JP6114710B2 - 太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池に関する。
近年、太陽電池について、特に、軽量化でき、様々な場面に適用できるようにフレキシブルで、コストを低減した太陽電池の需要が高まっている。太陽電池は、一般的には、支持体上に設けられた一対の電極と、これらの間に電荷ブロッキング層(正孔輸送層や電子輸送層)および光電変換層を備えている。
例えば、特許文献1には、負極用補助配線としてメッシュパターンの金属電極(メッシュ電極)を有する光電セル(有機薄膜太陽電池)が記載されており、このメッシュ電極が充分な可撓性を有することも記載されている(段落[0019])。
太陽電池において、負極と光電変換層との間に設けられる電子輸送層を形成する方法および材料についても、研究されている。
例えば、特許文献2には、二酸化チタン粒子が分散した分散液を塗布して電子輸送層を形成する方法が提案されている。
また、電荷ブロッキング層(正孔輸送層および電子輸送層)を形成する材料として、無機酸化物、無機フッ化物もしくは無機窒化物(特許文献1および3)またはバインダー樹脂(特許文献4〜6)等の絶縁性材料と導電性材料とを用いることも提案されている。
特表2006−521700号公報 米国特許出願公開第2011/0049504号明細書 特開2009−182095号公報 特開2008−74813号公報 特開2003−332075号公報 特開2004−119555号公報
フレキシブルな太陽電池には、その使用形態により、折り曲げ前後によって光電変換効率が変化しないことが求められている。
しかし、特許文献1のようなメッシュ電極または補助金属配線を設けた太陽電池では、折り曲げによって光電変換効率が低下することが分かった。このような折り曲げに対する耐久性の低下防止は、特許文献2に記載の方法で電子輸送層を成膜しても、また特許文献3〜6に記載されているように電子輸送層の材料として絶縁材料と導電性材料を単に併用しても、まだ十分ではなく、改善の余地があった。
本発明は、折り曲げに対する耐久性が優れた太陽電池を提供することを課題とする。
本発明者は、フレキシブルな太陽電池の使用形態を想定して折り曲げてみたところ、補助金属配線の角部近傍の負極または電子輸送層に折り曲げ応力が集中しやすく、亀裂(クラック)の発生または層間剥離が生じることを見出し、さらに検討を進めたところ、電子輸送材料と特定の架橋高分子とを併用して電子輸送層を形成すると、可撓性が増大して電子輸送層が補助金属配線または負極に接していても、クラックの発生も層間剥離も生じにくくなることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>支持体上に、透明な負極と、負極に接する補助金属配線と、負極に対向する正極と、負極および正極の間に光電変換層とを有する太陽電池であって、
負極と光電変換層との間に、電子輸送材料と絶縁材料とを含む電子輸送層を有し、絶縁材料が、架橋性官能基を複数有する化合物、架橋性高分子との架橋高分子であり、
負極が、導電性高分子と、架橋性官能基を複数有する化合物の重合体とを含有する、太陽電池。
<2>電子輸送層が含有する架橋性官能基が、電子輸送層が接する負極または補助金属配線を形成する材料と化学結合する反応性基を兼ねる<1>に記載の太陽電池
<3>電子輸送材料が、金属酸化物である<1>または<2>に記載の太陽電池。
<4>電子輸送層と光電変換層との間に多孔質層を有する<1>〜<>のいずれかに記載の太陽電池。
<5>光電変換層が、電子供与性の有機化合物を含有する<1>〜<>のいずれかに記載の太陽電池。
<6>光電変換層が、ペロブスカイト構造を有する化合物を含有する<1>〜<>のいずれかに記載の太陽電池。
<7>支持体が、可撓性である<1>〜<>のいずれかに記載の太陽電池。
<8>支持体と反対側に第二の支持体が貼り合わされてなる<1>〜<>のいずれかに記載の太陽電池。

本明細書において化合物の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、目的の効果を奏する範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。さらに、置換・無置換を明記していない化合物については、所望の効果を奏する範囲で、任意の置換基を有していてもよい意味である。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明により、折り曲げに対する耐久性が優れた太陽電池を提供できる。
本発明の太陽電池の構造を模式的に示す図である。 本発明の太陽電池の別の構造を模式的に示す図である。 本発明の太陽電池のまた別の構造を模式的に示す図である。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、支持体上に、透明な負極と、負極に接する補助金属配線と、負極に対向する正極と、負極および正極の間に設けられた光電変換層と、負極および光電変換層の間に設けられた電子輸送層とを有する。本発明の太陽電池は、少なくともこのような構造を有していれば、その他の構造は特に限定されない。
なお、本発明において、太陽電池には、太陽電池を構成する光電変換ユニット(光電変換素子)をも含む。
本発明の太陽電池の好ましい構造を図面に基づいて説明する。
なお、各図に示される太陽電池は、本発明の理解を容易にするための模式図であり、各部材のサイズないし相対的な大小関係等は説明の便宜上大小を変えている場合があり、実際の関係をそのまま示すものではない。また、本発明で規定する事項以外はこれらの図面に示された外形、形状に限定されるものでもない。
図1〜図3は、各々、太陽電池の好ましい構造を模式的に表わす縦断面図である。図1〜図3において、11は支持体、12は負極、13は補助金属配線、14は電子輸送層、15は光電変換層、16は正極、17は多孔質層を示す。また、21はガスバリア層、22は正孔輸送層、23は保護層、24は接着層、25は封止フィルム(第二の支持体)を示す。
図1に示される太陽電池1Aは、支持体11上に、順に、ガスバリア層21、負極12、補助金属配線13、補助金属配線13を覆う電子輸送層14、光電変換層15、正孔輸送層22、正極16、保護層23、接着層24および封止フィルム25が設けられている。
図2に示される太陽電池1Bは、補助金属配線13が支持体11上で負極12の内部に設けられ、支持体11の他方の表面に接着層24を介して封止フィルム25が設けられていること以外は太陽電池1Aと同様である。
図3に示される太陽電池1Cは、電子輸送層14と光電変換層15との間に多孔質層17が設けられていること以外は太陽電池1Bと同様である。
太陽電池1A〜1Cは、それぞれ、負極12と正極16とを外部回路で動作手段(電動モーターや各種(オプト)エレクトロニクス装置)に仕事をさせる電池用途に使用できる。
本発明の太陽電池は、可撓性を有している。可撓性は、目的や支持体の材質、製造方法等に応じて適宜選択できる。例えば、製造時や製造後の取扱い、加熱、冷却等での変形でも光電変換特性が低下しない目安として、曲率半径2cm以下の湾曲が可能であるのが好ましく、曲率半径1cm以下の湾曲が可能であるのがより好ましい。
本発明の太陽電池は、上記のような可撓性を有し、折り曲げて用いられることもある。このような使用形態においても、また補助金属配線13を有していても、電子輸送層14が可撓性を有し、折り曲げによって電子輸送層14にクラックが発生しにくく、負極12との層間剥離も生じにくい。
<支持体>
支持体11は、その上に形成される各層からなる太陽電池を保持することができるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス、プラスチックフィルムなど、目的に応じて適宜選択できる。
本発明においては、フレキシブルな太陽電池となる点で、支持体11はプラスチックフィルム等の可撓性を有するものが好ましい。プラスチックフィルム(支持体11)が有する可撓性は、上記した、本発明の太陽電池の可撓性と同義であることが好ましい。
以下、支持体の代表的な例としてプラスチックフィルムについて説明する。
プラスチックフィルムの材質としては、具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体からなる樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
プラスチックフィルムは、耐熱性を有することが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上、および、線熱膨張係数が40ppm/K以下の少なくともいずれかの物性を満たすことが好ましい。
なお、プラスチックフィルムのTgおよび線膨張係数は、JIS−K7121に記載のプラスチックの転移温度測定方法、および、JIS−K7197に記載のプラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法により測定され、本発明においては、この方法により測定した値を用いる。
プラスチックフィルムのTgや線膨張係数は、添加剤等によって調整することができる。このような耐熱性に優れる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃(Tg、以下同じ))、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン株製、ゼオノア1600(商品名):160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)、ポリイミド等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
本発明において、支持体11は、光に対して透明であることが求められる。より具体的には、400〜800nmの波長範囲の光に対する光透過率は、通常80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光透過率測定装置を用いて全光透過率および散乱光量を測定し、全光透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
支持体11の厚みに関しては、特に制限はないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜300μmである。
<機能層>
支持体11の裏面(負極等を設けない側の面)には、公知の機能層を設けてもよい。機能層の例としては、ガスバリア層、マット剤層、反射防止層、ハードコート層、防曇層、防汚層等が挙げられ特開2006−289627号公報の段落[0036]〜[0038]に詳しく記載されている。
<易接着層/下塗り層>
支持体11、特にプラスチックフィルムの表面(負極等を設ける側の面)は、密着性向上の観点から、易接着層または下塗り層を設けてもよい。易接着層または下塗り層は、単層であってもよく、多層であってもよい。
易接着層または下塗り層の形成には、各種の親水性下塗ポリマーが用いられる。親水性下塗ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体等からなるラテックスポリマー、ポリアクリル酸共重合体からなるポリマー、無水マレイン酸共重合体からなるポリマー等が例示される。
易接着層または下塗り層の乾燥後の塗布膜厚は、50nm〜2μmの範囲であることが好ましい。なお、支持体を仮支持体として用いる場合には、支持体表面に易剥離性処理を施すことも可能である。
<負極>
支持体11上には負極12が設けられる。好ましくは可視光から近赤外光(380〜800nm)の光を透過する透明な負極である。ここで、透明とは、可視光から近赤外光の平均光透過率が75%以上であることを意味する。なお、負極の層構成は、特に限定されず、単層構造でも積層構造等でもよい。
負極を形成する材質としては、特に限定されないが、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子、これらの混合物が挙げられる。なかでも、可撓性の点で、導電性高分子が好ましい。
金属としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ストロンチウム、銀、インジウム、スズ、バリウム、ビスマス等の金属、および、これらの合金が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)等の透明導電性酸化物(TCO)等が挙げられる。
導電性高分子としては、導電性を有する高分子化合物であれば、特に制限はなく、輸送する電荷担体(キャリア)に関しては、正孔、電子のいずれでもよい。具体的な導電性高分子の例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数有する高分子化合物等が挙げられる。
