JP2013128098A - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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幸伯 山田
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肇 川口
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Abstract

【課題】リアクトルの物理量(温度など)を測定するセンサと外部装置とを安定して接続可能なリアクトル、このリアクトルを具えるコンバータ、電力変換装置を提供する。
【解決手段】リアクトル1Aは、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4とを具える。ケース4は、底板部と、組合体10の周囲を囲む側壁部41とを具え、側壁部41は絶縁性樹脂により構成されている。側壁部41には、温度センサなどのリアクトル1Aの物理量を測定するセンサに配線71を介して連結されたコネクタ部72を掛止するコネクタ掛止部44が側壁部41の構成樹脂により一体に成形されている。コネクタ掛止部44にコネクタ部72を掛止して固定することで、コネクタ部72がケース4に安定して保持され、リアクトル1Aは、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部との接続を安定して行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、このリアクトルを具えるコンバータ、及びこのコンバータを具える電力変換装置に関するものである。特に、リアクトルの物理量(温度や電流値など)を測定するセンサと外部装置との接続を安定して行えるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。特許文献1,2は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、例えば、一対のコイル素子を有するコイルと、コイルが配置され、閉磁路を構成する環状の磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、ケース内に充填される封止樹脂(二次樹脂部、ポッティング樹脂)とを具えるものを開示している。
通電に伴いコイルが発熱すると、この発熱によりリアクトルの損失が大きくなる。そのため、上記リアクトルは、一般に、コイルを冷却できるように冷却ベースといった設置対象に固定されて利用される。また、使用時、温度や電流などの物理量を測定するセンサをリアクトルの近傍に配置して、例えば、測定した温度や電流に応じてコイルへの電流などを制御することが検討されている。特許文献1は、電流センサを磁性コアに配置することを開示している。特許文献2は、温度センサをコイル素子間に配置することを開示している。
特開2009-267360号公報 特開2010-245458号公報
上記センサには、測定した情報を制御装置といった外部装置(測定器)に伝達するための配線(特許文献1参照)が取り付けられる。この配線の端部にコネクタ部(端子:特許文献1参照)を具えて、当該コネクタ部に外部装置側のコネクタ部を接続することで、上記センサと上記外部装置とを簡単に接続できる。しかし、従来、このセンサに連結されたコネクタ部の配置状態について十分に検討されていない。
特許文献1に記載されるようにケースの開口部の近傍に何ら固定せずに配置したままでは、コネクタ部がある程度動くため、外部装置との接続を安定して行い難い。また、コネクタ部がある程度動くことで、リアクトルの搬送や設置の際などでコネクタ部が引っ張られた場合、コネクタ部に連結される配線及びセンサまでも引っ張られて、センサを引き抜いたり、センサに過度な力が加わってセンサを損傷したりする恐れがある。コネクタ部は、配線に比較して大きいことからも、何らかに引っ掛かる恐れがある。上記物理量を適切に測定するためには、センサを所定の位置に配置した後、その配置位置を維持することが望まれる。従って、センサを引き抜いた場合には、再度、所定の位置にセンサを収納する必要があるが、工程数の増加により、生産性の低下を招く。センサを損傷した場合には、物理量を適切に測定することができず交換する必要があり、生産性の低下を招く。
例えば、粘着テープやネジなどの適宜な治具でケースに上記コネクタ部を固定することが考えられる。しかし、従来のケースでは、コネクタ部を十分に支持できるとはいえず、粘着テープなどで止めた場合でも、上述の搬送時や接続作業時などで外れる恐れがある。また、ネジなどの部材を用いた場合、部品点数の増加を招く。
上記事情から、接続作業時や搬送時などでもコネクタ部が安定して配置された状態を維持するために、コネクタ部の移動を規制可能な構成の開発が望まれる。特に、部品点数を増加することなく、コネクタ部を安定して固定可能な構成の開発が望まれる。
そこで、本発明の目的は、リアクトルの物理量を測定するセンサと外部装置とを安定して接続可能なリアクトルを提供することにある。
本発明は、ケースの一部を特定の材質とすると共に、センサに連結されたコネクタ部を掛止する掛止部がこの特定の材質によりケースに一体に成形された構成とすることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、コイルと、上記コイルが配置される磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの組合体を収納するケースとを具える。上記ケースは、上記組合体が載置される底板部と、上記組合体の周囲を囲む側壁部とを具える。上記側壁部の少なくとも一部が樹脂により構成されている。そして、上記リアクトルの物理量を測定するセンサに連結されたコネクタ部を掛止するコネクタ掛止部が上記側壁部を構成する樹脂により当該側壁部に一体に成形されている。
本発明リアクトルは、側壁部に具えるコネクタ掛止部にコネクタ部を掛止することで、当該コネクタ部をケースに固定でき、コネクタ部の移動を規制することができる。従って、本発明リアクトルは、コネクタ部の位置がずれ難く、コネクタ部と外部装置とを安定して、容易に接続できる。また、本発明リアクトルは、コネクタ部がケースに固定されていることで、リアクトルの製造時や設置時、搬送時、コネクタ部と外部装置との接続時などでコネクタ部を引っ張ってセンサの位置ずれや脱落、センサの損傷の恐れを低減できる、或いは位置ずれや損傷が生じない。そのため、本発明リアクトルは、センサを所定の位置に配置した状態を長期に亘り維持することができ、所定の位置に配置されたセンサからの情報を、コネクタ部を介して接続された外部装置によって取得して、所望の物理量を適切に測定できる。
また、上記コネクタ掛止部は、側壁部に一体成形されることで、部品点数の増加を招くこともない。更に、このコネクタ掛止部は、樹脂により構成されることから、複雑な形状であっても射出成形などにより側壁部の少なくとも一部を形成する際に容易に一体成形可能であり、金属材料により構成される場合に比較して容易に形成できる。その上、上記コネクタ掛止部は、側壁部の適切な位置に設けることで、コネクタ部と制御装置などの外部装置との接続も容易に行える。これらの点から、本発明リアクトルは、生産性にも優れる。
その他、上記コネクタ掛止部を側壁部におけるデッドスペースに設けた場合には、コネクタ部を取り付けてもリアクトルの外寸の増大を低減でき、小型なリアクトルとすることができる。また、本発明リアクトルは、ケースを具えることで、上記組合体に対して外部環境からの保護、及び機械的保護を図ることができる。
上記センサは、例えば、コイルの温度を測定する温度センサ、コイルに流れる電流を測定する電流センサが挙げられる。温度センサは、サーミスタ、熱電対、焦電素子といった感熱素子を具えるもの、電流センサは、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)、磁気インピーダンス素子(MI素子)、サーチコイルなどの磁界に基づく物理量により電流を測定可能な素子を具えるものが挙げられる。
上記センサには、センサが感知した情報を外部装置に伝達するための配線が取り付けられ、この配線の端部にコネクタ部を具える。コネクタ部は、いわゆるメス型コネクタでもオス型コネクタでもよく、市販のセンサに付随した市販のコネクタ部を利用できる。市販のコネクタ部を利用する場合、その形状に応じてコネクタ掛止部を形成すればよい。
本発明の一形態として、上記側壁部は、その全体が絶縁性樹脂により構成されており、かつ上記底板部とは独立した部材であり、固定材により当該底板部と一体化される形態が挙げられる。また、本発明の一形態として、上記底板部が金属材料により構成された形態が挙げられる。
上記形態は、側壁部の全体が絶縁性樹脂により構成されていることで、コネクタ掛止部の配置位置の自由度を高められ、所望の箇所にコネクタ部を取り付けられる。また、上記形態は、コイルと側壁部とを絶縁できるため、両者を近接配置することにより小型なリアクトルとすることができる。更に、底板部と側壁部とが別部材であることから、それぞれを別個に製造でき、上記形態は、製造形態の自由度、構成材料の選択の幅が大きい。代表的には、両者の材質を異ならせることができる。特に、ケースにおいて上記組合体が接触又は近接される底板部がアルミニウムなどの金属材料により構成された形態とすると、当該底板部を放熱経路として利用でき、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。また、この場合、側壁部が一般に金属材料よりも軽い樹脂で構成されることから、従来のアルミニウムケースよりも軽量なケースとすることができるため、軽量なリアクトルとすることができる。更に、上記形態は、上記組合体を底板部に配置してから側壁部と底板部とを一体にできるため、リアクトルの組立作業性にも優れる。
本発明の一形態として、上記磁性コアが、上記コイルに覆われる内側コア部と、上記コイルから露出されている外側コア部とを具え、上記側壁部が、庇部を具えており、上記コネクタ掛止部が上記庇部に設けられた形態が挙げられる。庇部は、上記外側コア部において上記ケースの開口側に配置される箇所の少なくとも一部を覆うものとする。
上記形態は、ケースの開口部側の上方空間を有効活用でき、小型なリアクトルとすることができる。また、上記形態は、庇部によって外側コア部に対する外部環境からの保護や、ケースの収納物の脱落防止を図ることができる。
本発明の一形態として、更に、上記センサに連結される配線を掛止する配線掛止部が上記樹脂により上記側壁部に一体に成形された形態が挙げられる。
上記形態は、部品点数を増加することなく、コネクタ部に加えてセンサの配線をも側壁部に掛止して、配線の移動を規制できる。そのため、上記形態は、リアクトルの製造時や設置時、コネクタ部と外部装置との接続時などで配線の過度な引き回しによるセンサの位置ずれや脱落、センサの損傷の恐れを低減できる、或いは位置ずれや損傷が生じず、センサを所定の位置に配置した状態を長期に亘り維持することができる。また、配線掛止部も樹脂により構成されることから、複雑な形状であっても射出成形などによって側壁部に容易に一体成形可能である。更に、本発明リアクトルが封止樹脂を具える場合には、封止前、センサを所定の位置に配置し、配線を配線掛止部に掛止することで、封止樹脂の充填時に配線が邪魔にならず充填作業を容易に行え、封止後、センサ及び配線においてセンサとの連結箇所を当該封止樹脂により固定できる。従って、この形態は、センサの配置位置をより確実に維持することができる。
本発明の一形態として、上記組合体が上記コイルと上記磁性コアとの間に介在されるインシュレータを具え、このインシュレータは、一対の分割片を組み合わせて一体に構成され、これら両分割片を組み合わせることで構成される空間を上記センサの収納部として具える形態が挙げられる。
