JP6106647B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、電気自動車やハイブリッド車などの車両に使用されるリアクトルに関する。
リアクトルは、コアの周囲にコイルを装着することで構成されている。コアは、コイルとの絶縁などの目的から、その全部あるいは一部をモールド成型により樹脂内部に埋設したり、筒状の樹脂成型品内に挿入している。このようなコアとその周囲に装着されたコイルを備えたリアクトル本体には、種々の部材を設置する必要がある。例えば、防塵、保護、放熱などの理由からアルミニウムなどの金属製のケース内に収納したリアクトルが従来から知られている。
リアクトル本体に設けられたコイルの端部には、コイルを外部機器に接続するためのバスバーを設ける必要がある。この場合、単にバスバーをコイル端部に溶接などの方法で接続するだけではなく、バスバーと外部配線を接続するためのねじを締結する端子台を、樹脂成型品やケースに固定する必要がある。リアクトルの運転中の温度上昇を監視するためのサーミスタなどの温度センサを、コイルやコアの近傍に配置する必要もある。
この場合、例えば、特許文献1や特許文献2に示す従来技術では、専用の端子台を樹脂成型品とは別に成型したり、温度センサやそのホルダを樹脂成型品の一部に形成するなどの構成が採用されていた。
特開2013−197567号公報 特開2013−229406号公報
しかし、リアクトルを製造する場合に、コアやコイルを保持する樹脂成型品以外に、端子台を別に製作したり、樹脂成型品の一部に温度センサのホルダを形成することは、リアクトルの部品点数が増加し、樹脂成型品の製造工数が嵩むとか、成型用の金型数が増加する。特に、コイル数が多くなると、それに伴い端子台も増加するので、複数のコイルを装着したリアクトルにおいては、そのような傾向が更に強くなる。また、複数の端子台をリアクトル本体やケースに固定するためのねじなどの部品数も多くなり、リアクトルの組立作業に手間が掛かる。
車載用のリアクトルにおいては、10年以上もの長期間にわたって走行時の振動や、季節の移り変わりに伴う温度変化が加わるため、高度の防塵が要求されると共に、リアクトルの通電に発生する騒音を遮蔽することも要求されている。そのため、従来のリアクトルでも、内部にリアクトル本体を収納したケースの開口部をカバーで覆うことも提案されているが、端子台やセンサのホルダなどに加えて別途カバーを設けることは、リアクトルの部品点数の更なる増加に繋がり、好ましいことではない。また、カバーとは別にコイル端部と外部機器とを接続するバスバーを設けることは、リアクトル全体の大型化に繋がる欠点もある。
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、専用の端子台やセンサのホルダを不要として、部品点数並びに製造工数の削減、及び小型化を可能としたリアクトルを提供することである。
本発明のリアクトルは、下記(1)〜(3)のいずれかの構成を有することを特徴とす
る。
(1)
(a) コアと、前記コアに装着されたコイルを備えたリアクトル本体。
(b) 前記リアクトル本体の短辺の中央部に設けられた第1の固定部。
(c) 前記リアクトル本体の長辺の中央部に設けられた第2の固定部。
(d) 前記リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバー。
(e) 前記カバーに設けられた導電用のバスバー。
(f) 前記カバーに設けられた前記バスバーにより構成される回路パターン。
(g) 前記リアクトル本体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部とによりケースに固定された。
(2)
(a) コアと、前記コアに装着されたコイルを備えたリアクトル本体。
(b) 前記リアクトル本体の短辺の中央部に設けられた第1の固定部。
(c) 前記リアクトル本体の長辺の中央部に設けられた第2の固定部。
(d) 前記リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバー。
(e) リアクトル本体に装着するセンサを保持するために、前記カバーに設けられたセンサ
保持部。
(f) 前記リアクトル本体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部とによりケースに固定された。
(3)
(a) コアと、前記コアに装着されたコイルを備えたリアクトル本体。
(b) 前記リアクトル本体の短辺の中央部に設けられた第1の固定部。
(c) 前記リアクトル本体の長辺の中央部に設けられた第2の固定部。
(d) 前記リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバー。
(e) 前記カバーに設けられた導電用のバスバー。
(f) 前記カバーに設けられた前記バスバーにより構成される回路パターン。
(g) 前記リアクトル本体に装着するセンサを保持するために、前記カバーに設けられたセ
ンサ保持部。
(h) 前記リアクトル本体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部とによりケースに固定された。
(4)前記リアクトル本体が、上面開口型のケースに収容され、前記カバーが前記上面開口型のケースの開口部を覆ったものであると良い。
(5)前記バスバーが、コイルの端部と接続されたものであると良い。
(6)前記バスバーが、コイルの端部とリアクトル外部の配線とを接続するもので、前記バスバーに設けられた接続部を保持するために、前記カバーに設けられた端子台を備えると良い。