これらのなかでも、ポリチオフェンが好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチエノチオフェンが特に好ましい。これらのポリチオフェンは導電性を得るために、通常、部分酸化されている。導電性高分子の電気伝導率は部分酸化の程度(ドープ量)で調節することができ、ドープ量が多いほど電気伝導率が高くなる。部分酸化によりポリチオフェンはカチオン性となるので、電荷を中和するための対アニオンを要する。そのようなポリチオフェンの例としては、ポリスチレンスルホン酸を対イオンとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−PSS)が挙げられる。
導電性高分子は、単独での体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以下が好ましく、1×10−2Ω・cm以下がより好ましい。このような導電性高分子を含むことで、負極の体積抵抗率として5×10−1Ω・cm以下となることが好ましく、5×10−2Ω・cm以下となることがより好ましい。
負極を構成する導電性高分子は、適用しようとする太陽電池の作用スペクトル範囲において透明であることを要し、通常、可視光から近赤外光の光透過性に優れることを要する。具体的には、導電性高分子を厚さ0.2μmの層に形成したときの、波長380〜800nm領域における平均光透過率が上記範囲内にあるのが好ましい。
導電性高分子は、所望の導電性を損なわない範囲であれば、他のポリマーと併用されてもよい。他のポリマーは、塗布性を向上させる目的や膜強度を高める目的で用いられる。他のポリマーの例としては、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体からなる樹脂、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物等の熱可塑性樹脂や、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール等の親水性ポリマー等が挙げられる。
負極は、架橋性官能基を複数有する化合物の架橋性官能基同士が重合してなる重合体を含有することが好ましい。特に、負極を形成する材料として導電性高分子を用いる場合、この重合体を含有することが好ましい。この重合体は、導電性高分子と反応してなる重合体(架橋物)であってもよく、架橋性官能基を複数有する化合物の単独重合体でもよい。重合体は単独重合体であることが好ましい。
この重合体を形成する化合物は、後述する、架橋性官能基を複数有する化合物であればよく、架橋性官能基が重合可能な重合性基を兼ねるものが好ましい。具体的には、各種の金属アルコキシド、シランカップリング剤、多官能性エポキシモノマー、多官能性イソシアネートモノマー、多官能性(メタ)アクリルモノマー、メチロールメラミン誘導体等が挙げられる。
このような化合物の重合体としては、金属酸化物ゲル、ポリシロキサン、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
負極中の、重合体の含有率は、特に限定されない。
負極が、絶縁材料として上記重合体を含有していると、負極の可撓性が増大し、折り曲げによるクラックの発生を防止できる。特に、図2および図3に示す構造を有する太陽電池1Bおよび1Cにおいて、負極12が導電性高分子と上記重合体とを含有していると、可撓性の向上効果が高くなる。また、電子輸送層との密着性も改善できる。ここで、可撓性の向上効果が発現する理由はまだ定かではないが、後述する電子輸送層と同様であると考えられる。
負極の厚みは、透明性を確保できれば特に限定されないが、0.05〜1μmであるのが好ましく、0.1〜0.3μmであるのがさらに好ましい。
<補助金属配線>
本発明において、支持体11または負極12上には、負極12と接する補助金属配線13が配置されている。導電性の高い補助金属配線13を負極12と接するように設けると、太陽電池の導電性を向上できる。なお、補助金属配線13は、必ずしも負極12の支持体11側(図1〜図3において下方)に設けられる必要はなく、少なくとも負極12と接するように形成されていればよい。例えば、図1に示されるように支持体11上に負極12を先に形成してから負極12上に補助金属配線13を形成してもよく、また図2および図3に示されるように支持体11上に設けられた補助金属配線13を覆うように負極12を設けてもよい。
補助金属配線は各種の金属材料を含んで形成される。金属材料の例としては、金、白金、鉄、銅、銀、アルミニウム、クロム、コバルト、ステンレス鋼等が挙げられる。金属材料としては、体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下のものが好ましく、具体的には、銅、銀、アルミニウム、金等の低抵抗金属が挙げられる。なかでも、製造コストと材料コストが低く、酸化されにくい銀または銅が特に好ましく用いられる。
補助金属配線13のパターン形状は、特に限定されないが、光透過性および導電性の観点から、メッシュ状のもの(メッシュパターン電極)が好ましい。メッシュパターンは、特に制限がなく、正方形、長方形、菱形等の格子状、縞状(ストライプ状)、ハニカムまたは曲線の組合せが挙げられる。
補助金属配線13の断面形状は、折り曲げ時の応力集中を抑えるには角部がない形状が好ましいが、本発明では後述する電子輸送層が十分な可撓性を有しているので、特に限定されない。例えば、図1〜図3示されるように、角部を有する断面矩形とすることもできる。
補助金属配線13のメッシュデザインは、開口率(光透過率)と表面抵抗(電気伝導率)が所望の値となるように調整される。このようなメッシュパターンの補助金属配線とする場合、メッシュの開口率は通常は70%以上であり、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。光透過率と電気伝導率はトレードオフの関係にあるため、開口率は大きいほど好ましいが、現実的には95%以下となる。
負極12を設置していない状態での補助金属配線13の表面抵抗は10Ω/□以下であることが好ましく、3Ω/□以下であることがさらに好ましく、1Ω/□以下であることがより好ましい。
補助金属配線の厚みは、特に限定されないが、通常、0.02〜20μm程度である。
補助金属配線の線幅は、光透過性と導電性の観点から、平面視による線幅が1〜500μmの範囲であり、10〜300μmが好ましい。
補助金属配線のピッチは小さい(メッシュが細かい)方が太陽電池の特性上有利である。しかし、ピッチが小さいと光の透過率が低下するのでこれらを比較考慮のうえ適宜に決定される。例えば、ピッチは補助金属配線の線幅に応じて変化するが、平面視によるピッチが0.05〜5mmであることが好ましく、0.1〜3mmがより好ましい。
補助金属配線は、大面積集電のために、バスライン(太線)を有していてもよい。バスラインの線幅やピッチは、使用する材料に応じて適宜選択される。
補助金属配線の形成方法としては、特に制限はなく、公知の形成方法を適宜使用しうる。例えば、予め作製したメッシュパターン金属を支持体11の表面に貼り合せる方法、導電材料をメッシュパターンに塗布する方法、蒸着もしくはスパッタ等の物理的気相堆積法(PVD法)を用いて導電膜を全面に形成した後にエッチングしてメッシュパターンの導電膜を形成する方法、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の各種印刷法によりメッシュパターンに導電材料を塗布する方法、蒸着もしくはスパッタによりシャドウマスクを用いてメッシュパターンの正極用補助配線を支持体11の表面に直接形成する方法、特開2006−352073号公報および特開2009−231194号公報等に記載のハロゲン化銀感光材料を用いる方法(以下、銀塩法と呼ぶことがある)等が挙げられる。
補助金属配線をメッシュ電極として形成する場合は、そのピッチが小さいため、銀塩法で形成することが好ましい。銀塩法で補助金属配線を形成する場合、補助金属配線を形成するための塗液を支持体上に塗布し、補助金属配線を形成するための塗膜に対してパターン露光を行う工程と、パターン露光された塗膜を現像する工程と、現像された塗膜を定着する工程とにより、支持体上に所望のパターンを有する補助金属配線を形成することができる。
銀塩法で作製される補助金属配線は、銀と親水性ポリマーの層である。親水性ポリマーの例としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル等が例示される。層内には銀や親水性ポリマーのほかにも塗布、現像、定着工程に由来する物質が含まれる。
銀塩法で補助金属配線を形成した後に銅めっきを施して、さらに導電性を高め、イオンマイグレーションを抑制する補助金属配線を得る方法も好ましく用いられる。
支持体上に補助金属配線を設ける場合には、その開口部に補助金属配線の表面と同一となる表面を有する平滑化層を設けることができる。平滑化層は透明材料であれば特に制限はない。特には、窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素の透明な無機材料、あるいはメタアクリレート等の樹脂材料を用いることができる。
<電子輸送層>
負極12および補助金属配線13の上には、電子輸送層14が形成される。電子輸送層14は、電子捕集層や正孔(ホール)ブロッキング層等とも呼ばれることもある。
この電子輸送層14は、少なくとも、電子輸送材料と、絶縁材料として架橋高分子とを含有している。
電子輸送材料および架橋高分子は、電子輸送層14中に存在(含有)していればよく、それぞれ単独で存在していても、化学的または物理的な相互作用等により例えば複合体等を形成して存在していてもよい。なお、電子輸送層14は、未架橋の高分子化合物または多官能性化合物を有していてもよい。
電子輸送層が架橋高分子を含有していると、折り曲げに対する耐久性が優れる理由の詳細はまだ明らかではないが、次のように推定される。すなわち、電子輸送層において、電子輸送材料間に架橋高分子が介在し、折り曲げ応力を分散、緩衝することができ、また、折り曲げ等の変形によって電子輸送材料の一部にクラック等の欠陥が発生しても電子輸送層全体に欠陥が伝播することを防ぐことによって電子輸送性の低下を抑制でき、電子輸送層の可撓性が高くなる。
また、電子輸送材料と架橋高分子とを含有する電子輸送層を形成すると、電子輸送材料、特に金属酸化物微粒子からなる電子輸送層の、光電変換層塗布時の欠陥発生を防止できる。すなわち、架橋高分子を含有しないと光電変換層塗布時に欠陥が生じる。プラスチックフィルムを支持体とし、かつ金属酸化物微粒子を塗布して形成した電子輸送層を有する、可撓性のある太陽電池は、プラスチックフィルムの材質が分解しないように電子輸送層を低温で焼成する必要がある。しかし、低温で焼成すると、金属酸化物微粒子の塗布液中での分散性を向上させるための分散剤が電子輸送層に残留するので、光電変換層を塗布形成する場合は、光電変換層を形成する塗布液に金属酸化物微粒子が再分散してしまい電子輸送層の欠陥が発生する。
しかし、本発明においては、架橋高分子により、金属酸化物微粒子が固定されるので、金属酸化物微粒子の再分散を抑えることができると考えられる。
さらに、負極が、導電性高分子を含む場合は、負極と電子輸送層がどちらも同一の架橋性官能基を複数有する化合物の重合体を含むことが好ましい。このような構成にすることで、導電性高分子を含む負極と電子輸送層の剥離を抑制でき、また、電子輸送層自体にクラック等の欠陥が発生することも防止できる。さらに、太陽電池の製造において、同一の、架橋性の多官能性化合物を用いることで、導電性高分子を含む塗布液と、電子輸送材料を含む塗布液を塗布した後に、加熱、または電磁波(紫外線、可視光、赤外線)の照射により、両塗布液の多官能性化合物を一括して架橋反応または重合反応等させると、負極と電子輸送層にまたがる網目状高分子または多官能性化合物の重合体が形成され、太陽電池の可撓性・耐久性を向上させることができる。
(電子輸送材料)
電子輸送材料としては、後述の光電変換層で挙げる電子受容材料、および、Chemical Reviews、第107巻、953〜1010頁(2007年)に「Electron−Transporting and Hole−Blocking Materials」として記載されているものが挙げられる。
また、アルカリ金属やアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物、炭酸塩等も用いられる。
