JP4670892B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4670892B2
JP4670892B2 JP2008109485A JP2008109485A JP4670892B2 JP 4670892 B2 JP4670892 B2 JP 4670892B2 JP 2008109485 A JP2008109485 A JP 2008109485A JP 2008109485 A JP2008109485 A JP 2008109485A JP 4670892 B2 JP4670892 B2 JP 4670892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
accumulator
hydraulic
wheel cylinder
hydraulic pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008109485A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009137564A (ja
Inventor
貴之 山本
雅邦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008109485A priority Critical patent/JP4670892B2/ja
Priority to PCT/IB2008/003055 priority patent/WO2009063300A1/en
Publication of JP2009137564A publication Critical patent/JP2009137564A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4670892B2 publication Critical patent/JP4670892B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両の車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
従来より、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、その液圧を配管を通じて各車輪のホイールシリンダに供給することにより車両に制動力を付与するブレーキ制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この液圧回路には、ブレーキフルード(作動液)を貯留するリザーバタンク、そのリザーバタンクからブレーキフルードを汲み上げるポンプ、そのポンプにより昇圧されたブレーキフルードを蓄積するアキュムレータを含む液圧源が設けられている。各車輪のホイールシリンダと液圧源との間には増圧弁や減圧弁等の電磁弁が設けられている。ブレーキ制御装置は、これらの電磁弁を開閉制御することによってホイールシリンダへのブレーキフルードの給排量を調整してその液圧を制御し、各車輪に適切な制動力を付与している。このようにアキュムレータに蓄圧して液圧源を常に高圧に保持することで、制動制御の応答性も確保されている。
特開2005−35393号公報
ところで、このような制動制御は、ブレーキペダルの操作に応じた制御以外に、路面状態等に応じた各種スリップ制御や車両の走行安定性を保持する各種走行制御においても実行される。例えば、各車輪の路面に対する滑りを抑制するためのABS(Anti-lock Brake System)、TRC(Traction Control)、VSC(Vehicle Stability Control)などの各種制御においては、通常の制動制御よりも高い制動力が要求されることがある。
このようなスリップ制御や走行制御は、車両の走行時間全体からみればその実行頻度は低いが、その実行を前提にアキュムレータ内の液圧を高く保持しなければならず、そのためにアキュムレータを含む液圧源の大型化を余儀なくされるという問題があった。また、その蓄圧用のポンプについては一般に高圧に耐えうるピストン式のポンプが用いられるが、この種のポンプは機構上液圧の脈動を大きくし、振動による騒音を発生させやすいといった問題もあった。
そこで、本発明は、アキュムレータを含む液圧源の大型化を回避し、好ましくは液圧源のより安定した挙動を実現できるブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のある態様のブレーキ制御装置は、ポンプ駆動によりアキュムレータに作動液を供給して蓄圧する動力液圧源を有し、その蓄圧された液圧を各車輪のホイールシリンダに供給して制動力を発生させる。このブレーキ制御装置は、アキュムレータが蓄圧する液圧の設定範囲内で制動力が賄える通常制動状態にあるか、またはそれより高い制動力を要する緊急制動状態にあるかを判定する状態判定部と、通常制動状態にあると判定された場合に、アキュムレータ内の液圧を各ホイールシリンダに供給する通常制御を実行する一方、緊急制動状態にあると判定された場合にはポンプを駆動し、そのポンプ駆動による追加の液圧を各ホイールシリンダに供給する特定制御を実行する制御部と、を備える。ポンプがギヤポンプとして構成され、アキュムレータが、ポンプとホイールシリンダとをつなぐ高圧通路に接続されるハウジングと、ハウジング内を密閉空間からなる基準圧力室と、高圧通路に開放された開放空間からなる蓄圧室とに仕切り、基準圧力室と蓄圧室との差圧によって変位して蓄圧室の容積を変化させ、設定範囲の液圧を保持する感圧部材と、感圧部材が基準圧力室の方向に変位することを規制することにより内部の液圧が予め設定した基準圧以上になると蓄圧を抑制する蓄圧抑制手段としてのストッパと、を備え、制御部は、通常制動状態にあると判定されたときに、緊急制動状態にあるときよりもポンプを駆動するモータの回転数を低くし、通常制動状態または非制動状態にあるときに、感圧部材の基準圧力室の方向への変位がストッパにより規制されたことによりポンプを駆動するモータの制御電流値の時間変化が所定値よりも大きくなった場合にアキュムレータ内の液圧が基準圧以上になったことを推定し、ポンプの駆動を停止させる。
ここでいう「通常制動状態」は、例えばブレーキ操作部材が普通に操作されたときの制動制御状態を含む比較的実行頻度の多い制動状態であり、目標減速度が低〜中程度であるときに実行される制動状態であってよい。一方、「緊急制動状態」は、例えば急ブレーキ時やABS作動時など、比較的実行頻度の少ない制動状態であり、目標減速度,目標減速度勾配(液圧勾配)が高いときに実行される制動状態であってよい。
この態様では、通常制動状態においてはアキュムレータが液圧源となり、蓄圧された液圧を利用して必要なホイールシリンダ圧が確保される。ただし、通常制動状態であっても、アキュムレータ内の液圧がその設定範囲を下回ると蓄圧のためにポンプが駆動される。一方、緊急制動状態においては一時的に高い制動力が要されるため、アキュムレータに蓄圧される設定範囲の液圧ではこれを賄うことができない。そこで、その不足分の液圧を確保するためにアキュムレータへの蓄圧とは別にポンプが駆動され、追加の液圧が各ホイールシリンダに供給される。これにより、緊急制動状態においても必要なホイールシリンダ圧が確保され、所望の制動力を得ることができる。
この態様によれば、緊急制動時に臨時的にポンプを駆動して追加の液圧供給を可能としておくことで、通常制動状態の液圧源の液圧を低く抑えることができる。すなわち、実行頻度の多い通常制動状態を基準にアキュムレータの蓄圧の設定範囲を低く抑えつつ、高い制動力を要する緊急制動時における液圧供給を確保することができる。仮に緊急制動時にアキュムレータに設定範囲を超える液圧が作用することがあっても、その頻度は少なく、また一時的であるため、その耐久性に大きく影響を与えることはない。このことは、アキュムレータの小型化や低コスト化を可能にし得る。
また、ギヤポンプは例えばピストン式のポンプと比較して液圧の脈動を抑制できるため、その作動音を小さくすることができる。また、作動時の振動が抑制されるため、液圧源のより安定した挙動を確保することもできる。このようなギヤポンプは、その歯形状を利用して作動液を搬送するため、ピストン式のポンプ等と比較して一般にシール性が劣る。このため、作動液の液圧が高い場合に逆方向の漏れを発生させる可能性があるとして、アキュムレータの蓄圧用には受け入れられ難いといった事情があった。しかし、上述のようにアキュムレータの蓄圧の設定範囲を低く抑えられるように構成したことで、ギヤポンプを採用しても作動液の漏れ、歯部のシール面摩耗、焼き付きを抑制でき、アキュムレータを持つブレーキシステムに初めて実用に供することができるものとなる。
制御部は、通常制動状態にあると判定されたときに、緊急制動状態にあるときよりもポンプを駆動するモータの回転数を低くする。通常制動時におけるモータの作動は、ホイールシリンダへの液圧の供給というよりも、その液圧供給を前提としたアキュムレータの蓄圧のためになされる。このため、緊急制動時ほど速やかな作動液の供給を要しないことから、通常制動時の蓄圧のためにポンプ駆動を行う際にはモータの回転数を低くしてポンプへの負荷を小さくする。これにより、その耐久性を向上させることができる。さらに、モータの消費電流や突入電流を抑制することができる。
アキュムレータは、内部の液圧が予め設定した基準圧以上になると蓄圧を抑制する蓄圧抑制手段を備える。ここでいう「基準圧」は、アキュムレータの蓄圧の設定範囲の上限値であってもよい。「蓄圧抑制手段」は、アキュムレータ内の液圧がその基準圧以上になったときに、その内部への作動液の流入を遮断するものでもよい。機械的構造から自律的に動作するものであってもよいし、ソレノイド式の電磁弁を設定し、電気的な制御が付加されるものでもよい。このように蓄圧を抑制することで、アキュムレータが高い液圧を受けて損傷することを防止または抑制することができる。
制御部は、通常制動状態または非制動状態にあるときにアキュムレータ内の液圧が基準圧以上になると、ポンプの駆動を停止させてもよい。この態様では、通常制動時または非制動時にアキュムレータ内の液圧が基準圧以上になるとポンプ駆動が停止されるため、そのポンプやその駆動に追従して動作するアクチュエータ(例えば制御弁など)の作動頻度を低くでき、その劣化を抑制することができる。
