JP6340758B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は光電変換素子の製造方法に関するものである。
近年、化石燃料の代替エネルギーとして、また地球温暖化対策として太陽電池の重要性が高鳴っている。しかし、シリコン系太陽電池に代表される現行の太陽電池は、現状ではコストが高く、普及を妨げる要因となっている。
そのため、各種低コスト型の太陽電池の研究開発が進められており、その中でもスイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表した色素増感型太陽電池は、実用化への期待が高まっている(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)。
この太陽電池の構造は、透明導電性ガラス基板上に多孔質な金属酸化物半導体を設け、その表面に吸着した色素と、酸化還元対を有する電解質と、対向電極とからなる。Graetzelらは、酸化チタン等の金属酸化物半導体電極を多孔質化して表面積を大きくしたこと、並びに色素としてルテニウム錯体を単分子吸着させたことにより光電変換効率を著しく向上させた。
また、素子の製造方法に印刷方式を適用できるため、高価な製造設備を必要としないことから製造コストを下げられることが期待されている。しかしながら、この太陽電池はヨウ素と揮発性溶剤を含んでおり、ヨウ素レドックス系の劣化による発電効率の低下、電解液の揮発や漏れといった問題がある。
この欠点を補うものとして、次に示されるような完全固体型色素増感型太陽電池の発表が行なわれている。
(1)無機半導体を用いたもの(例えば、非特許文献3、4参照)
(2)低分子有機ホール輸送材料を用いたもの(例えば、特許文献2、非特許文献5、6参照)
(3)導電性高分子を用いたもの(例えば、特許文献3、非特許文献7参照)
(1)の非特許文献3記載の太陽電池では、p型半導体層の構成材料としてヨウ化銅が用いられている。作製直後は比較的良好な光電変換効率も、ヨウ化銅の結晶粒の増大等を理由とする劣化により数時間で半減してしまうことが知られている。そこで、非特許文献4に記載の太陽電池においては、イミダゾリニウムチオシアナートを加えることによってヨウ化銅の結晶化を抑制しているが、十分ではない。
(2)の非特許文献5に記載の有機ホール輸送材料を用いたタイプの固体型色素増感太陽電池は、Hagenらによって報告され、Graetzelらによって改良されている(非特許文献6)。特許文献2に記載のトリフェニルアミン化合物を用いた固体型色素増感太陽電池は、トリフェニルアミン化合物を真空蒸着して電荷輸送層を形成している。そのため、多孔質半導体の内部空孔へトリフェニルアミン化合物が到達できず、低い変換効率しか得られていない。
非特許文献6記載の例は、スピロ型のホール輸送材料を有機溶媒に溶解し、スピンコートを利用してナノチタニア粒子とホール輸送材料の複合体を得ている。しかしながら、この太陽電池におけるナノチタニア粒子膜厚の最適値は2μm程度とされており、ヨウ素電解液を使用する場合の10〜20μmと比較して非常に薄い。そのため、酸化チタンに吸着した色素量も少なく、十分な光吸収やキャリア発生を行うことが困難であり、電解液を用いた場合の特性は及ばない。ナノチタニア粒子の膜厚が2μmに留まる理由は、膜厚が厚くなるとホール輸送材料の浸透が十分でなくなるためとされている。
また、(3)の導電性高分子を用いたタイプの固体型太陽電池として、大阪大学柳田らがポリピロールを用いたものを報告(非特許文献7参照)している。これらの太陽電池においても、変換効率は低く、特許文献3に記載のポリチオフェン誘導体を用いた固体型色素増感太陽電池は、色素を吸着した多孔質酸化チタン電極上で、電解重合法を用いて電荷移動層を設けているが、色素が酸化チタンから脱着したり、あるいは色素の分解が生じたりする問題がある。また、ポリチオフェン誘導体は耐久性に非常に問題がある。
有機半導体材料を用いる太陽電池として色素増感太陽電池以外にも、有機薄膜太陽電池が近年盛んに研究されている。この有機薄膜太陽電池は、p型有機半導体とn型有機半導体を用いたpn接合型太陽電池である。この太陽電池は、光照射によってp型有機半導体とn型有機半導体界面で生じたキャリアを、ホールはp型有機半導体が輸送し、電子はn型有機半導体がキャリア輸送することで発電する原理である。
p型有機半導体としては、フタロシアニンやポリチオフェンが用いられ、n型半導体としてはフラーレンが用いられるが、p型、n型それぞれがキャリア発生とキャリア輸送の性能が高くなければ良好な変換効率を生み出すことができない。
一方、色素増感太陽電池は光化学反応によって発電する。光照射によって増感色素は励起され、酸化チタンに電子を注入し、色素はホール輸送層から電子を受け取り、ヨウ素は電極から電子を受け取ることによって発電する原理である。したがって、色素増感太陽電池で用いられるp型有機半導体(ホール輸送材料)は、有機薄膜太陽電池とは異なり、キャリア輸送性能だけを考慮すればよい。
以上、これまでに検討されてきた完全固体型光電変換素子は、何れも満足いく特性のものが得られていないのが現状である。
本発明の課題は、このような上記問題点を解決し、高い変換効率を有し、生産性にも優れた完全固体型の色素増感型太陽電池を提供することにある。
上記課題は、本発明の下記(1)〜(7)によって解決される。
(1)「第1の電極と、電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極と、を有し、前記ホール輸送層は、下記一般式(1)で表されるビニル化合物由来の重合体を有する光電変換素子;
Figure 0006340758
(式中、Arは置換基を有してもよいアリール基を表す。)」、
(2)「前記一般式(1)で表される化合物が下記構造式Aで表される化合物を含む前記第(1)項に記載の光電変換素子;
Figure 0006340758
(3)「前記一般式(1)で表される化合物が下記構造式Bで表される化合物を含む前記第(1)項または第(2)項に記載の光電変換素子;
Figure 0006340758
(4)「前記電子輸送層は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブの群から選択される少なくとも1つの材料を含む、前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか一項に記載の光電変換素子」、
(5)「前記ホール輸送層は、イオン液体を含む前記第(1)項1乃至第(4)項のいずれか一項に記載の光電変換素子」、
(6)「前記イオン液体は、イミダゾリウム化合物を含む、前記第(5)項に記載の光電変換素子」、
(7)「前記ホール輸送層と前記第2の電極との間に第2のホール輸送層を有し、該第2のホール輸送層は、ホール輸送性の高分子材料を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれか一項に記載の光電変換素子」。