なかでも、各種金属酸化物が、安定性が高い電子輸送層の材料として好ましく利用され、例えば、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化バリウム、酸化タングステン等が挙げられる。これらのうち比較的に安定な酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛がより好ましい。
(絶縁材料)
絶縁材料は、架橋性官能基(架橋反応に関与し得る官能基)を複数有する化合物(多官能性化合物ともいう)1種類以上と、高分子化合物1種類以上とを架橋反応してなる、絶縁性を持つ架橋高分子であれば特に限定されない。電子輸送層が電子輸送材料と共にこのような絶縁材料を含有していると、可撓性のある太陽電池における電子輸送層の耐久性を向上させることができる。
架橋高分子は、多官能性化合物を架橋剤として高分子化合物と架橋反応した架橋部を有し、高分子化合物が網目状に架橋した架橋物が好ましい。これにより、電子輸送層の可撓性、ひいては太陽電池の耐久性が優れたものとなる。
[高分子化合物]
架橋高分子を形成する高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、多官能性化合物の架橋性官能基と架橋反応する架橋性基を有するものが好ましい。例えば、有機樹脂、ケイ素樹脂(シリコーン樹脂)、各種の金属アルコキシド化合物を加水分解および重縮合して得られる高分子化合物(ゾルゲル法)が挙げられる。
有機樹脂およびケイ素樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。有機樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を形成する単量体(モノマー)や重合体(オリゴマーやポリマー)を単独、または組み合わせて使用できる。
高分子化合物が有する架橋性基としては、例えば、加水分解可能な基を有するシリル基(例えば、アルコキシシリル基、アシルオキシシリル基等)、反応性不飽和二重結合を有する基(例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニルオキシ基等)、開環重合反応性基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基等)、活性水素原子を有する基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、メルカプト基、β−ケトエステル基、ヒドロシリル基、シラノール基等)、イソシアネート基、ホルミル基(アルデヒド基)、メチロール基、酸無水物基、求核剤によって置換され得る基(活性ハロゲン原子、スルホン酸エステル等)等が挙げられる。
なかでも、開環重合反応性基(特にエポキシ基)、活性水素原子を有する基(特に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シラノール基)、イソシアネート基、ホルミル基、メチロール基等が好ましく、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メチロール基が特に好ましい。
上記モノマーとしては、負極や補助金属配線、電子輸送材料に好ましく用いられる金属酸化物と化学結合可能な親水性モノマー成分が好ましく、例えば、テトラヒドロフルフリル基、リン酸部位、リン酸エステル部位、4級アンモニウム塩の部位、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基およびその塩、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級または3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−、3−または4−ビニルフェノール等の各成分が挙げられる。
有機樹脂としては、負極を構成する導電性高分子と併用しうる他のポリマーで説明した各種ポリマーや、ポリビニルフェノール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、ケイ素樹脂としては、各種のポリシロキサン、ポリオルガノシロキサン、ポリシルセスキオキサン等が挙げられる。
なかでも、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールが、負極や補助金属配線、電子輸送材料に好ましく用いられる金属酸化物と化学結合可能な点で、好ましい。
[多官能性化合物]
本発明において、多官能性化合物は、架橋性官能基を複数有し、上記高分子化合物と架橋反応するものを、特に限定されることなく、用いることができる。好ましくは、負極または補助金属配線に含有する材料等と反応、重合または相互作用するものである。
1.高分子化合物と架橋反応する多官能性化合物
多官能性化合物は、架橋性官能基を複数有し、上記高分子化合物を架橋させる架橋剤として機能する。
多官能性化合物は、架橋性官能基を、好ましくは2〜6個有する化合物であれば、特に限定されない。
架橋性官能基としては、高分子化合物の架橋性基と架橋反応しうる基または他の架橋性官能基と反応しうる基であれば特に限定されない。このような架橋性官能基として、例えば、高分子化合物が有する架橋性基と同じ架橋性官能基が挙げられる。なかでも、加水分解可能な基を有するシリル基、開環重合反応性基、活性水素原子を有する基、イソシアネート基、ホルミル基、メチロール基、酸無水物基が好ましく、アルコキシシリル基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シラノール基、イソシアネート基、ホルミル基、メチロール基が特に好ましい。
多官能性化合物の複数の架橋性官能基は、同種でも異種でもよい。他の絶縁材料や、電子輸送層に接する補助金属配線、負極、光電変換層の材料、塗布方法に応じて、種類や数を適宜選択することができる。
ここで、架橋性官能基が同種である場合、まったく同一の架橋性官能基であることに加えて、基本構造が同一でも異なる基を有するもの(例えば、ヒドロキシシリル基とアルコキシシリル基)も包含される。
多官能性化合物としては、各種の金属アルコキシド、シランカップリング剤、多官能性エポキシモノマー、多官能性イソシアネートモノマー、多官能性(メタ)アクリルモノマー、多官能性アルデヒド、メチロールメラミン誘導体等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、アミノ基含有シランカップリング剤、ビニル基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
より具体的には、ヒドロキシメチルメチルジエトキシシラン、N−(メチルジエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルデシルメチルジメトキシシラン、ビニルオクチルメチルジメトキシシラン、ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)−アクリロキシプロピルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−[2−(N−ビニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジメトキシシラン、
3−[2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジメトキシシラン、2−(ビニルオキシ)エチルメチルジメトキシシラン、3−(ビニルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、4−(ビニルオキシ)ブチルメチルジエトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシプロピル]メチルジメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシプロピル]メチルジエトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシメチル]3−[(メタ)アクリロキシメチル]メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−[3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル]−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、O−「(メタ)アクリロキシエチル」−N−(メチルジエトキシシリルプロピル)ウレタン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、11−アミノウンデシルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、2−(メチルジメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ピロール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルメチルジエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルメチルジメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルメチルジメトキシシラン、N−3−[(アミノ(ポリプロピレンオキシ))]アミノプロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノメチルメチルジエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジエチルアミノメチルメチルジエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−3−メチルジメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]−エチレンジアミン、ビス[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)ウレア、
N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、アセトアミドプロピルメチルジメトキシシラン、2−(2−ピリジルエチル)チオプロピルメチルジメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)チオプロピルメチルジメトキシシラン、ビス[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、3−(メチルジエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアナトエチルメチルジエトキシシラン、イソシアナトメチルメチルジエトキシシラン、カルボキシエチルメチルシランジオールナトリウム塩、N−(メチルジメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩、3−(メチルジヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸、ジエチルホスフェートエチルメチルジエトキシシラン、3−メチルジヒドロキシシリルプロピルメチルホスホネートナトリウム塩、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス[N,N’−(メチルジエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレンオキシド、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルデシルトリメトキシシラン、ビニルオクチルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)−アクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−[2−(N−ビニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−[2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、2−(ビニルオキシ)エチルトリメトキシシラン、3−(ビニルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、4−(ビニルオキシ)ブチルトリエトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシプロピル]トリメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシプロピル]トリエトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシメチル]トリメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシメチル]トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−[3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル]−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、O−「(メタ)アクリロキシエチル」−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−3−[(アミノ(ポリプロピレンオキシ))]アミノプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノメチルトリエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]−エチレンジアミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、アセトアミドプロピルトリメトキシシラン、
