JP2019178307A - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 Download PDF

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千穂 植田
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沙和子 嶋田
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Abstract

【課題】低誘電正接材からなる基板に対するBHAST耐性に優れ、かつ、錫めっき耐性に優れた硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供する。【解決手段】ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニウムの水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子、熱硬化性樹脂、および、アミノ基を有する有機フィラーを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物等である。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品に関する。
一般に、プリント配線板などの電子部品においては、耐熱性や電気絶縁性の観点から、層間絶縁材料用やソルダーレジスト材料用として、カルボキシル基含有樹脂やエポキシ樹脂などの硬化性樹脂を主成分とし、さらにフィラーなどの添加成分を含有する樹脂組成物が広く用いられている。
また、ソルダーレジスト材料等の樹脂絶縁層を形成する基板表面は、通常、導体層の形成工程(銅箔の粗面転写や銅めっき前の化学処理)によって粗面化されており、ソルダーレジスト材料の基板に対する密着性を向上させている。
このような粗面化された基板の絶縁材料として用いられる従来の樹脂組成物からなる硬化物では、高周波領域で通信する場合に、電気信号の遅延や損失が避けられないという問題があった。
近年、このような伝送損失の問題から、基板表面は粗化フリーもしくは低粗化面となる傾向にあり(いわゆるロープロファイル基板)、基板材料としては、活性エステルを含む低極性の絶縁材料などの低誘電正接材が用いられるようになってきた。
一方で、電子部品の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に対応して、半導体パッケージの小型化や多ピン化が実用化され量産化が進み、最近では、QFP(クワッド・フラットパック・パッケージ)やSOP(スモール・アウトライン・パッケージ)と呼ばれる半導体パッケージに代わり、パッケージ基板を用いたBGA(ボール・グリッド・アレイ)やCSP(チップ・スケール・パッケージ)などが広く採用されている。
このようなパッケージ基板では、配線パターンがより高密度に、互いに近接して形成されているため、かかるパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト材料等の永久絶縁膜には、より高い信頼性(HAST耐性、BHAST耐性、PCT耐性、耐熱性、強靭性、低反り性、熱寸法安定性等)が求められるようになってきた。
このようなソルダーレジスト材料等に対し、高い信頼性を付与する方法として、例えば組成物中に無機フィラーを高充填することにより、熱物性などの特性を向上させることが一般的に行われている。この無機フィラーの中でも特にシリカは、充填性に優れ、熱膨張係数(CTE)が低いことから、ソルダーレジストの特性向上に広く用いられてきた(特許文献1参照)。
しかしながら、シリカを高充填したソルダーレジスト材料では、上述した伝送損失の問題を解決したロープロファイル基板との密着性が悪くなり、また、BHAST処理中に密着性(BHAST耐性)が低下しやすいという新たな問題が生じることが分かった。
一方で、ソルダーレジスト等の硬化被膜が形成された後に、導体パターンの表面処理やプリントコンタクト用の端子形成、ボンディングパット形成等のために金めっきや錫めっきが施されることがある。金めっきや錫めっきとしては、通電やめっきリードが不要なことから無電解金めっきや無電解錫めっきが採用される。なかでも、特に無電解錫めっきは安価で低毒性、低融点、柔軟で加工性に優れる事からCOF(Chip on Film)、TAB(Tape Automated Bonding)テープキャリアのファインパターン化された銅配線のめっきに、現在、工業的に多用されている。しかしながら、酸性置換タイプであるが故に、約70℃に加温された強酸(PH≒1)のめっき浴に浸漬するため、硬化被膜の薬品耐性、即ち錫めっき耐性が求められる(特許文献2参照)。
特開2012−83467号公報(特許請求の範囲) 特開2006−124681号公報(特許請求の範囲)
錫めっき耐性を得るための手法としては、硬化皮膜の硬化性を向上させることが考えられる。この場合、光硬化性樹脂の二重結合当量が小さいものを選択、またはエポキシ化合物のエポキシ当量の小さいものを選択することが考えられるが、二重結合当量の小さいものやエポキシ当量の小さい材料を使用すると、硬化反応時の収縮により回路基板との密着性が低下する。特に、上述したロープロファイル基板のようなアンカー効果の少ない回路基板の場合、硬化と同時に剥がれが伴う場合もあることが分かった。
また、無電解錫めっきは置換めっきとなるため、フォトリソグラフィ法でソルダーレジストのパターンが形成されたプリント配線板やパッケージ基板の導体表面への錫めっきは、錫が下地となる銅と置換し、錫被膜を析出させるため、ソルダーレジストと銅との密着性が弱い場合には、ソルダーレジストと銅との間に錫めっき液が浸み込み錫めっきにより剥がれも生じることが分かった。
そこで本発明の目的は、低誘電正接材からなる基板に対するBHAST耐性に優れ、かつ、錫めっき耐性に優れた硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の実現に向け、無機フィラーとして用いるシリカの表面処理に着目して鋭意検討を行なった。その結果、発明者らは、ケイ素の水和酸化物やアルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物、チタンの水和酸化物で被覆したシリカを用い、かつ、アミノ基を有する有機フィラーを用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の硬化性樹脂組成物は、ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子、熱硬化性樹脂、および、アミノ基を有する有機フィラーを含むことを特徴とするものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記被覆されたシリカ粒子が、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記被覆されたシリカ粒子が、さらに、表面に硬化性反応基を有することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記熱硬化性樹脂として、エポキシ当量が300g/eq以下のエポキシ化合物を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、アルカリ可溶性樹脂と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和基を有する化合物と、を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記アルカリ可溶性樹脂として、二重結合当量が1000g/eq以下のエチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記アミノ基を有する有機フィラーの平均粒子径が、0.01〜2μmであることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物、または、前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、低誘電正接材からなる基板に対するBHAST耐性に優れ、かつ、錫めっき耐性に優れた硬化物を形成できる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物、およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子(以下、「前記被覆シリカ粒子」とも称する)、熱硬化性樹脂、および、アミノ基を有する有機フィラーを含むことを特徴とするものである。
前記被覆されたシリカ粒子および前記アミノ基を有する有機フィラーを配合することによって、低誘電正接材からなる基板に対するBHAST耐性に優れ、かつ、錫めっき耐性に優れた硬化物を得ることができる。即ち、基板が、活性エステル等を含む低極性の絶縁材料を使用した低伝送損失材からなる場合では、基板材料が極性基を有さないので、密着性を得ることが困難であるが、本発明の硬化性樹脂組成物は、前記被覆されたシリカ粒子を含むので、低誘電損失材からなる基板に対しても密着性に優れる。
前記被覆されたシリカは、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種で被覆されたシリカ粒子であることが好ましい。アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子を含むことにより、組成物中での樹脂との分散性に優れ、低伝送損失材からなる基板との密着性やロープロファイル基板とのHAST処理後の密着性をさらに向上させることができる。