制御部は、ポンプを駆動するモータの制御電流値の時間変化に基づき、アキュムレータ内の液圧が基準圧以上になったことを推定する。すなわち、アキュムレータ内の液圧が高まると、その反力としてポンプにかかる負荷も大きくなることから、これを駆動するモータの制御電流が大きくなる。特に、アキュムレータ手前に電磁弁がある場合にこれを閉状態にしたときや、アキュムレータ内の作動液が満タンになって(ピストン式のアキュムレータである場合には、そのピストンストロークがフルストロークになって)液圧がその上限値に達すると、モータの制御電流が跳ね上がることがある。そこで、モータの制御電流値の時間変化が大きく変化したことをもってその液圧が基準圧以上になったと推定する。 アキュムレータは、ポンプとホイールシリンダとをつなぐ高圧通路に接続されるハウジングと、ハウジング内を密閉空間からなる基準圧力室と、高圧通路に開放された開放空間からなる蓄圧室とに仕切り、基準圧力室と蓄圧室との差圧によって変位して蓄圧室の容積を変化させ、設定範囲の液圧を保持する感圧部材と、感圧部材が基準圧力室の方向に変位することを規制する蓄圧抑制手段と、を含むものでもよい。
制御部は、ホイールシリンダ内の液圧の減圧時にギヤポンプを逆回転させてもよい。すなわち、ギヤポンプは機構的に逆回転が可能である。一般にホイールシリンダ圧の減圧は減圧弁を介して行われるが、このようにギヤポンプを逆回転させて作動液を排出させることでその減圧を促進し、ホイールシリンダ圧をより速やかに低下させることができる。
当該ブレーキ制御装置は、リザーバタンクに貯留された作動液をマスタシリンダに導入し、ブレーキ操作部材の操作量に応じて加圧し、ホイールシリンダの一部である特定ホイールシリンダに向けて送出可能なマニュアル液圧源と、動力液圧源またはマニュアル液圧源にて発生した液圧を各ホイールシリンダへ供給するための供給路を構成するとともに、制動力の低減時には各ホイールシリンダ内の作動液をリザーバタンクへ戻す排出路を構成する液圧回路と、動力液圧源と各ホイールシリンダとの間にそれぞれ配置され、開弁動作により動力液圧源からの作動液を対応するホイールシリンダへ供給する増圧弁と、を備えていてもよい。そして、動力液圧源からの液圧が、増圧弁の一部である特定増圧弁を介して特定ホイールシリンダに供給可能に構成されていてもよい。
ここで、「マニュアル液圧源」は、システムの異常時など、車両電源,ポンプ駆動用モータ等の動力液圧源が正常に機能しなくなった場合にフェイルセーフ的に動作するものであってもよい。すなわち、通常の制動制御については動力液圧源により必要なホイールシリンダ圧が確保される一方、システムの異常時等に動力液圧源が十分な液圧を供給できなくなったときに、マニュアル液圧源により少なくとも特定ホイールシリンダの液圧が確保されるものでもよい。この態様では、動力液圧源からの液圧を全ての増圧弁を介して供給可能であるが、特定増圧弁を経由した作動液は特定ホイールシリンダに供給される。すなわち、特定ホイールシリンダに対しては、動力液圧源およびマニュアル液圧源のいずれからも液圧の供給が可能となっている。
その場合、特定増圧弁の開弁圧よりもそれ以外の増圧弁の開弁圧が低く設定されていてもよい。ここでいう「開弁圧を低く設定する」については、例えば弁部を閉弁方向に付勢する付勢部材の荷重を異ならせるなどして、両増圧弁の開弁圧を機械構造的に異なるように設定してもよい。あるいは、両増圧弁を電磁弁にて構成する場合に、特定増圧弁でない増圧弁にその開弁電流よりも小さな小電流を予めかけておき相対的に開弁圧を低くしてもよい。例えば、ポンプの連続駆動により増圧弁の上流圧が増加し続けると、いずれかの増圧弁から作動液が流出を開始し、その際に作動液に含まれる異物が弁部に噛み込む可能性がある。この異物の噛み込みが特定増圧弁に発生した場合にマニュアル液圧源から液圧が供給されていると、その作動液が特定増圧弁を介してアキュムレータ側に逆流する可能性がある。そこで、この態様では特定増圧弁でない増圧弁を相対的に開弁しやすくし、異物がある場合にこれを同増圧弁側に導くようにし、特定増圧弁での異物の噛み込みを抑制する。これにより、少なくともマニュアル液圧源による制動力を確保することができる。
アキュムレータは、ポンプと増圧弁とをつなぐ高圧通路に接続されるハウジングと、ハウジング内を密閉空間からなる基準圧力室と、高圧通路に開放された開放空間からなる蓄圧室とに仕切り、基準圧力室と蓄圧室との差圧によって変位して蓄圧室の容積を変化させ、設定範囲の液圧を保持する感圧部材と、を含んでもよい。そして、基準圧力室の封入圧が、サーボ失陥時に想定される液圧以上となるように設定されていてもよい。この「サーボ失陥時に想定される液圧」については、フェイルセーフ等の観点から適宜設定することができる。例えば当該ブレーキ制御装置のシステムが故障したときに、異物の噛み込みにより増圧弁に漏れが発生している場合を想定してもよい。このような場合には、マニュアル液圧源からホイールシリンダに液圧が供給されることが想定されるが、そのときに増圧弁から漏れる可能性がある液圧としてもよい。
この態様では、アキュムレータの蓄圧室の液圧が感圧部材の変位により調圧される。一方、基準圧力室の封入圧がサーボ失陥時に想定される液圧以上となるように設定されているため、仮にサーボ失陥が生じた場合に感圧部材が変位してアキュムレータが作動液を吸引するといったこともなく、増圧弁を介した作動液の逆流を防止することができる。マニュアル液圧源からホイールシリンダへ液圧が供給されている場合には、その効率を低下させることもない。
あるいは、高圧通路に増圧弁からアキュムレータ側への作動液の逆流を阻止する逆止弁が配設されていてもよい。この態様によれば、増圧弁の動作状態にかかわらずアキュムレータ側への作動液の逆流を阻止することができる。
制御部は、緊急制動状態においては増圧条件が成立したときにのみ、ポンプを駆動させるとともに、増圧させるべきホイールシリンダに対応する増圧弁のみ開弁させてもよい。すなわち、緊急制動時であっても液圧保持または減圧時にはホイールシリンダ圧を高める必要はない。この態様によれば、例えば増圧要求のないときに不要なポンプ駆動をさせないことで、無駄な電力消費を抑制することができる。
当該ブレーキ制御装置においては、ポンプとホイールシリンダとを接続する液圧通路にアキュムレータが接続通路を介して接続され、さらに、その接続通路を開閉してポンプからアキュムレータへ供給される作動液の流量を調整する電磁弁が設けられていてもよい。そして、制御部が、上記特定制御時において車両の予め定める状態量を取得し、その状態量に応じて電磁弁の開度を制御するようにしてもよい。
ここでいう「車両の状態量」は、特定制御における緊急性の程度を推し量ることが可能な制御量や検出値、あるいは液圧回路に設けられたアクチュエータの作動状態や負荷であってもよい。すなわち、制御部は、予め定める状態量として特定制御時における緊急制動状態の程度を判定するための車両の状態量を取得し、その状態量が基準値に達したときに電磁弁を閉弁動作させるようにしてもよい。
この態様によれば、アキュムレータによる機械的な自律的動作のみならず、必要に応じて電磁弁の開閉制御が行われてアキュムレータへの蓄圧状態が規制される。すなわち、アキュムレータの液圧がその設定範囲内にあるか否かにかかわらず、特定制御において急を要するような場合には制御部により電磁弁が閉じられ、作動液がホイールシリンダへ優先的に供給される。このため、応答性に優れた液圧制動制御が実現される。
具体的には、アキュムレータ内の液圧を検出するアキュムレータ圧検出部と、ホイールシリンダ内の液圧を検出するホイールシリンダ圧検出部とが設けられてもよい。そして、制御部が、アキュムレータ内の液圧とホイールシリンダ内の液圧との差圧を上記車両の状態量として算出し、その差圧が予め設定した判定基準値以下となったときに電磁弁を閉弁させ、ホイールシリンダ内の液圧が目標液圧に達した後に電磁弁を開弁させるようにしてもよい。
この態様によれば、ホイールシリンダ圧の目標値が高くアキュムレータでは液圧を賄いきれなくなる状態となる前に、ポンプ駆動による昇圧効果を前倒し的にホイールシリンダ圧の上昇に振り向けることができ、液圧制御の応答性を向上させることができる。
また、制御部は、ホイールシリンダ内の液圧の昇圧勾配を車両の状態量として算出し、その昇圧勾配が大きくなるほど、電磁弁を閉弁させるタイミングを早くするようにしてもよい。ホイールシリンダ内の液圧の昇圧勾配は特定制御における緊急性を直接的に反映するものともいえ、そのようにタイミングを調整することで、液圧制御の応答性をより一層高めることができる。
このような電磁弁は、アキュムレータの一部として構成されていてもよい。例えば、制御部が通常制動状態においてはこの電磁弁を作動させずにアキュムレータを自律的に作動可能とし、緊急制動状態になったときに制御により電磁弁を作動させてアキュムレータへの作動液の導入を規制するようにしてもよい。
本発明のブレーキ制御装置によれば、アキュムレータを含む液圧源の大型化を回避することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置をその液圧回路を中心に示す系統図である。
ブレーキ制御装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定するものである。ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動液としてのブレーキフルードを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。また、ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。更に、マスタシリンダ14には、リザーバタンク26が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、開閉弁23を介して、運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。なお、開閉弁23は、非通電時に閉状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に開状態に切り換えられる常閉型電磁弁である。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されており、ブレーキ油圧制御管16は、図示されない右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されており、ブレーキ油圧制御管18は、図示されない左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、左電磁開閉弁22FLが設けられている。これらの右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは、何れも非通電時に開状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に閉状態に切り換えられる常開型電磁弁である。以下、適宜、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLを総称して「開閉弁22」という。