2−(2−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトエチルトリエトキシシラン、イソシアナトメチルトリエトキシシラン、カルボキシエチルシラントリオールナトリウム塩、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸、ジエチルホスフェートエチルトリエトキシシラン、3−トリヒドロキシシリルプロピルメチルホスホネートナトリウム塩、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス[N,N’−(トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレンオキシドが挙げられる。
本発明において、高分子化合物上の架橋性基と多官能性化合物の架橋性官能基との組み合わせは、架橋性基と架橋性官能基とが常法により架橋反応しうる組み合わせであれば特に限定されない。好ましくは、シランカップリング剤とポリビニルフェノール、ポリビニルブチラールまたはポリビニルアルコールとの組み合わせ、多官能性エポキシモノマーとポリビニルフェノール、ポリビニルブチラールまたはポリビニルアルコールとの組み合わせ、メチロールメラミン誘導体とポリビニルフェノール、ポリビニルブチラールまたはポリビニルアルコールとの組み合わせ等が挙げられる。
高分子化合物と多官能性化合物との架橋反応、および、架橋高分子の架橋構造は、高分子化合物と多官能性化合物との組み合わせに応じて、一義的にはいえないが、架橋高分子は、高分子化合物と多官能性化合物の架橋性官能基とが架橋反応してなる架橋物であり、網目状高分子ということができる。
2.金属材料等と反応する多官能性化合物
多官能性化合物の架橋性官能基は、高分子化合物と架橋反応する基であればよいが、後述する湿式成膜法で電子輸送層を設けるとき、補助金属配線または負極を形成する材料と化学結合し得る反応性基を兼ねることが好ましい。架橋性官能基の少なくとも一部がこのような反応性基を兼ねると、製造時や製造後の取扱い、加熱、冷却などでの太陽電池が変形しても、電子輸送層自体にクラック等の欠陥が発生することも防止できる。また、補助金属配線または負極との密着力が高くなり、層間剥離を抑制できる。
特に、補助金属配線の周辺は、補助金属配線の段差により、応力が集中し、電子輸送層の欠陥が発生しやすく、補助金属配線または負極と、電子輸送層上の各機能層(光電変換層や正孔輸送層、正極)が接触し、暗電流が増大ひいては短絡故障となる。しかし、電子輸送層を構成する絶縁材料に含まれる多官能性化合物が補助金属配線または負極の材料と化学結合し得る反応性基を少なくとも1つ有することで、多官能性化合物が負極または補助金属配線と結合することにより、補助金属配線の周辺に応力が集中しても、電子輸送層の欠陥発生を抑制でき、太陽電池の可撓性、耐久性を向上させることができる。
反応性基としては、補助金属配線および負極を形成する材料に応じて適宜に選択される。
例えば、補助金属配線が、上述の各種金属材料を含む場合は、上記したなかでも、メルカプト基、アミド基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基等が好ましく、これらの基を持つ多官能性化合物を好ましく用いる。
補助金属配線が銀塩法で形成された場合は、親水性ポリマーや銀と化学結合(架橋)し得るシリル基、開環重合反応性基、活性水素原子を有する基、ホルミル基、酸無水物基等が好ましい。多官能性化合物は、これらのうちのいずれかの基を持つ化合物を好ましく用いる。
また、補助金属配線が金属材料で形成され、電子輸送材料が金属酸化物で形成される場合、反応性基は、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基のうち少なくとも1種の反応性基とシリル基との組み合わせが好ましく挙げられる。この組み合わせを有する多官能性化合物としては、各種の上記シランカップリング剤等が好ましく用いられる。
負極が金属または金属酸化物を含む場合、反応性基は上記補助金属配線と同様である。
3.重合体と反応または重合する多官能性化合物
負極が導電性高分子を含む場合、架橋性官能基は、負極に好ましく含有される上記重合体と反応する基であることが好ましい。このような基としては、上記のなかでも、シリル基、開環重合反応性基、活性水素原子を有する基、ホルミル基、酸無水物基等が挙げられる。多官能性化合物は、これらのうちのいずれかの基を持つ化合物を好ましく用いる。
(電子輸送層の成膜)
電子輸送層は、塗布等による湿式成膜法、蒸着やスパッタ等のPVD法による乾式成膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても好適に形成することができる。
湿式成膜法においては、予め架橋させた架橋高分子を含有する塗布液を塗布、硬化して、形成することができ、また、高分子化合物と多官能性化合物とを含有する塗布液を塗布、硬化(架橋反応)して、形成することもできる。
なお、高分子化合物としてケイ素樹脂を用いる場合、多官能性化合物としてケイ素樹脂を形成するモノマーを用いることもできる。この場合、予め重合したケイ素樹脂と多官能性化合物としてのシランカップリング剤とを用いてもよく、また、ケイ素樹脂を形成するモノマーおよび多官能性化合物として1種または2種以上のシランカップリング剤を用いてもよい。
本発明においては、電子輸送層の可撓性に加えて、負極または補助金属配線等との密着力の点で、高分子化合物と多官能性化合物とを含有する塗布液を加熱硬化(架橋反応、重合反応等)することが好ましい。
この塗布液には、高分子化合物1種類以上および多官能性化合物1種以上を含有する。
多官能性化合物と他の絶縁材料を組み合わせてもよく、多官能性化合物の架橋性官能基と他の絶縁材料の架橋性基が架橋(重合)して網目状高分子を形成する場合は、多官能性化合物は架橋剤や硬化剤とも呼ばれる。
電子輸送層の膜厚は、通常、0.1〜500nm程度であり、好ましくは0.5〜300nmである。
<多孔質層>
多孔質層17は、好ましくは、電子輸送層14および光電変換層15の間に設けられる。
多孔質層17は、表面に光電変換層15を形成する材料を担持する足場として機能する層であって、多孔質材料が堆積してなる、細孔を有する微粒子層であり、目的に応じて設計される。多孔質層17は、1種の多孔質材料が堆積してなる微粒子層であってもよく、2種以上の多孔質材料が堆積してなる微粒子層であってもよい。
多孔質層17は、細孔を有する微粒子により、光電変換層15を形成する材料の吸着量を増やしている。光吸収効率を高めるためには、少なくとも太陽光など光を受ける部分の表面積を大きくすることが好ましく、従って、多孔質層17の全体としての表面積を大きくすること、すなわち、個々の微粒子の表面積を大きくすることが好ましい。
本発明では、多孔質層を形成する微粒子を電子輸送層14上に塗設した状態で、微粒子の表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましい。
また、後述する光電変換層15を湿式法で形成する場合には、多孔質層17の内部に塗布液が進入しやすく、光電変換材料が多孔質層17の深部に吸着されることがある。この場合においても、電子輸送層が架橋高分子を含有しているとクラックが発生しにくく、短絡を防止できる。
多孔質層17の膜厚は、特に限定されないが、通常、0.1〜100μmの範囲であり、0.2〜10μmが好ましく、0.3〜1μmがより好ましい。
多孔質層17を形成する材料は、導電性に関しては特に限定されず、絶縁性の材料であっても、導電性または半導電性の材料であってもよい。
多孔質層17を形成する材料としては、例えば、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、ペロブスカイト構造を有する化合物(後述する光電変換層を形成する材料を除く。)、ケイ素の酸化物の微粒子、または、カーボンナノチューブを用いることができる。
金属のカルコゲニドとしては、特に限定されないが、好ましくは、チタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、アルミニウムまたはタンタルの各酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。金属のカルコゲニドの結晶構造として、アナターゼ型、ブルッカイト型またはルチル型が挙げられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、特に限定されないが、遷移金属酸化物等が挙げられる。具体的には、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸バリウム、スズ酸バリウム、ジルコン酸鉛、ジルコン酸ストロンチウム、タンタル酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウム、鉄酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸バリウムランタン、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸ビスマスが挙げられ、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。
また、多孔質層17を形成する材料として、ケイ素の酸化物(例えば、二酸化ケイ素、ゼオライト)およびカーボンナノチューブ(カーボンナノワイヤおよびカーボンナノロッド等を含む)等も挙げられる。
カーボンナノチューブは、炭素膜(グラフェンシート)を筒状に丸めた形状を有し、1枚のグラフェンシートが円筒状に巻かれた単層カーボンナノチューブ、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層カーボンナノチューブ、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)に分類され、本発明においては、いずれのカーボンナノチューブも特に限定されず、用いることができる。
多孔質層17を形成する材料は、なかでも、チタン、スズ、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウムもしくはケイ素の各酸化物またはカーボンナノチューブが好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛または酸化アルミニウムがさらに好ましい。
多孔質層17は、上述の、金属のカルコゲニド、ペロブスカイト構造を有する化合物、ケイ素の酸化物およびカーボンナノチューブの少なくとも1種で形成されていればよく、複数種で形成されていてもよい。また、これら材料のナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを、これら材料の微粒子と共に用いることもできる。
多孔質層17を形成する材料は、好ましくは微粒子として用いられ、さらに好ましくは微粒子を含有する分散物として用いられる。このときの微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で1次粒子として0.001〜1μm、分散物の平均粒径として0.01〜100μmが好ましい。
