロキシ-1-オクタンチオール、8-アミノ-1-オクタンチオール塩酸塩、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンチオール、1-ノナンチオール、1-デカンチオール、10-カルボキシ-1-デカンチオール、10-アミド-1-デカンチオール、1-ナフタレンチオール、2-ナフタレンチオール、1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオール塩酸塩、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、1-ドデカンチオール、1-テトラデカンチオール、1-ヘキサデカンチオール、16-ヒドロキシ-1-ヘキサデカンチオール、16-アミノ-1-ヘキサデカンチオール塩酸塩、1-オクタデカンチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,3,5-ベンゼントリチオール、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのチオール類は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
スルフィド化合物は、例えば、スルフィド基と、直鎖、枝分かれ、又は環式の炭化水素基とを少なくとも含有する。スルフィド基を2つ以上含有してもよい。炭化水素基の水素原子の一部が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシシリル基などで置換されていてもよい。
より具体的には、スルフィド化合物として、例えば、プロピルスルフィド、フルフリルスルフィド、ヘキシルスルフィド、フェニルスルフィド、フェニルトリフルオロメチルスルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ヘプチルスルフィド、オクチルスルフィド、ノニルスルフィド、デシルスルフィド、ドデシルメチルスルフィド、ドデシルスルフィド、テトラデシルスルフィド、ヘキサデシルスルフィド、オクタデシルスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが挙げられる。これらのスルフィド類は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリスルフィド化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルジスルフィド、プロピルジスルフィド、イソプロピルジスルフィド、3-カルボキシプロピルジスルフィド、アリルジスルフィド、イソブチルジスルフィド、tert-ブチルジスルフィド、アミルジスルフィド、イソアミルジスルフィド、5-カルボキシペンチルジスルフィド、フルフリルジスルフィド、ヘキシルジスルフィド、シクロヘキシルジスルフィド、フェニルジスルフィド、4-アミノフェニルジスルフィド、ヘプチルジスルフィド、7-カルボキシヘプチルジスルフィド、ベンジルジスルフィド、tert-オクチルジスルフィド、デシルジスルフィド、10-カルボキシデシルジスルフィド、ヘキサデシルジスルフィド、チウラムジスルフィドなどを用いることができる。
あるいは、硬化剤(B)中のエポキシ基等1molに対して、0.01〜20mol含有することが好ましく、0.5〜10mol含有することがさらに好ましく、0.1〜5mol含有することがさらに好ましい。
次に、本発明で用い得るフィラーについて詳細に説明する。
本発明の熱硬化性接着シートは、難燃性の付与、接着剤の流動性制御、硬化物の弾性率向上等の目的でフィラーを含有することができる。
フィラーとしては例えば、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリエチレン粉末、ポリアクリル酸エステル粉末、エポキシ樹脂粉末、ポリアミド粉末、ポリウレタン粉末、ポリシロキサンン粉末等の他、シリコーン、アクリル、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム等を用いた多層構造のコアシェル等の高分子フィラー;
リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、ポリリン酸グアニジン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミドアンモニウム、ポリリン酸アミドアンモニウム、リン酸カルバメート、ポリリン酸カルバメート等の(ポリ)リン酸塩系化合物、有機リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスホン酸化合物、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、メチルエチルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、エチルブチルホスフィン酸アルミニウム、メチルブチルホスフィン酸アルミニウム、ポリエチレンホスフィン酸アルミニウム等のホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、ホスホルアミド化合物等のリン系難燃フィラー;
ベンゾグアナミン、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレート、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール化合物、ジアゾ化合物、尿素等の窒素系難燃フィラー;
シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ハイドロタルサイト、ウォラストナイト、ゾノトライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、ガラスフレーク、水和ガラス、チタン酸カルシウム、セピオライト、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化アンチモン、酸化ニッケル、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の無機フィラー等が挙げられる。
この他、本発明の熱硬化性接着シートには、目的を損なわない範囲で任意成分として更に、染料、顔料、酸化防止剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、イオン捕集剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、電磁波シールド剤などを添加することができる。
本発明のシート状基材付き熱硬化性接着シートは、例えば、以下のようにして得ることができる。
溶液ないし分散液状態の熱硬化性接着剤を、シート状基材の少なくとも片面に、塗布後、通常40〜150℃で乾燥することにより、いわゆるBステージ状態の熱硬化性接着シートにシート状基材の付いたものを得ることができる。次いで熱硬化性接着シートの他方の面を他のシート状基材で覆うことにより、本発明のシート状基材付き熱硬化性接着シートを得ることができる。
用いるシート状基材の少なくとも一方は、剥離性のシート状基材であることが好ましい。すなわち、剥離性のシート状基材に、溶液ないし分散液状態の熱硬化性接着剤を塗布・乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、次いで熱硬化性接着シートの他方の面を他の剥離性のシート状基材で覆うこともできるし、被着体となる剥離性のないシート状基材で覆うこともできる。あるいは、被着体となる剥離性のないシート状基材に、溶液ないし分散液状態の熱硬化性接着剤を塗布・乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、次いで熱硬化性接着シートの他方の面を他の剥離性のシート状基材で覆うこともできる。
塗布方法としては、例えば、コンマコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ロールコート、カーテンコート、バーコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート等が挙げられる。
用いられるシート状基材のうち剥離性のあるものとしては、各種プラスチックフィルムに剥離処理をしたものや、紙に剥離処理をしたもの等が挙げられる。剥離処理の対象とされる各種プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムが挙げられる。
本発明のシート状硬化物は、本発明の熱硬化性接着シートを熱硬化、例えば40〜200℃程度の温度で硬化してなるものである。
シート状基材付き熱硬化性接着シートから剥離性シート状基材を剥がす。露出した熱硬化性接着シートに他の被着体(例えば、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面側)を重ねる。次いで、加熱・加圧することによって、両被着体に挟まれた熱硬化性接着シートを熱硬化する。
このようにすれば、シート状硬化物を介して、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面が、シート状基材で保護されてなる、保護シート付きプリント配線板を得ることができる。
シート状基材付き熱硬化性接着シートから一方の剥離性シート状基材を剥がす。露出した熱硬化性接着シートに被着体(例えば、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム)を重ねる。熱硬化性接着シートの他方の面を覆っていた他の剥離性シート状基材を剥がす。露出した熱硬化性接着シートに他の被着体(例えば、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面側)を重ねる。次いで、加熱・加圧することによって、両被着体に挟まれた熱硬化性接着シートを熱硬化する。剥離性シート状基材を最初に剥がした面に、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面側を重ね、熱硬化性接着シートに他方の面にポリイミドフィルムやポリエステルフィルムを重ねることもできる。
導電性回路を設ける方法としては、例えば、接着剤層を介して又は介さずにベースフィルム上に銅箔を設けてなるフレキシブル銅張板の銅箔上に感光性エッチングレジスト層を形成し、回路パターンを持つマスクフィルムを通して露光させて、露光部のみを硬化させ、次いで未露光部の銅箔をエッチングにより除去した後、残っているレジスト層を剥離するなどして、銅箔から導電性回路を形成することができる。
あるいは、ベースフィルム上にスパッタリングやめっき等の手段で必要な回路のみを設ける方法も挙げられる。
あるいは、銀や銅の粒子を含有する導電性インキを用い、プリント技術によってベースフィルム上に導電性回路を形成する方法も挙げられる。
<複数のフレキシブルプリント配線の多層化>
複数のフレキシブルプリント配線の間に、本発明の熱硬化性接着シートを挟み、加熱・加圧することによって、熱硬化性接着シートを硬化させ、多層フレキシブルプリント配線板を得ることもできる。
