JP6135700B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造に関する。
特許文献1には、フロントピラーの下部前面からダッシュパネルのサイド側の下部前面に至る範囲に発泡ウレタンからなるエネルギ吸収部材を設けた構造が開示されている。この構造では、前面衝突時に衝突荷重を前輪からエネルギ吸収部材を介して複数の車体構成部材に伝達させようとしている。
特開2002−249079号公報
しかしながら、上記先行技術であっても、例えば、微小ラップ衝突等の前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの接合部位に向けて前輪が後退した場合には、その接合部位に剥離方向の荷重が作用してしまうので、ダッシュパネルとフロントピラーとの剥離を抑制する点において改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの剥離を抑制することができる車体前部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車体前部構造は、車室前部の車両幅方向外側の端部に車両上下方向に沿って配置され、その車両幅方向内側の端部に車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在する内側縦壁部を備えたピラーインナパネルを有し、前記内側縦壁部の下部に孔部が貫通形成されたフロントピラーと、車室前壁を構成して前記フロントピラーに車両幅方向外側の端部が接合されたダッシュパネルを備え、車室と、前記車室の車両前方側に位置するパワーユニット室と、を隔成するダッシュ部と、前記ダッシュ部の車両幅方向外側の部位の車両後方側を向く面に固定されたダッシュ側構成部と、前記ピラーインナパネルの内側縦壁部の車両幅方向外側を向く面に固定されたピラー側構成部と、前記ダッシュ側構成部及び前記ピラー側構成部の少なくとも一方に繋がって前記孔部を貫通すると共に前面衝突時に前記ダッシュ側構成部に作用した荷重を前記ピラー側構成部に伝達する位置に設定された中間構成部と、を備えた荷重伝達部と、を有する。
上記構成によれば、荷重伝達部のダッシュ側構成部は、ダッシュ部の車両幅方向外側の部位の車両後方側を向く面に固定されている。このため、前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの接合部位の車両前方側からダッシュ部が押圧されると、ダッシュ部及び荷重伝達部のダッシュ側構成部には車両後方側への荷重が作用すると共にフロントピラーから離反する方向である車両幅方向内側への荷重が作用する。
ここで、荷重伝達部は、ダッシュ側構成部に加えてピラー側構成部及び中間構成部を備えている。そして、ピラー側構成部は、ピラーインナパネルの内側縦壁部の車両幅方向外側を向く面に固定され、中間構成部は、ダッシュ側構成部及びピラー側構成部の少なくとも一方に繋がって内側縦壁部の孔部を貫通すると共に前面衝突時にダッシュ側構成部に作用した荷重をピラー側構成部に伝達する。つまり、荷重伝達部を荷重伝達経路の一部とした荷重負担が可能となり、その分、前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの接合部位に作用する荷重が低減される。
請求項2に記載する本発明の車体前部構造は、請求項1記載の構成において、前記荷重伝達部は、前記ダッシュ側構成部を備えたダッシュ側部材と、前記ピラー側構成部を備えたピラー側部材と、の二部材で構成され、前記ダッシュ側部材又は前記ピラー側部材が前記中間構成部を備えており、前記ピラー側部材の車両前方側の端部が車両前方側へ延びると共に、前記ダッシュ側部材の車両幅方向外側の端部には、車両後方側へ突出すると共に前記ピラー側部材の車両前方側の端部より車両幅方向外側に位置する後方突出部が形成されている。
上記構成によれば、荷重伝達部は、ダッシュ側部材とピラー側部材との二部材で構成されており、ダッシュ側部材がダッシュ部の車両幅方向外側の部位に固定されると共にピラー側部材がピラーインナパネルの内側縦壁部に固定されるので、一部材で荷重伝達部を構成する場合に比べて組付性が良い。また、ピラー側部材の車両前方側の端部が車両前方側へ延びているのに対して、ダッシュ側部材の車両幅方向外側の端部に形成された後方突出部は、車両後方側へ突出すると共にピラー側部材の車両前方側の端部より車両幅方向外側に位置している。このため、前面衝突時にダッシュ側部材がダッシュ部の車両幅方向外側の部位と共に車両後方斜め車両幅方向内側に移動すると、ダッシュ側部材の後方突出部がピラー側部材の車両前方側の端部に係合し、ダッシュ側部材に作用する荷重がピラー側部材に伝達される。
請求項3に記載する本発明の車体前部構造は、請求項2記載の構成において、前記ピラー側部材は、前記ピラー側構成部の車両前方側の端部から車両幅方向内側に延びる部位を含んで構成された前記中間構成部を備えると共に、前記中間構成部には車両幅方向内側の端部に車両前方側へ突出した前方突出部が形成され、前記ダッシュ側部材の前記後方突出部は、前記ピラー側部材の前記前方突出部よりも車両幅方向外側に位置している。
上記構成によれば、前面衝突時には、ダッシュ側部材がダッシュ部を介して衝突荷重を受ける範囲と車両正面視で重なる範囲内でダッシュ側部材の後方突出部をピラー側部材の前方突出部に係合させることができる。このため、前面衝突時の衝突荷重はダッシュ側部材からピラー側部材に安定的に伝達される。従って、荷重伝達部を二部材で構成しても前面衝突時におけるダッシュパネルとフロントピラーとの剥離を安定的に抑制することができる。
請求項4に記載する本発明の車体前部構造は、請求項3記載の構成において、前記後方突出部及び前記前方突出部の一方には、その突出方向側に開口して車両側面視で半円状の切欠部が形成され、前記後方突出部及び前記前方突出部の他方と当該他方に連続する部位とで車両平面視でL字状の曲がり部が形成されると共に、前記曲がり部は、前記切欠部の形成位置に対応する車両上下方向の範囲内に設定されている。
上記構成によれば、前面衝突時に衝突荷重の入力方向にばらつきがあってダッシュ側部材が車両側面視で傾倒しても、後方突出部及び前方突出部の一方に形成された切欠部の内側に後方突出部及び前方突出部の他方に連続する部位が入り込むことで、後方突出部及び前方突出部の一方に形成された切欠部の周囲部と、後方突出部及び前方突出部の他方とを、安定的に係合させることができる。
請求項5に記載する本発明の車体前部構造は、請求項3記載の構成において、前記後方突出部には、車両幅方向に貫通する円形状の貫通孔が形成され、前記ピラー側部材は、前記貫通孔を貫通する前記中間構成部を備える。
上記構成によれば、前面衝突時に衝突荷重の入力方向にばらつきがあってダッシュ側部材が車両側面視で傾倒しても、ダッシュ側部材の後方突出部における貫通孔の周囲部をピラー側部材の前方突出部に安定的に係合させることができる。
請求項6に記載する本発明の車体前部構造は、請求項1記載の構成において、前記荷重伝達部は、前記ダッシュ側構成部と前記中間構成部と前記ピラー側構成部とを備えた一部材で構成されている。
上記構成によれば、前面衝突時の衝突荷重がダッシュ側構成部に作用した当初から、衝突荷重をダッシュ側構成部から中間構成部を介してピラー側構成部に伝達させることができる。