また、右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する左マスタ圧センサ48FLが設けられている。ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、これらの右マスタ圧センサ48FRおよび左マスタ圧センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。このように、ストロークセンサ46の故障を想定して、マスタシリンダ圧を2つの圧力センサ48FRおよび48FLによって監視することは、フェイルセーフの観点から好ましい。以下、適宜、右マスタ圧センサ48FRおよび左マスタ圧センサ48FLを総称して「マスタ圧センサ48」という。
一方、リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されており、この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるポンプ34の吸込口が接続されている。ポンプ34の吐出口は、高圧通路を形成する高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。アキュムレータ50、ポンプ34、モータ32は、ブレーキフルードの液圧を蓄圧可能な動力液圧源を構成する。ポンプ34の吸入口は、非駆動時、油圧給排管28との連通が実質的に遮断される。本実施例では、ポンプ34として、モータ32によって回転駆動されるギヤポンプが採用されている。モータ32としてはブラシレスモータが用いられ、いわゆるPWM制御がなされるが、そのこと自体は公知であるため説明を省略する。また、アキュムレータ50としてはブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるものが採用される。
アキュムレータ50は通常、ポンプ34によって内部の液圧(以下「アキュムレータ圧」という)が所定の設定範囲(例えば8〜12MPa程度)にまで昇圧されたブレーキフルードを蓄える。リリーフバルブ53の弁出口は油圧給排管28に接続されており、高圧管30内の液圧が異常に高まって例えば25MPa程度になると、そのリリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキフルードは油圧給排管28を介してリザーバタンク26へ戻される。更に、高圧管30には内部の作動液の液圧(本実施の形態ではアキュムレータ圧に等しい)を検出するアキュムレータ圧センサ51(「検出部」として機能する)が設けられている。
そして、高圧管30は、増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。以下、適宜、ホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して「ホイールシリンダ20」といい、適宜、増圧弁40FR〜40RLを総称して「増圧弁40」という。増圧弁40は、何れも非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。なお、図示されない車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
また、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。減圧弁42FRおよび42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。以下、適宜、減圧弁42FR〜42RLを総称して「減圧弁42」という。
右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近には、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するブレーキフルードの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RRおよび44RLが設けられている。以下、適宜、シリンダ圧センサ44FR〜44RLを総称して「シリンダ圧センサ44」という。
上述の右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、ポンプ34、アキュムレータ50等は、ブレーキ制御装置10の油圧アクチュエータ80を構成する。そして、かかる油圧アクチュエータ80は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)200によって制御される。ECU200は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、メモリ等を備える。本実施の形態において、ECU200が「制御部」および「状態判定部」として機能する。
次に、動力液圧源の構成および動作について説明する。図2は、アキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。
ポンプ34は、2つの歯車によりブレーキフルードを送出するギヤポンプとして構成されている。本実施の形態では、ハウジング61内に一対の同形状の外歯歯車62を並設した外接タイプのものが採用されている。各歯車がモータ32によって回転されることによりリザーバタンク26からブレーキフルードを吸引し、アキュムレータ50が配置された高圧管30に吐出する。すなわち、ハウジング61の入口から導入されたブレーキフルードは、回転する両歯車62の噛合部の外側に分離され、ハウジング61の内周面と各歯車62との間に形成される間隙の移動とともに出口側へ導かれて送出される。なお、本実施の形態では、外接タイプのギヤポンプを採用したが、外歯歯車および内歯歯車から構成される内接タイプのギヤポンプであってもよい。これらのギヤポンプについては公知であるため、その詳細な説明については省略する。
アキュムレータ50には、べローズタイプのものが採用されている。アキュムレータ50は、ハウジング71と、そのハウジング71内の空間を密閉空間と開放空間とに気密に仕切る金属製のベローズ72とを含んで構成されている。ベローズ72の一端はハウジング71に固定され、他端には内部を封止する端板73が装着されている。ベローズ72の内側の密閉空間はガス室74(「基準圧力室」に該当する)となっており、窒素等の高圧ガスが封入されている。ベローズ72の外側の開放空間は蓄圧室75となっており、接続管76を介して高圧管30に連通している。蓄圧室75には、ポンプ34から吐出された高圧のブレーキフルードが加圧下で蓄えられる。また、ベローズ72の内部には、その軸線方向に延びる柱状のストッパ77が配設されている。ストッパ77の一端はハウジング71に固定され、他端にはゴム等からなる緩衝材78が装着されている。ハウジング71の接続管76側の端部には、シール用のOリング79が配設されている。
ベローズ72は、蓄圧室75とガス室74との圧力差により軸線方向に伸縮してその容積を変化させるが、ストッパ77により端板73が係止されることでその縮小方向の変位が規制される。つまり、ストッパ77により蓄圧室75の容積が規制される。ベローズ72は、その規制が及ばない範囲においてはガス室74の圧力と蓄圧室75の液圧とが等しくなる状態で伸縮させられる。つまり、蓄圧室75の容積の増加に伴ってガス室74の容積が減少させられ、それによりガス室74の圧力は蓄圧室75の圧力と同圧に保持される。ホイールシリンダ圧の増圧時には、蓄圧室75のブレーキフルードが接続管76を介して高圧管30に押し出され、各ホイールシリンダ20に供給される。アキュムレータ圧が低下すると、ベローズ72が伸張して蓄圧室75の容積が小さくなるが、端板73がOリング79に密着するまで変位して係止されると、その最小容積を保持する。
モータ32は、アキュムレータ圧センサ51によって検出されたアキュムレータ圧が予め定められた設定範囲内に保たれるように作動状態が制御される。すなわち、アキュムレータ圧がその設定範囲の下限値Pamin(本実施の形態では8Mpa)を下回ると、ECU200がモータ32への通電を開始し、ポンプ34を駆動してアキュムレータ圧を昇圧させる。アキュムレータ圧がその設定範囲の上限値Pamax(本実施の形態では12Mpa)を上回ると、ECU200がモータ32の通電を遮断してポンプ34の駆動を停止させる。本実施の形態では、アキュムレータ圧の設定範囲をその常用域を賄える程度とし、従来の設定範囲(例えば14〜22MPa程度)よりも小さく抑えている。これによりアキュムレータ50に恒常的に高圧が負荷されることを防止し、その耐久性を向上させている。高い制動力が要求される場合には、ECU200が緊急的にポンプ34を駆動し、アキュムレータ圧では不足する液圧分を補う。つまり、アキュムレータ50からのブレーキフルードの供給に加え、ポンプ34により吐出されたブレーキフルードをホイールシリンダ20に供給することで必要なホイールシリンダ圧を確保するようにしている。
本実施の形態において、アキュムレータ50のガス室74の封入圧は、サーボ失陥時の液圧(例えば5〜8Mpa)以上の値となるように設定される。例えばモータ32が故障して動力液圧源の液圧が保持できなくなったような場合、ECU200がその異常を検知し、開閉弁22を開弁させて制動力を確保するフェイルセーフ処理を行う。このとき、前輪側の増圧弁40FR,40FLの弁部に異物が噛み込むなどしてその閉弁状態が維持されない状態が発生すると、ブレーキフルードがその増圧弁を逆流するおそれがある。すなわち、ガス室74の封入圧が低いと、マスタシリンダ14から供給されるブレーキフルードの一部がその増圧弁を介してアキュムレータ50内に導かれ、ホイールシリンダ圧の上昇または維持を妨げる可能性がある。そこで、ガス室74の封入ガスの封入圧を、サーボ失陥時に想定される液圧以上となるように設定している。これにより、仮にサーボ失陥が発生しても端板73が縮小方向に変位しないため、増圧弁40FR,40FLを介したブレーキフルードの逆流を防止または抑制することができる。その結果、必要なホイールシリンダ圧を維持して制動力を確保することができる。
図3は、動力液圧源による制動制御方法を表す図である。同図の横軸は時間の経過を表し、縦軸は制御対象となるホイールシリンダ圧(W/C圧)を表している。図中の実線はアキュムレータ50による液圧制御領域を表し、一点鎖線はポンプ34の駆動による追加の液圧制御領域を表している。
本実施の形態では、車両走行時に普通にブレーキペダルが踏み込まれるような通常制動時においてはアキュムレータ50に蓄圧された液圧にて制動制御が行われる。すなわち、目標減速度が低〜中程度の常用域においては、アキュムレータ50に蓄積されたブレーキフルードがホイールシリンダ20に供給されて制動制御が行われる。図示のように、アキュムレータ50に蓄圧された液圧で賄える圧力Pamax(例えば12Mpa)まではこれを利用し、ホイールシリンダ圧を確保する。
