JP2013222802A - リアクトル、リアクトル用ケース、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、リアクトル用ケース、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リアクトルの物理量(温度など)を測定するセンサと外部装置との接続を安定して行えて、部品点数が少なく、小型なリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1Aは、コイル2と、磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4とを具える。ケース4は、底板部と、組合体10の周囲を囲む側壁部41とを具える。側壁部41の少なくとも一部が絶縁性樹脂により構成されている。側壁部41は、センサ7の配線71が接続されるコネクタハウジング部72を具える。コネクタハウジング部72は、上記絶縁性樹脂により側壁部41に一体に成形されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、リアクトル用ケース、このリアクトルを具えるコンバータ、このコンバータを具える電力変換装置に関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。特許文献1,2は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、例えば、一対のコイル素子を有するコイルと、コイルが配置され、閉磁路を構成する環状の磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、ケース内に充填される封止樹脂(二次樹脂部、ポッティング樹脂)とを具えるものを開示している。
通電に伴いコイルが発熱すると、この発熱によりリアクトルの損失が大きくなる。そのため、上記リアクトルは、一般に、コイルを冷却できるように冷却ベースといった設置対象に固定されて利用される。また、使用時、温度や電流などの物理量を測定するセンサをリアクトルの近傍に配置して、例えば、測定した温度や電流に応じてコイルへの電流などを制御することが検討されている。特許文献1は、電流センサを磁性コアに配置することを開示している。特許文献2は、温度センサをコイル素子間に配置することを開示している。
特許文献3は、コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースとして、コイルが載置される底板部がアルミニウムといった金属材料からなり、組合体の周囲を囲む側壁部が樹脂からなるリアクトルを開示している。底板部の内面には、コイルを接合するための接合層を設けている。このリアクトルは、放熱性、コイルとの絶縁性、及び重量物の組合体の配置作業性に優れる上に、ケースの軽量化によって軽量である。
特開2009-267360号公報 特開2010-245458号公報 特開2011-243943号公報
上記センサには、測定した情報を制御装置といった外部装置(測定器)に伝達するための配線(特許文献1参照)が取り付けられる。この配線の端部にコネクタ部を設けると共に、外部装置側の配線にもコネクタ部を設けて、両コネクタ部を接続するコネクタ接続を行うと、上記センサと上記外部装置とを簡単に接続できる。コネクタ部は、配線の端部に端子金具を取り付け、この端子金具を絶縁性樹脂から構成されるコネクタハウジングに接続することで形成することができる。しかし、従来、センサ側のコネクタ部の配置状態について十分に検討されていない。
特許文献1に記載されるようにケースの開口部の近傍に何ら固定せずにセンサ側のコネクタ部を配置すると、このコネクタ部がある程度動くため、外部装置との接続を安定して行い難い。また、センサ側のコネクタ部がある程度動くことで、リアクトルの搬送や設置の際などでこのコネクタ部が引っ張られた場合、このコネクタ部に連結される配線及びセンサまでも引っ張られて、センサを引き抜いたり、センサに過度な力が加わってセンサを損傷したりする恐れがある。コネクタ部は、配線に比較して大きいことからも、何らかに引っ掛かる恐れがある。上記物理量を適切に測定するためには、センサを所定の位置に配置した後、その配置位置を維持することが望まれる。従って、センサを引き抜いた場合には、再度、所定の位置にセンサを収納する必要があるが、工程数の増加により、生産性の低下を招く。センサを損傷した場合には、物理量を適切に測定することができず交換する必要があり、生産性の低下を招く。
例えば、粘着テープやネジなどの適宜な治具でセンサ側のコネクタ部をケースに固定することが考えられる。しかし、粘着テープなどで止めた場合でも、上述の搬送時や接続作業時などで外れる恐れがある。ネジなどの部材を用いた場合、部品点数の増加や工程数の増加を招く。
上述の事情から、接続作業時や搬送時などでもコネクタ部の配置位置を維持可能であり、部品点数が少ない構成の開発が望まれる。また、車載用途などでは、小型なリアクトルが望まれる。
そこで、本発明の目的は、リアクトルの物理量を測定するセンサと外部装置とを安定して接続可能であり、部品点数が少なく、小型なリアクトルを提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明のリアクトルを用いたコンバータ、このコンバータを用いた電力変換装置を提供することにある。
本発明は、ケースの一部を特定の材質とすると共に、センサの配線が接続されてコネクタ部を形成するコネクタハウジング部がこの特定の材質によりケースに一体に成形された構成とすることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、コイルと、上記コイルが配置される磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの組合体を収納するケースとを具える。上記ケースは、上記組合体が載置される底板部と、上記組合体の周囲を囲む側壁部とを具える。上記側壁部の少なくとも一部が絶縁性樹脂により構成されている。そして、センサの配線が接続されるコネクタハウジング部が上記側壁部を構成する絶縁性樹脂により上記側壁部に一体に成形されている。
本発明のリアクトルは、側壁部に設けられたコネクタハウジング部にセンサの配線を接続することで、センサ側のコネクタ部を形成できる。そして、センサ側のコネクタ部の位置が実質的に移動しない。従って、本発明のリアクトルは、ケースに設けられたセンサ側のコネクタ部と、外部装置側のコネクタ部とを安定して接続できる。また、本発明のリアクトルは、コネクタハウジング部やセンサ側のコネクタ部を引っ張ることに伴うセンサの位置ずれや脱落、センサの損傷が実質的に生じない。従って、本発明のリアクトルは、所定の位置に配置されたセンサによって所望の物理量を適切に測定できる。
更に、コネクタハウジング部が側壁部に一体成形されることで、本発明のリアクトルは、センサ側のコネクタ部を固定するための別部材が不要であり、部品点数の増加を招くこともない。加えて、コネクタハウジング部が絶縁性樹脂により構成されることから、射出成形などを用いることで、所望の形状及び側壁部の所望の位置に容易に一体成形可能であり、生産性にも優れる。