また、前記アミノ基を有する有機フィラーのアミノ基が、熱硬化性樹脂の反応を促進し、錫めっき耐性および密着性がより強固となる。前記アミノ基を有する有機フィラーは一般的に融点が高いため、溶解しづらく粒径が大きいと狭ピッチな配線間の下地との密着性が十分に得られなくなる。このため、より粒径の細かな有機フィラーであることが好ましく、アミノ基を有する有機フィラーの平均粒子径は5μm未満であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらにより好ましい。平均粒子径が小さいほど、狭ピッチな配線間の下地との密着性に優れ、絶縁信頼性を向上させることができる。
前記錫めっき耐性の課題は、フィラー量が多い場合に特に顕著であるが、本発明によれば、シリカ粒子の充填量が多い場合、例えば、30質量%以上であっても、低誘電正接材からなる基板に対するBHAST耐性、かつ、錫めっき耐性が低下しにくい硬化性樹脂組成物を得ることが可能である。
前記被覆シリカ粒子は、ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されているので、硬化性樹脂中において粗粒が発生しにくく、特にファインパターンの回路基板を用いた場合でも絶縁信頼性にも優れる。また、凝集物を起点としたクラックの発生も抑制することができる。
また、錫めっき上に半田を用いた部品接続を施すと、その後のリフローや高温、高湿環境により錫めっき被膜からウィスカが発生し内部応力がかかることからソルダーレジスト材料に亀裂が生じるおそれがあるが、本発明によれば、フィラーと樹脂の界面制御ができるため、このような場合であっても亀裂が生じにくい硬化物を得ることができる。
本発明においては、エポキシ当量の小さいエポキシ化合物を含む場合であっても密着性が良好である。例えば、エポキシ当量が300g/eq以下、好ましくは200g/eq以下のエポキシ化合物を含む場合であっても好適に用いることができる。上記のようなエポキシ当量の小さいエポキシ化合物を例えば、熱硬化性樹脂の総量あたり、50質量%以上、好ましくは70質量%以上含む場合であっても好適に用いることができる。
また、上記のとおり、フォトリソグラフィでパターニングしてから無電解錫めっきを行うと、錫が下地となる銅と置換し、スズ被膜を析出させるため、密着性の低下の一因となっていた。しかし、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、そのような場合でも密着性に優れた硬化物が得られることから、アルカリ現像型の硬化性樹脂組成物としても好適に用いることができる。本発明の硬化性樹脂組成物をアルカリ現像型とする場合、アルカリ可溶性樹脂と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和基を有する化合物を含有することが好ましく、アルカリ可溶性樹脂がエチレン性不飽和基を有することが好ましい。
また、光硬化性樹脂を含有すると硬化収縮によって反りが生じやすく、ロープロファイル基板や低誘電損失材からなる基板との密着性が悪くなりやすいが、本発明においては、光硬化性樹脂を含有する場合であっても密着性に優れることから、密着面が小さい細かいパターン硬化膜を形成しても、長期密着性に優れる。また、本発明においては、光硬化性樹脂の二重結合当量が小さい場合でも密着性が良好であることから、光感度、強度、耐反り性、耐候性、耐薬品性に優れた硬化物を得ることができる。アルカリ可溶性樹脂がエチレン性不飽和基を有していてもよく、例えば、エチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂の二重結合当量が1000g/eq以下であっても好適に用いることができる。また、例えば着色剤を多く含有する場合や黒色着色剤や白色着色剤を含有する場合など、光が透過しにくく、光感度を向上させるために二重結合当量が小さい光硬化性樹脂を配合する場合であっても、密着性等に優れた硬化物を得ることができる。
以下に、本発明の硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[シリカ粒子]
本発明の硬化性樹脂組成物は、ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子を含む。
被覆されるシリカ粒子(即ち、被覆前のシリカ粒子)は特に限定されず、無機フィラーとして用いることができる公知慣用のシリカ粒子を用いればよい。被覆されるシリカ粒子としては、溶融シリカ、球状シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、ゾルゲルシリカなどが挙げられるが、球状シリカであることが好ましい。
シリカ粒子を被覆する方法は特に限定されないが、ケイ素の水和酸化物によりシリカ粒子を被覆する方法としては、例えば、シリカの水スラリーにケイ酸アルカリ水溶液を加えてシリカの表面にケイ酸を生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加えることで、ケイ酸をケイ素の水和酸化物に分解してシリカ粒子の表面にケイ素の水和酸化物を沈着させることができる。水スラリー中のシリカ粒子の量は特に制限されるものではないが、通常、70〜150g/lが適当である。次に、上記のような水スラリーに加えるケイ酸アルカリとしては具体的にはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が用いられ、その濃度は、通常、シリカ換算でl0〜200g/lである。鉱酸としては塩酸、硝酸、硫酸等を用いることができる。
アルミニウムの水和酸化物によりシリカ粒子を被覆する方法としては、例えば、シリカ粒子の水スラリーにアルミン酸ナトリウム等の水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加えた後、アルカリまたは酸で中和することにより、シリカ粒子の表面にアルミニウムの水和酸化物を沈着させることができる。水スラリー中のシリカ粒子の量は特に制限されるものではないが、通常、30〜300g/lが適当である。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、酸としては塩酸、硝酸等が用いられ、加える量は上記水溶性アルミニウム化合物が、アルミニウムの水和酸化物を形成できる量であり、好ましくはpHは7±0.5である。
ジルコニウムの水和酸化物によりシリカ粒子を被覆する方法としては、例えば、シリカ粒子の水スラリーにオキシ塩化ジルコニウム等の水溶性ジルコニウム化合物の水溶液を加えた後、アルカリまたは酸で中和することにより、シリカ粒子の表面にジルコニウムの水和酸化物を沈着させることができる。水スラリー中のシリカ粒子の量は特に制限されるものではないが、通常、30〜300g/lが適当である。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が用いられ、加える量は上記水溶性ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの水和酸化物を形成できる量であり、好ましくはpHは7±0.5である。
亜鉛の水和酸化物によりシリカ粒子を被覆する方法としては、例えば、シリカ粒子の水スラリーに硫酸亜鉛等の水溶性亜鉛化合物の水溶液を加えた後、アルカリまたは酸で中和することにより、シリカ粒子の表面に亜鉛の水和酸化物を沈着させることができる。水スラリー中のシリカ粒子の量は特に制限されるものではないが、通常、30〜300g/lが適当である。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、加える量は上記水溶性亜鉛化合物が、亜鉛の水和酸化物を形成できる量であり、好ましくはpHは7±0.5である。
チタンの水和酸化物によりシリカ粒子を被覆する方法としては、例えば、シリカ粒子の水スラリーにチタニル硫酸等の水溶性チタンの水溶液を加えた後、アルカリまたは酸で中和することにより、シリカ粒子の表面にチタンの水和酸化物を沈着させることができる。水スラリー中のシリカ粒子の量は特に制限されるものではないが、通常、30〜300g/lが適当である。酸としては塩酸、硝酸等が用いられ、加える量は上記水溶性チタン化合物が、チタンの水和酸化物を形成できる量であり、好ましくはpHは7±0.5である。
ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニウムの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種による被覆は、シリカ粒子100質量部に対して、前記ケイ素などの水和酸化物を好ましくは1〜40質量部、より好ましくは3〜20質量部で被覆することが好ましい。1質量部以上で被覆することによって、硬化性樹脂中でのシリカ粒子の分散性に優れ、HAST処理後に密着性が低下しにくい硬化物を得ることができる。
前記被覆されたシリカ粒子は、ケイ素の水和酸化物およびアルミニウムの水和酸化物により被覆されたシリカ粒子であることが好ましい。また、前記被覆されたシリカ粒子は、ケイ素の水和酸化物からなる被覆層と、アルミニウムの水和酸化物からなる被覆層とを、この順に有することが好ましい。このように被覆することによって、硬化性樹脂中でのシリカ粒子の分散性に優れ、HAST処理後に密着性が低下しにくい硬化物を得ることができる。
また、アルミニウム水和酸化物からなる被覆層を効率よく付着させることが可能となり、その効果として組成物の光反応性を向上させて高感度化することができる。これはおそらく光触媒となって感光促進となったものと推測される。この効果は、アルミニウムの水和酸化物だけでなく、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物、チタンの水和酸化物などの金属化合物でも同様にみられ光反応開始剤の増量なくめっき耐性に寄与する。