(7)前記カバーの表面に、前記センサの配線の係止部と、前記センサの配線に設けられたコネクタの保持部が設けられていると良い。
(8)前記バスバーが、コイル端部との接続部と外部配線との接続部とを備え、両接続部が前記カバーの表面に露出し、両接続部間の回路パターンが前記カバー内に埋設されていると良い。
(9)前記コイル端部が前記カバーから露出するものであり、前記カバーから露出した前記コイル端部と前記バスバーとが溶着されたものであると良い。
(10)前記リアクトル本体が、上面開口型のケースに収容され、前記カバーが前記上面開口型のケースの開口部を覆ったものであり、前記リアクトル本体が、前記ケースに対して両者の線膨張差を吸収可能に可動的に固定され、前記カバーと前記ケースとは定位置で固定され、前記カバーに設けられた前記バスバーと前記コイル端部とがリアクトル本体とケースとの線膨張差を吸収可能に可動的に固定されていると良い。
本発明によれば、リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバーにセンサの保持部と、バスバーにより構成される回路パターンの少なくとも一方を設けたことにより、個々の部材を別々に製作する場合に比較して、部品点数及び製造工数の削減、及び小型化が可能になる。
第1実施形態の斜視図。 第1実施形態のリアクトル本体、充填材及びケースの分解斜視図。 第1実施形態の分解斜視図である。 第1実施形態における環状コアの斜視図。 第1実施形態における各コアとその樹脂成型品の組み合わせを示す分解斜視図。 第1実施形態におけるU字形コアとその樹脂成型品の分解斜視図。 第1実施形態におけるT字形コアとその樹脂成型品の分解斜視図。 第1実施形態における第1の固定部を示す斜視図。 第1実施形態における支持金具の上方と下方の斜視図。 第1実施形態における第2の固定部の斜視図。 第1実施形態におけるリアクトル本体1の下部を示す斜視図。 第1実施形態における第1と第2の固定部の位置を示す平面図。 第1実施形態の連結コイルを示す斜視図。 第1実施形態においてカバーを装着した状態の斜視図。 第1実施形態のカバーの分解斜視図である。 第1実施形態のカバーの底面方向から見た斜視図。 第1実施形態においてカバーと、それに埋設されたバスバーを示す斜視図。 図17のカバーとバスバーを反対方向から見た斜視図。 図17のカバーにおける第1バスバーの埋設状態を示す断面図。 図17のカバーにおける第3バスバーの長辺方向の埋設状態を示す断面図。 図17のカバーにおける第3バスバーの短辺方向の埋設状態を示す断面図。 第1実施形態におけるセンサの斜視図。 図22のセンサの上下を反転させて見た斜視図。 第1実施形態のリアクトル本体内部におけるセンサの配置を示す断面図。
[1.第1実施形態]
[1.1 構成]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のリアクトルは、上面が開口したアルミニウムなどの金属製のケース2と、その内部に収容されたリアクトル本体1と、ケース2とリアクトル本体1との間に注入固化された充填材3とを有する。
(1)リアクトル本体
リアクトル本体1は、図3に示す通り、2つのU字形コア4a,4bと2つのT字形コア5a,5bを組み合わせて成るθ状の環状コアと、環状コアの脚部に巻回された2つの連結コイル6a,6bとを備える。リアクトル本体1は、2つの長辺と2つの短辺とを有する角丸長方形(角が丸くなっている長方形)をしており、ケース2もそれに合わせて上面が開口した直方体をしている。
(2)コア
図4に示すとおり、環状コアは、U字形コア4a,4bの両端部とT字形コア5a,5bの左右の端部を突き合わせ、その間にスペーサ8を配置して接着すると共に、対向するT字形コア5a,5bの中央突起部7a,7b間に所定のギャップ10が形成されるように組み合わせる。これにより、環状コアには、対向する一対のヨーク部と、ヨーク部と平行に設けられた中央の中脚と、中脚の両側にそれぞれ設けられた一対のコイル6a,6b装着用の脚部(以下、外脚という)が形成されている。本実施形態のU字形コア4a,4b及びT字形コア5a,5bとしてはダストコアを使用するが、その他フェライトコアやケイ素鋼を積層した積層コアを単独あるいは組み合わせて用いることができる。また、スペーサ8を用いることなく、U字形コア4a,4bの両端部とT字形コア5a,5bの左右の端部を直接突き合わせても良い。ギャップ10も、エアギャップでも、スペーサを設けたギャップでも良い。
(3)コイル
図1及び図2に示すように、2つの連結コイル6a,6bは、U字形コア4a,4bの外脚を構成する部分に、中脚を挟んでその両側にそれぞれ装着されている。各連結コイル6a,6bは、図13に示すように、1本の導体を使用して2つのコイル6a−1,6a−2または6b−1,6b−2を形成したもので、環状コアに装着した状態では、1本の導体が一方の外脚の外周に巻回されて第1のコイル6a−1,6b−1を形成し、同じ導体が反対側の外脚に巻回されて第2のコイル6a−2,6b−2を形成している。そのため、図1及び図2に示すように、1つのコイル6a,6bの巻き始めの端部11と巻き終わりの端部12が、中脚の両側に一つずつ設けられている。コイル6a,6bの巻き始めの端部11と巻き終わりの端部12には、それぞれバスバーが溶接され、そのバスバーの端部にリアクトルの外部配線が接続される。2つのコイル6a−1,6a−2または6b−1,6b−2の連結部63は、コイルの巻軸方向と垂直な面において、平角線が同一平面上で連結されている。
