JP6135426B2 - 流体式減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トラックやバスなどの車両に補助ブレーキとして搭載される流体式減速装置に関する。
一般に、車両の補助ブレーキには、流体式減速装置と渦電流式減速装置がある。
流体式減速装置は、例えば特許文献1、2に開示されるように、トランスミッションの後端に連結された作動容器の内部に、流体継手で用いられるような一対の羽根車が対向して配置される。一対の羽根車はいずれも放射状に延び出す羽根を有し、そのうちの一方は、作動容器に固定されたステータとしての固定羽根車であり、他方は、トランスミッションの出力軸(回転軸)に直接固定されたり、増速歯車機構を介して固定されたりしたロータとしての回転羽根車である。これらの固定羽根車と回転羽根車とによってトーラス状の作動室が形成される。
制動時には、油圧ポンプやエア圧によって作動室内に作動流体(油、水、またはそれらの混合流体)が供給されて充満する。すると、回転羽根車が回転している一方で固定羽根車が静止した状態にあることから、両者の間に相対的な回転速度差が生じ、作動室内では、回転羽根車と固定羽根車との間を作動流体が循環し、作動流体の循環流が起こる。このとき、作動流体が回転羽根車の回転を妨げる抵抗となり、これにより回転羽根車に制動力が発生し、回転羽根車を介して回転軸の回転を減速させることができる。
その際、制動力の発生に伴って回転軸の運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることにより、作動流体は温度が上昇し高温になる。このため、特許文献1に開示される流体式減速装置では、高温になった作動流体を作動容器の外部へ排出し、熱交換器によって冷却する外部冷却システムを必要としている。この減速装置の場合、高い制動力を安定的に長時間発生させることが可能である反面、制動力の発生に直接寄与する一対の羽根車のみならず、作動流体の供給・排出装置、さらには熱交換器が不可欠となり、装置構成が複雑で、装置の重量が重くなることは否めない。また、車両が本来備える冷却水系を利用するにしても、車両の大幅な改造が必要であることから、車両重量が比較的軽く、コンパクトで、簡便な組込みが望まれる中小型の車両への搭載には適さない。
これに対し、特許文献2に開示される流体式減速装置では、作動室の径方向外側にリング状熱交換器を配設するとともに、電気や作動流体の圧力を利用して駆動するファンを回転軸に取り付けた内部冷却システムを採用している。この内部冷却システムでは、高温になった作動流体をリング状熱交換器に導入し、これをファンによる送風で空冷するとしている。この減速装置の場合、外部の熱交換器を必要とすることなく、その外部熱交換器とをつなぐ配管を省略することができ、さらに、車両の冷却水系とは別個独立しているため、組込み性に優れる。
しかし、特許文献2に開示される流体式減速装置は、特許文献1に開示されるものと同様に、非制動時には作動流体を作動室から排出し、制動時には作動流体を作動室に供給する必要があることから、作動流体を作動室に対して供給・排出するために空圧機構や油圧ポンプや遮蔽弁などの格別な機構が不可欠であり、さらに作動流体を蓄える貯蔵容器も不可欠となる。これは、より一層の部品点数の削減、軽量化、コンパクト化が望まれる中小型車両への搭載には、大きな障害となる。また、制動と非制動との切り替え時、作動室に対し作動流体を供給・排出する必要があるため、非制動状態から所望の制動力を発揮するまでや、制動状態から完全に非制動状態となるまでに、ある程度の時間を要し、応答遅れが生じるという不都合もある。
一方、渦電流式減速装置は、例えば特許文献3〜6に開示されるように、回転軸に固定した制動部材を有し、制動時に、永久磁石や電磁石からの磁界の作用で、磁石と対向する制動部材の表面に渦電流を発生させ、これにより、回転軸と一体で回転する制動部材に回転方向と逆向きの制動力が生じ、回転軸の回転を減速させるものである。
渦電流式減速装置の場合、制動時に制動部材に発生した渦電流により、回転軸の運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、この熱エネルギーによって制動部材が発熱する。制動部材に発生した熱は、高速で回転する制動部材に設けられたフィンによって放熱されるため、流体式減速装置のように作動流体を作動室から排出して、熱交換器で冷却する必要が無く、装置構成が簡素である。特に、強力な永久磁石を使用したものは、同じ磁力を発生する電磁石に比べ、大幅に小さく、軽い永久磁石で済むため、軽量化、コンパクト化を実現することができ、大型車両のみならず、中小型車両への適用も有望である。
しかし、強力な磁力を発揮する永久磁石は、ネオジムなどの希土類金属を多く含有するため、非常に高価であり、さらに、需給バランスの影響による価格変動が大きい。このため、永久磁石を用いた渦電流式減速装置には、永久磁石の仕様に依存してコストが不安定になるという問題がある。