<光電変換層>
光電変換層15は、太陽光等の可視光を受けて励起子(電子−正孔対)を生成した後に、その励起子が電子と正孔に解離して、電子が負極12側へ、正孔が正極16側へ、輸送されるという光電変換過程が高効率で発現する材料から選択して構成される。
有機薄膜太陽電池とする場合は、有機材料からなる電子供与領域(ドナー)を含む光電変換層を形成し、変換効率の観点から、バルクへテロ接合型の光電変換層(以下、「バルクへテロ層」とも言う)が好ましい。
一方、光電変換層15を形成する材料として、ペロブスカイト構造を有する化合物も好ましい。
バルクヘテロ層は、電子供与材料(ドナー)と電子受容材料(アクセプター)が混合された有機材料からなる光電変換層である。電子供与材料と電子受容材料の混合比は変換効率が高くなるように調整されるが、通常は、質量比で、10:90〜90:10の範囲から選ばれる。このような混合層の形成方法は、例えば、共蒸着法が用いられる。あるいは、両方の有機材料を溶解する溶媒を用いて溶剤塗布することによって作製することも可能である。
バルクヘテロ層の膜厚は10〜500nmが好ましく、20〜300nmが特に好ましい。
電子供与材料(ドナーまたは正孔輸送材料ともいう)は、その最高被占軌道(HOMO)準位が4.5〜6.0eVのπ電子共役系化合物である。
具体的には、各種のアレーン(例えば、チオフェン、カルバゾール、フルオレン、シラフルオレン、チエノピラジン、チエノベンゾチオフェン、ジチエノシロール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン等)をカップリングさせた共役系ポリマー、フェニレンビニレン系ポリマー、ポルフィリン類、フタロシアニン類等が例示される。このほか、Chemical Reviews.,第107巻、953〜1010頁(2007年)に「Hole−Transporting Materials」として記載されている化合物群や、Journal of the American Chemical Society., 第131巻、16048頁(2009年)に記載のポルフィリン誘導体も適用可能である。
これらの中では、チオフェン、カルバゾール、フルオレン、シラフルオレン、チエノピラジン、チエノベンゾチオフェン、ジチエノシロール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェンからなる群より選ばれた構成単位をカップリングさせた共役系ポリマーが特に好ましい。具体例としてはポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリ−3−オクチルチオフェン(P3OT)、Journal of the American Chemical Society., 第130巻、3020頁(2008年)に記載の各種ポリチオフェン誘導体、Advanced Materials., 第19巻、2295頁(2007年)に記載のPCTBT、Journal of the American Chemical Society., 第130巻、732頁(2008年)に記載のPCDTQx、PCDTPP、PCDTPT、PCDTBX、PCDTPX、Nature Photonics., 第3巻、649頁(2009年)に記載のPBDTTT−E、PBDTTT−C、PBDTTT−CF、Advanced Materials., 第22巻、E135〜E138頁(2010年)に記載のPTB7等が挙げられる。
電子受容材料(アクセプタ−または電子輸送材料ともいう)は、その最低空軌道(LUMO)準位が3.5〜4.5eVであるようなπ電子共役系化合物である。
具体的にはフラーレンおよびその誘導体、フェニレンビニレン系ポリマー、ナフタレンテトラカルボン酸イミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸イミド誘導体等が挙げられる。これらの中では、フラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体の具体例としては、C60、フェニル−C61−酪酸メチルエステル(文献等でPCBM、[60]PCBM、あるいはPC61BMと称されるフラーレン誘導体)、C70、フェニル−C71−酪酸メチルエステル(多くの文献等でPCBM、[70]PCBM、あるいはPC71BMと称されるフラーレン誘導体)、Advanced Functional Materials., 第19巻、779〜788頁(2009年)に記載のフラーレン誘導体、Journal of the American Chemical Society., 第131巻、16048頁(2009年)に記載のフラーレン誘導体SIMEF、および、Journal of the American Chemical Society., 第132巻、1377頁(2010年)に記載のフラーレン誘導体ICBA等が挙げられる。
ペロブスカイト構造を有する化合物は、ペロブスカイト構造をとるものであれば特に限定されず、下記式(I)でされる化合物が好ましい。
式(I): R−NHMX
式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。Mは金属原子を表す。Xはアニオンとなる原子または原子団を表す。
アルキル基は、炭素数が1〜6のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。アルケニル基は、炭素数が2〜6のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル等が挙げられる。アルキニル基は、炭素数が2〜6のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル、ブチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニルが挙げられる。
ヘテロアリール基は、そのヘテロ環を構成するヘテロ原子が、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、また環員数としては、5員環または6員環が好ましく、芳香環、脂肪族環やヘテロ環で縮環していてもよい。
ヘテロアリール基を構成する5員環としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インドリン環、インダゾール環が挙げられる。また、6員環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キナゾリン環が挙げられる。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基が挙げられる。
置換基を複数有するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基が近接するとき(特に、隣接するとき)は、それらが互いに連結して環を形成してもよい。また、環、例えば脂環、芳香環、ヘテロ環は、これらが縮環した縮合環を形成していてもよい。本発明において、各置換基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
Mは、金属原子を表し、好ましくは、ペロブスカイト構造を取りえる金属原子であればどのような金属原子でも構わないが、鉛またはスズが特に好ましい。Mは1種の金属原子であってもよく、2種以上の金属原子であってもよい。2種以上の金属原子である場合には、鉛およびスズの2種が好ましい。なお、このときの金属原子の含まれる割合は特に限定されない。
Xは、アニオンとなる原子または原子団を表し、好ましくは原子であり、例えば、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられる。Xは、1種の原子または原子団であってもよく、2種以上の原子または原子団であってもよい。2種以上の原子または原子団である場合には、2種のハロゲン原子、特に塩素原子とヨウ素原子の組み合わせ、または臭素原子とヨウ素原子の組み合わせが好ましい。なお、このときの原子または原子団の割合は特に限定されない。
本発明では、式(I)で表される化合物を単独で使用しても複数使用しても構わない。
以下に、式(I)で表される化合物の具体例を例示するが、これによって本発明が制限されるものではない。なお、下記の化合物は、いずれもペロブスカイト構造をとることができる。
CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHPbI、CHNHPbBrI、CHNHPbBrI、CNHPbI、CH=CHNHPbI、CH≡CNHPbI、n−CNHPbI、n−CNHPbI、CNHPbI、CNHPbI、CNHPbI、CSNHPbI、CHNHSnBr、CHNHSnI
ここで、CSNHPbIにおけるCSNHは、2−アミノチアゾールである。
式(I)で表されるペロブスカイト構造を有する化合物は、MXとR−NHXとから合成することができる(例えば、国際公開第2013/171517号パンフレットを参照)。
式(I)で表されるペロブスカイト構造を有する化合物の使用量は、少なくとも多孔質層17の表面のうち光が入射する表面、好ましくは多孔質層17の表面全体を覆う量であればよく、例えば、全体で、支持体11の表面積1m当たり1.0×10−3〜1.0×10ミリモルが好ましく、より好ましくは1.0×10−2〜1.0×10ミリモル、特に好ましくは1.0×10−1〜1.0×10ミリモルである。
光電変換層15は単層であっても2層以上の積層であってもよい。
<正孔輸送層>
正孔輸送層22は、光電変換層15上に形成されるのが好ましい。
正孔輸送層に用いることのできる正孔輸送材料としては、上述の光電変換層15で例示された電子供与材料やチオシアン酸銅、ヨウ化銅等が挙げられる。各種金属酸化物も安定性が高い正孔輸送層の材料として利用される。例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステンが好ましい。上述の負極12で挙げられた導電性高分子も安定な正孔輸送材料として好ましい。
また、正孔輸送層は、可撓性の点で、負極と同様に、架橋性官能基を複数有する化合物の重合体を含有するのが好ましい。
正孔輸送層の膜厚は、通常、0.1〜500nm程度であり、好ましくは0.5〜300nmである。
正孔輸送層は、塗布等による湿式成膜法、蒸着やスパッタ等のPVD法による乾式成膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても好適に形成することができる。
<正極>
正極16は、正孔輸送層22上に設けられる。
正極を形成する材料は、特に限定されないが、クロム、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、パラジウム、銀、タンタル、タングステン、白金、金等の金属やこれらの合金、上述の負極12で例示したTCOや導電性高分子等が挙げられる。これらの金属、TCO、導電性高分子は、1種のみで使用しても、2種以上を混合してもよく、また2層以上を積層してもよい。金属材料を用いれば金属電極に到達した光は反射されて光電変換層15側に反射され、反射光が再度吸収されるため、より光電変換効率が向上し、好ましい。
正極16の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことできる。例えば、塗布や印刷による湿式製膜法、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等のPVD法や各種化学的気相堆積法(CVD法)による乾式製膜法等の中から、上記した構成材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。
正極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィ等による化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザ等による物理的エッチングによって行ってもよく、シャドウマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
正極は、所定の位置にパターニングすることができる印刷法で形成することが製造コスト低減のために好ましい。凸版印刷、スクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷、インクジェット法等の印刷法が挙げられる。
なお、インクジェット法とは、電極材料をインクジェットヘッドより吐出してパターニングする方法であり、インクジェットヘッドからの吐出方式としては、ピエゾ方式、サーマル方式等のオンデマンド型や静電吸引方式等の連続噴射型のインクジェット法等公知の方法によりパターニングすることができる。