また、前記被覆されたシリカ粒子は、表面に硬化性反応基を有することが好ましい。フィラーが表面に硬化性反応基を有する場合、フィラーと硬化性樹脂との結合を強固にすることが可能であるが、フィラーが高充填される場合、フィラー粒子の比表面積が多い一方で樹脂含有量が少なくなるため、樹脂との馴染みが十分でない部分を引き起こしやすく、特にHAST(高温高湿)環境下では吸湿要因となり硬化性反応基部分が加水分解となる可能性が高くなる。そのため、HAST処理中の密着性が劣り剥がれが発生しやすくなる。このような濡れ性不良は、フィラーの粒径が小さい場合はフィラーの比表面積が大きく、覆う樹脂量が多く必要となるため特に顕著であった。しかしながら、本発明においては、前記被覆されたシリカ粒子が表面に硬化性反応基を有していても、HAST環境下でも加水分解による密着性の低下がないことも確認されている。即ちHAST処理中においても硬化性樹脂との濡れ性が維持できているため密着性が低下しにくいという優れた効果を得ることができ、さらに、硬化性反応基による硬化物の物性の改善、例えば低CTE化も可能である。
ここで、硬化性反応基とは、硬化性樹脂組成物に配合する成分(例えば、硬化性樹脂やアルカリ可溶性樹脂)と硬化反応する基であれば、特に限定されず、光硬化性反応基でも熱硬化性反応基でもよい。光硬化性反応基としては、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、スチリル基等が挙げられ、熱硬化性反応基としては、エポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、イミノ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等が挙げられる。前記被覆されたシリカ粒子の表面に硬化性反応基を導入する方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いて導入すればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で前記被覆されたシリカ粒子の表面を処理すればよい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を用いることができる。なかでも、シランカップリング剤が好ましい。
前記被覆されたシリカ粒子が表面に有する硬化性反応基は、本発明の硬化性樹脂組成物が光硬化性樹脂を含有する場合は、光硬化性反応基であることが好ましく、熱硬化性樹脂を含有する場合は、熱硬化性反応基であることが好ましい。
前記被覆されたシリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは1μm以下であることが好ましい。無機フィラーの平均粒子径が小さい場合、凝集し易いが、本発明においては、上記のようにシリカ粒子を被覆することによって、分散性に優れ、凝集しにくい。また、露光波長より小さいことが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましい。また、ハレーションを抑制する観点から0.25μm以上であることが好ましい。ここで、本明細書において、シリカ粒子の平均粒子径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径(D50)であり、レーザー回折法により測定されたD50の値である。また、前記被覆されたシリカ粒子の最大粒子径(レーザー回折法により測定されたD100)は、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIが挙げられる。2μm以下であることにより、ファインパターン回路基板上での絶縁信頼性、小径パターンの形成性(解像性)、ファインパターン回路基板への埋めこみ性に優れる。
前記被覆されたシリカ粒子は、平均粒子径を調整してもよく、例えば、ビーズミルやジェットミルで予備分散することが好ましい。また、前記被覆されたシリカ粒子は、スラリー状態で配合されることが好ましく、スラリー状態で配合することによって、高分散化が容易であり、凝集を防止し、取り扱いが容易になる。
前記被覆されたシリカ粒子は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記被覆されたシリカ粒子の配合量は、組成物の固形分全量中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましい。上記のとおり、本発明においては、シリカ量が多くても、HAST処理による密着性の低下が少なく分散性に優れることから、硬化物の物性の向上、例えば低CTE化、耐反り性、耐熱性を目的として、シリカを高充填することができる。
[熱硬化性樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂によって、硬化物の耐熱性が向上し、また、下地との密着性が向上する。熱硬化性樹脂としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。これらの中でもエポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂が好ましく、エポキシ化合物がより好ましい。熱硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、従来公知のものをいずれも使用できる。分子中に複数のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物等が挙げられる。なお、水素添加されたエポキシ化合物であってもよい。
多官能エポキシ化合物としては、エポキシ化植物油;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂;チオエーテル型エポキシ樹脂;ブロム化エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;ジグリシジルフタレート樹脂;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;ナフタレン基含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体;CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。また、熱硬化性樹脂として、エポキシ当量が300g/eq以下のエポキシ化合物を含むことが好ましい。
多官能オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、またはシルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂とのエーテル化物等が挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体等も挙げられる。
分子中に複数の環状チオエーテル基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂としては、メチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物等が挙げられる。
イソシアネート化合物として、ポリイソシアネート化合物を配合することができる。ポリイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートおよび2,4−トリレンイソシアネートダイマー等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;並びに先に挙げたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体およびイソシアヌレート体等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いることができる。イソシアネートブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、例えば、上述のポリイソシアネート化合物等が挙げられる。イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール系ブロック剤;ラクタム系ブロック剤;活性メチレン系ブロック剤;アルコール系ブロック剤;オキシム系ブロック剤;メルカプタン系ブロック剤;酸アミド系ブロック剤;イミド系ブロック剤;アミン系ブロック剤;イミダゾール系ブロック剤;イミン系ブロック剤等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、1〜50質量%である。
[アミノ基を有する有機フィラー]
本発明の硬化性樹脂組成物は、アミノ基を有する有機フィラーを含有する。前記アミノ基を有する有機フィラーは、熱硬化性樹脂の硬化促進剤とし機能するものであり、前記アミノ基を有する有機フィラーとしては、分子内にアミノ基を少なくとも1つ以上有する有機フィラーであれば特に限定されない。
前記アミノ基を有する有機フィラーとしては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を硬化促進剤と併用する。硬化促進剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。アミノ基を有する有機フィラーとしては、メラミンおよびジシアンジアミド(DICY)のいずれか少なくとも1種が好ましい。
本明細書において、アミノ基を有する有機フィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径(D50)であり、レーザー回折法により測定されたD50の値である。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIが挙げられる。
前記アミノ基を有する有機フィラーの平均粒子径(D50)は、0.01〜2μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。
