JP6117163B2 - 車両用ブレーキシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキシステムに関する。
ブレーキペダルなどのブレーキ操作子に入力されるブレーキ操作力を負圧ブースタで倍力する車両用ブレーキシステムは広く使用されている。また、負圧ポンプ等の負圧発生手段によって負圧ブースタに負圧が供給される構造もよく知られている。
特許文献1には、負圧ブースタに負圧を供給する負圧ポンプ(負圧発生手段)の制御方法が記載されている。この負圧ポンプは、大気圧センサ(大気圧検出手段)が検出する大気圧と、絶対圧センサである負圧センサ(負圧ブースタの負圧を検出するブースタ圧検出手段)が検出するタンク内絶対圧との相対圧に基づいて制御される。これによって、負圧ポンプの作動・停止が大気圧の変化に応じて制御される。
特開平9−177678号公報
特許文献1に記載される制御方法では、大気圧センサが正常に機能しない故障時に負圧ポンプが最適に制御されないことがある。例えば、大気圧センサの検出値が実際の大気圧より高くなると相対圧が低く判定されるため、負圧ポンプの駆動が必要な状態であっても負圧ポンプが駆動しない。また、大気圧センサの検出値が実際の大気圧より低くなると相対圧が高く判定されるため負圧ポンプを停止可能な状態であっても負圧ポンプが停止しない。
このように、大気圧センサが故障すると負圧ポンプが最適に動作しない。負圧ポンプが最適に動作しないと、運転者がブレーキペダルを踏み込み操作するときのブレーキ操作力が効果的に倍力されないという問題が生じる。
そこで本発明は、大気圧検出手段が検出する大気圧にもとづいて制御される負圧発生手段が備わる場合において、大気圧検出手段の故障による影響を軽減できる車両用ブレーキシステムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、車両に備わる車両用ブレーキシステムであって、大気圧を検出して大気圧検出信号を出力する大気圧検出手段と、ブレーキ操作子に入力されるブレーキ操作力を負圧で倍力する負圧ブースタと、前記負圧ブースタに負圧を供給する負圧発生手段と、前記負圧ブースタに発生しているブースタ圧を検出してブースタ圧検出信号を出力するブースタ圧検出手段と、大気圧が高いほど負圧が大きくなるように設定されている所定の作動閾値と前記ブースタ圧検出信号に基づいて算出される判定値を比較して前記負圧発生手段の作動を判定する作動判定部と、大気圧が高いほど負圧が大きくなるように設定されている所定の停止閾値と前記判定値を比較して前記負圧発生手段の停止を判定する停止判定部と、を有し、前記作動閾値は、大気圧における所定の高圧側境界値に対応した負圧が作動最大負圧になり、前記停止閾値は、大気圧における所定の低圧側境界値に対応した負圧が停止最小負圧になり、前記大気圧検出手段及び前記ブースタ圧検出手段は、絶対圧力を検出するセンサであり、前記ブースタ圧検出信号からブースタ圧算出値を算出して、前記大気圧検出信号から大気圧算出値を算出し、さらに、前記ブースタ圧算出値から前記大気圧算出値を減算して前記ブースタ圧算出値の相対圧を算出する相対圧算出部を備え、前記作動判定部は、前記相対圧を前記判定値として前記負圧発生手段の作動を判定し、前記停止判定部は、前記相対圧を前記判定値として前記負圧発生手段の停止を判定し、前記相対圧算出部は、前記大気圧算出値が所定の上限値以上のときには、前記ブースタ圧算出値から前記上限値を減算して前記相対圧を算出し、前記大気圧算出値が所定の下限値以下のときには、前記ブースタ圧算出値から前記下限値を減算して前記相対圧を算出することを特徴とする。
本発明によると、負圧発生手段の作動を判定するための作動閾値に、大気圧の高圧側境界値に対応した最大の負圧(作動最大負圧)が設けられる。また、負圧発生手段の停止を判定するための停止閾値に、大気圧の低圧側境界値に対応した最小の負圧(停止最小負圧)が設けられる。このように、作動閾値に作動最大負圧が設けられることによって、大気圧が高い環境で負圧発生手段が駆動しにくくなり、必要のないときに負圧発生手段が駆動する不具合が抑制される。また、停止閾値に停止最小負圧が設けられることによって、大気圧が低い環境で負圧発生手段が停止しにくくなり、負圧発生手段の駆動が必要なときに当該負圧発生手段が停止してしまう不具合が抑制される。
本発明によると、絶対圧力を示すブースタ圧算出値から、絶対圧力を示す大気圧算出値を減算して相対圧を算出する相対圧算出部が備わる。そして、作動判定部は、相対圧算出部が算出する相対圧を判定値として負圧発生手段の作動を判定し、停止判定部は、相対圧算出部が算出する相対圧を判定値として負圧発生手段の停止を判定する。相対圧算出部は精度よく相対圧を算出可能であり、負圧発生手段がより最適に制御される。
また、本発明に係る前記作動判定部は、前記相対圧が前記作動閾値より負圧が小さいときに前記負圧発生手段を作動すると判定し、前記停止判定部は、前記相対圧が前記停止閾値より負圧が大きいときに前記負圧発生手段を停止すると判定することを特徴とする。
本発明によると、相対圧が作動閾値より負圧が小さいときに負圧発生手段が作動し、相対圧が作動閾値より負圧が大きいときに負圧発生手段が停止する。これによって、相対圧が最適に維持される。