本発明によれば優れた光電特性を有し、高い変換効率を有し、生産性にも優れた完全固体型の光電変換素子を提供できる。
本実施形態の光電変換素子の一例の断面の概略図である。 本実施形態の光電変換素子の他の例の断面の概略図である。 本実施形態の合成例1化合物の赤外吸収スペクトル図である。 本実施形態の合成例2化合物の赤外吸収スペクトル図である。 本実施形態の合成例3化合物の赤外吸収スペクトル図である。 本実施形態の合成例4化合物の赤外吸収スペクトル図である。 本実施形態の合成例5化合物の赤外吸収スペクトル図である。 本実施形態の合成例6化合物の赤外吸収スペクトル図である。
以下、図を参照して、本実施形態を説明する。
光電変換素子は、一般的に、電子集電電極と、電子受容体兼電子輸送層(以後、電子輸送層と呼ぶ)と、電子供与体兼ホール輸送層(以下、ホール輸送層と呼ぶ)と、ホール集電電極と、を有して構成される。
図1に、本実施形態の光電変換素子の一例の断面の概略図を示す。また、図2に、本実施形態の光電変換素子の他の例の断面の概略図を示す。
図1に示すように、本実施形態の光電変換素子100aは、第1の基板1上に、電子集電電極である第1の電極3、第1の電子輸送層6及び第2の電子輸送層7を含む電子輸送層5、第1のホール輸送層9及び第2のホール輸送層10を含むホール輸送層8、金属酸化物層11、ホール集電電極である第2の電極4、第2の基板2、が順次設けられた構成を有する。
また、図2の光電変換素子100bは、金属酸化物層11を有さない以外は、光電変換素子100aと同様の構成を有する。
以下、各々の構成要素について詳細に説明する。
<基板>
第1の基板1及び第2の基板2は、一定の硬性を保持するために設けられ、可視光に対して透明な材質のものであれば特に限定されない。具体例としては、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられる。
(電子集電電極)
第1の電極3の電子集電電極としては、可視光に対して透明な導電性物質であれば、特に限定されず、公知の光電変換素子又は液晶パネルなどで使用される電極を使用することができる。
電子集電電極の具体例としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物、グラフェンなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
また、電子集電電極として、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜などの、基板と一体となっているものを使用しても良い。
さらに、酸化スズや酸化インジウムに、原子価が異なる陽イオン又は陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状などの光が透過可能な構成を有する金属電極を、上述の基板上に設けたものを使用しても良い。これらは、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
電子集電電極の厚さとしては、5nm〜100μmの範囲であることが好ましく、50nm〜10μmの範囲であることがより好ましい。
また、第1の基板1及び第2の基板2の抵抗を下げる目的で、図1及び図2に示すように、各々、第1のリード線13及び第2のリード線14を配置しても良い。
第1のリード線13及び第2のリード線14の材料としては、例えば、銅、銀、金、白金、ニッケルなどの金属が挙げられる。なお、これらのリード線は、基板1、2に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上に上述した電極を設ける方法が挙げられる。
<電子輸送層>
前述したように、本実施形態の光電気変換素子100は、第1の電極3上に、後述する半導体の微粒子などから形成される電子輸送層5を有する。
電子輸送層5の構成としては、第1の電極3上に、緻密な第1の電子輸送層6と、多孔質状の第2の電子輸送層7と、を有する構成であることが好ましい。
なお、ここで言う「緻密な」とは、第1の電子輸送層6の半導体の微粒子の充填密度が、第2の電子輸送層7の半導体微粒子の充填密度より高密度であることを意味する。
緻密な第1の電子輸送層6は、第1の電極3と後述するホール輸送層8との間の電子的接触(コンタクト)を防止するために形成される。したがって、第1の電極3とホール輸送層8とが物理的に接触しなければ、ピンホールやクラックなどが形成されていても良い。
第1の電子輸送層6の膜厚としては、特に制限されないが、10nm〜1μmの範囲内であることが好ましく、20nm〜700nmの範囲内であることがより好ましい。
第2の電子輸送層7は、粒状(以下、多孔質状ということがある)の電子輸送層であり、第1の電子輸送層6の上に形成される。
第2の電子輸送層7は、単層であっても良いし、多層であっても良い。第2の電子輸送層7は、塗布法などで形成されるが、一度の塗布で形成される膜厚が不十分である場合は、多層塗布で形成される。
第2の電子輸送層7が多層である場合、粒径が異なる半導体の微粒子の分散液を多層塗布して形成しても良いし、種類が異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成などが異なる塗布液を多層塗布して形成しても良い。
第2の電子輸送層7の膜厚は、100nm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
第2の電子輸送層7の膜厚が増大するほど、単位投影面積当たりの担持光増感化合物量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなる。そのため、第2の電子輸送層7の膜厚は、100nm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
電子輸送層の材料としては、半導体材料であれば特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体、金属のカルコゲニドなどに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物、などが挙げられる。
前記金属のカルコゲニドとしては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ又はタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物などが挙げられる。
その他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
上述した材料は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。また、上述した半導体の結晶型は、単結晶でも多結晶でも非晶質でも良い。