<フレキシブルプリント配線板用のベースフィルムと銅箔との貼り合わせ>
例えば、ポリイミドフィルムと銅箔との間に、本発明の熱硬化性接着シートを挟み、加熱・加圧することによって、熱硬化性接着シートを硬化させることもできる。
本発明の熱硬化性接着シートは、樹脂(A)、硬化剤(B)、特定量のアルカリ金属化合物(C)の他に、銅や銀などの導電性金属フィラー、カーボンなどの導電性フィラーを配合し、分散してなる熱硬化性組成物をシート状にした導電性の熱硬化性接着シートとして用いることができる。
さらに本発明の熱硬化性接着シートは、上記で作製した導電性の熱硬化性接着シートを用いて絶縁層との多層構成とすることで、電磁波シールドとしても用いることができる。また、導電層部分だけでなく、本発明の熱硬化性接着シートは絶縁層としても用いることができる。
<熱伝導接着シート>
さらに本発明の熱硬化性接着シートは、樹脂(A)、硬化剤(B)、特定量のアルカリ金属化合物(C)の他に、熱伝導性のある無機フィラー、金属フィラーなどを分散して配合し、分散してなる熱硬化性組成物をシート状にした熱伝導性の熱硬化性接着シートとして用いることができる。
フェノール性およびアルコール性の水酸基価は、樹脂固形1g中に含まれる水酸基の量を、水酸基をアセチル化させたときに水酸基と結合した酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)で表したものである。
水酸基価は、JIS K0070に準じて測定し、下記式に示す通り、酸価を考慮して計算する。
水酸基価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.05}/S]+D
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<酸価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、シクロヘキサノン溶媒100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、1,4−ジオキサン溶媒100mlを加えて溶解した。これにオクチルアミン、1,4−ジオキサン、水の混合溶液(重量の混合比は1.49/800/80)を10mL加えて15分攪拌し、反応を完了させた。
その後、過剰のオクチルアミンを0.02M過塩素酸、1,4−ジオキサンの混合溶液で滴定した。また、試料を加えていない、オクチルアミン、1,4−ジオキサン、水の混合溶液(重量の混合比は1.49/800/80)10mLもブランクとして測定を実施した。酸無水物価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)
酸無水物価(mgKOH/g)=0.02×(B−S)×F×56.11/W
B:ブランクの滴定量(mL)
S:試料の滴定量(mL)
W:試料固形量(g)
F:0.02mol/L過塩素酸の力価
Mwの測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/m
in、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
<アクリル樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、メチルエチルケトン(以下、MEKという)300gを入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸ブチル30g、メタクリル酸メチル28g、メタクリル酸ラウリルとメタクリル酸トリデシルとの1:1(質量比)混合品3g、メタクリル酸12g、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.8gの混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2部をMEK50gに溶解させたものを添加し、80℃で1時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。質量平均分子量は5.2万、酸価は78.2mgKOH/gであった。
合成例1と同様の方法で、表1の組成に従って合成を行い、アクリル樹脂を得た。
<ポリエステル樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、セバシン酸57.6g、トリメシン酸3.2g、シクロへキサンジメタノール27.5g、1.6−ヘキサンジオール9.7g、テトラブチルチタネート0.012gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、温度が安定したのを確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下し、ポリエステル樹脂を得た。質量平均分子量は3.2万、酸価は39.8mgKOH/gであった。
合成例4と同様の方法で、表2の組成に従って合成を行い、ポリエステル系樹脂を得た。
<ポリウレタン系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1.6−ヘキサンジオール10.6g、C36ダイマージオール(PRIPOL2033:クローダジャパン株式会社、OH価=207mgKOH/g)113.3g、トリレンジイソシアネート44.3g、溶剤としてトルエン240gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら60℃まで昇温し、均一に溶解させた。続いてこのフラスコに、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.016gを投入し、100℃で3時間攪拌し、ウレタン化の反応を行った。次に、トルエン40g、無水トリメリット酸17.6gを投入し、90℃で1時間攪拌後、135℃に昇温し、4時間反応させた。室温まで冷却し、ポリウレタン系樹脂を得た。質量平均分子量は1.1万、酸価は55.3mgKOH/gであった。
合成例11と同様の方法で、表3の組成に従って合成を行い、ポリウレタン系樹脂を得た。
<ポリウレタンウレア系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1.6−ヘキサンジオール28.4g、ジメチロールブタン酸8.9g、トリレンジイソシアネート55.6g、溶剤としてトルエン122gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら60℃まで昇温し、均一に溶解させた。続いてこのフラスコに、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.008gを投入し、100℃で3時間攪拌し、ウレタン化の反応を行った。次に、80℃に降温してトルエン20gに溶解させたヘキシルアミン1.9gを30分かけて滴下し、その後100℃で6時間攪拌した。室温まで冷却し、ポリウレタンウレア系樹脂を得た。質量平均分子量は1.4万、酸価は34.8mgKOH/gであった。
<ポリウレタンウレア系樹脂の合成例>
合成例13と同様の方法で、表4の組成に従って合成を行い、ポリウレタンウレア系樹脂を得た。
<ポリアミド系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、セバシン酸54.5g、トリメシン酸6.4g、プリアミン1074:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージアミン(アミン価:210mgKOH/g)148.4g、イオン交換水を100g仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、水の流出を確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下し、ポリアミド樹脂を得た。質量平均分子量は2.8万、酸価は20.0mgKOH/gであった。
合成例15と同様の方法で、表5の組成に従って合成を行い、ポリアミド系樹脂を得た。
<ポリイミド系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物「6FDA」88.8g、ダイマージイソシアネート(BASFジャパン株式会社製、NCO%=13.8%)110.1gIPDIヌレート(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)6.06gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、水の流出を確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分毎に10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2kPaの真空下で3時間保持した。その後、温度を低下し、ポリイミド樹脂を得た。質量平均分子量は3.4万、酸無水物価は7.5mgKOH/gであった。
合成例18と同様の方法で、表6の組成に従って合成を行い、ポリイミド系樹脂を得た。
<ポリカーボネート系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、炭酸エチレン25.2g、1,4−シクロへキサンジメタノール38.9g、トリメチロールプロパン4.0g、テトラブチルチタネート0.003gを仕込み、常圧、攪拌下、シクロへキサンジメタノールと炭酸エチレンの混合物を留去しながら、エステル交換反応を8時間行なった。この間、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら反応温度は190℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成はシクロへキサンジメタノールと炭酸エチレンの混合物の共沸組成の近傍となるように調節した。そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、さらに3時間保持した。その後、温度を低下し、ポリカーボネート樹脂を得た。質量平均分子量は1.4万、水酸基価は48.2mgKOH/gであった。
<ポリカーボネート系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、炭酸エチレン25.2g、1.6−ヘキサンジオール35.5g、テトラブチルチタネート0.003gを仕込み、常圧、攪拌下、1.6ヘキサンジオールと炭酸エチレンの混合物を留去しながら、エステル交換反応を8時間行なった。この間、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら反応温度は190℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成は1.6−ヘキサンジオールと炭酸エチレンの混合物の共沸組成の近傍となるように調節した。そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、さらに3時間保持した。その後、温度を低下し、無水トリメリット酸2.2g、トルエン30gを添加し、110℃で3時間反応させ、その後、温度を低下し、ポリカーボネート樹脂を得た。質量平均分子量は1.3万、酸価は20.4mgKOH/g、水酸基価は15.3mgKOH/gであった。
<ポリフェニレンエーテル系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコを30℃の恒温水槽中に置いた。塩化銅(I)9.9gをピリジン2.0gに加え、酸素を吹き込みながらかき混ぜ、トルエン5.0gを加えることで、触媒溶液となる銅(II)ピリジン錯体溶液を得た。また、2,6−ジメチルフェノール98.0gと2.2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン30.0gをトルエン3.0gに溶解し、フェノール溶液を得た。その後、30℃に保持し、酸素置換した反応容器内に触媒、フェノール両溶液を滴下混合し、激しくかき混ぜた。モノマー添加開始時から66分後に、酸素を窒素に切り換え、重合を停止させた。反応溶液を0.3gの濃塩酸を含む110gのメタノール中に滴下した。沈殿したポリマーをろ過し、25.0gのメタノール、ついで1.0gの濃塩酸を含む25.0gのメタノール、最後に25.0gのメタノールで洗浄した。120℃で3時間乾燥させ、トルエン50.0g、2−プロパノール50.0gで希釈して、ポリフェニレンエーテル樹脂を得た。質量平均分子量は1.5万、フェノール性水酸基価は15.4mgKOH/gであった。
ポリマーのブロック比において(以下、同様)スチレン:ブタジエン=15:85(質量%)、質量平均分子量60000のスチレン系エラストマー100gに対して、無水マレイン酸0.49g、ベンゾイルパーオキサイド0.1g、イルガノックス1010(BASFジャパン社製、酸化防止剤)0.6gをドライブレンドし、ベント付き32ミリの二軸押出機を用いて、更に混合し、溶融混錬し、ペレット状サンプルを得た。混合、溶融混練時の二軸押出機の温度は、ホッパー下部40℃、混合ゾーン80℃、反応ゾーン170℃、ダイス180℃とした。
得られたペレット状サンプル100質量部に、アセトン85質量部、ヘプタン85質量部を加え、耐圧反応器中、85℃で2時間加熱攪拌した。同操作終了後、金網でペレットを回収し、これを140℃、0.1Torrで20時間真空乾燥して、酸無水物基を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。分子量分布は狭く、質量平均分子量は60000、酸無水物価は2.8mgCH3ONa/gであった。
使用したスチレン系エラストマーを、スチレン:イソプレン=15:85(質量%)とした以外は合成例1と同様の方法で表1に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−イソプレンブロック共重合体を得た。
使用したスチレン系エラストマーを、スチレン:[エチレン/ブチレン]=15:85(質量%)とした以外は合成例1と同様の方法で表9に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。
使用する無水マレイン酸の量を変え、変性量を変更した以外は合成例29と同様の方法で、表9に示すような質量平均分子量および酸無水物基価を有する酸無水物基を有するスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体を得た
<フッ素系樹脂の合成例>
1000mLのステンレス製オートクレーブに、ヘキサフルオロプロピレン35.2g、ピバリン酸ビニル46.5g、ヒドロキシブチルビニルエーテル4.93g、エチルビニルエーテル12.7g、クロトン酸0.7g及びジイソプロピルパーオキシジカーボネート0.8gを仕込み、0℃ に冷却した後、減圧下に脱気した。その後、攪拌下で40℃ に加熱し、24時間反応させ、反応器内圧が5kg/cm2から2kg/cm2に下がった時点で反応を停止し、フッ素系樹脂を得た。質量平均分子量は4.8万、酸価は4.6mgKOH/gであった。
<フッ素系樹脂の合成例>
合成例34と同様の方法で、表10の組成に従って合成を行い、フッ素系樹脂を得た。
<スチレン無水マレイン酸系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、MEK300gを入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でスチレン516.1g、無水マレイン酸48.4g、過酸化ベンゾイル0.2gの混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、過酸化ベンゾイル0.2gをMEK50gに溶解させたものを添加し、80℃で1時間反応させて、スチレン無水マレイン酸系樹脂溶液を得た。質量平均分子量は6.2万、酸無水物価は49.0mgKOH/gであった。
<スチレン無水マレイン酸系樹脂の合成例>
合成例36と同様の方法で、表11の組成に従って合成を行い、スチレン無水マレイン酸系樹脂を得た。
BMA:n−ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
TDMA:トリデシルメタクリレート
LMA/TDMA=1/1混合品
tBA:ter-ブチルアクリレート
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
プリポール2033:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージオール(OH価:207mgKOH/g)
プリポール1009:クローダジャパン(株)製、C36ダイマー酸(酸価:195.0mgKOH/g)
TDI:トリレンジイソシアネート
TMA:無水トリメリット酸
プリアミン1074:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージアミン(アミン価:210mgKOH/g)
NBDA:ノルボルナンジアミン
ビスアニリンM:三井化学ファイン(株)製、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン
IPDIヌレート:イソホロンジイソシアネートのヌレート体
ワンダミンHM:新日本理化(株)製、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
KF−8010:信越シリコーン(株)製、両末端アミノ変性シリコーンオイル(アミン価:430mgKOH/g)
HAB:4,4'−ジアミノー3,3'―ジヒドロキシビフェニル
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
2,6−DMP:2,6−ジメチルフェノール
BXF:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン
樹脂(A)である合成例30で得られたスチレン系エラストマー中の反応性官能基1モルに対して、硬化剤(B)として、jER1031S(三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物)中のエポキシ基が1.1モルとなる量添加し、アルカリ金属化合物(C)として炭酸リチウムを添加し、シクロヘキサノン溶剤で固形分濃度が25%になるように溶解して熱硬化性組成物を調整した。
この熱硬化性組成物を剥離処理されたポリエステルフィルム上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように均一に塗工して乾燥させ、接着シートを設けた。次に、剥離処理された別のポリエステルフィルムを前記接着シート上にラミネートし、両面保護フィルム付きの接着シートを得た。
なお、熱硬化性組成物の固形分中のリチウム量を、下記手順に従ってICP発光分光分析法により求めたところ、1000ppmであった。
実施例1で用いた炭酸リチウムの代わりに表12に示したアルカリ金属化合物(D)をそれぞれ添加した以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
炭酸リチウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
実施例1で用いた炭酸リチウムの代わりに表12に示したアルカリ土類金属化合物等をそれぞれ添加した以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表13に示すように、合成例30で得たスチレン系エラストマーの代わりに、合成例26で得たポリフェニレンエーテル系樹脂を用いた以外は、実施例1〜8、比較例1〜4と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表14に示すように、合成例30で得たスチレン系エラストマーを用い、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の量を変えた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表15に示すように、合成例26で得たポリフェニレンエーテル系樹脂を用い、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の量を変えた以外は、実施例9と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表16に示すように、合成例30で得たスチレン系エラストマーを用い、アルカリ金属化合物を2種類併用した以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表17に示すように、合成例26で得たポリフェニレンエーテル系樹脂を用い、アルカリ金属化合物を2種類併用した以外は、実施例9と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表18に示すように、合成例30で得たスチレン系エラストマーを用い、エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031Sの代わりに、後述する他のエポキシ基含有化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
なお、実施例1も合わせて表18に示す。
表19に示すように、合成例26で得たポリフェニレンエーテル系樹脂を用い、エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031Sの代わりに、後述する他のエポキシ基含有化合物を用いた以外は、実施例9と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
なお、実施例9も合わせて表19に示す。
表20に示すように、合成例30で得たスチレン系エラストマーを用い、硬化剤(B)の種類と量を変えた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表21に示すように、合成例26で得たポリフェニレンエーテル系樹脂を用い、硬化剤(B)の種類と量を変えた以外は、実施例9と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表22〜28、30〜31に示すように、合成例30で得られたスチレン系エラストマーの代わりに、樹脂(A)として合成例1〜25、34〜38で得られた各樹脂を、jER1031Sの代わりに硬化剤(B)として、BL4265SN:住化バイエルウレタン(株)製、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIともいう)の多官能タイプをメチルエチルケトンオキシムでブロックしたイソシアネートを用いた以外は実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表29に示すように、合成例30で得られたスチレン系エラストマーの代わりに、合成例29〜33で得られたスチレン系エラストマーを用いた以外は実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
表32に示すように、合成例30で得られたスチレン系エラストマーの代わりに、樹脂(A)として合成例29、26、15、20、34、11、1で得られた各樹脂を用いた以外は実施例49と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
なお、実施例52も合わせて表32に示す。
jER1031S:三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物
TETRAD−X:三菱ガス化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
BL4265SN:住化バイエルウレタン(株)製、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIともいう)の多官能タイプをメチルエチルケトンオキシムでブロックしたイソシアネート
BL3175:住化バイエルウレタン(株)製、ヘキサメチレンジイソシネート(以下、HDIという)の三量体(ヌレート体)をメチルエチルケトンオキシクでブロックしたイソシアネート
BL1100:住化バイエルウレタン(株)製、トリレンジイソシアネート(以下、TDIともいう)をプレポリマータイプにしたものをε-カプロラクタムでブロックしたイソシアネート
OXTP:宇部興産(株)製、2官能オキセタン化合物
OXT−121:東亜合成(株)製、2官能オキセタン化合物
ケミタイトPZ: (株)日本触媒製、多官能アジリジン化合物
<評価>
片面の保護フィルムを除去した、65mm×65mmの大きさの接着シートを、50mm×50mmの2層CCL[エスパネックスMC18-25-00FRM、新日鉄住金化学(株)製]銅面の上に常温でラミネートし、評価用試験片を作成した。接着層を保護フィルムごと剥がすことでリワーク性(再剥離性)を評価した。
A・・・接着シートをはがした後、のり残り面積が1mm2以下
C・・・接着シートをはがした後、のり残り面積が1mm2より大きいが、40mm2より小さい
E・・・接着シートをはがした後、のり残り面積が40mm2以上
保護フィルムを除去した、65mm×65mmの大きさの接着シートを、厚さが75μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン(株)製「カプトン300H」]の間に挟み、80℃でラミネートし、続いて160℃、1.0MPaの条件で30分圧着処理を行った。さらに、この試験片を160℃で2時間熱硬化させ、冷却後、幅10mm、長さ65mmに切り出し、評価用試験片を作成した。
この試験片について、23℃相対湿度50%の雰囲気下で、引っ張り速度300mm/minでTピール剥離試験を行い、接着強度(N/cm)を測定した。この試験は、常温使用時における接着層の接着強度を評価するものであり、結果を次の基準で判断した。
A・・・「12(N/cm) < 接着強度」
B・・・「8(N/cm) < 接着強度 ≦ 12(N/cm)」
C・・・「5(N/cm) < 接着強度 ≦ 8(N/cm)」
D・・・「3(N/cm) < 接着強度 ≦ 5(N/cm)」
E・・・「接着強度 ≦ 3(N/cm)」
上記(2)と同様に、幅10mm、長さ65mmに切り出した試験片を、23℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間以上保管し、その後、各種温度にて溶融半田にポリイミドフィルム面を接触させて1分間浮かべた。その後、試験片の外観を目視で観察し、硬化接着層の発泡、浮き、剥がれ等の接着異常の有無を評価した。この試験は、半田接触時における硬化接着層の熱安定性を、外観で評価するものであり、耐熱性の良好なものは、外観が変化しないのに対して、耐熱性の悪いものは、半田処理後に発泡や剥がれが発生する。これらの評価結果を次の基準で判断した。
A・・・「300℃でも外観変化全く無し」
B・・・「280℃で外観変化全く無し。300℃では発泡が確認される」
C・・・「260℃でも外観変化全く無し。280℃では発泡が確認される」D・・・「240℃でも外観変化全く無し。260℃では発泡が確認される」E・・・「240℃にて発泡が観察される」
保護フィルムを除去した、65mm×65mmの大きさの接着シートを、厚さが25μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン(株)製「カプトン100H」]とポリイミド上に銅回路が形成された櫛型パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)プリント配線板との間に挟み、80℃でラミネートし、続いて160℃、1.0MPaの条件で30分圧着処理を行った。さらに、この試験片を160℃で2時間熱硬化させ、評価用試験片を作成した。評価用試験片を、硬化塗膜面を外側にして500gの荷重をかけて180度折り曲げ、ひび割れが発生するまでの回数を次の基準で評価した。
A・・・「20回屈曲させてもクラック(ひび割れ)が見られない」
B・・・「14回屈曲させてもクラックが見られない。20回までにクラック発生」
C・・・「8回屈曲させてもクラックが見られない。14回までにクラック発生」
D・・・「3回屈曲させてもクラックが見られない。8回までにクラック発生」
E・・・「3回屈曲させるまでにクラック発生」
上記(2)で作成した幅10mm、長さ65mmに切り出した試験片を、85℃、85%RH(以下、高湿という)、40℃、90%RH(以下、低湿という)の各環境下でそれぞれ7日間、3日間保存した後、上記(2)の場合と同様に、23℃相対湿度50%の雰囲気下で、引っ張り速度300mm/minでTピール剥離試験を行い、加湿後、接着強度(N/cm)を測定し、以下の基準で評価した。
A・・・高湿、7日後の接着強度が3N以上
B・・・高湿、7日後の接着強度は3N未満であるが、高湿、3日後の接着強度は3N以上
C・・・高湿、3日後の接着強度は3N未満であるが、低湿、7日後の接着強度が3N以上
D・・・低湿、7日後の接着強度は3N未満であるが、低湿、3日後の接着強度が3N以上
E・・・低湿、3日後の接着強度が3N未満
Claims (5)
- 下記条件(1)〜(5)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シートと、前記熱硬化性接着シートの両面を覆う2つのシート状基材とを有し、
2つのシート状基材のうち、少なくとも一方が剥離性シート状基材であるシート状基材付き熱硬化性接着シート。
(1)樹脂(A)、硬化剤(B)、およびアルカリ金属化合物(C)を含む。
(2)硬化剤(B)は、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、およびオキセタニル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(3)樹脂(A)は、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジニル基、およびオキセタニル基を有さず、前記硬化剤(B)と反応し得る、反応性官能基を有する。
(4)前記樹脂(A)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン系エラストマー、フッ素樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(5)アルカリ金属元素の質量換算にてアルカリ金属化合物(C)を、熱硬化性組成物の固形分中、110ppmよりも多く、10000ppm以下含有する。 - 反応性官能基が、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基および酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載のシート状基材付き熱硬化性接着シート。
- 樹脂(A)1gの反応性官能基価の合計が、水酸化カリウム換算で1〜80mgである、請求項1または2記載のシート状基材付き熱硬化性接着シート。
- 樹脂(A)の反応性官能基1molに対し、硬化剤(B)中のエポキシ基、イソシアネート基、アジリジニル基、およびオキセタニル基の合計が0.1〜12molである、請求項1〜3いずれか1項に記載のシート状基材付き熱硬化性接着シート。
- シート状基材の少なくとも片面に、下記条件(1)〜(5)の全てを満たす熱硬化性組成物を塗工し、乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、前記熱硬化性接着シートの他方の面に、他のシート状基材を重ねるシート状基材付き熱硬化性接着シートの製造方法であって、2つのシート状基材のうち、少なくとも一方が剥離性シート状基材である、シート状基材付き熱硬化性接着シートの製造方法。
(1)樹脂(A)、硬化剤(B)、およびアルカリ金属化合物(C)を含む。
(2)硬化剤(B)は、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、アジリジニル基含有化合物、およびオキセタニル基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(3)樹脂(A)は、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジニル基およびオキセタニル基を有さず、前記硬化剤(B)と反応し得る、反応性官能基を有する。
(4)前記樹脂(A)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン系エラストマー、フッ素樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(5)アルカリ金属元素の質量換算にてアルカリ金属化合物(C)を、熱硬化性組成物の固形分中、110ppmよりも多く、10000ppm以下含有する。
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