本発明によると、大気圧算出値が上限値から下限値までの間に制限される。このため、大気圧検出手段が故障した場合であっても大気圧算出値が上限値より大きくならない。また、大気圧算出値が下限値より小さくならない。例えば、大気圧検出手段が故障して大気圧算出値が上限値より大きくなる場合や、大気圧算出値が下限値より小さくなる場合には、大気圧算出値と実際の大気圧の誤差が小さくなる。したがって、大気圧検出手段が故障した状態であっても負圧発生手段が可能な限り最適に制御される。これによって、大気圧検出手段の故障による影響が軽減される。
また本発明は、前記車両が走行する最低標高に対応して前記上限値が設定され、前記車両が走行する最高標高に対応して前記下限値が設定されていることを特徴とする。
本発明によると、車両が走行する標高に対応して設定される上限値や下限値にもとづいて負圧発生手段が制御される。したがって、車両が走行する環境に応じて最適に負圧発生手段が制御される。
本発明によると、大気圧検出手段が検出する大気圧にもとづいて制御される負圧発生手段が備わる場合において、大気圧検出手段の故障による影響を軽減できる車両用ブレーキシステムを提供できる。
車両用ブレーキシステムを示す図である。 負圧ブースタの断面図である。 ECUの機能ブロック図である。 (a)は負圧ポンプの作動の判定に用いられる作動閾値マップの一例を示す図、(b)は負圧ポンプの停止の判定に用いられる停止閾値マップの一例を示す図である。 (a)は大気圧センサの検出値が高圧側に誤差を生じる状態を示す図、(b)は大気圧センサの検出値が低圧側に誤差を生じる状態を示す図である。 (a)は大気圧算出値の上限値を示す図、(b)は大気圧算出値の下限値を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明において「負圧」は、大気圧Pairより真空の側の圧力、すなわちゲージ圧における負の圧力を示し、大気圧Pairと等しい状態の負圧をゼロとする。そして、大気圧Pairに近い負圧、すなわち、ゼロに近い負圧を「小さな負圧」、真空に近い負圧を「大きな負圧」と表記する。
また、圧力の具体的な数値を示す場合は「hPa(ヘクトパスカル)」を単位とする数値で示し、参考値として「mmHg(水銀柱ミリメートル)」を単位とする数値をかっこ書きで併記している。
図1は車両用ブレーキシステムを示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム1は、車両100に備わっている。車両用ブレーキシステム1は、ブレーキ装置1aを有し、制御装置(ECU7)で制御される。
ブレーキ装置1aは、ブレーキ操作子(ブレーキペダル4)、負圧ブースタ2、及びマスタシリンダ3を含んで構成される。ブレーキペダル4は運転者が踏み込み操作するブレーキ操作部である。負圧ブースタ2は、運転者がブレーキペダル4を踏み込む力(ブレーキ操作力)を負圧で倍力してマスタシリンダ3に入力する。マスタシリンダ3は、負圧ブースタ2で倍力されたブレーキ操作力を油圧に変換して油圧系統10に入力する。油圧系統10には図示しない駆動部(ディスクブレーキ等)が接続される。駆動部は油圧系統10に入力される油圧で駆動する。なお、負圧ブースタ2とマスタシリンダ3は一体に構成されていてもよい。
負圧ブースタ2は、エンジン5の吸気側を形成するインテークマニホールド(吸気管)5aと、配管5bを介して連通している。負圧ブースタ2には、インテークマニホールド5aに発生する負圧(以下、インマニ圧Piと称する)が供給され、負圧ブースタ2内の圧力(以下、マスタパワー圧Mpと称する)は負圧に維持される。負圧ブースタ2には負圧検出手段(マスタパワー圧センサ2a)が備わる。
マスタパワー圧センサ2aはマスタパワー圧Mpを検出し、その検出値を検出信号(ブースタ圧検出信号P1)として出力する。本実施形態においてマスタパワー圧センサ2aは絶対圧力を検出するセンサである。ブースタ圧検出信号P1はECU7に入力される。ECU7は、ブースタ圧検出信号P1からマスタパワー圧Mpの算出値(ブースタ圧算出値Mp0)を算出する。
配管5bには1方向弁の第1チェックバルブ6aが備わる。負圧ブースタ2のマスタパワー圧Mpが、インテークマニホールド5aに発生する負圧(インマニ圧Pi)より低い場合、第1チェックバルブ6aが閉弁してマスタパワー圧Mpをインマニ圧Piより低く維持する。一方、マスタパワー圧Mpがインマニ圧Piより高い場合、第1チェックバルブ6aが開弁してマスタパワー圧Mpがインマニ圧Piと同等まで低減する。このように機能する第1チェックバルブ6aが備わることで、負圧ブースタ2においては、マスタパワー圧Mpがインマニ圧Piと同等以下の負圧に維持される。
そして、負圧ブースタ2は、運転者がブレーキペダル4を操作するときのブレーキ操作力をマスタパワー圧Mp(負圧)で倍力してマスタシリンダ3に入力する。
ブレーキ装置1aには、負圧ブースタ2に負圧を供給する負圧発生手段(負圧ポンプ8)が備わっている。負圧ポンプ8は配管8aを介して配管5bに接続される。配管8aは、第1チェックバルブ6aと負圧ブースタ2の間で配管5bに接続される。負圧ポンプ8は、ECU7から入力される制御信号C1によって制御される。
配管8aには第2チェックバルブ6bが備わる。第2チェックバルブ6bは負圧ポンプ8が駆動すると、負圧ポンプ8に発生する負圧で開弁する。そして、負圧ブースタ2内の空気が排気されて負圧ブースタ2に負圧が供給される。なお、負圧ポンプ8が駆動しないときには第2チェックバルブ6bが閉弁して、負圧ブースタ2の負圧が維持される。