コイル6a,6bとしては、各種の導体を巻回したものを使用することができるが、本実施形態では、平角線の導体をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルを使用する。各コイル6a,6bの巻き始めと巻き終わりの端部11,12は、コイル6aのように中脚側に設けても良いし、コイル6bのようにヨーク部側に設けても良いものであって、2つのコイル6a,6bの両方を中脚側かヨーク部側のいずれかに設けても良い。
2つのコイル6a,6bは、そのコイル6a,6bから発生する直流磁束が互いに打ち消される方向で巻回されている。2つのコイル6a,6bから発生する直流磁束が互いに打ち消される方向で巻回するため、本実施形態では、コイルに通電する電流の方向を同一とし、コイルの巻回方向を逆にしたが、コイルの巻回方向は同一として、通電する電流の方向を反対にしても良い。各コイル6a,6bは、樹脂成型品に埋設されたU字形コア4a,4bとT字形コア5a,5bをθ状に接着する際に、予め筒状に巻回したコイル6a,6bを外脚に嵌め込むことにより、コアに巻回されている。
2つのコイル6a,6bから発生する直流磁束が互いに打ち消される方向で巻回され、2つのコイル6a,6bは、リアクトル本体1の外周における磁束密度が、リアクトル本体1の長辺方向において、リアクトル本体1を挟んで位置する2つの空間において低くなるように、環状コアに装着されている。すなわち、環状コアには中脚が形成されていることから、リアクトルの通電時には、環状コアの短辺であるヨーク部の周辺において磁束密度が低くなっている。
(4)樹脂成型品
U字形コア4a,4bとT字形コア5a,5bは、それぞれ専用の樹脂成型品内部に埋設されている。各コアは、それぞれの樹脂成型品の金型内にセットされた状態で、金型中に樹脂を注入・固化することにより、樹脂成型品と一体的に形成されている。樹脂成型品は、各コアとコイル6a,6bを絶縁する部材であると共に、リアクトル本体1をケース2に固定するための支持部材を固定した部材でもある。樹脂成型品の主材料としては、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、BMC(バルクモールディングコンパウンド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)等を用いることができる。
図6に示すとおり、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bは、U字形コア4a,4bの左右の脚部を覆うコイル装着部15と、U字形コア4a,4bのヨーク部を覆うヨーク被覆部16とを備える。コイル装着部15におけるU字形コア4a,4bとT字形コア5a,5bとの接合面に相当する部分にはU字形コア4a,4bの端面が露出する開口部が設けられ、この開口部の周囲にはT字形コア用の樹脂成型品14a,14bの端部を挿入するためのリブ17が設けられている。
ヨーク被覆部16の上部におけるリアクトル本体1の幅方向中央部には、リアクトル本体1をケース2に固定するための板状の支持金具18の基部が固定されている。板状の支持金具18の基部は、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bの成型加工時に、U字形コア4a,4bと共に金型内にセットされ、モールド成型される。
図7に示すとおり、T字形コア用の樹脂成型品14a,14bは、T字形コア5a,5bの脚部を覆うコイル装着部19と、T字形コア5a,5bの中央突起部7a,7bを覆う中脚被覆部20とを備える。コイル装着部19におけるU字形コア4a,4b側の端面は、内部のT字形コア5a,5bの端面が露出する開口部になっている。この開口部の周囲には、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bに設けたリブ17が嵌合する凹部21が形成されている。
T字形コア5a,5bの中央突起部7a,7bの端面は、ギャップ10を介してT字形コア5a,5bの中央突起部7a,7bの端面と対向するため、中脚被覆部20のこの部分はT字形コア5a,5bの端面全体を被覆している。ギャップの代わりにスペーサを用いてギャップを形成したり、全くギャップを形成しない場合には、中脚被覆部20に開口部を設けて中央突起部7a,7bの端面を露出させても良い。
T字形コア用の樹脂成型品14a,14bの中脚被覆部20の反対側には、リアクトル本体1をケース2に固定する際に、固定部材であるボルト23を挿入する筒状のカラー22が埋設されている。この筒状のカラー22は、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bの成型加工時に、U字形コア4a,4bと共に金型内にセットされ、モールド成型される。
図6及び図7に示すとおり、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bとT字形コア用の樹脂成型品14a,14bは、各コアの突き合わせ部分を除き各コアの周囲を被覆するものであるが、各コアや支持金具を金型内に位置決めするための治具を使用する必要があることから、治具に相当する部分には樹脂が存在しない開口部が形成され、その部分に各コアの表面が露出している。
図11に示すとおり、T字形コア用の樹脂成型品14a,14bの底部には、位置決め用の突起30a,30bが設けられている。この突起30a,30bは、樹脂成型品14a,14bにおけるコイル装着部15を避けた部分に設けられ、コイル6a,6bをコアに装着した状態でも、リアクトル本体1の底部に突出している。この突起30a,30bは、リアクトル本体1をケース2内に収容する場合、ケース2の底部に設けられた凹部(図示せず)に嵌め込まれ、リアクトル本体1とケース2との位置決めを行う。