以上説明したように、本発明の車体前部構造によれば、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの剥離を抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造を示す斜視図である。 図1の2−2線に沿って切断した状態を拡大して示す拡大平断面図である。 図2に示されるダッシュ側部材、ピラー側部材及び取付用のブラケットを拡大して示す分解斜視図である。 図2と同じ切断面で前面衝突時の状態を示す平断面図である。 ピラー側部材をピラーインナパネルに固定するための部材の変形例を示す斜視図である。図5(A)は第1の変形例を示す。図5(B)は第2の変形例を示す。 ダッシュ側部材及びピラー側部材の第1の変形例を示す分解斜視図である。 ダッシュ側部材及びピラー側部材の第2の変形例を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造を示す平断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造を示す平断面図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造について図1〜図4を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。また、以下の説明で、特記することなく前後、上下、左右の方向を記載した場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向(車両幅方向)の左右を示すものとする。
図1には、本実施形態に係る車体前部構造10が適用された自動車(車両)12の車体左側の一部が車両幅方向外側斜め前方側から見た状態の斜視図で示されている。なお、この図中では、車体右側の図示を省略するが、車体前部構造10は、基本的には左右対称に構成されている。
この図に示されるように、車室14の前部の車両幅方向外側の端部には、車両上下方向に沿ってフロントピラー20が配置されている。フロントピラー20は、ロッカ16の前端部から車両上方側へ立設されており、ロッカ16は、車両側部12Aの下部において車両前後方向に沿って延在している。また、フロントピラー20の上端部は、ルーフサイドレール(図示省略)の前端部に接続されており、前記ルーフサイドレールは、車両側部12Aの上部において車両前後方向に沿って延在している。なお、ロッカ16の長手方向中間部からはセンタピラー(図示省略)が車両上方側へ立設されており、前記センタピラーの上端部は前記ルーフサイドレールの長手方向中間部に接続されている。
フロントピラー20、ロッカ16、前記ルーフサイドレール及び前記センタピラーは、いずれも閉断面構造の車体骨格部材とされ、ドア開口部18を構成している。換言すれば、フロントピラー20は、ドア開口部18の前縁側で車両上下方向に沿って配置されている。ドア開口部18は、車室外と車室内とを連通させており、サイドドア(図示省略)によって開閉されるようになっている。
図2には、図1の2−2線に沿って切断した状態の拡大平断面図が示されている。フロントピラー20は、車室内側に配置されてフロントピラー20の内板を構成するピラーインナパネル22と、このピラーインナパネル22の車室外側に配置されてフロントピラー20の外板を構成するピラーアウタパネル24と、を備えている。
ピラーインナパネル22は、車両平面視での断面形状が車両幅方向外側へ開口部を向けたハット状に形成され、車両前方側の端部に形成された前フランジ部22Aと、車両後方側の端部に形成された後フランジ部22Bと、を備えている。これに対して、ピラーアウタパネル24は、概ね車両前後方向及び車両上下方向に延びる略平板状、より具体的には車両平面視で車両前後方向の中間部が車両幅方向外側に僅かに凹んだ形状に形成されている。このピラーアウタパネル24は、車両前方側の端部に形成された前フランジ部24Aと、車両後方側の端部に形成された後フランジ部24Bと、を備えている。
また、ピラーインナパネル22の前フランジ部22Aとピラーアウタパネル24の前フランジ部24Aとが溶接により接合され、ピラーインナパネル22の後フランジ部22Bとピラーアウタパネル24の後フランジ部24Bとが溶接により接合されている。これらの接合によってピラーインナパネル22とピラーアウタパネル24とで略車両上下方向に沿って延在する閉断面部20Xが形成されている。なお、ピラーアウタパネル24の車両幅方向外側には、サイドアウタパネル(図示省略)の一部が配置されている。
また、ピラーインナパネル22は、前フランジ部22Aの車両後方側の端部から曲げられて車両幅方向内側に延びる前壁部22Cと、後フランジ部22Bの車両前方側の端部から曲げられて車両幅方向内側に延びる後壁部22Dと、を備えている。前壁部22C及び後壁部22Dは、車両前後方向に互いに対向配置され、車両平面視で車両幅方向内側へ向けて互いに接近する方向に若干傾斜している。前壁部22Cの車両幅方向内側の端部と後壁部22Dの車両幅方向内側の端部とは、内側縦壁部22Eによって車両前後方向に繋がれている。ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eは、フロントピラー20の車両幅方向内側の端部において車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在している。
内側縦壁部22Eの車両前後方向中間部の前寄りには、孔部22Hが貫通形成されている。孔部22Hは、前輪28の上下方向中間部に対応する車両上下方向位置、すなわち内側縦壁部22Eの下部に設定されている。なお、前輪28は、回転軸線に垂直な円板部を有するホイール28Aと、ホイール28Aの外周部に保持されるタイヤ28Bと、を備えている。ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの孔部22Hは、車両側面視で車両前方側を円弧部とする半円状(D字状)に形成されている。また、内側縦壁部22Eの車両幅方向内側にはエクステンション26が配置されており、このエクステンション26は、内側縦壁部22Eにおける孔部22Hの車両後方側に取り付けられている。エクステンション26の後部は、フロントピラー20の閉断面部20Xに対して車両幅方向内側かつ車両後方側に張り出しており、ECU(図示省略)が取り付けられている。
左右のフロントピラー20の間には、ダッシュパネル32とダッシュクロスメンバ34とを含んで構成されたダッシュ部30が配置されている。ダッシュ部30は、車室14と、車室14の車両前方側に位置するパワーユニット室36と、を隔成しており、ダッシュパネル32は、車室前壁を構成して左右のフロントピラー20の内側縦壁部22E間に配置されている。ダッシュパネル32の車両幅方向外側の端部には車両後方側に延出されたサイドフランジ部32Fが形成されている。ダッシュパネル32のサイドフランジ部32Fは、エクステンション26及びフロントピラー20の内側縦壁部22Eの車両前後方向中間部(より詳細には孔部22Hよりも車両後方側の部位)にスポット溶接により接合されている。