特開2002−87222号公報 国際公開WO2006/027056号パンフレット 特開平1−234043号公報 特開平1−298948号公報 特開2002−51533号公報 特開2011−97696号公報
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、装置構成が簡素で、軽量化、コンパクト化を実現することができ、しかもコストの安定化が可能な流体式減速装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、流体式減速装置を採用することを前提として鋭意検討を重ねた結果、以下のことを知見した。
上記目的を達成するには、回転軸にディスクを固定し、この回転ディスクの全体を包囲するように一対の円板部および円筒部からなるハウジングを回転軸に回転可能に支持し、さらに、回転ディスクの両面それぞれと各円板部の内面との間を作動流体の作動室として機能させるべく、それらの各面に放射状に延び出す羽根を設けるとともに、回転ハウジングの内部に作動流体を充満させ、その上で、制動時にその回転ハウジングに直接摩擦部材を押し付けて回転ハウジングを静止させる摩擦ブレーキを採用するのが有効である。
ただし、流体式減速装置をこのような構成とした場合、制動時に作動流体に与えられた熱が、制動解除後の非制動状態において放熱されにくい可能性がある。
上記構成の流体式減速装置では、制動時は、摩擦ブレーキを作動させ、回転ハウジングを静止させる。回転ディスクが回転している状態で回転ハウジングが静止すると、回転ハウジングに設けられた羽根と、回転ディスクに設けられた羽根との間に相対的な回転速度差が生じるため、これらの羽根の間に作動流体の循環流が起こる。このとき、作動流体が回転ディスクに設けられた羽根に衝突して回転ディスクの回転を妨げる抵抗となり、回転ディスクに制動力が発生し、回転ディスクを介して回転軸の回転を減速させることができる。
その際、制動力の発生に伴って回転軸の運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることにより、作動流体の温度が上昇する。制動時に作動流体に与えられた熱は、作動流体の流動に伴って回転ハウジングに伝導し、回転ハウジングの表面から積極的に放熱される。
しかし、制動を解除した非制動時は、回転ハウジングが回転ディスクに追従して回転するため、作動流体の流動量が小さい。このため、作動流体の熱伝導率が低い場合には、作動流体の熱抵抗の影響により、制動時に作動流体に与えられた熱を非制動時に放熱させる時間が長期化する可能性がある。
特に、回転ハウジングが回転ディスクに完全に追従する場合、すなわち回転ハウジングが回転ディスクと同期して一体的に回転する場合には、作動流体は全く流動せず剛体のように振舞う。そのため、この場合には、作動流体中における伝熱状態は熱伝導率の低い固体中における伝熱状態に近くなり、作動流体中に熱がこもりやすく放熱されにくい。
この問題に対し、非制動時において作動流体が多少なりとも流動すれば、作動流体の実効的な熱伝導率が、流動のない場合の本来の物性値としての熱伝導率よりも向上する。これにより、放熱期間を短縮すること、すなわち制動解除後の作動流体の冷却に必要な時間を短縮することができる。
これは、非制動時に回転ハウジングに回転抵抗を付与する回転抑制機構を減速装置に設け、回転ハウジングと回転ディスクとの間に意図的に相対的な回転速度差を生じさせることにより実現できる。以上の知見に基づき、本発明を完成させた。
本発明の流体式減速装置は、
車両の回転軸に固定された回転ディスクと、
前記回転ディスクを包囲するように一対の円板部およびこれらの円板部同士の外周部を連結する円筒部からなり、前記回転軸に回転可能に支持された回転ハウジングと、
制動時に前記回転ハウジングに摩擦部材を押し付けて前記回転ハウジングを静止させる摩擦ブレーキと、を備え、
前記一対の円板部と対向する前記回転ディスクの両面のうち少なくとも一方の面に放射状に延び出す羽根を設けるとともに、前記回転ディスクの前記羽根が設けられた面と対向する前記円板部の内面に放射状に延び出す羽根を設け、前記回転ハウジングの内部に作動流体が充満しており、
非制動時に前記回転ハウジングに回転抵抗を付与する回転抑制機構を備える。
上記の減速装置において、前記回転抑制機構は、前記回転ハウジングの外面に設けられたフィンとすることができる。
この減速装置は、制動時において前記作動流体から生じる抵抗トルクと、非制動時において前記回転抑制機構により発生する抵抗トルクが、下記(a)〜(c)式の関係を満足することが好ましい。
f=αf|ωR−ωS|(ωR−ωS) …(a)
fin=−αfin|ωS|ωS …(b)
0.02%≦αfin/αf≦1% …(c)