上述した材料の中でも、N型酸化物半導体を使用することが好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブを使用することが好ましい。
上述した半導体の微粒子の一次粒径は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、5〜50nmの範囲内にあることがより好ましい。
また、平均粒径がより大きい半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させることにより、光電特性を向上させることができる。この場合、50〜500nmの平均粒径の半導体微粒子を使用することが好ましい。
電子輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法や、湿式成膜法などを使用することができる。製造コストの観点から、湿式成膜法を使用することが好ましく、半導体微粒子の粉末又はゾルを分散したペースト又は分散液を調製し、これを電子集電電極基板上に塗布する方法を使用することがより好ましい。
湿式成膜法を使用する場合、ペースト又は分散液の塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、又は、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーンなどの印刷法などを使用することができる。
分散液を作製する場合、半導体微粒子を、単独で又は樹脂との混合物を、後述する溶媒中に、機械的粉砕又はミルなどを使用して分散させることができる。
樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のビニル化合物の重合体又は共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリニビルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
半導体微粒子を分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α‐テルピネオールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル又は酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン又はジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン又は1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン又はクメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これは、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
半導体微粒子の分散液又はゾル−ゲル法等によって得られた半導体微粒子のペーストは、粒子の再凝集を防ぐために、塩酸、硝酸、酢酸等の酸、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等の界面活性剤、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン等のキレート化剤等を添加することが好ましい。また、成膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加しても良い。増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤が挙げられる。
半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度を向上させ、かつ、基板との密着性を向上させるために、焼成、マイクロ波照射、電子線照射、レーザー光照射又はプレス処理することが好ましい。これらの処理は、1種類を単独で施しても良いし、2種類以上を併用して施しても良い。
焼成する場合、焼成温度の範囲としては、特に制限はないが、30〜700℃の範囲内であることが好ましく、100〜600℃の範囲内であることがより好ましい。焼成温度が700℃を超える場合、基板の抵抗が高くなることがある。また、基板が溶融することがある。また、焼成時間としては、特に制限はないが、10分〜10時間の範囲内であることが好ましい。
焼成後には、半導体微粒子の表面積を増大させる目的及び/又は光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや、三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行っても良い。
また、マイクロ波を照射する場合、照射は、電子輸送層形成側から照射しても良いし、その裏側から照射しても良い。照射時間としては、特に制限はないが、1時間以内で行うことが好ましい。
プレス処理を採用する場合、プレス圧としては、100kg/cm以上とすることが好ましく、1000kg/cm以上とすることがより好ましい。プレス処理を施す時間としては、特に制限がないが、1時間以内とすることが好ましい。なお、プレス処理時には、熱を印加しても良い。
電子輸送層のラフネスファクターは20以上であることが好ましい。なお、ラフネスファクターとは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。通常、直径が数十nmの半導体微粒子を焼結などによって積層した膜は、ナノ多孔質状態を形成し、高い表面積を有する。
光変換効率を向上させるため、第2の電子輸送層7には、光増感化合物を吸着させることが好ましい。光増感化合物とは、使用される励起光により光励起される化合物である。
具体的には、特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等の光増感化合物を使用することができる。これらの化合物の中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物を使用することが好ましい。
第2の電子輸送層7中に光増感化合物を吸着させる方法としては、光増感化合物溶液又は光増感化合物分散液中に、半導体微粒子を有する電子集積電極1を浸漬する方法、又は、光増感化合物溶液又は光増感化合物分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法などが挙げられる。
前者の場合、具体的には、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が挙げられ、後者の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等が挙げられる。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させる方法を採用しても良い。