インシュレータを具えることで、この形態は、コイルと磁性コアとの間の絶縁性を高められる。また、このインシュレータは、分割片、特に、コイルの軸方向に分割可能な分割片により構成されることで、磁性コアなどに容易に配置することができ、この形態は、リアクトルの組立作業性にも優れる。かつ、上記形態は、インシュレータにセンサの収納部を具えることで、センサを所定の位置により確実に配置できる上に、収納部を具えることによる部品点数の増加を招くこともない。また、収納部によりセンサが保持されることで、上記形態は、センサの位置ずれも防止し易い。上記形態では、両分割片を組み合わせたとき、分割片同士が対向する箇所に接触箇所と非接触箇所とが設けられるように分割片を構成する。そして、この非接触箇所の空間を収納部とするとよい。
本発明リアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものであり、上記リアクトルが本発明リアクトルである形態が挙げられる。この本発明コンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、上記コンバータが本発明コンバータである形態が挙げられる。
本発明コンバータや本発明電力変換装置は、センサによる物理量の測定を安定して行える本発明リアクトルを具えることで、物理量に応じた制御などを良好に行うことができる。
本発明リアクトルは、温度などの物理量を感知するセンサとセンサからの情報によって物理量を測定する外部装置との接続を安定して行える。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 (A)は、実施形態1のリアクトルに具えるケースに設けられたコネクタ掛止部の概略斜視図、(B)は、コネクタ掛止部に掛止されるコネクタ部の概略斜視図、(C)は、(B)のC-C断面の一部分を示す断面図である。 実施形態1のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の概略を示す分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに具えるインシュレータを示し、(A)は斜視図、(B)は、(A)のB-B断面図である。 別の形態のインシュレータの断面図である。 実施形態2のリアクトルの概略斜視図である。 (A)は、実施形態3のリアクトルの概略斜視図、(B)は、実施形態4のリアクトルの概略斜視図である。 (A)は、実施形態5のリアクトルの概略斜視図、(B)は、実施形態5のリアクトルの概略平面図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明コンバータを具える本発明電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
(実施形態1)
以下、図1〜図5を参照して、実施形態1のリアクトルを説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置したときに設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
≪リアクトルの全体構成≫
リアクトル1Aは、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4とを具える。ケース4は、底板部40(図2)と、底板部40から立設する側壁部41とを具え、底板部40と対向する側が開口した箱体である。リアクトル1Aの最も特徴とするところは、ケース4の側壁部41が樹脂により構成されている点、及びリアクトル1Aの物理量を測定するセンサ7(図5)に連結されたコネクタ部72を掛止するコネクタ掛止部44が、側壁部41の構成樹脂により側壁部41に一体に成形されている点にある。以下、各構成をより詳細に説明する。
[センサ・配線・コネクタ部]
ここでは、センサ7は温度センサであり、図5(B)に示すようにサーミスタといった感熱素子7aと、感熱素子7aを保護する保護部7bとを具えた棒状体が挙げられる。保護部7bは、樹脂などのチューブなどが挙げられる。
センサ7には、感知した情報を制御装置といった外部装置(図示せず)に伝達するための配線71が連結され、更に、配線71の端部には、コネクタ部72を具える。ここでは、図5(B)に示すように2本の配線71を樹脂などのチューブに収納してまとめている。こうすることで、配線71を取り扱い易い上に、配線71に対して外部環境からの保護や機械的な保護を図ることができる。
コネクタ部72は、配線71と外部装置のコネクタ部(図示せず)とを電気的に接続する部材であり、導電性材料から構成された電気的接続部(図示せず)と、この電気的接続部を収納する本体720と、この本体720に設けられ、後述する側壁部41に設けられたコネクタ掛止部44に係合する後述の係合部とを具える。本体720は、接続形態(メス型又はオス型)に応じた形状に成形されている。本体720の構成材料は、上記電気的接続部と周辺部品(コイル2やケース4など)との絶縁性を高めるために、絶縁性材料が好ましい。具体的な絶縁性材料としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性樹脂が挙げられる。ここでは、コネクタ部72は、PPS樹脂からなる矩形筒状のメス型コネクタであり、一端側が配線71との接続箇所、他端側が開口して、外部装置のオス型コネクタの挿入箇所としている。
係合部は、適宜な仕様とすることができる。ここでは、係合部は、図3(B)に示すように矩形筒状の本体720の一面に、対向配置された一対のL字状の爪部721と、当該一面から突出する突起722とで構成される。爪部721は、側壁部41に具えるコネクタ掛止部44のうち、Π字状のスライダ台441を挟み、本体720をスライド自在にコネクタ掛止部44に支持する。突起722は、一対の爪部721間に設けられており、図3(C)に示すように断面台形状であり、この台形は、傾斜面と、本体720の一面に直交する垂直面と、傾斜面と垂直面とを繋ぎ、本体720の一面に平行な平面とで構成されている。コネクタ掛止部44は、この突起722を掛止するL字状のフック442を具える。フック442は、図3(A)に示すように突起722の傾斜面に沿った傾斜面と、突起722の垂直面と接する接触面とを有している。この構成により、コネクタ部72をスライダ台441に対して特定の方向(図3(B)では、コネクタ部72の下方側(配線71(図2)との連結側)を進行方向前方とする方向)にスライドさせると、突起722の傾斜面がフック422の傾斜面に沿ってスライドし、突起722の傾斜面がフック422の傾斜面を乗り越えると、突起722の垂直面とフック422の接触面とが接触する。この接触により、コネクタ部72は、上記特定の方向とは逆向きにスライドさせようとしても移動できず、コネクタ掛止部44に固定される。
係合部は、コネクタ掛止部44に固定可能であればよく、適宜な形状とすることができ、図3に示す形状は一例に過ぎない。例えば、係合部を突起とし、コネクタ掛止部44は、当該突起に相似形状で、かつ当該突起よりも若干小さな開口部を有する凹部とし、当該突起の弾性変形によって当該凹部に固定される構成、などが挙げられる。コネクタ部72を市販品とする場合、適宜な形状の係合部を具えるものを利用することができる。
[コイル]
コイル2は、図2,図4を主に参照して説明する。コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)され、コイル2の他端側(図4では右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
なお、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子の巻線の一端部同士を溶接や半田付け、圧着などにより接合されたコイルとすることができる。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。絶縁被覆の厚さは、20μm以上100μm以下が好ましく、厚いほどピンホールを低減できて電気絶縁性を高められる。導体は、平角線が代表的であり、その他、横断面が円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。平角線は、(1)断面が円形状の丸線を用いた場合よりも占積率が高いコイルを形成し易い、(2)後述するケース4に具える接合層42との接触面積を広く確保し易い、(3)後述する端子金具8との接触面積を広く確保し易い、といった利点がある。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。また、ここでは、各コイル素子2a,2bの端面形状は、長方形の角部を丸めた形状であるが、円形状などとすることができる。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、コイル2の一端側(図4では左側)においてターン形成部分から適宜引き延ばされて、代表的にはケース4の外部に引き出される(図1)。巻線の両端部は、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、導電材料からなる端子金具8(図1)が接続される。この端子金具8を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
[磁性コア]
磁性コア3の説明は、図4を参照して行う。磁性コア3は、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2が配置されず、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。各内側コア部31はそれぞれ、各コイル素子2a,2bの内周形状に沿った外形を有する柱状体(ここでは、直方体の角部を丸めた形状)であり、各外側コア部32はそれぞれ、一対の台形状面を有する柱状体である。磁性コア3は、離間して配置される内側コア部31を挟むように外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31は、磁性材料からなるコア片31mと、代表的には非磁性材料からなるギャップ材31gとを交互に積層して構成された積層体であり、外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。
各コア片は、磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体を利用できる。上記成形体は、例えば、Fe,Co,Niといった鉄族金属、Fe-Si,Fe-Ni,Fe-Al,Fe-Co,Fe-Cr,Fe-Si-AlなどのFe基合金、希土類金属やアモルファス磁性体といった軟磁性材料からなる粉末を用いた圧粉成形体、上記粉末をプレス成形後に焼結した焼結体、上記粉末と樹脂との混合体を射出成形や注型成形などした硬化成形体が挙げられる。その他、コア片は、金属酸化物の焼結体であるフェライトコアなどが挙げられる。成形体は、複雑な立体形状のコア片や磁性コアでも容易に形成できる。
圧粉成形体の原料には、上記軟磁性材料からなる粒子の表面に絶縁被膜を具える被覆粒子からなる被覆粉末を好適に利用できる。被覆粉末を成形後、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理を施すことで圧粉成形体が得られる。絶縁被膜は、代表的には、シリコーン樹脂やリン酸塩などからなるものが挙げられる。