図1及び図2に示されるように、ダッシュパネル32の前面下部には、車両幅方向に沿って延在する長尺状のダッシュクロスメンバ34が配置されている。図1に示されるように、ダッシュクロスメンバ34は、その長手方向の両端部を除く部位が車両側面視で車両後方側へ開口部を向けたハット状に形成され、車両上方側の端部に形成された上フランジ部34Aと、車両下方側の端部に形成された下フランジ部34Bと、を備えている。ダッシュクロスメンバ34の上フランジ部34A及び下フランジ部34Bは、ダッシュパネル32の前面下部にスポット溶接等により接合されている。これにより、ダッシュクロスメンバ34は、ダッシュパネル32とで閉断面部30X(図2参照)を形成している。
ダッシュクロスメンバ34は、上フランジ部34Aの車両下方側の端部から曲げられて車両前方側に延びる上壁部34Cと、下フランジ部34Bの車両上方側の端部から曲げられて車両前方側に延びる下壁部(図示省略)と、を備えている。上壁部34C及び前記下壁部は、車両上下方向に互いに対向配置され、車両側面視で車両前方側へ向けて互いに接近する方向に若干傾斜している。上壁部34Cの車両前方側の端部と前記下壁部の車両前方側の端部とは、前壁部34Eによって車両上下方向に繋がれている。前壁部34Eは、車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在している。
ダッシュクロスメンバ34は、長手方向の両端側に側部フランジ部34Sを備えている。図2に示されるように、側部フランジ部34Sは、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの前端部(孔部22Hよりも車両前方側の部位)及び前壁部22Cにスポット溶接により接合されている。また、ダッシュパネル32とダッシュクロスメンバ34とで形成した閉断面部30Xの内部空間に対しては、前述したフロントピラー20の内側縦壁部22Eに貫通形成された孔部22Hが臨んでいる。
ダッシュ部30の閉断面部30Xとフロントピラー20の閉断面部20Xとに跨がる範囲には、荷重伝達部40が設定されている。荷重伝達部40は、ダッシュ側構成部40Aを構成するダッシュ側部材42と、ピラー側構成部40B及び中間構成部40Cを構成するピラー側部材44と、の二部材で構成されている。図3には、ダッシュ側部材42及びピラー側部材44が分解斜視図で示されている。
ダッシュ側部材42は、一例として金属製の板状部材で構成され、車両平面視の形状がL字状とされると共に、車両幅方向に長い部材とされている。図2に示されるように、ダッシュ側部材42は、ダッシュクロスメンバ34(ダッシュ部30)の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zの車両後方側を向く面34Rに隣接配置されている。
このダッシュ側部材42は、ダッシュ部30への組付状態でダッシュクロスメンバ34の前壁部34Eに沿って車両幅方向に延在する基板部42Aを備えている。そして、この基板部42Aは、ダッシュクロスメンバ34の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zの車両後方側を向く面34Rに重ねられて、当該車両幅方向外側の部位34Zにスポット溶接により固定されている。なお、図3に示されるダッシュ側部材42の基板部42Aに貫通形成された通孔42Hは、スポット溶接の際の基準孔である。
図2及び図3に示されるように、ダッシュ側部材42の車両幅方向外側の端部には、基板部42Aの車両幅方向外側の端部から曲げられて車両後方側へ突出する後方突出部42Bが形成されている。ダッシュ側部材42の後方突出部42Bには、車両後方側(後方突出部42Bの突出方向側)に開口して車両側面視で半円状に切り欠かれた切欠部42Cが形成されている。
一方、ピラー側部材44は、一例として金属製とされ、車両幅方向に比べて車両前後方向に長い部材とされると共に、車両上下方向の寸法がダッシュ側部材42の切欠部42Cの開口端における車両上下方向の寸法よりも小さく設定されている。図2に示されるように、ピラー側部材44は、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの車両幅方向外側を向く面22Sに隣接配置されて当該内側縦壁部22Eにブラケット46を介して固定された基板部44Aを備えている。基板部44Aは、荷重伝達部40のピラー側構成部40Bを構成し、フロントピラー20への組付状態でピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eに沿って車両前後方向及び車両上下方向に延在すると共に車両前後方向を長手方向として配置されている。
ピラー側部材44をピラーインナパネル22に固定するためのブラケット46は、図3に示されるように、車両正面視での形状が車両幅方向内側へ開口部を向けたハット状に形成されると共に、車両前後方向を長手方向として配置されている。すなわち、ブラケット46は、車両幅方向内側へ開口部を向けて車両前後方向に延在する凹溝形成部46Xと、車両上方側の端部に形成された上フランジ部46Aと、車両下方側の端部に形成された下フランジ部46Bと、を備えている。なお、図3では、ピラー側部材44が固着された状態のブラケット46を二点鎖線で示している。
凹溝形成部46Xは、上フランジ部46Aの車両下方側の端部から曲げられて車両幅方向外側に延びる上壁部46Cと、下フランジ部46Bの車両上方側の端部から曲げられて車両幅方向外側に延びる下壁部46Dと、を備えている。上壁部46Cの車両幅方向外側の端部と下壁部46Dの車両幅方向外側の端部とは、外側縦壁部46Eによって車両上下方向に繋がれている。外側縦壁部46Eは、車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在し、車両前後方向を長手方向として配置されている。
凹溝形成部46Xの溝深さ(車両幅方向の凹み量)は、ピラー側部材44の基板部44Aの車両幅方向の厚みと同等に設定されている。また、凹溝形成部46Xの車両上下方向の開口幅は、ピラー側部材44の基板部44Aの車両上下方向の幅よりもやや大きく設定されている。そして、凹溝形成部46Xの凹溝内側にピラー側部材44の基板部44Aが配置されると共に、外側縦壁部46Eにピラー側部材44の基板部44Aがアーク溶接により固定されている。また、上フランジ部46A及び下フランジ部46Bは、図2に示されるピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの後部(孔部22Hよりも車両後方側の部位)における車両幅方向外側を向く面22Sに重ねられて、内側縦壁部22Eにスポット溶接により固定されている(図示省略)。
また、ピラー側部材44は、基板部44Aに繋がって孔部22Hを貫通する前側構成部44Xを備えている。ピラー側部材44の前側構成部44Xは、基板部44Aの車両前方側の端部から車両幅方向内側に延びる内方延出部44Bを含んで構成され、車両幅方向内側の端部には車両前方側へ突出した前方突出部44Cが形成されている。前方突出部44Cは、本実施形態では内方延出部44Bの車両幅方向内側の端部から曲げられて車両前方側へ延びている。すなわち、前方突出部44Cと当該前方突出部44Cに連続する部位(内方延出部44B)とで車両平面視でL字状の曲がり部44Lが形成されている。また、このピラー側部材44の車両前方側の端部すなわち前方突出部44Cは、ダッシュ側部材42の後方突出部42Bよりも車両幅方向内側に位置し、曲がり部44Lは、後方突出部42Bの切欠部42Cの形成位置に対応する車両上下方向の範囲内に設定されている。