光増感化合物を吸着させる場合、縮合剤を併用しても良い。縮合剤とは、無機物表面に物理的又は化学的に光増感化合物と電子輸送化合物とを結合する反応を触媒するもの、又は化学両論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものなどを使用することができる。
また、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加しても良い。
光増感化合物を溶解又は分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール又はイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル又は酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、又はジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン又は1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン又はクメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
使用する光増感化合物によっては、化合物間の凝集を抑制することにより、より効果的に機能を発現するものが存在するため、凝集解離剤を併用して使用しても良い。
凝集解離剤としては、コール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などを使用することが好ましい。
凝集解離剤の添加量としては、後述する色素1質量部に対して0.01〜500質量部の範囲内とすることが好ましく、0.1〜100質量部の範囲内とすることがより好ましい。
光増感化合物、又は光増感化合物と凝集解離剤とを吸着する際の温度としては、−50℃以上200℃以下とすることが好ましい。吸着は、静置状態で実施しても良いし、攪拌しながら実施しても良い。攪拌しながら実施する場合、攪拌方法としては、限定されないが、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー又は超音波分散等の方法が挙げられる。
吸着処理の時間は、5秒以上1000時間以下とすることが好ましく、10秒以上500時間以下とすることがより好ましく、1分以上150時間とすることが更に好ましい。
なお、吸着処理は、暗所で実施することが好ましい。
<ホール輸送層>
本実施形態におけるホール輸送層8は、第1のホール輸送層9のみであってもよいが、第1の電極側から、第1のホール輸送層9及び第2のホール輸送層10を積層した構造を有してもよい。第2のホール輸送層10は、高分子材料を含む。成膜性に優れる高分子材料を含むことにより、多孔質状の第2の電子輸送層の表面をより平滑化にすることができ、光電変換特性を向上することができる。
また、高分子材料は、多孔質状の電子輸送層内部へ浸透することが困難であるため、多孔質状の第2の電子輸送層表面の被覆性に優れ、電極を設置する際の短絡防止にも効果を発揮する。
本実施形態において、第1の電極3側の第1のホール輸送層9に用いられるホール輸送性化合物は、下記一般式(1)で表されるビニル化合物が熱反応により形成される重合体を含む。
具体例としては、一般式(1)で表される芳香族化合物を使用することができる。
以下に一般式(1)に示す本願発明の具体的な例示化合物を表1に記すが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 0006340758
(式中、Arは置換基を有してもよいアリール基を表す。)
Figure 0006340758
上記一般式(1)で表されるビニル化合物が熱反応により形成される重合体を含むホール輸送性化合物は、特異的に抵抗が低くなり、ホール輸送性が向上する。
第2の電極4側の第2のホール輸送層10で用いられる高分子材料としては、公知のホール輸送性高分子材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3.6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)等のポリチオフェン化合物、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレンービニレン)]等のポリフェニレンビニレン化合物、ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]等のポリフルオレン化合物、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ−1,4−フェニレン]等のポリフェニレン化合物、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]等のポリアリールアミン化合物、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)等のポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。これらの化合物の中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルなどの観点から、ポリチオフェン化合物、ポリアリールアミン化合物を使用することが好ましい。
なお、上述した化合物は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
また、上述のホール輸送性化合物に、添加剤を添加しても良い。添加剤としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、
ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、
臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、
塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、
硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、
フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、
ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、
ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド、1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリウムジシアナミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド/リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、等のイオン液体、
ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ベンズイミダゾール等の塩基性化合物、
リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムジイソプロピルイミド等のリチウム化合物などが挙げられる。
これらの添加剤の中でも、ビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミドアニオンを有するイオン液体を使用することが好ましい。なお、添加剤は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
また、上述のホール輸送性化合物に、必要に応じてアクセプター材料を加えても良い。
アクセプター材料としては、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらのアクセプター材料は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
また、導電性を向上させる目的で、上述のホール輸送性化合物の一部をラジカルカチオンにするための酸化剤を添加しても良い。
酸化剤としては、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀などが挙げられる。
なお、酸化剤の添加によって全てのホール輸送性化合物を酸化する必要はなく、一部が酸化されていれば良い。また、添加した酸化剤は、添加した後に、系外に取り出しても良いし、取り出さずに残留していても良い。
ホール輸送層8は、光増感化合物を担持した電子輸送層7の上に形成する。ホール輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、真空蒸着などの真空中で薄膜を形成する方法や、湿式成膜法などの方法を採用することができる。製造コストの観点からは、湿式成膜法を採用することが好ましい。
湿式製膜法を用いる場合のホール輸送性化合物や各種添加剤を溶解又は分散する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。
これらは、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
湿式成膜における塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、又は、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーンなどの印刷法などを使用することができる。また、超臨界流体又は亜臨界流体中で成膜しても良い。
超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる臨界(臨界点)を超えた温度、圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものを使用することが好ましい。具体的には、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどのエルコール系溶媒、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどのハロゲン系溶媒、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒を好ましく使用することができる。
これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であり、容易に超臨界状態を作り出せると共に、不燃性で取り扱いが容易であるため、好ましく使用することができる。なお、上述した流体は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げた化合物は、亜臨界流体としても好適に使用することができる。
超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下がより好ましい。
また、上述の超臨界流体及び亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーと併用することも好ましい。有機溶媒及びエントレーナーの添加により、超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。このような有機溶媒としては、特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル又は酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン又はジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン又は1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。
本実施形態では、光増感化合物12を被覆した第2の電子輸送層7を有する第1の電極3上に、ホール輸送層8を設けた後に、プレス処理を施すことが好ましい。プレス処理を施すことによって、ホール輸送層8が、より多孔質電極と密着するため、光電効率が向上すると思われる。
プレス処理方法としては、特に制限はないが、錠剤成型器に代表されるような平板を用いたプレス成型法、ローラなどを用いたロールプレス法などが挙げられる。
プレス処理の圧力としては、10kgf/cm以上とすることが好ましく、30kgf/cm以上とすることがより好ましい。
プレス処理する時間としては、特に制限はないが、1時間以内で行うことが好ましい。
また、プレス処理時には、熱を印加しても良い。また、プレス手段と第1の電極3との間には、離型材を配置することが好ましい。離型材としては、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂などが挙げられる。
プレス処理を施した後には、ホール輸送層8と後述する第2の電極4との間に金属酸化物層11が配置されるよう、金属酸化物層11を形成しても良い。金属酸化物層11の金属酸化物としては、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられ、この中でも酸化モリブデンを使用することが好ましい。
金属酸化物の形成方法としては、特に制限はないが、スパッタリングや真空蒸着などの真空中で薄膜を形成する方法や、湿式成膜法などを採用することができる。