(5)支持金具
図1に示すとおり、リアクトル本体1は、各樹脂成型品に一体化された支持金具18と、ボルト23などの固定部材によってケース2に固定されている。第1の固定部Aは、リアクトル本体1の対向する2辺、本実施形態では、リアクトル本体1の短辺(ヨーク部)にそれぞれ設けられて、リアクトル本体1とケース2とに線膨張差による一定の力が加わった場合に、両者の相対位置が変化できるように可動的に固定している。第2の固定部Bは、2つの第1の固定部Aの間、本実施形態では、リアクトル本体1の対向する各長辺(外脚)の中央部近傍に設けられて、リアクトル本体1とケース2とをその相対位置が変化しないように定位置で固定している。
第2の固定部Bの位置は、あまり片側によると一方の第1の固定部Aのみが線膨張差を吸収することになるので、中央でなくても良いが、ある程度は中央に近い部分に設けることが望ましい。具体的には、第2の固定部の位置は、複数の第1の固定部が分担する線膨張差の負担割合に応じて決定される所定の位置に設ける。例えば、2つの第1の固定部がそれぞれ吸収することのできる線膨張差のバランス、例えば7:3とか6:4などによって決まる位置とする。
図8は、第1の固定部Aにおいて、可動側の支持金具18と固定部材であるボルト23により、リアクトル本体1をケース2に固定する状態を示す。図8及び図9に示すように、可動側の支持金具18は、リアクトル本体1の短辺の中央に設けられ、リアクトル本体1の幅方向に延びる基部と、その基部からケース2側に突出した2つのアーム24a,24bを備えている。基部は樹脂成型品に固定されており、その先端部が樹脂成型品からケース2側に向かって外方に突出している。すなわち、本実施形態において、支持金具の基部は、リアクトル本体1からの支持金具18の突出方向(リアクトル本体の外方)に対して、直交方向に伸びている。
図8及び図9に示すように、2つのアーム24a,24bには、リアクトル本体1の外方に向かって突出した第1の湾曲部181と、リアクトル本体1の内方に向かって凹んだ第2の湾曲部182とを連続して形成した略S字形の弾性部が設けられている。2つのアーム24a,24bの先端は連結部25により接続され、その連結部25に可動側の支持金具18とケース2との固定部材の挿入孔27が設けられている。可動側の支持金具18の基部と連結部25は、リアクトル本体1の水平断面に対して平行な板状部材であり、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bに固定した可動側の支持金具18の基部に対して、連結部25はリアクトル本体1の上下方向を基準として下方に位置している。これにより、可動側の支持金具18のS字状の弾性部は、ケース2の上縁に設けられたねじ穴26の位置に合わせて、縦型に配置される。ケース2とリアクトル本体1との位置関係によっては、連結部25をリアクトル本体1の上下方向を基準として上方に位置させることも可能である。
図7及び図10に示すように、第2の固定部Bは、T字形コア用の樹脂成型品14a,14bに設けられた挿入孔と、この挿入孔内に埋設された筒状のカラー22と、この筒状のカラー22の内部に挿入されるボルト23を有する。このボルト23をケース2の上縁に設けられたねじ穴26に締結することにより、リアクトル本体1がケース2と相対的に移動することなく固定される。
図12に示すとおり、第2の固定部Bは、リアクトル本体1の長辺の中央部に設けられ、第1の固定部Aはリアクトル本体1の短辺の中央に設けられている。そのため、リアクトル本体1をケース2に定位置で固定する第2の固定部Bから、その両側に設けられて、リアクトル本体1をケース2に可動的に固定する第1の固定部Aまでの距離が等しい。その結果、本実施形態では、第2の固定部Bを中心として、両側の第1の固定部Aに対してリアクトル本体1とケース2の線膨張差が等しく現れる。
(6)ケース
リアクトル本体1を収容するケース2は、図1及び図2に示す通り、上面に開口を有する箱型に形成されており、リアクトル本体1の大きさに合わせた寸法の収容空間を有する。ケース2の上部には、リアクトル本体1をケース2に固定するためのボルト23を締結するためのねじ穴26が設けられている。ケース2は熱伝導性の高い金属で形成され、リアクトル本体1を収容するとともにリアクトル本体1から発生する熱の放熱部材としての機能を有する。熱伝導性の高い金属としては、アルミニウムやマグネシウムを用いることができる。また、必ずしも金属である必要はなく、熱伝導性に優れた樹脂や、樹脂の一部に金属製の放熱板を埋設したものを使用することも可能である。
(7)充填材
リアクトル本体1とケース2との隙間には、充填材3が充填、固化されている。充填材3としては、固化しても多少の弾力性を有する樹脂を使用することが望ましい。例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等の放熱用の材料を混入したエポキシ系、ポリアクリレート系、シリコーン系の樹脂製ポッティング剤をその硬化度を調整することで使用できる。
(8)カバー
カバー50は、図15から図21に示すように、ケース2の開口部を覆う薄い長方形の箱状の部材であり、その周囲にはケース2の側壁に合わせて下方に伸びる背の低い側壁が設けられている。カバー50の上面中央部分には、左右一対のセンサ保持部51a,51bが設けられている。このセンサ保持部51a,51bは、円形の貫通孔の内周に複数のフック状の突起を形成したもので、この突起が棒状のセンサ52の上端に係合して貫通孔内に挿入されたセンサ52がカバー50の上方に抜け出ることを防止する。