更に、コネクタハウジング部が側壁部に直接成形されることで、例えば、側壁部にコネクタ部を固定するための台座を具える場合に比較して、嵩を小さくできるため、本発明のリアクトルは、小型である。特に、側壁部におけるデッドスペースにコネクタハウジング部を設けた場合には、コネクタハウジング部を具えていても、リアクトルの外寸の増大を抑制でき、より小型にできる。
本発明のリアクトル用ケースは、コイルと磁性コアとの組合体を収納するものであり、上記組合体が載置される底板部と、上記組合体の周囲を囲む側壁部とを具える。上記側壁部の少なくとも一部が絶縁性樹脂により構成されている。センサの配線が接続されるコネクタハウジング部が上記絶縁性樹脂により上記側壁部に一体に成形されている。
本発明のリアクトル用ケースは、側壁部に設けられたコネクタハウジング部にセンサの配線を接続することで、センサ側のコネクタ部を形成できる。そして、センサ側のコネクタ部の位置が実質的に移動しない。従って、本発明のリアクトル用ケースに形成したセンサ側のコネクタ部と、外部装置側のコネクタ部とを安定して接続できる。また、本発明のリアクトル用ケースを具えるリアクトルは、コネクタハウジング部やセンサ側のコネクタ部を引っ張ることに伴うセンサの位置ずれや脱落、センサの損傷が実質的に生じない。従って、本発明のリアクトル用ケースを具えるリアクトルは、所定の位置に配置されたセンサによって所望の物理量を適切に測定できる。
更に、コネクタハウジング部が側壁部に一体成形されることで、本発明のリアクトル用ケースは、センサ側のコネクタ部を固定するための別部材が不要である。加えて、コネクタハウジング部が絶縁性樹脂により構成されることから、射出成形などを用いることで、所望の形状及び側壁部の所望の位置に容易に一体成形可能であり、本発明のリアクトル用ケースは、生産性にも優れる。
更に、コネクタハウジング部が側壁部に直接成形されることで、例えば、側壁部にコネクタ部を固定するための台座を具える場合に比較して、嵩を小さくできるため、本発明のリアクトル用ケースは、小型である。
本発明の一形態として、上記底板部と上記側壁部とは、独立した部材であり、固定材により一体化され、上記底板部が金属材料により構成され、上記側壁部は、その全体が上記絶縁性樹脂により構成された形態が挙げられる。
上記形態は、側壁部の全体が絶縁性樹脂により構成されていることで、コネクタハウジング部の配置位置の自由度を高められ、所望の箇所にコネクタ部を構築できる。また、上記形態は、コイルと側壁部とを絶縁できるため、両者を近接配置することによって、更なる小型化を図ることができる。更に、底板部と側壁部とが別部材であり、かつ材質も異なることから、それぞれを別個に製造できるため、上記形態は、製造形態の自由度、構成材料の選択の幅が大きい。特に、上記形態は、一般に熱伝導性に優れる金属によって底板部が構成されることで、底板部を放熱経路に利用でき、放熱性に優れる。また、上記形態は、一般に金属よりも軽い樹脂によって側壁部が構成されていることで、従来のアルミニウムケースよりも軽量なケースになり、軽量化を図ることができる。
上記センサは、リアクトルの物理量を測定するものとする。具体的なセンサとしては、例えば、コイルの温度を測定する温度センサ、コイルに流れる電流を測定する電流センサが挙げられる。温度センサとしては、感熱素子を具えるものが挙げられる。感熱素子は、例えば、サーミスタ、熱電対、焦電素子などが挙げられる。電流センサとしては、磁界に基づく物理量により電流を測定可能な素子を具えるものが挙げられる。電流を測定可能な素子としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)、磁気インピーダンス素子(MI素子)、サーチコイルなどが挙げられる。
上記センサには、センサが感知した情報を外部装置に伝達するための配線が取り付けられる。この配線の端部には、銅や銅合金などの導電性材料からなる端子金具が取り付けられる。この端子金具をコネクタハウジング部に接続することで、コネクタ部を形成できる。
本発明のリアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものであり、上記リアクトルが本発明のリアクトルである。
本発明のコンバータは、センサによる物理量の測定を安定して行える本発明のリアクトルを具えることで、物理量に応じた制御などを良好に行える。
本発明のコンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、上記コンバータが本発明のコンバータである。
本発明の電力変換装置は、センサによる物理量の測定を安定して行える本発明のリアクトルを具えることで、物理量に応じた制御などを良好に行える。
本発明のリアクトルは、センサと外部装置との接続を安定して行える上に、部品点数が少なく、小型である。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図であり、(A)は、センサを配置していない状態、(B)はセンサを配置してコネクタ部を形成した状態を示す。 実施形態1のリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の概略を示す分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに具えるインシュレータを示し、(A)は斜視図、(B)は、(A)のB-B断面図である。 別の形態のインシュレータの断面図である。 実施形態2のリアクトルの概略斜視図である。 (A)は、実施形態3のリアクトルの概略斜視図、(B)は、実施形態3のリアクトルの概略平面図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明のコンバータを具える本発明の電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
<実施形態1>
以下、図1〜図5を参照して、実施形態1のリアクトルを説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置したときの設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
<リアクトルの全体構成>
リアクトル1Aは、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4とを具える。ケース4は、底板部40(図2)と、底板部40から立設する側壁部41とを具え、底板部40と対向する側が開口した箱体である。リアクトル1Aの最も特徴とするところは、ケース4の側壁部41が絶縁性樹脂により構成されている点、及びセンサ7の配線71が接続されるコネクタハウジング部72が上記絶縁性樹脂により側壁部41に一体に成形されている点にある。以下、各構成をより詳細に説明する。
[センサ・配線・コネクタハウジング部]
ここでは、センサ7はリアクトル1Aの物理量として温度を測定する温度センサである。センサ7は、図1(A)に示すようにサーミスタといった感熱素子7aと、感熱素子7aを保護する保護部7bとを具えた棒状体が挙げられる。保護部7bは、樹脂などのチューブなどが利用できる。