また、ブレーキ装置1aには大気圧検出手段(大気圧センサ9)が備わる。大気圧センサ9は大気圧Pairを検出し、その検出値を大気圧検出信号P4として出力する。大気圧検出信号P4はECU7に入力される。本実施形態において、大気圧センサ9は絶対圧力を検出するセンサである。
ECU7には車速センサ11が接続される。車速センサ11は車両100の車速を検出し、その検出値を車速信号P2として出力する。車速センサ11は、例えば、車輪101の回転速度(車輪速)を検出する車輪速センサである。車速センサ11が出力する車速信号P2はECU7に入力される。ECU7は車速信号P2から車両100の車速(車体速)を算出する。
また、ECU7には、エンジン制御装置(エンジンECU12)からエンジン駆動信号P3が入力される。エンジン駆動信号P3はエンジン5が駆動しているときにONとなる信号である。ECU7はエンジン駆動信号P3に基づいて、エンジン5が駆動しているか否かを判定する。
ECU7は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備えるコンピュータ及び周辺回路などを含んで構成される。そして、CPUがROMに記憶されるプログラムを実行してエンジン5を制御するとともに、負圧ブースタ2のマスタパワー圧Mpを好適な負圧に維持する。
図2は負圧ブースタの断面図である。
図2に示すように、負圧ブースタ2は中空のハウジング20を有する。ハウジング20は、例えば正面形状が円形の薄い円盤状を呈し、ハウジング20の内部はブースタピストン21によって厚み方向に2つの部屋に区画されている。ブースタピストン21は、例えばダイヤフラム22を介して往復動可能にハウジング20に取り付けられる。
ハウジング20をブースタピストン21が区画して形成する部屋の1つは、配管5bを介してエンジン5のインテークマニホールド5a(図1参照)と連通する。この部屋は、インマニ圧Piが供給されて負圧に維持され、負圧室20aを形成する。
負圧室20aとブースタピストン21を介して隣接する部屋には作動室20bが形成される。作動室20bには、ハウジング20の円盤状の中心部が円筒状に突出して延長筒23が形成される。延長筒23の端部には大気導入口24が形成される。
ブースタピストン21は、戻しばね25によって作動室20bの側に付勢される。
ブースタピストン21の中心部には、シール部材26を介して延長筒23の内部に摺動自在に支持される筒部21aが形成される。筒部21aの端部は開口し、大気導入口24から導入される空気を浄化するフィルタ27で閉塞される。
筒部21aには、ブレーキペダル4に連結された入力杆28がフィルタ27を貫通して挿入される。入力杆28は筒部21aの内部に構成されるエアバルブ28aに連結する。
ブースタピストン21には出力杆29が備わる。出力杆29は負圧室20aの側に突出して備わる。出力杆29はブースタピストン21と一体に往復動する。出力杆29は負圧室20aを貫通して配置される。出力杆29の端部は、例えば負圧ブースタ2と一体に形成されるマスタシリンダ3と連結する。
エアバルブ28aは入力杆28に連動して、負圧室20aと作動室20bを連通・遮断するとともに、作動室20bと大気導入口24を連通・遮断する機能を有する。
運転者がブレーキペダル4を操作せずブレーキペダル4が無操作状態にあるとき、エアバルブ28aは、作動室20bと大気導入口24を遮断するとともに、負圧室20aと作動室20bを遮断した状態を維持する。
運転者がブレーキペダル4を踏み込み操作すると、入力杆28は負圧室20aの側に動作してブースタピストン21を負圧室20aの側に押し出すとともにエアバルブ28aを動作し、負圧室20aと作動室20bを遮断して、作動室20bと大気導入口24を連通する。作動室20bには大気導入口24から大気が導入して作動室20bの圧力が大気圧Pairまで上昇する。そして、負圧室20aの負圧がブースタピストン21を吸引し、ブースタピストン21は負圧室20aの側に移動する。さらに、出力杆29はブースタピストン21と一体に動作し、マスタシリンダ3の側に押し出される。
一方、運転者がブレーキペダル4を解放すると、入力杆28は作動室20bの側に引かれてエアバルブ28aを動作し、作動室20bと大気導入口24を遮断して、負圧室20aと作動室20bを連通する。作動室20bに導入されている大気は、負圧室20aと配管5bを経由してインテークマニホールド5a(図1参照)に吸引され、作動室20bは負圧室20aと同等の負圧になる。すなわち、インテークマニホールド5aから負圧室20aに負圧(インマニ圧Pi)が供給され、マスタパワー圧Mpが負圧に維持される。
このように、負圧ブースタ2は大気圧Pairとマスタパワー圧Mpの差圧によって、運転者がブレーキペダル4を操作するときのブレーキ操作力を倍力する。したがって、負圧ブースタ2(負圧室20a)のマスタパワー圧Mpは大気圧Pairよりも充分に低圧であることが要求される。
大気圧Pairは、海抜高度(標高)が高くなるほど低くなる。例えば、標高0m付近での大気圧Pair(1気圧)は、約1013hPa(760mmHg)であるが、標高3000m付近で大気圧Pairは、700hPa(525mmHg)程度まで低下する。
一方、エンジン5のインテークマニホールド5a(図1参照)におけるインマニ圧Piは回転速度等によって変化するが標高の変化によって変化しない。したがって、ブレーキ装置1a(図1参照)を備える車両100(図1参照)が走行する標高が高くなると、負圧ブースタ2における大気圧Pairとマスタパワー圧Mpの差圧が小さくなる場合がある。そして、これによって、運転者がブレーキペダル4を操作するときのブレーキ操作力が充分に倍力されなくなる場合がある。