一方、ABS等が作動するような緊急制動時には要求される制動力が大きくなり、アキュムレータ50に常時蓄圧される液圧で賄える圧力Pamaxでは不足する場合がある。このため、必要に応じて緊急的にポンプ34を駆動して追加のブレーキフルードを吐出させ、これをホイールシリンダ20に供給する。すなわち、目標減速度が高い特定域においては、アキュムレータ50に蓄圧された液圧に加え、ポンプ34駆動による液圧を利用し、必要なホイールシリンダ圧Pwcを確保する。その場合においても、制動初期応答の部分についてはアキュムレータ圧が利用される。別の見方をすると、このように要求制動力が大きい緊急制動時の液圧をポンプ34の駆動により補うようにしたため、アキュムレータ圧を常用域に対応する高さに抑えることができる。このことは、アキュムレータ50等の小型化に寄与し得る。
ところで、本実施の形態では図2に示したように、ストッパ77によりベローズ72の縮小方向の変位を規制することで蓄圧室75の容積を規制するようにしている。すなわち、アキュムレータ圧が設定範囲の上限値Pamaxに達すると、それ以降は端板73がストッパ77に係止されて蓄圧室75の容積がそれ以上大きくならなくなる。これにより、緊急制動時にポンプ34の駆動により追加供給されるブレーキフルードがアキュムレータ50に導入されることを抑制し、液量消費を低減させている。それにより、ホイールシリンダ20に効率よく供給できるようにし、ポンプ性能を向上させている。
ただし、このように蓄圧室75の容積が規制された後にモータ32が不要に回転し続けると、高圧管30に接続された制御弁にシール面摩耗や液圧リリーフ時の音(流動音)の発生などの悪影響を与える可能性がある。すなわち、過剰な作動液は増圧弁40またはリリーフバルブ53を介してリリーフされるようになるが、特に増圧弁40については制動制御にも頻繁に使用されるため、無駄に作動させるとそのシール部等を劣化させて寿命を短くする可能性もある。そこで、緊急制動状態においても不足分の液圧が満たされればモータ32の駆動を速やかに停止するのが好ましい。
また、本実施の形態では、アキュムレータ圧センサ51が故障した場合であっても、ブレーキペダル12を踏んでいないときにはモータ32を不要に回転させないようにしている。図4は、アキュムレータ圧センサの故障判定に用いられる制御マップを表す図である。同図の横軸は時間の経過を表し、縦軸はモータ32の制御電流およびアキュムレータ圧を表している。図中実線がモータ32の制御電流の変化を表し、一点鎖線がアキュムレータ圧の変化(推定値)を表している。
図示のように、アキュムレータ50の蓄圧過程においては高圧管30の液圧の高まりが蓄圧室75の拡張により吸収されるため、モータ32の回転負荷が小さく、供給される電流勾配も緩やかになる。しかし、その蓄圧が完了し、ストッパ77により蓄圧室75の拡張が規制されてブレーキフルードが満たされた後は、高圧管30の液圧が速やかに上昇してモータ32の回転負荷が大きくなる。その結果、図示のようにモータ32の電流勾配が急激に大きくなる。つまり、アキュムレータ50内にブレーキフルードが満たされる前後で電流勾配の変化が大きくなる。図示の例では、時刻t1においてブレーキフルードが満たされ、電流勾配が大きく変化する変曲点が表れている。そこで、本実施の形態ではこの電流勾配を監視し、その電流勾配が所定値よりも大きくなったときにアキュムレータ圧が上限値Pamaxに達したと推定してモータ32を停止させる。これにより、アキュムレータ圧センサ51が故障した場合にモータ32を不要に回転させないようにしている。なお、アキュムレータ圧センサ51の故障判定の基準となる電流勾配(所定値)については、実験等により適宜設定することができる。
次に、本実施の形態の液圧制御処理の流れについて説明する。図5は、液圧制御処理の主要部の流れを概略的に表すフローチャートである。この処理は、イグニッションスイッチがオンされた後に所定の周期で繰り返し実行される。
ECU200は、所定のプログラムに基づく演算処理により、ホイールシリンダ圧の制御目標値である目標ホイールシリンダ圧を算出する(S10)。そして、その目標ホイールシリンダ圧が予め設定した液圧P1よりも小さいか否かを判定する。ここでは、液圧P1としてアキュムレータ50で賄うことが可能な液圧(例えば12Mpa)が設定されている。アキュムレータ50に蓄圧された液圧で賄えるときには、通常の制動制御を実行するためである。
このとき、目標ホイールシリンダ圧が液圧P1よりも小さければ(S12のY)、続いて、アキュムレータ圧センサ51により検出されたアキュムレータ圧Paccと目標ホイールシリンダ圧Pwcとの差圧が予め設定した差圧ΔPよりも大きいか否かを判定する。アキュムレータ圧Paccが目標ホイールシリンダ圧Pwcよりも高ければ液圧の供給が可能であるため、ここでは差圧ΔPとしてゼロを設定しているが、油圧回路における圧力損失等を考慮して所定の値(正の値)を設定してもよい。
このとき、その両圧力の差圧が設定差圧ΔPよりも大きければ(S14のY)、通常制動制御を実行する(S16)。すなわち、アキュムレータ圧をその設定範囲に維持する第1のモータリレー制御を実行するとともに、目標ホイールシリンダ圧を実現するための増圧弁40および減圧弁42の開閉制御を実行する。第1のモータリレー制御においては、アキュムレータ圧センサ51により検出されるアキュムレータ圧がその下限値Paminを下回ると、モータ32への通電を開始してポンプ34を駆動し、アキュムレータ圧を昇圧させる。アキュムレータ圧がその上限値Pamaxを上回ると、モータ32の通電を遮断してポンプ34の駆動を停止させる。
一方、S12において目標ホイールシリンダ圧Pwcが液圧P1よりも大きい場合には(S12のN)、緊急制動制御を実行する(S18)。すなわち、上述のように低めに設定したアキュムレータ圧では賄いきれない液圧を、ポンプ34の駆動による追加の液圧で補う第2のモータリレー制御を実行するとともに、目標ホイールシリンダ圧を実現するための増圧弁40および減圧弁42の開閉制御を実行する。第2のモータリレー制御においては、目標ホイールシリンダ圧Pwcがアキュムレータ圧の上限値Pamaxを上回る状態で増圧要求があると、その不足分の液圧を補うためにポンプ34を駆動する。これによりホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧Pwcに達すると、ポンプ34の駆動を停止させる。目標ホイールシリンダ圧Pwcがアキュムレータ圧の上限値Pamaxを上回っていても、既にその目標ホイールシリンダ圧Pwcが達成されており液圧の保持が要求されている場合、あるいは減圧要求がある場合には、ポンプ34の駆動は行わない。この場合においても、アキュムレータ圧がその下限値Paminを下回ると、モータ32への通電を開始してポンプ34を駆動し、アキュムレータ圧を昇圧させる。また、モータ32の電流勾配ΔIが所定値αよりも大きくなったときには、アキュムレータ圧センサ51が故障している可能性があるとして、その通電を遮断してポンプ34の駆動を停止させる。
また、S14においてアキュムレータ圧Paccと目標ホイールシリンダ圧Pwcとの差圧が設定差圧ΔPよりも小さい場合にも(S14のN)、その不足分の液圧を補うために同様の緊急制動制御を実行する(S18)。
以上に説明したように、本実施の形態においては、緊急制動時にポンプ34を駆動して追加の液圧を供給可能としておくことで、通常制動状態の動力液圧源の液圧を低く抑えるようにしている。すなわち、実行頻度の多い通常制動状態を基準にアキュムレータ50の蓄圧の設定範囲を低く抑える一方、仮に緊急制動が要求されても、必要なホイールシリンダ圧を確保できるようにしている。緊急制動時にアキュムレータ50にその設定範囲を超える液圧が作用することがあっても、その頻度は少なく、また一時的であるため、その耐久性に大きく影響を与えることはない。このため、アキュムレータ50の小型化を図ることができる。また、通常のアキュムレータ圧を低く保持することで、ポンプ34を駆動するモータ32の起動電流および定格電流を小さく抑えることができる。その結果、モータ32およびポンプ34の小型化も実現し得る。それにより、バッテリ電源の持ち出しを少なくすることもできる。その結果、動力液圧源全体の小型化を図ることもできる。
また、このようにしてアキュムレータ50の蓄圧の設定範囲を小さくすることでポンプ34にギヤポンプを採用することができる。その結果、従来のピストン式のポンプと比較して液圧の脈動を抑制でき、その作動音を小さくすることができる。また、作動時の振動が抑制されるため、動力液圧源のより安定した挙動を確保することもできる。
また、従来はアキュムレータ圧の設定範囲が高かったため、そのアキュムレータ圧とホイールシリンダ圧との差圧が大きく、増圧弁の弁部を通過するブレーキフルードの流速が高くなり(流量が多くなり)、キャビテーションが発生しやすいといった問題もあった。しかし、本実施の形態によれば、アキュムレータ圧の設定範囲を低く抑えることでこれを抑制することができる。また、従来は増圧弁が比較的大きな差圧を制御していたために、流量に対する制御電流のゲインを大きくとる必要があったが、本実施の形態ではこれを小さくすることができ、その制御性を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、アキュムレータの構成が異なる点を除けば第1の実施の形態とほぼ同様である。このため、第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については必要に応じて同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図6は、第2の実施の形態に係るアキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。
本実施の形態のアキュムレータ250は、ベローズ72の内部に第1の実施の形態のようなストッパ77は設けられおらず、端板73のベローズ72とは反対側にシャフト271を介して板状のストッパ272(「蓄圧抑制手段」として機能する)が連設されている。すなわち、本実施の形態ではガス室74ではなく液圧回路にストッパが設けられている。シャフト271は、接続管76よりも長くかつ断面が小さい柱状をなし、その一端が端板73の中央に固定され、他端がストッパ272の中央に固定されている。ストッパ272のシャフト271側の面には、その外周縁近傍に沿ってOリング273が装着されている。
図7は、アキュムレータの動作を表す図である。(A)は動力液圧源の液圧がアキュムレータ圧の制御範囲内にある通常制御状態を表し、(B)はその液圧が制御範囲を上回る高圧制御状態を表し、(C)はその液圧が制御範囲を下回るゼロダウン状態を表している。ここで、「通常制御状態」は通常制動状態を含み、「高圧制御状」は緊急制動状態を含む。「ゼロダウン状態」は、蓄圧室75が負圧になってアキュムレータ250が実質的に機能しない状態である。