センサ7には、感知した情報を制御装置といった外部装置(図示せず)に伝達するための配線71が連結されている。ここでは、図1(A)に示すように2本の配線710,711において感熱素子7a寄りの領域を樹脂などのチューブに収納して一纏めにしている。こうすることで、配線710,711を取り扱い易い上に、配線710,711に対して外部環境からの保護や機械的な保護を図ることができる。2本の配線710,711の端部は、上述のチューブといった保護材から露出させ、配線710,711に具える導体に端子金具713,715をそれぞれ取り付ける。端子金具713,715は、コネクタ接続に用いられる市販品を利用できる。端子金具713,715は、代表的には、導体を接続する接続部と、市販のコネクタハウジングに掛止可能なばね片といった掛止部(図示せず)と、接続される別のコネクタ部に具える導電部に電気的に接触する接点部とを具える形態が挙げられる。
コネクタハウジング部72は、ケース4の側壁部41に直接設けられた筒状の部材である。この筒の内部には、端子金具713,715の上記掛止部が掛止される受け部(図示せず)を具える。掛止部や受け部の形状は適宜選択することができる。
コネクタハウジング部72は、端子金具713,715が掛止されてコネクタ部を形成し、外部装置側のコネクタ部(図示せず)を電気的に接続する部分となる。コネクタハウジング部72は、いわゆるメス型コネクタ、オス型コネクタといった公知のコネクタを形成できるように成形する。ここでは、コネクタハウジング部72は、矩形筒状のメス型コネクタを形成可能な形態としている。一端側の開口部が配線71の挿入箇所、他端側(図1(A)では手前側)の開口部が外部装置側のオス型コネクタの挿入箇所としている。
[コイル]
コイル2は、図2,図3を主に参照して説明する。コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)されている。コイル2の他端側(図2,図3では右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
その他、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子の巻線の一端部同士を溶接や半田付け、圧着などにより接合されたコイルとすることができる。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料(代表的にはポリアミドイミド)からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。ここでは、導体が銅製の平角線からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。エッジワイズコイルは、丸線を用いたコイルよりも占積率を高められて小型にし易い上に、この例のように端面形状を長方形の角部を丸めた形状とすると、外周面の一部を平面にできる。そのため、底板部40に具える接合層42(後述)との接触面積を広く確保し易く、放熱性を高められる。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、導電材料からなる端子金具8が接続される(図1参照)。端子金具8を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
[磁性コア]
磁性コア3の説明は、図3を参照して行う。磁性コア3は、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2から露出される一対の外側コア部32とを有する。両コア部31,32はいずれも柱状体である。ここでは、内側コア部31は、各コイル素子2a,2bの内周形状に沿った形状(直方体の角部を丸めた形状)である。外側コア部32は、上下面が台形状である柱状体である。磁性コア3は、両コア部31,32を組み合せて環状に形成されて、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
ここでは、内側コア部31は、磁性材料からなるコア片31mと、代表的には非磁性材料からなるギャップ材31gとを交互に積層して構成された積層体である。外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。コア片は、鉄や鉄合金などの軟磁性粉末を用いた圧粉成形体、軟磁性粉末と樹脂とを含む硬化成形体、絶縁被膜を有する薄い珪素鋼板を複数積層した積層体、フェライトコアなどの焼結体が利用できる。ここでは、各コア片は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gは、インダクタンスの調整部材であり、コア片よりも透磁率が低い材料、代表的にはアルミナなどの非磁性材料により構成される。セラミックスやフェノール樹脂などの非磁性材料に鉄や鉄合金などの磁性粉末が分散した混合材料からなるギャップ材とすると、ギャップ部分の漏れ磁束を低減できる。エアギャップとすることもできる。コア片やギャップ材の個数は、リアクトル1Aが所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。コア片同士の一体化やコア片31mとギャップ材31gとの一体化には、接着剤や接着テープ、熱収縮チューブなどの絶縁性チューブなどを利用できる。なお、コイル2及び磁性コア3は、接合層42(図2)によって配置位置が固定されることから、上記接着剤などを省略した形態とすることができる。
内側コア部31と外側コア部32とが異なる材質からなる形態とすることができる。具体的には、内側コア部31を上述の圧粉成形体や積層体とし、外側コア部32を硬化成形体とすると、内側コア部31の飽和磁束密度を外側コア部32よりも高め易い。この形態は、内側コア部31を小さくし易く、小型化が図れる。又は、内側コア部31を硬化成形体とし、外側コア部32を上述の圧粉成形体や積層体とすると、外側コア部32の飽和磁束密度を内側コア部31よりも高め易い。この形態は、外側コア部32からの漏れ磁束を低減し易い。また、硬化成形体を有する形態では、樹脂を含むことで比透磁率を低減し易く、例えば、ギャップを有しない形態とすることもできる。
その他、ここでは、外側コア部32の設置側の面が、内側コア部31の設置側の面よりも突出し、かつコイル2の設置側の面と面一である。コイル2と磁性コア3との組合体10の設置側の面は、両コイル素子2a,2b及び外側コア部32で構成される。この構成によって、コイル2及び磁性コア3の双方が接合層42(図2)に接触できるため、リアクトル1Aは、放熱性及び設置状態の安定性に優れる。また、外側コア部32における突出箇所は磁路に利用できる。
[インシュレータ]
リアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3との間に介在されるインシュレータ5を更に具えており、コイル2と磁性コア3との間の絶縁性にも優れる。ここでは、インシュレータ5は、コイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片50a,50bを組み合わせて一体にされる形態である。このインシュレータ5は、内側コア部31を収納する筒状部51と、各コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される一対の枠板部52とを具える。筒状部51は、コイル素子2a,2bと内側コア部31とを絶縁する。枠板部52は、コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとを絶縁する。このインシュレータ5は、センサ7の収納部(後述)を具える。