そこで、ECU7(図1参照)は、大気圧Pairとマスタパワー圧Mpの差圧を監視する。具体的に、ECU7は、マスタパワー圧センサ2a(図1参照)から入力されるブースタ圧検出信号P1からマスタパワー圧Mpの算出値(ブースタ圧算出値Mp0)を算出する。また、ECU7は、大気圧センサ9(図1参照)から入力される大気圧検出信号P4から大気圧Pairの算出値(大気圧算出値Pa0)を算出する。さらに、ECU7は、ブースタ圧算出値Mp0から大気圧算出値Pa0を減算した差圧(以下、相対圧ΔMpと称する)を算出する。相対圧ΔMpは、大気圧算出値Pa0に対するブースタ圧算出値Mp0を示す。そして、ECU7は算出した相対圧ΔMpに基づいて負圧ポンプ8(図1参照)を駆動し、負圧ブースタ2における大気圧Pairとマスタパワー圧Mpの差圧を最適に維持する。
図3はECUの機能ブロック図である。
図3に示すようにECU7は、相対圧算出部70を有する。相対圧算出部70には、大気圧センサ9が出力する大気圧検出信号P4と、マスタパワー圧センサ2aが出力するブースタ圧検出信号P1が入力される。相対圧算出部70は、大気圧検出信号P4から大気圧算出値Pa0を算出する。また、相対圧算出部70は、ブースタ圧検出信号P1からブースタ圧算出値Mp0を算出する。さらに、相対圧算出部70は、ブースタ圧算出値Mp0から大気圧算出値Pa0を減算して相対圧ΔMpを算出する。
また、相対圧算出部70は、相対圧ΔMpを算出する場合の大気圧算出値Pa0に上限値及び下限値(後記する、上限値Ulmtと下限値Llmt)を設ける。
つまり、相対圧算出部70は大気圧算出値Pa0が上限値Ulmt以上のときには、ブースタ圧算出値Mp0から上限値Ulmtを減算して相対圧ΔMpを算出する。また、相対圧算出部70は大気圧算出値Pa0が下限値Llmt以下のときには、ブースタ圧算出値Mp0から下限値Llmtを減算して相対圧ΔMpを算出する。
このように、大気圧算出値Pa0に上限値Ulmt及び下限値Llmtが設けられることによって、負圧ポンプ8が駆動しないことの不具合、及び停止しないことの不具合が軽減される。
詳細は後記するが、上限値Ulmt、及び下限値Llmtは、車両100(図1参照)が走行する環境や車両100に要求される制動性能等に応じた特性値として設定される。
ECU7は、閾値設定部71を有する。閾値設定部71には、車速センサ11から車速信号P2が入力される。閾値設定部71は車速信号P2から車速(車体速)を算出する。また、閾値設定部71には大気圧算出値Pa0が入力される。そして、閾値設定部71は、車速と大気圧算出値Pa0から、負圧ポンプ8を作動する相対圧ΔMpの閾値(作動閾値PthON)と、負圧ポンプ8を停止する相対圧ΔMpの閾値(停止閾値PthOFF)を設定する。
閾値設定部71は、作動閾値マップ710に基づいて作動閾値PthONを設定する。また、閾値設定部71は、停止閾値マップ711に基づいて停止閾値PthOFFを設定する。作動閾値マップ710と停止閾値マップ711の詳細は後記する。
ECU7は、作動判定部72aと停止判定部72bを有する。作動判定部72aには作動閾値PthONと相対圧ΔMpが入力される。作動判定部72aは、相対圧ΔMpが作動閾値PthONより大きいとき(相対圧ΔMpが作動閾値PthONよりも小さな負圧であって、相対圧ΔMpのほうがゼロに近いとき)にポンプ作動信号SigPをONに設定する。
このように、本実施形態の作動判定部72aは、相対圧ΔMpを判定値としてポンプ作動信号SigPをONに設定する。判定値となる相対圧ΔMpは、ブースタ圧検出信号P1から算出されるブースタ圧算出値Mp0にもとづいた値である。したがって、作動判定部72aは、作動閾値PthONと、ブースタ圧検出信号P1にもとづいて算出される判定値を比較して負圧ポンプ8の作動を判定する。
また、停止判定部72bには停止閾値PthOFFと相対圧ΔMpが入力される。停止判定部72bは、相対圧ΔMpが停止閾値PthOFFより小さいとき(相対圧ΔMpが停止閾値PthOFFよりも大きな負圧であって、相対圧ΔMpのほうがゼロから離れているとき)にポンプ作動信号SigPをOFFに設定する。
このように、本実施形態の停止判定部72bは、相対圧ΔMpを判定値としてポンプ作動信号SigPをOFFに設定する。前記したように、判定値となる相対圧ΔMpはブースタ圧検出信号P1にもとづいた値である。したがって、停止判定部72bは、停止閾値PthOFFと、ブースタ圧検出信号P1にもとづいて算出される判定値を比較して負圧ポンプ8の停止を判定する。
ECU7は、ポンプ作動信号出力部73を有する。ポンプ作動信号出力部73には、ポンプ作動信号SigPが入力される。また、ポンプ作動信号出力部73には、エンジンECU12からエンジン駆動信号P3が入力される。
ポンプ作動信号出力部73は、エンジン駆動信号P3がONのとき(エンジン5が駆動しているとき)、ポンプ作動信号SigPを出力する。また、エンジン駆動信号P3がOFFのとき(エンジン5が停止しているとき)、負圧ポンプ8を停止するポンプ停止信号SigOFFを出力する。
ECU7は図3に示すように構成され、ブースタ圧算出値Mp0と、大気圧算出値Pa0と、車速と、エンジン5の状態(駆動又は停止)と、に応じて負圧ポンプ8を制御する。換言すると、ECU7は、ブースタ圧算出値Mp0から大気圧算出値Pa0を減算した相対圧ΔMpを判定値として負圧ポンプ8の作動及び停止を判定する。