同図(A)に示す通常制御状態においては、蓄圧室75とガス室74との圧力がバランスするようにベローズ72が伸縮し、アキュムレータ250が設定範囲に蓄圧可能な状態を保持する。ポンプ34から高圧管30に吐出されたブレーキフルードは、ストッパ272と高圧管30との間隙およびシャフト271と接続管76との間隙を介して蓄圧室75に導入される。制動時には、蓄圧室75内のブレーキフルードが高圧管30に導出されてホイールシリンダ20へ供給される。
一方、同図(B)に示す高圧制御状態においては、ポンプ34の駆動によりブレーキフルードが追加されて高圧管30の液圧が相当高くなる。このため、蓄圧室75の液圧とガス室74の液圧との差圧が大きくなってベローズ72が縮小方向に変位し、ストッパ272がOリング273とともに接続管76側に変位して係止され、高圧管30の内側から蓄圧室75を封止する。つまり、アキュムレータ50内の液圧がその設定範囲(本実施の形態では8〜12Mpa)の上限値を超えると、高圧管30に導入されたブレーキフルードはそれ以上蓄圧室75に導かれることなく、ホイールシリンダ20へ供給される。
同図(C)に示すゼロダウン状態になると、ガス室74の液圧が蓄圧室75の液圧よりも大きくなるため、ベローズ72が最大に伸張する。これにより、ストッパ272が高圧管30の中央に向かって変位し、高圧管30と接続管76との連通路を大きく開放する。このため、ポンプ34が再度駆動されてブレーキフルードが吐出されるとこれを速やかに蓄圧室75に導き、アキュムレータ圧を設定範囲まで上昇させることができる。一方、このようなゼロダウン状態においてモータ32が故障し、さらにサーボ失陥が発生したとしても、上述のようにガス室74の封入圧がそのサーボ失陥時の液圧以上に設定されているため、増圧弁40側からのブレーキフルードの逆流は防止される。
本実施の形態においては、アキュムレータ圧がその設定範囲を超えると高圧管30と蓄圧室75との間の液圧通路が遮断され、アキュムレータ50内の圧力がその設定範囲の上限値以上に高まることが防止される。この液圧通路の遮断により、緊急制動時においてホイールシリンダ圧を効率よく高めることができるとともに、アキュムレータ50の不要な圧力上昇を防止してその耐久性を向上させることができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
図8は、第1の実施の形態の変形例に係るアキュムレータの構成を表す図である。本変形例において、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付している。 本変形例のアキュムレータ350では、ストッパ77の先端に丸みを有する緩衝材378が設けられている。このように、緩衝材378における端板73からの受圧面積が蓄圧室75内の液圧の上昇とともに徐々に大きくなる構成とすることで、その液圧の立ち上がりを滑らかにすることができる。その結果、緊急制動時の液圧上昇によりアキュムレータ350が受けるショックを小さくすることができ、その当接音を低減することができる。なお、図示の例では緩衝材378の先端を曲面形状にしたが、円錐等のテーパ状に構成してもよい。
また、第1の実施の形態および本変形例においては所定長さのストッパ77を設けたが、ガス室74の圧力を確保できる限り、その長さを短くしてもよい。それにより、アキュムレータの小型化を実現することができる。あるいは、蓄圧室75とガス室74とをベローズではなく、薄膜状のダイヤフラム等により仕切るようにしてもよい。さらに、両室を伸縮性を有するベローズ等で仕切るのではなく、端板73等の仕切り部材のみにより仕切るようにしてもよい。例えば、端板73の外周部にハウジング71に対して摺動可能なシールリングを配設し、その端板73の変位により蓄圧室75の容積が変化するように構成してもよい。
図9は、第2の実施の形態の変形例に係るアキュムレータの構成を表す図である。本変形例において、第2の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付している。 本変形例のアキュムレータ450では、端板73に連設されたシャフト471の先端部が弁体472を構成している。接続管76の高圧管30とつながる開口端縁により弁座473が形成されており、弁体472がこの弁座473に高圧管30側から着脱可能に構成されている。弁体472が弁座473に着脱することで、接続管76の開口部が開閉される。高圧制御状態においては、蓄圧室75の液圧とガス室74の液圧との差圧が大きくなってベローズ72が縮小方向に変位する。その結果、弁体472が弁座473に着座して高圧管30の内側から蓄圧室75を封止する。その結果、高圧管30に導入されたブレーキフルードがホイールシリンダ20へ効率よく供給される。このように、本変形例では高圧管30とアキュムレータ50との連通部のシールを第2の実施の形態のようなゴム等のシールリングで行うのではなく、金属シールによって行っている。このため、シール部の劣化が発生しにくく、その寿命を長くすることができる。
図10は、別の変形例に係るアキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。本変形例において、図2に示した第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付している。
本変形例では、高圧管30における増圧弁40とアキュムレータ50との間に逆止弁52が設けられている。逆止弁52は、アキュムレータ50側から増圧弁40側へのブレーキフルードの流れを許容するが、その逆方向の流れを阻止するものである。このような逆止弁52を設けることで、ガス室74の封入圧にかかわらずブレーキフルードの逆流が防止される。このため、仮にモータ32の故障時等にサーボ失陥が発生したとしても、ブレーキフルードをホイールシリンダ20に効率よく供給することができる。また、アキュムレータ50の封入圧を下げ、その小型化を図ることもできる。
図11は、さらに別の変形例に係るアキュムレータの概略構成を表す図である。(A)はその変形例を表し、(B)はさらなる追加の変形例を表している。本変形例において、図2に示した第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付している。
本変形例では、アキュムレータをべローズタイプではなく、いわゆるピストンタイプとして構成している。同図(A)に示すように、アキュムレータ550は、ハウジング71内の空間を密閉空間と開放空間とに気密に仕切るピストン510を含んで構成されている。ピストン510は、有底円筒状をなし、その外周部に周設された2つの溝にシール部材としてのOリング512,514を装着している。Oリング512,514は、ピストン510の軸線方向に所定の間隔をあけて配置されている。これらOリング512,514によって蓄圧室75とガス室74とが気密に仕切られている。ガス室74において、ピストン510の底部とハウジング71との間には、蓄圧室75を縮小する方向にピストン510を付勢する付勢部材としてのスプリング516が介装されている。ピストン510の底部とは反対側の開口端部は、ハウジング71の底面と当接して係止され、その軸線方向の変位を規制する係止面518を構成している。
ピストン510は、蓄圧室75とガス室74との差圧による力と、スプリング516による付勢力とがバランスするように軸線方向に変位して蓄圧室75の容積を変化させる。ただし、アキュムレータ圧が上昇してその差圧が大きくなり、ピストン510が蓄圧室75の拡張方向(図の右方)に変位しても、係止面518がハウジング71に係止されることによりその蓄圧室75の容積は規制される。逆に、アキュムレータ圧が低下すると、ピストン510が蓄圧室75の縮小方向(図の左方)に変位して蓄圧室75の容積が小さくなるが、ピストン510の底部がハウジング71に係止されるよりより、その変位が規制される。
なお、同図(B)に示すように、ピストン510の開口端部に例えばリング状の緩衝材520を設けてもよい。図示のように緩衝材520の先端に丸みを設けることで、図8に示した変形例と同様の効果を得ることもできる。つまり、ピストン510のフルストローク時の当接音の低減を図ることができる。なお、同図の変形例においては、ピストン510がハウジング71に直接係止される態様を示したが、図2および図8に示されるようなストッパ77を設けてもよい。例えば、スプリング516の軸芯となるようにストッパ77を配置し、それによりピストン510の底部を係止する構成としてもよい。図11(A)においてストッパ77を設けるようにすると、ピストン510の開口端部を係止面518として機能させる必要はなくなる。また、同図(B)においてストッパ77を設けるようにすると、緩衝材520を設ける必要がなくなる。さらに、図7および図9に示したベローズタイプのアキュムレータについても、同様にピストンタイプとすることができる。例えば、図7および図9に示された端板73を図11に示すピストン510に置き換えてもよい。また、アキュムレータ設定封入圧の設定には、スプリングを利用してもよいし、窒素ガス等を利用してもよい。
なお、上記各実施の形態では、ポンプ34としてギヤポンプを採用した例を示したが、ピストン式のポンプを採用することもできる。例えば、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストンを備えた往復動ポンプを採用してもよい。ただし、各実施の形態のようにギヤポンプを用いるほうが液圧の脈動を抑制してその作動音を小さくできる点で好ましい。
また、上記実施の形態では述べなかったが、前輪側の増圧弁40FR,40FLの弁部に異物が噛み込むなどの故障が発生した場合に備え、フェイルセーフのためのさらなる構成を採用することもできる。すなわち、このような場合、ブレーキペダル12が踏み込まれていないにもかかわらず、アキュムレータ50からの液圧がその増圧弁40FR,40FLから漏れ、開弁状態にある開閉弁22を逆流してマスタシリンダ14側へ導かれる可能性がある。これにより、マスタ圧センサ48がその液圧を検出し、ECU200がブレーキペダル12が踏み込まれたとの誤判定を行う可能性がある。そこで、このように前輪側の増圧弁40FR,40FLに異物が噛み込むことを抑制できるよう、マニュアル液圧源につながらない後輪側の増圧弁40RR,40RLを先に開弁させて作動液をリリーフしやすくしてもよい。