各分割片50a,50bは、内側コア部31の軸方向に沿って、内側コア部31の各角部に配置される複数の棒状の支持部51a,51bを有する。図4(A)に示すように支持部51a,51bはそれぞれ、枠板部52に立設され、分割片50a,50bを組み合わせることで、支持部51a,51bにより筒状部51を形成する。ここでは、支持部51a,51bの両端部は、凹凸形状となっており、係合部として機能する。分割片50a,50bを組み合わせたとき互いに係合することで両分割片50a,50bを容易に位置決めでき、組立作業性に優れる。また、センサ7の収納部も適切に形成できるため、センサ7を所定の位置に適切に配置できる。係合部の形状は適宜選択することができる。
なお、この例では、内側コア部31の一部(主として角部)のみが筒状部51に覆われ、他部が露出されるように支持部51a,51bを構成している。そのため、封止樹脂(後述)を具える形態では、内側コア部31と封止樹脂との接触面積を増大できる上に、封止樹脂の充填時に脱気し易く、製造性に優れる。
また、ここでは、各分割片50a,50bはそれぞれ、四本ずつ支持部51a,51bを具えるが、内側コア部31とコイル素子2a,2bとの間を絶縁できれば、3本以下(例えば、多角線上に配置される2本のみ)としてもよい。その他、筒状部は、例えば、コイル素子の2a,2bの軸方向と直交方向に分割された断面]状の部材が各枠板部にそれぞれ一体に形成され、両分割片を組み合わせて筒状となる形態とすることができる。
各枠板部52はそれぞれ、2個の内側コア部31がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部分である。
各枠板部52はそれぞれ、支持部51a,51bに加えて仕切り部53a,53bも具える。仕切り部53a,53bは、両分割片50a,50bをコイル2に組み付けたとき、両コイル素子2a,2b間に介在されるように配置され、枠板部52からコイル側に向かって突設されている。この仕切り部53a,53bにより、両コイル素子2a,2bは互いに接触せず、両コイル素子2a,2bを確実に絶縁できる。また、ここでは、両分割片50a,50bを組み合わせたとき、両分割片50a,50bの仕切り部53a,53bの対向箇所に接触箇所と非接触箇所とが設けられる構成としてる。この非接触箇所に形成される空間をセンサ7の収納部として利用する。
一方の分割片50aに設けられた仕切り部53aは、図4(B)に示すように台形状板である。この仕切り部53aは、図4(B)において上下方向(コイル2にインシュレータ5を組み付けたとき、コイル素子の軸方向及び横並び方向の双方に直交する方向)の中央部から、上方に向かって傾斜した端面:収納形成部54aと、傾斜した端面に連続し、上下方向に平行な直線的な端面(以下、直線端面と呼ぶ)とを具える。
他方の分割片50bに設けられた仕切り部53bは、図4(B)に示すようにL字状板である。この仕切り部53bは、両分割片50a,50bを組み合わせたときに一方の分割片50aの直線端面と対向する直線端面と、収納形成部54aに沿って傾斜した端面:収納形成部54bとを具える。両収納形成部54a,54bは、両分割片50a,50bを組み合わせたとき、上述の傾斜した端面間に所定の間隔をあけて配置されるように設けられている。両収納形成部54a,54bによって斜めの空間(上下方向に対して、上記傾斜した端面の傾斜角に応じた角度を有する空間=上述の非接触箇所)が構成される。両収納形成部54a,54bにより構成される空間をセンサ7の収納部とする(図4(B))。
上記収納部にセンサ7を収納すると、センサ7は、コイルの軸方向に対して、収納形成部54a,54bの傾斜に応じた傾きを持って斜めに収納される。また、他方の分割片50bの収納形成部54bにより、センサ7は、一方の分割片50aの収納形成部54a側に押さえられた状態になる。ここでは、センサ7の長さの半分以上を保持できるように、収納形成部54bのL字の突出長さを調整している。また、ここでは、両コイル素子2a,2b間において、コイル2の軸方向の中心及びその近傍にセンサ7(感熱素子7a)が配置されるように収納形成部54a,54bを構成している。
インシュレータ5に一体成形された仕切り部53a,53bによりセンサ7の収納部を構成することで、収納部を具えることによる部品点数の増加を招くこともなく、センサ7を保持できて、センサ7の位置ずれを防止し易い。また、両コイル素子2a,2b間に仕切り部53a,53bが配置されることから、センサ7も両コイル素子2a,2b間に配置される。ここで、センサ7が温度センサである場合、高温になり易いコイル素子2a,2b間に温度センサを配置できることから、この形態は、コイル2の温度を適切に測定することができる。
仕切り部53a,53bの大きさは、適宜選択することができる。ここでは、仕切り部53a,53bは、コイル素子2a,2bの軸方向のほぼ全域、かつ上下方向の一部のみに配置される構成(図4(B)では、下方側の領域に仕切り部が存在しない構成)としている。例えば、図5に示すように両コイル素子間の上下方向の略全域に仕切り部が存在するように、仕切り部53a,53bを形成することができる。
仕切り部53a,53bの形状も、適宜選択することができる。例えば、図5に示すように、センサ7がコイルの軸方向及びコイル素子の横並び方向の双方に直交するように(ここでは、上下方向に沿って)配置される収納部が構成される形状が挙げられる。この形態は、センサ7の収納を行い易い。
図5に示すインシュレータ5は、一方の分割片50aの仕切り部53aをL字状とし、L字に配される二端面を収納形成部54aとし、他方の分割片50bの仕切り部53bを矩形板状とし、その端面を収納形成部54bとしている。両分割片50a,50bを組み合わせると、収納形成部54a,54bによって上下方向に延びる断面矩形状の空間が設けられる。この空間をセンサ7の収納部にすることができる。このインシュレータ5では、一方の分割片50aの収納形成部54aをつくる一端面(図5では上向きの端面)をセンサ7の当て止めとして利用できる。この一端面の位置を調整することで、センサ7の上下方向の位置を容易に調整できる。
更に、図4に示すインシュレータ5は、他方の分割片50bにセンサ7の配線71を掛止する配線掛止部55を具える。配線掛止部55は、適宜な形状とすることができる。ここでは、配線掛止部55は、仕切り部53bに対して直交方向に突出した帯状片としている。また、ここでは、上述の傾斜した収納部にセンサ7を収納し、センサ7の根元側から配線71をヘアピン状に折り返し、この折り返した配線71を配線掛止部55により支持できるように、配線掛止部55を設けている。このようにセンサ7の挿入方向から配線71を折り返した状態に掛止することで、センサ7が抜ける方向に配線71が引っ張られても、仕切り部53bが押さえとなって、センサ7が収納部から抜け難い。
別の配線掛止部として、例えば、棒体、貫通孔、切欠や複数の突起が挙げられる。棒体に配線71を巻回することで、又は切欠や複数の突起間に配線71を挟み込むことで配線71を掛止できる。複数の突起は、所望の間隔をあけて一直線状、又は千鳥状に並べて、これらの突起の間隔を調整することで、配線71を挟持できる。貫通孔に配線71を挿通することで、配線71の移動をある程度規制できる。配線掛止部55は、仕切り部53b以外にも、仕切り部53aや枠板部52に設けることができる。また、配線掛止部55の配置位置は、適宜選択することができる。複数の配線掛止部55を具えるインシュレータとしてもよい。本例では、ケース4にも配線掛止部43(後述。図1,図2)を具えることから、配線掛止部55を具えていないインシュレータとしてもよい。