また、図3に示されるように、前方突出部44Cは、内方延出部44Bの略矩形の棒状部分における車両幅方向内側の端部に対して車両上下方向及び車両前方側に張り出して車両側面視で車両前方側を円弧部とする半円状(D字状)に形成された半円張出部44D(広義には「引掛け形状部」として把握される要素である。)の一部を構成している。ピラー側部材44の半円張出部44Dとダッシュ側部材42の後方突出部42Bとは、前面衝突時に互いに係合可能なラッチ構造を構成している。なお、半円張出部44Dは、切欠部42Cよりも若干小さく設定されている。
以上説明した図2に示されるピラー側部材44の前側構成部44Xは、荷重伝達部40の中間構成部40Cを構成し、前面衝突時にダッシュ側部材42(ダッシュ側構成部40A)に作用した荷重を受けてピラー側部材44の基板部44A(ピラー側構成部40B)に伝達する位置に設定されている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。なお、以下においては、自動車12の車両幅方向一方側に衝突体(バリア)が前面衝突する場合の作用を主に説明する。このような前面衝突としては、微小ラップ衝突やオフセット衝突を挙げることができる。微小ラップ衝突とは、自動車のフロントサイドメンバよりも車両幅方向外側の部分が衝突体と衝突する衝突形態をいう。
自動車12が微小ラップ衝突等の前面衝突をすると、その際の衝突荷重によって前輪28の一部がダッシュパネル32の車両幅方向外側の部位とフロントピラー20との間に向けて後退する。この前輪28によって、ダッシュ部30及びフロントピラー20には車両後方側への荷重が作用すると共に、図4に示されるように、ダッシュ部30には車両幅方向内側への荷重f1が作用し、フロントピラー20には車両幅方向外側への荷重f2が作用する。
また、本実施形態では、図2に示されるように、ダッシュクロスメンバ34(ダッシュ部30)の車両幅方向外側の部位34Zの車両後方側を向く面34Rに荷重伝達部40のダッシュ側構成部40Aが固定されている。このため、前面衝突時にダッシュパネル32とフロントピラー20との接合部位の車両前方側からダッシュ部30が押圧されると、ダッシュ部30及び荷重伝達部40のダッシュ側構成部40Aには車両後方側への荷重が作用すると共に図4に示されるようにフロントピラー20から離反する方向である車両幅方向内側への荷重f1が作用する。
ここで、図2に示されるように、荷重伝達部40は、ダッシュ側構成部40Aに加えてピラー側構成部40B及び中間構成部40Cを備えている。そして、ピラー側構成部40Bは、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの車両幅方向外側を向く面22Sに固定され、中間構成部40Cは、ピラー側構成部40Bに繋がって内側縦壁部22Eの孔部22Hを貫通すると共に前面衝突時にダッシュ側構成部40Aに作用した荷重を受けてピラー側構成部40Bに伝達する。つまり、荷重伝達部40を荷重伝達経路の一部とした荷重負担が可能となり、その分、前面衝突時にダッシュパネル32とフロントピラー20との接合部位に作用する荷重が低減される。
また、図4に示されるように、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eには車両幅方向外側への荷重f2が作用しており、ピラー側構成部40Bは、そのような内側縦壁部22Eの車両幅方向外側を向く面22Sの側に固定されているので、ダッシュ側構成部40Aから中間構成部40Cを介してピラー側構成部40Bに対して車両幅方向内側への荷重f1が作用しても、ピラー側構成部40Bの車両幅方向内側への変位は抑制される。また、ピラー側構成部40Bに対して車両幅方向内側へ向けた荷重f1が作用した場合、ブラケット46とピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eとの結合部には圧縮方向の荷重が作用するので、前記結合部の剥離も効果的に抑制される。
また、本実施形態では、図2に示されるように、荷重伝達部40は、ダッシュ側部材42とピラー側部材44との二部材で構成されており、ダッシュ側部材42がダッシュ部30(ダッシュクロスメンバ34)の車両幅方向外側の部位34Zに固定されると共にピラー側部材44がピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eに固定されるので、一部材で荷重伝達部を構成する場合に比べて接合工程での組付性が良い。
また、ピラー側部材44の車両前方側の端部(前方突出部44C)が車両前方側へ延びているのに対して、ダッシュ側部材42の車両幅方向外側の端部に形成された後方突出部42Bは、車両後方側へ突出すると共に、ピラー側部材44の車両前方側の端部(前方突出部44C)より車両幅方向外側に位置している。このため、前面衝突時にダッシュ側部材42がダッシュ部30の車両幅方向外側の部位と共に車両後方斜め車両幅方向内側に移動すると、ダッシュ側部材42の後方突出部42Bがピラー側部材44の車両前方側の端部(前方突出部44C)に係合し、ダッシュ側部材42に作用する荷重がピラー側部材44に伝達される。
また、本実施形態では、ピラー側部材44の前側構成部44X(荷重伝達部40の中間構成部40C)は、基板部44A(ピラー側構成部40B)の車両前方側の端部から車両幅方向内側に延びる内方延出部44Bを含んで構成されると共に、車両幅方向内側の端部に車両前方側へ突出した前方突出部44Cが設定されている。そして、このピラー側部材44の前方突出部44Cよりも車両幅方向外側にダッシュ側部材42の後方突出部42Bが位置している。このため、前面衝突時には、図4に示されるように、ダッシュ側部材42がダッシュ部30のダッシュクロスメンバ34を介して衝突荷重を受ける範囲と車両正面視で重なる範囲内で、ダッシュ側部材42の後方突出部42Bをピラー側部材44の前方突出部44Cに係合させることができる。このため、前面衝突時の衝突荷重はダッシュ側部材42からピラー側部材44に安定的に伝達される。従って、荷重伝達部40を二部材で構成しても前面衝突時におけるダッシュパネル32とフロントピラー20との剥離を安定的に抑制することができる。
また、本実施形態では、図2に示されるダッシュ側部材42の後方突出部42Bには、車両後方側に開口して車両側面視で半円状の切欠部42Cが形成され、ピラー側部材44の曲がり部44Lは、切欠部42Cの形成位置に対応する車両上下方向の範囲内に設定されている。このため、前面衝突時に衝突荷重の入力方向にばらつきがあってダッシュ側部材42が車両側面視で傾倒しても、ダッシュ側部材42の切欠部42Cの内側にピラー側部材44の曲がり部44Lの一部(内方延出部44Bの車両幅方向内側の部位)が入り込むことで、ダッシュ側部材42の後方突出部42Bにおける切欠部42Cの周囲部(係合部)を、ピラー側部材44の前方突出部44C(被係合部)に安定的に係合させることができる(ロバスト性の向上)。
また、本実施形態では、図3に示されるように、半円張出部44Dの一部が前方突出部44Cとされているので、ダッシュ側部材42の車両側面視での傾倒の程度によっては、半円張出部44Dの上端部や下端部にも切欠部42Cの周囲部(係合部)の一部を係合させることができる。
また、ピラー側部材44の基板部44Aは、ブラケット46の凹溝形成部46Xの内側に配置されているので、ピラー側部材44に対して、車両上下方向の荷重が作用しても、ピラー側部材44の保持状態が強固に維持される。
以上説明したように、図2等に示された本実施形態の車体前部構造10によれば、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネル32とフロントピラー20との剥離を抑制することができる。
補足説明すると、ダッシュパネル32とフロントピラー20とのスポット溶接による結合部は、せん断方向への荷重入力があった場合よりも剥離方向への荷重入力があった場合のほうが剥離し易いが、本実施形態では前輪28の後退によって剥離方向に荷重が入力されても、ダッシュパネル32とフロントピラー20との剥離を抑制することができる。また、本実施形態のように荷重伝達部40を設定することで、ダッシュパネル32とフロントピラー20とのスポット溶接点の数を増やすために構造を変えたりスペースを確保したりする必要もない。
さらに、本実施形態の構成では、荷重伝達部40のダッシュ側構成部40Aがダッシュクロスメンバ34の車両幅方向外側の部位34Zの車両後方側を向く面34Rに隣接配置されているので、前輪28とダッシュ部30の車両幅方向外側の部位との間のスペースを狭める必要もない。
なお、本実施形態の構成では、側面衝突時には、基本的にピラー側部材44とダッシュ側部材42とは干渉しない。このため、荷重伝達部40を設定しても車体側部の構造として不要な補強になることを回避できる。すなわち、不要な補強によって周辺構造部の剛性設定の変更が必要になってしまう等の事態を避けられる。
[変形例]
次に、変形例について説明する。
図5には、ピラー側部材44をピラーインナパネル22(図2参照)に固定するための部材の変形例が示されている。すなわち、上記第1の実施形態の変形例として、図3に示されるブラケット46に代えて、図5(A)に示されるブラケット50や図5(B)に示される取付パネル52が配置されてもよい。
図5(A)に示されるブラケット50は、車両前後方向を長手方向として配置され、その上下方向中間部にハット状部50Hを備えている。ハット状部50Hは、車両正面視での形状が車両幅方向外側へ開口部を向けたハット状に形成され、その上下方向中間部に車両幅方向外側へ開口部を向けて車両前後方向に延在する凹溝形成部50Xが形成されている。凹溝形成部50Xは、上記第1の実施形態の図3に示されるブラケット46の凹溝形成部46Xを左右反転させた形状とされている。そして、図5(A)に示されるように、凹溝形成部50Xの凹溝内側にピラー側部材44の基板部44Aが配置されると共に、凹溝形成部50Xの内側縦壁部50Eにピラー側部材44の基板部44Aがアーク溶接により固定されている。
ブラケット50は、車両上方側の端部において車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在する上フランジ部50Aと、上フランジ部50Aの車両下方側の端部とハット状部50Hの車両上方側の端部とを繋ぐ上壁部50Cと、を備えている。また、ブラケット50は、車両下方側の端部において車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在する下フランジ部50Bと、下フランジ部50Bの車両上方側の端部とハット状部50Hの車両下方側の端部とを繋ぐ下壁部50Dと、を備えている。また、上フランジ部50A及び下フランジ部50Bは、図2に示されるピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの後部における車両幅方向外側を向く面22Sに重ねられて、内側縦壁部22Eにスポット溶接により固定される。
一方、図5(B)に示される取付パネル52は、矩形の平板状に形成され、その車両上下方向の長さがピラー側部材44の基板部44Aの車両上下方向の長さよりも長く設定されている。取付パネル52の車両上下方向の中間部52Cには、その車両幅方向外側を向く面に重ねられたピラー側部材44の基板部44Aがアーク溶接により固定されている。取付パネル52の上部52A及び下部52Bは、図2に示されるピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの後部における車両幅方向外側を向く面22Sに重ねられて、内側縦壁部22Eにスポット溶接により固定される。
図5(A)及び図5(B)に示される変形例では、前面衝突時にピラー側部材44にダッシュ側部材42(図4参照)が係合してピラー側部材44に対して車両幅方向内側への荷重が作用した場合、図5(A)の変形例のブラケット50とピラー側部材44との接合面及び図5(B)の変形例の取付パネル52とピラー側部材44との接合面には、圧縮荷重が作用する。このため、ピラー側部材44の保持状態が強固に維持される。また、図5(A)に示される変形例では、凹溝形成部50Xの凹溝内側にピラー側部材44の基板部44Aが配置されているので、上記第1の実施形態の場合と同様に、ピラー側部材44に対して、車両上下方向の荷重が作用しても、ピラー側部材44の保持状態が強固に維持される。
図6及び図7には、荷重伝達部を構成する二部材の変形例が分解斜視図で示されている。すなわち、上記第1の実施形態の変形例として、図3に示されるダッシュ側部材42に代えて図6に示されるダッシュ側部材56が配置されると共に図3に示されるピラー側部材44に代えて図6に示されるピラー側部材58が配置されてもよい。また、上記第1の実施形態の他の変形例として、図3に示されるダッシュ側部材42に代えて図7に示されるダッシュ側部材62が配置されると共に図3に示されるピラー側部材44に代えて図7に示されるピラー側部材64が配置されてもよい。
図6に示されるダッシュ側部材56は、この変形例の荷重伝達部54のダッシュ側構成部54Aを構成する。ダッシュ側部材56は、金属製の板状部材で構成されると共に、車両平面視の形状がL字状とされ、車両幅方向に沿って配置される基板部56Aと、基板部56Aの車両幅方向外側の端部から曲げられて車両後方側へ突出する後方突出部56Bと、を備えている。ダッシュ側部材56は、上記第1の実施形態の図2に示されるダッシュ側部材42と同様の位置に配置され、上記第1の実施形態と同様に基板部56A(図6参照)がダッシュクロスメンバ34(ダッシュ部30)の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zにスポット溶接により固定されている。
図6に示される後方突出部56Bは、その車両幅方向内側の面が車両後方側へ向けて車両幅方向内側に傾斜しており、突出先端部のほうが基板部56Aの側の基端部よりも車両幅方向の寸法が大きく設定されている。また、後方突出部56Bにおける基板部56Aからの車両後方側への突出長さは上記第1の実施形態の図2に示される後方突出部42Bにおける基板部42Aからの車両後方側への突出長さよりも短く設定されている。