ここで、Nf:制動時において前記作動流体から生じる抵抗トルク、ωR:回転ディスクの回転数(rpm)、Nfin:非制動時において前記回転抑制機構により発生する抵抗トルク、ωS:回転ハウジングの回転数(rpm)、ならびにαfおよびαfin:定数である。
また、上記の減速装置において、前記回転抑制機構は、非制動時に前記摩擦ブレーキを作動させ、前記摩擦部材を制動時よりも低い押付け力で前記回転ハウジングに押し付ける構成とすることができる。
さらに、上記の減速装置において、前記回転抑制機構は、前記回転ハウジングに対して接近および離間が可能な磁石を備え、非制動時に前記磁石を前記回転ハウジングに接近させる構成とすることができる。
本発明の流体式減速装置によれば、制動時に高温になった作動流体を冷却するための外部熱交換器が不要となるだけでなく、作動流体を作動室に対して供給・排出するための格別な機構や作動流体を蓄える貯蔵容器も不要となるため、装置構成が簡素で、軽量化、コンパクト化を実現することができる。また、非制動状態においても作動流体が流動するため、制動時に温度が上昇した作動流体の冷却に必要な時間を短縮することができる。しかも、永久磁石が必須ではないため、コストの安定化が可能である。
本発明の第1実施形態である流体式減速装置の構成を示す模式図であり、同図(a)は全体の斜視図を、同図(b)は同図(a)の上半分のA―A断面図を、同図(c)は回転ハウジングの横断面図を、同図(d)は回転ディスクの正面図をそれぞれ示す。 回転ディスクと回転ハウジングの相対回転数と、作動流体から生じる抵抗トルクの関係を示す図である。 回転ハウジングの回転数と、抵抗フィンにより生じる抵抗トルクとの関係を示す図である。 本発明の第2実施形態である流体式減速装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態である流体式減速装置の構成を模式的に示す断面図である。 損失係数と作動流体の実効熱伝導率との関係を示す図である。 制動解除からの経過時間と、作動流体の温度との関係を示す図である。
以下に、本発明の流体式減速装置の実施形態について詳述する。
〈第1実施形態〉
図1は、本発明の第1実施形態である流体式減速装置の構成を示す模式図であり、同図(a)は全体の斜視図を、同図(b)は同図(a)の上半分のA―A断面図を、同図(c)は回転ハウジングの横断面図を、同図(d)は回転ディスクの正面図をそれぞれ示す。同図(c)および(d)にも、同図(a)に示すA―A断面の位置を示した。同図に示す第1実施形態の減速装置は、回転ディスク3と、この回転ディスク3の全体を包囲する回転ハウジング1とを備える。
第1実施形態では、回転ディスク3は、プロペラシャフトなどの回転軸11と一体で回転するように構成される。具体的には、回転ディスク3は、回転軸11に圧入されたスリーブ13を介して回転軸11に固定されている。これにより、回転ディスク3は、回転軸11と一体で回転するようになる。
回転ハウジング1は、回転ディスク3を包囲しつつ、回転軸11に対し回転可能に構成される。具体的には、回転ハウジング1は、回転ディスク3の両面それぞれと対向するように前後に一対からなるドーナツ形の円板部1a、1bと、回転ディスク3の外周面と対向するように円板部1a、1b同士の外周部を連結する円筒部1cとから構成される。各円板部1a、1bは、回転軸11と一体化されたスリーブ13に軸受15a、15bを介して支持され、これにより回転ハウジング1は、一対の円板部1a、1bおよび円筒部1cが一体で、回転軸11に対し自由に回転が可能になる。図1では、前側の円板部1aと円筒部1cが一体成形され、これが後側の円板部1bとボルトなどによって一体化された態様を示している。
ここで、第1実施形態では、回転ディスク3の両面それぞれと各円板部1a、1bの内面との間を作動流体の作動室として機能させるため、以下のように構成される。すなわち、各円板部1a、1bと対向する回転ディスク3の両面それぞれに、放射状に延び出す羽根(以下「ディスク羽根」という。)4a、4bが設けられている(図1(b)、(d)参照)。同様に、回転ディスク3の両面それぞれと対向する各円板部1a、1bの内面にも、放射状に延び出す羽根(以下「ハウジング羽根」という。)5a、5bが設けられている(図1(b)、(c)参照)。ディスク羽根4a、4bと、ハウジング羽根5a、5bは、回転ディスク3を間に挟む前後の位置で対を成し、それぞれ流体継手で用いられるように対向して配置され、それらのディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間の円周方向にわたる領域によって前後に一対のトーラス状の作動室が形成される。