塗布後、必要に応じて、加熱処理や光照射処理を施すことにより、塗膜中の溶媒を除去することができる。電極材料の前駆体(金属塩や金属微粒子)を印刷する場合は、加熱処理や光照射処理により、導電性を発現することができる。加熱処理および光照射処理は、単独で実施してもよく、両者を同時に実施してもよい。また、一方の処理を施した後、さらに他方の処理を施してもよい。
正極の厚みは、特に限定されないが、0.01〜10μmであるのが好ましく、0.05〜2μmであるのがさらに好ましい。
本発明においては、上記のように可撓性を有する電子輸送層を備えており、正極を印刷法で形成しても太陽電池の短絡を防止できる。
<保護層>
本発明の太陽電池には保護層23を設けることもできる。
保護層を形成する材料としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム等の金属酸化物、窒化ケイ素(SiN)等の金属窒化物、窒化酸化ケイ素(SiO)等の金属窒化酸化物(金属酸化窒化物)、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等の金属フッ化物、ダイヤモンド状炭素(DLC)等の無機材料が挙げられる。また、有機材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシリレン、ポリビニルアルコール等のポリマーが挙げられる。これらのうち、金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物やDLCが好ましく、ケイ素、アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物が特に好ましい。保護層は単層でも多層構成であってもよい。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法等のPVD法や、原子層堆積法(ALD法またはALE法)を含む各種CVD法、塗布法、印刷法、転写法を適用できる。
<ガスバリア層>
水分子や酸素分子など活性因子の浸透を阻止する目的の保護層を特にガスバリア層ともいい、太陽電池はガスバリア層21を有することが好ましい。このガスバリア層21は、特に支持体11上へ直接形成する場合、好ましくは負極12よりも支持体11側に形成される。
ガスバリア層21は、水分子や酸素分子等の活性因子を遮断する層であれば、特に制限はないが、保護層23として先に例示した材料が通常利用される。これらは純物質でもよいし、複数組成からなる混合物や傾斜組成でもよい。これらのうち、ケイ素、アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物が好ましい。
ガスバリア層21は単層でも、複数層でもよい。有機材料層と無機材料層を積層してもよく、複数の無機材料層と複数の有機材料層を交互に積層してもよい。有機材料層は平滑性があれば特に制限はないが、(メタ)アクリレートの重合物(アクリル重合体)からなる層等が好ましく例示される。有機材料層の厚みは、特に限定されないが、1層につき、0.3〜3μmであるのが好ましい。
無機材料層は、上述の保護層を形成する材料が好ましく、ケイ素、アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物が特に好ましい。無機材料層の厚みは、特に限定されないが、1層につき、通常は5〜500nmであるのが好ましく、10〜200nmであるのがさらに好ましい。無機材料層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、米国特許出願公開第2004/0046497号明細書に開示してあるようにポリマーからなる有機材料層との界面が明確でなく、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
ガスバリア層全体の厚みは、特に限定されないが、0.1〜20μmであるのが好ましく、0.3〜10μmであるのがさらに好ましい。
<封止フィルム>
本発明において、正極16または保護層23の上に、封止フィルム25が設けられるのが好ましい。封止フィルム25は第二の支持体として機能するのが好ましい。
封止フィルム25は、ガスバリア層21と同様、水や酸素等の光電変換層15(光電変換材料)を劣化させる物質が、光電変換層15に侵入することを防ぐために好適に設けられる。
封止フィルム25は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPENフィルムの上に、保護層23として先に例示した材料がガスバリア層として成膜された構成が例示される。これらは純物質でもよいし、複数組成からなる混合物や傾斜組成でもよい。これらのうち、ケイ素やアルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物が好ましい。
なお、封止フィルム25は、接着剤による接着、各種のシーラント材料を介した保護層への熱融着、真空加熱ラミネート等、公知の方法で接着層24上に設ければよい。
接着剤としては、特に制限はないが、例えば、エマルジョンタイプの接着剤、ワックスホットメルトラミネーション用接着剤およびドライラミネーション用接着剤等が好ましい。エマルジョンタイプの接着剤の例としては、熱可塑性エラストマー、LDPE(低密度ポリエチレン)、IO(アイオノマー)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン樹脂)、PE(ポリエチレン)ワックス等を分散したコーティング剤等が挙げられる。
ワックスホットメルトラミネーション用接着剤の例としては、PVDCをコートしたOPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、PETフィルム、PVA(ポリビニルアルコール)フィルム)等が挙げられる。
ドライラミネーション用接着剤(シーラント材料)の例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、アイオノマー樹脂およびシリコーン樹脂等が挙げられる。
ガスバリア層等が成膜されている場合、封止フィルムは、ガスバリア層等が内側(光電変換層15側)となるように、保護層23上に設けるのが好ましい。
封止フィルムは、支持体11に設けることも好ましい。
封止フィルム25の外側(保護層23と逆側)に、必要に応じて表面機能層を有していてもよい。表面機能層として、例えば、マット剤層、反射防止層、ハードコート層、防曇層、防汚層、易接着層等が挙げられる。このほか、表面機能層に関しては特開2006−289627号公報に詳しく記載されている。
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
参考例
参考例1では、図1に示される太陽電池1Aを製造し、折り曲げ前後の光電変換効率の低下率(耐久性)を評価した。
(太陽電池No.101の製造)
以下に示す手順により、太陽電池No.101を製造した。
(ガスバリア層21の形成)
支持体11としてのPENフィルム上に下記組成の重合性組成物をワイヤーバーで塗布した。その後、乾燥窒素中で高圧水銀灯により紫外線を照射(1J・cm−2)して、アクリレート重合体層(膜厚1.5μm)を成膜した。
次に、アクリレート重合体層上に、ArガスとOガスを導入した真空度0.1Paの雰囲気で、直流スパッタにより、酸化アルミニウム層(膜厚0.04μm)を成膜した。
アクリレート重合体層と酸化アルミニウム層の上記成膜工程をそれぞれ交互に3回ずつ繰返して行い、最表面が酸化アルミニウム層となるガスバリア層21を形成した。
(重合性組成物の組成)
・トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA) 6g
・エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EBECRYL 3702(商品名)) 13g
・リン酸メタクリレート(日本化薬社製、KAYAMER PM−21(商品名)) 1g
・光重合開始剤(Lamberti社製、Esacure KTO 46(商品名)) 0.5g
・2−ブタノン(MEK) 190g
(透明な負極12の形成)
ガスバリア層21が形成されたPENフィルムの表面(酸化アルミニウム層の上)に、ArガスとOガスを導入した真空度0.1Paの雰囲気で、高周波マグネトロンスパッタにより、透明な負極12としてITO層(膜厚0.1μm)を成膜した。
(補助金属配線13の形成)
ITO層12上に、銀(膜厚0.1μm)を真空蒸着し補助金属配線13を形成した。このとき、開口幅0.3mmで2.5mmピッチの縞状メタルマスクを使って2段階で蒸着することにより正方格子状の補助金属配線13(開口率77%)を形成した。
(電子輸送層14の形成)
補助金属配線13およびITO層12上に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(0.2質量%)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(0.2質量%)、ポリ(4−ビニルフェノール)(PVP、Mw=11000、0.5質量%)および亜鉛アセチルアセトナート一水和物(Zn(acac)、8質量%)を含有するエタノール溶液を回転塗布した。その後、140℃で1時間加熱処理して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを架橋剤とする架橋PVPを含む酸化亜鉛層(膜厚0.1μm)を電子輸送層14として成膜した。
(光電変換層15の形成)
PENフィルムの表面(電子輸送層14の上)を低圧水銀灯により紫外線照射(5J・cm−2)し、電子輸送層14の表面を乾式洗浄した。
電子輸送層14上に、電子供与材料としてP3HT(Merck社製、lisicon SP001(商品名)、2質量%)、および、電子輸送材料としてICBA(Sigma−Aldrich社製、2質量%)を含むアニソール(20質量%)混合トルエン溶液を回転塗布して、光電変換層15(膜厚0.2μm)を成膜した。
(正孔輸送層22の形成)
光電変換層15上に、フッ素系界面活性剤(デュポン社製、Zonyl FS−300(商品名)、1質量%)と、PEDOT−PSS水溶液(H.C. Starck Clevios社製、Clevios PH 500(商品名))とを混合して調製したPEDOT−PSS水溶液Iを回転塗布した。120℃で15分加熱処理して、正孔輸送層22(膜厚0.1μm)を形成した。
(正極16の形成)
銀微粒子分散液(ハリマ化成社製、NANOPASTE(Ag) NPS−JL(商品名))をインクジェット印刷し、140℃で15分加熱処理した。この印刷工程を合計2回繰返すことにより銀からなる正極16(膜厚1.5μm)を形成した。
(保護層23の形成)
正極16の表面(支持体11の反対側)に、ArガスとNガスとOガスを導入した真空度1Paの雰囲気で、高周波マグネトロンスパッタにより、組成分布を変化させた窒化酸化ケイ素(SiO、膜厚0.5μm)を成膜し、保護層を形成した。
(封止フィルム25の貼り合わせ)
封止フィルム25として酸化アルミニウム蒸着膜が形成されたPENフィルムを、シーラントとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム(接着層)24を挟んで、酸化アルミニウム蒸着膜を内側(保護層23と対向するよう)にして、保護層23上に真空加熱(140℃)ラミネートした。
以上の工程により、ガスバリア層21を有する太陽電池No.101を製造した。
(太陽電池No.102の製造)
太陽電池No.101の製造と同様にして支持体11上に、ガスバリア層21、負極12、補助金属配線13および電子輸送層14を成膜した。
(光電変換層15の形成)
PENフィルムの表面(電子輸送層14の上)を低圧水銀灯により紫外線照射(5J・cm−2)し、電子輸送層14の表面を乾式洗浄した。
電子輸送層14上に、ヨウ化メチルアンモニウム(1.8mol・dm−3)と塩化鉛(II)(0.6mol・dm−3)を含むN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を60℃加熱した後に回転塗布した。100℃で30分加熱処理し、ペロブスカイト構造を有する化合物CHNHPbI(3−x)Clからなる光電変換層(膜厚0.3μm)を形成した。
(正孔輸送層22の形成)