図4の(a)は負圧ポンプの作動の判定に用いられる作動閾値マップの一例を示す図、(b)は負圧ポンプの停止の判定に用いられる停止閾値マップの一例を示す図である。
図4の(a)に示す作動閾値マップ710、及び図4の(b)に示す停止閾値マップ711は、車両用ブレーキシステム1(図1参照)の特性値としてあらかじめ設定され、ECU7(図1参照)のROM(図示せず)に記憶されている。
なお、作動閾値マップ710及び停止閾値マップ711において、縦軸の相対圧ΔMpは負圧(負の数)を示し、縦軸の上ほど(ゼロから離れるほど)大きな負圧を示す。つまり、縦軸の上ほど真空側に近づき、値が小さいことを示している。
図4の(a)に示すように、作動閾値マップ710は、横軸が大気圧Pair(大気圧算出値Pa0)を示し、縦軸が相対圧ΔMpを示す。そして、作動閾値マップ710は、大気圧Pairに対する相対圧ΔMpの閾値(作動閾値PthON)が車速(V0〜V4)ごとに設定される。車速はV0が低速を示しV4が高速を示す。したがって、車速が高速であるほど負圧の大きな作動閾値PthONが設定されている。
また、作動閾値マップ710は、車速ごとに、大気圧Pairが所定の高圧側境界値「paH」以上の領域で作動閾値PthONが負圧の最大値(作動最大負圧)となり、大気圧算出値Pa0が所定の低圧側境界値「paL」以下の領域で作動閾値PthONが負圧の最小値となっている。このように、作動閾値マップ710は、大気圧Pairが高圧側境界値「paH」から低圧側境界値「paL」の間で、大気圧Pairが大きいほど負圧の大きな作動閾値PthONが設定されている。つまり、作動閾値PthONは、大気圧Pairにおける高圧側境界値「paH」に対応した負圧が、車速ごとの作動最大負圧になっている。
ECU7の作動判定部72a(図3参照)は、相対圧ΔMpが作動閾値PthONより小さな負圧であるとき(相対圧ΔMpが作動閾値PthONよりゼロに近いとき)に負圧ポンプ8(図1参照)を作動すると判定する。具体的に、作動判定部72aは、ポンプ作動信号SigPをONに設定する。
また、図4の(b)に示すように、停止閾値マップ711は、横軸が大気圧Pair(大気圧算出値Pa0)を示し、縦軸が相対圧ΔMpを示す。そして、停止閾値マップ711は、大気圧Pairに対する相対圧ΔMpの閾値(停止閾値PthOFF)が車速(V0〜V4)ごとに設定される。停止閾値マップ711は、車速が高速であるほど負圧の大きな停止閾値PthOFFが設定され、大気圧Pairが大きいほど負圧の大きな停止閾値PthOFFが設定されている。
そして、停止閾値マップ711においても、車速ごとに、大気圧Pairが高圧側境界値「paH」以上の領域で停止閾値PthOFFが負圧の最大値となり、大気圧算出値Pa0が低圧側境界値「paL」以下の領域で停止閾値PthOFFが負圧の最小値(停止最小負圧)となっている。このように、停止閾値マップ711も大気圧Pairが高圧側境界値「paH」と低圧側境界値「paL」の間で、大気圧Pairが大きいほど負圧の大きな停止閾値PthOFFが設定されている。つまり、停止閾値PthOFFは、大気圧Pairにおける低圧側境界値「paL」に対応した負圧が、車速ごとの停止最小負圧になっている。
ECU7の停止判定部72b(図3参照)は、相対圧ΔMpが停止閾値PthOFFより大きな負圧のとき(停止閾値PthOFFが相対圧ΔMpよりゼロに近いとき)に負圧ポンプ8(図1参照)を停止すると判定する。具体的に、停止判定部72bは、ポンプ作動信号SigPをOFFに設定する。
なお、高圧側境界値「paH」は、例えば1気圧に設定される。大気圧Pairがこれ以上の高圧となる環境下では負圧ブースタ2(図1参照)に更なる負圧を必要としない。このため、作動閾値マップ710においては、大気圧Pairが1気圧のときに作動閾値PthONが負圧の最大値(作動最大負圧)となっている。このことによって、大気圧Pairが高圧側境界値「paH」(例えば、1気圧)より高い環境下では負圧ポンプ8(図1参照)が駆動しにくくなっている。
また、低圧側境界値「paL」は、あらかじめ設定される標高(4000mなど)における気圧に設定される。大気圧Pairがこれ以上低下すると負圧ブースタ2における大気圧Pairとマスタパワー圧Mpの差圧が小さくなりすぎる。このため、停止閾値マップ711においては、大気圧Pairが所定の標高における気圧のときに停止閾値PthOFFが負圧の最小値(停止最小負圧)となっている。このことによって、大気圧Pairが低圧側境界値「paL」(例えば、4000mにおける気圧)より低い環境下(高地)では負圧ポンプ8が駆動しやすく(停止しにくく)なっている。
例えば、負圧ポンプ8(図1参照)が停止した状態の車両100(図1参照)が走行しているときの大気圧算出値Pa0が「pa1」で、相対圧ΔMpが「mp1」になる点が、図4の(a)において黒丸A1で示される。この場合、車速がV2〜V4のときECU7の作動判定部72a(図3参照)は負圧ポンプ8(図1参照)を作動すると判定し、ポンプ作動信号SigPをONに設定する。一方、車速がV0,V1のときECU7の作動判定部72aは負圧ポンプ8を作動しないと判定し、ポンプ作動信号SigPをONに設定しない。なお、ポンプ作動信号SigPがONに設定されない場合、ポンプ作動信号SigPは直前の状態が維持される。