図1では、ディスク羽根4a、4bは、羽根車として回転ディスク3とは別体で成形され、これが回転ディスク3に取り付けられた態様を示しているが、回転ディスク3と一体成形されたものであっても構わない。同様に、ハウジング羽根5a、5bは、羽根車として円板部1a、1bとは別体で成形され、これが円板部1a、1bに取り付けられた態様を示しているが、円板部1a、1bと一体成形されたものであっても構わない。
回転ハウジング1の内部には、図示しない作動流体(油、水、またはそれらの混合流体)が充満している。この作動流体は、各円板部1a、1bを支持する軸受15a、15bに隣接して配置された図示しないリング状のシール部材により、漏出を防止されている。こうして、回転ハウジング1内は、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間の作動室を含め、常に作動流体で満たされている。作動流体は、回転ディスク3の内周部に設けられた貫通穴3aを通じて回転ディスク3の両側に移動可能である。
図1に示す減速装置は、制動時に回転ハウジング1を静止させる摩擦ブレーキを備える。この摩擦ブレーキは、回転ハウジング1の外周部、すなわち円板部1a、1bそれぞれの外面の外周部を間に挟む摩擦部材としてのブレーキパッド8a、8bを有するブレーキキャリパ7と、このブレーキキャリパ7を駆動させる、不図示の電動式アクチュエータとから構成される。
ブレーキキャリパ7は、前後で一対のブレーキパッド8a、8bを有しており、ブレーキパッド8a、8bの間に回転ハウジング1を配置し所定の隙間を設けて挟んだ状態で、バネを搭載したボルトなどによりブラケット17に付勢支持される。このブラケット17は、車両の非回転部(例:トランスミッションカバー)に取り付けられる。
ブレーキキャリパ7には、アクチュエータが固定されており、制動時にはアクチュエータが後側のブレーキパッド8bを後側の円板部1bに向け直線移動させる。これにより、後側のブレーキパッド8bが後側の円板部1bを押圧し、これに伴う反力の作用で、前側のブレーキパッド8aが前側の円板部1aに向け移動し、その結果、回転ハウジング1を前後のブレーキパッド8a、8bで強力に挟み込む。
このような構成の第1実施形態の減速装置では、非制動時は、摩擦ブレーキを作動させない状態にある。このとき、回転ハウジング1が回転軸11に対し自由に回転が許容されているので、回転軸11と一体で回転ディスク3が回転するのに伴い、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bが流体継手として機能し、回転ハウジング1が回転ディスク3と同方向に回転する。
一方、制動時は、摩擦ブレーキを作動させ、回転ハウジング1が摩擦部材であるブレーキパッド8a、8bによって挟み込まれ、これにより回転ハウジング1の回転が停止し、回転ハウジング1が静止する。回転ディスク3が回転している際に回転ハウジング1のみが静止すると、円板部1a、1b(回転ハウジング1)におけるハウジング羽根5a、5bと、回転ディスク3におけるディスク羽根4a、4bとの間の相対的な回転速度差が生じるため、作動室内では、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間を作動流体が循環し、作動流体の循環流が起こる。このとき、作動流体がディスク羽根4a、4bに衝突しこれと一体の回転ディスク3の回転を妨げる抵抗となり、これにより回転ディスク3に制動力が発生し、回転ディスク3を介して回転軸11の回転を減速させることができる。
その際、制動力の発生に伴って回転軸11の運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることにより、作動流体は温度が上昇するが、その作動流体に与えられた熱は回転ハウジング1に伝導し、回転ハウジング1の表面を通じて放熱される。また、制動時に発熱した熱は、作動流体の温度上昇と回転ハウジング1の温度上昇としてある程度蓄熱しておき、非制動時に摩擦ブレーキの作動を解除することによって回転ハウジング1を高速回転させ、積極的に放熱する。
さらに、第1実施形態の減速装置では、回転ハウジング1には、その外周に円筒部1cと一体成形された抵抗フィン2が設けられる。なお、回転ハウジング1の円板部1a、1bにおいて、抵抗フィン2は、摩擦ブレーキの摩擦部材の配設に支障が無い領域、例えば、外面の内周部の領域に設けてもよい。この抵抗フィン2は、非制動時に回転ハウジング1に回転抵抗を付与する回転抑制機構であり、回転ハウジング1と回転ディスク3との間に回転速度差を生じさせる役割を担う。
この抵抗フィン2により、制動解除後の非制動時において、回転ハウジング1に回転抵抗が発生する。この回転抵抗に起因して、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間に僅かであるが相対的な回転速度差が生じ、作動室内では、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間を作動流体が流動する。作動流体が流動することにより、作動流体の実効的な熱伝導率が、流動のない場合の本来の物性値としての熱伝導率よりも向上し、回転ハウジング1に回転抵抗が無い場合と比較して、制動解除後において作動流体の冷却に必要な時間を短縮することができる。