具体的には、後輪側の増圧弁40RR,40RLにその開弁電流よりも小さな小電流を常時かけておくようにしてもよい。これにより、前輪側の増圧弁40FR,40FLよりも後輪側の増圧弁40RR,40RLの開弁圧が相対的に下がり、開弁しやすくなる。その結果、アキュムレータ50からの液圧を後輪側の増圧弁40RR,40RLを介して油圧給排管28へリリーフすることができる。あるいは、構造的に後輪側の増圧弁40RR,40RLの開弁圧を前輪側の増圧弁40FR,40FLの開弁圧よりも小さく設定していてもよい。例えば、両増圧弁の弁体を閉弁方向に付勢するスプリング等のばね荷重を異ならせてこれを実現してもよい。増圧弁40における部品の共通化の観点からは前者のほうが好ましいが、消費電力低減の観点からは後者のほうが好ましい。なお、本変形例において、前輪側の増圧弁40FR,40FLが「特定増圧弁」に該当し、これらに対応する前輪側のホイールシリンダ20FR,20FLが「特定ホイールシリンダ」に該当する。
さらに、上記実施の形態では述べなかったが、制動制御時に減圧要求があった場合、ポンプ34を逆転駆動させるようにしてもよい。これにより、高圧管30の液圧を積極的にリザーバタンク26へ戻すことができ、減圧制御を促進することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ポンプとアキュムレータとの間に分配電磁弁を設けた点を除けば第1の実施の形態とほぼ同様である。このため、第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については必要に応じて同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図12は、第3の実施の形態に係るアキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。
本実施の形態においても、アキュムレータ650が接続管76を介して高圧管30に接続されている。ポンプ34とアキュムレータ650との間には、接続管76内の液圧通路を開閉する分配電磁弁660が配置されている。分配電磁弁660は、非通電時に開状態にある常開型電磁弁であり、通電されると閉弁してその液圧通路を閉じ、ポンプ34からアキュムレータ650へ供給されるブレーキフルードの流れを遮断する。すなわち、ECU200による通電制御によって分配電磁弁660を開閉させることによりアキュムレータ650へ供給されるブレーキフルードの流量を調整し、相対的にホイールシリンダ20へ供給するブレーキフルードの流量を調整できるようになっている。
このように分配電磁弁660を作動させることによりアキュムレータ650の圧力上昇が規制されるため、その分配電磁弁660の前後には差圧が発生する。すなわち、アキュムレータ圧は、アキュムレータ650と分配電磁弁660との間の液圧通路の液圧には等しいが、高圧管30の液圧とは異なる場合がある。このため、アキュムレータ圧センサ51は、図示のように、アキュムレータ650と分配電磁弁660との間の液圧通路に配置されている。
図13は、アキュムレータの概略構成を表す図である。なお、同図において図2に示した第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付している。
アキュムレータ650は、図11に示された変形例と同様にピストンタイプとして構成されている。アキュムレータ650は、ハウジング71内の空間を密閉空間となるガス室74と開放空間となる蓄圧室75とに気密に仕切るピストン610を含んで構成されている。ガス室74には窒素等の高圧ガスが封入されており、アキュムレータ圧の設定範囲が第1の実施の形態と同様に低圧に抑えられるように設定されている。
ピストン610は、段付円筒状をなし、その外周部に周設された溝にシール部材としてのOリング612を装着している。ピストン610の先端部は、接続管76側に小径化されて係止部614を構成している。ピストン610は、蓄圧室75の圧力とガス室74の圧力とがバランスするようにその軸線方向に変位し、蓄圧室75の容積を変化させる。ただし、アキュムレータ圧が上昇してその圧力差が大きくなり、ピストン610が蓄圧室75の拡張方向(図の上方)に変位しても、その後端面がストッパ77に係止されることによりその蓄圧室75の容積は制限される。逆に、アキュムレータ圧が低下すると、ピストン610が蓄圧室75の縮小方向(図の左方)に変位して蓄圧室75の容積が小さくなるが、ピストン610の係止部614がハウジング71の内壁に係止されるよりより、その変位が規制される。
図12に戻り、分配電磁弁660が開弁状態にあれば、ポンプ34から吐出されたブレーキフルードは、まずアキュムレータ650に導入されてその蓄圧に利用され、そのアキュムレータ圧が設定範囲まで昇圧されてからホイールシリンダ20の昇圧に利用されるようになる。一方、ECU200は、高い制動力が要求される緊急制動時など、車両状態がホイールシリンダ20の昇圧を優先させるべき状況となった場合には、分配電磁弁660へ通電を行ってアキュムレータ650へのブレーキフルードの導入を一時的に遮断する。すなわち、ECU200は、アキュムレータ650の蓄圧状態にかかわらず分配電磁弁660を作動させる。それにより、アキュムレータ650への蓄圧を先送りにしてホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給を促し、ホイールシリンダ圧を速やかに上昇させるようにする。
図14は、分配電磁弁の開閉制御を含む特定液圧制御の具体例を表す図である。同図には、上段から分配電磁弁660の開閉状態、各液圧の状態がそれぞれ示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。同図下段において、太い実線はアキュムレータ圧Paccを表している。細い実線は、要求制動力が高い緊急制動時において特定液圧制御が実行された場合のホイールシリンダ圧(実圧)の変化を表している。一点鎖線は、比較例として要求制動力が高い緊急制動時において特定液圧制御が実行されなかった場合のホイールシリンダ圧の変化を表している。破線は、要求制動力が高くない通常制動時のホイールシリンダ圧の変化を表している。
ECU200は、液圧制御時に緊急制動時の緊急度を推し量る指標としてアキュムレータ圧とホイールシリンダ圧との差圧を算出し、その差圧が予め設定された判定基準値以下となった場合に緊急度が高いとして分配電磁弁660を閉弁させる。そして、ホイールシリンダ圧が目標液圧に達した後に分配電磁弁660を開弁させる。
図示の例では、アキュムレータ650に十分に蓄圧された状態から制動制御が開始されている。この結果、アキュムレータ650内のブレーキフルードが消費されてアキュムレータ圧Paccが徐々に低下したため、時刻t0においてポンプ34の駆動による追加の液圧が供給されている。しかし、緊急制動により時刻t1にてアキュムレータ圧Paccとホイールシリンダ圧Pwcとの差圧が予め設定した判定基準値ΔP0以下になったため、分配電磁弁660が閉弁駆動されてアキュムレータ650への蓄圧が中断されている。その結果、ホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給が促進され、実線にて示すようにホイールシリンダ圧Pwcが速やかに上昇し、時刻t2に目標値に達している。
アキュムレータ圧Paccは当初、ホイールシリンダ20への液圧供給により徐々に低下しているが、時刻t1にて分配電磁弁660が閉じられてから一定圧に保持されている。そして、時刻t2にてホイールシリンダ圧Pwcが目標値に達したことにより分配電磁弁660が再び開弁されたため、アキュムレータ650にブレーキフルードが供給され、時刻t3にてアキュムレータ圧Paccが再び設定範囲内に達している。
一方、このような緊急制動時において分配電磁弁660の作動による特定液圧制御御を行わなかった場合、ポンプ34の駆動による液圧上昇がアキュムレータ650の蓄圧にも消費されてしまう。このため、一点鎖線にて示すように、ホイールシリンダ圧Pwcが目標値に達するまでに長時間を要する。すなわち、本実施の形態においては、アキュムレータ650では液圧を賄えなくなる場合に、第1の実施の形態と同様にポンプ34を駆動して追加の液圧を供給する。そのような場合でも特に緊急制動を要するときに分配電磁弁660を駆動してアキュムレータ650への蓄圧を規制する。それにより、ポンプ34の駆動による昇圧効果を前倒し的にホイールシリンダ圧Pwcの上昇に振り向け、液圧制御の応答性を向上させている。なお、ホイールシリンダ圧Pwcの圧力勾配については、ポンプ34を駆動するモータ32の回転数を調整することにより変化させることができる。
なお、図中破線にて示すように、ホイールシリンダ圧Pwcの目標値が低い場合には、アキュムレータ圧Paccを用いることで十分に対応できる。このため、分配電磁弁660はもちろん、ポンプ34も作動させる必要がなくなる。
図15は、分配電磁弁の開閉制御を含む液圧制御の他の具体例を表す図である。同図には、上段から分配電磁弁660の開閉状態、ホイールシリンダ圧の状態がそれぞれ示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。同図下段において、太い実線は、緊急制動時においても緊急度が高いときに逐次設定される目標ホイールシリンダ圧の変化を表している。細い実線は、その緊急度が高いときの目標ホイールシリンダ圧に沿って制御されたホイールシリンダ圧Pwc(実圧)の変化を表している。一点鎖線は、比較例として緊急制動時においても緊急度がそれほど高くないときの目標ホイールシリンダ圧の変化を表している。ここで示す制御は、例えば図14に示した特定液圧制御御に付加的に伴わせることができる。
ここでは、ホイールシリンダ圧Pwcの時間変化、つまり昇圧勾配に応じて緊急制動時における分配電磁弁660の作動タイミングが制御される。すなわち、ホイールシリンダ圧Pwcの昇圧勾配が予め設定した基準勾配を超える場合、ECU200は、その昇圧勾配が基準勾配以下のときよりも早いタイミングで分配電磁弁660を作動させ、ホイールシリンダ圧Pwcのより速やかな上昇を促進する。
図示の例では、一点鎖線にて示すように、目標ホイールシリンダ圧の昇圧勾配θ1が基準勾配以下である場合、時刻t22にて分配電磁弁660が閉弁されている。一方、実線にて示すように、昇圧勾配θ2が基準勾配を超える場合、それより早い時刻t21にて分配電磁弁660が閉じられている。そして、時刻t23においてホイールシリンダ圧Pwcが制御上の目標値に達したため、分配電磁弁660が開弁状態に戻されている。このように、ホイールシリンダ圧Pwcの昇圧勾配が大きな場合に分配電磁弁660を前倒し的に作動させることにより、緊急制動時における液圧制御の応答性をより高めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、車両状態に応じて分配電磁弁660を作動させ、アキュムレータ650への蓄圧を先送りにすることで、制動制御の応答性を高めることができるようになる。
なお、このように分配電磁弁660を設けるとアキュムレータ650への蓄圧状態を自由に変更できるため、本実施の形態以外にもこれを利用した様々な制御が実現可能となる。例えば、車両状態に応じてアキュムレータ650への蓄圧とホイールシリンダ圧Pwcの昇圧とをバランスさせるように制御を行ってもよい。