本実施形態のセンサ52は、図22及び図23に示すように、2本のセンサ52の一端にそれぞれ引出線53を接続し、引出線53の他端を1つのコネクタ54に接続したものである。棒状のセンサ52の先端(下部)は、リアクトル本体1の中心部の発熱温度を検出するために、図24の断面図に示すように、左右の外脚に装着したコイルの隙間に挿入されている。本実施形態では、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bに挿入溝52sを一体に形成しておき、この挿入溝52s内にセンサ52を挿入することで、コイルの隙間内におけるセンサ52の位置決めを行っている。
引出線53は、図14及び図24に示すように、カバー50の表面に沿って配線され、カバー50の一端(長方形をしたリアクトル本体の一方の短辺の中央部)に係止されたコネクタ54に達している。カバー50の表面には、引出線53の配線位置に合わせて、先端がフック状になって引出線53に係合する係止部材53aが設けられている。この引出線53と係止部材53aが、請求項に記載のセンサの配線の係止部に相当する。
コネクタ54は、図22及び図23に示すように、箱状の部材で、その一端が引出線53の接続部54aで、他端が外部配線に設けたコネクタ54の装着部54bになっている。コネクタ54の底部には、断面がフック状をした一対の突条54cが平行に形成され、図17に示すように、カバー50の表面には、この突条54cのフック状部分に係合する一対のガイド54dが設けられている。コネクタ54底部の一対の突条54cの間にストッパ54eが形成され、カバー50表面の一対のガイド54dの間に、コネクタ54をカバー50のガイド54dに装着した場合に、ストッパ54eが係合する凸部54fが設けられている。このガイド54d及び凸部54fが、請求項に記載のコネクタの保持部を構成する。
カバー50は、図19から図21の断面図に示すように、その内部に、コイルの端部と外部配線とを接続するための3本のバスバー611〜613により構成される回路パターンを埋設している。図15に示すように、各バスバー611〜613は、その一端にコイル端部との接続部61aが設けられ、他端に外部配線との接続部61bが設けられ、その接続部61bにバスバー611〜613と外部配線をねじ止めするための貫通孔61cが設けられている。これら接続部61aと接続部61bはカバー50の表面に露出し、バスバー611〜613における接続部61aと接続部61b間の導体部分によって形成された回路パターンがカバー50内に埋設されている。これにより、カバー50と3本のバスバーは、一体化されている。
本実施形態において、コイル端部とバスバー611〜613は溶着によって接続され、外部配線とバスバー611〜613は貫通孔61cに挿入するナット62によって締結される。そのため、カバー50の各コイルの巻き始めの端部11と巻き終わりの端部12に相当する箇所には、カバー50をケースに固定した状態において、各端部がカバー50表面に露出するための開口部63が形成されている。
バスバー611〜613における外部配線との接続部61bを保持するため、長方形をしたカバー50の一方の短辺側に第1端子台641、第2端子台642及び第3端子台643が、他方の短辺側に第4端子台644が設けられている。一方、コイルの巻き始めの端部11と巻き終わりの端部12は2つのコイルにそれぞれ設けられているので、合計4箇所のコイル端部と4箇所の端子台との間に、第1バスバー611から第3バスバー613の3本が配設されている。
図15に示すように、第1バスバー611は、左側のコイルの巻き始めの端部11と右奥側の第1端子台641とを結ぶ略直線状の部材で、カバー50の奥側にリアクトル本体の長辺と平行に埋設されている。第2バスバー612は、右側のコイルの巻き終わりの端部12と右中央の第2端子台642とを結ぶクランク状の部材で、第1バスバー611に沿ってリアクトル本体の長辺と平行に埋設されている。そのため、カバー50の表面の奥側には、第1バスバー611と第2バスバー612の埋設部分が盛り上がっている。第3バスバー613は、左側のコイルの巻き終わりの端部12と右側のコイルの巻き始めの端部11、及び右手前の第3端子台643と左手前の第4端子台644を結ぶ部材で、左側のコイルの巻き終わりの端部12と第4端子台644が近接していることから、全体としてT字形をした部材である。そのため、カバー50の表面は、第3バスバー613の形状に合わせてT字形に盛り上がっている。
カバー50の四隅には、カバー50をケースに固定するためのボルト67を挿入するボルト孔65が形成され、このボルト孔65内にカラー66が埋設されている。3本のバスバー611〜613及びカラー66は、カバー50を成型する際にインサート成型によりカバー50を構成する樹脂内部に埋設される。
カバー50の四隅には、リアクトル本体1とケース2との隙間に充填材3を注入する際に、注入用のノズルを挿入するための開口部68が設けられている。なお、この開口部68は、各コイルの巻き始めの端部11と巻き終わりの端部12が挿入される開口部63と兼用することもできる。
[1.2 製造方法]
前記のような構成を有する本実施形態のリアクトルは次のようにして製造する。
まず、樹脂成型品の金型内にU字形コア4a,4bまたはT字形コア5a,5bと、その支持金具をセットし、その後、金型内に樹脂を注入し、固化することで、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bとT字形コア用の樹脂成型品14a,14bを作製する。同様にして、金型内に第1から第3のバスバー611〜613とカラー66をセットした状態で、金型内に樹脂を注入し、固化することでカバー50を作製する。このようにして、バスバー611〜613の導体から成る回路パターン部分がカバー50内に埋設され、両端の接続部61a,61bがカバー50に露出した状態となる。