内側コア部31と外側コア部32とが異なる材質からなる形態とすることができる。例えば、内側コア部31を上述の圧粉成形体や積層体とし、外側コア部32を硬化成形体とすると、内側コア部31の飽和磁束密度を外側コア部32よりも高め易い。或いは、内側コア部31を硬化成形体とし、外側コア部32を上述の圧粉成形体や積層体とすると、外側コア部32の飽和磁束密度を内側コア部31よりも高め易く、漏れ磁束を低減し易い。ここでは、各コア片は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gは、インダクタンスの調整のためにコア片間に設けられる隙間に配置される板状材である。ギャップ材31gの構成材料は、アルミナやガラスエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなど、コア片よりも透磁率が低い材料、代表的には非磁性材料が挙げられる。或いは、ギャップ材31gとして、セラミックスやフェノール樹脂などの非磁性材料に磁性粉末(例えば、フェライト、Fe,Fe-Si,センダストなど)が分散した混合材料からなるものを用いると、ギャップ部分の漏れ磁束を低減できる。エアギャップとすることもできる。
コア片やギャップ材の個数は、リアクトル1Aが所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。また、コア片やギャップ材の形状は適宜選択することができる。ここでは、内側コア部31は複数のコア片31m及び複数のギャップ材31gから構成される形態を示すが、ギャップ材を一つ具える形態や、コア片の材質によってはギャップ材を具えていない形態とすることができる。また、外側コア部32は、一つのコア片から構成される形態、複数のコア片から構成される形態のいずれも取り得る。コア片を圧粉成形体で構成する場合、複数のコア片で内側コア部や外側コア部を構成する形態とすると、各コア片を小さくできるため、成形性に優れる。
上記コア片同士の一体化やコア片31mとギャップ材31gとの一体化には、例えば、接着剤や接着テープなどを利用できる。内側コア部31の形成に接着剤を用い、内側コア部31と外側コア部32との接合に接着剤を用いない形態としてもよい。
或いは、絶縁性材料からなる熱収縮チューブや常温収縮チューブを利用して、内側コア部31を一体化してもよい。この場合、上述の絶縁性チューブは、コイル素子2a,2bと内側コア部31との間の絶縁材としても機能する。
或いは、環状に保持可能な帯状締付材を利用して磁性コア3を環状に一体化することができる。具体的には、環状に組み立てた磁性コア3の外周や組合体10の外周を帯状締付材で囲むことで磁性コア3を環状に保持できる。上記帯状締付材は、非磁性で、耐熱性に優れる材料からなるもの、例えば、市販の結束材(タイラップ(トーマスアンドベッツインターナショナルインクの登録商標)、ピークタイ(ヘラマンタイトン株式会社製結束バンド)、ステンレススチールバンド(パンドウイットコーポレーション製)など)を利用することができる。磁性コア3やコイル2と帯状締付材との間に緩衝材(例えば、ABS樹脂、PPS樹脂、PBT樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂やシリコーンゴムなどのゴムからなるもの)を介在させると、帯状締付材の締付力による磁性コア3やコイル2の損傷を防止できる。
その他、この例に示す磁性コア3は、内側コア部31の設置側の面と外側コア部32の設置側の面とが面一になっておらず、外側コア部32の設置側の面が内側コア部31よりも突出し、かつコイル2の設置側の面と面一である。従って、コイル2と磁性コア3との組合体10の設置側の面は、両コイル素子2a,2b及び外側コア部32で構成され、コイル2及び磁性コア3の双方が後述する接合層42(図2)に接触できるため、リアクトル1Aは、放熱性に優れる。また、組合体10の設置側の面がコイル2及び磁性コア3の双方で構成されることで底板部40との接触面積が十分に大きく、リアクトル1Aは、設置したときの安定性にも優れる。更に、コア片を圧粉成形体で構成することで、外側コア部32において内側コア部31よりも突出した箇所は磁束の通路に利用できる。
[インシュレータ]
この例に示すリアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3との間に介在されるインシュレータ5を更に具える。インシュレータ5の説明は、図4,図5を参照して行う。インシュレータ5は、コイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片50a,50bを組み合わせて一体にされる形態であり、内側コア部31を収納する筒状部51と、各コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される一対の枠板部52とを具える。筒状部51は、コイル素子2a,2bと内側コア部31とを絶縁し、枠板部52は、コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとを絶縁する。このインシュレータ5は、センサ7の収納部を具える。
各分割片50a,50bは、内側コア部31の軸方向に沿って、内側コア部31の各角部に配置される複数の棒状の支持部51a,51bを有する。支持部51a,51bはそれぞれ、枠板部52に立設され、分割片50a,50bを組み合わせることで、支持部51a,51bにより筒状部51を形成する。
インシュレータ5を構成する各分割片50a,50bは、互いに係合する係合部を有する。具体的には、支持部51a,51bの両端部は凹凸形状となっており、この凹凸は、分割片50a,50bを組み合わせたとき、図5(A)に示すように互いに係合する係合部として機能する。係合部は、分割片50a,50bの相互の位置決めができれば、特にその形状は問わない。ここでは、角張った段差形状としているが、波型のような曲線形状としてもよいし、ジグザグ形状などとしてもよい。係合部を有することで両分割片50a,50bを容易に位置決めでき、組立作業性に優れる。この例では、両分割片50a,50bを適切に位置決めできることで後述するセンサ7の収納部も適切に形成できることから、センサ7を所定の位置に配置できる。
また、この例では、内側コア部31の一部(主として角部)のみが筒状部51に覆われ、他部が露出されるように支持部51a,51bを構成している。そのため、例えば、封止樹脂を具える形態とする場合、内側コア部31と封止樹脂との接触面積を大きくできる上に、封止樹脂を流し込むときに気泡が抜け易く、リアクトル1Aの製造性に優れる。
また、この例では、内側コア部31の全長に亘り筒状部51が存在するように、支持部51a,51bの長さ(内側コア部31の軸方向に沿った長さ)を調整しているが、更に短くしてもよい。この場合、内側コア部31の外周に絶縁性材料からなる絶縁被覆層を形成すると、コイル素子2a,2bと内側コア部31との絶縁性を高められる。絶縁被覆層は、例えば、上述した熱収縮チューブなどの絶縁性チューブ、絶縁テープや絶縁紙などにより形成することができる。
また、この例では、各分割片50a,50bはそれぞれ、四本ずつ支持部51a,51bを具えるが、内側コア部31とコイル素子2a,2bとの間を絶縁できれば、3本以下(例えば、多角線上に配置される2本のみ)としてもよい。その他、筒状部は、例えば、コイル素子の2a,2bの軸方向と直交方向に分割された断面]状の部材が各枠板部にそれぞれ一体に形成され、両分割片を組み合わせて筒状となる形態とすることができる。
各枠板部52はそれぞれ、各内側コア部31がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部分である。
各枠板部52はそれぞれ、支持部51a,51bに加えて仕切り部53a,53bも具える。仕切り部53a,53bは、両分割片50a,50bをコイル2に組み付けたとき、両コイル素子2a,2b間に介在されるように配置され、枠板部52からコイル側に向かって突設されている。この仕切り部53a,53bにより、両コイル素子2a,2bは互いに接触せず、両コイル素子2a,2bを確実に絶縁できる。また、ここでは、両分割片50a,50bを組み合わせたとき、両分割片50a,50bの仕切り部53a,53bの対向箇所に接触箇所と非接触箇所とが設けられ、この非接触箇所に形成される空間をセンサ7の収納部として利用する。
一方の分割片50aに設けられた仕切り部53aは、図5(B)に示すように台形状板であり、図5(B)において上下方向(コイル2にインシュレータ5を組み付けたとき、コイル素子の軸方向及び横並び方向の双方に直交する方向)の中央部から、上方に向かって傾斜した端面:収納形成部54aと、傾斜した端面に連続し、上下方向に平行な直線的な端面(以下、直線端面と呼ぶ)とを具える。
他方の分割片50bに設けられた仕切り部53bは、図5(B)に示すようにL字状板であり、両分割片50a,50bを組み合わせたときに一方の分割片50aの直線端面と対向する直線端面と、収納形成部54aに沿って傾斜した端面:収納形成部54bとを具える。両収納形成部54a,54bは、両分割片50a,50bを組み合わせたとき、上述の傾斜した端面間に所定の間隔をあけて配置されるように設けられている。両収納形成部54a,54bによって斜めの空間(上下方向に対して、上記傾斜した端面の傾斜角に応じた角度を有する空間=上述の非接触箇所)が構成される。両収納形成部54a,54bにより構成される空間をセンサ7の収納部とする(図5(B))。
上記収納部にセンサ7を収納すると、他方の分割片50bの収納形成部54bにより、センサ7は、一方の分割片50aの収納形成部54a側に押さえられた状態になる。ここでは、センサ7の長さの半分以上を保持できるように、収納形成部54bのL字の突出長さを調整している。また、ここでは、両コイル素子2a,2b間において、コイル2の軸方向の中心を含む中心領域(ここでは、上記中心からコイル2の軸方向の長さの30%までの領域、即ち、上記中心を含んでコイル2の軸方向の長さの60%の領域)にセンサ7(感熱素子7a)が配置されるように収納形成部54a,54bを構成している。
インシュレータ5に一体成形された仕切り部53a,53bによりセンサ7の収納部を構成することで、収納部を具えることによる部品点数の増加を招くこともなく、当該収納部によりセンサ7を保持できて、センサ7の位置ずれを防止し易い。また、両コイル素子2a,2b間に仕切り部53a,53bが配置されることから、センサ7も両コイル素子2a,2b間に配置される。ここで、センサ7が温度センサである場合、高温になり易いコイル素子2a,2b間に当該センサを配置できることから、この形態は、コイル2の温度を適切に測定することができる。
仕切り部53a,53bの大きさは、適宜選択することができる。この例では、仕切り部53a,53bは、コイル素子2a,2bの軸方向のほぼ全域、かつ上下方向の一部のみに配置される構成(図5(B)では、下方側の領域に仕切り部が存在しない構成)としているが、例えば、図6に示すように両コイル素子間の上下方向の略全域に仕切り部が存在するように仕切り部53a,53bを形成することができる。
仕切り部53a,53bの形状も、適宜選択することができる。例えば、センサ7の収納部は、図6に示すように、センサ7がコイルの軸方向及びコイル素子の横並び方向の双方に直交するように(ここでは、上下方向に沿って)配置される収納部とすることができる。
より具体的には、図6に示すインシュレータ5は、一方の分割片50aの仕切り部53aをL字状とし、L字に配される二端面を収納形成部54aとし、他方の分割片50bの仕切り部53bを矩形板状とし、その端面を収納形成部54bとしている。両分割片50a,50bを組み合わせると、仕切り部53aの収納形成部54aと仕切り部53bの収納形成部54bとにより、上下方向に延びる断面矩形状の空間が設けられる。この空間に、図6に示すようにセンサ7を収納することができる。このインシュレータ5では、一方の分割片50aの収納形成部54aをつくる一端面(ここではコイルの軸方向に平行な面(図6では上向きの端面))をセンサ7の当て止めとして利用でき、この一端面の位置を調整することで、コイル素子2a,2b(図4など)の上下方向における所定の位置にセンサ7を配置することができる。図6に示すインシュレータ5は、図5に示すインシュレータ5よりも、センサ7の収納部への配置を容易に行える。