その他、他方の分割片50bは、コイル連結部2r(図3)が載置され、コイル連結部2rと外側コア部32(図3)との間を絶縁するための台座52pも具える。
インシュレータ5の構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。インシュレータ5の成形には、射出成形などが利用できる。射出成形を利用すると、配線掛止部55を具えるような複雑な形状であっても容易に成形できる。
[ケース]
ケース4の説明は、図2を参照して行う。ケース4の基本的構成は、特許文献3に記載されるケースと同様である。詳しくは、ケース4は、コイル2と磁性コア3との組合体10が載置される平板状の底板部40と、底板部40に立設される枠状の側壁部41とが一体に成形されておらず、それぞれ独立した部材である。底板部40と側壁部41とは、接着剤やボルトなどの締結部材といった固定材により一体化される。また、底板部40は、その一面(内面)に接合層42を具え、この接合層42によってコイル2を底板部40に固定する。側壁部41は、絶縁性樹脂で構成されている。ここでは、センサ7の配線71が接続されるコネクタハウジング部72に加えて、配線71を掛止する配線掛止部43も、上記絶縁性樹脂により側壁部41に一体に成形されている。
(底板部)
底板部40は、金属材料によって構成された板材であり、リアクトル1Aが設置対象に設置されるときに設置対象に接して固定される。金属材料は、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。アルミニウムやマグネシウム、これらの合金は、軽量なケースにできる。金属製の底板部40では、コイル2の配置領域にアルマイト処理などの陽極酸化処理を施して、極薄い絶縁被膜(厚さ:1μm〜10μm程度)を具えた形態とすると、コイル2との間の絶縁性を高められる。
底板部40の外形は適宜選択することができる。ここでは、底板部40は、矩形状とし、四隅のそれぞれから突出した取付部400を有する。側壁部41も取付部411を有しており、底板部40と側壁部41とを組み合わせてケース4を形成した場合、取付部400と側壁部41の取付部411とが重なる。取付部400,411にはそれぞれ、設置対象にケース4を固定するボルト(図示せず)が挿通されるボルト孔400h,411hが連通するように設けられている。取付部の形状、個数などは適宜選択することができる。側壁部41が取付部を具えておらず、底板部40のみが取付部400を具える形態や、側壁部41のみが取付部411を有し、底板部40が取付部を有しない形態とすることができる。
なお、ここでは、底板部40が下方となる設置状態を示すが、底板部40が上方、又は側方となる設置状態も有り得る。
(側壁部)
側壁部41は、枠状体(ここでは矩形状)である。側壁部41の一方の開口部を底板部40により塞いでケース4を組み立てたとき、側壁部41は、組合体10の周囲を囲むように配置され、他方の開口部が開放される。
ここでは、側壁部41の開口側の領域に、各外側コア部32の台形状の上面を覆うように庇部410を具える。一方の庇部(図2において左側)は、端子金具8が端子固定部材9によって固定されて端子台として利用される。他方の庇部410(図2において右側)にコネクタハウジング部72及び配線掛止部43が設けられている。従って、ケース4に収納された組合体10は、図1に示すようにコイル2が露出され、磁性コア3は実質的にケース4の構成材料に覆われる。庇部410を具えることで、(1)耐振動性の向上、(2)ケース4(側壁部41)の剛性の向上、(3)磁性コア3(外側コア部32)の外部環境からの保護や機械的保護、(4)組合体10の脱落防止、といった種々の効果が得られる。また、ここでは、庇部410をコネクタハウジング部72及び配線掛止部43の形成箇所として利用できる。庇部410を省略して、コイル2と、一方又は両方の外側コア部32の台形状の上面の少なくとも一部とが露出される形態とすることができる。
側壁部41の少なくとも一部は、樹脂、特に絶縁性樹脂から構成される。具体的な樹脂としては、PBT樹脂、ウレタン樹脂、PPS樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。側壁部41が絶縁性樹脂で構成されることでコイル2の外周面と側壁部41の内周面とを近接させても、絶縁性に優れる。ここでは、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔は、0mm〜1.0mm程度であり、非常に狭い。また、側壁部41の全体を樹脂製とすることで、側壁部41の一部が異なる材料からなる場合と比較して、製造が容易である上に、軽量にできる。更に、側壁部41の構成材料をセラミックスフィラーを含有する樹脂とすると、放熱性及び絶縁性を高められる。
ここでは、底板部40をアルミニウム合金により構成し、側壁部41をPBT樹脂により構成しており、底板部40の熱伝導率が側壁部41の熱伝導率よりも十分に高い。
コネクタハウジング部72は、筒状体(ここでは角筒状)であり、その軸方向がコイル素子2a,2bの横並び方向に平行するように庇部410に設けられている。つまり、配線71の端部が接続される側の開口部、及び外部装置側のコネクタ部が接続される側の開口部のいずれも、その近傍の空間が開放されており、接続作業を行い易い。コネクタハウジング部72の配置位置や配置方向は適宜選択でき(後述する実施形態2など参照)、図2は一例である。側壁部41が樹脂製であるため、コネクタハウジング部72の配置位置の自由度が高く、上述のような接続作業が行い易い箇所にコネクタハウジング部72を設けることができる。
ここでは、一方の庇部410は、一方の外側コア部32を覆う箇所と、コイル連結部2rを覆う箇所とが段差形状となっている。コネクタハウジング部72は、この庇部410において低い方の段(ここでは外側コア部32を覆う箇所)に設けられている。このため、リアクトル1Aは、コネクタハウジング部72を有していても、嵩が小さく小型である。
配線掛止部43は、形状、個数、配置位置を適宜選択することができる。ここでは、一方の庇部410において高い方の段(ここではコイル連結部2rを覆う箇所)にL字状の溝を有しており、この溝を配線掛止部43としている。この溝の大きさは、配線71(図1)の太さに応じた幅や深さとしている。この溝に配線71を嵌め込むことで、配線71の一部(溝の長さに応じた長さ及び溝の深さに応じた領域)を保持できる。また、配線71を溝の向きに応じた方向に配置できるため、この溝によって配線71をある程度位置決めできる。この溝の形状や長さ、深さは適宜選択することができる。例えば、後述する図6に示すような直線状、その他、波型や弓形などの曲線状の溝とすることができる。