湿式成膜法としては、金属酸化物の粉末又はゾルを分散したペーストを調製し、ホール輸送層8上に塗布する方法を採用することが好ましい。
湿式成膜法を採用する場合、塗布方法としては特に制限はなく、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、又は、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等の印刷法などが挙げられる。
金属酸化物層11の膜厚としては、0.1〜50nmの範囲内であることが好ましく、1〜10nmの範囲内であることがより好ましい。
<ホール集電電極>
ホール集電電極である第2の電極4は、ホール輸送層8又は金属酸化物層11上に形成される。第2の電極4の材料としては、前述した第1の電極3と同様のものを用いることができる。また、強度や密封性が十分に保たれる構成の場合、支持体はなくても良い。
第2の電極4の材料の具体例としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム等の金属、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン等の炭素系化合物、ITO、FTO、ATO等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子などが挙げられる。これらの材料は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用して使用しても良い。
また、第2の電極4の膜厚としては、特に制限はない。
第2の電極4の形成方法については、用いられる材料の種類やホール輸送層8の種類などにより、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせなどの手法を採用することができる。
本実施形態の光電変換素子を色素増感型太陽電池として使用する場合、第1の電極3と第2の電極4の少なくとも一方が透明であれば良い。しかしながら、本実施形態においては、電子集電電極である第1の電極3側が少なくとも透明であり、太陽光を電子集電電極3側から入射させる方法を採用することが好ましい。
この場合、ホール集電電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック又は金属薄膜を使用することが好ましい。
また、太陽光の入射側に、反射防止膜を設けることも好ましい。
なお、本実施形態の色素増感型太陽電池は、太陽電池及び/又は太陽電池を用いた電源装置などにも応用可能である。他にも、従来から太陽電池や太陽電池を用いた電源装置を利用している機器類であれば、いずれのものにも応用可能であり、例えば電子卓上計算機や腕時計用の太陽電池、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等の電源装置に応用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源としても使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<本発明におけるホール輸送性化合物の合成>
(合成例1)
〔4,4’、4’’−トリホルミルトリフェニルアミンの合成〕
攪拌装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、東京化成社製:トリス(4−ブロモフェニル)アミン:24.1g、脱水テトラヒドロフラン:200mlを入れ、アルゴンガス雰囲気下にて−72℃で撹拌した後、2.77Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液:65mlを滴下した後、1時間反応を行った。
その後、脱水ジメチルホルムアルデヒド:16.45g滴下した後、2時間反応を行った。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。
有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:トルエン/酢酸エチル=9/1)で精製し、目的の生成物を得た(収量:17.17g、黄色粉末)。
得られた化合物の赤外吸収スペクトルを図3に示す。
(合成例2)
〔ホスホニウム塩化合物の合成〕
攪拌装置、温度計をつけた反応容器に、東京化成社製:4−クロロメチルスチレン:152.62g、東京化成社製:トリフェニルホスフィン:262.29g、トルエン:200mlを入れ、80℃で3時間反応を行った。
その後、濾過をし、トルエンにて洗浄した後、減圧乾燥し、目的の生成物を得た(収量:376g、白色粉末)。
得られた化合物の赤外吸収スペクトルを図4に示す。
(合成例3)
〔例示化合物1の合成〕
攪拌装置、温度計をつけた反応容器に、合成例1の4,4’、4’’−トリホルミルトリフェニルアミン:6.58g、合成例2で得られたホスホニウム塩化合物:127.38g、脱水ジメチルホルムアルデヒド:100mlを入れ、氷冷下で攪拌した。
そこへ、カリウム−ターシャル−ブトキサイド:8.08gを添加した。その後、室温で3時間反応を行った。
反応終了後、反応液を氷水へ注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン/シクロヘキサン=3/7)で精製し、目的の生成物を得た(収量:9.88g、黄色アモルファス)。
得られた化合物の赤外吸収スペクトルを図5に示す。
(合成例4)
〔例示化合物3の合成〕
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、東京化成社製:トリス(4−ブロモフェニル)アミン:2.09g、アルドリッチ社製:4−ビニルフェニルボロン酸:2.31g、炭酸カリウム:2.157g、エタノール:5ml、トルエン:10ml、イオン交換水:10mlを入れ、アルゴン雰囲気下&室温下で撹拌した。
そこへ、東京化成社製:テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム:0.3gを添加し、70℃で5時間反応を行なった。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。
有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン/シクロヘキサン=1/1)で精製し、目的の生成物を得た。(収量:2.15g、薄黄白色粉末)
得られた化合物の赤外吸収スペクトルを図6に示す。
(合成例5)
〔トリス(3−ブロモフェニル)アミンの合成〕