前記アミノ基を有する有機フィラーは、融点が100℃以上である場合に本発明の効果を良好に得ることができる。融点の上限値は特に限定されないが、700℃以下である。
前記アミノ基を有する有機フィラーは、平均粒子径を調整してもよく、例えば、ビーズミルやジェットミルで予備分散することが好ましい。また、前記被覆されたシリカ粒子は、スラリー状態で配合されることが好ましく、スラリー状態で配合することによって、高分散化が容易であり、凝集を防止し、取り扱いが容易になる。
前記アミノ基を有する有機フィラーの配合量は、組成物の固形分全量中0.01〜30質量%であることが好ましい。
(光硬化性樹脂)
本発明の硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂を含有してもよい。光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、公知慣用の感光性モノマーである光重合性オリゴマー、光重合性ビニルモノマー等を用いることができ、ラジカル重合性のモノマーやカチオン重合性のモノマーでもよい。また、光硬化性樹脂として、後述するようなエチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂等のポリマーを用いることができる。光硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記感光性モノマーとして、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する室温で液体、固体又は半固形の感光性(メタ)アクリレート化合物が使用できる。室温で液状の感光性(メタ)アクリレート化合物は、組成物の光反応性を上げる目的の他、組成物を各種の塗布方法に適した粘度に調整したり、アルカリ水溶液への溶解性を助ける役割も果たす。
感光性モノマーの二重結合当量は、400g/eq以下であることが好ましい。感光性モノマーは1種以上または2種以上の混合物でもよい。
光重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ビニルモノマーとしては、公知慣用のもの、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニルまたは安息香酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルイソブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、ビニル−n−アミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等のアリル化合物;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート類、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレート、;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート類;トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート等のイソシアヌルレート型ポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
光硬化性樹脂の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、1〜50質量%である。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明の硬化性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物、カルボキシル基含有樹脂、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物、チオール基を2個以上有する化合物が挙げられる。中でも、アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基含有樹脂またはフェノール樹脂であると、下地との密着性が向上するため好ましい。特に、現像性に優れるため、アルカリ可溶性樹脂はカルボキシル基含有樹脂であることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和基を有する感光性のアルカリ可溶性樹脂でも、エチレン性不飽和基を有さないアルカリ可溶性樹脂でもよい。アルカリ可溶性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(8)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(9)多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(13)上記(1)〜(12)等に記載のカルボキシル基含有樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ビフェニル骨格若しくはフェニレン骨格またはその両方の骨格を有する化合物や、フェノール、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール等を用いて合成した、様々な骨格を有するフェノール樹脂が挙げられる。
また、フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物などの公知慣用のフェノール樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂の市販品としては、例えば、HF1H60(明和化成社製)、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2131(大日本印刷社製)、ベスモールCZ−256−A(DIC社製)、シヨウノールBRG−555、シヨウノールBRG−556(昭和電工社製)、CGR−951(丸善石油社製)、ポリビニルフェノールのCST70、CST90、S−1P、S−2P(丸善石油社製)が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲が適当であり、より好ましくは45〜120mgKOH/gの範囲である。アルカリ可溶性樹脂の酸価が40mgKOH/g以上であるとアルカリ現像が容易となり、一方、200mgKOH/g以下である正常な硬化物パターンの描画が容易となるので好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、1,500〜150,000、さらには1,500〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が1,500以上の場合、タックフリー性能が良好であり、露光後の塗膜の耐湿性が良好で、現像時の膜減りを抑制し、解像度の低下を抑制できる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、現像性が良好で、貯蔵安定性にも優れる。
アルカリ可溶性樹脂の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、5〜50質量%である。
(光反応開始剤)
本発明の硬化性樹脂組成物は、光反応開始剤を含有することができる。光反応開始剤は、光照射により組成物を硬化できるものであればよく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤および光照射により塩基を発生する光塩基発生剤のうちのいずれか1種が好ましい。なお、光反応開始剤は、光照射によりラジカルと塩基の両方を発生する化合物でももちろんよい。光照射とは、波長350〜450nmの範囲の紫外線を照射することをいう。
光重合開始剤としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、熱硬化反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ化合物,N−ホルミル化芳香族アミノ化合物、N−アシル化芳香族アミノ化合物、ニトロベンジルカーバメイト化合物、アルコオキシベンジルカーバメート化合物等が挙げられる。なかでも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましく、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)がより好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。光塩基発生剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この他、光塩基発生剤としては、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
その他の光塩基発生剤として、WPBG−018(商品名:9−anthrylmethyl N,N’−diethylcarbamate)、WPBG−027(商品名:(E)−1−[3−(2−hydroxyphenyl)−2−propenoyl]piperidine)、WPBG−082(商品名:guanidinium2−(3−benzoylphenyl)propionate)、 WPBG−140(商品名:1−(anthraquinon−2−yl)ethyl imidazolecarboxylate)等を使用することもできる。
さらに、前述した光重合開始剤の一部の物質が光塩基発生剤としても機能する。光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤としては、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光反応開始剤の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、0.01〜30質量%である。