光電変換層15上に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li−TFSI、17質量%)のアセトニトリル溶液(5質量%)と、4−tert−ブチルピリジン(1質量%)とを混合した2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9−スピロビフルオレン(spiro−OMeTAD、12質量%)クロロベンゼン溶液を回転塗布して、spiro−OMeTAD層(膜厚0.05μm)を形成した。
その後、spiro−OMeTAD層15上に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(1質量%)、フッ素系界面活性剤(デュポン社製、Zonyl FS−300(商品名)、1質量%)を添加したPEDOT−PSS水溶液(H.C. Starck Clevios社製、Clevios PH 500(商品名))(以下、「PEDOT−PSS水溶液II」という)を回転塗布した。120℃で15分加熱処理して、ポリシロキサンを含むPEDOT−PSS層(膜厚0.1μm)を形成した。この正孔輸送層22は、以上のspiro−OMeTAD層とポリシロキサンを含むPEDOT−PSS層の積層構造からなる。
(正極16の形成、保護層23の形成、封止フィルム25の貼り合わせ)
太陽電池No.101と同様にして正孔輸送層22上に、正極16および保護層23を形成した。
次いで、封止フィルム25として酸化アルミニウム蒸着膜が形成されたPENフィルムを、シーラントとしてアイオノマー樹脂(三井・デュポン ポリケミカル社製、ハイミラン1652(商品名))を挟んで、酸化アルミニウム蒸着膜を内側(保護層23と対向するよう)にして、保護層23上に真空加熱(120℃)ラミネートした。
このようにして、太陽電池No.102を製造した。
(比較のための太陽電池No.c101の製造)
太陽電池No.101の製造において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびPVPを添加せずに、Zn(acac)を含有するエタノール溶液を回転塗布、加熱処理して、電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.101の製造と同様にして、太陽電池No.c101を製造した。
(比較のための太陽電池No.c102の製造)
太陽電池No.101の製造において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを添加せずに、PVPとZn(acac)を含有するエタノール溶液を回転塗布、加熱処理して、非架橋のPVPを含む酸化亜鉛層で電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.101の製造と同様にして、太陽電池No.c102を製造した。
(比較のための太陽電池No.c103の製造)
太陽電池No.102の製造において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびPVPを添加せずに、Zn(acac)を含有するエタノール溶液を回転塗布、加熱処理して、電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.102の製造と同様にして、太陽電池No.c103を製造した。
(比較のための太陽電池No.c104の製造)
太陽電池No.102の製造において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを添加せずに、PVPとZn(acac)を含有するエタノール溶液を回転塗布、加熱処理して、非架橋のPVPを含む酸化亜鉛層で電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.102の製造と同様にして、太陽電池No.c104を製造した。
(太陽電池の評価)
製造した各太陽電池を折り曲げて、折り曲げ前後の光電変換効率を測定し、耐久性を評価した。
具体的には、各太陽電池の支持体11の裏面(太陽電池を形成しない面)側から擬似太陽光を照射(80mW・cm−2)して、折り曲げ前の光電変換効率を測定した。すなわち、キセノンランプ(Newport社製、96000(商品名))にエアマスフィルタ(Newport社製、84094(商品名))を組合せた光源を太陽電池に照射しながら、ソースメータ(Keithley Instruments社製、Model 2400(商品名))により電圧を印加して電流値を測定した。得られた電流−電圧特性からPeccell I−V Curve Analyzer(商品名、ペクセル・テクノロジーズ社製、ver.2.1)を用いて光電変換効率を算出した。
次に、耐久性試験として、各太陽電池の支持体11の裏面側を内側にして、直径1cmの丸棒に巻き付け湾曲させてから直ちに丸棒から取り外して平らにした。この操作を100回繰り返した。さらに、60℃(相対湿度90%)の高温高湿槽内に100時間保管した後に、光電変換効率(折り曲げ後)を測定した。
折り曲げ前の光電変換効率を1としたときの、折り曲げ後の光電変換効率の相対値を求め、以下の基準に基づいて、評価した。結果を他の実施例の結果とともに表1に示す。
「S」:耐久性試験後の光電変換効率(相対比)が0.9以上
「A」:0.8以上0.9未満
「B」:0.6以上0.8未満
「C」:0.6未満
実施例2
実施例2では、図2に示される太陽電池1Bを製造し、折り曲げ前後の光電変換効率の低下率(耐久性)を評価した。
(太陽電池No.201の製造)
以下に示す手順により、本発明の太陽電池No.201を製造した。
支持体11上に補助金属配線13を下記方法(銀塩法)により形成した。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
下記溶液Aを34℃に保ち、特開昭62−160128号公報に記載の混合撹拌装置を用いて高速で撹拌しながら、硝酸(濃度6%)を用いてpHを2.95に調整した。引き続き、ダブルジェット法を用いて下記溶液Bと下記溶液Cを一定の流量で8分6秒間かけて添加した。添加終了後に、炭酸ナトリウム(濃度5%)を用いてpHを5.90に調整し、続いて下記溶液Dと溶液Eを添加した。
(溶液A)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 18.7g
塩化ナトリウム 0.31g
下記溶液I 1.59cm
純水 1.246cm
(溶液B)
硝酸銀 169.9g
硝酸(濃度6%) 5.89cm
純水にて全量を317.1cmとした。
(溶液C)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 5.66g
塩化ナトリウム 58.8g
臭化カリウム 13.3g
下記溶液I 0.85cm
下記溶液II 2.72cm
純水にて全量を317.1cmとした。
(溶液D)
2−メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン 0.56g
純水 112.1cm
(溶液E)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.96g
下記溶液I 0.40cm
純水 128.5cm
(溶液I)
ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸エステルナトリウム塩の10質量%メタノール溶液
(溶液II)
六塩化ロジウム錯体の10質量%水溶液
上記操作終了後に、常法に従い40℃にてフロキュレーション法を用いて脱塩および水洗処理を施し、下記溶液Fと防かび剤を加えて60℃でよく分散させ、40℃にてpHを5.90に調整して、最終的に臭化銀を10mol%含む平均粒子径0.09μm、変動係数10%の塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。
(溶液F)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 16.5g
純水 139.8cm
上記塩臭化銀立方体粒子乳剤に対し、チオ硫酸ナトリウムをハロゲン化銀1mol当たり20mg用い、40℃にて80分間化学増感を行い、化学増感終了後に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)をハロゲン化銀1mol当たり500mg、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールをハロゲン化銀1mol当たり150mg添加して、ハロゲン化銀乳剤を得た。このハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子とゼラチンの体積比(ハロゲン化銀粒子/ゼラチン)は0.625であった。
(塗布)
さらに硬膜剤としてテトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタンをゼラチン1g当たり200mgの比率となるようにして添加し、また塗布助剤(界面活性剤)として、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを添加し、表面張力を調整した。
こうして得られた塗布液を、銀換算の目付け量が0.625g・m−2となるように、下塗り層を施した厚さ100μm、透過率92%(裏面に反射防止加工)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(支持体11)上に塗布した後、50℃24時間のキュア処理を行って感光材料を得た。
(露光)
得られた感光材料を、メッシュパターンのフォトマスク(線幅5μm、ピッチ300μm)を介して紫外線露光器で露光した。
(化学現像)
露光した感光材料を、下記現像液(DEV−1)を用いて25℃で60秒間の現像処理を行った後、下記定着液(FIX−1)を用いて25℃で120秒間の定着処理を行った。
(現像液(DEV−1))
純水 500cm
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
ハイドロキノン 4g
ホウ砂 4g
チオ硫酸ナトリウム 10g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1000cmとした。
(定着液(FIX−1))
純水 750cm
チオ硫酸ナトリウム 250g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
氷酢酸 15cm
カリミョウバン 15g
水を加えて全量を1000cmとした。
(物理現像)
次に、下記物理現像液(PDEV−1)を用いて30℃で10分間物理現像を行った後、水道水で10分間洗い流して水洗処理を行った。
(物理現像液(PDEV−1))
純水 900cm
クエン酸 10g
クエン酸三ナトリウム 1g
アンモニア水(28%) 1.5g
ハイドロキノン 2.3g
硝酸銀 0.23g
水を加えて全量を1000cmとした。
(電解めっき)
物理現像処理の後に、下記電解めっき液を用いて25℃で電解銅めっき処理を施した後、水洗、乾燥処理を行った。なお電解銅めっきにおける電流制御は3Aで1分間、次いで
1Aで12分間、計13分間かけて実施した。めっき処理終了後に、水道水で10分間洗い流して水洗処理を行い、乾燥風(50℃)を用いてドライ状態になるまで乾燥した。
(電解めっき液)
硫酸銅(五水和物) 200g
硫酸 50g
塩化ナトリウム 0.1g
水を加えて全量を1000cmとした。
支持体11の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、PENフィルム(支持体11)上に、線幅19μm、ピッチ300μmの銀製メッシュパターンからなる補助金属配線13が形成されていることが確認された。
(透明な負極12の形成)
補助金属配線13が形成されたPENフィルムの表面に、ジメチルスルホキシド(DMSO、5質量%)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(2質量%)、フッ素系界面活性剤(デュポン社製、Zonyl FS−300(商品名)、0.5質量%)を添加したPEDOT−PSS水溶液(H.C. Starck Clevios社製、Clevios PH 500(商品名))(以下、「PEDOT−PSS水溶液III」という)をインクジェット印刷した。120℃15分加熱処理して、透明な負極12としてポリシロキサンを含むPEDOT−PSS層(膜厚0.2μm)を形成した。
(電子輸送層14の形成)