更に、図5に示す例では、他方の分割片50bにセンサ7に連結される配線71を掛止する配線掛止部55を具える。配線掛止部55の形状は、特に問わない。ここでは、仕切り部53bに対して直交方向に突出した帯状片としている。帯状片におけるコイルの軸方向に沿った長さは特に問わない。帯状片が短いと、収納部へのセンサ7の挿入に際して邪魔にならず、センサ7の挿入性に優れ、長いと、配線71をより確実に支持し易い。ここでは、上述の傾斜した収納部にセンサ7を収納し、センサ7の根元側から配線71をヘアピン状に折り返し、この折り返した配線71を配線掛止部55により支持できるように、配線掛止部55を設けている。このように配線71を折り返した状態にすることで、配線71が引っ張られても、センサ7が収納部から抜け難い。
別の配線掛止部として、例えば、以下が挙げられる。仕切り部53bから上下方向の上方に延びる突起を設け、この突起を配線71の掛止部に利用してもよい。この場合、突起に配線71を巻回することで、配線71を固定するとよい。或いは、仕切り部53bに、貫通孔(例えば、コイルの軸方向に沿った孔)を設け、この貫通孔を配線71の掛止部に利用してもよい。この場合、貫通孔に配線71を挿通することで、配線71の移動をある程度規制することができる。或いは、仕切り部53bに配線71を挟持可能な切欠や複数の突起を設け、これらの突起や切欠を配線71の掛止部に利用してもよい。この場合、これらの突起や切欠に配線71を挟み込むことで配線71を固定するとよい。その他、仕切り部53aや枠板部52の一部に貫通孔、突起、切欠などを設けてこれらを配線71の掛止部に利用してもよい。配線掛止部55の位置は、適宜選択することができる。また、配線掛止部を複数具えるインシュレータとしてもよいし、本例では、ケース4にも配線掛止部43(後述。図1,図2)を具えることから、配線掛止部55を具えていないインシュレータとしてもよい。
その他、他方の分割片50bは、コイル連結部2rが載置され、コイル連結部2rと外側コア部32との間を絶縁するための台座52pも具える。台座52pは、分割片50bの枠板部52において、上記仕切り部53bとは逆の方向(図5(B)では右方側)に突出している。即ち、分割片50bの枠板部52は、一方(図5(B)では左方側)に仕切り部53bが突出し、他方に台座52pが突出している。
その他、両分割片50a,50bの枠板部52において、外側コア部32と接する側の面に外側コア部32の位置決めをする位置決め突起(図示せず)を設けると、組立作業性に優れる。位置決め突起を省略してもよい。
インシュレータ5の構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。インシュレータ5は、射出成形などにより、複雑な形状であっても容易に成形することができる。
[ケース]
ケース4の説明は、図2を参照して行う。ケース4は、コイル2と磁性コア3との組合体10が載置される平板状の底板部40と、底板部40に立設する枠状の側壁部41とを具える。このケース4は、底板部40と側壁部41とが一体に成形されておらず、それぞれ独立した部材であり、固定材により一体化される。また、底板部40は、その一面(内面)に接合層42を具え、この接合層42によってコイル2を底板部40に固定する。そして、リアクトル1Aは、側壁部41が絶縁性樹脂により成形されている点、この側壁部41に、センサ7(図5など)に繋がる配線71の端部に設けられたコネクタ部72を掛止するコネクタ掛止部44が一体に成形されている点を最大の特徴とする。また、ここでは、側壁部41には、配線71を掛止する配線掛止部43も一体に成形されている。
(底板部)
底板部40は、矩形状板であり、リアクトル1Aが設置対象に設置されるときに設置対象に接して固定される。ここでは、底板部40が下方となる設置状態を示すが、底板部40が上方、或いは側方となる設置状態も有り得る。底板部40の外形は適宜選択することができる。ここでは、底板部40は、四隅のそれぞれから突出した取付部400を有する。後述する側壁部41も取付部411を有しており、底板部40と側壁部41とを組み合わせてケース4を形成した場合、この取付部400は、側壁部41の取付部411と重なる。各取付部400,411にはそれぞれ、設置対象にケース4を固定するボルト(図示せず)が挿通されるボルト孔400h,411hが設けられている。底板部40のボルト孔400hと側壁部41のボルト孔411hとは連続するように設けられている。ボルト孔400h,411hは、ネジ加工が成されていない貫通孔、ネジ加工がされたネジ孔のいずれも利用でき、個数なども適宜選択することができる。
或いは、側壁部41が取付部を具えておらず、底板部40のみが取付部400を具える形態としてもよい。この形態の場合、底板部40の取付部400が側壁部の外形から突出するように底板部40の外形を形成する。或いは、側壁部41のみが取付部411を有し、底板部40が取付部を有しない形態としてもよい。この形態の場合、側壁部41の取付部411が底板部40の外形から突出するように側壁部41の外形を形成する。
底板部40は、金属材料といった導電性材料から構成されることが好ましい。金属材料は一般に熱伝導率が高いことから、放熱性に優れる底板部40とすることができ、接合層42を介してコイル2が接合される底板部40が放熱性に優れることで、底板部40を介してコイル2の熱を効率よく設置対象に伝えられ、放熱性に優れるリアクトルとすることができる。特に、コイル2の近傍に配置されることから、上記金属材料は、非磁性金属が好ましい。
具体的な金属は、例えば、アルミニウム(熱伝導率:237W/m・K)やその合金、マグネシウム(156W/m・K)やその合金、銅(398W/m・K)やその合金、銀(427W/m・K)やその合金、鉄(80W/m・K)やオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304:16.7W/m・K)が挙げられる。上記アルミニウムやマグネシウム、その合金を利用すると、軽量なケースとすることができ、リアクトルの軽量化に寄与することができる。特に、アルミニウムやアルミニウム合金は、耐食性に優れ、マグネシウムやマグネシウム合金は制振性に優れるため、車載部品に好適に利用できる。金属材料により底板部40を形成する場合、ダイキャストといった鋳造やプレス加工(代表的には打ち抜き)などにより形成することができる。
底板部40を導電性材料により形成する場合、アルマイト処理などの陽極酸化処理を施して、その表面に極薄い絶縁被膜(厚さ:1μm〜10μm程度)を具えた形態とすると、コイル2との間の絶縁性を高められる。
(側壁部)
側壁部41は、矩形枠状体であり、一方の開口部を底板部40により塞いでケース4を組み立てたとき、上記組合体10の周囲を囲むように配置され、他方の開口部が開放される。ここでは、側壁部41は、リアクトル1Aを設置対象に設置したときに設置側となる領域が上記底板部40の外形に沿った矩形状であり、開放された開口側の領域がコイル2と磁性コア3との組合体10の外周面に沿った曲面形状である。
また、ここでは、側壁部41の開口側の領域には、組合体10の各外側コア部32の台形状面を覆うように庇部410を具える。一方の庇部(図2において左側)は、端子金具8が端子固定部材9によって固定されて端子台として利用され、他方の庇部410に配線掛止部43及びコネクタ掛止部44が設けられている。従って、ケース4に収納された組合体10は、図1に示すようにコイル2が露出され、磁性コア3は実質的にケース4の構成材料に覆われる。庇部410を具えることで、(1)耐振動性の向上、(2)ケース4(側壁部41)の剛性の向上、(3)磁性コア3(外側コア部32)の外部環境からの保護や機械的保護、(4)組合体10の脱落防止、といった種々の効果が得られる。また、ここでは、庇部410を掛止部43,44の形成箇所として利用することができる。庇部410を省略して、コイル2と、一方或いは両方の外側コア部32の台形状面の少なくとも一部とが露出される形態(後述する実施形態5(図9)では一方の外側コア部32の台形状面の一部が露出された形態)とすることができる。
側壁部41は、樹脂、特に絶縁性樹脂から構成される。具体的な樹脂は、PBT樹脂、ウレタン樹脂、PPS樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。側壁部41が絶縁性樹脂で構成されることでコイル2とケース4との間の絶縁性を高められることから、ケース4を組み立てた状態において、コイル2の外周面と側壁部41の内周面とを近接させることができる。ここでは、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔は、0mm〜1.0mm程度と非常に狭い。また、側壁部41を樹脂製とすることで、庇部410や掛止部43,44を具えるといった複雑な立体形状であっても、射出成形などにより容易に成形可能である。特に、この例では、側壁部41の全体を樹脂製とすることで、側壁部41の一部が異なる材料からなる場合と比較して、形成が容易である上に、リアクトル1Aを軽量にできる。上記樹脂に後述するセラミックスからなるフィラーを混合した形態とすると、側壁部41の放熱性を高められ、放熱性に優れるケースにすることができる。
ここでは、底板部40をアルミニウム合金により構成し、側壁部41をPBT樹脂により構成しており、底板部40の熱伝導率が側壁部41よりも十分に高い。
〔コネクタ掛止部〕
側壁部41は、一方(図2において右側)の庇部410に、センサ7(図5)に連結されたコネクタ部72が掛止されるコネクタ掛止部44を具える。コネクタ掛止部44は、ここでは、図3(A)に示すように、コネクタ部72の爪部721が掛止されるΠ字状のスライダ台441と、突起722が掛止されるフック442とを具える。また、ここでは、コネクタ掛止部44は、図3(A)において手前側から紙面奥に向かってコネクタ部72をスライドできるように、コイルの横並び方向に平行に配置されている。上述のようにコネクタ掛止部44の形状は、コネクタ部72の形状に応じて適宜選択することができる。また、配置位置や配置方向についても適宜選択することができ、図2は一例である。ここでは、一方の庇部410は、一方の外側コア部32を覆う箇所と、コイル連結部2rを覆う箇所とを具え、外側コア部32を覆う箇所よりもコイル連結部2rを覆う箇所が高くなった段差形状となっている。コネクタ掛止部44は、庇部410において低い方の段、つまり、外側コア部32を覆う箇所に設けられている。この構成によって、コネクタ掛止部44にコネクタ部72が掛止された場合(図1)にも、嵩を小さくすることができる。その他、例えば、図1においてコイル連結部2r側の庇部410ではなく、端子金具8を配置する端子台側にコネクタ掛止部を形成することができる。
〔配線掛止部〕
側壁部41は、一方(図2において右側)の外側コア部32を覆う庇部410に、センサ7(図5)に連結される配線71を掛止する配線掛止部43を具える。
配線掛止部43の形状、個数、配置位置は適宜選択することができる。ここでは、一方の庇部410においてコイル連結部2rを覆う箇所に設けたL字状の溝を配線掛止部43としている。この溝は、配線71の太さに応じた幅や深さとしており、配線71を嵌め込むことで、配線71の一部(溝の長さに応じた長さ及び溝の深さに応じた領域)を保持できる上に、配線71を溝の向きに応じた方向に配置することができる。つまり、この溝によって配線71をある程度位置決めできる。この溝の形状や長さ、深さは適宜選択することができ、例えば、後述する図8に示すような直線状、その他、波型や弓形などの曲線状とすることができる。また、このような溝を具える配線掛止部の個数も適宜選択することができ、後述する図8(B)に示すように複数具える形態とすることができる。
