JP2013179184A - リアクトル、コンバータ、および電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、および電力変換装置 Download PDF

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【課題】従来よりも生産性に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】コイル成形体4と、一対のコア成形体5,5と、放熱板6と、を備えるリアクトル1である。コイル成形体4は、コイル2と、コイルモールド部4Mと、を有する。コイルモールド部4Mは、コイル2の外周面のうち、少なくともリアクトル1の外方に向いた部分を覆う。一方、コア成形体5は、外側コア部と、その外側コア部を保護するコアモールド部5Mとを有する。コアモールド部5Mは、外側コア部の外周面のうち、少なくともリアクトル1の外方に向いた部分を覆う。また、放熱板6は非磁性金属で形成され、かつ一面側が組合体10(コイル成形体4+一対のコア成形体5+一対の内側コア部)を搭載する搭載面、他面側がリアクトル1を設置する設置対象への取付面となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、このリアクトルを用いたコンバータ、およびこのコンバータを用いた電力変換装置に関する。特に、本発明は、構造が簡素で、生産性に優れるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。リアクトルは、ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータに利用される。そのリアクトルとして、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1のリアクトルは、一対のコイル素子を有するコイルと、このコイルが配置される磁性コアとを有する組合体と、この組合体を収納するケースとを備える。ケースは、冷却ベースといった設置対象に固定される設置面部(放熱板)と、組合体の周囲を囲む側壁部と、設置面部と組合体との間に介在される放熱層とを備える。設置面部はアルミニウムなどの熱伝導率に優れる金属で構成され、放熱層は絶縁性樹脂からなる接着剤で構成されている。このリアクトルは、放熱層を介して設置面部に組合体を固定することでコイルや磁性コアで発生した熱を設置対象に伝達している。さらに、特許文献1のリアクトルでは、ケース内に封止樹脂を充填し、コイルや磁性コアで発生した熱を、封止樹脂を介してケースに伝達させることでリアクトルの放熱性を高める試みがなされている。
特開2011−9791号公報
近年、ハイブリッド自動車などの需要の拡大に伴い、車載用のリアクトルの需要も拡大している。しかし、特許文献1のリアクトルの生産性が芳しくなく、リアクトルの増産に限界があった。
特許文献1のリアクトルの生産性が芳しくないのは、主としてリアクトルを構成する部品点数が多いことが原因である。特に、上記特許文献1のリアクトルでは、放熱板と側壁部の二部材からケースを構成しており、ケースの組立工数の多さがリアクトルの生産性を低下させてしまう要因である。また、特許文献1のリアクトルでは、組合体を構成するコイルやコアで発生した熱をケースに効率良く伝達させるために、組合体を封止樹脂でケースに封止することもあり、そのこともリアクトルの生産性が芳しくない要因の一つである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、従来よりも生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明リアクトルを用いたコンバータ、およびそのコンバータを用いた電力変換装置を提供することにある。
本発明者は、特許文献1のリアクトルからケースを省略する構成として、コイルと磁性コアの組合体を放熱板上に載置する構成を検討した。しかし、その場合、組合体がリアクトルの外部環境に対して剥き出しとなるため、組合体を適切な方法で保護する必要がある。これら検討に基づいて、本発明者は、本発明リアクトルを完成させた。その本発明リアクトルを以下に規定する。
本発明リアクトルは、並列した状態で連結される一対のコイル素子を有するコイルと、コイル素子の内部に挿通される環状の磁性コアとを備え、磁性コアが、コイル素子の内部に配置される内側コア部、およびコイル素子から露出され、内側コア部と閉磁路を形成する外側コア部を有する。この本発明リアクトルは、コイル成形体と、コア成形体と、放熱板と、を備えることを特徴とする。
上記本発明リアクトルにおける放熱板は、非磁性金属で形成され、かつ一面側が組合体(コイル成形体+コア成形体+内側コア部)を搭載する搭載面、他面側がリアクトルを設置する設置対象への取付面となる板材である。つまり、放熱板は、特許文献1に記載されるリアクトルのケースの代わりにリアクトルで発生した熱をリアクトル外に放熱させるための部材である。
上記本発明リアクトルにおけるコイル成形体は、コイルと、そのコイルを保護するコイルモールド部とを有する。コイルモールド部は、コイルの外周面のうち、少なくともリアクトルの外方に向いた部分を覆う。逆に言えば、コイルの外周面のうち、リアクトルの外方に向いていない部分は、コイルモールド部で覆われていても良いし、覆われていなくても良い。ここで、リアクトルの外方に向いていない部分とは即ち、リアクトルを構成する部材(コイル成形体自身を除く)に対向する部分のことであり、具体的には次の三つの部分のことである。
[1]放熱板に対向する部分
[2]外側コア部に対向する部分
[3]例外的に、他の電気機器からコイルに通電するために端子部材が取り付けられるコイルの端部
上記本発明リアクトルにおけるコア成形体は、外側コア部と、この外側コア部を保護するコアモールド部とを有する。コアモールド部は、外側コア部の外周面のうち、少なくともリアクトルの外方に向いた部分を覆う。逆に言えば、外側コア部の外周面のうち、リアクトルの外方に向いていない部分は、コアモールド部で覆われていても良いし、覆われていなくても良い。ここで、リアクトルの外方に向いていない部分とは即ち、リアクトルを構成する部材(コア成形体自身を除く)に対向する部分のことであり、具体的には次の三つ部分のことである。
[1]放熱板に対向する部分
[2]内側コア部に対向する部分
[3]コイル成形体のコイルモールド部に対向する部分
上記構成を備える本発明リアクトルは、従来のリアクトルよりも少ない部品から構成されており、生産性に優れる。しかも、リアクトルに備わるコイルモールド部とコアモールド部により、コイルおよび外側コア部を外部環境から保護することができる。その結果、本発明リアクトルは、物理的な衝撃によってコイルや外側コア部が損傷し難いし、ケースを備えず、外部環境に晒された状態にあってもコイルや外側コア部が錆び難い。なお、内側コア部は、コイル成形体の内部に収納されるため、既に外部環境から保護されている。
本発明リアクトルの一形態として、コイル成形体と放熱板との間に、両者を接合する接着層を備える形態とすることができる。
上記構成のリアクトルとすることで、コイル成形体と放熱板とを簡単に接合することができる。また、この構成であれば、コイルで発生した熱を、接着層を介して放熱板に効率良く伝熱させることができるので、例えば、100Aの大電流で使用した場合でも安定して動作する。上記接着層の面積をさらにコイル成形体よりも大きめに形成して、接着層によってコア成形体と放熱板とが接合されるようにしても良い。
本発明リアクトルの一形態として、磁性コアを構成する内側コア部は、複数のコア片と、複数のギャップ材と、これらコア片およびギャップ材の外周を覆って一体に保持する絶縁性のテープ材と、を備える形態を挙げることができる。
上記構成によれば、絶縁性のテープ材によって、内側コア部のコア片と、内側コア部の外周に配されるコイル素子との間の絶縁を確実に確保することができる。また、絶縁性のテープ材は、特許文献1などで内側コア部の外周に取り付けられるボビン片(特許文献1の図3,5を参照)などよりも薄いため、リアクトルの小型化に寄与する。さらに、テープ材は安価であるため、リアクトルの単価を下げることができるというコスト面の効果もある。
本発明リアクトルの一形態として、コイル成形体はさらに、コイルモールド部によってコイルと一体化されている内側コア部を有する形態を挙げることができる。
上記構成によれば、リアクトルの組立作業性をさらに向上させることができ、もってリアクトルの生産性を向上させることができる。内側コア部とコイルとがコイルモールド部で一体化されたコイル成形体に対して、放熱板と外側コア部を組み付けるだけで、リアクトルを完成させることができるからである。
本発明リアクトルの一形態として、コア成形体は、当該コア成形体を放熱板に取り付けるための取付部を備える形態を挙げることができる。その場合、取付部は、コア成形体のコアモールド部を構成する被覆樹脂と、当該被覆樹脂により保持され、当該コア成形体を放熱板に固定する固定部材を挿通させる筒状体と、で構成されることが好ましい。
取付部を備える上記構成によれば、コア成形体とコイル成形体と内側コア部の組合体を、放熱板に強固に固定することができる。また、取付部に筒状体が設けられていることで、固定部材による締付力に対する耐力を取付部に持たせることができる。この筒状体は、剛性が高い金属(合金)から構成することが好ましい。
本発明リアクトルの一形態として、外側コア部のうち、放熱板に対向する底面には、コアモールド部が形成されていない形態を挙げることができる。
既に述べたように、外側コア部のうち、[1]放熱板に対向する部分(底部)、[2]内側コア部に対向する部分、[3]コイル成形体のコイルモールド部に対向する部分にはコアモールド部を設ける必要がない。特に、外側コア部の底部にコアモールド部を設けないことで、外側コア部から放熱板への放熱性、即ちリアクトルから外部への放熱性を高めることができる。
外側コア部の底部がコアモールド部から剥き出しとなった本発明リアクトルの一形態として、当該底部と放熱板との間に接着層を備える形態を挙げることができる。
上記構成とすることで、放熱板とその上に配置される組合体との密着性をより向上させることができる。また、剥き出しとなった外側コア部と放熱体の表面性状に関わらず、両者の間に隙間が形成されることを回避でき、外側コア部から放熱板への放熱性を高めることができる。ここで、この接着層と、上述したコイル成形体と放熱板とを接着する接着層とは、一連に形成されたものでも良いし、別々に形成されたものであっても良い。
上記本発明リアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータとして、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものであり、上記リアクトルが本発明リアクトルである形態が挙げられる。この本発明コンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置として、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、上記コンバータが本発明コンバータである形態が挙げられる。
生産性に優れる本発明リアクトルを用いた本発明コンバータ、及び本発明電力変換装置は、これらを備える機器(例えば、ハイブリット自動車などの車両)の生産性の向上に寄与する。
本発明リアクトルは、生産性に優れるため、近年のリアクトルの需要の増加に応えることができる。
実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルの分解斜視図である。 リアクトルに備わる組合体の分解斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明コンバータを備える本発明電力変換装置の一例を示す概略回路である。
以下、本発明の実施形態をより具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
<実施形態1>
図1〜3を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。図1,2に示すリアクトル1は、従来同様、並列した状態で連結される一対のコイル素子を有するコイルと、コイル素子の内部に挿通される環状の磁性コアとを備え、磁性コアは、一対の内側コア部と一対の外側コア部とを有する(図1,2ではコイル2はその端部2a,2bしか見えず、磁性コアは外部からは見えない状態にある)。このリアクトル1の特徴とするところは、上記コイルを樹脂モールドしたコイル成形体4と、上記一対の内側コア部と、上記外側コア部を樹脂モールドした一対のコア成形体5との組合体10を、非磁性金属で形成された放熱板6上に配置した構成を備えることである。以下、本実施形態1のリアクトル1の各構成を詳細に説明する。
≪組合体≫
組合体10の説明については、組合体10の分解斜視図である図3を参照する。
〔コイル成形体〕
コイル成形体4は、コイル2と、コイルモールド部4Mと、を有する。このコイル成形体4には、後述する内側コア部31,31を挿入するためのコア挿入孔4h,4hが形成されている。
[コイル]
コイル2は、一対のコイル素子2A,2Bと、両コイル素子2A,2Bを連結するコイル素子連結部2rとを備える。各コイル素子2A,2Bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行するように横並びに並列されている。本実施形態では、これらコイル素子2A,2Bは接続部の無い一本の巻線を螺旋状に巻回することで形成されており、その巻線をU字状に屈曲させることで上記コイル素子連結部2rが形成されている。もちろん、両コイル素子2A,2Bは、別個の巻線を螺旋状に巻回することで形成しても良く、その場合、例えば、コイル素子2A,2Bの端部(図3において紙面右側)同士を圧接や溶接などで接合する。
コイル2は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。本実施形態では、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2A,2Bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。また、各コイル素子2A,2Bの端面形状を長方形の角部を丸めた形状としているが、端面形状は、円形状など適宜変更することができる。
コイル2の両端部2a,2b(図3の紙面左側)は、ターン形成部分から引き延ばされて、後述する端子台8に埋設される端子部材9A,9Bに接続されている(図1,2を参照)。この端子部材9A,9Bを介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
[コイルモールド部]
コイルモールド部4Mは、コイル2の外周面の少なくとも一部を覆い、コイル2を自然長の状態、もしくは自然長よりも圧縮した状態に保持すると共に、コイル2を保護する。具体的なコイルモールド部4Mの被覆領域は、コイル2の外周面のうち、少なくともリアクトルの外方に向いた部分である。逆に言えば、コイル2の外周面のうち、リアクトルの外方に向いていない部分は、コイルモールド部4Mで覆われていても良いし、覆われていなくても良い。リアクトルの外方に向いていない部分とは即ち、リアクトルを構成する部材(コイル成形体4自身を除く)に対向する部分のことであり、具体的には次の三つの部分のことである。
[1]放熱板6(図1,2を参照。図3においては紙面下側に配置される部材)に対向する部分(底部)
[2]外側コア部32(図3においては紙面左右方向)に対向する部分
[3]例外的に、コイル2の端部2a,2b
ここで、本実施形態では、コイルモールド部4Mは、コイル2の外周面のうち、[1]と[3]以外の部分の全てを覆っている。
本実施形態におけるコイルモールド部4Mは、コイル2の外形にほぼ沿った形状に形成されている。そのため、コイルモールド部4Mには、両コイル素子2A,2Bの中空孔の部分に沿った孔が形成され、その孔がコイル成形体4におけるコア挿入孔4h,4hを形作る。また、コイルモールド部4Mの上面は、コイル2の輪郭に沿った二連山型となっており、当該上端面におけるコイル素子2A,2Bの並列方向中間部には、両コイル素子2A,2B間に形成される断面三角形状の溝に対応した断面三角形状の溝が形成されている。一方、コイルモールド部4Mの下面(放熱板6側の面)は、平坦な面となっており、コイルモールド部4Mの側面(コイル素子2A,2Bの並列方向の側面)にほぼ直角に繋がっている。当該下面とコイル素子2A,2Bの下面は面一になっている。もちろん、コイルモールド部4Mの下面よりもコイル素子2A,2Bの下面が上方に位置しても良く、そうすることで、コイル素子2A,2Bと放熱板6との間の絶縁をより確実にすることができる。
上記コイルモールド部4Mは、絶縁性に優れる材料で構成する。さらに、コイルモールド部4Mを構成する材料は熱伝導性に優れることが好ましい。このような材料としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの熱可塑性の絶縁性樹脂を挙げることができる。この絶縁性樹脂には、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスフィラーが含有されていても良く、そうすることで、コイルモールド部4Mの絶縁性および放熱性を向上させることができる。
〔コア成形体〕
組合体10に備わる一対のコア成形体5はそれぞれ、外側コア部32(図3の左上の点線丸囲みを参照)と、コアモールド部5Mとを有する。これらコア成形体5,5は、上述したコイル成形体4をコイル2の端面方向から挟み込むように配置される。
[外側コア部]
外側コア部32は、図3の左上の点線丸囲みに示すように、例えば、略ドーム形状の上面と下面を有する柱状のコア片である。このコア片には、鉄などの鉄属金属やその合金に代表される軟磁性粉末を用いた圧粉成形体や、軟磁性粉末を含む樹脂からなる成形硬化体、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体などが利用できる。
[コアモールド部]
コアモールド部5Mは、外側コア部32の少なくとも一部を覆い、外側コア部32を保護する。具体的なコアモールド部5Mの被覆領域は、外側コア部32の外周面のうち、少なくともリアクトルの外方に向いた部分である。逆に言えば、外側コア部32の外周面のうち、リアクトルの外方に向いていない部分は、コアモールド部5Mで覆われていても良いし、覆われていなくても良い。リアクトルの外方に向いていない部分とは即ち、リアクトルを構成する部材(コア成形体5自身を除く)に対向する部分のことであり、具体的には次の三つ部分のことである。
[1]放熱板6(図1,2を参照。図3においては紙面下側に配置される部材)に対向する部分(底部)
[2]内側コア部31に対向する部分
[3]コイル成形体4のコイルモールド部4Mに対向する部分
ここで、本実施形態では、コアモールド部5Mは、外側コア部32の外周面のうち、[1]と[2]以外の部分の全てを覆っている。
コアモールド部5Mは、コア成形体5を後述する放熱板6(図1,2参照)に取り付けるための第二取付部50を備える。第二取付部50は、コア成形体5を上面視したときに、コイル成形体4に対向する側とは反対側に突出しており、後述する固定部材10C(図1,2参照)を挿通させる第二挿通孔5hを有する。この第二取付部50は、コアモールド部5Mを構成する被覆樹脂と、その被覆樹脂により保持される筒状体51とで構成されており、その筒状体51の筒内部が第二挿通孔5hとして機能する。筒状体51は、高剛性の材料、例えばステンレスなどの金属で構成することが好ましい。この第二取付部50を用いた放熱板6へのコア成形体5の取り付けについては後述する。
上記コアモールド部5Mの構成材料には、コイルモールド部4Mと同じものを利用することができる。即ち、コアモールド部5Mは、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル、PPS樹脂、LCPなどの絶縁性樹脂で構成することができる。もちろん、コアモールド部5Mの絶縁性樹脂は、コアモールド部5Mの熱伝導性を改善するためのセラミックスフィラーを含有していても良い。
〔内側コア部〕
内側コア部31,31は、上述したコイル成形体4のコア挿入孔4h,4hに挿入され、その結果としてコイル素子2A,2Bの内部に配置される。この内側コア部31は、図3の右下の点線丸囲みに示すように、略直方体状の磁性材料からなるコア片31mと、コア片31mよりも低透磁率のギャップ材31gとを交互に連結した積層柱状体の外周をテープ材31tで一体化した部材である。本例ではコア片31mよりもギャップ材31gが一つ多くなっており、内側コア部31の両端面にギャップ材31gが配置されている。
内側コア部31のコア片31mは、上述した外側コア部32と同様に圧粉成形体、成形硬化体、あるいは積層体で構成することができる。ここで、内側コア部31を構成するコア片と、外側コア部32とは磁気特性を異ならせても良い。例えば、コア片31mと外側コア部32とで使用する材質を異ならせることで両者の磁気特性を異ならせても良いし、コア片31mを成形硬化体、外側コア部32を圧粉成形体とすることで両者の磁気特性を異ならせても良い。一般に、成形硬化体に含まれる磁性粉末の量は、圧粉成形体と比較して少ない傾向にあるため、『成形硬化体の比透磁率<圧粉成形体の比透磁率』となる。そのため、内側コア部31を成形硬化体、外側コア部32を圧粉成形体とすれば、大電流で使用した場合でも磁気飽和し難い磁性コア3(リアクトル1)とすることができる。なお、内側コア部を成形硬化体で構成する場合、成形硬化体からなる一つのコア片と、そのコア片の一端側に貼り合わされる一枚のギャップ材とで内側コア部を形成しても良い。
一方、ギャップ材31gとしては、アルミナなどの非磁性材料で形成しても良いし、磁性粉末と非磁性材料との混合物(透磁率1.1程度)で形成しても良い。
≪放熱板≫
放熱板6は、図1,2に示すように、組合体10を支持しつつ、組合体10から冷却ベース(図示せず)などのリアクトル1の設置対象への放熱経路として機能する板状の部材である。具体的には、図2に示すように、放熱板6の一面側(紙面上方側)が組合体10を搭載する搭載面であり、放熱板6の他面側(紙面下方側)がリアクトル1を冷却する冷却ベースへの取付面である。
上記放熱板6は、コイル2に近接して配置されるため、非磁性材料から構成する。また、放熱板6はリアクトル1の放熱経路に利用されるため、熱伝導性に優れる金属材料から構成する。つまり、放熱板6は、アルミニウムやその合金、あるいはマグネシウムやその合金などの非磁性金属から構成する。上記列挙した非磁性金属は軽量であるため、軽量化が望まれている車載部品の構成材料に適する。この放熱板6の厚さは、強度、磁束の遮蔽性を考慮して、2〜5mm程度とすることが好ましい。
上記放熱板6は、組合体10の下面(放熱板6に対向する面)とほぼ同じ形状に形成されている。この放熱板6の四隅には、放熱板6を冷却ベースに固定するための第一取付部60が形成されている。第一取付部60には、放熱板6を表裏に貫通する第一挿通孔6hが形成されており、この第一挿通孔6hは、放熱板6上に載置される組合体10の第二挿通孔5hに対応している。
≪接着層≫
接着層7は、組合体10と放熱板6とを接合させると共に、組合体10と放熱板6との間を絶縁する。この接着層7は、放熱板6の載置面のうち、少なくともコイル成形体4の下面に対向する部分に形成されていれば良い。そうすることで、接着層7は、コイル成形体4におけるコイルモールド部4Mの下面に接触すると共に、そのコイルモールド部4Mから露出するコイル素子2A,2Bの下面にも接触し、組合体10と放熱板6とを強固に接合させる。
もちろん、接着層7は、コア成形体5の下面に対向する部分にまで延長して形成されていても良く、そうすることで、組合体10と放熱板6との接着をより強固にできる。ここで、本実施形態では、外側コア部32の底面がコアモールド部5Mから剥き出しとなっているため、外側コア部32から接着層7を介して放熱板6に効率的に放熱することができる。この接着層7を備えることで、外側コア部32の底面と放熱板6の上面に微小な凹凸があったとしても、両者32,6の間に隙間が形成され難く、その隙間に起因して放熱経路が分断されることも殆どない。
接着層7は、コイル2と放熱板6との間を十分に絶縁可能な程度の絶縁特性と、リアクトル1の使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性とを有する絶縁性樹脂によって構成する。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性の絶縁性樹脂が接着層7に好適に利用できる。この絶縁性樹脂には、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスフィラーが含有されていても良く、そうすることで、接着層7の絶縁性および放熱性を向上させることができる。接着層7の熱伝導率は、0.1W/m・K以上とすることが好ましく、より好ましくは0.15W/m・K以上、さらに好ましくは0.5W/m・K以上、特に好ましくは1W/m・K以上、最も好ましくは2.0W/m・K以上である。
≪端子台≫
本実施形態のリアクトル1はさらに、コイル2の端部2a,2bに接続される端子部材9A,9Bが埋設された端子台8を備える。端子台8は、リアクトル1のコイル2を、図示しない電源などの外部機器と電気的に接続する際の台座となる部材である。具体的には、端子台8は、コア成形体5の上面に端子台8を固定するための固定部82と、この固定部82とは反対側に迫り出す台座部83とを備える。
固定部82は、コア成形体5の上面に接触し、端子台8を組合体10に対して安定させる部分である。そのため、固定部82におけるコア成形体5に対向する面(紙面下側の面)は、コア成形体5の上面の形状に沿った形状に形成されている。
台座部83は、コイル2の端部2a,2bに接続される端子部材9A,9Bと、電源などから伸びるリード線の端子とを接続させるときの台座となる。この台座部83の上面には、端子台8に埋設される端子部材9A,9Bの一部が露出している。また、その端子部材9A,9Bのうち、台座部83とは反対側の端部は、上記固定部82から突出し、上方に屈曲しており、その突出部分には、コイル2の端部2a,2bが接続される。そのため、台座部83に露出する端子部材9A,9Bにリード線を接続すれば、端子部材9A,9Bを介してコイル2に通電される。なお、台座部83における端子部材9A,9Bの露出した部分の下面には、ネジ溝を切ったカラーが埋設されており、リード線の端子と端子部材9A,9Bとをネジ留めできるようになっている。
また、台座部83の中間部における端子部材9A,9Bの間には、仕切り板83Fが形成されている。この仕切り板83Fによって端子部材9A,9B間の絶縁を確保できるし、端子部材9A,9Bにそれぞれ接続されるリード線の端子同士が接触・導通することを回避できる。
≪用途≫
上記構成を備えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが、10μH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが、0Aのときのインダクタンスの10%以上を満たすものが好適に利用できると期待される。
≪リアクトルの製造方法≫
リアクトル1の分解斜視図である図2、リアクトル1の組合体10の分解斜視図である図3を参照して本実施形態のリアクトル1の製造方法を説明する。
まず、図3に示すように、コイル成形体4と、一対のコア成形体5,5と、一対の内側コア部31,31と、を用意する。コイル成形体4は、コイル2を金型内に配置し、金型内に絶縁性樹脂を高圧で注入するインサート成形により形成すると良い。また、コア成形体5は、外側コア部32と筒状体50を金型内に配置し、その金型内に絶縁性樹脂を高圧で注入するインサート成形により形成すると良い。そして、内側コア部31は、複数のコア片31mと複数のギャップ材31gとを交互に連結し、テープ材31tで一体化することで形成すると良い。なお、コア片31mとギャップ材31gとは接着剤で接着すると良い。
用意したコイル成形体4のコア挿入孔4h,4hに内側コア部31,31を挿入する。そして、コア挿入孔4h,4hに挿入した内側コア部31,31をコア成形体5,5で挟み込んで、内側コア部31,31と、コア成形体5,5の端面から露出する外側コア部32,32(図3の紙面右側のコア成形体5を参照)と、を接着剤で接着させることで組合体10を完成させる。組合体10を完成させることで、離隔して配置される内側コア部31,31の一端(紙面左側)同士は、一方の外側コア部32を介して繋がり、内側コア部31,31の他端(紙面右側)同士は、他方の外側コア部32を介して繋がり、その結果として、内側コア部31,31と外側コア部32,32とで環状の磁性コア3が形成される。
次に、図2に示すように、組上がった組合体10を放熱板6の上に載置する。その際、放熱板6の搭載面(紙面上側の面)に接着層7を形成しておくことで、放熱板6と組合体10とを密着させた状態で接合することができる。放熱板6の搭載面における接着層7の形成領域は、少なくとも組合体10のコイル成形体4に対応する部分とする。もちろん、上記形成領域は、組合体10の下面全体(つまり、コイル成形体4とコア成形体5,5)に対応する部分としても良い。ここで、コイル成形体4の下面からはコイル素子2A,2B(図3を参照)が露出しており、コイル素子2A,2Bと放熱板6とが接着層7を介して接続されることになる。そのため、コイル2で発生した熱を、効率的に放熱板6に放熱することができる。
組合体10と放熱板6とは、さらに固定部材(ボルト)10Cによりネジ留めする。その際、放熱板6上に配置された組合体10の第二挿通孔5hの位置と、放熱板6の第一挿通孔6hの位置とが重複しているので、固定部材10Cにより、組合体10が放熱板6に固定されると共に、放熱板6が冷却ベースに固定される。ここで、第二挿通孔5hは金属製の筒状体51で構成されているため、固定部材10Cの締付力に対して高い耐性を発揮する。
最後に、端子台8の固定部82を紙面左側のコア成形体5の上面に載置すると共に、当該固定部82から突出する端子部材9A,9Bをコイル2の端部2a,2bに接続する。なお、端子台8の取り付けは、組合体10を放熱板6に載置する前でも構わない。
≪効果≫
以上説明したように、本発明リアクトル1は、コイル成形体4とコア成形体5,5と内側コア部31,31を組み合わせて組合体10を作製し、その組合体10を放熱板6に取り付けるだけでリアクトル1を完成させることができる。このように本発明リアクトル1の組み立てが容易であるために、本発明リアクトル1は生産性に優れる。
また、本発明リアクトル1では、コイル2がコイル成形体4の形態、磁性コア3の外側コア部32がコア成形体5の形態で用いられているため、コイル2と磁性コア3が外部環境に露出されていない。そのため、物理的な衝撃によってリアクトル1のコイル2や磁性コア3が損傷し難いし、外部環境の雰囲気によってコイルや磁性コア3が錆び難い。
さらに、本発明リアクトル1では、組合体10が載置される放熱板6が熱伝導性に優れる非磁性金属から構成されているため、リアクトル1から冷却ベースに効率的に放熱することができる。従って、本実施形態のリアクトル1は、放熱性に優れ、高周波・大電流で利用しても安定して動作する。
<変形実施形態1>
実施形態1では、図3に示すように、コイル成形体4と内側コア部31,31が別体であったが、これらを一体に形成しても良い。その場合、コイル2と内側コア部31,31を金型内に配置し、その金型内に絶縁性樹脂を高圧で注入するインサート成形を行なうと良い。そうすることで、コイル2と内側コア部31,31とがコイルモールド部4Mで一体化されたコイル成形体4を作製することができる。このようなコイル成形体を用いることで、リアクトルの組み立てをさらに容易にすることができるので、リアクトルの生産性をより向上させることができる。
<変形実施形態2>
実施形態1では、図1,2に示すように、固定部材10Cで組合体10を放熱板6ごと冷却ベースに固定する構成であった。これに対して、放熱板6に対する組合体10の固定と、冷却ベースに対する放熱板6の固定とを個別に行なっても良い。その場合、図2において放熱板6を冷却ベースに固定するために用いた第一挿通孔6hを、組合体10を放熱板6に固定するためだけに利用し、放熱板6に別途、放熱板6を冷却ベースに固定するために利用する挿通孔を設けると良い。このように、放熱板6に対する組合体10の固定と、冷却ベースに対する放熱板6の固定を分けることで、各固定の状態を安定させることができる。
<変形実施形態3>
実施形態1では、コア成形体5のうち、内側コア部31に対向する部分から外側コア部32が露出する形態とした。これに対して、コア成形体5の内側コア部31に対向する部分にもコアモールド部5Mを形成しても良い。そうすることで、コア成形体5の外側コア部32と内側コア部31との間にコアモールド部5Mが配置されることになるので、そのコアモールド部5Mをギャップ材として利用することができる。その場合、内側コア部31の両端部に配置されるギャップ材31gを省略することができる。
<実施形態2>
実施形態1や変形実施形態のリアクトル1は、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図4に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図4では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図5に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態に記載のリアクトル1を用いる。軽量で扱い易いこれらリアクトル1を用いることで、電力変換装置1100(コンバータ1110を含む)の軽量化を図ることができる。