第1実施形態の減速装置によれば、制動時に高温になった作動流体を冷却するための外部熱交換器が不要となるだけでなく、作動流体を作動室に対して供給・排出するための格別な機構や作動流体を蓄える貯蔵容器も不要となるため、装置構成が簡素で、軽量化、コンパクト化を実現することができる。しかも、永久磁石が必須ではないので、コストの安定化が可能である。さらに、制動と非制動との切り替え時を問わず、回転ハウジング1内の作動室が常に作動流体で満たされているため、作動室に対し作動流体を供給・排出する必要がなく、切り替えの応答性が優れる。また、非制動時において、抵抗フィン2により回転ハウジング1に回転抵抗が発生するため、作動室内では作動流体が流動し、作動流体の実効的な熱伝導率を向上させることができ、制動解除後において作動流体の冷却に必要な時間を短縮することができる。
ここで、第1実施形態の減速装置において、非制動時に抵抗フィン2により発生する回転抵抗の好ましい条件について、その検討内容とともに説明する。
本発明者らは、まず、制動時および非制動時において作動流体から生じる抵抗トルクの特性を把握するため、基礎調査として、流体解析による数値実験を実施した。制動時については、回転ディスク3の回転数を変化させ、回転ハウジング1の回転数は0rpmとした。また、非制動時については、回転ディスク3の回転数は1200rpmで一定とし、回転ハウジング1の回転数を変化させた。その結果を図2に示す。
図2は、回転ディスクと回転ハウジングの相対回転数と、作動流体から生じる抵抗トルクの関係を示す図である。同図から、制動時および非制動時のいずれの場合とも、作動流体から生じる抵抗トルクは、回転ディスク3と回転ハウジング1の相対回転数の二乗に比例することがわかる。回転ディスク3と回転ハウジング1の相対回転数δωとは、下記(1)式で表される値である。
δω=ωR−ωS …(1)
ここで、δω:回転ディスクと回転ハウジングの相対回転数(rpm)、ωR:回転ディスクの回転数(rpm)、ωS:回転ハウジングの回転数(rpm)である。
次に、非制動時に抵抗フィン2により生じる抵抗トルクの特性を把握するため、流体解析による数値実験を実施した。その結果を図3に示す。
図3は、回転ハウジングの回転数と、抵抗フィンにより生じる抵抗トルクとの関係を示す図である。同図から、抵抗フィン2により生じる抵抗トルク、すなわち抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルク(風損トルク)Nfinは、回転ハウジング1の回転数ωSの二乗に比例することがわかる。
以上の結果を基に、回転ハウジング1に抵抗フィン2が設けられた場合における、回転ディスク3と回転ハウジング1の相対回転数δωと、作動流体から生じる抵抗トルクNfと、抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルクNfinとの関係を導出する。
まず、回転ハウジングの回転運動方程式は、下記(2)式で記述できる。
Figure 0006135426
ここで、IS:回転ハウジングの慣性モーメント、Nf:作動流体から生じる抵抗トルク、Nfin:抵抗フィンが気流から受ける抵抗トルクである。
(2)式のNfおよびNfinは、それぞれ上記図2および図3に示す結果を用いて上述した下記(3)式および(4)式で記述できる。
f=αf|ωR−ωS|(ωR−ωS) …(3)
fin=−αfin|ωS|ωS …(4)
ここで、αfおよびαfinはいずれも定数であり、αfを「作動流体から受ける抵抗力の回転抵抗係数」、αfinを「気流から受ける抵抗力の回転抵抗係数」と称する。
上記(2)式に(3)式および(4)式を代入し、さらに流体式減速装置を搭載した車両が停止状態から加速し、回転ハウジング1の回転数ωSが一定値(車両が一定速度で走行している状態)に至った状態(ωR>ωS>0)を想定すると、下記(5)式が得られる。
0=αf(ωR−ωS2−αfinωS 2 …(5)
(6)式を変形すると下記(6a)式および(6b)式が得られる。
Figure 0006135426
(6a)式および(6b)式はいずれも一定速度走行時における回転ディスク3の回転数ωRと回転ハウジング1の回転数ωSとの関係を表す。これらの式から、抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルクに見合った分だけ、回転ディスク3の回転数ωRと回転ハウジング1の回転数ωSとの差が生じることがわかる。これらの式中、作動流体から受ける抵抗力の回転抵抗係数αfに対する気流から受ける抵抗力の回転抵抗係数のαfinの比の値αfin/αfは「損失係数」と称する。