次いで、図5に示すように、それぞれ樹脂成型品内部にコアと支持金具が固定された2つのU字形コア4a,4bとT字形コア5a,5bを、その外脚をコイル6a,6bの内側に挿入しながら、全体をθ状に接合することより、リアクトル本体1を作製する。その場合、樹脂成型品から露出している各コアの端面の間にスペーサ8を配設してこれらを接着剤により固定すると共に、T字形コア用の樹脂成型品14a,14bの端部に設けた凹部21の外周に、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bの端部に設けたリブ17を嵌め込む。これにより、各樹脂成型品及びコアの正確な位置決めが可能になる。
このようにして作製されたリアクトル本体1を、T字形コア用の樹脂成型品14a,14bに設けた筒状の支持金具22内にボルト23を挿入し、ケース2のねじ穴26に締結することで、リアクトル本体1の中央部分をケース2に対して移動することがないように固定する。また、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bに設けた弾性部を有する可動側の支持金具18に設けた挿入孔27にボルト23を挿入し、そのボルト23をケース2のねじ穴26に締結することで、リアクトル本体1の両端部をケース2に対して可動的に固定する。この場合、可動的とは通常のリアクトルの使用時においては、リアクトル本体1とケース2は移動することなく固定されているが、通電時の発熱などによりリアクトル本体1とケース2との間に線膨張差が生じた場合には、ケース2に対してリアクトル本体1が移動して、線膨張差を吸収できる程度の強さで固定されていることを言う。
また、リアクトル本体1とケース2を固定する場合に、両者間に製造上の公差などにより、リアクトル本体1中央部と両端部とで平面度差があっても、第1の固定部Aの支持金具に設けたS字状の弾性部が、リアクトル本体1の長手方向と上下方向の2つの方向に変形することで、平面度差を吸収することができる。
このようにしてリアクトル本体1とケース2とを固定した後は、ケース2の上部にカバー50を装着して、カラーに貫通させたボルトをケースに締結することにより、ケース2にカバー50を固定する。この場合、カバー50に形成した開口部からコイルの4箇所の端部11,12をカバー表面に突出させておき、カバー50とケース2とを固定した後、コイルの端部11,12にカバー50に一体化した第1バスバー611から第3のバスバー613の接続部を重ね合わせて、スポット溶接などの手段で溶着する。
コイル端部とバスバーの溶着後は、カバー50に設けた開口部68からノズルを挿入して、リアクトル本体1とケース2の隙間に充填材3を注入し、固化させる。これにより、リアクトル本体1をケース2に対してより強固に固定することが可能になると共に、両者の隙間に塵埃が入り込むことを防止することができると共に、リアクトル本体1の絶縁性も確保できる。更に、充填材3として熱伝導性の高いフィラーを混合したものを使用した場合には、リアクトル本体1の発熱をケース2に対して効率良く放熱することができる。
リアクトル本体1の組立が完了した後は、カバー50に設けた貫通孔内に棒状のセンサ52を、その先端が挿入溝52sの奥に達するまで挿入した後、引出線53を係止部材53aに引っ掛けながらカバー表面に沿って這わし、突条54cをガイド54dにスライドさせて、ストッパ54eと凸部54fを係合させることにより、コネクタ54をカバー50に固定する。
前記の様にして完成された本実施形態のリアクトルを、車輌その他の機器に設置する場合には、カバー50に設けられた第1端子台641から第4端子台644に露出しているバスバー611〜613の接続部61bに設けた貫通孔61cにナットを挿入し締結することで、バスバー611〜613と機器側の外部配線をねじ止めする。
[1.3 効果]
上記のような構成を有する本実施形態のリアクトルの効果は、以下のとおりである。
(1)リアクトル本体1を、ケース2とその上面開口部を覆うカバー50によって周囲から被覆するので、通電時の振動やそれに伴う騒音を効果的に遮断することができ、また、防塵性も向上する。
(2)カバー50の内部にバスバーにより構成される回路パターンを一体化したので、バスバーを保持するための端子台を別途用意する必要がなくなり、部品点数及び組立工数の削減、リアクトルの小型化を図ることができる。端子台専用の金型が不要となることから、リアクトルの製作コスト低減に寄与する効果は大きい。特に、多数のバスバーを必要とするリアクトルでは、それに応じて別途用意する端子台の数も増大するが、本実施形態では、ケース2のほぼ全面を覆う大型のカバー50にバスバーを一体化することで、バスバーの数が増えてもカバー50でそれらのバスバーをすべて保持することができ、多くの端子台を用意する必要がない。
(3)コイル端部と外部配線を接続するバスバーにより構成される回路パターンを、カバー50を構成する樹脂成型品に一体化したので、バスバーの絶縁性が向上する。特に、回路パターンをカバー内に一体化した結果、複数のバスバーを交差するように配置する場合でも、各バスバーが樹脂成型品によって確実に絶縁される。従来技術のように個々のバスバーをコイル端部と外部配線の間に一つずつ配線する場合に比較して、配線に必要な複数のバスバーが回路パターンとして一体化されているため、複数のバスバーの位置決めが確実になると共に、取り扱いも容易になり配線作業が簡単且つ確実に実施できる。特に、予めカバー50内に回路パターンを設けておくことでレイアウトの自由度が増えた結果、バスバーの数が増え複雑な配線が必要となる場合でも、絶縁性能や線路長などを考慮した適切な配線を行うことができる。