ここでは、配線掛止部43を構成する溝は、コネクタハウジング部72(センサ側のコネクタ部)と外部装置側のコネクタ部との接続にあたり、配線71が邪魔にならないように設けている。具体的には、図1(B)に示すように、コネクタハウジング部72における外部装置側のコネクタ部が接続される開口部近傍に配線71が取り回されないように、上記溝をL字状に設けている。このL字状の溝に配線71を嵌め込むことで、配線71においてコネクタハウジング部72との接続側がU字状に屈曲され、配線71の中間部がコイル2の軸方向に沿って配置される。そのため、コイル素子2a,2b間から引き出された配線71は、庇部410の上方空間に配置されるものの、上記開口部を横切ることがない。
その他、例えば、配線掛止部43は、C字状片やL字状片、インシュレータ5の配線掛止部55の項で述べたように、棒体や貫通孔、複数の突起、これらの組み合わせなどとすることができる。また、C字状片やL字状片などに更に突起を設けることもできる(後述する実施形態3(図7)参照)。
配線掛止部43の形成位置は、ケース4の開口部をつくる周縁(ここでは庇部410の周縁やコイル2の軸に平行な周縁)の任意の位置に設けることができる。この周縁からコイル2の上方空間に突出するように、又はケース4の外方やケース4の上方空間に突出するように配線掛止部を設けることができる。前者の場合、配線がケースから突出せず、リアクトルを小型にできる。後者の場合、配線の掛止作業が行い易い。
配線掛止部43は、一つでも複数でもよい。複数の配線掛止部を具える場合、複数の異なるセンサの配線を掛止する形態や、一つのセンサの配線を複数の配線掛止部によって掛止する形態とすることができる。
他方(図2において左側)の庇部410は、ここでは、L字状の端子金具8が固定される凹溝(図示せず)を具える。凹溝に嵌め込まれた端子金具8は、その上方を端子固定部材9により覆われ、端子固定部材9をボルト91により締め付けることで、端子台が構成される。端子固定部材9の構成材料には、側壁部41と同様の絶縁性樹脂を好適に利用できる。
なお、側壁部41を絶縁性樹脂で構成することから、端子固定部材9及びボルト91の使用に代えて、端子金具8をインサート成形することにより、側壁部、端子金具8、端子台を一体とした形態とすることができる。この形態は、部品点数及び組立工程数が少なく、リアクトルの生産性に優れる。
(連結方法)
ここでは、底板部40及び側壁部41は、それぞれにボルト孔(図示せず)を設け、このボルト孔にボルト(図示せず)をねじ込むことで一体化している。
(接合層)
底板部40は、ケース4を組み立てたとき、内側に配置される一面において、少なくともコイル2の設置側の面が接触する箇所に接合層42を具える。
接合層42は、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤といった絶縁性接着剤によって構成すると、コイル2と金属製の底板部40との間の絶縁性を高められる。接合層42の形成には、スクリーン印刷やシート状接着剤を用いることが挙げられる。
接合層42の厚さは、2mm未満、更に1mm以下、特に0.5mm以下が挙げられる。接合層42の構成材料の熱伝導率が、2W/m・K超である場合、接合層42の厚さが1mm以上であっても、放熱性に優れる。1W/m・K以下と低い場合、接合層42の厚さが0.5mm以下と薄いと、放熱性に優れる。ここでの接合層42の厚さとは、形成直後の厚さである。組合体10を載置した後では、接合層42の厚さが薄くなる(例えば、0.1mm程度となる)場合がある。
接合層42は、少なくともコイル2の設置側の面が十分に接触可能な面積を有していれば、特に形状は問わない。ここでは、接合層42は、図2に示すように、組合体10の設置側の面、つまり、コイル2及び外側コア部32の双方の設置側の面がつくる形状に沿った形状としている。従って、コイル2及び外側コア部32の双方が接合層42に十分に接触でき、放熱性を高められる。
接合層42は、コイル2の設置側の面が接する表面側を絶縁性材料からなる接着層とし、底板部40に接する側に熱伝導性に優れる材料からなる放熱層を具える多層構造とすると、絶縁性及び放熱性の双方に優れる。ここでは、接合層42は、エポキシ系接着剤からなる接着層と、アルミナフィラーを含有するエポキシ系接着剤(熱伝導率:3W/m・K以上)からなる放熱層とを具える多層構造である(合計厚さ:0.5mm)。
[その他のケース収納部材]
温度センサの他、電流センサなどの複数種の物理量測定センサをケース4に収納することができる。複数のセンサを具える場合、複数のコネクタハウジング部や複数の配線掛止部を具える側壁部41とすることができる。
[封止樹脂]
ケース4内に絶縁性樹脂からなる封止樹脂(図示せず)を充填した形態とすることができる。この形態では、巻線2wの端部を封止樹脂から露出させると、巻線2wの端部と端子金具8の接合部81とを接合し易い。接合には、溶接や半田、圧着などが利用できる。巻線2wと端子金具8との接合箇所を埋設するように封止樹脂を充填すると、上記接合箇所を電気的、機械的に保護できる。上記封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂に絶縁性及び熱伝導性に優れるセラミックスフィラーを含有したものを封止樹脂に利用することができる。
封止樹脂を具える形態では、底板部40と側壁部41との間にパッキン6を具えると、底板部40と側壁部41との隙間から未硬化の樹脂が漏れることを防止できる。底板部40と側壁部41とを接着剤により一体化する場合、この接着剤によって両者間を密閉して封止樹脂の漏洩を防止できることから、パッキン6を省略することができる。
〈リアクトルの製造〉
リアクトル1Aは、基本的には、特許文献3に記載される工程により製造できる。具体的な工程は、組合体10の準備,側壁部41の準備,底板部40の準備⇒コイル2の固定⇒側壁部41の配置⇒ケース4の組立、である。更に、コネクタハウジング部72への配線71の接続(コネクタ部の形成)・センサ7の配置・配線71の掛止、その他、端子金具8と巻線2wとの接合、封止樹脂の充填を行うことができる。
ケース4の組み立てまでの工程の概略を述べる。図3に示すように内側コア部31及びインシュレータ5とコイル2とを組み付け、更に外側コア部32を組み付けて、組合体10を形成する。内側コア部31の端面31eは、枠板部52の開口部から露出されて、外側コア部32の内端面32eに接触する。両コイル素子2a,2b間には、インシュレータ5の仕切り部53a,53bが介在される。また、仕切り部53a,53bの収納形成部54a,54b(図4)により、センサ7(図4)の収納部となる空間が形成される。
底板部40の一面に設けられた所定の形状の接合層42の上に、組み立てた組合体10を載置し、その後、接合層42を適宜硬化して組合体10を底板部40に固定する。この作業は、側壁部41を取り外した状態で行えるため、接合層42の形成や組合体10の配置が行い易く、作業性に優れる。
組合体10の外周面を囲むように組合体10の上方から側壁部41を被せて底板部40の上に配置する。別途用意したボルト(図示せず)により、底板部40と側壁部41とを一体化する。この結果、箱状のケース4が組み立てられると共に、ケース4内に組合体10が収納された状態とすることができる。この工程により、図1(A)に示すように、コネクタハウジング部72が一体成形された側壁部41を具えるケース4を有し、センサ7を具えていないリアクトル1Aが形成される。
[コネクタ部の形成・センサの配置・配線の掛止]
端子金具8と巻線2wとの接合、コネクタ部の形成、センサ7の配置、配線71の掛止は、いずれを先に行ってもよい。但し、コネクタ部を形成した後、センサ7の収納や配線71を掛止する方がセンサ7の位置がずれ難く、センサ7を所定の位置に配置した状態を維持し易い。そこで、まず、センサ7に連結される配線71の端部をケース4のコネクタハウジング部72に接続する。配線710,711の端部には、端子金具713,715を取り付けておく。
次に、インシュレータ5の両分割片50a,50b(図4(B))の収納形成部54a,54b(図4(B))がつくる収納部にセンサ7を挿入配置する。このとき、分割片50bの仕切り部53bの端面を当て止めとしてセンサ7を差し入れることで、センサ7を所定の位置に容易に、かつ精度よく配置できる。
そして、センサ7に連結される配線71をインシュレータ5の配線掛止部55及びケース4の側壁部41の配線掛止部43に掛止する。上記工程により、センサ7を有し、封止樹脂を有しないリアクトル1Aが形成される。なお、配線71を掛止部55,43に掛止しながら、センサ7を収納してもよい。
[封止樹脂の充填]
ケース4内に封止樹脂(図示せず)を充填して硬化することで、封止樹脂を具えるリアクトルを形成することができる。この形態では、センサ7や配線71も封止樹脂で固定できる。配線71は上述のようにコネクタハウジング部72、配線掛止部55,43,44によって固定されているため、樹脂の充填の際に配線71が邪魔にならない。
〈用途〉
上記構成を具えるリアクトル1Aは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
〈効果〉
リアクトル1Aは、上述の効果(安定した接続、部品点数の低減、小型化)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(1) コネクタハウジング部72に加えて、ケース4の側壁部41に配線掛止部43を具えることで、配線71の移動を規制でき、配線71の引き回しによるセンサ7の位置ずれや脱落、損傷などを効果的に防止できる。
(2) インシュレータ5にも配線掛止部55を具えることで、複数の配線掛止部43,55により配線71を掛止して、配線71の移動を規制できることからも、センサ7の位置ずれや脱落をより効果的に防止できる。
(3) インシュレータ5にセンサ7の収納部を具えることで、センサ7を所定の位置に容易に位置決めできる。
これらの点から、リアクトル1Aは、センサ7を所定の位置に適切に配置でき、更に、その配置位置を長期に亘り維持できる。そのため、リアクトル1Aは、センサ7からの情報を、センサ7側のコネクタ部を介して外部装置により取得して、所望の物理量(ここではコイル2の温度)を適切に測定できる。リアクトル1Aは、測定した物理量に基づき、フィードバック制御などを良好に行える。
(4) ケース4の側壁部41やインシュレータ5自体に配線掛止部43,55が一体成形されていることで、配線掛止部が別部材である場合と比較して部品点数が少ない上に、いずれも樹脂の射出成形などにより容易に成形可能であり、生産性に優れる。
(5) ケース4を具えることから、組合体10に対して外部環境からの保護及び機械的保護を図ることができる。
(6) 側壁部41が絶縁性樹脂により構成されているため、ケース全体が金属材料で構成された場合に比較して軽量である上に、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔を小さくして、小型にできる。
(7) 底板部40が金属製であり、かつ接合層42によってコイル2が底板部40に強固に固定されることで、底板部40及び放熱層を介して、冷却ベースといった設置対象にコイル2の熱を効率よく伝えられて、放熱性に優れる。
(8) 接合層42が薄いことで、コイル2と底板部40との間隔を狭められるため、小型である上に、放熱性に優れる。
<変形例1>
上述した実施形態1では、インシュレータ5がコイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片50a,50bにより構成される形態を説明した。その他、特許文献3に記載されるように、枠板部と筒状部とが別部材であるインシュレータとすることができる。この場合、枠板部のそれぞれに実施形態1のように仕切り部53a,53bを設けると、センサの収納部や配線掛止部を有することができる上に、両コイル素子間を絶縁できる。
<実施形態2,3>
以下、図6,図7を参照して、実施形態2,3のリアクトル1B,1Cを説明する。リアクトル1B,1Cの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様であり、コネクタハウジング部72に関連する構成に相違点がある。以下、この相違点のみを説明し、実施形態1に重複する構成及び効果は、詳細な説明を省略する。
図6に示す実施形態2のリアクトル1Bは、コネクタハウジング部72の配置位置と、配線掛止部43の形状及び配置位置とが実施形態1のリアクトル1Aと異なる。側壁部41は、上述のように樹脂で構成されることから、コネクタハウジング部72の配置位置や配線掛止部43の形状・配置位置・個数を容易に変更できる。
リアクトル1Bは、コネクタハウジング部72及び配線掛止部43の双方を側壁部41の庇部410上ではなく、側壁部41の外周面に設けている。より具体的には、コネクタハウジング部72は、側壁部41の外周面において、設置側(図6では下方側)の領域であって、段差形状となった箇所(ここでは上の段)に設けられている。配線掛止部43は、側壁部41の外周面において、コイル2の端面と外側コア部32とがつくる段差部分を覆う箇所に設けられている。いずれの形成箇所も、いわゆるデッドスペースである。
そして、リアクトル1Bでは、センサの配線71は、インシュレータの分割片50bに設けられた配線掛止部55に掛止されずに端子台側に配置されている。更に、配線71の一部が配線掛止部43を構成する直線状の溝に保持され、配線掛止部43から出た他部が水平方向(図6では左右方向)に屈曲され、端部がコネクタハウジング部72に接続される。従って、配線71の少なくとも一部もデッドスペースに配置されている。
リアクトル1Bは、上述のようにデッドスペースを有効利用していることから、更なる小型化を図ることができる。また、コネクタハウジング部72の開口部の近傍空間が開放されており、リアクトル1Bは、センサ側のコネクタ部と外部装置側のコネクタ部との接続作業も容易に行え、作業性に優れる。
図7に示す実施形態3のリアクトル1Cは、コネクタハウジング部72が設けられた庇部410Cが、実施形態1のリアクトル1Aに具える庇部410よりも小さく、リアクトル1Cに具える側壁部41の開口部が大きい点、及び配線掛止部43Cの形状が実施形態1とは異なる。リアクトル1Cでは、一方の庇部410Cは、一方の外側コア部32における台形状の上面の一部のみを覆い、かつ、コネクタハウジング部72のみが形成可能な程度の面積を有し、L字状の溝を有していない。そのため、リアクトル1Cでは、図7に示すように、コイル2と磁性コア3との組合体10のうち、両コイル素子2a,2b、コイル連結部2r、及び一方の外側コア部32の台形状の上面の他部が側壁部41の開口部から露出されている。
庇部410Cは、実施形態1のリアクトル1Aに具える庇部410において配線掛止部43が設けられた箇所(上の段)を構成していた板部分を取り外した形態である。庇部410Cは、外側コア部32における台形状の上面の一部を覆う平面箇所と、この平面箇所に対して図7(A)に示すように上方に向かって立設している壁部413とを具える。配線掛止部43Cは、壁部413の内面からコイル2側に向かって突出するL字状部431と、L字状部431の一面から突出する突起432(図7(B))と、壁部413の内面からコイル2側に向かって突出する二つの突起433と、壁部413の端面(図7(A)では、上面)から立設された棒状体435とを具える。L字状部431における壁部413との連結面と突起432,433との間には、配線71を嵌め込める隙間を有する。
リアクトル1Cでは、例えば、コネクタ部の形成、配線71の掛止、センサの配置は、以下のように行う。図7(B)に示すように、コネクタハウジング部72に配線71の端部を接続した後、コネクタハウジング部72から延びる配線71を棒状体435に掛止して棒状体435に沿って折り曲げる。更に、配線71の一部をL字状部431における連結面と突起432,433との間の隙間に嵌め込む。この隙間に嵌め込まれた配線71は、突起432,433に押さえられ、浮き上がりを防止できる。更に、残りの配線71を、コイル連結部2rを跨ぐようにして、コイル連結部2r側から巻線2wの端部側に向かって配置し、巻線2wの端部側で下方に向かって適宜な角度で折り曲げる。そして、コイル素子2a,2b間に形成されているセンサの収納部に、センサ(図示せず)を配置する。なお、配線71の途中をインシュレータの配線掛止部55に掛止してもよい。
実施形態3のリアクトル1Cは、組合体10を収納するケース4の開口部が、実施形態1のリアクトル1Aと比較して大きいことで(庇部410Cが小さいことで)、例えば、封止樹脂を具える形態とする場合、封止樹脂を充填し易く、作業性に優れる。
なお、実施形態2,3のリアクトル1B,1Cも、コネクタハウジング部72に配線71を接続してから、センサを収納したり、配線71を配線掛止部43,43Cに掛止したりすると、センサがずれ難い。
<変形例2>
上記実施形態1〜3では、センサ7がコイル2の軸方向に対して斜め(鋭角又は鈍角)、又は直交して配置される構成を説明した。その他、センサ7は、コイルの軸方向に沿って配置される形態とすることができる。この形態では、例えば、インシュレータ5の仕切り部53a,53bを矩形板状としたり、仕切り部53a,53bを省略するなどして、コイル素子2a,2b間にセンサ7を配置可能な空間を形成する。この形態は、センサ7を所定の位置に容易に配置でき、作業性に優れる。この形態も、コネクタハウジング部72や配線掛止部によって配線71を固定できるため、センサ7の配置位置を維持し易い。なお、この形態は、センサ7がコイル2に近接配置されることから、センサ7が特に温度センサである場合に好適に利用することができる。
<実施形態4>
実施形態1〜3や変形例1,2のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図8に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図8では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図9に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜3や変形例1,2のリアクトルを具える。温度センサなどのセンサ7(図1)に繋がる配線71(図1)が接続されるコネクタハウジング部72(図1)を具えるリアクトル1Aなどを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も、センサ7と外部装置とを安定して容易に接続でき、所望の物理量を安定して測定できる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜3や変形例1,2のリアクトルなどと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜3や変形例1,2のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1A,1B,1C リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部 2w 巻線
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面 31m コア片 31g ギャップ材
32 外側コア部 32e 内端面
4 ケース 40 底板部 41 側壁部 42 接合層 43,43C 配線掛止部
431 L字状部 432,433 突起 435 棒状体
400,411 取付部 400h,411h ボルト孔 410,410C 庇部 413 壁部
5 インシュレータ 50a,50b 分割片 51 筒状部 51a,51b 支持部
52 枠板部 52p 台座 53a,53b 仕切り部 54a,54b 収納形成部
55 配線掛止部 6 パッキン
7 センサ 7a 感熱素子 7b 保護部 71,710,711 配線
72 コネクタハウジング部 713,715 端子金具
8 端子金具 81 接合部 9 端子固定部材 91 ボルト
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪

Claims (5)

  1. コイルと、前記コイルが配置される磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を収納するケースとを具えるリアクトルであって、
    前記ケースは、前記組合体が載置される底板部と、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを具え、
    前記側壁部の少なくとも一部が絶縁性樹脂により構成されており、
    センサの配線が接続されるコネクタハウジング部が前記絶縁性樹脂により前記側壁部に一体に成形されていることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記底板部と前記側壁部とは、独立した部材であり、固定材により一体化され、
    前記底板部は、金属材料により構成され、
    前記側壁部は、その全体が前記絶縁性樹脂により構成されている請求項1に記載のリアクトル。
  3. コイルと磁性コアとの組合体を収納するリアクトル用ケースであって、
    前記組合体が載置される底板部と、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを具え、
    前記側壁部の少なくとも一部が絶縁性樹脂により構成されており、
    センサの配線が接続されるコネクタハウジング部が前記絶縁性樹脂により前記側壁部に一体に成形されていることを特徴とするリアクトル用ケース。
  4. スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
    前記リアクトルは、請求項1又は2に記載のリアクトルであることを特徴とするコンバータ。
  5. 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
    前記コンバータは、請求項4に記載のコンバータであることを特徴とする電力変換装置。
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