上記(6a)式から、制動トルク(上記(1)式でωS=0としたときのNf)を一定とする条件下では、抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルクNfinを高めるほど、相対回転数δω=ωR−ωSが増加し、作動流体の流動を助長できることが容易に推測できる。
また、上記(4)式から、抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルクNfinを変化させることによりαfinの値も変化することがわかる。例えば抵抗フィン2を大きくした場合、抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルクが大きくなることから、αfinの値も大きくなる。
そこで、回転ハウジング1に抵抗フィン2を設けて損失係数αfin/αfを変化させた場合について、熱流体解析による数値実験を実施し、損失係数と作動流体の実効的な熱伝導率との関係について調査した。この数値実験については、後述の「実施例」において説明する。
損失係数αfin/αfが0.02〜1%を満足することにより、流体式減速装置を搭載した車両の燃費を悪化させることなく、かつ作動流体の実効的な熱伝導率を十分に向上させることができ、作動流体の冷却に必要な時間をより短縮することができる。すなわち、制動時において作動流体から生じる抵抗トルクNfと、非制動時において抵抗フィン2が気流から受ける抵抗トルクNfinが、下記(a)〜(c)式の関係を満足することが好ましい。(a)式および(b)式は、それぞれ上記(3)式および(4)式と同じ式である。
f=αf|ωR−ωS|(ωR−ωS) …(a)
fin=−αfin|ωS|ωS …(b)
0.02%≦αfin/αf≦1% …(c)
〈第2実施形態〉
図4は、本発明の第2実施形態である流体式減速装置の構成を模式的に示す断面図である。同図に示す第2実施形態の減速装置は、前記図1に示す第1実施形態の減速装置の構成を変形したものであり、実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
すなわち、図4に示すように、第2実施形態の減速装置は、回転ハウジング1の円筒部に抵抗フィンを備えず、非制動時に回転ハウジング1に回転抵抗を付与する回転抑制機構として摩擦ブレーキを用いる。
このような構成の第2実施形態の減速装置では、非制動時は、摩擦ブレーキを作動させない状態にある。このとき、回転ハウジング1は、抵抗フィンのような回転抑制機構が設けられることなく、回転軸11に対し自由に回転が許容されている。そのため、回転軸11と一体で回転ディスク3が回転するのに伴い、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bが流体継手として機能することにより、回転ハウジング1が回転ディスク3と同期して一体的に回転する。
一方、制動時は、第1実施形態の減速装置と同様に、摩擦ブレーキを作動させ、回転ハウジング1が摩擦部材であるブレーキパッド8a、8bによって挟み込まれ、回転ハウジング1が静止する。これにより、作動室内では作動流体の循環流が起こり、回転ディスク3に制動力が発生し、回転ディスク3を介して回転軸11の回転を減速させることができる。
制動解除後の非制動時には、制動により温度が上昇した作動流体の熱が、回転ハウジング1の表面を通じて放熱される。第2実施形態の減速装置では、制動解除後の作動流体の冷却時において、摩擦ブレーキを作動させ、摩擦ブレーキのブレーキパッド8a、8bを、制動時よりも低い押付け力で回転ハウジング1に押し付け、回転ハウジング1に回転抵抗を発生させる。この回転抵抗により、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間に相対的な回転速度差が生じ、作動室内では、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間を作動流体が流動する。そのため、第1実施形態の減速装置と同様に、作動流体の実効的な熱伝導率を向上させることができ、制動解除後において作動流体の冷却に必要な時間を短縮することができる。
第2実施形態の減速装置では、非制動時には作動流体の冷却時においてのみ摩擦ブレーキを作動させればよく、作動流体の冷却が完了すれば摩擦ブレーキを開放してよい。そのため、第1実施形態の減速装置と比較して、非制動時に生じる損失トルクを小さくすることができる。
〈第3実施形態〉
図5は、本発明の第3実施形態である流体式減速装置の構成を模式的に示す断面図である。同図に示す第3実施形態の減速装置は、前記図4に示す第2実施形態の減速装置の構成を変形し、非制動時に回転ハウジングに回転抵抗を付与する回転抑制機構として直動アクチュエータおよび磁石を付加したものであり、実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