透明な負極12の上に、ポリビニルブチラール水溶液(PVB、積水化学工業社製、エスレックK KW−1(商品名)、2質量%)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(0.4質量%)を添加した酸化チタン微粒子分散液(Solaronix社製、Ti−Nanoxide HT−L/SC(商品名))を回転塗布した。140℃で1時間加熱処理することで、電子輸送層14として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを架橋剤とする架橋PVBを含む酸化チタン層(膜厚0.2μm)を形成した。
(光電変換層15、正孔輸送層22、正極16および保護層23の形成)
太陽電池No.101の製造と同様にして電子輸送層14上に光電変換層15を製膜した。
次いで、光電変換層15上に、PEDOT−PSS水溶液IIを回転塗布した。120℃で15分加熱処理して、ポリシロキサンを含む正孔輸送層22(膜厚0.1μm)を形成した。
さらに、太陽電池No.101の製造と同様にして、正孔輸送層22上に、正極16、保護層23を形成した。
(封止フィルム25の貼り合わせ)
封止フィルムとして酸化アルミニウム蒸着膜が形成されたPENフィルム2枚をそれぞれ、シーラントとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムを挟んで、酸化アルミニウム蒸着膜を内側にして、支持体11の裏面側と保護層23上に真空加熱(140℃)ラミネートした。
このようにして、太陽電池No.201を製造した。
(太陽電池No.202の製造)
太陽電池No.201の製造と同様にして支持体11上に、補助金属配線13、負極12および電子輸送層14を成膜した。
次いで、太陽電池No.102と同様にして電子輸送層14上に光電変換層15、正孔輸送層22、正極16および保護層23を成膜した。
さらに、封止フィルムとして酸化アルミニウム蒸着膜が形成されたPENフィルム2枚をそれぞれ、シーラントとしてアイオノマー樹脂(三井・デュポン ポリケミカル社製、ハイミラン1652(商品名))を挟んで、酸化アルミニウム蒸着膜を内側にして、支持体11の裏面側と保護層23上に真空加熱(120℃)ラミネートした。
このようにして太陽電池No.202を製造した。
(比較のための太陽電池No.c201の製造)
太陽電池No.201の製造において、PVBおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加せずに酸化チタン微粒子分散液を回転塗布、加熱処理して電子輸送層14を形成したこと以外は、太陽電池No.201の製造同様にして、支持体11上に、補助金属配線13、負極12および電子輸送層14を形成した。
次いで、太陽電池No.101の製造と同様にして、電子輸送層14上に、光電変換層15、正孔輸送層22、正極16、保護層23を形成した。
さらに、太陽電池No.201の製造と同様にして、支持体11の裏面側と保護層23上に封止フィルム25をラミネートして、太陽電池No.c201を製造した。
(比較のための太陽電池No.c202の製造)
太陽電池No.201の製造において、PVBおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加せずに酸化チタン微粒子分散液を回転塗布、加熱処理して電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.201の製造と同様にして、太陽電池No.c202を製造した。
(比較のための太陽電池No.c203の製造)
太陽電池No.201の製造において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加せずにPVB水溶液のみを添加した酸化チタン微粒子分散液を回転塗布、加熱処理して、非架橋のPVBを含む酸化チタン層で電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.201の製造と同様にして、太陽電池No.c203を製造した。
(太陽電池の評価)
製造した各太陽電池を折り曲げて折り曲げ前後の光電変換効率を測定し、参考例1と同様にして、耐久性を評価した。結果を他の実施例の結果とともに表1に示す。
なお、太陽電池No.c201は、製造直後から短絡し、光電変換効率を測定できなかった。
実施例3
実施例3では、図3に示される太陽電池1Cを製造し、折り曲げ前後の光電変換効率の低下率(耐久性)を評価した。
(太陽電池No.301の製造)
以下に示す手順により、本発明の太陽電池No.301を製造した。
太陽電池No.201の製造と同様にして、支持体11上に補助金属配線13を形成した。
(透明な負極12と電子輸送層14の形成)
補助金属配線13が形成されたPENフィルムの表面に、PEDOT−PSS水溶液IIIをインクジェット印刷した。そして、直ちに、PEDOT−PSS水溶液IIIの塗布膜上へ、Zn(acac)(4質量%)のエタノール溶液を回転塗布した。140℃で1時間加熱処理することで、透明な負極12としてポリシロキサンを含むPEDOT−PSS層(膜厚0.2μm)、および、電子輸送層14としてポリシロキサンを含む酸化亜鉛層(膜厚0.1μm)を、同時に成膜した。
なお、酸化亜鉛層のポリシロキサンは、PEDOT−PSS水溶液IIIの3−グリシジルプロピルトリメトキシシランがZn(acac)(4質量%)のエタノール溶液に移行し、縮合して、形成されたものと考えられる。
(多孔質層17の形成)
電子輸送層14上に、酸化亜鉛微粒子分散液(Buhler社製、NanoSunguard in ethanol II(商品名))を回転塗布して、酸化亜鉛からなる多孔質層17(平均膜厚0.3μm)を形成した。
(光電変換層15、正孔輸送層22、正極16、保護層23および封止フィルム25の形成)
太陽電池No.201の製造と同様にして、多孔質層17上に光電変換層15、正孔輸送層22、正極16および保護層23を形成し、封止フィルム25を支持体11の裏面側と保護層23上に真空加熱ラミネートした。
このようにして、太陽電池No.301を製造した。
(太陽電池No.302の製造)
太陽電池No.201の製造と同様にして、支持体11上に補助金属配線13、負極12および電子輸送層14を形成した。
(多孔質層17および光電変換層15の形成)
電子輸送層14上に、酸化アルミニウム微粒子分散液(Sigma−Aldrich社製、642991(商品名))を回転塗布して、酸化アルミニウムからなる多孔質層17(平均膜厚0.3μm)を形成した。
次いで、太陽電池No.102の製造と同様にして、多孔質層17上に光電変換層15を形成した。
(正孔輸送層22、正極16、保護層23および封止フィルム25の形成)
太陽電池No.202の製造と同様にして、光電変換層15上に、正孔輸送層22、正極16および保護層23を形成し、封止フィルム25を支持体11の裏面側と保護層23上に真空加熱ラミネートした。
このようにして、太陽電池No.302を製造した。
(比較のための太陽電池c301の製造)
太陽電池No.201の製造と同様にして、支持体11上に補助金属配線13および負極12を形成した。
(電子輸送層、多孔質層および光電変換層の形成)
次いで、太陽電池No.201の製造において、PVBと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加せずに酸化チタン微粒子分散液を回転塗布、加熱処理して電子輸送層を形成した以外は、太陽電池No.201の製造と同様にして、電子輸送層を製膜した。
この電子輸送層上に、太陽電池No.302の製造と同様にして、多孔質層17および光電変換層15を形成した。
(正孔輸送層の形成)
光電変換層15上に、Li−TFSI(17質量%)アセトニトリル溶液(5質量%)と4−tert−ブチルピリジン(1質量%)を混合したspiro−OMeTAD(12質量%)のクロロベンゼン溶液を回転塗布して、spiro−OMeTAD層(膜厚0.05μm)を形成した。
その後、spiro−OMeTAD層上に、PEDOT−PSS水溶液Iを回転塗布した。120℃で15分加熱処理して、PEDOT−PSS層(膜厚0.1μm)を形成した。この正孔輸送層22は、以上のspiro−OMeTAD層とPEDOT−PSS層の積層構造からなる。
(正極、保護層および封止フィルムの形成)
太陽電池No.302の製造と同様にして、正孔輸送層22上に、正極16および保護層23を形成し、支持体11の裏面側と保護層23上に封止フィルム25をラミネートして、太陽電池No.c301を製造した。
(比較のための太陽電池No.c302の製造)
太陽電池No.302の製造において、PVBおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加せずに、酸化チタン微粒子分散液を回転塗布、加熱処理して、電子輸送層14を形成したこと以外は、太陽電池No.302の製造と同様にして、太陽電池No.c302を製造した。
(比較のための太陽電池No.c303の製造)
太陽電池No.302の製造において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加せずに、PVB水溶液のみを添加した酸化チタン微粒子分散液を回転塗布、加熱処理して、非架橋のPVBを含む酸化チタン層で電子輸送層を形成したこと以外は太陽電池No.302の製造と同様にして、太陽電池No.c303を製造した。
(太陽電池の評価)
製造した各太陽電池を折り曲げて折り曲げ前後の光電変換効率を測定し、参考例1と同様にして、耐久性を評価した。結果を他の実施例の結果とともに表1に示す。
なお、太陽電池No.c301は、製造直後から短絡し、光電変換効率を測定できなかった。
Figure 0006114710
表1に示されるように、絶縁材料および架橋高分子を含有する電子輸送層を備える本発明の太陽電池は、図1〜図3に示されるいずれの構造であっても、折り曲げに対する耐久性に優れていた。
また、補助金属配線と負極を備えた太陽電池において、補助金属配線に含まれる金属材料と反応する多官能性化合物を用いると、耐久性に優れることがわかった(太陽電池No.101および102)。さらに、導電性高分子と特定の重合体で形成した負極を備えた太陽電池において、重合体と反応または重合する多官能性化合物を用いると、耐久性が優れることがわかった(太陽電池No.201、202、301および302)。
これに対して、電子輸送層が架橋高分子を含有しない太陽電池は、図1〜図3に示されるいずれの構造であっても、折り曲げに対する耐久性が不十分であった。
特に、電子輸送層が架橋性高分子を含んでいても架橋剤により架橋されていないと、折り曲げに対する耐久性が優れた太陽電池とすることができなかった(太陽電池No.c102、c104、c203およびc303)。
1A、1B、1C 太陽電池
11 支持体
12 負極
13 補助金属配線
14 電子輸送層
15 光電変換層
16 正極
17 多孔質層
21 ガスバリア層
22 正孔輸送層
23 保護層
24 接着層
25 封止フィルム

Claims (8)

  1. 支持体上に、透明な負極と、前記負極に接する補助金属配線と、前記負極に対向する正極と、前記負極および前記正極の間に光電変換層とを有する太陽電池であって、
    前記負極と前記光電変換層との間に、電子輸送材料と絶縁材料とを含む電子輸送層を有し、前記絶縁材料が、架橋性官能基を複数有する化合物、架橋性高分子との架橋高分子であり、
    前記負極が、導電性高分子と、架橋性官能基を複数有する化合物の重合体とを含有する、太陽電池。
  2. 前記電子輸送層が含有する前記架橋性官能基が、前記電子輸送層が接する前記負極または前記補助金属配線を形成する材料と化学結合する反応性基を兼ねる請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記電子輸送材料が、金属酸化物である請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記電子輸送層と前記光電変換層との間に多孔質層を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  5. 前記光電変換層が、電子供与性の有機化合物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  6. 前記光電変換層が、ペロブスカイト構造を有する化合物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  7. 前記支持体が、可撓性である請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  8. 前記支持体と反対側に第二の支持体が貼り合わされてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
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