ここでは、配線掛止部43を構成する溝は、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部との接続に配線71が邪魔にならないように設けている。具体的には、配線71においてコネクタ部72との連結側は、U字状に屈曲され、センサ7(図5)の連結側がコネクタ部72の開口部から遠ざかって当該配線71が配置されるように、上記溝をL字状に設けている。このように上記溝を設けることで、コイル素子2a,2b間から引き出された配線71は、庇部410の上方空間に配置されるものの、コネクタ部72の開口部を横切ることがなく、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部とを容易に接続することができる。
その他、例えば、配線掛止部は、C字状片やL字状片、上述したインシュレータ5に設ける配線掛止部と同様に、貫通孔や少なくとも一つの突起、これらの組み合わせなどとすることができる。C字状片やL字状片は、配線を引っ掛けることで、配線を掛止できる。貫通孔は、配線を挿通することで掛止でき、配線が抜け落ち難い。一つの突起の場合、上述のように配線を巻回することで配線を掛止でき、複数の突起の場合、所望の間隔をあけて一直線状、又は千鳥状に並べて、これらの突起の間隔を調整することで上述のように配線を挟持できる。また、C字状片やL字状片などに更に突起を設けることもできる(後述する実施形態5(図9)参照)。配線掛止部の形成位置は、ケース4の開口部をつくる周縁(ここでは庇部410の周縁やコイル2の軸に平行な周縁)の任意の位置に設けることができる。この周縁からコイル2の上方空間に突出するように、或いはケース4の外方やケース4の上方空間に突出するように配線掛止部を設けることができる。前者の場合、配線がケースから突出せず、リアクトルを小型にでき、後者の場合、配線の掛止作業が行い易い。所望の形状の配線掛止部を一つ、又は複数具えることができる。複数の配線掛止部を側壁部に設ける場合、複数の異なるセンサの配線を掛止可能な形態とすることができる。センサの数に応じて、配線掛止部の個数を変更するとよい。或いは、一つのセンサの配線を複数の配線掛止部によって掛止可能な形態とすることもできる。この形態は、配線をより確実に保持できる。複数のL字状片やC字状片、貫通孔を設ける場合、互いに開口部の向きや孔の向きを異ならせると、配線を蛇行させて掛止できるため、配線を強固に固定し易い。
〔取付部〕
側壁部41の設置側の領域は、底板部40と同様に、四隅のそれぞれから突出する取付部411を具え、各取付部411には、ボルト孔411hが設けられて、取付箇所を構成している。ボルト孔411hは、側壁部41の構成材料のみにより形成してもよいし、別材料からなる筒体を配置させて形成してもよい。例えば、上記筒体として、真鍮、鋼、ステンレス鋼などの金属からなる金属管を利用すると強度に優れ、樹脂のみから構成される場合に比較してクリープ変形を抑制できる。ここでは、金属管を配置してボルト孔411hを形成している。
〔端子台・端子金具〕
側壁部41は、他方(図2において左側)の庇部410に巻線2wの各端部がそれぞれ接続される一対の端子金具8が固定される。
各端子金具8は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金といった導電性材料からなる板材を適宜屈曲して形成されたL字状の導電部材である。各端子金具8の一端側に、巻線2wの端部が半田や溶接などにより接合される接合部81を有し、他端側に、電源などの外部装置を接続するためのボルトといった連結部材が嵌め込まれる貫通孔を有し、中央部分(図示せず)が側壁部41に固定される。
図2に示す端子金具8の形状は、例示であり、接合部と、外部装置との接続箇所と、側壁部41への固定箇所とを少なくとも具えていれば、適宜変更することができる。ここでは、各接合部81を平板状としているが、U字状などとすることができる。後者の場合、U字状の空間に巻線の端部を介在させて、隙間に半田を流し込んだり、かしめた後、TIG溶接などの溶接、圧着、半田付けなどを行ったりすることができる。
端子台となる庇部410には、端子金具8の中央部分が配置される凹溝(図示せず)が形成され、凹溝には、端子金具8を位置決めする位置決め突起(図示せず)が設けられ、端子金具8にはこの突起が嵌め込まれる位置決め孔(図示せず)を具える。端子金具8が位置決め可能であれば、位置決め突起及び位置決め孔の形状、個数、配置位置は特に問わない。位置決め突起及び位置決め孔を有しない形態としてもよいし、端子金具に突起、端子台に孔を有する形態でもよい。
上記凹溝に嵌め込まれた端子金具8は、その上方を端子固定部材9により覆われ、端子固定部材9をボルト91により締め付けることで、端子台が構成される。端子固定部材9の構成材料には、側壁部41と同様の絶縁性樹脂を好適に利用することができる。或いは、端子金具8の中央部分を予め絶縁性樹脂により覆った成形品を形成し、この成形品を側壁部41に固定する形態とすることができる。
なお、側壁部41を絶縁性樹脂で構成することから、端子固定部材9及びボルト91の使用に代えて、端子金具8をインサート成形することにより、側壁部、端子金具8、端子台を一体とした形態とすることができる。この形態は、部品点数及び組立工程数が少なく、リアクトルの生産性に優れる。
(連結方法)
底板部40と側壁部41とを一体に接続するには、種々の固定材を利用できる。固定材は、例えば、接着剤やボルトといった締結部材が挙げられる。ここでは、底板部40及び側壁部41にボルト孔(図示せず)を設け、固定材にボルト(図示せず)を利用し、このボルトをねじ込むことで、両者を一体化している。
(接合層)
底板部40は、ケース4を組み立てたとき、内側に配置される一面において、少なくともコイル2の設置側の面が接触する箇所に接合層42を具える。
接合層42は、絶縁性材料からなる単層構造とすると容易に形成できる上に、底板部40が金属製でも、コイル2と底板部40との間を絶縁できる。接合層42を絶縁性材料からなる多層構造とすると、絶縁性をより高められる。同材質の多層構造の接合層とする場合、一層あたりの厚さを薄くできる。薄くすることでピンホールが存在しても、隣接する別の層によりピンホールを塞ぐことで絶縁を確保できる。一方、異種材質の多層構造の接合層とすると、コイル2と底板部40との絶縁性、両者の密着性、コイル2から底板部40への放熱性などの複数の特性を兼備できる。この場合、少なくとも一層の構成材料は、絶縁性材料とする。
接合層42は、その合計厚さが厚いほど絶縁性を高められ、薄いほど放熱性を高められる傾向にある上に、コイル2と底板部40との間隔が短く、小型なリアクトルとすることができる。構成材料にもよるが、例えば、接合層42の合計厚さを2mm未満、更に1mm以下、特に0.5mm以下とすることができる。或いは、後述するように熱伝導性に優れる材料により接合層42を構成する場合には、例えば、合計厚さを1mm以上としても放熱性に優れる。また、熱伝導率が低い材料(例えば、1W/m・K以下)で接合層42が構成されている場合でも、上述のように合計厚さを薄くすることで(好ましくは0.5mm以下)、放熱性に優れる。なお、ここでの接合層42の厚さとは、形成直後の厚さである。組合体10を載置した後では、接合層42の厚さが薄くなる(例えば、0.1mm程度)となる場合がある。
接合層42は、少なくともコイル2の設置側の面が十分に接触可能な面積を有していれば、特に形状は問わない。ここでは、接合層42は、図2に示すように、組合体10の設置側の面、即ち、コイル2及び外側コア部32の双方の設置側の面がつくる形状に沿った形状としている。従って、コイル2及び外側コア部32の双方が接合層42に十分に接触できる。
特に、接合層42は、コイル2の設置側の面が接する表面側に絶縁性材料からなる接着層を具え、底板部40に接する側に熱伝導性に優れる材料からなる放熱層を具える多層構造とすると、放熱性に優れる。ここでは、接合層42は、接着層と放熱層とを具える多層構造である。
接着層は、接着強度に優れる材料を好適に利用できる。例えば、接着層は、絶縁性接着剤、具体的には、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などにより構成することができる。接着層の形成は、例えば、放熱層の上に塗布したり、スクリーン印刷を利用したりすることが挙げられる。接着層にシート状接着剤を利用してもよい。シート状接着剤は、単層構造、積層構造のいずれの場合も、所望の形状の接着層或いは接合層を容易に形成することができる。ここでは、接着層は、絶縁性接着剤の単層構造としている。
放熱層は、放熱性に優れる材料、好ましくは熱伝導率が2W/m・K超の材料を好適に利用できる。放熱層は、熱伝導率が高いほど好ましく、3W/m・K以上、特に10W/m・K以上、更に20W/m・K以上、とりわけ30W/m・K以上の材料により構成されることが好ましい。
放熱層の具体的な構成材料は、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料は一般に熱伝導率が高いものの導電性材料であり、上記接着層の絶縁性を高めることが望まれる。また、金属材料からなる放熱層は重くなり易い。一方、放熱層の構成材料として、金属元素,B,及びSiの酸化物、炭化物、及び窒化物から選択される一種の材料といったセラミックスなどの非金属無機材料を利用すると、放熱性に優れる上に、電気絶縁性にも優れて好ましい。より具体的なセラミックスは、窒化珪素(Si3N4):20W/m・K〜150W/m・K程度、アルミナ(Al2O3):20W/m・K〜30W/m・K程度、窒化アルミニウム(AlN):200W/m・K〜250W/m・K程度、窒化ほう素(BN):50W/m・K〜65W/m・K程度、炭化珪素(SiC):50W/m・K〜130W/m・K程度などが挙げられる。上記セラミックスにより放熱層を形成するには、例えば、PVD法やCVD法といった蒸着法を利用したり、上記セラミックスの焼結板などを用意して、適宜な接着剤により、底板部40に接合したりすることが挙げられる。
或いは、放熱層の構成材料は、上記セラミックスからなるフィラーを含有する絶縁性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)が挙げられる。この材料は、放熱性及び電気絶縁性の双方に優れる放熱層が得られる。また、この場合、放熱層及び接着層の双方が絶縁性材料で構成される、即ち、接合層全体が絶縁性材料で構成されるため、この接合層は絶縁性に更に優れる。上記絶縁性樹脂が接着剤であると、放熱層と接着層との密着性に優れ、この放熱層を具える接合層は、コイル2と底板部40との間を強固に接合できる。接着層及び放熱層を構成する接着剤を異種としてもよいが、同種である場合、密着性に優れる上に接合層の形成が容易である。上記フィラー入りの絶縁性接着剤により接合層全体を形成してもよい。この場合、接合層は、単一種の材質からなる多層構造となる。
上記フィラー入り樹脂により放熱層を形成するには、例えば、底板部40に塗布したり、スクリーン印刷したりなどすることで容易に形成できる。
或いは、放熱層は、放熱性に優れるシート材とし、適宜な接着剤により底板部40に接合することでも形成できる。
放熱層は、単層構造でも多層構造でもよい。多層構造とする場合、少なくとも一層の材質を異ならせてもよい。例えば、放熱層は、熱伝導率が異なる材質からなる多層構造とすることができる。
放熱層を具える形態は、放熱層により放熱性を確保できるため、封止樹脂を具える形態とする場合、利用可能な封止樹脂の選択の自由度を高められる。例えば、フィラーを含有していない樹脂など、熱伝導性に劣る樹脂を封止樹脂に利用できる。
ここでは、放熱層は、アルミナからなるフィラーを含有するエポキシ系接着剤により形成されている(熱伝導率:3W/m・K以上)。従って、ここでは、接合層全体が絶縁性接着剤により構成されている。また、ここでは、放熱層は、上記フィラー入り接着剤からなる二層構造で形成され、一層の厚さを0.2mm、合計0.4mmとしている(接着層との合計厚さ:0.5mm)。放熱層は、三層以上としてもよい。
[その他のケース収納部材]