一方、図6に示されるピラー側部材58は、荷重伝達部54のピラー側構成部54B及び中間構成部54Cを構成する。このピラー側部材58も、金属製の板状部材で構成され、車両平面視の形状は概ね上記第1の実施形態の図2に示されるピラー側部材44と同様の形状とされると共に、図6に示されるように、車両上下方向の長さがダッシュ側部材56の車両上下方向の長さと同様に設定されている。
ピラー側部材58は、上記第1の実施形態の基板部44A(図2参照)と実質的に同様の構成部である基板部58Aと、上記第1の実施形態の内方延出部44B(図2参照)と実質的に同様の構成部である内方延出部58Bと、上記第1の実施形態の前方突出部44C(図2参照)と実質的に同様の構成部である前方突出部58Cと、を備えている。また、ピラー側部材58の車両前方側の部位を構成する前側構成部58Xは、内方延出部58Bと前方突出部58Cとを備え、上記第1の実施形態の前側構成部44X(図2参照)と実質的に同様の構成部とされている。前方突出部58Cは、その車両幅方向外側の面が車両前方側へ向けて車両幅方向外側に傾斜しており、突出先端部のほうが内方延出部58Bの側の基端部よりも車両幅方向の寸法が大きく設定されている。
ピラー側部材58は、上記第1の実施形態の図2に示されるピラー側部材44と同様の位置に配置される。図6に示されるピラー側部材58は、上記第1の実施形態と実質的に同様に荷重伝達部54のピラー側構成部54Bを構成する基板部58Aが図2に示されるピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eにブラケット46を介して固定される。また、図6に示されるピラー側部材58は、荷重伝達部54の中間構成部54Cを構成する前側構成部58Xが、ピラーインナパネル(図2に示されるピラーインナパネル22と実質的に同様のピラーインナパネル)に形成された孔部(図2に示される孔部22Hを含む位置で孔部22Hを車両上下方向に延ばしかつ車両側面視の形状が略矩形状に形成された孔部)を貫通している。さらに、図6に示されるピラー側部材58の前方突出部58Cは、組付状態ではダッシュ側部材56の後方突出部56Bよりも車両幅方向内側に位置している。すなわち、ピラー側部材58の前側構成部58Xは、前面衝突時にダッシュ側部材56(ダッシュ側構成部54A)に作用した荷重を受けて基板部58A(ピラー側構成部54B)に伝達する位置に設定されている。
このような変形例によっても、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの剥離を抑制することができる。また、このような変形例では、前面衝突時におけるダッシュ側部材56とピラー側部材58との係合面積を大きく確保することができるので、荷重伝達部54での荷重負担を大きくすることができる。
他の変形例である図7に示されるダッシュ側部材62は、この変形例の荷重伝達部60のダッシュ側構成部60Aを構成する。ダッシュ側部材62は、金属製の板状部材で構成されると共に、車両平面視の形状がL字状とされ、車両幅方向に沿って配置される基板部62Aと、基板部62Aの車両幅方向外側の端部から曲げられて車両後方側へ突出する後方突出部62Bと、を備えている。ダッシュ側部材62は、上記第1の実施形態の図2に示されるダッシュ側部材42と同様の位置に配置され、上記第1の実施形態と同様に基板部62A(図7参照)がダッシュクロスメンバ34(ダッシュ部30)の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zにスポット溶接等により固定されている。
図7に示される基板部62Aには、上記第1の実施形態の基板部42A(図3参照)と同様に通孔62Hが貫通形成されている。また、後方突出部62Bにおける基板部62Aからの車両後方側への突出長さは上記第1の実施形態の図2に示される後方突出部42Bにおける基板部42Aからの車両後方側への突出長さよりも長く設定されている。後方突出部62Bには、車両幅方向に貫通する円形状の貫通孔62Cが形成されている。
一方、ピラー側部材64は、荷重伝達部60のピラー側構成部60B及び中間構成部60Cを構成する。このピラー側部材64は、金属製の部材で構成され、車両平面視の形状は車両幅方向内側の端部を除いて概ね上記第1の実施形態の図2に示されるピラー側部材44と同様の形状とされている。
ピラー側部材64は、上記第1の実施形態の基板部44A(図2参照)と実質的に同様の構成部であって丸棒状とされた基軸部64Aと、上記第1の実施形態の内方延出部44B(図2参照)と実質的に同様の構成部であって丸棒状とされた内方延出部64Bと、上記第1の実施形態の前方突出部44C(図2参照)と実質的に同様の構成部である前方突出部64Cと、を備えている。また、ピラー側部材64の車両前方側の部位を構成する前側構成部64Xは、内方延出部64Bと前方突出部64Cとを備え、上記第1の実施形態の前側構成部44X(図2参照)と実質的に同様の構成部とされている。また、前方突出部64Cは、内方延出部64Bの車両幅方向内側の端部から放射状に張り出して円錐台状に形成された張出部64Dの一部を構成している。張出部64Dは、車両幅方向内側の端部の直径よりも車両幅方向外側の端部の直径のほうが大きく設定されている。
ピラー側部材64は、上記第1の実施形態の図2に示されるピラー側部材44と同様の位置に配置されている。図6に示されるピラー側部材64は、上記第1の実施形態と同様に荷重伝達部60のピラー側構成部60Bを構成する基軸部64Aが図2に示されるピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eにブラケット等を介して固定される。
また、図7に示されるピラー側部材64は、荷重伝達部60の中間構成部60Cを構成する前側構成部64Xが、ピラーインナパネル(図2に示されるピラーインナパネル22と実質的に同様のピラーインナパネル)に形成された孔部(図2に示される孔部22Hを含む位置で車両側面視の形状が円形状に形成された孔部)を貫通すると共に図7に示されるダッシュ側部材62の貫通孔62Cを貫通している。ピラー側部材64の前方突出部64Cは、組付状態ではダッシュ側部材62の後方突出部62Bよりも車両幅方向内側に位置している。すなわち、ピラー側部材64の前側構成部64Xは、前面衝突時にダッシュ側部材62(ダッシュ側構成部60A)に作用した荷重を受けて基軸部64A(ピラー側構成部60B)に伝達する位置に設定される。
このような変形例によっても、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネルとフロントピラーとの剥離を抑制することができる。また、このような変形例では、前面衝突時に衝突荷重の入力方向にばらつきがあってダッシュ側部材62が車両側面視で傾倒しても、ダッシュ側部材62の後方突出部62Bにおける貫通孔62Cの周囲部(係合部)をピラー側部材64の前方突出部64C(被係合部)に安定的に係合させることができる(ロバスト性の向上)。また、この変形例では、張出部64Dの一部が前方突出部64Cとされているので、ダッシュ側部材62の車両側面視での傾倒の程度によっては、張出部64Dの前方突出部64C以外の部位にも貫通孔62Cの周囲部(係合部)の一部を係合させることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造について、図8を用いて説明する。図8には、本実施形態に係る車体前部構造70が平断面図(第1の実施形態の図2に相当する断面図)で示されている。この図に示されるように、車体前部構造70は、第1の実施形態における荷重伝達部40(図2参照)に代えて、荷重伝達部を一部材で構成する荷重伝達部材72を備える点で、第1の実施形態に係る車体前部構造10とは異なる。他の構成は、以下に説明する点を除いて第1の実施形態と実質的に同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図8に示されるように、ピラーインナパネル22には、内側縦壁部22Eの車両前後方向中間部の前寄りに孔部22Kが貫通形成されている。孔部22Kは、前輪28の上下方向中間部に対応する車両上下方向位置、すなわち内側縦壁部22Eの下部に設定され、一例として車両側面視で略矩形状に形成されている。この孔部22Kは、ダッシュパネル32とダッシュクロスメンバ34とで形成した閉断面部30Xの内部空間に臨んでいる。
ダッシュ部30の閉断面部30Xとフロントピラー20の閉断面部20Xとに跨がる範囲には、荷重伝達部材72が設定されている。荷重伝達部材72は、一例として金属製の板状部材で構成され、車両平面視の形状がL字状とされると共に、車両幅方向に長い部材とされている。すなわち、荷重伝達部材72は、図8に示される断面形状を車両上下方向に延ばしたような部材とされており、荷重伝達部材72の車両上下方向の長さは、一例として、第1の実施形態のダッシュ側部材42(図3参照)と同等に設定されている。
荷重伝達部材72は、ダッシュクロスメンバ34(ダッシュ部30)の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zの車両後方側を向く面34Rに隣接配置されたダッシュ側構成部72Aを備えている。ダッシュ側構成部72Aには、ボルト挿通孔72Hが貫通形成され、ダッシュクロスメンバ34の前壁部34Eには、ダッシュ側構成部72Aのボルト挿通孔72Hの対向位置にボルト挿通孔34Hが貫通形成されている。ダッシュ側構成部72Aの車両後方側を向く面には、ボルト挿通孔72Hの外周部にウエルドナット74(広義には「締結具」として把握される要素である。)が予め固着されている。ウエルドナット74には、ボルト挿通孔34H、72Hを車両前方側から貫通したボルト76(広義には「締結具」として把握される要素である。)の軸部76Aが螺合されている。
これにより、ボルト76の頭部76Bとウエルドナット74との間でダッシュクロスメンバ34の前壁部34E及び荷重伝達部材72のダッシュ側構成部72Aが挟まれて締め付けられている。すなわち、荷重伝達部材72のダッシュ側構成部72Aは、ダッシュクロスメンバ34の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zにボルト締結により固定されている。
また、荷重伝達部材72は、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの車両幅方向外側を向く面22Sに隣接配置されたピラー側構成部72Bを備えている。ピラー側構成部72Bは、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eにスポット溶接(打点を「×」印で示す。)により固定されている。
さらに、荷重伝達部材72は、ダッシュ側構成部72A及びピラー側構成部72Bの両方に繋がって孔部22Kを貫通する中間構成部72Cを備えている。中間構成部72Cは、前面衝突時にダッシュ側構成部72Aに作用した荷重を受けてピラー側構成部72Bに伝達する位置に設定された構成部とされている。
本実施形態の構成によっても、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネル32とフロントピラー20との剥離を抑制することができる。また、本実施形態では、前面衝突時の衝突荷重がダッシュ側構成部72Aに作用した当初から、衝突荷重をダッシュ側構成部72Aから中間構成部72Cを介してピラー側構成部72Bに伝達させることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造について、図9を用いて説明する。図9には、本実施形態に係る車体前部構造80が平断面図(第1の実施形態の図2に相当する断面図)で示されている。この図に示されるように、車体前部構造80は、第1の実施形態における荷重伝達部40(図2参照)に代えて、荷重伝達部82を備える点で、第1の実施形態に係る車体前部構造10とは異なる。他の構成は、第1の実施形態と実質的に同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図9に示されるように、ダッシュ部30の閉断面部30Xとフロントピラー20の閉断面部20Xとに跨がる範囲には、荷重伝達部82が設定されている。荷重伝達部82は、ピラー側構成部82Bを構成するピラー側部材86と、ダッシュ側構成部82A及び中間構成部82Cを構成するダッシュ側部材84と、の二部材で構成されている。
ピラー側部材86は、一例として金属製とされ、車両前後方向及び車両上下方向に延在すると共に車両前後方向を長手方向として配置された平板部材で構成されている。ピラー側部材86は、ピラーインナパネル22の内側縦壁部22Eの車両幅方向外側を向く面22Sに隣接配置されて当該内側縦壁部22Eにブラケット46を介して固定されている。なお、ピラー側部材86のブラケット46への取付形態は、図2に示される第1の実施形態におけるピラー側部材44のブラケット46への取付形態と同様とされている。
図9に示されるピラー側部材86の車両前方側の端部86Dには、図示を省略するが、車両上下方向に張り出すと共に車両側面視で車両前方側を円弧部とする半円状(D字状)に形成された半円部が形成されている。すなわち、前記半円部は、図3に示される第1の実施形態のピラー側部材44の半円張出部44Dと同様の形状とされている。図9に示されるピラー側部材86の車両上下方向の長さは、第1の実施形態のピラー側部材44(図3参照)の車両上下方向の長さと同程度に設定されている。
一方、ダッシュ側部材84は、一例として金属製の板状部材で構成され、車両平面視の形状がL字状とされると共に、車両幅方向に長い部材、より具体的には図2に示される第1の実施形態のダッシュ側部材42の基板部42Aを車両幅方向外側に延ばしたような形状とされている。
図9に示されるように、ダッシュ側部材84は、ダッシュクロスメンバ34(ダッシュ部30)の前壁部34Eにおける車両幅方向外側の部位34Zの車両後方側を向く面34Rに隣接配置された基板部84Aを備えている。そして、この基板部84Aは、当該車両幅方向外側の部位34Zにスポット溶接により固定されている。つまり、ダッシュ側部材84の基板部84Aは、荷重伝達部82のダッシュ側構成部82Aを構成している。
また、ダッシュ側部材84は、基板部44Aに繋がって孔部22Hを貫通する外側構成部84Xを備えている。この外側構成部84Xの車両幅方向外側の端部には、曲げられて車両後方側へ突出した後方突出部84Bが形成されている。このダッシュ側部材84の後方突出部84Bは、ピラー側部材86の車両前方側の端部86Dより車両幅方向外側に位置している。