(4)カバーにセンサの保持部を一体に設けたことにより、センサ52やその引出線53、コネクタ54などの位置決めを正確且つ簡単に実施できる。カバー50に形成した貫通孔からリアクトル本体1内部にセンサ52を挿入するだけで、センサ先端を高温になりやすいコイルの間にまで深く挿入することが可能になり、温度検出を正確に行うことができる。また、カバー50の表面に沿って引出線の係止部材を配置することで、センサ50の引出線53をカバー50の表面から浮かび上がることがないように固定できる。センサ50のコネクタ54もカバー50に一体に保持させることができるので、センサ52、その引出線53、コネクタ54の3者の正確な位置決めを行うことができると共に、これらの保持部材をカバー50の成型時に一挙に製作できて便利である。
(5)コイル端部11,12とバスバー611〜613は溶着によって接続されているため、通電時の発熱でリアクトル本体1とカバー50との間に線膨張差が発生しても、コイル端部11,12が変形することでそれを吸収することかでき、リアクトル本体1に無理な力が加わることがない。
[2. 他の実施形態]
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。以上の実施形態は例として提示したものであって、その他の様々な形態で実施されることが可能である。発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲、要旨、その均等の範囲に含まれる。以下、その一例を示す。
(1)図示の実施形態は、カバー50にセンサの保持部とバスバーにより構成される回路パターンの両方を設けたが、いずれか一方のみを設けても良い。
(2)カバー50内に一体化するバスバーの本数や形状は、図示のものに限定されない。バスバーの本数は、コイルの数によって適宜変更可能である。特に、本実施形態では、環状コアに装着するコイルとして、2つのコイルを1つの導体によって作製した連結コイル6a,6bを使用したため、コイル数に比較してその端部の数が少ないが、連結コイルを使用しない場合には、より多くのコイル端部が存在することになり、コイル端部同士を接続する必要があるため、それに合わせてバスバーの数やその形状も適宜変更可能である。バスバーの導体部分を樹脂成型品内にすべて埋設することが好ましいが、一部のみ埋設しても良い。また、カバーを構成する樹脂成型品内に溝を形成しておき、そこにバスバーを嵌め込むことでカバー50に保持させることもできる。
(3)コアに巻回するコイル6a,6bの形状も適宜変更可能であり、θ状のコアの左右の脚部にそれぞれコイル6a,6bを巻回するものや、θ状のコアのヨーク部分にコイル6a,6bを巻回しても良い。円形あるいは角形のループ状のコアを使用した場合には、左右の脚部のそれぞれにコイル6a,6bを巻回しても良いし、2つの脚部の一方のみにコイル6a,6bを巻回しても良い。
(4)樹脂成型品としては、内部にコアをインサート成型するものの他に、中空になった筒状あるいは箱状の樹脂成型品のみを予め作製し、その内部にコアを嵌合するものや接着剤で固定するものも使用しても良い。また、分割コアの接合後において、環状になったコアを樹脂成型品内部にインサート成型したり、組み込むこともできる。
(5)ケース2とカバー50とを固定する部材としては、ボルトなどのねじ止めに限定されず、リベットやピンの圧入、カバー50またはケース2に設けた突起を相手方の孔や凹部に圧入するなど、種々の構成を採用しても良い。コイル端部11、12とバスバーの接続も溶着に限らず、コネクタを使用したり、ボルト・ナットなどのねじ止めでも良い。バスバーと外部配線との接続も、ボルト・ナットに限定されない。コネクタや溶着によっても良い。
(6)棒状のセンサに限らず、板状のセンサやブロック状のセンサを使用することができる。センサをコイルの間に挿入することなく、カバー50の内側にコイルの表面沿って配置することもできる。センサのコネクタは本発明において不可欠なものではなく、コネクタのないセンサにも本発明を適用できる。コネクタの種類も、図示のものに限定されるものではなく、ギボシ型のコネクタや、ピンジャック型のコネクタを使用することもできる。コネクタの保持部材も、カバー50に設けたフック状の突起でコネクタ全体を挟持するものや、カバー50に形成した凹部内にコネクタの一部を嵌合させるものなど、適宜使用可能であり、その数もセンサやコネクタの数に応じて複数でも良い。
(7)コネクタ自体をカバー表面や内部に一体化しても良いし、コネクタとセンサ本体とを結ぶ引出線53によって回路パターンを構成しても良い。この場合、回路パターンとして、バスバーと引出線の両方をカバーに設けても良いし、引出線のみで回路パターンを構成しても良い。バスバーはコネクタとセンサ本体とをつなぐ細いパターンとしてもよい。すなわち、本発明のバスバーは、大電流用のものに限定されず、小電流用の可撓性の導体も含むものであり、細い単線やより線も含むものである。
(8)図示の実施形態では、ケース2にカバー50を固定して、コイル端部とバスバーの溶接後に充填材を注入したが、ケース2にリアクトル本体1を収容した状態で充填材を注入・固化してから、カバー50の固定及びバスバーとコイル端部の溶着を行うこともできる。
(9)カバー50の材質は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のように、環状コアを被覆する樹脂成型品と同一のものでも良いし、バスバーや周囲の温度で破損しない材料であれば他の樹脂を使用しても良い。カバー50を透明な樹脂から構成した場合には、内部のバスバーにより構成される回路パターンやリアクトル内部の状態を確認できる利点がある。