また、負圧ポンプ8(図1参照)が作動した状態の車両100(図1参照)が走行しているときの大気圧算出値Pa0が「pa1」で、相対圧ΔMpが「mp1」になる点が、図4の(b)において白丸B1で示される。この場合、車速がV0,V1のときECU7の停止判定部72b(図3参照)は負圧ポンプ8(図1参照)を停止すると判定し、ポンプ作動信号SigPをOFFに設定する。一方、車速がV2〜V4のときECU7の停止判定部72bは負圧ポンプ8を停止しないと判定し、ポンプ作動信号SigPをOFFに設定しない。なお、ポンプ作動信号SigPがOFFに設定されない場合、ポンプ作動信号SigPは直前の状態が維持される。
このように、図3に示すECU7(作動判定部72a,停止判定部72b)は、大気圧算出値Pa0、ブースタ圧算出値Mp0、及び車速に基づいてポンプ作動信号SigPのONとOFFを設定して負圧ポンプ8を制御する。
しかしながら、大気圧センサ9が故障すると、ECU7(相対圧算出部70)が大気圧検出信号P4から算出する大気圧算出値Pa0と実際の大気圧Pairの誤差が大きくなる。例えば、大気圧センサ9が故障して検出値が高圧側に誤差を生じる場合、大気圧算出値Pa0は実際の大気圧Pairより高くなる。
図5の(a)は大気圧センサの検出値が高圧側に誤差を生じる状態を示す図、(b)は大気圧センサの検出値が低圧側に誤差を生じる状態を示す図である。
一例として、車両100(図1参照)が走行している環境の大気圧Pairが「pa1」で、相対圧ΔMpが「mp1」のときには、車速がV2〜V4であれば負圧ポンプ8(図3参照)が作動することが好ましい。一方、車速がV0,V1であれば負圧ポンプ8が作動しないことが好ましい(図5の(a)に黒丸A1で示す)。
しかしながら、大気圧センサ9(図3参照)が故障して大気圧算出値Pa0が「pa2(pa2>pa1)」になると、相対圧ΔMpが「mp2(mp2<mp1)」になる(図5の(a)に黒四角A2で示す)。
この場合、車速がV2〜V4であってもECU7の作動判定部72a(図3参照)は負圧ポンプ8(図3参照)を作動しないと判定する。つまり、負圧ポンプ8が作動することが好ましい車速(V2〜V4)であっても負圧ポンプ8が作動しない。
また、大気圧センサ9が故障して検出値が低圧側に誤差を生じる場合、大気圧算出値Pa0は実際の大気圧Pairより低くなる。
一例として、負圧ポンプ8(図3参照)が作動した状態の車両100(図1参照)が走行している環境の大気圧Pairが「pa1」で、相対圧ΔMpが「mp1」のときには、車速がV0,V1であれば負圧ポンプ8が停止することが好ましい。一方、車速がV2〜V4の場合は負圧ポンプ8が停止しないことが好ましい(図5の(b)に白丸B1で示す)。
しかしながら、大気圧センサ9が故障して大気圧算出値Pa0が「pa3(pa3<pa1)」になると、相対圧ΔMpが「mp3(mp3>mp1)」になる(図5の(b)に白四角B2で示す)。
この場合、車速がV0,V1であってもECU7の停止判定部72b(図3参照)は負圧ポンプ8(図3参照)を停止しないと判定する。つまり、負圧ポンプ8が停止することが好ましい車速(V0,V1)であっても負圧ポンプ8が停止しない。
このように、図1に示す大気圧センサ9が故障すると、負圧ポンプ8が最適に作動及び停止しない。
そこで、図3に示す本実施形態のECU7は、大気圧センサ9が故障した場合であっても可能な限り負圧ポンプ8を最適に制御するように構成される。このため、ECU7の相対圧算出部70は大気圧算出値Pa0に限界値(上限値Ulmt,下限値Llmt)を設定する。そして、ECU7(相対圧算出部70)は、大気圧センサ9から入力される大気圧検出信号P4から算出した大気圧算出値Pa0が上限値Ulmt以上の場合、上限値Ulmtを大気圧算出値Pa0とする。また、ECU7(相対圧算出部70)は、大気圧センサ9から入力される大気圧検出信号P4から算出した大気圧算出値Pa0が下限値Llmt以下の場合、下限値Llmtを大気圧算出値Pa0とする。
図6の(a)は大気圧算出値の上限値を示す図、(b)は大気圧算出値の下限値を示す図である。
例えば、図6の(a)に示すように、相対圧算出部70(図3参照)は、大気圧算出値Pa0の上限値Ulmtを「paH」とする。つまり、高圧側境界値「paH」が上限値Ulmtに設定される。この場合、大気圧検出信号P4から算出した大気圧算出値Pa0が「pa2(pa2>paH)」のとき、ECU7の相対圧算出部70(図3参照)は、大気圧算出値Pa0を「paH」とする。これによって、相対圧ΔMpが「mp2’(mp2’>mp2)」になる(図6の(a)に黒三角A3で示す)。この場合、ECU7の作動判定部72a(図3参照)は、車速がV3,V4のときに負圧ポンプ8(図1参照)を作動すると判定して、ポンプ作動信号SigPをONに設定する。
車両100(図1参照)が走行している環境の大気圧Pairが「pa1」で相対圧ΔMpが「mp1」の場合、大気圧センサ9(図1参照)が故障していなければ、車速がV2〜V4のときに負圧ポンプ8(図1参照)が作動する(黒丸A1)。
大気圧センサ9が故障して大気圧算出値Pa0が「pa2(pa2>paH)」になると相対圧ΔMpが「mp2」になるので、車速がV0〜V4で負圧ポンプ8が作動しない(黒四角A2)。ECU7(図1参照)が大気圧算出値Pa0に上限値Ulmtを設けることによって、大気圧センサ9が故障しても車速がV3,V4のときに負圧ポンプ8が作動する(黒三角A3)。