(硬化剤)
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含有することができる。硬化剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル基を有する化合物、活性エステル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、脂環式オレフィン重合体等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ザイロック型フェノールノボラック樹脂等の従来公知のものを用いることができる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の中でも、水酸基当量が100g/eq.以上のものが好ましい。水酸基当量が100g/eq.以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格フェノールノボラック樹脂(GDPシリーズ、群栄化学社製)、ザイロック型フェノールノボラック樹脂(MEH−7800、明和化成社製)、ビフェニルアラルキル型ノボラック樹脂(MEH−7851、明和化成社製)、ナフトールアラルキル型硬化剤(SNシリーズ、新日鉄住金社製)、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂(LA−3018−50P、DIC社製)、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂(LA−705N、DIC社製)などが挙げられる。
前記シアネートエステル基を有する化合物は、一分子中に2個以上のシアネートエステル基(−OCN)を有する化合物であることが好ましい。シアネートエステル基を有する化合物は、従来公知のものをいずれも使用することができる。シアネートエステル基を有する化合物としては、例えば、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、アルキルフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂が挙げられる。また、一部がトリアジン化したプレポリマーであってもよい。
市販されているシアネートエステル基を有する化合物としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、PT30S)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン社製、BA230S75)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、DT−4000、DT−7000)等が挙げられる。
前記活性エステル基を有する化合物は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物であることが好ましい。活性エステル基を有する化合物は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル基を有する化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。また、活性エステル基を有する化合物としては、ナフタレンジオールアルキル/安息香酸型でもよい。
市販されている活性エステル基を有する化合物としては、シクロペンタジエン型のジフェノール化合物、例えば、HPC8000−65T(DIC社製)、HPC8100−65T(DIC社製)、HPC8150−65T(DIC社製)が挙げられる。
前記マレイミド基を有する化合物は、マレイミド骨格を有する化合物であり、従来公知のものをいずれも使用できる。マレイミド基を有する化合物は、2以上のマレイミド骨格を有することが好ましく、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、1,2−ビス(マレイミド)エタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、2,2’−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、およびこれらのオリゴマー、ならびにマレイミド骨格を有するジアミン縮合物のうちの少なくとも何れか1種であることがより好ましい。前記オリゴマーは、上述のマレイミド基を有する化合物のうちのモノマーであるマレイミド基を有する化合物を縮合させることにより得られたオリゴマーである。
市販されているマレイミド基を有する化合物としては、BMI−1000(4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI−2300(フェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI−3000(m−フェニレンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI−5100(3,3’−ジメチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI−7000(4−メチル−1,3,−フェニレンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI−TMH((1,6−ビスマレイミド−2,2,4−トリメチル)ヘキサン、大和化成工業社製)、MIR−3000(ビフェニルアラルキル型マレイミド)などが挙げられる。
硬化剤の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、0.01〜30質量%である。
(熱可塑性樹脂)
本発明の硬化性樹脂組成物は、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルム化した場合に柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体、ゴム粒子等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、0.01〜10質量%である。
(着色剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、着色剤が含まれていてもよい。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒、白等の公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。着色剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のとおり、本発明おいては、光硬化性を向上させるために二重結合当量が小さい光硬化性樹脂を配合する場合であっても、密着性に優れることから、黒色着色剤や白色着色剤を好適に含有することができる。
着色剤の配合量は、例えば、組成物の固形分全量中、0.01〜10質量%である。
(有機溶剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、組成物の調製や、基板やキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリ
コールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。
(その他の任意成分)
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、酸化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、光開始助剤、増感剤、エラストマー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記被覆されたシリカ粒子以外の公知慣用の無機フィラーを含有してもよい。そのような無機フィラーとしては、例えば、前記被覆されたシリカ粒子以外のシリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機フィラーが挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、アミノ基を有する有機フィラー以外の有機フィラーを含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂組成物、光硬化性熱硬化性樹脂組成物、感光性熱硬化性樹脂組成物のいずれであってもよい。また、アルカリ現像型であってもよく、ネガ型でもポジ型でもよい。具体例としては、熱硬化性樹脂組成物、光硬化性熱硬化性樹脂組成物、光重合開始剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物、光塩基発生剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物、ネガ型光硬化性熱硬化性樹脂組成物およびポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物、アルカリ現像型光硬化性熱硬化性樹脂組成物、溶剤現像型光硬化性熱硬化性樹脂組成物、膨潤剥離型熱硬化性樹脂組成物、溶解剥離型熱硬化性樹脂組成物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の硬化性樹脂組成物が含有する任意成分は、硬化性や用途に合わせて、公知慣用の成分を選択すればよい。