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、東京化成社製:3−ブロモアニリン:6.88g、東京化成社製:3−ブロモヨードベンゼン:33.95g、炭酸カリウム:22.11g、オルト−ジクロロベンゼン:40ml、アルゴン雰囲気下、還流撹拌し、24時間反応を行った。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。
有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン/シクロヘキサン=1/5)で精製し、エタノールにより再結晶精製を行い、目的の生成物を得た(収量:7.02g、白色粉末)。
得られた化合物の赤外吸収スペクトルを図7に示す。
(合成例6)
〔例示化合物5の合成〕
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、合成例5で得られたトリス(3−ブロモフェニル)アミン:2.41g、アルドリッチ社製:4−ビニルフェニルボロン酸:2.66g、炭酸カリウム:2.48g、エタノール:5ml、トルエン:10ml、イオン交換水:10mlを入れ、アルゴン雰囲気下&室温下で撹拌した。
そこへ、東京化成社製:テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム:0.35gを添加し、70℃で5時間反応を行なった。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。
有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン/シクロヘキサン=1/1)で精製し、目的の生成物を得た(収量:2.15g、白色アモルファス)。得られた化合物の赤外吸収スペクトルを図8に示す。
[実施例1]
(酸化チタン半導体電極の作製)
チタニウムテトラ−n−プロポキシド2ml、酢酸4ml、イオン交換水1ml、2−プロパノール40mlを混合し、FTOガラス基板上にスピンコートし、室温で乾燥後、空気中450℃で30分間焼成した。再度同一溶液を用いて、得た電極上に膜厚100nmになるようにスピンコートで塗布し、空気中450℃で30分間焼成して緻密な電子輸送層を形成した。
酸化チタン(石原産業社製ST−21)3g、アセチルアセトン0.2g、界面活性剤(和光純薬社製ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)0.3gを水5.5g、エタノール1.0gと共にビーズミル処理を12時間施した。
得られた分散液にポリエチレングリコール(#20,000)1.2gを加えてペーストを作製した。
このペーストを、上記緻密な電子輸送層上に膜厚2μmになるように塗布し、室温で乾燥後、空気中500℃で30分間焼成し、粒状の電子輸送層を形成し、酸化チタン半導体電極を得た。
(色素増感型太陽電池の作製)
上記酸化チタン半導体電極を、増感色素として三菱製紙製D358(0.5mM、アセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)溶液)に浸漬し、1時間暗所にて静置し光増感化合物を吸着させた。
例示化合物(No.1)を溶解したクロロベンゼン(固形分20%)溶液に、1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムトリフルオロスルホニルジイミド(27mM)を加えて得た溶液を、光増感剤を担持した酸化チタン半導体電極上にスピンコートにて成膜し、150℃20min加熱し熱反応させ乾燥してホール輸送層を形成した。この上に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。この上に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。
なお、作製した色素増感型太陽電池とは別に、ホール輸送層をクロロベンゼンに浸漬したところ例示化合物(No.1)の溶出はなく、重合体が形成されていることが確認された。
(色素増感型太陽電池の評価)
得た色素増感型太陽電池の疑似太陽光照射下(AM1.5、100mW/cm)における光電変換効率を測定した。
擬似太陽光は英弘精機製ソーラーシミュレーターSS−80XIL、評価機器はNF回路設計ブロック社製太陽電池評価システムAs−510−PV03にて測定した。
その結果、開放電圧=0.94V、短絡電流密度4.75mA/cm、形状因子=0.64、変換効率=2.86%という優れた特性を示した。
[実施例2]
実施例1のホール輸送性化合物を、表1に示す化合物No2のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1のホール輸送性化合物を、表1に示す化合物No3のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1のホール輸送性化合物を、表1に示す化合物No4のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1のホール輸送性化合物を、表1に示す化合物No5のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1のホール輸送性化合物を、表1に示す化合物No6のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例7]
例示化合物(No.1)を溶解したクロロベンゼン溶液を、固形分10%に代える他は、実施例1と同様にして、第1のホール輸送層を形成した。
さらに、アルドリッチ社製ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)を溶解したクロロベンゼン(固形分2%)に、1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムトリフルオロスルホニルジイミド(27mM)を加えて得た溶液を、前記ホール輸送層上にスプレー塗布して約100nm製膜し、第2のホール輸送層を形成した。この上に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。
[比較例1]
実施例1におけるホール輸送性化合物を、下記に示す化合物No07のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006340758
[比較例2]
実施例1におけるホール輸送性化合物を、下記に示す化合物No08のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006340758
[比較例3]
実施例1におけるホール輸送性化合物を、下記に示す化合物No09のホール輸送性化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006340758
Figure 0006340758
Figure 0006340758