このように、大気圧センサ9(図1参照)の故障によって、作動することが好ましい負圧ポンプ8(図1参照)が作動しない状態であっても、大気圧算出値Pa0に上限値Ulmtが設定されることで車速がV3,V4のときに負圧ポンプ8を作動させることが可能となる。
なお、大気圧算出値Pa0の上限値Ulmtが高圧側境界値「paH」と異なって設定される構成であってもよい。つまり、高圧側境界値「paH」が上限値Ulmtに設定される構成に限定されない。
また、図6の(b)に示すように、相対圧算出部70(図3参照)は、大気圧算出値Pa0の下限値Llmtを「paL」とする。つまり、低圧側境界値「paL」が下限値Llmtに設定される。この場合、大気圧検出信号P4から算出した大気圧算出値Pa0が「pa3(pa3<paL)」のとき、ECU7の相対圧算出部70(図3参照)は、大気圧算出値Pa0を「paL」とする。これによって、相対圧ΔMpが「mp3’(mp3’<mp3)」になる(図6の(b)に白三角B3で示す)。この場合、ECU7の停止判定部72b(図3参照)は、車速がV0のときに負圧ポンプ8(図1参照)を停止すると判定して、ポンプ作動信号SigPをOFFに設定する。
車両100(図1参照)が走行している環境の大気圧Pairが「pa1」で相対圧ΔMpが「mp1」の場合、大気圧センサ9(図1参照)が故障していなければ、車速がV0,V1のときに負圧ポンプ8(図1参照)が停止する(白丸B1)。
大気圧センサ9が故障して大気圧算出値Pa0が「pa3(pa3<pa1)」になると相対圧ΔMpが「mp3」になるので、車速がV0〜V4で負圧ポンプ8が停止しない(白四角B2)。大気圧算出値Pa0に下限値Llmtを設けることによって、大気圧センサ9が故障しても車速がV0のときに負圧ポンプ8が停止する(白三角B3)。
このように、大気圧センサ9(図1参照)の故障で、停止することが好ましい負圧ポンプ8(図1参照)が停止しない状態であっても、大気圧算出値Pa0に下限値Llmtが設定されることによって車速がV0のときに負圧ポンプ8を停止させることが可能となる。
なお、大気圧算出値Pa0の下限値Llmtが低圧側境界値「paL」と異なって設定される構成であってもよい。つまり、低圧側境界値「paL」が下限値Llmtに設定される構成に限定されない。
以上のように、本実施形態のECU7(図1参照)は、大気圧センサ9(図1参照)から入力される大気圧検出信号P4に基づいて算出する大気圧算出値Pa0に限界値(上限値Ulmt,下限値Llmt)を設定する。
これによって、大気圧センサ9が故障した場合であっても負圧ポンプ8(図1参照)が可能な限り最適に制御される。
図6の(a)に一例を示すように、実際は、車速がV2〜V4で負圧ポンプ8(図1参照)の作動が好ましい状態(黒丸A1)のときに、大気圧センサ9(図1参照)の故障で負圧ポンプ8が作動しない状態(黒四角A2)と判定されるところ、大気圧算出値Pa0に上限値Ulmtが設定されることで車速がV3,V4であれば負圧ポンプ8が作動する(黒三角A3)。
つまり、大気圧センサ9が故障した場合に、負圧ポンプ8の作動が好ましい車速(V2)では負圧ポンプ8が作動しないが、車速がV3,V4になったときに負圧ポンプ8が作動する。したがって、大気圧センサ9が故障した場合であっても負圧ポンプ8が可能な限り最適に制御されることになり、大気圧センサ9の故障による影響が軽減される。
また、図6の(b)に一例を示すように、実際は、車速がV0,V1で負圧ポンプ8(図1参照)の停止が好ましい状態(白丸B1)のときに、大気圧センサ9(図1参照)の故障で負圧ポンプ8が停止しない状態(白四角B2)と判定されるところ、大気圧算出値Pa0に下限値Llmtが設定されることで車速がV0であれば負圧ポンプ8が停止する(白三角B3)。
つまり、大気圧センサ9が故障した場合に、負圧ポンプ8の停止が好ましい車速(V1)では負圧ポンプ8が停止しないが、車速がV0になったときに負圧ポンプ8が停止する。したがって、大気圧センサ9が故障した場合であっても負圧ポンプ8が可能な限り最適に制御されることになり、大気圧センサ9の故障による影響が軽減される。
なお、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更が可能である。
例えば、大気圧算出値Pa0に設定される上限値Ulmt及び下限値Llmtは、車両100(図1参照)が走行する環境に応じて適宜設定可能である。
一例として、車両100が走行する最も高い標高(車両100が走行する最高標高)が3000m程度であれば、車両100が走行する環境の大気圧の下限は「700hPa(525mmHg)」程度になる。よって、下限値Llmtを「700hPa(525mmHg)」にしてもよい(Llmt=700hPa)。
また、例えば、車両100(図1参照)が走行する最も低い標高(車両100が走行する最低標高)が1500m程度であれば、車両100が走行する環境の大気圧の上限は「850hPa(640mmHg)」程度になる。よって、上限値Ulmtを「850hPa(640mmHg)」にしてもよい(Ulmt=850hPa)。逆に、車両100が走行する最高標高が1500m程度の場合には、車両100が走行する環境の大気圧の下限が「850hPa(640mmHg)」程度になる。よって、下限値Llmtを「850hPa(640mmHg)」にしてもよい(Llmt=850hPa)。
このように、車両100が走行する最低標高に対応して上限値Ulmtが設定され、車両100が走行する最高標高に対応して下限値Llmtが設定される構成であってもよい。例えば、上限値Ulmt及び下限値Llmtを変更するスイッチ(図示せず)が備わる構成とすれば、上限値Ulmt及び下限値Llmtの設定変更が容易になる。