すなわち、図5に示すように、第3実施形態の減速装置のブレーキキャリパ7は、回転ハウジング1の円板部1bに対向する部分に直動アクチュエータ20を介して永久磁石21が配設されている。直動アクチュエータ20を駆動させることにより、永久磁石21を回転ハウジング1の円板部1bに接近および離間させることが可能である。直動アクチュエータ20による永久磁石21の駆動は、摩擦ブレーキの動作と独立して行う。
また、円板部1bは鉄、ステンレス鋼およびアルミニウムなどの導電性材料とする。
このような構成の第3実施形態の減速装置は、制動時および非制動時の動作は第2実施形態の減速装置と同様である。そして、制動解除後の作動流体の冷却時には、直動アクチュエータ20を駆動させることにより、永久磁石21を回転ハウジング1の円板部1bに接近させ、回転している円板部1b内に渦電流を生じさせ、ローレンツ力により回転ハウジング1に回転抵抗を発生させる。この回転抵抗により、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間に相対的な回転速度差が生じ、作動室内では、ディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間を作動流体が流動する。そのため、第2実施形態の減速装置と同様に、作動流体の実効的な熱伝導率を向上させることができ、制動解除後において作動流体の冷却に必要な時間を短縮することができる。
第3実施形態の減速装置では、作動流体の冷却時においてのみ永久磁石21を回転ハウジング1の円板部1bに接近させればよく、作動流体の冷却が完了すれば永久磁石21を制動時(冷却開始前)の元の位置に戻してよい。そのため、第2実施形態の減速装置と同様に、非制動時に生じる損失トルクを小さくすることができる。
第1〜3実施形態では、図1、図4および図5においてディスク羽根4a、4bとハウジング羽根5a、5bとの間の円周方向にわたる領域によって前後に一対、すなわち2個のトーラス状の作動室が形成される態様を示した。しかし、ディスク羽根を回転ディスク3の片面にのみ設け、ハウジング羽根を回転ディスクのディスク羽根が設けられた面に対向する面にのみ設け、トーラス状の作動室を1個とする態様としてもよい。
本発明の効果を確認するため、以下の数値実験を行った。
1.実験条件
表1には実験条件として、損失係数αfin/αf、作動流体の流動の有無、回転ハウジングの外表面の熱伝達率を示した。
Figure 0006135426
本発明例1および2の減速装置は、前記図3に示す第1実施形態に準じたものであり、回転ハウジングに抵抗フィンを備え、本発明例2の抵抗フィンは、本発明例1の抵抗フィンよりも小さいものとした。
比較例1および2の減速装置は、回転ハウジングが抵抗フィンを備えないものとした。また、非制動時には回転ハウジングが回転ディスクと同期して一体的に回転し、作動流体が回転ハウジングの内部で剛体回転していることとした。さらに、回転ハウジングの外表面を強制的に空冷または水冷していることとした。回転ハウジングの外表面の強制冷却により、比較例1は本発明例1と同等、比較例2は本発明例2と同等の冷却能(熱伝達率)を有することとした。
また、いずれの減速装置とも、回転ディスクの回転数は1200rpmとし、作動流体は水または油とした。
以上の条件の下で、作動流体の実効熱伝導率を算出した。ここで、実効熱伝導率とは、本来の作動流体の物性値としての熱伝導率に、作動流体の流動の影響を加味した実効値としての熱伝導率をいい、熱流体解析により算出できる。
また、制動解除後の非制動時における作動流体の冷却挙動(温度変化)についても調査した。
2.実験結果
図6は、損失係数と作動流体の実効熱伝導率との関係を示す図である。同図には、本発明例1および2に加え、これらよりも損失係数αfin/αfが大きい場合について算出した、作動流体の実効熱伝導率も示した。
図6に示すように、作動流体が水である場合と油である場合のいずれも、損失係数が0よりも大きければ、すなわち作動流体が流動していれば、作動流体の実効熱伝導率は本来の物性値としての熱伝導率よりも大きいことがわかる。また、損失係数が大きいほど実効熱伝導率が高いことがわかる。損失係数が0である比較例1および2の場合には、作動流体が剛体回転しているため、作動流体の実効熱伝導率は本来の物性値としての熱伝導率に等しい。
また、損失係数が0.02%以上の場合には、作動流体が水である場合と油である場合のいずれも、実効熱伝導率が、30W/(m・K)を超え、磁性金属(フェライト系ステンレス鋼SUS430)の熱伝導率と同等以上の値となり、作動流体の冷却時間を十分に短縮できる。そのため、本発明では、損失係数の好ましい下限を0.02%とする。