例えば、本実施の形態では、分配電磁弁660を通電の有無により閉弁状態または開弁状態に切り替わる開閉弁(いわゆるオン/オフ弁)として構成したが、その通電量に応じて弁部を通過するブレーキフルードの流量を調整可能な電磁弁として構成してもよい。例えば、いわゆるPWM制御方式によるデューティ制御により弁開度(正確には、弁部の開閉頻度)を調整可能な電磁弁を用いてもよい。あるいは、通電量により弁開度(正確には、弁部の開口面積)が比例的に変化するいわゆるリニア弁として構成された電磁弁を用いるようにしてもよい。
すなわち、分配電磁弁660を瞬時に閉じると高圧管30内の液圧剛性が高くなり、ポンプ34等に過大な負荷を与える可能性があるところ、このような電磁弁を用いることにより高圧管30における液圧の急上昇を抑えることができ、ポンプ34等への負荷を軽減することができる。
また、本実施の形態においては主として分配電磁弁660の開閉制御について述べたが、さらにポンプ34を駆動するモータ32の回転数を併せて調整することにより、最適な液圧制御を行うようにしてもよい。例えば、ホイールシリンダ圧Pwcの目標値がそれほど高くない場合には、ポンプ34を駆動するモータ32の回転数を徐々に低下させて昇圧勾配を緩やかにしてもよい。あるいは、必要な昇圧勾配を確保可能な範囲でモータ32の回転数を低下させるようにしてもよい。このように、モータ32の回転数と分配電磁弁660の弁開度をバランスよく調整することにより、アキュムレータ650への必要な蓄圧、ホイールシリンダ圧Pwcへの安定した液圧の供給、液圧回路上の各種アクチュエータの保護等を同時に実現することができる。
また、本実施の形態においては、分配電磁弁660とアキュムレータ650を別個に構成した例を示したが、アキュムレータ650の一部に分配電磁弁660の機能を組み込んだ電磁駆動のアキュムレータを構成してもよい。例えば、アキュムレータのピストンをソレノイドにより駆動し、必要に応じてそのアキュムレータの入口開口部を閉塞できるようにしてもよい。すなわち、通常制動状態においてはアキュムレータを自律的に作動可能とし、緊急制動状態になったときにソレノイドに通電してブレーキフルードの導入を規制するようにしてもよい。このように構成することで、部品点数を削減することができる。
なお、本実施の形態では、アキュムレータ圧センサ51をアキュムレータ650と分配電磁弁660との間に設けたが、これとは別に、高圧管30の内部の液圧を検出する液圧検出部としてのセンサを設けてもよい。そして、その液圧に基づいてモータ32の回転数を制御し、ホイールシリンダ20へ適切な液圧を供給するようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置をその液圧回路を中心に示す系統図である。 アキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。 動力液圧源による制動制御方法を表す図である。 アキュムレータ圧センサの故障判定に用いられる制御マップを表す図である。 液圧制御処理の主要部の流れを概略的に表すフローチャートである。 第2の実施の形態に係るアキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。 アキュムレータの動作を表す図である。 第1の実施の形態の変形例に係るアキュムレータの構成を表す図である。 第2の実施の形態の変形例に係るアキュムレータの構成を表す図である。 別の変形例に係るアキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。 別の変形例に係るアキュムレータの構成を表す図である。 第3の実施の形態に係るアキュムレータおよびその周辺の概略構成を表す図である。 アキュムレータの概略構成を表す図である。 分配電磁弁の開閉制御を含む液圧制御の具体例を表す図である。 分配電磁弁の開閉制御を含む液圧制御の他の具体例を表す図である。
符号の説明
10 ブレーキ制御装置、 12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 20 ホイールシリンダ、 22 開閉弁、 26 リザーバタンク、 28 油圧給排管、 30 高圧管、 32 モータ、 34 ポンプ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 44 シリンダ圧センサ、 46 ストロークセンサ、 48 マスタ圧センサ、 50 アキュムレータ、 51 アキュムレータ圧センサ、 52 逆止弁、 53 リリーフバルブ、 61 ハウジング、 62 外歯歯車、 71 ハウジング、 72 ベローズ、 73 端板、 74 ガス室、 75 蓄圧室、 76 接続管、 77 ストッパ、 78 緩衝材、 79 Oリング、 80 油圧アクチュエータ、 200 ECU、 250 アキュムレータ、 271 シャフト、 272 ストッパ、 273 Oリング、 350 アキュムレータ、 378 緩衝材、 450 アキュムレータ、 472 弁体、 473 弁座、 510 ピストン、 550 アキュムレータ、 610 ピストン、 650 アキュムレータ、 660 分配電磁弁。

Claims (12)

  1. ポンプの駆動によりアキュムレータに作動液を供給して蓄圧する動力液圧源を有し、その蓄圧された液圧を各車輪のホイールシリンダに供給して制動力を発生させるブレーキ制御装置において、
    前記アキュムレータが蓄圧する液圧の設定範囲内で制動力が賄える通常制動状態にあるか、またはそれより高い制動力を要する緊急制動状態にあるかを判定する状態判定部と、
    前記通常制動状態にあると判定された場合に、前記アキュムレータ内の液圧を各ホイールシリンダに供給する通常制御を実行する一方、前記緊急制動状態にあると判定された場合には前記ポンプを駆動し、そのポンプ駆動による追加の液圧を各ホイールシリンダに供給する特定制御を実行する制御部と、
    を備え、
    前記ポンプがギヤポンプとして構成され、
    前記アキュムレータが、
    前記ポンプと前記ホイールシリンダとをつなぐ高圧通路に接続されるハウジングと、
    前記ハウジング内を密閉空間からなる基準圧力室と、前記高圧通路に開放された開放空間からなる蓄圧室とに仕切り、前記基準圧力室と前記蓄圧室との差圧によって変位して前記蓄圧室の容積を変化させ、前記設定範囲の液圧を保持する感圧部材と、
    前記感圧部材が前記基準圧力室の方向に変位することを規制することにより内部の液圧が予め設定した基準圧以上になると蓄圧を抑制する蓄圧抑制手段としてのストッパと、
    を備え、
    前記制御部は、前記通常制動状態にあると判定されたときに、前記緊急制動状態にあるときよりも前記ポンプを駆動するモータの回転数を低くし、前記通常制動状態または非制動状態にあるときに、前記感圧部材の前記基準圧力室の方向への変位が前記ストッパにより規制されたことにより前記ポンプを駆動するモータの制御電流値の時間変化が所定値よりも大きくなった場合に前記アキュムレータ内の液圧が前記基準圧以上になったことを推定し、前記ポンプの駆動を停止させることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記ホイールシリンダ内の液圧の減圧時に前記ギヤポンプを逆回転させることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. リザーバタンクに貯留された作動液をマスタシリンダに導入し、ブレーキ操作部材の操作量に応じて加圧し、前記ホイールシリンダの一部である特定ホイールシリンダに向けて送出可能なマニュアル液圧源と、
    前記動力液圧源または前記マニュアル液圧源にて発生した液圧を各ホイールシリンダへ供給するための供給路を構成するとともに、制動力の低減時には各ホイールシリンダ内の作動液を前記リザーバタンクへ戻す排出路を構成する液圧回路と、
    前記動力液圧源と各ホイールシリンダとの間にそれぞれ配置され、開弁動作により前記動力液圧源からの作動液を対応するホイールシリンダへ供給する増圧弁と、
    を備え、
    前記動力液圧源からの液圧が、前記増圧弁の一部である特定増圧弁を介して前記特定ホイールシリンダに供給可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記特定増圧弁の開弁圧よりもそれ以外の増圧弁の開弁圧が低く設定されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記アキュムレータが、
    前記ポンプと前記増圧弁とをつなぐ高圧通路に接続されるハウジングと、
    前記ハウジング内を密閉空間からなる基準圧力室と、前記高圧通路に開放された開放空間からなる蓄圧室とに仕切り、前記基準圧力室と前記蓄圧室との差圧によって変位して前記蓄圧室の容積を変化させ、前記設定範囲の液圧を保持する感圧部材と、
    を含み、
    前記基準圧力室の封入圧が、サーボ失陥時に想定される液圧以上となるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ制御装置。
  6. 前記アキュムレータが、
    前記ポンプと前記増圧弁とをつなぐ高圧通路に接続されるハウジングと、
    前記ハウジング内を密閉空間からなる基準圧力室と、前記高圧通路に開放された開放空間からなる蓄圧室とに仕切り、前記基準圧力室と前記蓄圧室との差圧によって変位して前記蓄圧室の容積を変化させ、前記設定範囲の液圧を保持する感圧部材と、
    を含み、
    前記高圧通路に、前記増圧弁から前記アキュムレータ側への作動液の逆流を阻止する逆止弁が配設されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ制御装置。
  7. 前記制御部は、前記緊急制動状態においては増圧条件が成立したときにのみ、前記ポンプを駆動させるとともに、増圧させるべきホイールシリンダに対応する増圧弁のみ開弁させることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ制御装置。
  8. 前記ポンプと前記ホイールシリンダとを接続する液圧通路に前記アキュムレータが接続通路を介して接続される一方、
    前記接続通路を開閉して前記ポンプから前記アキュムレータへ供給される作動液の流量を調整する電磁弁をさらに備え、
    前記制御部は、前記特定制御時において車両の予め定める状態量を取得し、その状態量に応じて前記電磁弁の開度を制御することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  9. 前記制御部は、前記予め定める状態量として前記特定制御時における前記緊急制動状態の程度を判定するための車両の状態量を取得し、その状態量が基準値に達したときに前記電磁弁を閉弁動作させることを特徴とする請求項8に記載のブレーキ制御装置。