(10)図示の実施形態は、リアクトル本体1の収容部材としてケース2を使用したが、必ずしもリアクトル本体をケースに固定する場合にのみ限定されるものではない。リアクトル全体をカバーで覆い、設置面を設けてカバーと共に固定してもよい。また、板状あるいはブロック状の部材にリアクトル本体を固定して、全体をカバーで覆ってもよい。その場合、カバーに設けるバスバーにより構成される回路パターンはリアクトルの上面でなく、側面に設けてもよい。
1…リアクトル本体
2…ケース
3…充填材
4a,4b…U字形コア
5a,5b…T字形コア
6a,6b…コイル
7a,7b…中央突起部
8…スペーサ
10…ギャップ
11…巻き始めの端部
12…巻き終わりの端部
13a,13b…U字形コア用の樹脂成型品
14a,14b…T字形コア用の樹脂成型品
18…支持金具
50…カバー
51a,51b…センサ保持部
52…センサ
54…コネクタ
611〜613…バスバー
641〜644…第1〜第4端子台
A…第1の固定部
B…第2の固定部

Claims (10)

  1. コアと、前記コアに装着されたコイルを備えたリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体の短辺の中央部に設けられた第1の固定部と、
    前記リアクトル本体の長辺の中央部に設けられた第2の固定部と、
    前記リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバーと、
    前記カバーに設けられた導電用のバスバーと、
    前記カバーに設けられた前記バスバーにより構成される回路パターンを備え、
    前記リアクトル本体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部とによりケースに固定されたリアクトル。
  2. コアと、前記コアに装着されたコイルを備えたリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体の短辺の中央部に設けられた第1の固定部と、
    前記リアクトル本体の長辺の中央部に設けられた第2の固定部と、
    前記リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバーと、
    前記リアクトル本体に装着するセンサを保持するために、前記カバーに設けられたセン
    サ保持部を備え、
    前記リアクトル本体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部とによりケースに固定されたリアクトル。
  3. コアと、前記コアに装着されたコイルを備えたリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体の短辺の中央部に設けられた第1の固定部と、
    前記リアクトル本体の長辺の中央部に設けられた第2の固定部と、
    前記リアクトル本体の少なくとも一部を覆うカバーと、
    前記カバーに設けられた導電用のバスバーと、
    前記カバーに設けられた前記バスバーにより構成される回路パターンと、
    前記リアクトル本体に装着するセンサを保持するために、前記カバーに設けられたセン
    サ保持部を備え、
    前記リアクトル本体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部とによりケースに固定されたリアクトル。
  4. 前記リアクトル本体が、上面開口型のケースに収容され、前記カバーが前記上面開口型
    のケースの開口部を覆ったものである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリア
    クトル。
  5. 前記バスバーが、前記コイルの端部と接続されたものである請求項1または請求項3に
    記載のリアクトル。
  6. 前記バスバーが、前記コイルの端部とリアクトル外部の配線とを接続するもので、前記
    バスバーに設けられた接続部を保持するために、前記カバーに設けられた端子台を備える
    請求項1、請求項3または請求項5に記載のリアクトル。
  7. 前記カバーに、前記センサの配線の係止部と、前記センサの配線に設けられたコネクタ
    の保持部が設けられている請求項2または請求項3に記載のリアクトル。
  8. 前記バスバーが、前記コイル端部との接続部と外部配線との接続部とを備え、両接続部
    が前記カバーの表面に露出し、両接続部間のバスバーにより構成される回路パターンが前
    記カバー内に埋設されている請求項1または請求項3に記載のリアクトル。
  9. 前記コイル端部が前記カバーから露出するものであり、前記カバーから露出した前記コ
    イル端部と前記バスバーとが溶着されたものである請求項8に記載のリアクトル。
  10. 前記リアクトル本体が、上面開口型のケースに収容され、前記カバーが前記上面開口型
    のケースの開口部を覆ったものであり、前記リアクトル本体が、前記ケースに対して両者
    の線膨張差を吸収可能に可動的に固定され、前記カバーと前記ケースとは定位置で固定さ
    れ、前記カバーに設けられた前記バスバーと前記コイル端部とがリアクトル本体とケース
    との線膨張差を吸収可能に可動的に固定されている請求項8または請求項9に記載のリア
    クトル。
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