例えば、本発明の硬化性樹脂組成物が、(光重合開始剤を含まない)熱硬化性樹脂組成物の場合、熱硬化性樹脂を含有する。また、硬化剤を含有することが好ましい。熱硬化性樹脂の配合量は、組成物の固形分全量中、1〜50質量%であることが好ましい。硬化促進剤の配合量は、組成物の固形分全量中、0.01〜30質量%であることが好ましい。硬化剤の配合量は、組成物の固形分全量中、0.01〜30質量%であるであることが好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物が、光硬化性熱硬化性樹脂組成物の場合、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂と光反応開始剤を含有する。アルカリ現像型にする場合は、光硬化性樹脂がアルカリ可溶性樹脂であってもよく、さらにアルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。アルカリ可溶性樹脂の配合量は、組成物の固形分全量中、5〜50質量%であることが好ましい。熱硬化性樹脂の配合量は、組成物の固形分全量中、1〜50質量%であることが好ましい。光硬化性樹脂(光硬化性であるアルカリ可溶性樹脂を除く)の配合量は、組成物の固形分全量中、1〜50質量%であることが好ましい。光反応開始剤の配合量は、組成物の固形分全量中、0.01〜30質量%であることが好ましい。硬化促進剤の配合量は、組成物の固形分全量中、0.01〜30質量%であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いてもよい。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより得られる樹脂層を有する。ドライフィルムを形成する際には、まず、本発明の硬化性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等により、キャリアフィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された組成物を、通常、40〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、樹脂層を形成することができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、3〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等を用いることができる。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。より好ましくは15〜130μmの範囲である。
キャリアフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した後、樹脂層の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、樹脂層の表面に、剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムやポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができる。カバーフィルムとしては、カバーフィルムを剥離するときに、樹脂層とキャリアフィルムとの接着力よりも小さいものであればよい。
なお、本発明においては、上記カバーフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面にキャリアフィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に本発明の硬化性
樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのいずれを用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いたプリント配線板の製造方法としては、従来公知の方法を用いればよい。アルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物の場合を例にすると、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基板上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布した後、60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることで、タックフリーの樹脂層を形成する。また、ドライフィルムの場合、ラミネーター等により樹脂層が基板と接触するように基板上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、基板上に樹脂層を形成する。
上記基板としては、あらかじめ銅等により回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネート等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので、全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。回路には、前処理が施されていてもよく、例えば、四国化成社製のGliCAP、メック社製のNew Organic AP(Adhesion promoter)、アトテックジャパン社製のNova Bond等で前処理を施し、ソルダーレジスト等の硬化被膜との密着性等を向上させたり、防錆剤で前処理を施してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
プリント配線板上に樹脂層を形成後、所定のパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像して硬化物のパターンを形成する。さらに、硬化物に活性エネルギー線を照射後加熱硬化(例えば、100〜220℃)、もしくは加熱硬化後活性エネルギー線を照射、または、加熱硬化のみで最終仕上げ硬化(本硬化)させることにより、密着性、硬度等の諸特性に優れた硬化膜を形成する。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、基板と非接触なマスクレス露光として投影レンズを使用した投影露光機や直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜450nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、電子部品に硬化膜を形成するために、特にはプリント配線板上に硬化膜を形成するために好適に使用され、より好適には、永久被膜を形成するために使用され、さらに好適には、ソルダーレジスト、層間絶縁層、カバーレイを形成するために使用される。また、高度な信頼性が求められるプリント配線板、例えばパッケージ基板、特にFC−BGA用の永久被膜(特にソルダーレジスト)の形成に好適である。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、回路表面の粗度が小さい配線パターンを備えるプリント配線板、例えば高周波用のプリント配線板にも好適に用いることができる。例えば、表面粗度Raが0.05μm以下、特に0.03μm以下であっても好適に用いることができる。また、低極性の基板、例えば、活性エステルを含む基板上に硬化膜を形成する場合にも好適に用いることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、着色剤を含有し、二重結合当量の小さい光硬化性樹脂を含有する場合であっても、密着性に優れたファインピッチのパターンを形成できることから、隔壁(溢れたアンダーフィルを堰き止めるためのダム)の形成やマーキングインキとして好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
[アルカリ可溶性樹脂の合成]
(アルカリ可溶性樹脂A−1)
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(商品名「ショーノールCRG951」、昭和高分子社製、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、不揮発分65%、固形物の酸価80mgKOH/gのカルボキシル基含有感光性樹脂A−1の溶液を得た。
(アルカリ可溶性樹脂A−2)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート700gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロン(EPICLON) N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6)1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。
次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、さらにトリフェニルホスフィン1.6gを追加し、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に、芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)562g、テトラヒドロ無水フタル酸684g(4.5モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート142.0g(1.0モル)を仕込み、115℃で4時間反応を行い、感光性のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。このようにして得られた樹脂溶液の固形分は65%、固形分の酸価は87mgKOH/gであった。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂をA−2と称す。
(アルカリ可溶性樹脂A−3)
エポキシ当量800、軟化点79℃のビスフェノールF型固型エポキシ樹脂400部を、エピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH81.2部を100分かけて添加した。添加後、さらに70℃で3時間反応を行なった。
次いで、過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH10部を加え70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290、軟化点62℃のエポキシ樹脂(a−1)370部を得た。
得られたエポキシ樹脂(a−1)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン2.8部、カルビトールアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルフォスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/gの反応物を得た。次に、これに無水コハク酸786部(7.86モル)、カルビトールアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応を行い、感光性のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。
このようにして得られた樹脂溶液の固形分は65%、固形分の酸価は100mgKOH/gであった。
[シリカ粒子の被覆および表面処理]
(ケイ素の水和酸化物で被覆されたシリカ粒子)
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP−20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、10%ケイ酸ナトリウム水溶液をシリカ粒子に対して、シリカ粒子換算で3%添加した。このスラリ−に塩酸を加えてpHを4とし、30分間熟成し、さらに、塩酸によりpHを7±1に調整した。このスラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、ケイ素の水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
(アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子)
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP−20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、20%アルミン酸ナトリウム(NaAlO)水溶液をシリカ粒子に対してアルミナ(Al)換算で2〜3%添加した。この後、20%水酸化ナトリウム水浴液を加え、pHを7に調整し、30分間熟成した。この後、スラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
(ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子)
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP−20M、平均粒径:400nm)50gの水スラリーを70℃に昇温後、10%ケイ酸ナトリウム水溶液をシリカ粒子に対して、シリカ粒子換算で1%添加した。このスラリ−に塩酸を加えてpHを4とし、30分間熟成し、さらに、塩酸によりpHを5±1に維持しながら、20%アルミン酸ナトリウム(NaAlO)水溶液をシリカ粒子に対してアルミナ(Al)換算で5%添加した。この後、20%水酸化ナトリウム水浴液を加え、pHを7に調整し、30分間熟成した。この後、スラリーをフィルタープレスにてろ過水洗し、真空乾燥し、ケイ素の水和酸化物およびアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子の固形物を得た。
(ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子)
上記で得られたケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子50gと、溶剤としてPMA48gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−503)1gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥によりメタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
(ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、エポキシシランで表面処理されたシリカ粒子)
上記で得られたケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子50gと、溶剤としてPMA48gと、エポキシ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−403)1gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥によりエポキシシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
(ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、フェニルアミノシランで表面処理されたシリカ粒子)
上記で得られたケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子50gと、溶剤としてPMA48gと、フェニルアミノ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−573)1gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥によりフェニルアミノシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
(フェニルアミノシランで表面処理されたシリカ粒子)
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP−20M、平均粒径:400nm)50gと、溶剤としてPMA48gと、フェニルアミノ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−573)1gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥によりフェニルアミノシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
(メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子)
球状シリカ粒子(デンカ社製SFP−20M、平均粒径:400nm)50gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)48gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−503)1gとを均一分散させて、濾過、水洗、真空乾燥により、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子の固形物を得た。
[有機フィラーの調製]
(ジシアンジアミド(DICY)スラリーの調製)
ジシアンジアミド70質量部、カルビトールアセテート30質量部を混合してロールミルで分散させてDICY分散品1を得た。得られたDICY分散品1の平均粒径および最大粒子径は、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIを使用し、カルビトールアセテートで計測適正濃度に希釈したサンプルを測定することで得た。このサンプルの測定の結果、レーザー回折法による測定値でD50の値が2μmであった。
(メラミンスラリー1の調製)
メラミン55質量部、カルビトールアセテート45質量部を混合してビーズミルで5時間分散させてメラミン分散品1を得た。得られたメラミン分散品1の平均粒径および最大粒子径は、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIを使用し、カルビトールアセテートで計測適正濃度に希釈したサンプルを測定することで得た。このサンプルの測定の結果、レーザー回折法による測定値でD50の値が0.3μmであり、D95の値が0.34μmであった。
(メラミンスラリー2の調製)
メラミン55質量部、カルビトールアセテート45質量部を混合してビーズミルで3時間分散させてメラミン分散品2を得た。得られたメラミン分散品2の平均粒径および最大粒子径は、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIを使用し、カルビトールアセテートで計測適正濃度に希釈したサンプルを測定することで得た。このサンプルの測定の結果、レーザー回折法による測定値でD50の値が0.3μmであり、D95の値が0.75μmであった。
(メラミンスラリー3の調製)
メラミン55質量部、カルビトールアセテート45質量部を混合してビーズミルで1時間分散させてメラミン分散品3を得た。得られたメラミン分散品3の平均粒径および最大粒子径は、日機装社製のMicrotrac MT3300EXIIを使用し、カルビトールアセテートで計測適正濃度に希釈したサンプルを測定することで得た。このサンプルの測定の結果、レーザー回折法による測定値でD50の値が0.7μmであり、D95の値が2μmであった。
[実施例1〜16、比較例1〜6]
下記表1〜3に示す種々の成分を表1〜3に示す割合(質量部)にて配合し、有機溶剤にて粘度調整後、攪拌機にて予備混合した後、ビーズミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。得られた分散液を目開き10μmの濾過フィルターに通し硬化性樹脂組成物を得た。尚、表中の割合(質量部)は固形分量を示す。
<ドライフィルムの作製>
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物にメチルエチルケトン300gを加えて希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、算術表面粗さRa150nmである厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製エンブレットPTH−25)上に塗布し、通常、80〜100℃の温度で15分間乾燥し、厚み25μmの樹脂層を形成した。次いで、樹脂層上に、厚み18μmのポリプロピレンフィルム(カバーフィルム、フタムラ社製OPP−FOA)を貼り合わせて、ドライフィルムを作製した。
<硬化膜の作製>
表面粗度Raが0.04μmのロープロファイルの銅箔上に、上記のようにして得られたドライフィルムからカバーフィルムを剥離して、GTS−MP箔(古河サーキットフォイル社製)の銅箔の光沢面側に、ドライフィルムの樹脂層を貼り合わせ、続いて、真空ラミネーター(名機製作所製 MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、90〜100℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、銅箔と樹脂層とを密着させた。
次に、実施例1〜6および比較例1については、ドライフィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、樹脂層を露出させた後、190℃で60分加熱して樹脂層を完全硬化させて硬化膜を作製した。
また、実施例7〜16および比較例2〜6については、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、ドライフィルム上から全面露光(露光量:400〜600mJ/cm)した後、ドライフィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、樹脂層を露出させた。その後、1重量%NaCO水溶液を用いて、30℃、スプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行った。続いて、高圧水銀灯を備えたUVコンベア炉にて1J/cmの露光量で樹脂層に照射した後、160℃で60分加熱して樹脂層を完全硬化させて硬化膜を作製した。
<Low Df材への密着性>
10GHzの誘電正接が約0.004である低伝送損失層間材(味の素社ABF GL102を使用した回路基板)上に、上記<硬化膜の作製>と同じ条件で硬化膜を作製した。JIS K5400に基づき、クロスカッターにより切込みが層間材に達する1mm角の碁盤目100個(10×10)を作り、その上にセロハンテープを完全に密着させ、引き離し、100個中何個密着しているか確認した。
◎:96/100以上
〇:61/100〜95/100
△:11/100〜60/100
×:10/100以下
<錫めっき耐性>
上記<硬化膜の作製>で得た硬化膜表面に、Mcdarmid Enthone社の錫めっきを約1μm形成する表面処理を行った後、染み込みおよび剥がれを確認した。
〇:染み込み、剥がれなし
△:染み込みによる変色あり
×:染み込みによる剥がれあり
<Low Df材上にL/S=10/10の配線デザインパターンのある基板でのBHAST耐性>
10GHzの誘電正接が約0.004で、L/S=10/10の配線パターンのある低伝送損失層間材(味の素社ABF GL102を使用した回路基板)上にメック社製低粗化前処理01CZで処理し、上記<硬化膜の作製>と同じ条件で硬化膜を作製した。130℃、85%、3Vの環境下での絶縁信頼性を保持できた時間を確認した。絶縁信頼性に優れると密着性に優れるとも言える。
◎:200時間以上
〇:150〜200時間
△:100〜150時間
×:100時間以内に短絡
Figure 2019178307
*1:合成例1で合成した感光性カルボキシル基含有樹脂(カルボキシル基当量=701g/eq、二重結合当量=816g/eq)
*2:合成例2で合成した感光性カルボキシル基含有樹脂(カルボキシル基当量=656g/eq、二重結合当量=645g/eq)
*3:合成例3で合成した感光性カルボキシル基含有樹脂(カルボキシル基当量=561g/eq、二重結合当量=1010g/eq)
*4:ダイセル社製ACA Z320感光性カルボキシル基含有樹脂(カルボキシル基当量=135g/eq、二重結合当量=450g/eq))
*5:日本化薬社製NC−6000
*6:昭和電工社製PETG
*7:DIC社製HP7200
*8:日本化薬社製NC−3000H
*9:三菱ケミカル社製YX−7400
*10:DIC社製EXB−8500−65T、活性エステル樹脂
*11:新日鉄住金化学社製FX−293、フェノキシ樹脂、
*12:IGM社製OmniradTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)
*13:BASFジャパン社製イルガキュアOXE02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)
*14:日本化薬社製DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
*15:上記で調製した有機フィラー(ジシアンジアミド(平均粒子径(D50)=2μm)
*16:上記で調製した有機フィラー(メラミン(平均粒子径(D50)=0.3μm、D95=0.34μm)
*17:上記で調製した有機フィラー(メラミン(平均粒子径(D50)=0.3μm、D95=0.75μm)
*18:上記で調製した有機フィラー(メラミン(平均粒子径(D50)=0.7μm、D95=2μm)
*19:トクシキ社製8711BLACK
*20:上記で調製した、ケイ素の水和酸化物で被覆されたシリカ粒子
*21:上記で調製した、アルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子
*22:上記で調製した、ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆されたシリカ粒子
*23:上記で調製した、ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子
*24:上記で調製した、ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、エポキシシランで表面処理されたシリカ粒子
*25:上記で調製した、ケイ素の水和酸化物で被覆された後にアルミニウムの水和酸化物で被覆され、かつ、フェニルアミノシランで表面処理されたシリカ粒子
*26:上記で調製した、フェニルアミノシランで表面処理されたシリカ粒子
*27:上記で調製した、メタクリルシランで表面処理されたシリカ粒子
*28:デンカ社製SFP−20M、平均粒径:400nm(シリカ)
*29:堺化学社製B−30(シリカアルミナ表面処理された硫酸バリウム)
Figure 2019178307
Figure 2019178307
上記表中に示す結果から、本発明の実施例1〜16の硬化性樹脂組成物は、低誘電正接材からなる基板に対するBHAST耐性に優れ、かつ錫めっき耐性に優れた硬化物を形成できることがわかる。

Claims (10)

  1. ケイ素の水和酸化物、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子、
    熱硬化性樹脂、および、
    アミノ基を有する有機フィラーを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記被覆されたシリカ粒子が、アルミニウムの水和酸化物、ジルコニアの水和酸化物、亜鉛の水和酸化物およびチタンの水和酸化物のうちの少なくともいずれか1種により被覆されたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記被覆されたシリカ粒子が、さらに、表面に硬化性反応基を有することを特徴とする請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記熱硬化性樹脂として、エポキシ当量が300g/eq以下のエポキシ化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、アルカリ可溶性樹脂と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和基を有する化合物と、を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂として、二重結合当量が1000g/eq以下のエチレン性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする請求項5記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記アミノ基を有する有機フィラーの平均粒子径が、0.01〜2μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、または、請求項8記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  10. 請求項9記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。

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