その他、一方の外側コア部32の背面をケース4の側壁部41に接触させ、他方の外側コア部32の背面と側壁部41との間に、他方の外側コア部32を一方の外側コア部32側に押圧する部材(例えば、板ばね)を挿入した構成とすると、振動や衝撃などの外的要因によってギャップ長が変化することを防止できる。上記押圧部材を利用する形態では、ギャップ材31gとして、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性材料で構成された弾性ギャップ材とすると、ギャップ材31gが変形することでギャップ長を調整したり、ある程度の寸法誤差を吸収可能である。
また、温度センサの他、電流センサなどの複数種の物理量測定センサをケース4に収納することができる。複数のセンサを具える場合、複数の配線掛止部やコネクタ掛止部を側壁部に設けるとよい。
[封止樹脂]
ケース4内に絶縁性樹脂からなる封止樹脂(図示せず)を充填した形態とすることができる。この場合、巻線2wの端部は、封止樹脂から露出させ、巻線2wの端部と端子金具8とを溶接や半田などで接合できるようにする。或いは、上記溶接などの接合後、巻線2wの端部と端子金具8とを埋設するように封止樹脂を充填してもよい。封止樹脂の充填量は、適宜選択することができる。コイル2の上面の全面が封止樹脂により埋設された形態としてもよいし、上面を封止樹脂から露出させた形態としてもよい。
上記封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、絶縁性及び熱伝導性に優れるフィラー、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する封止樹脂とすると、放熱性を更に高められる。
ケース4内に封止樹脂を充填する場合、未硬化の樹脂が底板部40と側壁部41との隙間から漏れることを防止するために、パッキン6を配置することが挙げられる。ここでは、パッキン6は、コイル2と磁性コア3との組合体10の外周に嵌合可能な大きさを有する環状体であり、合成ゴムから構成されるものを利用しているが、適宜な材質のものが利用できる。ケース4の側壁部41の設置面側には、パッキン6を配置するパッキン溝(図示せず)を有する。底板部40と側壁部41とを接着剤により一体化する場合、当該接着剤によって両者間を密閉できるため、上記封止樹脂の漏洩防止にも寄与することができることから、パッキン6を省略することができる。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトル1Aは、代表的には、組合体10の準備,側壁部41の準備,底板部40の準備⇒コイル2の固定⇒側壁部41の配置⇒ケース4の組立⇒端子金具と巻線2wとの接合⇒コネクタ部72の固定・センサ7の配置・配線71の掛止(⇒封止樹脂の充填)という工程により製造することができる。
[組合体の準備]
まず、コイル2と磁性コア3との組合体10の作製手順を説明する。具体的には、図4に示すようにコア片31mやギャップ材31gを積層した内側コア部31とインシュレータ5の一方の分割片50aとを各コイル素子2a,2bに挿入する。ここでは、コア片31mとギャップ材31gとの積層体の外周面を接着テープにより連結して内側コア部31を柱状に作製している。次に、コイル素子2a,2bの他方の端面に、インシュレータ5の他方の分割片50bを挿入する。このとき、分割片50bの支持部51bをガイドとして利用することができる。なお、コア片31mとギャップ材31gとを接着テープや接着剤などで一体化せず、ばらばらの状態としてもよい。この場合、一部のコア片31m及びギャップ材31gを一方の分割片50aで支持し、他部のコア片31m及びギャップ材31gを他方の分割片50bで支持して、各コイル素子2a,2bに挿入するとよい。両分割片50a,50bの支持部51a,51bの凹凸を係合することで、両分割片50a,50bを相互に位置決めする。
次に、インシュレータ5の枠板部52を挟むように外側コア部32を配置して、組合体10を形成する。このとき、内側コア部31の端面31eは、枠板部52の開口部から露出されて外側コア部32の内端面32eに接触する。両コイル素子2a,2b間には、インシュレータ5の仕切り部53a,53bが介在される。また、仕切り部53a,53bの収納形成部54a,54bにより、センサ7(図5)の収納部となる空間が構成される。
[側壁部の準備]
射出成形などにより所定の形状に構成した側壁部41の凹溝に、端子金具8、端子固定部材9を順に配置してボルト91を締め付け、図2に示すように端子金具8が固定された側壁部41を用意する。上述のように、端子金具8が側壁部に一体に成形されたものを用意してもよい。
[底板部の準備、コイルの固定]
図2に示すようにアルミニウム合金板を所定の形状に打ち抜いて底板部40を形成し、一面に所定の形状の接合層42を形成して(ここではスクリーン印刷)、接合層42を具える底板部40を用意する。ここでは、側壁部41を取り外した状態で接合層42の形成が可能であり、接合層42の形成作業が行い易く、作業性に優れる。そして、この接合層42の上に、組み立てた組合体10を載置し、その後、接合層42を適宜硬化して組合体10を底板部40に固定する。
接合層42により、コイル2を底板部40に密着できると共に、コイル2と外側コア部32との位置が固定され、ひいては一対の外側コア部32に挟まれた内側コア部31も位置が固定される。従って、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤で接合したり、コア片31mやギャップ材31gを接着剤や接着テープなどで接合して一体化していなくても、接合層42により、内側コア部31及び外側コア部32を具える磁性コア3を環状に一体化できる。また、接合層42が接着剤により構成されることで、組合体10は、接合層42に強固に固定される。
接合層42は、組合体10の配置の直前に形成してもよいが、予め接合層42を形成しておいた底板部40を利用してもよい。後者の場合、組合体10を配置するまでの間に接合層42に異物などが付着しないように離型紙を配置しておくとよい。放熱層のみ予め形成しておき、組合体10の配置の直前に接着層のみを形成してもよい。
[側壁部の配置]
端子金具8を具える側壁部41を、上記組合体10の外周面を囲むように組合体10の上方から被せ、底板部40の上に配置する。上述のように側壁部41を組合体10の上方から被せると、側壁部41の庇部410は、組合体10の各外側コア部32において上方側に配置された台形状面をそれぞれ覆う。庇部410は、外側コア部32を覆うことで当たり止めとなり、組合体10に対する側壁部41の位置決めとして機能する。側壁部41を組合体10の周囲に配置してから、端子金具8を側壁部41に固定してもよい。
[ケースの組立]
ここでは、別途用意したボルト(図示せず)により、底板部40と側壁部41とを一体化する。この工程により、図1に示すように箱状のケース4が組み立てられると共に、ケース4内に組合体10が収納された状態とすることができる。また、端子金具8の接合部81と巻線2wの端部とが対向配置された状態、コイル素子2a,2b間の上方にインシュレータ5の配線掛止部55が配置された状態にすることができる。上記工程により、センサ7を具えていないリアクトル1Aが形成される。
[端子金具と巻線との接合]
巻線2wの端部と端子金具8の接合部81とを溶接や半田、圧着などにより接合して、両者を電気的に接続する。なお、端子金具8と巻線2wとの接合と、後述するコネクタ部72の固定・センサ7の配置・配線71の掛止とは、いずれを先に行ってもよい。
[コネクタ部の固定・センサの配置・配線の掛止]
コネクタ部72の固定、センサ7の収納、配線71の掛止はいずれを先に行ってもよいが、後述するようにコネクタ部72の固定を行った後、センサ7の収納や配線71を掛止する方がセンサ7の位置がずれ難く、センサ7を所定の位置に配置した状態を維持し易い。そこで、まず、センサ7に連結されるコネクタ部72をケース4の側壁部41のコネクタ掛止部44に掛止する。ここでは、上述のように、図2,図3(A)において手前側から紙面奥に向かって、コネクタ部72の開口側が手前、配線71の連結側が進行方向前方となるように、コネクタ部72をスライダ台441にスライドさせ、突起722(図3(B))をフック442(図3(A))に掛止する。
次に、センサ7をインシュレータ5の両分割片50a,50bの収納形成部54a,54b(図5(B))がつくる空間(収納部)に挿入配置する。このとき、図5(B)に示すようにインシュレータ5の他方の分割片50bの仕切り部53bの端面を当て止めとしてセンサ7を差し入れる。収納部に挿入されたセンサ7は、上述のように両コイル素子2a,2bの横並び方向、及び軸方向の双方に直交する方向(図5(B)において上下方向)に対して、仕切り部53a,53bの収納形成部54a,54bの傾斜に応じた傾斜を持って配置される。
そして、センサ7に連結される配線71をインシュレータ5の配線掛止部55及びケース4の側壁部41の配線掛止部43に掛止する。ここでは、複数の配線掛止部55,43に配線71を掛止することで、配線71をより確実に固定できる。また、上述のようにセンサ7の挿入方向から折り返して配線71を取り回して掛止する構成とすることで、センサ7が抜ける方向に配線71が引っ張られた場合でも、インシュレータ5の他方の分割片50bの仕切り部53bが押さえとなって、センサ7が収納部から抜け落ちることを防止できる。上記工程により、封止樹脂を有しないリアクトル1Aが形成される。なお、配線71を掛止部55,43に掛止しながら、センサ7を収納してもよい。
[封止樹脂の充填]
ケース4内に封止樹脂(図示せず)を充填して硬化することで、封止樹脂を具えるリアクトルを形成することができる。この形態では、センサ7や配線71も封止樹脂で固定できる。配線71やコネクタ部72は上述のように掛止部55,43,44に掛止されているため、樹脂の充填の際に配線71やコネクタ部72が邪魔になることがない。なお、この形態では、端子金具8と巻線2wの端部との接合を封止樹脂の充填後に行ってもよい。
≪用途≫
上記構成を具えるリアクトル1Aは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
≪効果≫
上記構成を具えるリアクトル1Aは、センサ7に連結されるコネクタ部72をケース4の側壁部41に具えるコネクタ掛止部44に掛止することで、コネクタ部72の移動を規制でき、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部との接続を安定して行うことができる。また、リアクトル1Aは、コネクタ部72がケース4に固定されていることで、コネクタ部72が引っ張られることで配線71やセンサ7までも引っ張って、センサ7の位置ずれや脱落、損傷などが生じることを防止できる。特に、コネクタ掛止部44をケース4に一体に具えるため、コネクタ部72の固定にあたり、別途、部材が不要であり、リアクトル1Aは、部品点数が増加することも無い。また、側壁部41を樹脂で構成していることで、コネクタ掛止部44も射出成形などにより容易に成形することができる。
更に、リアクトル1Aでは、コネクタ掛止部44に加えて、センサ7の配線71を掛止可能な配線掛止部43をケース4の側壁部41に具えて、配線71を掛止することで、配線71の移動も規制でき、配線71の引き回しによるセンサ7の位置ずれや脱落、損傷などを効果的に防止することができる。また、配線71が余長を有する場合でも配線71自体が乱雑に引き回されて絡まる恐れも低減できる。加えて、リアクトル1Aは、ケース4だけでなく、インシュレータ5にも配線掛止部55を具えることで、複数の配線掛止部43,55により配線71の移動を規制できることからも、センサ7の位置ずれや脱落を効果的に防止できる。従って、リアクトル1Aは、センサ7を所定の位置に長期に亘り維持することができる。更に、リアクトル1Aは、所定の位置に配置されたセンサ7により所望の物理量(ここではコイル2の温度)を適切に測定可能であり、測定した物理量に基づき、フィードバック制御などを良好に行うことができる。
また、リアクトル1Aでは、インシュレータ5にセンサ7の収納部を具えることで、センサ7を所定の位置に容易に位置決めすることができる。従って、リアクトル1Aは、センサ7を所定の位置に適切に配置できる上に、コネクタ掛止部44や配線掛止部43を具えることによりその配置位置を長期に亘り維持することができる。
また、配線掛止部43,55も、ケース4の側壁部41やインシュレータ5自体に一体に成形されていることで、配線掛止部が別部材である場合と比較して部品点数が少ない上に、樹脂の射出成形などにより容易に成形可能であるため、リアクトル1Aは、生産性に優れる。
その他、実施形態1のリアクトル1Aは、以下の効果を奏する。
(1) ケース4を具えることから、組合体10に対して外部環境からの保護及び機械的保護を図ることができる。
(2) ケース4を具えていながらも、側壁部41を樹脂(特に絶縁性樹脂)により構成していることで軽量である上に、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔を、導電性材料からなる側壁部を用いた場合に比較して狭められるため、小型にできる。
(3) インシュレータ5を具えることで、コイル2と磁性コア3との間の絶縁性を高められる。
(4) 熱伝導率が2W/m・K超といった熱伝導性に優れる放熱層を含む接合層42が金属材料からなる底板部40とコイル2との間に介在されることで、使用時、コイル2及び磁性コア3の熱を、底板部40及び放熱層を介して、冷却ベースといった設置対象に効率よく伝えられる。従って、封止樹脂の有無、封止樹脂の材質によらず、放熱性に優れる。接合層42の全体を熱伝導率が2W/m・K超の絶縁性材料で構成すると、放熱性により優れるリアクトルとすることができる。
(5) コイル2が接する底板部40がアルミニウムなどの熱伝導性に優れる材料により構成されているため、放熱性に更に優れる。
(6) 底板部40が金属材料(導電性材料)により構成されているものの、接合層42の少なくともコイル2との接触箇所が絶縁性材料により構成されていることから、接合層42が例えば0.1mm程度と非常に薄くてもコイル2と底板部40との間の絶縁性を確保することができる。特に、この例では、接合層42の全体を絶縁性材料により構成していることで、接合層42の厚さが薄くても、コイル2と底板部40との間を十分に絶縁できる。
(7) 接合層42が薄いことからも、コイル2などの熱を底板部40を介して設置対象に伝え易く、リアクトル1Aは放熱性に優れる。
(8) 接合層42の全体が絶縁性接着剤により構成されることで、コイル2や磁性コア3と接合層42との密着性に優れることからも、コイル2などの熱を接合層42に伝え易く、リアクトル1Aは放熱性に優れる。
(9) 巻線2wとして、被覆平角線を利用することで、コイル2と接合層42との接触面積が十分に広いことからも、放熱性に優れる。
(10) 接合層42が薄いことで、コイル2と底板部40との間隔を狭められるため、小型である。
(11) 底板部40と側壁部41とを独立した別部材とし、組み合わせて固定材により一体とする構成であることから、コネクタ掛止部44や配線掛止部43を具えていても、組合体10を容易にケース4に収納することができる。
(12) 側壁部41を取り外した状態で底板部40に接合層42を形成できることから、接合層42を容易に形成でき、生産性に優れる。
(変形例1)
上述した実施形態1では、インシュレータ5がコイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片50a,50bにより構成される形態について説明した。その他、枠板部と筒状部とが別部材である形態とすることができる。筒状部は、例えば、上下方向に分割可能な一対の断面]状の部材を組み合わせて筒状にする構成とすると、内側コア部31の外周に容易に配置でき、組立作業性に優れる。筒状部を構成する各部材にも係合部を具えると、相互の位置決めを容易にできる。但し、筒状部は、コイル素子と内側コア部との間に所定の距離を維持できれば、上記]状の部材が必ずしも一体化されなくてもよい。また、上述のように絶縁性チューブなどにより筒状部を構成してもよい。一方、一対の枠板部にはそれぞれ、実施形態1のように仕切り部53a,53bを設けると、センサの収納部や配線掛止部を構成できる上に、両コイル素子間を絶縁することができる。
(実施形態2〜5)
以下、図7〜図9を参照して、実施形態2〜5のリアクトル1B〜1Eを説明する。リアクトル1B〜1Eの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1Aと同様であり、コネクタ掛止部44に関連する構成に相違点がある。以下、この相違点のみを説明し、実施形態1に重複する構成及び効果は、説明を省略する。なお、図8(B)に示すリアクトル1Dは、端子金具8を具える端子台部分が右側に配置されるように、図1などに示すリアクトル1Aなどの配置状態から180°回転した状態を示す。
図7に示す実施形態2のリアクトル1Bは、実施形態1のリアクトル1Aに具える側壁部41において、コネクタ掛止部44が設けられた庇部410に、更に、配線壁43Bを具える点が異なる。配線壁43Bは、板状材で構成されており、庇部410の周縁の一部から、図7において上方に突出するように側壁部41に一体成形されている。また、配線壁43Bは、庇部410の周縁に沿って湾曲して設けられている。
ここで、実施形態1,2のリアクトル1A,1Bでは、配線71において、側壁部41の配線掛止部43から出てコネクタ部72の端部に繋がる部分は、U字状に屈曲して配置されている。配線壁43Bは、このU字状の部分の外方を囲むように配置されて、配線71において当該U字状の部分の機械的保護や、配置状態の乱れの防止を図る。配線壁43Bの形成長さや突出高さ、形成位置は、配線71の太さや配線71の配置位置に応じて適宜設計することができる。また、配線壁43Bは、配線71が配置される箇所にのみ設けることで、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部との接続の際に邪魔にならず、接続作業を容易に行える。
図8(A)に示す実施形態3のリアクトル1C,図8(B)に示す実施形態4のリアクトル1Dは、コネクタ掛止部44の配置位置が実施形態1のリアクトル1Aと異なる。また、実施形態3では配線掛止部43の形状及び配置位置、実施形態4では配線掛止部43Dを追加している点が実施形態1のリアクトル1Aと異なる。側壁部41は、上述のように樹脂で構成されることから、コネクタ掛止部44の配置位置や配線掛止部43(43D)の形状・配置位置・個数を容易に変更することができる。
実施形態3のリアクトル1Cは、コネクタ掛止部44及び配線掛止部43を側壁部41の庇部410上ではなく、側壁部41の外周面(図8(A)では手前側の面)に設けている。より具体的には、側壁部41の外周面において端子金具8が固定される端子台側(図8(A)において左手前側)の領域に、コイル2の軸方向と直交方向(図8(A)では上下方向)に直線状の配線掛止部43が設けられ、側壁部41の設置側(図8(A)において下方側)において段差形状となった箇所(ここでは段の上方)にコネクタ掛止部44が設けられている。そして、リアクトル1Cでは、インシュレータ(図5など参照)がつくるセンサの収納部(同)に収納されたセンサ(同)に連結される配線71は、分割片50bに設けられた配線掛止部55に掛止されずに端子台側に配置され、その一部が直線状の配線掛止部43に保持され、配線掛止部43から出た他部が水平方向(図8(A)では左右方向)に屈曲されてコネクタ部72に繋がっている。コネクタ掛止部44は、当該掛止部44に掛止されたコネクタ部72の一部が上述の側壁部41の段部分に支持されるように設けられている。
側壁部41の開口側領域においてコイル2と外側コア部32とがつくる段差に沿った箇所の上方空間は、デッドスペースとなる。また、側壁部41の設置側領域において組合体10と底板部(図2など参照)とがつくる段差部分を覆う段差形状となった箇所の上方空間もデッドスペースとなる。リアクトル1Cは、これらのデッドスペースに配線71の少なくとも一部及びコネクタ部72の少なくとも一部が配置されるように、コネクタ掛止部44や配線掛止部43を具えており、デッドスペースを有効利用できることから、小型化を図ることができる。また、コネクタ掛止部44に固定されたコネクタ部72の開口部が設置側以外の方向(ここでは、右側)を向くようにコネクタ掛止部44が設けられていることで、リアクトル1Cは、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部との接続作業も容易に行え、作業性に優れる。
図8(B)に示す実施形態4のリアクトル1Dは、側壁部41の庇部410上にL字状の溝が設けられた配線掛止部43を具える。また、リアクトル1Dは、実施形態3のリアクトル1Cと同様に、側壁部41の外周面のデッドスペース(コイル2の端面と外側コア部32とがつくる段差部分を覆う箇所)に直線状の配線掛止部43Dを更に具える。但し、リアクトル1Dでは、端子台側のデッドスペースではなく、コイル連結部側(図8(B)では左手前側)のデッドスペースに配線掛止部43Dを具える。このように側壁部41に複数の配線掛止部を具える形態とすることができる。更に、リアクトル1Dは、実施形態3のリアクトル1Cと同様に側壁部41の外周面のデッドスペース(側壁部41の設置側領域と組合体10(外側コア部32)を覆う箇所とがつくる段差箇所)にコネクタ掛止部(図8(B)ではコネクタ部72に隠れて見えない)を具える。コネクタ掛止部は、当該コネクタ掛止部に掛止されたコネクタ部72の開口部(外部装置のコネクタ部との連結箇所)が上方を向くように設けられている。
図8(B)に示すリアクトル1Dでは、インシュレータの配線掛止部55に掛止され、更に庇部410の配線掛止部43から出た配線71は、下方に向かって屈曲されてその一部が配線掛止部43Dに掛止され、他部がU字状に屈曲されて配置される。この配線71に繋がるコネクタ部72は、上述のようにその開口部が上方を向くようにコネクタ掛止部に固定される。
リアクトル1Dも、実施形態3のリアクトル1Cと同様に、側壁部41のデッドスペースを有効利用でき、小型化を図ることができる上に、コネクタ部72と外部装置のコネクタ部との接続作業も容易に行える。
図8に示す実施形態3,4のリアクトル1C,1Dも、コネクタ掛止部44にコネクタ部72を掛止してから、センサを収納したり、配線71を配線掛止部43,43Dに掛止したりすると、センサがずれ難い。
図9に示す実施形態5のリアクトル1Eは、コネクタ部72を掛止するコネクタ掛止部44が設けられた庇部410Eが、実施形態1のリアクトル1Aに具える庇部410よりも小さく、リアクトル1Eに具える側壁部41の開口部が大きい点、及び配線掛止部43Eの形状が実施形態1とは異なる。実施形態1のリアクトル1Aに具える一対の庇部410は、磁性コア3を構成する一対の外側コア部32の双方を実質的に覆うと共に、一方の庇部410の上に、配線掛止部43(L字状の溝)と、コネクタ掛止部44との双方を具える構成である。実施形態5のリアクトル1Eでは、一方の庇部410Eは、一方の外側コア部32における一方の台形状面の一部のみを覆い、かつ、コネクタ掛止部44のみが形成可能な面積を有し、配線掛止部43(L字状の溝)を有していない。そのため、リアクトル1Eでは、図9(B)に示すように、コイル2と磁性コア3との組合体10のうち、両コイル素子2a,2b、コイル連結部2r、及び一方の外側コア部32の台形状面の他部が側壁部41の開口部から露出されている。