なお、上限値Ulmtや下限値Llmtは、車両100(図1参照)が走行し得る可能性の高い国の最高標高や最低標高にもとづいて設定されていてもよいし、地球上の最高標高や最低標高にもとづいて設定されていてもよい。
また、ECU7(図1参照)は、大気圧センサ9(図1参照)が故障したと判定したときに、大気圧算出値Pa0に上限値Ulmt及び下限値Llmtを設定する構成であってもよい。
例えば、ECU7が、図示しないナビゲーション装置等から高度情報を取得可能な構成であれば、ECU7は取得した高度情報に基づいて標準的な大気圧Pairを算出できる。この場合、大気圧検出信号P4から算出した大気圧算出値Pa0と、高度情報から算出した標準的な大気圧Pairと、の偏差が所定の閾値以上のときに、大気圧センサ9が故障したとECU7が判定する構成とすればよい。そして、ECU7は大気圧センサ9が故障したと判定したときに、大気圧算出値Pa0に上限値Ulmt及び下限値Llmtを設定する構成とすればよい。
また、ECU7は、大気圧センサ9が故障したと判定したときに運転者に対して警報を発報するように構成されていてもよい。例えば、警告等の点灯や警告音の発生によって運転者に対する警報が発報される構成とすればよい。
また、大気圧算出値Pa0に上限値Ulmt及び下限値Llmtの一方のみが設定される構成であってもよい。
また、マスタパワー圧センサ2a(図1参照)は相対圧センサであってもよい。そして、ECU7は、マスタパワー圧センサ2a(相対圧センサ)の検出信号に基づいてマスタパワー圧を算出し、算出したマスタパワー圧を判定値として、負圧ポンプ8(図1参照)の作動及び停止を判定する構成であってもよい。
例えば、ECU7は、算出したマスタパワー圧(判定値)が作動閾値より小さい負圧のときに負圧ポンプ8を作動すると判定し、算出したマスタパワー圧(判定値)が停止閾値より大きい負圧のときに負圧ポンプ8を停止すると判定する構成であってもよい。
1 車両用ブレーキシステム
2 負圧ブースタ
2a マスタパワー圧センサ(ブースタ圧検出手段)
4 ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
8 負圧ポンプ(負圧発生手段)
9 大気圧センサ(大気圧検出手段)
70 相対圧算出部
72a 作動判定部
72b 停止判定部
100 車両
Llmt 下限値
Mp0 ブースタ圧算出値
P1 ブースタ圧検出信号
P4 大気圧検出信号
Pa0 大気圧算出値
PthON 作動閾値
PthOFF 停止閾値
Ulmt 上限値
ΔMp 相対圧

Claims (3)

  1. 車両に備わる車両用ブレーキシステムであって、
    大気圧を検出して大気圧検出信号を出力する大気圧検出手段と、
    ブレーキ操作子に入力されるブレーキ操作力を負圧で倍力する負圧ブースタと、
    前記負圧ブースタに負圧を供給する負圧発生手段と、
    前記負圧ブースタに発生しているブースタ圧を検出してブースタ圧検出信号を出力するブースタ圧検出手段と、
    大気圧が高いほど負圧が大きくなるように設定されている所定の作動閾値と前記ブースタ圧検出信号にづいて算出される判定値を比較して前記負圧発生手段の作動を判定する作動判定部と、
    大気圧が高いほど負圧が大きくなるように設定されている所定の停止閾値と前記判定値を比較して前記負圧発生手段の停止を判定する停止判定部と、を有し、
    前記作動閾値は、大気圧における所定の高圧側境界値に対応した負圧が作動最大負圧になり、
    前記停止閾値は、大気圧における所定の低圧側境界値に対応した負圧が停止最小負圧になり、
    前記大気圧検出手段及び前記ブースタ圧検出手段は、絶対圧力を検出するセンサであり、
    前記ブースタ圧検出信号からブースタ圧算出値を算出して、前記大気圧検出信号から大気圧算出値を算出し、さらに、前記ブースタ圧算出値から前記大気圧算出値を減算して前記ブースタ圧算出値の相対圧を算出する相対圧算出部を備え、
    前記作動判定部は、前記相対圧を前記判定値として前記負圧発生手段の作動を判定し、
    前記停止判定部は、前記相対圧を前記判定値として前記負圧発生手段の停止を判定し、
    前記相対圧算出部は、
    前記大気圧算出値が所定の上限値以上のときには、前記ブースタ圧算出値から前記上限値を減算して前記相対圧を算出し、
    前記大気圧算出値が所定の下限値以下のときには、前記ブースタ圧算出値から前記下限値を減算して前記相対圧を算出することを特徴とする車両用ブレーキシステム。
  2. 前記作動判定部は、前記相対圧が前記作動閾値より負圧が小さいときに前記負圧発生手段を作動すると判定し、
    前記停止判定部は、前記相対圧が前記停止閾値より負圧が大きいときに前記負圧発生手段を停止すると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキシステム。
  3. 前記車両が走行する最低標高に対応して前記上限値が設定され、前記車両が走行する最高標高に対応して前記下限値が設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ブレーキシステム。
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