表2、3より明らかなように、本発明のホール輸送性化合物は、何れも良好な特性を示すことがわかる。この中でも、特に例示化合物No.1、No.3、No.5が良好な特性を示した。
また、比較例のホール輸送性化合物は、本発明のホール輸送性化合物に比較して、特性が低いことが明らかである。また、ビニル化合物が熱反応により形成される重合体が得られない比較例1及び3は、顕著に特性が低いことが明らかである。
[実施例8]
実施例1における、1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドをリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに変更した以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し、評価した。
その結果、開放電圧=0.92V、短絡電流密度=4.71mA/cm、形状因子=0.62、変換効率=2.69%という優れた特性を示した。
[実施例9]
実施例1における1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドに変更した以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し、評価した。
その結果、開放電圧=0.93V、短絡電流密度=4.68mA/cm、形状因子=0.61、変換効率=2.65%という優れた特性を示した。
[実施例10]
実施例1における1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド/リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(重量比=1/1)に変更した以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し、評価した。
その結果、開放電圧=0.92V、短絡電流密度=4.62mA/cm、形状因子=0.59、変換効率=2.51%という優れた特性を示した。
[実施例11]
実施例1における1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを、過塩素酸リチウムに変更した以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し、評価した。
その結果、開放電圧=0.93V、短絡電流密度=4.61mA/cm、形状因子=0.61、変換効率=2.62%という優れた特性を示した。
[実施例12]
実施例1におけるホール輸送層の上に、酸化モリブデンを5nm真空蒸着し、更に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。この上に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。
その結果、開放電圧=0.96V、短絡電流密度=4.71mA/cm、形状因子=0.65、変換効率=2.93%という優れた特性を示した。
[実施例13]
実施例7における第2のホール輸送層の上に、酸化モリブデンを5nm真空蒸着し、更に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。この上に金を100nm真空蒸着して色素増感型太陽電池を作製した。
その結果、開放電圧=0.95V、短絡電流密度=5.12mA/cm2、形状因子=0.61、変換効率=2.96%という優れた特性を示した。
各実施例及び比較例の評価結果の比較から、重合反応性を示さない材料を用いた場合、光電変換特性は低下する。即ち、本実施形態は、前記一般式(1)で表されるビニル化合物が熱反応により形成される重合体を含むことにより、特異的に抵抗が下がり、ホール輸送性が向上することで、高い短絡電流密度と形状因子を得ることができ、光電変換特性が向上している。
以上明らかなように、本発明の色素増感型太陽電池は優れた光電変換特性を示すことがわかる。
特許第2664194号公報 特開平11−144773号公報 特開2000−106223号公報
Nature,353(1991)737 J.Am.Chem.Soc.,115(1993)6382 Semicond.Sci.Technol.,10(1995)1689 Electrochemistry,70(2002)432 Synthetic Metals,89(1997)215 Nature,398(1998)583 Chem.Lett.,(1997)471

Claims (7)

  1. 光電変換素子が、第1の電極と、電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極と、を有し、
    前記ホール輸送層は、熱反応により得られた下記一般式(1)で表されるビニル化合物由来の重合体を有することを特徴とする光電変換素子の製造方法
    Figure 0006340758
    (前記一般式(1)中、Arは下記構造式A1、A2、B1、B2、B3、及びB4から選択される少なくとも1種である。)
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が下記構造式A1及びA2で表される化合物から選択される少なくともいずれかを含む請求項1に記載の光電変換素子の製造方法
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が下記構造式B1からB4で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の光電変換素子の製造方法
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
    Figure 0006340758
  4. 前記電子輸送層は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブの群から選択され
    る少なくとも1つの材料を含む、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法
  5. 前記ホール輸送層は、イオン液体を含む請求項1から4のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法
  6. 前記イオン液体は、イミダゾリウム化合物を含む、請求項5に記載の光電変換素子の製造方法
  7. 前記ホール輸送層と前記第2の電極との間に第2のホール輸送層を有し、該第2のホール輸送層は、ホール輸送性の高分子材料を含む請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法
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