庇部410Eは、実施形態1のリアクトル1Aに具える庇部410において、配線掛止部43が設けられた箇所を構成していた板状部分を取り外した形態であり、図9(A)に示すようにL字状である。より具体的には、庇部410Eは、一方の外側コア部32における台形状面の一部を覆う平面箇所と、この平面箇所に立設する壁部413(図9(A)では、上方に向かって立設している)とを具える。そして、リアクトル1Eでは、配線掛止部43Eとして、壁部413の内面からコイル2側に向かって突出するL字状部431と、L字状部431の一面から突出する突起432と、壁部413の内面からコイル2側に向かって突出し、L字状部431の一面に対向する二つの突起433と、壁部413の端面(図9(A)では、上面)から立設された棒状体435とを具える。L字状部431の一面(以下、突起形成面と呼ぶ)は、壁部413の内面に平行に設けられ、当該突起形成面と壁部413の内面との間の間隔(L字状部431において壁部413に繋がる他面(以下、連結面と呼ぶ)の幅)は、配線71の太さに応じた大きさとしている。壁部413の内面から突設された二つの突起433は、突起432を挟むように離間して配置されている。棒状体435は、L字状部431から、コイル素子2a,2bの横並び方向に離れた位置に設けられている。
リアクトル1Eは、配線掛止部43Eを具えることで、実施形態1のリアクトル1Aと同様に配線71を掛止することができる。具体的には、まず、実施形態1と同様にして、庇部410Eのコネクタ掛止部44にコネクタ部72を取り付ける。次に、コネクタ部72に繋がる配線71を壁部413から突出する棒状体435に掛止する。棒状体435の形状は適宜選択することができる。ここでは、棒状体435を丸棒としており、配線71を滑らかに屈曲させて、配線71の向きを変えることができる。ここでは、壁部413の内面に沿うように配線71をU字状に屈曲して、配線71の向きを変える。更に、この配線71を突起432,433の間に嵌め込む。こうすることで、配線71は、その一部がL字状部431における連結面によって支持されると共に、別の一部が、突起432,433によって当該連結面側に押さえられて、当該連結面からの浮き上がりが防止される。突起432,433の形状も適宜選択することができる。ここでは、突起432,433はいずれも、傾斜面を有する立体(三角柱状、又は台形面を有する四角柱状)としている。突起432,433に具える傾斜面は、図9(B)に示すリアクトル1Eを左方又は右方から見たとき、上方から下方に向かって、つまり、ケース4の開口側から底面側(L字状部431における連結面側)に向かって広がるように、突起432は、L字状部431の突起形成面に、突起433は、壁部413の内面に設けられている。また、突起432においてL字状部431の突起形成面に繋がる下面、及び突起433において壁部413の内面に繋がる下面は、いずれもL字状部431における連結面に平行するように設けられている。この構成により、配線71を上記傾斜面に沿って滑らせるようにして、L字状部431における連結面側に容易に収納できる。また、突起432における下面、及び突起433における下面によって、L字状部431に収納された配線71を押さえられ、これらの面は押さえ部として機能する。更に、残りの配線71を、コイル連結部2rを跨ぐようにして、コイル連結部2r側から巻線2wの端部側に向かって配置し、巻線2wの端部側で下方に向かって適宜な角度で折り曲げて、コイル素子2a,2b間にセンサ(図示せず)を配置する。こうすることで、リアクトル1Eにおいても、センサの配置、配線71の掛止、コネクタ部72の掛止を行える。なお、配線71の途中をインシュレータの配線掛止部55に掛止してもよい。
実施形態5のリアクトル1Eは、複数の突起432,433と棒状体435とを具える配線掛止部43Eを具えることで、配線71の一部を連続して保持する溝を有していなくても、実施形態1のリアクトル1Aと同様に、配線71をケース4に固定できる。また、リアクトル1Eも、ケース4に具える配線掛止部43Eに加えて、インシュレータにも配線掛止部55を具えることで、配線71の掛止箇所が十分に多く、配線71を強固に保持し易い。更に、実施形態5のリアクトル1Eでは、組合体10を収納するケース4の開口部が、実施形態1のリアクトル1Aと比較して大きいことで(庇部410Eが小さいことで)、例えば、封止樹脂を具える形態とする場合、封止樹脂を充填し易く、作業性に優れる。
(変形例2)
上記実施形態1では、インシュレータ5にセンサ7の収納部を具える構成を説明した。その他、ケースの側壁部にセンサ7の収納部を具える構成とすることができる。つまり、センサ7の収納部が側壁部を構成する樹脂により当該側壁部に一体に成形された形態とすることができる。
具体的には、側壁部の開口部を構成する矩形状の周縁のうち、対向する周縁間を渡るように十字状の渡り部を一体に成形し、この十字の交差部分に、側壁部をコイルの周囲に配置したときコイル素子間に挿入するように、上下方向の下方に向かって延びる有底筒体を設ける。そして、この有底筒体にセンサ7を挿入可能な直径を有する縦穴を設けることで、この有底筒体を収納部に利用できる。なお、一直線状の渡り部とし、この渡り部の中間部に収納部となる上述の有底筒状体を設けてもよい。この収納部は、射出成形などにより側壁部を成形する際に同時に一体に形成でき、リアクトルの生産性に優れる。
この形態は、上記縦穴にセンサ7を挿入することで、部品点数の増加を招くことなく、センサ7をコイル素子間の所定の位置に配置し、保持することができる。また、センサ7に繋がる配線71のコネクタ部72を側壁部に具えるコネクタ掛止部に掛止したり、配線71を側壁部(例えば、上述の十字状の渡り部など)に具える配線掛止部に掛止したりすることで、コネクタ部72や配線71の移動を規制することができる。この収納部は、側壁部と同様に絶縁性樹脂により構成されるため、コイル素子間に介在されて両コイル素子間を絶縁する仕切り部としても機能することができる。従って、この形態は、インシュレータとして仕切り部を有していないものを利用でき、インシュレータの形状を簡単にすることができる。その他、縦穴の開口部を若干狭くするなどして、配線71の移動を規制可能にすると、縦穴自体が配線掛止部の機能を有することができる。この場合、側壁部やインシュレータの配線掛止部を省略してもよいし、配線掛止部の機能を有する縦穴に加えて、側壁部やインシュレータの配線掛止部を併設した形態としてもよい。
(変形例3)
上記実施形態1〜5では、センサ7がコイル2の軸方向に対して斜め(鋭角又は鈍角)、又は直交して配置される構成を説明した。その他、センサ7は、コイルの軸方向に沿って配置される形態とすることができる。この形態では、例えば、仕切り部53a,53bを矩形板状としたり、仕切り部53a,53bを省略するなどして、コイル素子2a,2b間にセンサ7を配置可能な空間を形成する。この形態は、センサ7を所定の位置に容易に配置でき、作業性に優れる。この形態も、コネクタ部72をコネクタ掛止部に固定し、かつ配線71を配線掛止部に掛止する構成とすることで、センサ7の配置位置を維持し易い。なお、この形態は、センサ7がコイル2に近接配置されることから、センサ7が特に温度センサである場合に好適に利用することができる。
(実施形態6)
実施形態1〜5や変形例1〜3のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図10に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図10では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図11に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜5や変形例1〜3のリアクトルを具える。温度センサなどのセンサ7のコネクタ部72を掛止可能なリアクトル1Aなどを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も、センサ7と外部装置とを安定して容易に接続でき、所望の物理量を安定して測定することができる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜5や変形例1〜3のリアクトルなどと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜5や変形例1〜3のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1A,1B,1C,1D,1E リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部 2w 巻線
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面 31m コア片 31g ギャップ材
32 外側コア部 32e 内端面
4 ケース 40 底板部 41 側壁部 42 接合層 43,43D,43E 配線掛止部
43B 配線壁 431 L字状部 432,433 突起 435 棒状体
44 コネクタ掛止部 441 スライダ台 442 フック
400,411 取付部 400h,411h ボルト孔 410,410E 庇部 413 壁部
5 インシュレータ 50a,50b 分割片 51 筒状部 51a,51b 支持部
52 枠板部 52p 台座 53a,53b 仕切り部 54a,54b 収納形成部
55 配線掛止部
7 センサ 7a 感熱素子 7b 保護部 71 配線 72 コネクタ部
720 本体 721 爪部 722 突起
6 パッキン 8 端子金具 81 接合部 9 端子固定部材 91 ボルト
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪

Claims (8)

  1. コイルと、前記コイルが配置される磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を収納するケースとを具えるリアクトルであって、
    前記ケースは、前記組合体が載置される底板部と、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを具え、
    前記側壁部の少なくとも一部が樹脂により構成されており、
    前記リアクトルの物理量を測定するセンサに連結されたコネクタ部を掛止するコネクタ掛止部が前記樹脂により前記側壁部に一体に成形されているリアクトル。
  2. 前記側壁部は、その全体が絶縁性樹脂により構成されており、かつ前記底板部とは独立した部材であり、固定材により当該底板部と一体化される請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記磁性コアは、前記コイルに覆われる内側コア部と、前記コイルから露出されている外側コア部とを具え、
    前記側壁部は、前記外側コア部において前記ケースの開口側に配置される箇所の少なくとも一部を覆う庇部を具え、
    前記コネクタ掛止部は、前記庇部に設けられている請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 更に、前記センサに連結される配線を掛止する配線掛止部が前記樹脂により前記側壁部に一体に成形されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記組合体は、前記コイルと前記磁性コアとの間に介在されるインシュレータを具え、
    前記インシュレータは、一対の分割片を組み合わせて一体に構成され、これら両分割片を組み合わせることで構成される空間を前記センサの収納部として具える請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記底板部は、金属材料により構成されている請求項2に記載のリアクトル。
  7. スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
    前記リアクトルは、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトルであるコンバータ。
  8. 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
    前記コンバータは、請求項7に記載のコンバータである電力変換装置。
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