ダッシュ側部材84の後方突出部84Bには、車両後方側に開口して車両側面視で半円状に切り欠かれた切欠部84Cが形成されている。そして、前述したピラー側部材86の車両前方側の端部86Dは、ダッシュ側部材84の後方突出部84Bの切欠部84Cの形成位置に対応する車両上下方向の範囲内に設定されている。
以上説明した図9に示されるダッシュ側部材84の外側構成部84Xは、荷重伝達部82の中間構成部82Cを構成し、前面衝突時に基板部84A(ダッシュ側構成部82A)に作用した荷重をピラー側部材86(ピラー側構成部82B)に伝達する位置に設定されている。
本実施形態によれば、前面衝突時にダッシュ側部材84の後方突出部84Bにおける切欠部84Cの周囲部(係合部)がピラー側部材86の車両前方側の端部86D(被係合部)に係合することで、ダッシュ側部材84に作用した荷重をピラー側部材86に伝達することができる。このため、微小ラップ衝突時等の前面衝突時にダッシュパネル32とフロントピラー20との剥離を抑制することができる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、車体前部構造10、70、80が基本的には左右対称に構成されており、荷重伝達部が車体の左右両側に設けられている場合について説明したが、例えば、荷重伝達部が車体左側にのみ設けられた構成や荷重伝達部が車体右側にのみ設けられた構成も採り得る。
また、上記実施形態の変形例として、ダッシュクロスメンバがダッシュパネルの車両後方側に配置されると共に、ダッシュパネルの車両幅方向外側の部位の車両後方側を向く面に荷重伝達部のダッシュ側構成部が固定されてもよい。さらに他の変形例として、ダッシュ部がダッシュクロスメンバを備えない構成においてダッシュパネルの車両幅方向外側の部位の車両後方側を向く面に荷重伝達部のダッシュ側構成部が固定されてもよい。
また、上記第1の実施形態の変形例として、ピラー側部材の前方突出部に車両前方側(前方突出部の突出方向側)に開口して車両側面視で半円状の切欠部が形成され、ダッシュ側部材の後方突出部と当該後方突出部に連続する部位(基板部)とで車両平面視でL字状の曲がり部が形成されると共に、前記曲がり部が、前記切欠部の形成位置に対応する車両上下方向の範囲内に設定されてもよい。このような変形例によれば、前面衝突時に衝突荷重の入力方向にばらつきがあってダッシュ側部材が車両側面視で傾倒しても、前方突出部に形成された切欠部の内側に後方突出部に連続する部位(基板部(42A)の車両幅方向外側の部位)が入り込むことで、前方突出部に形成された切欠部の周囲部(被係合部)と、後方突出部(係合部)とを、安定的に係合させることができる。
さらに、請求項1に記載された「面に固定され」の概念には、上記実施形態のように、面に接して固定される場合が含まれる他、面には接しないでカラー等を介して面に固定される場合も含まれる。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 車体前部構造
14 車室
20 フロントピラー
22 ピラーインナパネル
22E 内側縦壁部
22H 孔部
22K 孔部
30 ダッシュ部
32 ダッシュパネル
36 パワーユニット室
40 荷重伝達部
40A ダッシュ側構成部
40B ピラー側構成部
40C 中間構成部
42 ダッシュ側部材
42B 後方突出部
42C 切欠部
44 ピラー側部材
44C 前方突出部
44L 曲がり部
54 荷重伝達部
54A ダッシュ側構成部
54B ピラー側構成部
54C 中間構成部
56 ダッシュ側部材
56B 後方突出部
58 ピラー側部材
58C 前方突出部
60 荷重伝達部
60A ダッシュ側構成部
60B ピラー側構成部
60C 中間構成部
62 ダッシュ側部材
62B 後方突出部
62C 貫通孔
64 ピラー側部材
64C 前方突出部
70 車体前部構造
72 荷重伝達部材(荷重伝達部)
72A ダッシュ側構成部
72B ピラー側構成部
72C 中間構成部
80 車体前部構造
82 荷重伝達部
82A ダッシュ側構成部
82B ピラー側構成部
82C 中間構成部
84 ダッシュ側部材
84B 後方突出部
86 ピラー側部材

Claims (6)

  1. 車室前部の車両幅方向外側の端部に車両上下方向に沿って配置され、その車両幅方向内側の端部に車両上下方向及び車両前後方向に沿って延在する内側縦壁部を備えたピラーインナパネルを有し、前記内側縦壁部の下部に孔部が貫通形成されたフロントピラーと、
    車室前壁を構成して前記フロントピラーに車両幅方向外側の端部が接合されたダッシュパネルを備え、車室と、前記車室の車両前方側に位置するパワーユニット室と、を隔成するダッシュ部と、
    前記ダッシュ部の車両幅方向外側の部位の車両後方側を向く面に固定されたダッシュ側構成部と、前記ピラーインナパネルの内側縦壁部の車両幅方向外側を向く面に固定されたピラー側構成部と、前記ダッシュ側構成部及び前記ピラー側構成部の少なくとも一方に繋がって前記孔部を貫通すると共に前面衝突時に前記ダッシュ側構成部に作用した荷重を前記ピラー側構成部に伝達する位置に設定された中間構成部と、を備えた荷重伝達部と、
    を有する車体前部構造。
  2. 前記荷重伝達部は、前記ダッシュ側構成部を備えたダッシュ側部材と、前記ピラー側構成部を備えたピラー側部材と、の二部材で構成され、前記ダッシュ側部材又は前記ピラー側部材が前記中間構成部を備えており、
    前記ピラー側部材の車両前方側の端部が車両前方側へ延びると共に、前記ダッシュ側部材の車両幅方向外側の端部には、車両後方側へ突出すると共に前記ピラー側部材の車両前方側の端部より車両幅方向外側に位置する後方突出部が形成されている、請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記ピラー側部材は、前記ピラー側構成部の車両前方側の端部から車両幅方向内側に延びる部位を含んで構成された前記中間構成部を備えると共に、前記中間構成部には車両幅方向内側の端部に車両前方側へ突出した前方突出部が形成され、
    前記ダッシュ側部材の前記後方突出部は、前記ピラー側部材の前記前方突出部よりも車両幅方向外側に位置している、請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記後方突出部及び前記前方突出部の一方には、その突出方向側に開口して車両側面視で半円状の切欠部が形成され、
    前記後方突出部及び前記前方突出部の他方と当該他方に連続する部位とで車両平面視でL字状の曲がり部が形成されると共に、前記曲がり部は、前記切欠部の形成位置に対応する車両上下方向の範囲内に設定されている、請求項3記載の車体前部構造。
  5. 前記後方突出部には、車両幅方向に貫通する円形状の貫通孔が形成され、
    前記ピラー側部材は、前記貫通孔を貫通する前記中間構成部を備える請求項3記載の車体前部構造。
  6. 前記荷重伝達部は、前記ダッシュ側構成部と前記中間構成部と前記ピラー側構成部とを備えた一部材で構成されている、請求項1記載の車体前部構造。
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