一方、損失係数が大きいほど、作動流体の流動化による実効熱伝導率の向上効果が高くなるものの、損失係数が大きすぎる場合には、非制動時における損失トルクが増大し、流体式減速装置を搭載した車両の燃費を悪化させる。そのため、搭載車両の燃費を考慮し、損失係数の好ましい上限を1%とする。
損失係数αfin/αfの範囲が0.02〜1%の範囲では、回転ハウジングと回転ディスクの間に回転速度差が発生し、作動流体に粘性発熱が生じても流体式減速装置の動作に問題は生じない。
図6において、作動流体が水である場合と油である場合とで、損失係数に対する実効熱伝導率の変化特性がやや異なっている。これは、損失係数が大きくなるにつれて、作動流体の流れが層流から乱流に遷移するが、この遷移の仕方が作動流体の物性(密度、粘性係数)によって異なるからである。油は、水と比較して、密度が小さく、粘性係数が大きいため、遷移を生じる損失係数が大きい。
図7は、制動解除からの経過時間と、作動流体の温度との関係を示す図である。同図には、制動により作動流体の温度が100℃になった状態で制動を解除し、非制動状態とした場合の作動流体の温度変化を示す。同図から、制動解除から時間が経過するに従って冷却が進行し、作動流体の温度が低下することがわかる。
図7から、本発明例1および2は、それぞれ比較例1および2と比較して作動流体の温度低下が急速であり、作動流体の冷却時間を短縮できることがわかる。これは、作動流体を流動化させることにより、実効熱伝導率が本来の物性値としての熱伝導率よりも高くなったことによる。すなわち、比較例1および2のように回転ハウジングの外表面を強制冷却しても、作動流体を流動させない限り、十分な冷却性能を確保することはできないことがわかる。
また、本発明例1および2では、回転抑制機構として、回転ハウジングに抵抗フィンを設けており、この抵抗フィンからも作動流体の熱が放熱される。損失係数が増大すると、作動流体の流動化の効果に加えて、抵抗フィンの空冷も促進されるため、回転ハウジングの表面の熱伝達(外気への放熱能力)も向上することとなる。
本発明の流体式減速装置は、あらゆる車両の補助ブレーキとして有用である。
1:回転ハウジング、 1a、1b:円板部、 1c:円筒部、
2:抵抗フィン、 3:回転ディスク、 3a:貫通穴、
4a、4b:羽根(ディスク羽根)、 5a、5b:羽根(ハウジング羽根)、
7:ブレーキキャリパ、 8a、8b:ブレーキパッド、
11:回転軸、 13:スリーブ、 15a、15b:軸受、
17:ブラケット、 20:直動アクチュエータ、 21:永久磁石

Claims (5)

  1. 車両の回転軸に固定された回転ディスクと、
    前記回転ディスクを包囲するように一対の円板部およびこれらの円板部同士の外周部を連結する円筒部からなり、前記回転軸に回転可能に支持された回転ハウジングと、
    制動時に前記回転ハウジングに摩擦部材を押し付けて前記回転ハウジングを静止させる摩擦ブレーキと、を備え、
    前記一対の円板部と対向する前記回転ディスクの両面のうち少なくとも一方の面に放射状に延び出す羽根を設けるとともに、前記回転ディスクの前記羽根が設けられた面と対向する前記円板部の内面に放射状に延び出す羽根を設け、前記回転ハウジングの内部に作動流体が充満しており、
    非制動時に前記回転ハウジングに回転抵抗を付与する回転抑制機構を備えることを特徴とする流体式減速装置。
  2. 前記回転抑制機構は、前記回転ハウジングの外面に設けられたフィンであることを特徴とする請求項1に記載の流体式減速装置。
  3. 制動時において前記作動流体から生じる抵抗トルクと、非制動時において前記回転抑制機構により発生する抵抗トルクが、下記(a)〜(c)式の関係を満足することを特徴とする請求項2に記載の流体式減速装置。
    f=αf|ωR−ωS|(ωR−ωS) …(a)
    fin=−αfin|ωS|ωS …(b)
    0.02%≦αfin/αf≦1% …(c)
    ここで、Nf:制動時において前記作動流体から生じる抵抗トルク、ωR:回転ディスクの回転数(rpm)、Nfin:非制動時において前記回転抑制機構により発生する抵抗トルク、ωS:回転ハウジングの回転数(rpm)、ならびにαfおよびαfin:定数である。
  4. 前記回転抑制機構は、非制動時に前記摩擦ブレーキを作動させ、前記摩擦部材を制動時よりも低い押付け力で前記回転ハウジングに押し付ける構成であることを特徴とする請求項1に記載の流体式減速装置。
  5. 前記回転抑制機構は、前記回転ハウジングに対して接近および離間が可能な磁石を備え、非制動時に前記磁石を前記回転ハウジングに接近させる構成であることを特徴とする請求項1に記載の流体式減速装置。
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