  10. 前記アキュムレータ内の液圧を検出するアキュムレータ圧検出部と、
    前記ホイールシリンダ内の液圧を検出するホイールシリンダ圧検出部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記アキュムレータ内の液圧と前記ホイールシリンダ内の液圧との差圧を前記車両の状態量として算出し、その差圧が予め設定した判定基準値以下となったときに前記電磁弁を閉弁させ、前記ホイールシリンダ内の液圧が目標液圧に達した後に前記電磁弁を開弁させることを特徴とする請求項9に記載のブレーキ制御装置。
  11. 前記制御部は、前記ホイールシリンダ内の液圧の昇圧勾配を前記車両の状態量として算出し、その昇圧勾配が大きくなるほど、前記電磁弁を閉弁させるタイミングを早くすることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
  12. 前記電磁弁が前記アキュムレータの一部として構成されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
JP2008109485A 2007-11-15 2008-04-18 ブレーキ制御装置 Expired - Fee Related JP4670892B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109485A JP4670892B2 (ja) 2007-11-15 2008-04-18 ブレーキ制御装置
PCT/IB2008/003055 WO2009063300A1 (en) 2007-11-15 2008-11-14 Brake control system

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007297317 2007-11-15
JP2008109485A JP4670892B2 (ja) 2007-11-15 2008-04-18 ブレーキ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009137564A JP2009137564A (ja) 2009-06-25
JP4670892B2 true JP4670892B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=40868638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008109485A Expired - Fee Related JP4670892B2 (ja) 2007-11-15 2008-04-18 ブレーキ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4670892B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101638345B1 (ko) 2015-01-26 2016-07-13 주식회사 만도 전자식 브레이크 시스템
KR101622148B1 (ko) * 2015-02-03 2016-06-01 주식회사 만도 전자식 브레이크 시스템

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997039931A1 (en) * 1996-04-25 1997-10-30 Lucas Industries Plc Electro-hydraulic braking systems
JP2000001162A (ja) * 1998-04-14 2000-01-07 Toyota Motor Corp 液圧ブレーキ装置
JP2000025593A (ja) * 1998-07-15 2000-01-25 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置
JP2000502011A (ja) * 1995-12-22 2000-02-22 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング エレクトロハイドロリック式のブレーキシステムのポンプを制御するための方法および装置
JP2000185645A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Aisin Seiki Co Ltd ペダルストロ―クシミュレ―タ付き車両ブレ―キ装置
JP2002067920A (ja) * 2000-07-26 2002-03-08 Robert Bosch Gmbh 液圧式車両ブレーキ装置
JP2002098101A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Toyota Motor Corp アキュムレータおよびアキュムレータの異常検出装置
JP2006096078A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Toyota Motor Corp 液圧ブレーキシステム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0667920A (ja) * 1992-08-13 1994-03-11 Mitsubishi Electric Corp レジスタ設定回路
JP3411052B2 (ja) * 1992-12-10 2003-05-26 トヨタ自動車株式会社 油圧蓄圧装置
JPH08127331A (ja) * 1994-11-01 1996-05-21 Toyota Motor Corp 液圧ブレーキ装置
JPH09123903A (ja) * 1995-08-31 1997-05-13 Aisin Seiki Co Ltd 液圧制御装置の故障検出方法
JPH09202230A (ja) * 1996-01-26 1997-08-05 Aisin Seiki Co Ltd 圧力生成装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000502011A (ja) * 1995-12-22 2000-02-22 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング エレクトロハイドロリック式のブレーキシステムのポンプを制御するための方法および装置
WO1997039931A1 (en) * 1996-04-25 1997-10-30 Lucas Industries Plc Electro-hydraulic braking systems
JP2000001162A (ja) * 1998-04-14 2000-01-07 Toyota Motor Corp 液圧ブレーキ装置
JP2000025593A (ja) * 1998-07-15 2000-01-25 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置
JP2000185645A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Aisin Seiki Co Ltd ペダルストロ―クシミュレ―タ付き車両ブレ―キ装置
JP2002067920A (ja) * 2000-07-26 2002-03-08 Robert Bosch Gmbh 液圧式車両ブレーキ装置
JP2002098101A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Toyota Motor Corp アキュムレータおよびアキュムレータの異常検出装置
JP2006096078A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Toyota Motor Corp 液圧ブレーキシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009137564A (ja) 2009-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018003539A1 (ja) ブレーキ装置およびブレーキ装置の液漏れ検知方法
JP3513096B2 (ja) アキュムレータおよびアキュムレータの異常検出装置
WO2015146557A1 (ja) ブレーキ装置
JP5892980B2 (ja) 車両用制動装置
JP2009502594A (ja) 滑り制御型のブーストブレーキングシステム
JP6361046B2 (ja) ブレーキ装置及びブレーキシステム
JP2006111251A (ja) ブレーキ制御装置
WO2017006631A1 (ja) ブレーキ制御装置およびブレーキシステム
JP5453905B2 (ja) ブレーキ制御装置
KR20170103893A (ko) 브레이크 장치
JP4670892B2 (ja) ブレーキ制御装置
WO2009063300A1 (en) Brake control system
JP5223301B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP4900320B2 (ja) マスタシリンダ
JP5927093B2 (ja) ブレーキ装置
WO2017150360A1 (ja) ブレーキ装置およびブレーキ制御方法
JP7015179B2 (ja) ブレーキ制御装置およびブレーキ制御装置の故障検出方法
JP2009012557A (ja) ブレーキ制御装置
JP4998415B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP5949093B2 (ja) 車両用の制動制御装置
JP2010167917A (ja) ブレーキ制御装置
JP6296349B2 (ja) ブレーキ装置
JP2009143254A (ja) マスタシリンダ
JP4816566B2 (ja) ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法
JP2010001962A (ja) アキュムレータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110103

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4670892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees