JP2017031301A - 熱硬化性接着シート、およびその利用 - Google Patents

熱硬化性接着シート、およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、硬化時の寸法安定性に優れ、硬化後の接着性、耐熱性(特に加湿後)、屈曲性、電気絶縁性、低誘電率および低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートを提供することである。【解決手段】 反応性官能基とハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基とを合計で0.01〜9(mmol/1g)含む樹脂(A1)、特定量の有機金属化合物(B)およびエポキシ基含有化合物(C)を含む熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、低極性樹脂、有機金属化合物及びエポキシ基含有化合物を含有する熱硬化性接着シートに関する。本発明の熱硬化性接着シートは、プリント配線板の回路面の保護に好適に用いられる。
近年、エレクトロニクス分野の発展が目覚しく、特に電子機器の小型化、軽量化、高密度化が進み、プリント配線板をはじめとする電子材料には、薄型化、多層化、高精細化がますます要求されるようになっている。従来のガラスエポキシ等に代表される肉厚のリジッド基板の場合、高度な屈曲性、接着性、狭スペース化に伴う高い電気絶縁性、低誘電率、低誘電正接は求められなかった。
しかし、最近のプリント配線板をはじめとする電子材料には、耐熱性、加工性の他、高度な屈曲性、接着性、狭スペース化に伴う高い電気絶縁性、低誘電率、低誘電正接が求められている。
このような電子材料周辺に用いられる接着剤やコーティング剤としては、例えば、具体的には次の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)層間接着剤:回路基板同士を張り合わせるために用いられるもので、直接銅あるいは銀回路に接する。多層基板の層間に使用され、液状やシート状のものがある。
(2)カバーレイフィルム用接着剤:カバーレイフィルム(回路の最表面を保護する目的で用いられるポリイミドフィルムなど)と、下地の回路基板と、を張り合わせるために用いられ、あらかじめポリイミドフィルムと、接着層とが一体化されているものが多い。
(3)銅張フィルム(CCL)用接着剤:ポリイミドフィルムと銅箔とを張り合わせるために用いられる。銅回路形成時にエッチング等の加工が施される。
(4)カバーレイ:回路の最表面を保護する目的で用いられ、回路上に印刷インクを印刷したり、接着シートを張り合わせたりした後、硬化させることで形成される。感光性や熱硬化性のものがある。
(5)補強板用接着剤:配線板の機械的強度を補完する目的で、配線板の一部を、金属、ガラスエポキシ、ポリイミド等の補強板に固定するために用いられる。
(6)電磁波シールド用接着剤:電子回路から発生する電磁ノイズを遮蔽する目的で、フレキシブルプリント配線板に貼着される。
これらの形態としては、液状(印刷用にインク化されたもの)やシート状(あらかじめフィルム化されたもの)等があり、用途に応じて適宜形態が選択される。
こういった電子材料周辺部材への高い要求に応えるため、様々な検討が行われているが、全ての特性を充分に満足させるものは得られていない。
例えば、特許文献1には、ウレタン変性エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特許文献2、3には、シアネートエステル樹脂と1価のフェノール化合物を含む硬化性組成物が開示されている。
特許文献4には、フェノール類、トリアジン環を有する化合物、ヒドロキシル基置換芳香族アルデヒドを反応させて得られるフェノール樹脂とエポキシ樹脂を含有することを特徴とする硬化性組成物が開示されている。
特許文献5には、ポリエーテルエステルアミドをラジカル重合させる硬化性組成物が開示されている。
特許文献6には、架橋構造を有しない熱可塑性樹脂を用いて積層体回路を形成する方法として、液晶ポリマーを用いる例が開示されている。
特許文献7には、オキセタン構造と熱カチオン硬化触媒を主成分とする硬化性組成物が開示されている。
特許文献8には、可撓性を有する有機絶縁性フィルム、接着剤層および保護フィルムを有するTAB用接着剤付きテープであって、前記接着剤層がポリアミド樹脂と有機金属化合物とエポキシ樹脂とを含有する、TAB用接着剤付きテープが開示されている。具体的には、ポリアミド樹脂と有機金属化合物と2官能のエポキシ樹脂とを含有する接着剤シートにて銅箔とポリイミドフィルムとを貼り合わせた場合に、メッキ処理後における剥離強度(接着強度)が優れ、150℃環境下における絶縁性に優れる旨、記載されている。
特許文献9には、飽和炭化水素系重合体と環式脂肪族エポキシ樹脂とアルミキレート化合物とを含有する接着剤組成物が開示されている。前記接着剤組成物は、未硬化状態で液状であり、各種成型加工や各種電気・電子部品の封止に用いられる旨、記載されている。
特許文献10には、塩素含有樹脂を金属管にライニング(接着)するための合成樹脂ライニング用接着剤組成物が開示されている。塩素含有樹脂を金属管にライニング(接着)するに際し、加熱に伴う塩素含有樹脂の劣化(脱塩素反応及び脱塩酸反応)を促進しないことが、ライニング用接着剤組成物に求められる。特許文献10記載の合成樹脂ライニング用接着剤組成物は、結晶性飽和ポリエステル樹脂とチタンキレート等とを含む組成物Aと、エポキシ基含有化合物Bとからなる。
特許文献11には、導電性接着剤の樹脂成分として用いることのできる、ポリエステル単位またはポリエーテル単位を有する水酸基含有高分子化合物(A)、エポキシ化合物(B)、アルミニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物等のキレート化合物(D)を含有する樹脂組成物が開示されている。
特許文献12には、ポリイミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂硬化剤(C)を含む、熱重合性及び放射線重合性接着シートが開示されている。さらに、特許文献12には、異種材料間の界面結合を良くするための手段として、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤の利用が示唆されている。
特許文献13には、アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および有機キレート剤(D)を含む、接着剤組成物が開示されている。さらに、基材上に、剥離可能な接着剤層が前記接着剤組成物から形成されてなる接着シートが開示されている。
特許文献14には、アクリル系ポリマーと、イソシアネート系硬化剤と、エポキシ系や金属キレート系の硬化剤をさらに含有する光学用粘着剤が開示されている。
特許文献15には、ポリエステル樹脂と、キレート系化合物(C)と、特定のエポキシ樹脂(D)とを含有する樹脂組成物が開示されている。飲料缶、食缶等の胴及び蓋には、PETフィルム等のフィルムをアルミニウムや錫メッキ鋼板やティンフリースチール等の金属板に貼り付けたものが用いられる。特許文献15には、前記樹脂組成物は、前記フィルムを前記金属板に貼り付けるための接着剤として用い得る旨開示されている。
特許文献16、17には、エポキシ樹脂、硬化剤、エポキシ樹脂と非相溶性である高分子化合物を含有する接着フィルムが開示され、異種材料間の界面結合向上を目的としてチタン系やアルミニウム系のカップリング剤の利用が示唆示されている。
特開2011−105916号公報 特開2001−214053号公報 特開2002−138199号公報 特開2006−249178号公報 特開2013−45755号公報 特開2005−105165号公報 特開2007−077330号公報 特開平9−64111号公報 特開2000−230091号公報 特開平6−313160号公報 特開平11−80695号公報 特開2003−41202号公報 国際公開 2011/125712 特開2011−37927号公報 特開2012−31222号公報 特開2008−195943号公報 特開2008−121005号公報
特許文献1に開示されるエポキシ樹脂組成物は、ウレタン由来の接着性や、良好な回路埋め込み性を示すものの、高極性なウレタン結合が多数含まれることから、電気絶縁性に劣るという問題があった。
特許文献2、3に開示される硬化性組成物は、良好な接着性や、高Tgに由来する耐熱性を示すものの、成型物がもろいといった問題があった。また、シアネート基の3量化により、対称構造を形成することから、比較的低誘電性を示すものの、元々の極性基が多いことから、誘電率は3.5前後と市場での要求レベルに届いていないといった問題があった。
特許文献4に開示される硬化性組成物は、高い芳香族含有量に由来する高い耐熱性と難燃性を示すものの、高い分子間相互作用により、屈曲性に劣るという問題があった。
特許文献5に開示される硬化性組成物は、アミドやエーテルに由来する高い接着性や絶縁性を示すものの、吸湿しやすい構造であることから加湿後の耐熱性に劣るという問題があった。
特許文献6に開示される積層体回路形成方法は、高温で樹脂を溶融させることにより高い接着性を発現できるが、溶融温度が280℃以上と高温なため、他の耐熱性に劣る部材に対する悪影響や、高温溶融に対応した設備導入の必要性といった問題があった。
特許文献7に開示される硬化性組成物は、水酸基の生成を抑えることによる低誘電化と、カチオン重合の長所である低硬化収縮に由来する加工安定性を示すものの、酸発生による金属腐食の懸念や、水分による硬化阻害といった安定性の面での問題があった。また、誘電率は3.1前後と比較的低誘電率を示すものの、市場での要求レベルには届いていないといった問題があった。
特許文献8に開示される接着剤付きテープは、用いられるエポキシ樹脂が2官能であるため硬化後の耐熱性が不十分である。
特許文献9に開示される接着剤組成物は、未硬化状態では液状なので、シート状にはできない。
特許文献10に開示される接着剤組成物は、塩素含有樹脂を金属管に貼り付けるためのものであって、特許文献10にはプリント配線板への適用は記載されていない。
特許文献11に開示される導電性接着剤を用いてシートを得る旨は記載されていない。
特許文献12には、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤の利用が示唆されている。しかし、その利用は異種材料間の界面結合向上を目的とするものに過ぎない。
特許文献13には、有機キレート剤の利用は開示されているが、有機金属化合物の利用は記載されていない。
特許文献14に開示される粘着シートは、エージング後、即ち硬化後のシートをガラス板に貼って使用するものである。特許文献14には、硬化前の接着シートを被着体間に挟んで、熱硬化する旨は開示されていない。
特許文献15に開示される樹脂組成物は、飲料缶や食缶用のフィルム被覆金属板を得るためのものであって、特許文献15にはプリント配線板への適用は記載されていない。
特許文献16、17には、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤の利用が示唆されている。しかし、その利用は異種材料間の界面結合向上を目的とするものに過ぎない。
本発明は、硬化時の寸法安定性に優れ、硬化後の接着性、耐熱性(特に加湿後)、屈曲性、電気絶縁性、低誘電率および低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。硬化時の寸法安定性と硬化後の耐熱性(特に加湿後)、接着性と低誘電正接は両立が難しい。そこで、本発明は、特にこれらを両立できる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る反応性官能基と、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が0.01mmol/g以上、9mmol/g以下の樹脂(A)、有機金属化合物(B)、および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)とを含む熱硬化性組成物を用いることにより本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記条件(1)〜(8)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シートに関する。
(1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合 物(C)を含む。
(2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記 エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官 能基(以下、単に反応性官能基とも略す)を有する。
(3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘ テロ原子を有する官能基(以下、樹脂(A1)の有するその他官能基または単に その他官能基とも略す)を有し得る。
(4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有す る樹脂(A2)を含み得る。
(5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれを も有しない樹脂(A3)を含み得る。
(6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反 応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0. 01mmol以上、9mmol以下である。
なお、樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の3種を合わせて、以 下樹脂(A)と略することもある。
(7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムア ルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チ タンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合 物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物から なる群より選ばれる少なくもと一種である。
(8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B) 中の金属が0.03〜3molである。
前記反応性官能基は、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基および酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)の有する極性官能基中のへテロ原子は、O、N、SおよびPからなる群より選ばれる少なくも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)の有する極性官能基は、エステル基、アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)1gの反応性官能基価の合計は、水酸化カリウム換算で1〜80mgであることが好ましい。
前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記エポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基は0.1〜12molであることが好ましい。
有機金属化合物(B)およびエポキシ基含有化合物(C)以外の化合物であって、樹脂(A1)の有する反応性官能基、有機金属化合物(B)及びエポキシ基の少なくともいずれか1種と反応し得るその他の硬化剤(D)をさらに含むことが好ましい。
前記その他の硬化剤(D)は、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、および硫黄元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明には前記の熱硬化性接着シートと、前記熱硬化性接着シートの両面を覆う2つのシート状基材とを有する、シート状基材付き熱硬化性接着シートに関する。
さらに本発明は、シート状基材の少なくとも片面に、下記条件(1)〜(8)の全てを満たす熱硬化性組成物を塗工・乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、前記熱硬化性接着シートの他方の面に、他のシート状基材を重ねる、シート状基材付き熱硬化性接着シートの製造方法に関する。
(1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合 物(C)を含む。
(2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記 エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官 能基を有する。
(3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘ テロ原子を有する官能基を有し得る。
(4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有す る樹脂(A2)を含み得る。
(5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれを も有しない樹脂(A3)を含み得る。
(6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反 応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0. 01mmol以上、9mmol以下である。
(7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムア ルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チ タンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合 物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物から なる群より選ばれる少なくもと一種である。
(8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B) 中の金属が0.03〜3molである。
さらに本発明は、前記熱硬化性接着シートを熱硬化してなる、周波数5GHzにおける誘電正接が0.0001〜0.01であるシート状硬化物に関する。
さらに本発明は、前記シート状硬化物を介して、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面が、シート状基材で保護されてなる、保護シート付きプリント配線板に関する。
また、本発明は、前記熱硬化性接着シートを、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面と、シート状基材との間に挟み、前記熱硬化性接着シートを熱硬化する、保護シート付きプリント配線板の製造方法に関する。
本発明の熱硬化性接着シートは硬化時の寸法安定に優れ、硬化後の接着性、加湿後の耐熱性、屈曲性、電気絶縁性、誘電率、誘電正接に優れる。特に、両立が難しかった、硬化時の寸法安定性と硬化後の耐熱性(特に加湿後)、接着性と低誘電正接を両立できるようになった。
本発明の熱硬化性接着シートは、前述の通り、反応性官能基とその他官能基(以下、両者を合わせて、極性官能基、もしくは両官能基と略すこともある)との合計量が0.01mmol/g以上、9mmol/g以下の樹脂(A)と、有機金属化合物(B)と3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)とを含有する。前記の三成分を用いることにより、導電性回路を有するプリント配線板の導電性回路面に、保護用のシート状基材を貼る熱プレスの際の寸法安定性に優れ、銅に代表される導電性回路やポリイミドフィルム(プリント配線板の基材、保護用のシート状基材)に対する接着性、加湿後の半田耐熱性、プリント配線板を折りたたむ際の屈曲性、狭ピッチ配線回路のリークタッチを防ぐ電気絶縁性、高周波電気信号が伝播するプリント配線板周りの接着剤およびコーティング剤として重要となる誘電率や誘電正接、を著しく改善できる。
これは反応性官能基とその他官能基との合計量が0.01[mmol/g]以上、9[mmol/g]以下の樹脂(A)を用いるからである。即ち、樹脂(A)は反応性官能基とその他官能基との合計量が上記範囲にあるので、従来の樹脂に比して極性が低い。従って、従来の高極性な樹脂を用いた場合の硬化物に比べ、本発明の熱硬化性接着シートを熱硬化してなる硬化物は疎水性に優れる。その結果、電気絶縁性に優れ、誘電率を低くでき、低電正接も低くできる。また、疎水性に優れる結果、吸湿性も低いので、高湿度下に置かれた後、半田浴に接触させても膨れ等が生じず、耐熱性も優れる、さらには、分子間相互作用が少ないことに由来する屈曲性を付与できるためである。
有機金属化合物(B)は反応性に優れるので、硬化時に速やかに反応し、所望外(計画外)の軟化やはみ出しやズレ等の発生を防止でき、寸法安定性に優れる。また、有機金属化合物(B)は硬化後に疎水性骨格を形成するので、電気絶縁性の向上、誘電率および誘電正接の低下に寄与すると考えられる。
また、3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)の利用により強固な架橋を形成することができ、耐熱性、絶縁性を著しく向上することができる。さらに、接着性も付与することが出来る。
例えば、樹脂(A)の代わりに、両官能基のトータル含有量が9.0mmol/gより多い樹脂を使用した場合、一般的には接着性は得られるものの、高周波電気信号が伝播するプリント配線板周りに必要な低誘電率が満足できない。これらの課題を解決するためには、誘電率の低い空気の有効利用を狙った空孔形成といった手段があり得るが、強度低下の原因となる空隙が形成されるために屈曲性が低下する。さらに空隙に水分が入り込むので、硬化物を高湿度下に置いた後、半田浴に接触させてと膨れ等が生じ、耐熱性が著しく悪化するといった問題が発生する。
また、樹脂(A)の代わりに、両官能基のトータル含有量が0.01mmol/gより少ない樹脂を使用した場合、一般的には低誘電率、低誘電正接は得られるものの、接着性を満足できず、加湿前の状態ですら耐熱性、絶縁性を満足することができない。
一方、本発明は、両官能基のトータル含有量が0.01[mmol/g]以上、9[mmol/g]以下の樹脂(A)を用いるので、そもそもの誘電率悪化の原因となる極性基が少なく、低誘電率を満足できる。さらには耐熱性や屈曲性といったプリント配線板用の熱硬化性接着シートとして重要となる特性に加え、狭ピッチ配線回路のリークタッチを防ぐ電気絶縁性を付与することができる。
また、本発明は有機金属化合物(B)を用いることも特徴である。例えば、有機金属化合物(B)の代わりに、ビニル基、アリル基などの光架橋基の場合、架橋によって新たな極性官能基を形成しにくいため、樹脂由来の誘電率、誘電正接を維持できる傾向にある。しかし、照射位置や厚みによって硬化度合いが変化するといった別の問題が発生する。
また、有機金属化合物(B)の代わりに、フェノール化合物など、プリント配線板用の接着剤やコーティング剤として一般的に使用され得る化合物を用いて架橋させた場合、硬化により水酸基など新たな極性基が形成されてしまう。そのため、低誘電率、低誘電正接という樹脂(A)の利点を活かしきれず、誘電率や誘電正接の高い硬化物しか得られない。
一方、本発明は、有機金属化合物(B)を用いることにより、硬化の際、極性の大きな官能基の生成を抑制でき、樹脂(A)の持つ低誘電率、低誘電正接といった特性を維持できるとともに、高い反応性に由来する加工性、強固な架橋構造形成に由来する電気絶縁性を付与することができる。
さらに、本発明は、3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を用いるので、硬化物に耐熱性、絶縁性、接着性を付与することができる。
すなわち、本発明は、樹脂(A)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)の三成分により、熱硬化性接着シートを硬化する際の寸法安定性の向上、硬化物としての加湿後の耐熱性の向上に加え、接着性と低誘電率の両立、屈曲性と電気絶縁性の両立という二律背反を解決できるのである。
これは、樹脂(A)の反応性官能基とエポキシ基含有化合物(B)との反応により生じた水酸基を、有機金属化合物(B)とさらに反応させることにより、密な架橋構造を形成させつつ、誘電率、誘電正接の悪化因子となる極性基の発生を抑えることができるからである。
以下、樹脂(A)について詳細に説明する。
本発明における樹脂(A)は、樹脂(A1)を必須とし、樹脂(A2)、(A3)をさらに含み得る。
樹脂(A1)は、反応性官能基とその他官能基との2種類を有する。
樹脂(A2)は、反応性官能基を持たず、その他官能基を有する。
樹脂(A3)は、反応性官能基およびその他官能基のいずれをも有しない。
樹脂(A1)の有する反応性官能基とは、有機金属化合物(B)またはエポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反し得るものである。樹脂(A)の有する反応性官能基は、有機金属化合物(B)またはエポキシ基含有化合物(C)と反応し得る官能基であることが好ましく、20〜200℃で反応し得ることが好ましい。
前記反応性官能基としては、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、酸無水物基およびアミノ基、シアネート基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、イミダゾール基、ピロール基、アセタール基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルデヒド基、ヒドラジド基、ヒドラゾン基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基および酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)1gの反応性官能基価の合計は、水酸化カリウム換算で1〜80mgであることが好ましく、1〜50mgがさらに望ましく、4〜30mgがさらに望ましい。
前記反応性官能基は、架橋形成に寄与するので、硬化物の耐熱性、絶縁性の点から、反応性官能基価は水酸化カリウム換算で1mg以上であることが好ましい。また、硬化物の接着性、屈曲性の点から、反応性官能基価は水酸化カリウム換算で80mg以下であることが好ましい。
樹脂(A1)および樹脂(A2)の有するその他官能基とは、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基であり、へテロ原子としては、O、N、SおよびPからなる群より選ばれる少なくも一種が好ましい。
このような極性官能基としては、エステル基、アミド基、イミド基、エノン基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基、ケトン基、アシル基、イミノ基、酸ハロゲン化物基、マレイミド基、ニトロ基、ニトリル基、アミジン基、ホスフィン基、アセタール基、アクリロイル基、メタクリロイル基、オキシム基等が挙げられ、
エステル基、アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明における樹脂(A1)としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフマレート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂等が挙げられ、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
なお、ここでいうポリオレフィン樹脂は、エチレンやプロピレン、ブタジエンなどオレフィン単位を含むモノマーから重合された樹脂であり、スチレンなどビニル系の樹脂との共重合物も含み得る。また、得られたポリブタジエン成分のC=C部分を水添するなど変性したものも含み得る。
樹脂(A1)として、両官能基のトータル含有量が0.01〜9[mmol/g]の樹脂同士を複数用いることも可能であり、低誘電率、低誘電正接という樹脂(A1)の特徴を維持したまま、例えば、接着シートとしての加工性に優れる樹脂と耐熱性に優れる樹脂との併用により、性能の向上が可能である。
あるいは、樹脂(A1)として、両官能基のトータル含有量が9[mmol/g]より多い樹脂と両官能基のトータル含有量が0.01〜9[mmol/g]の樹脂とを併用したり、両官能基のトータル含有量が9[mmol/g]より多い樹脂と両官能基のトータル含有量が0.01[mmol/g]未満の樹脂とを併用したりすることもできる。両官能基由来の高極性成分により基材界面との密着力を付与できるため、接着力の高い硬化性組成物を得ることができる。
ここで、樹脂(A1)の有する両官能基の量の求め方についてアクリル樹脂、およびポリエステル樹脂の場合を例にとり、より詳細に説明する。
アクリル樹脂形成の原料であるアクリレートモノマーやメタクリレートモノマーは、その他官能基の1つであるエステル結合を有する。
以下、モノアクリレートモノマーやモノメタクリレートモノマーの場合を例にとって説明する。重合に供した各モノマーの量を、W1、W2、・・・Wn(g)とし、各モノマーの分子量をM1、M2、・・・Mnとすると、アクリル樹脂1g当たりに含まれるエステル結合の含有量(mol)は、[(W1/M1)+(W2/M2)+・・・+(Wn/Mn)]/(W1+W2+・・・+Wn)となる。
アクリレートモノマーやメタクリレートモノマーが、カルボキシル基や水酸基を有する場合、重合に供し、これら反応性官能基を有する各モノマーの量と、各モノマーの分子量と、前記反応官能基の官能基数とから、アクリル樹脂1g当たりに含まれる反応性官能基の量(mol)を同様にして求めることができる。
そして、アクリル樹脂1g当たりに含まれるエステル結合の含有量(mol)と反応性官能基の量(mol)とを合計し、両官能基のトータル含有量を求める。
樹脂(A1)がポリエステル樹脂の場合も同様に、ポリエステル樹脂形成の原料であるカルボキシル基成分(無水物を含む)および水酸基成分の量(g)と各成分の分子量とから主鎖を構成するエステル結合の量(mol)を求め、主鎖末端の極性官能基の量(mol)および側鎖末端の極性官能基の量(mol)を加え、ポリエステル樹脂1g当たりに含まれる両官能基のトータル含有量(mol)を求める。なお、主鎖末端の極性官能基の量(mol)および側鎖末端の極性官能基の量(mol)は、カルボキシル基(無水物を含む)と水酸基との官能基の量(mol)の差から求めることができる。
本発明における樹脂(A2)としては、樹脂(A1)と同様のものが例示できる。すなわち、反応性官能基を有する原料を用いない他は樹脂(A1)と同様にして
樹脂(A2)を得ることができる。あるいは、反応性官能基を有する原料を用い樹脂を得た後、前記反応性官能基を適当な化合物で封鎖することによっても樹脂(A2)を得ることができる。
本発明における樹脂(A3)としては、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂が挙げられる。
樹脂(A)の両官能基のトータル含有量の求め方について説明する。
樹脂(A1)1g中の反応性官能基およびその他官能基の量をそれぞれ求める。
樹脂(A2)を併用する場合には、樹脂(A2)1g中のその他官能基の量を求める。
次いで、用いる樹脂(A1)、(A2)、(A3)のそれぞれの量から、樹脂(A)1g中の各割合を求め、樹脂(A1)1g中の反応性官能基およびその他官能基の量に、樹脂(A)1g中に占める樹脂(A1)の割合を乗じ、樹脂(A2)1g中のその他
官能基の量に、樹脂(A)1g中に占める樹脂(A2)の割合を乗じる。
続いて、有機金属化合物(B)について詳細に説明する。
有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、 チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
ここで本発明に用いられるアルミニウムキレート化合物としては、代表的なものとして、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテテート)、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウムジイソブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウムジ−sec−ブトキシドモノメチルアセトアセテート等が挙げられる。
また、アルミニウムアルコキシド化合物としては、代表的なものとして、アルミニウムイソプロピレート、モノsec-ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム-sec-ブチレート、アルミニウムエチレート等が挙げられる。
また、チタンキレートとしては、代表的なものとして、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタン-1.3-プロパンジオキシビス(エチルアセトアセテート)、ポリチタンアセチルアセチルアセトナート等が挙げられる。
また、チタンアルコキシドとしては、代表的なものとして、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、ダーシャリーアミルチタネート、テトラターシャリーブチルチタネート、テトラステアリルチタネート等が挙げられ、チタンアシレートとしては、チタンイソステアレート、トリ-n-ブトキシチタンモノステアレート、ジ-i-プロポキシチタンジステアレート、チタニウムステアレート、ジ-i-プロポキシチタンジイソステアレート、(2-n-ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等が挙げられる。
また、ジルコニウムキレートとしては、代表的なものとして、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等が挙げられる。
また、ジルコニウムアルコキシドとしては、代表的なものとして、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート等が挙げられ、ジルコニウムアシレートとしては、ステアリン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム等が挙げられる。
また、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物は、特に反応性の観点からアセチルアセトネート錯体のものが好適に用いられる。
本発明に用いられる有機金属化合物(B)は、前記樹脂(A1)の有する反応性官能基1molに対して、有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molとなるよう含有することが重要であり、0.1〜1.5molとなるよう含有することが好ましく、0.2〜1molとなるよう含有することがさらに好ましい。有機金属化合物(B))中の金属の量を0.03mol以上とすることにより、架橋密度を増加させ、接着シートとしての加工性を向上でき、樹脂(A1)とエポキシ基含有化合物(C)との反応により誘電率、誘電正接の悪化の原因となる新たな極性基が生じた場合、有機金属化合物(B)が前記極性基と反応し、誘電率、誘電正接の悪化を抑制する。
有機金属化合物(B)中の金属の量を3mol以下とすることにより、熱的に弱い結合が相対的に少なくなるので、耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。
<エポキシ基含有化合物(C)>
続いて、エポキシ基含有化合物(C)について詳細に説明する。
本発明におけるエポキシ基含有化合物(C)は、エポキシ基を1分子中に平均3個以上有する化合物であればよい。エポキシ基有化合物としては、例えば、グリジシルエーテル型エポキシ樹脂、グリジシルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、又は環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を用いることができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシジルメタアミノフェノール、又はテトラグリシジルメタキシリレンジアミン等が挙げられる。これらは接着性の面で優れており、本発明において好適に用いることができる。
本発明に用いられるエポキシ基含有化合物(C)は、前記樹脂(A1)中の反応性官能基1molに対して、エポキシ基が0.1〜12molとなる範囲で含有することが好ましく、0.3〜10mol含有することがさらに好ましく、0.5〜5molモル含有することがさらに好ましい。樹脂(A)の反応性官能基に対し、エポキシ基を0.1mol以上とすることにより、架橋密度を増加させ、耐熱性、絶縁性、接着性を向上できる。エポキシ基を20mol以下とすることにより、新たな極性基の生成を抑制し、誘電正接の悪化を抑制できる。
本発明においては、前記樹脂(A)と有機金属化合物(B)、エポキシ基含有化合物(C)に加えて、物性を損なわない範囲で、有機金属化合物(B)およびエポキシ基含有化合物(C)以外の化合物であって、樹脂(A1)の有する反応性官能基、有機金属化合物(B)及びエポキシ基の少なくともいずれか1種と反応し得るその他の硬化剤(D)を添加することができる。その他の硬化剤(D)の具体例としては、イソシアネート基含有化合物、ブロックイソシアネート基含有化合物、オキセタン基含有化合物、アジリジン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、ベンゾオキサジン化合物、β-ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物、硫黄含有化合物などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
以下、イソシアネート基含有化合物、ブロックイソシアネート基含有化合物、オキセタン基含有化合物、アジリジン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、ベンゾオキサジン化合物、β-ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物、硫黄含有化合物について、具体的に説明する。
[イソシアネート基含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を分子内に有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。1分子中にイソシアネート基を1個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
また、1,6−ジイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン、ジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、P−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のジイソシアン酸エステル化合物と水酸基、カルボキシル基、アミド基含有ビニルモノマーとを等モルで反応せしめた化合物もイソシアン酸エステル化合物として使用することができる。
1分子中にイソシアネート基を2個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、
3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
また、1分子中にイソシアネート基を3個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、芳香族ポリイソシアネート、リジントリイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられ、前記で説明したジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体が挙げられる。
[ブロック化イソシアネート基含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、ブロック化イソシアネート化合物しては、前記イソシアネート基含有化合物中のイソシアネート基がε−カプロラクタムやMEKオキシム等で保護されたブロック化イソシアネート基含有化合物であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、前記イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基を、ε−カプロラクタム、MEKオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピラゾール、フェノール等でブロックしたものなどが挙げられる。特に、イソシアヌレート環を有し、MEKオキシムやピラゾールでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート三量体は、本発明に使用した場合、ポリイミドや銅に対する接着強度や耐熱性に優れるため、非常に好ましい。
[オキセタン基含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、オキセタン基含有化合物としては、例えば、1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、(2−エチル−2−オキセタニル)エタノールとテレフタル酸とのエステル化物、(2−エチル−2−オキセタニル)エタノールとフェノールノボラック樹脂とのエーテル化物、(2−エチル−2−オキセタニル)エタノールと多価カルボン酸化合物とのエステル化物等が挙げられる。ここで、オキセタン基含有化合物は有機金属化合物(B)とともに用いることで、硬化時の反応率が向上するため、本発明において好適に用いられる。
[アジリジン基含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、アジリジン化合物としては、分子内にアジリジン基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
アジリジン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4−ビス−N,N’−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N’−エチレンウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられる。
特に、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]は、本発明に使用した場合、熱プレス時のはみ出しを抑制でき、かつ硬化塗膜の柔軟性を保持したまま耐熱性を向上できるため、本発明において好適に用いられる。
[カルボジイミド基含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、カルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、03、05、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。本発明に使用した場合、接着性の向上が期待できるため、好適に用いられる。
[ベンゾオキサジン化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、ベンゾオキサジン化合物としては、Macromolecules,36,6010(2003)記載の「P−a」、「P−alP」、「P−ala」、「B−ala」、Macromolecules,34,7257(2001)記載の「P−appe」、「B−appe」、四国化成株式会社製「B−a型ベンゾオキサジン」、「F−a型ベンゾオキサジン」、「B−m型ベンゾオキサジン」などが挙げられる。
[β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primidi XL-552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
[硫黄含有化合物]
その他の硬化剤(D)の1つ、硫黄含有化合物としては、チオール化合物、スルフィド化合物、ポリスルフィド化合物が挙げられる。本発明に使用した場合、接着性、耐熱性の向上が期待できるため、好適に用いられる。
[チオール化合物]
チオール化合物は、例えば、チオール基と、直鎖、枝分かれ、又は環式の炭化水素基とを少なくとも含有する。チオール基を2つ以上含有してもよい。炭化水素基は飽和でもよく、不飽和でもよい。炭化水素基の水素原子の一部が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシシリル基などで置換されていてもよい。より具体的には、無色のチオール類としては、例えば、1-プロパンチオール、3-メルカプトプロピオン酸、(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、1-ブタンチオール、2-ブタンチオール、イソブチルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、シクロペンタンチオール、1-ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、6-ヒドロキシ-1-ヘキサンチオール、6-アミノ-1-ヘキサンチオール塩酸塩、1-ヘプタンチオール、7-カルボキシ-1-ヘプタンチオール、7-アミド-1-ヘプタンチオール、1-オクタンチオール、tert-オクタンチオール、8-ヒドロキシ-1-オクタンチオール、8-アミノ-1-オクタンチオール塩酸塩、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンチオール、1-ノナンチオール、1-デカンチオール、10-カルボキシ-1-デカンチオール、10-アミド-1-デカンチオール、1-ナフタレンチオール、2-ナフタレンチオール、1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオール塩酸塩、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、1-ドデカンチオール、1-テトラデカンチオール、1-ヘキサデカンチオール、16-ヒドロキシ-1-ヘキサデカンチオール、16-アミノ-1-ヘキサデカンチオール塩酸塩、1-オクタデカンチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,3,5-ベンゼントリチオール、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのチオール類は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
[スルフィド化合物]
スルフィド化合物は、例えば、スルフィド基と、直鎖、枝分かれ、又は環式の炭化水素基とを少なくとも含有する。スルフィド基を2つ以上含有してもよい。炭化水素基の水素原子の一部が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシシリル基などで置換されていてもよい。
より具体的には、スルフィド化合物として、例えば、プロピルスルフィド、フルフリルスルフィド、ヘキシルスルフィド、フェニルスルフィド、フェニルトリフルオロメチルスルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ヘプチルスルフィド、オクチルスルフィド、ノニルスルフィド、デシルスルフィド、ドデシルメチルスルフィド、ドデシルスルフィド、テトラデシルスルフィド、ヘキサデシルスルフィド、オクタデシルスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが挙げられる。これらのスルフィド類は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
[ポリスルフィド化合物]
ポリスルフィド化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルジスルフィド、プロピルジスルフィド、イソプロピルジスルフィド、3-カルボキシプロピルジスルフィド、アリルジスルフィド、イソブチルジスルフィド、tert-ブチルジスルフィド、アミルジスルフィド、イソアミルジスルフィド、5-カルボキシペンチルジスルフィド、フルフリルジスルフィド、ヘキシルジスルフィド、シクロヘキシルジスルフィド、フェニルジスルフィド、4-アミノフェニルジスルフィド、ヘプチルジスルフィド、7-カルボキシヘプチルジスルフィド、ベンジルジスルフィド、tert-オクチルジスルフィド、デシルジスルフィド、10-カルボキシデシルジスルフィド、ヘキサデシルジスルフィド、チウラムジスルフィドなどを用いることができる。
本発明において、その他の硬化剤(D)の使用量は、特に限定されるものではないが、前記樹脂(A)の反応性官能基1molに対して、0.01〜20mol含有することが好ましく、0.5〜10mol含有することがさらに好ましく、0.1〜5mol含有することがさらに好ましい。
あるいは、有機金属化合物(B)の金属1molに対して、0.01〜20mol含有することが好ましく、0.5〜10mol含有することがさらに好ましく、0.1〜5mol含有することがさらに好ましい。
あるいは、エポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基1molに対して、0.01〜20mol含有することが好ましく、0.5〜10mol含有することがさらに好ましく、0.1〜5mol含有することがさらに好ましい。
<フィラー>
次に、本発明のフィラーについて詳細に説明する。
本発明の熱硬化性接着シートは、難燃性の付与、接着剤の流動性制御、硬化物の弾性率向上等の目的でフィラーを含有することができる。
フィラーとしては、特に限定されないが、形状としては球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状等が挙げられる。
フィラーとしては例えば、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリエチレン粉末、ポリアクリル酸エステル粉末、エポキシ樹脂粉末、ポリアミド粉末、ポリウレタン粉末、ポリシロキサンン粉末等の他、シリコーン、アクリル、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム等を用いた多層構造のコアシェル等の高分子フィラー;
リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、ポリリン酸グアニジン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミドアンモニウム、ポリリン酸アミドアンモニウム、リン酸カルバメート、ポリリン酸カルバメート等の(ポリ)リン酸塩系化合物、有機リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスホン酸化合物、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、メチルエチルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、エチルブチルホスフィン酸アルミニウム、メチルブチルホスフィン酸アルミニウム、ポリエチレンホスフィン酸アルミニウム等のホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、ホスホルアミド化合物等のリン系難燃フィラー;
ベンゾグアナミン、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレート、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール化合物、ジアゾ化合物、尿素等の窒素系難燃フィラー;
シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ハイドロタルサイト、ウォラストナイト、ゾノトライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、ガラスフレーク、水和ガラス、チタン酸カルシウム、セピオライト、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化アンチモン、酸化ニッケル、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の無機フィラー等が挙げられる。
なかでもフィラーとしては、近年取り沙汰されている、環境への影響を配慮すると、リン系難燃フィラーや窒素系難燃フィラー等のノンハロゲン系難燃剤を使用することが望ましく、中でも本発明の接着剤組成物との併用によって、難燃性により効果のあるホスファゼン化合物、ホスフィン化合物、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート等を用いることが好ましい。また、誘電率や誘電正接をさらに低下させる点では、ポリテトラフルオロエチレン粉末を使用することが好ましく、誘電特性のみならず接着性、屈曲性、電気絶縁性、耐熱性とのバランスに優れた硬化物を得ることができるようになる。本発明において、これらフィラーは、単独又は複数を併用して用いることができる。
これらフィラーの平均粒子径としては、0.1μmから25μmであることが好ましい。0.1μmに近い平均粒子径を示すフィラーを用いた場合、フィラーによる改質効果が得やすく、さらに分散性や分散液の安定性が向上しやすい。また、25μmに近い平均粒子径を示すフィラーを用いた場合、硬化膜の機械特性が向上しやすくなる。
フィラーの添加量としては、前記樹脂(A)100質量部に対して0.01〜500質量部であることが好ましい。フィラー添加量がこの範囲を下回るとフィラーによる改質効果が得られにくく、この範囲を上回ると硬化膜の機械的特性が大きく損なわれる恐れがある。
フィラーの添加方法は特に制限されるものではなく、従来公知のいかなる方法を用いても良いが、具体的には、重合前または途中に重合反応液に添加する方法、3本ロールなどを用いてフィラーを混錬する方法、フィラーを含む分散液を用意しこれを混合する方法などが挙げられる。また、フィラーを良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために分散剤、増粘剤等を接着シート物性に影響を及ぼさない範囲で用いることもできる。
<その他添加剤>
この他、本発明の熱硬化性接着シートには、目的を損なわない範囲で任意成分として更に、染料、顔料、酸化防止剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、イオン捕集剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、電磁波シールド剤などを添加することができる。
[シート状基材付き熱硬化性接着シート]
本発明のシート状基材付き熱硬化性接着シートは、例えば、以下のようにして得ることができる。
溶液ないし分散液状態の熱硬化性接着剤を、シート状基材の少なくとも片面に、塗布後、通常40〜150℃で乾燥することにより、いわゆるBステージ状態の熱硬化性接着シートにシート状基材の付いたものを得ることができる。次いで熱硬化性接着シートの他方の面を他のシート状基材で覆うことにより、本発明のシート状基材付き熱硬化性接着シートを得ることができる。
用いるシート状基材の少なくとも一方は、剥離性のシート状基材であることが好ましい。すなわち、剥離性のシート状基材に、溶液ないし分散液状態の熱硬化性接着剤を塗布・乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、次いで熱硬化性接着シートの他方の面を他の剥離性のシート状基材で覆うこともできるし、被着体となる剥離性のないシート状基材で覆うこともできる。あるいは、被着体となる剥離性のないシート状基材に、溶液ないし分散液状態の熱硬化性接着剤を塗布・乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、次いで熱硬化性接着シートの他方の面を他の剥離性のシート状基材で覆うこともできる。
熱硬化性接着シートの乾燥膜厚は、充分な接着性、ハンダ耐熱性を発揮させる為、また取り扱い易さの点から、5〜500μmであることが好ましく、更に好ましくは10〜100μmである。
塗布方法としては、例えば、コンマコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ロールコート、カーテンコート、バーコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート等が挙げられる。
用いられるシート状基材のうち剥離性のないものとしては、各種プラスチックフィルムが挙げられ、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルムが挙げられる。
用いられるシート状基材のうち剥離性のあるものとしては、各種プラスチックフィルムに剥離処理をしたものや、紙に剥離処理をしたもの等が挙げられる。剥離処理の対象とされる各種プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムが挙げられる。
[シート状硬化物]、[保護シート付きプリント配線板]
本発明のシート状硬化物は、本発明の熱硬化性接着シートを熱硬化、例えば40〜200℃程度の温度で硬化してなるものである。
熱硬化性接着シートの片面を剥離性のシート状基材が覆い、他方の面を被着体(例えば、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム)が覆っているシート状基材付き熱硬化性接着シートを用いる場合について説明する。
シート状基材付き熱硬化性接着シートから剥離性シート状基材を剥がす。露出した熱硬化性接着シートに他の被着体(例えば、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面側)を重ねる。次いで、加熱・加圧することによって、両被着体に挟まれた熱硬化性接着シートを熱硬化する。
このようにすれば、シート状硬化物を介して、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面が、シート状基材で保護されてなる、保護シート付きプリント配線板を得ることができる。
次に、熱硬化性接着シートの両面を2つの剥離性のシート状基材がそれぞれ覆っているシート状基材付き熱硬化性接着シートを用いる場合について説明する。
シート状基材付き熱硬化性接着シートから一方の剥離性シート状基材を剥がす。露出した熱硬化性接着シートに被着体(例えば、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム)を重ねる。熱硬化性接着シートの他方の面を覆っていた他の剥離性シート状基材を剥がす。露出した熱硬化性接着シートに他の被着体(例えば、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面側)を重ねる。次いで、加熱・加圧することによって、両被着体に挟まれた熱硬化性接着シートを熱硬化する。剥離性シート状基材を最初に剥がした面に、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面側を重ね、熱硬化性接着シートに他方の面にポリイミドフィルムやポリエステルフィルムを重ねることもできる。
導電性回路を有するプリント配線板としては、ポリエステルやポリイミド等の可とう性、絶縁性のあるプラスチックフィルム上に、導電性回路を形成したフレキシブルプリント配線板が挙げられる。
導電性回路を設ける方法としては、例えば、接着剤層を介して又は介さずにベースフィルム上に銅箔を設けてなるフレキシブル銅張板の銅箔上に感光性エッチングレジスト層を形成し、回路パターンを持つマスクフィルムを通して露光させて、露光部のみを硬化させ、次いで未露光部の銅箔をエッチングにより除去した後、残っているレジスト層を剥離するなどして、銅箔から導電性回路を形成することができる。
あるいは、ベースフィルム上にスパッタリングやメッキ等の手段で必要な回路のみを設ける方法も挙げられる。
あるいは、銀や銅の粒子を含有する導電性インキを用い、プリント技術によってベースフィルム上に導電性回路を形成する方法も挙げられる。
本発明の熱硬化性接着シートは、保護シート付きプリント配線板の製造に好適に用いられる他、以下のように用いることもできる。
<複数のフレキシブルプリント配線の多層化>
複数のフレキシブルプリント配線の間に、本発明の熱硬化性接着シートを挟み、加熱・加圧することによって、熱硬化性接着シートを硬化させ、多層フレキシブルプリント配線板を得ることもできる。
<フレキシブルプリント配線板用のベースフィルムと銅箔との貼り合わせ>
例えば、ポリイミドフィルムと銅箔との間に、本発明の熱硬化性接着シートを挟み、加熱・加圧することによって、熱硬化性接着シートを硬化させることもできる。
<補強板の貼り付け>
フレキシブルプリント配線板とガラスエポキシ、金属、ポリイミド等の補強板との間に、本発明の熱硬化性接着シートを挟み、加熱・加圧することによって、熱硬化性接着シートを硬化させ、フレキシブルプリント配線板に補強板を付けることもできる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表し、Mwは質量平均分子量を意味する。
<水酸基価(フェノール性およびアルコール性)の測定方法>
フェノール性およびアルコール性の水酸基価は、樹脂固形1g中に含まれる水酸基の量を、水酸基をアセチル化させたときに水酸基と結合した酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)で表したものである。
水酸基価は、JIS K0070に準じて測定し、下記式に示す通り、酸価を考慮して計算する。
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、シクロヘキサノン溶媒100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.05}/S]+D
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<酸価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、シクロヘキサノン溶媒100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<酸無水物価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、1,4−ジオキサン溶媒100mlを加えて溶解した。これにオクチルアミン、1,4−ジオキサン、水の混合溶液(重量の混合比は1.49/800/80)を10mL加えて15分攪拌し、反応を完了させた。その後、過剰のオクチルアミンを0.02M過塩素酸、1,4−ジオキサンの混合溶液で滴定した。また、試料を加えていない、オクチルアミン、1,4−ジオキサン、水の混合溶液(重量の混合比は1.49/800/80)10mLもブランクとして測定を実施した。酸無水物価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)
酸無水物価(mgKOH/g)=0.02×(B−S)×F×56.11/W
B:ブランクの滴定量(mL)
S:試料の滴定量(mL)
W:試料固形量(g)
F:0.02mol/L過塩素酸の力価
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/min、カラム温度40℃の条件で行い、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
[合成例1]
<アクリル樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、メチルエチルケトン(以下、MEKという)300gを入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸ブチル30g、メタクリル酸メチル28g、メタクリル酸ラウリルとメタクリル酸トリデシルとの1:1(質量比)混合品3g、メタクリル酸12g、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.8gの混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2部をMEK50gに溶解させたものを添加し、80℃で1時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。質量平均分子量は5.2万、酸価は78.2mgKOH/gであった。
ここで、分子量142のメタクリル酸ブチル30gは0.21molなので、メタクリル酸ブチル30g中にはエステル基が0.21mol含まれる。
以下、同様に、分子量100のメタクリル酸メチル28g中にはエステル基を0.28molが含まれ、
平均分子量261のメタクリル酸ラウリルとメタクリル酸トリデシルとの混合物30g中にはエステル基が0.12mol含まれ、
分子量86のメタクリル酸12g中にはエステル基が0.14mol含まれ、さらに反応性官能基であるカルボキシル基が0.14mol含まれる。
そのため、樹脂100g中に含まれるエステル結合のモル数は、0.74molであり、カルボキシル基は0.14molである。ここから、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は1.4mmol/g、その他官能基量は7.4mmol/g、トータル官能基量は、8.8mmol/gとなる。
[合成例2〜3]、[比較合成例1〜2]
合成例1と同様の方法で、表1の組成に従って合成を行い、アクリル樹脂を得た。
[合成例4]
<ポリエステル樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、セバシン酸57.6g、トリメシン酸3.2g、シクロへキサンジメタノール27.5g、1.6−ヘキサンジオール9.7g、テトラブチルチタネート0.012gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、温度が安定したのを確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下し、ポリエステル樹脂を得た。質量平均分子量は3.2万、酸価は39.8mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量202のセバシン酸57.6gは0.285molなので、セバシン酸57.6g中にはカルボキシル基が0.57mol含まれる。
以下、同様に、分子量210の3官能のトリメシン酸3.2g中にはカルボキシル基が0.045mol含まれ、
分子量144のシクロヘキサンジメタノール27.5g中には、アルコール性水酸基が0.382mol含まれ、
1.6−ヘキサンジオール9.7g中には、アルコール性水酸基が0.164mol含まれる。
つまり、カルボキシル基を0.615mol、アルコール性水酸基を0.546mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のエステル基量は0.546molであり、反応性官能基として残存するアルコール性水酸基は0.069molである。
仕込んだモノマーの合計量は97.9gであることから、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は(0.069/97.9)×1000=0.7mmol/g、その他官能基量は(0.546/97.9)×1000=5.6mmol/g、トータル官能基量は、6.3mmol/gとなる。
[合成例5〜10]、[比較合成例3]
合成例4と同様の方法で、表2の組成に従って合成を行い、ポリエステル系樹脂を得た。
[合成例11]
<ポリウレタン系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1.6−ヘキサンジオール10.6g、C36ダイマージオール(PRIPOL2033:クローダジャパン株式会社、OH価=207mgKOH/g)113.3g、トリレンジイソシアネート44.3g、溶剤としてトルエン240gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら60℃まで昇温し、均一に溶解させた。続いてこのフラスコに、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.016gを投入し、100℃で3時間攪拌し、ウレタン化の反応を行った。次に、トルエン40g、無水トリメリット酸17.6gを投入し、90℃で1時間攪拌後、135℃に昇温し、4時間反応させた。室温まで冷却し、ポリウレタン系樹脂を得た。質量平均分子量は1.1万、酸価は55.3mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量118の1.6−ヘキサンジオール10.6g中には、アルコール性水酸基が0.18mol含まれる。
以下、同様に、2官能の分子量540の36ダイマージオール113.3g中には、アルコール性水酸基が0.42mol含まれ、
2官能の分子量174のトリレンジイソシアネート44.3g中にはイソシアネート基が0.508mol含まれる。
つまり、アルコール性水酸基を0.6mol、イソシアネート基を0.508mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のウレタン基量は0.508molであり、反応性官能基として残存するアルコール性水酸基は0.092molである。
続けて投入した分子量210の無水トリメリット酸は、カルボキシル基を1つ、酸無水物基を1つ有すので、無水トリメリット酸17.6g中には、酸無水物基が0.092mol、カルボキシル基が0.092mol含まれる。この無水トリメリット酸によりアルコール性水酸基は消失し、エステル基が0.092mol生成し、カルボキシル基が0.183mol生成する。
これにより樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.98mmol/g、その他官能基量は3.2mmol/g、トータル官能基量は、4.2mmol/gとなる。
[合成例12]、[比較合成例4]
合成例11と同様の方法で、表3の組成に従って合成を行い、ポリウレタン系樹脂を得た。
[合成例13]
<ポリウレタンウレア系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1.6−ヘキサンジオール28.4g、ジメチロールブタン酸8.9g、トリレンジイソシアネート55.6g、溶剤としてトルエン122gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら60℃まで昇温し、均一に溶解させた。続いてこのフラスコに、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.008gを投入し、100℃で3時間攪拌し、ウレタン化の反応を行った。次に、80℃に降温してトルエン20gに溶解させたヘキシルアミン1.9gを30分かけて滴下し、その後100℃で6時間攪拌した。室温まで冷却し、ポリウレタンウレア系樹脂を得た。質量平均分子量は1.4万、酸価は34.8mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量118の1.6−ヘキサンジオール28.4中には、アルコール性水酸基が0.48mol含まれ、
2官能の分子量148のジメチロールブタン酸8.9g中には、アルコール性水酸基0.12molとカルボキシル基0.06molが含まれ、
2官能の分子量174のトリレンジイソシアネート55.6g中にはイソシアネート基が0.638mol含まれる。
つまり、アルコール性水酸基を0.6mol、イソシアネート基を0.638mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のウレタン基量は0.6molであり、反応性官能基として残存するイソシアネート基は0.038molである。
続けて投入した1官能の分子量101のヘキシルアミン3.9g中には、アミノ基が0.038mol含まれる。このヘキシルアミンによりイソシアネート基は消失し、ウレア基が0.038mol生成する。
これにより樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.62mmol/g、その他官能基量は6.6mmol/g、トータル官能基量は、7.2mmol/gとなる。
[合成例14]、[比較合成例5]
<ポリウレタンウレア系樹脂の合成例>
合成例13と同様の方法で、表4の組成に従って合成を行い、ポリウレタンウレア系樹脂を得た。
[合成例15]
<ポリアミド系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、セバシン酸54.5g、トリメシン酸6.4g、プリアミン1074:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージアミン(アミン価:210mgKOH/g)148.4g、イオン交換水を100g仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、水の流出を確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下し、ポリアミド樹脂を得た。質量平均分子量は2.8万、酸価は20.0mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量202のセバシン酸202g中には、カルボキシル基が0.54mol含まれ、
3官能の分子量210のトリメシン酸6.3g中には、カルボキシル基が0.09mol含まれ、
2官能の分子量534のプリアミン1074、148.4g中にはアミノ基が0.556mol含まれる。
つまり、カルボキシル基を0.63mol、アミノ基を0.556mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のアミド基量は0.556molであり、反応性官能基として残存するカルボキシル基は0.074molである。10gの水が抜けるので、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.37mmol/g、その他官能基量は2.79mmol/g、トータル官能基量は、3.2mmol/gとなる。
[合成例16〜17]、[比較合成例6]
合成例15と同様の方法で、表5の組成に従って合成を行い、ポリアミド系樹脂を得た。
[合成例18]
<ポリイミド系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物「6FDA」88.8g、ダイマージイソシアネート(BASFジャパン株式会社製、NCO%=13.8%)110.1gIPDIヌレート(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)6.06gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、水の流出を確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分毎に10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2kPaの真空下で3時間保持した。その後、温度を低下し、ポリイミド樹脂を得た。質量平均分子量は3.4万、酸無水物価は7.5mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量444の6FDA88.8g中には酸無水物基が0.4mol含まれ、
2官能の分子量638のダイマージイソシアネート110.1g中にはイソシアネート基が0.345mol含まれ、
3官能の分子量667のIPDIヌレート6.1g中にはイソシアネート基が0.027mol含まれる。
つまり、酸無水物基を0.4mol、イソシアネート基を0.373mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のイミド基量は1.879molであり、反応性官能基として残存する酸無水物基は0.138molである。6.7gの水が抜けるので、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.14mmol/g、その他官能基量は1.88mmol/g、トータル官能基量は、2.0mmol/gとなる。
[合成例19〜23]、[比較合成例7]
合成例18と同様の方法で、表6の組成に従って合成を行い、ポリイミド系樹脂を得た。
[合成例24]
<ポリカーボネート系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、炭酸エチレン25.2g、1,4−シクロへキサンジメタノール38.9g、トリメチロールプロパン4.0g、テトラブチルチタネート0.003gを仕込み、常圧、攪拌下、シクロへキサンジメタノールと炭酸エチレンの混合物を留去しながら、エステル交換反応を8時間行なった。この間、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら反応温度は190℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成はシクロへキサンジメタノールと炭酸エチレンの混合物の共沸組成の近傍となるように調節した。そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、さらに3時間保持した。その後、温度を低下し、ポリカーボネート樹脂を得た。質量平均分子量は1.4万、水酸基価は48.2mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量144の1,4−シクロへキサンジメタノール38.9g中にはアルコール性水酸基が0.54mol含まれ、3官能の分子量134のトリメチロールプロパン4.0gには、アルコール性水酸基0.09mol含まれ、
2官能の分子量88の炭酸エチレン25.2g中にはカーボネート基が0.29mol含まれる。
つまり、アルコール性水酸基を0.63mol、カーボネート基を0.29mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のカーボネート基量は0.29molであり、反応性官能基として残存するアルコール性水酸基は0.059molである。17.7gのエチレングリコールが抜けるので、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は1.16mmol/g、その他官能基量は5.67mmol/g、トータル官能基量は、6.8mmol/gとなる。
[合成例25]
<ポリカーボネート系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、炭酸エチレン25.2g、1.6−ヘキサンジオール35.5g、テトラブチルチタネート0.003gを仕込み、常圧、攪拌下、1.6ヘキサンジオールと炭酸エチレンの混合物を留去しながら、エステル交換反応を8時間行なった。この間、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら反応温度は190℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成は1.6−ヘキサンジオールと炭酸エチレンの混合物の共沸組成の近傍となるように調節した。そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、さらに3時間保持した。その後、温度を低下し、無水トリメリット酸2.2g、トルエン30gを添加し、110℃で3時間反応させ、その後、温度を低下し、ポリカーボネート樹脂を得た。質量平均分子量は1.3万、酸価は20.4mgKOH/g、水酸基価は15.3mgKOH/gであった。また、構造から算出される極性官能基量は7.5mmol/gであった。
[比較合成例8]
合成例24と同様の方法で、表7の組成に従って合成を行い、ポリカーボネート系樹脂を得た。
[合成例26]
<ポリフェニレンエーテル系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコを30℃の恒温水槽中に置いた。塩化銅(I)9.9gをピリジン2.0gに加え、酸素を吹き込みながらかき混ぜ、トルエン5.0gを加えることで、触媒溶液となる銅(II)ピリジン錯体溶液を得た。また、2,6−ジメチルフェノール98.0gと2.2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン30.0gをトルエン3.0gに溶解し、フェノール溶液を得た。その後、30℃に保持し、酸素置換した反応容器内に触媒、フェノール両溶液を滴下混合し、激しくかき混ぜた。モノマー添加開始時から66分後に、酸素を窒素に切り換え、重合を停止させた。反応溶液を0.3gの濃塩酸を含む110gのメタノール中に滴下した。沈殿したポリマーをろ過し、25.0gのメタノール、ついで1.0gの濃塩酸を含む25.0gのメタノール、最後に25.0gのメタノールで洗浄した。120℃で3時間乾燥させ、トルエン50.0g、2−プロパノール50.0gで希釈して、トータル官能基量が0.01mmol/g以上、9.0mmol/g以下の樹脂(A)であるポリフェニレンエーテル樹脂を得た。質量平均分子量は1.5万、フェノール性水酸基価は15.4mgKOH/gであった。
ここで、2官能の分子量122の2,6−ジメチルフェノール98.0gg中にはフェノール性水酸基が0.80mol含まれ、2官能の分子量284の2,2−ビス(4−ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン30.0gには、フェノール性水酸基0.21mol含まれる。
重合した後のフェノール性水酸基とエーテル基の合計量は、初期のフェノール基の合計量となる。固形量は128gのため、1.01/128×1000の計算式によりトータル官能基量は、7.9mmol/gとなる。
[合成例27]
<オレフィン系樹脂の合成例>
主鎖合成、水添、酸変性と3段階で合成を完了させた。
<主鎖合成>
乾燥した窒素雰囲気下で、内容量5リットルのステンレスリアクターにシクロヘキサン330gと、スチレンの25重量%シクロヘキサン溶液576g(スチレンとして144g)と、9mmolのn−BuLiと、45mmolのTHFとを加え、50℃で30分間重合した。
次いで、ブタジエン/シクロヘキサンの17.7%溶液を1733g(ブタジエンとして306g)加え、ジャケットの温度を75℃に昇温し1時間重合した。引き続きジメチルジクロルスズ(Me2 SnCl2 )4.05mmolを加え、15分間カップリング反応を行い、主鎖を合成した。
<水添反応>
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1000gを仕込み、ビスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド100mmolを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させ、水素添用触媒を得た。
主鎖合成した樹脂に、上記水素添加用触媒を、前記樹脂100質量部当たりチタン換算で100ppmとなるように添加し、水素圧0.7MPa、温度75℃で水素添加反応を行い、樹脂溶液を得た。上記樹脂溶液は、次の段階のために、真空オーブン中で0.1Torrで24時間乾燥させ、固形分100%の樹脂を取り出した。
<酸変性>
上記で得た樹脂100gに対して、無水マレイン酸1g、ベンゾイルパーオキサイド0.1g、イルガノックス1010(BASFジャパン製、酸化防止剤)0.06gをドライブレンドし、ベント付き32ミリの二軸押出機を用いて、さらに混合し、溶融混錬し、ペレット状サンプルを得た。混合、溶融混練時の二軸押出機の温度は、ホッパー下部40℃ 、混合ゾーン80℃、反応ゾーン170℃、ダイス180℃とした。
得られたペレット状サンプル100重量部に、アセトン85重量部、ヘプタン85重量部を加え、耐圧反応器中、85℃で2時間加熱攪拌した。同操作終了後、金網でペレットを回収し、これを140℃ 、0.1Torrで20時間真空乾燥して、オレフィン系樹脂を得た。質量平均分子量は5万、酸無水物価は5.7mgKOH/gであった。
ここで、官能基を有さない樹脂100gに対して、酸無水物基0.01molを含む1官能の無マレイン酸1gを添加して、前記樹脂を変性していることから、変性後の樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.1mmol/g、その他官能基量は0mmol/g、トータル官能基量は、0.1mmol/gとなる。
[合成例28〜30]
<オレフィン系樹脂の合成例>
合成例27と同様の方法で、表9の組成に従って合成を行い、オレフィン系樹脂を得た。
[合成例31]
<オレフィン系樹脂の合成例>
合成例27と同様の方法で、表9の組成に従って合成を行った後、200gの水を加えて、酸無水物を開環させるという操作を加え、オレフィン系樹脂を得た。
[合成例32〜33]
<オレフィン系樹脂の合成例>
合成例27と同様の方法で、表9の組成に従って合成を行ったが、2段階目の水添作業を実施せずに、オレフィン系樹脂を得た。
[比較合成例9〜10]
<オレフィン系樹脂の合成例>
合成例27と同様の方法で、表9の組成に従って合成を行ったが、3段階目の酸変性作業を実施せずに、オレフィン系樹脂を得た。
[合成例34]
<フッ素系樹脂の合成例>
1000mLのステンレス製オートクレーブに、ヘキサフルオロプロピレン35.2g、ピバリン酸ビニル46.5g、ヒドロキシブチルビニルエーテル4.93g、エチルビニルエーテル12.7g、クロトン酸0.7g及びジイソプロピルパーオキシジカーボネート0.8gを仕込み、0℃ に冷却した後、減圧下に脱気した。その後、攪拌下で40℃ に加熱し、24時間反応させ、反応器内圧が5kg/cm2から2kg/cm2に下がった時点で反応を停止し、フッ素系樹脂を得た。質量平均分子量は4.8万、酸価は4.6mgKOH/gであった。
ここで、分子量128のピバリン酸ビニル46.5g中にはエステル基が0.36mol含まれ、分子量72のエチルビニルエーテル12.7g中にはエステル基が0.18mol含まれ、分子量116のヒドロキシブチルビニルエーテル4.93g中にはアルコール性水酸基およびエステル基が0.042molずつ含まれ、分子量86のクロトン酸0.70g中には、カルボキシル基が0.008mol含まれる。
つまり、アルコール性水酸基を0.042mol、カルボキシル基を0.008mol、エステル基を0.582mol含むモノマーを反応させており、これらの官能基は反応後もそのまま残存する。ここから、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.5mmol/g、その他官能基量は5.82mmol/g、トータル官能基量は、6.3mmol/gとなる。
[合成例35]
<フッ素系樹脂の合成例>
合成例34と同様の方法で、表10の組成に従って合成を行い、フッ素系樹脂を得た。
[合成例36]
<スチレン無水マレイン酸系樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、MEK300gを入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でスチレン516.1g、無水マレイン酸48.4g、過酸化ベンゾイル0.2gの混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、過酸化ベンゾイル0.2gをMEK50gに溶解させたものを添加し、80℃で1時間反応させて、スチレン無水マレイン酸系樹脂溶液を得た。質量平均分子量は6.2万、酸無水物価は49.0mgKOH/gであった。
ここで、1官能の分子量98の無水マレイン酸48.4g中には、酸無水物基が0.49mol含まれる。酸無水物基は反応後も残存することから、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は0.9mmol/g、その他官能基量は0mmol/g、トータル官能基量は、0.9mmol/gとなる。
[合成例37〜38]、[比較合成例11]
<スチレン無水マレイン酸系樹脂の合成例>
合成例36と同様の方法で、表11の組成に従って合成を行い、スチレン無水マレイン酸系樹脂を得た。
以下、表1〜11において共通
BMA:n−ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
TDMA:トリデシルメタクリレート
LMA/TDMA=1/1混合品
tBA:ter-ブチルアクリレート
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキエチルメタクリレート
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
プリポール2033:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージオール(OH価:207mgKOH/g)
プリポール1009:クローダジャパン(株)製、C36ダイマー酸(酸価:195.0mgKOH/g)
TDI:トリレンジイソシアネート
TMA:無水トリメリット酸
プリアミン1074:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージアミン(アミン価:210mgKOH/g)
NBDA:ノルボルナンジアミン
ビスアニリンM:三井化学ファイン(株)製、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン
IPDIヌレート:イソホロンジイソシアネートのヌレート体
ワンダミンHM:新日本理化(株)製、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
KF−8010:信越シリコーン(株)製、両末端アミノ変性シリコーンオイル(アミン価:430mgKOH/g)
HAB:4,4'−ジアミノー3,3'―ジヒドロキシビフェニル
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
2,6−DMP:2,6−ジメチルフェノール
BXF:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン
n−BuLi:ノルマルブチルリチウム
THF:テトラヒドロフラン
(実施例1)
合成例1で得られた極性官能基のトータル官能基量が0.01mmol/g以上、9.0mmol/g以下の樹脂(A)の固形分100gに対して、有機金属化合物(B)として、Alキレート化合物「AlキレートA」(川研ファインケミカル株式会社製)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対して有機金属化合物(B)中の金属が0.3モルとなる量添加し、エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031S(三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対してエポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基が2モルとなる量添加し、シクロヘキサノン溶剤で固形分濃度が25%になるように溶解して熱硬化性組成物を調整した。
この熱硬化性組成物を剥離処理されたポリエステルフィルム上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように均一に塗工して乾燥させ、接着シートを設けた。次に、剥離処理された別のポリエステルフィルムを前記接着シート上にラミネートし、両面保護フィルム付きの接着シートを得た。
[実施例2〜3]
表21に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに合成例2、3で得られたアクリル系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例1〜2]
表21に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに比較合成例1、2で得られたアクリル系樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例3]
表21に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例4]
表21に示した組成で、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例4〜10]、[比較例5]
表22に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例4〜10、比較合成例3で得られたポリエステル系樹脂、を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例6]、[比較例7]
表22に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例6)エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例7)した以外は、実施例4と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例11〜12]、[比較例8]
表23に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例11〜12、比較合成例4で得られたポリウレタン系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例9]、[比較例10]
表23に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例9)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例10)した以外は、実施例11と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例13〜14] 、[比較例11]
表24に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例13〜14、比較合成例5で得られたポリウレタンウレア系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例12]、[比較例13]
表24に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例12)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例13)した以外は、実施例13と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例15〜17]、[比較例14]
表25に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに合成例15〜17、比較合成例6で得られたポリアミド系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例15]、[比較例16]
表25に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例15)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例16)した以外は、実施例15と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例18〜23]、[比較例17]
表26に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに合成例18〜23、比較合成例7で得られたポリイミド系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例18]、[比較例19]
表26に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例18)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例19)した以外は、実施例18と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例24〜25]、[比較例20]
表27に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例24〜25、比較合成例8で得られたポリカーボネート系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例21]、[比較例22]
表27に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例21)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例22)した以外は、実施例24と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例26]
表28に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例26で得られたポリフェニレンエーテル系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例23]、[比較例24]

表28に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例23)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例24)した以外は、実施例26と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例27〜33]、[比較例25〜26]
表29に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例27〜33、比較合成例9、10で得られたオレフィン系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例27]、[比較例28]
表30に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例27)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例28)した以外は、実施例27と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例34〜35]
表31に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例34〜35で得られたフッ素系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例29]、[比較例30]
表31に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例27)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例28)した以外は、実施例34と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例30]
表31に示した組成で、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例36〜38]、[比較例31]
表32に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例36〜38で得られたスチレン無水マレイン酸系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[比較例32]、[比較例33]
表32に示した組成で、有機金属化合物(B)を用いなかったり(比較例32)、エポキシ基含有化合物(C)を用いなかったり(比較例33)した以外は、実施例36と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例39〜47]、[実施例48〜56]、[実施例57〜65]、[実施例67〜74]
表33〜36に示した組成で、有機金属化合物(B)及びエポキシ基含有化合物(C)の種類を変更した以外は、実施例15、18、26、27とそれぞれ同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例75〜80] 、[実施例81〜86]、[実施例87〜92]、[実施例93〜98]
表37〜40に示した組成で、有機金属化合物(B)の配合量を変更した以外は、実施例15、18、26、27とそれぞれ同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例99〜104] 、[実施例105〜110]、[実施例111〜116] 、[実施例117〜122]
表41〜44に示した組成で、エポキシ基含有化合物(C)の配合量を変更した以外は、実施例15、18、26、27とそれぞれ同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例123〜127] 、[実施例128〜132]、[実施例133〜137] 、[実施例138〜142]
表45〜48に示した組成で、樹脂(A)の併用を実施した以外は、実施例15、18、26、27とそれぞれ同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
[実施例143〜151] 、[実施例152〜160]、[実施例161〜169] 、[実施例170〜178]
表49〜52に示した組成で、その他の硬化剤(D)を加えた以外は、実施例15、18、26、27とそれぞれ同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
以下、表21〜52において共通。
jER1031S:三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物
jER604:三菱化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
jER630:三菱化学(株)製、3官能グリシジルアミン化合物
TETRAD−C:三菱ガス化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
TETRAD−X:三菱ガス化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
jER306:三菱化学(株)製、ビスフェノールF型エポキシ化合物
BL3175:住化バイエルウレタン(株)製、イソシアヌレート型ブロックイソシアネート
V−07:日清紡(株)製、ポリカルボジイミド化合物
V−03:日清紡(株)製、ポリカルボジイミド化合物
アルミキレートA:川研ファインケミカル(株)製、Alキレート化合物
ASBD:川研ファインケミカル(株)製、Alアルコキシド化合物
TC401:マツモトファインケミカル(株)製、Tiキレート化合物
TA−30:マツモトファインケミカル(株)製、Tiアルコキシド化合物
ZC700:マツモトファインケミカル(株)製、Zrキレート化合物
TC800:マツモトファインケミカル(株)製、Tiアシレート化合物
ケミタイトPZ: (株)日本触媒製、多官能アジリジン化合物
DICY:ジシアンジアミド
CABRUS2:(株)ダイソー製、ポリスルフィド系シランカップリング剤
KBM803:信越シリコーン(株)製、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
ノクセラーTOT−N:大内新興化学工業株式会社(株)製、チウラムジスルフィド化合物
ノクセラーDM:大内新興化学工業株式会社(株)製、チアゾリルジスルフィド化合物
実施例および比較例で得られた接着シートについて、加工性、接着性、耐熱性、屈曲性、電気絶縁性、誘電率、誘電正接を以下の方法で評価した。結果を表21〜52に示す。
<評価>
(1)寸法安定性
保護フィルムを除去した、65mm×65mmの大きさの接着シートを、厚さが75μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン(株)製「カプトン300H」]の間に挟み、80℃でラミネートし、続いて160℃、1.0MPaの条件で30分圧着処理を行った。さらに、この試験片を160℃で2時間熱硬化させ、評価用試験片を作成した。この試験片について、圧着処理前と熱硬化後との接着剤層の面積の差を測定し、これをはみ出し面積として加工性を評価した。この加工性は、圧着処理時に接着層が熱によって軟化し、回路基板の位置ズレや配線間の接触を引き起こす度合いを評価するものであり、結果を次の基準で判断した。
A・・・「はみ出し面積 ≦ 100mm2
B・・・「100mm2 < はみ出し面積 ≦ 200mm2
C・・・「200mm2 < はみ出し面積 ≦ 350mm2
D・・・「350mm2 < はみ出し面積 ≦ 500mm2
E・・・「500mm2 < はみ出し面積」
(2)接着性
寸法安定性の評価で作成した試験片を幅10mm、長さ65mmに切り出し、23℃相対湿度50%の雰囲気下で、引っ張り速度300mm/minでTピール剥離試験を行い、接着強度(N/cm)を測定した。この試験は、常温使用時における接着層の接着強度を評価するものであり、結果を次の基準で判断した。
A・・・「12(N/cm) < 接着強度」
B・・・「8(N/cm) < 接着強度 ≦ 12(N/cm)」
C・・・「5(N/cm) < 接着強度 ≦ 8(N/cm)」
D・・・「3(N/cm) < 接着強度 ≦ 5(N/cm)」
E・・・「接着強度 ≦ 3(N/cm)」
(3)耐熱性
上記(2)と同様に、幅10mm、長さ65mmに切り出した試験片を、23℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間以上保管し、その後、各種温度にて溶融半田にポリイミドフィルム面を接触させて1分間浮かべた。その後、試験片の外観を目視で観察し、硬化接着層の発泡、浮き、剥がれ等の接着異常の有無を評価した。この試験は、半田接触時における硬化接着層の熱安定性を、外観で評価するものであり、耐熱性の良好なものは、外観が変化しないのに対して、耐熱性の悪いものは、半田処理後に発泡や剥がれが発生する。これらの評価結果を次の基準で判断した。
A・・・「300℃でも外観変化全く無し」
B・・・「280℃で外観変化全く無し。300℃では発泡が確認される」
C・・・「260℃でも外観変化全く無し。280℃では発泡が確認される」D・・・「240℃でも外観変化全く無し。260℃では発泡が確認される」E・・・「240℃にて発泡が観察される」
(4)屈曲性
硬化性樹脂組成物を、厚さが75μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン(株)製「カプトン300H」]上に、乾燥後の膜厚が30μmになるように均一に塗工して乾燥させ、さらに、この試験片を160℃で2時間熱硬化させ、評価用試験片を作成した。評価用試験片を、硬化塗膜面を外側にして180度折り曲げ、ひび割れが発生するまでの回数を次の基準で評価した。
A・・・「20回屈曲させてもクラック(ひび割れ)が見られない」
B・・・「14回屈曲させてもクラックが見られない。20回までにクラック発生」
C・・・「8回屈曲させてもクラックが見られない。14回までにクラック発生」
D・・・「3回屈曲させてもクラックが見られない。8回までにクラック発生」
E・・・「3回屈曲させるまでにクラック発生」
(5)電気絶縁性
保護フィルムを除去した、65mm×65mmの大きさの接着シートを、厚さが25μmのポリイミドフィルム[東レ・デュポン(株)製「カプトン100H」]とポリイミド上に銅回路が形成された櫛型パターン(導体パターン幅/スペース幅=50μm/50μm)プリント配線板との間に挟み、80℃でラミネートし、続いて160℃、1.0MPaの条件で30分圧着処理を行った。さらに、この試験片を160℃で2時間熱硬化させ、評価用試験片を作成した。この試験片の導体回路に、温度130℃、相対湿度85%の雰囲気下で直流電圧50Vを連続的に100時間加え、100時間後の導体間の絶縁抵抗値を測定した。評価基準は以下の通りである。
A・・・絶縁抵抗値109Ω以上
B・・・絶縁抵抗値108以上109Ω未満
C・・・絶縁抵抗値107以上108Ω未満
D・・・絶縁抵抗値106以上107Ω未満
E・・・絶縁抵抗値106未満
(6)誘電率
実施例及び比較例で作成した両面保護フィルム付き接着シートの片側の保護フィルムを除去し、160℃、1.0MPaの条件で1時間熱硬化させ後、両側の保護フィルムを除去し、評価用試験片を作製した。この試験片について、(株)エー・イー・ティー製誘電率測定装置を用い、空洞共振器法により、測定温度23℃、測定周波数5GHzにおける誘電率および誘電正接を求めた。
A・・・誘電率が2.6以下である
B・・・誘電率が2.6より大きく2.8以下である
C・・・誘電率が2.8より大きく3.0以下である
D・・・誘電率が3.0より大きく3.2以下である
E・・・誘電率が3.2より大きい
(7)誘電正接
A・・・誘電正接が0.001以下である
B・・・誘電正接が0.001より大きく0.002以下である
C・・・誘電正接が0.002より大きく0.01以下である
D・・・誘電正接が0.01より大きく0.05以下である
E・・・誘電正接が0.05より大きい
表21〜32に示す実施例と比較例をみてわかる通り、比較例1、2、5、8、11、14、17、20に用いた極性官能基のトータル含有量、即ち、反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が9[mmol/g]より多い樹脂を用いて接着シートを作成すると、誘電率、誘電正接が著しく悪化した。
また、比較例25、26、31からわかるように、極性官能基のトータル含有量が0.01[mmol/g]より少ない樹脂を用いて接着シートを作成すると寸法安定性、接着性、耐熱性、電気絶縁性が著しく悪化した。
また、比較例3、6、9、12、15、18、21、23、27、29、32からわかるように、有機金属化合物(B)を用いずに、エポキシ基含有化合物(C)は用いて接着シートを作成すると、寸法安定性や誘電正接が著しく悪化した。
また、比較例4、7、10、13、16、19、22、24、28、30、33からわかるように、エポキシ基含有化合物(C)を用いずに、有機金属化合物(B)は用いて接着シートを作成すると、接着性、耐熱性が著しく悪化した。
一方、実施例に用いた極性官能基のトータル含有量が0.01mmol/g以上、9mmol/g以下である樹脂(A)と特定量の有機金属化合物(B)とエポキシ基含有化合物(C)を含む場合には、全ての物性においてバランスよく良好な結果が得られ、特に比較例で二律背反の関係にあった接着性と低誘電正接の両立、寸法安定性と耐熱性の両立を実現することができた。これは、有機金属化合物(B)とエポキシ基含有化合物(C)の組み合わせにより、硬化時の極性基の発生を抑えることが可能になった結果、樹脂(A)に由来する低誘電率、低誘電正接の特徴を維持しつつ、エポキシ基含有化合物(C)由来の銅との接着性の良さを活かせたためであると考えられる。また、有機金属化合物(B)は樹脂(A)中の反応性官能基と迅速に反応するので、寸法安定性を向上しつつ、樹脂(A)とエポキシ基含有化合物(C)の反応による強固な架橋を形成することで耐熱性が付与できるためであると考えられる。
本発明の接着シート形成に用いられる熱硬化性組成物は、接着性、加湿後の耐熱性、耐熱性、屈曲性、電気絶縁性、誘電率、誘電正接に優れた硬化物を与えるので、プリント配線板をはじめとする電子材料用のコーティング剤、回路被覆用ソルダーレジスト、カバーレイフィルム、電磁波シールド用接着剤、メッキレジスト、プリント配線板用層間電気絶縁材料、光導波路等に好適に用いることができる。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る反応性官能基と、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が0.01mmol/g以上、
9mmol/g以下の樹脂(A)、有機金属化合物(B)、および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)とを含む熱硬化性組成物を用いることにより本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記条件(1)〜(9)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シートに関する。
(1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を含む。
(2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官能基(以下、単に反応性官能基とも略す)を有する。
(3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基(以下、樹脂(A1)の有するその他官能基または単にその他官能基とも略す)を有し得る。
(4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有する樹脂(A2)を含み得る。
(5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれをも有しない樹脂(A3)を含み得る。
(6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0.01mmol以上、9mmol以下である。
なお、樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の3種を合わせて、以下樹脂(A)と略することもある。
(7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくもと一種である。
(8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molである。
(9)前記樹脂(A1)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
前記樹脂(A1)1gの反応性官能基価の合計は、水酸化カリウム換算で1〜80mgであることが好ましい。
さらに本発明は、シート状基材の少なくとも片面に、下記条件(1)〜(9)の全てを満たす熱硬化性組成物を塗工・乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、前記熱硬化性接着シートの他方の面に、他のシート状基材を重ねる、シート状基材付き熱硬化性接着シートの製造方法に関する。
(1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を含む。
(2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官能基を有する。
(3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有し得る。
(4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有する樹脂(A2)を含み得る。
(5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれをも有しない樹脂(A3)を含み得る。
(6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0.01mmol以上、9mmol以下である。
(7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくもと一種である。
(8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molである。
(9)前記樹脂(A1)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
本発明における樹脂(A1)は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびスチレン無水マレイン酸系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
なお、ここでいうポリオレフィン樹脂は、エチレンやプロピレン、ブタジエンなどオレフィン単位を含むモノマーから重合された樹脂であり、スチレンなどビニル系の樹脂との共重合物も含み得る。また、得られたポリブタジエン成分のC=C部分を水添するなど変性したものも含み得る。

Claims (15)

  1. 下記条件(1)〜(8)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シート。
    (1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を含む。
    (2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官能基を有する。
    (3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有し得る。
    (4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有する樹脂(A2)を含み得る。
    (5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれをも有しない樹脂(A3)を含み得る。
    (6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0.01mmol以上、9mmol以下である。
    (7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくもと一種である。
    (8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molである。
  2. 反応性官能基が、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基および酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載の熱硬化性接着シート。
  3. ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基中の前記へテロ原子が、O、N、SおよびPからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1または2記載の熱硬化性接着シート。
  4. ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基が、エステル基、アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3いずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  5. 樹脂(A1)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜4いずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  6. 樹脂(A1)1gの反応性官能基価の合計が、水酸化カリウム換算で1〜80mgである、請求項1〜5いずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  7. 樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、エポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基が0.1〜12molである、請求項1〜6いずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  8. 有機金属化合物(B)およびエポキシ基含有化合物(C)以外の化合物であって、樹脂(A1)の有する反応性官能基、有機金属化合物(B)及びエポキシ基の少なくともいずれか1種と反応し得るその他の硬化剤(D)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  9. その他の硬化剤(D)が、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、および硫黄元素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載の熱硬化性接着シート。
  10. 請求項1〜9いずれか1項に記載の熱硬化性接着シートと、前記熱硬化性接着シートの両面を覆う2つのシート状基材とを有する、シート状基材付き熱硬化性接着シート。
  11. 2つのシート状基材のうち、少なくとも一方が剥離性シート状基材である、請求項10記載のシート状基材付き熱硬化性接着シート。
  12. シート状基材の少なくとも片面に、下記条件(1)〜(8)の全てを満たす熱硬化性組成物を塗工し、乾燥し、熱硬化性接着シートを形成し、前記熱硬化性接着シートの他方の面に、他のシート状基材を重ねる、シート状基材付き熱硬化性接着シートの製造方法。
    (1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を含む。
    (2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官能基を有する。
    (3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有し得る。
    (4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有する樹脂(A2)を含み得る。
    (5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれをも有しない樹脂(A3)を含み得る。
    (6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0.01mmol以上、9mmol以下である。
    (7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくもと一種である。
    (8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molである。
  13. 請求項1〜9いずれか1項に記載の熱硬化性接着シートを熱硬化してなる、周波数5GHzにおける誘電正接が0.0001〜0.01であるシート状硬化物。
  14. 請求項13記載のシート状硬化物を介して、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面が、シート状基材で保護されてなる、保護シート付きプリント配線板。
  15. 請求項1〜9いずれか1項に記載の熱硬化性接着シートを、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面と、シート状基材との間に挟み、前記熱硬化性接着シートを熱硬化する、保護シート付きプリント配線板の製造方法。
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