ここで、上記車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態や変形例のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される双方向DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1 リアクトル
10 組合体
2 コイル
2A,2B コイル素子 2r コイル素子連結部 2a,2b 端部
3 磁性コア
31 内側コア部 31m コア片 31g ギャップ材
31t テープ材
32 外側コア部
4 コイル成形体 4M コイルモールド部 4h コア挿入孔
5 コア成形体 5M コアモールド部
50 第二取付部 51 筒状体 5h 第二挿通孔
6 放熱板 60 第一取付部 6h 第一挿通孔
7 接着層
8 端子台 82 固定部 83 台座部 83F 仕切り板
9A,9B 端子部材
10C 固定部材
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子 1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ
1220 モータ
1230 サブバッテリ
1240 補機類
1250 車輪

Claims (9)

  1. 並列した状態で連結される一対のコイル素子を有するコイルと、前記コイル素子の内部に挿通される環状の磁性コアとを備え、
    前記磁性コアが、前記コイル素子の内部に配置される内側コア部、および前記コイル素子から露出され、前記内側コア部と閉磁路を形成する外側コア部を有するリアクトルであって、
    前記コイル、およびそのコイルを保護するコイルモールド部を有するコイル成形体と、
    前記外側コア部、およびその外側コア部を保護するコアモールド部を有するコア成形体と、
    非磁性金属で形成され、かつ一面側が前記コイル成形体と前記コア成形体と前記内側コア部の組合体を搭載する搭載面、他面側がリアクトルを設置する設置対象への取付面となる放熱板と、を備え、
    前記コイルモールド部は、前記コイルの外周面のうち、少なくともリアクトルの外方に向いた部分を覆い、
    前記コアモールド部は、前記外側コア部の外周面のうち、少なくともリアクトルの外方に向いた部分を覆うことを特徴とするリアクトル。
  2. 前記コイル成形体と前記放熱板との間に、両者を接合する接着層を備えることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記内側コア部は、
    複数のコア片と、
    複数のギャップ材と、
    これらコア片およびギャップ材の外周を覆って一体に保持する絶縁性のテープ材と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル。
  4. 前記コイル成形体はさらに、前記コイルモールド部によって前記コイルと一体化されている前記内側コア部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトル。
  5. 前記コア成形体は、当該コア成形体を前記放熱板に取り付けるための取付部を備え、
    前記取付部は、
    前記コア成形体のコアモールド部を構成する被覆樹脂と、
    当該被覆樹脂により保持され、当該コア成形体を前記放熱板に固定する固定部材を挿通させる筒状体と、
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクトル。
  6. 前記外側コア部のうち、前記放熱板に対向する底面には、前記コアモールド部が形成されていないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクトル。
  7. 前記外側コア部の底面と前記放熱板との間に接着層を備えることを特徴とする請求項6に記載のリアクトル。
  8. スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
    前記リアクトルは、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリアクトルであることを特徴とするコンバータ。
  9. 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
    前記コンバータは、請求項8に記載のコンバータであることを特徴とする電力変換装置。
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