JP2012243913A - リアクトル - Google Patents

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未規 北島
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浩平 吉川
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Abstract

【課題】コイルの温度を精度良く検知できるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回した一対のコイル素子2a、2bを互いに横並びで接続したコイル2と、各コイル素子2a、2b内にそれぞれ配置される一対の内側コア部31、及びこれら内側コア部31を連結して閉磁路を形成する外側コア部32を有する磁性コア3と、コイル2の温度を測定する温度センサ7と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4と、ケース4に充填されて組合体10を封止する封止樹脂6とを具える。温度センサ7は、コイル素子2a(2b)におけるコイル素子2b(2a)との対向面側において、軸方向中心領域及び高さ方向中心領域に位置するコイル素子2aのターン間に設けられている。そして、封止樹脂6によりコイル素子2a(2b)に固定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに用いられるリアクトルに関するものである。特に、コイルの温度を精度良く検知できるリアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。このリアクトルは、ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータに利用される。そのリアクトルとして、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1のリアクトルは、横並びされた一対のコイル素子を有するコイルと、各コイル素子内に挿通配置される一対の柱状の内側コア部、及び平行配置された両内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部を有する環状の磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体の外周を覆う外側樹脂部と、リアクトルの物理量を測定するセンサを配置するためのセンサ用穴とを具える。このセンサ用穴は、上記外側樹脂部において、上記コイル素子間を覆う箇所に形成されている。そのセンサ用穴に、例えば、温度を検知するための温度センサを挿入して温度を検知できる。温度を検知することで、その検知温度に応じてコイルへの電流などを制御することが可能である。
特開2010−219251号公報
上述のように、両コイル素子の対向面の間に温度センサを挿入するためのセンサ用穴を形成すると、そのセンサ用穴から両コイル素子間の温度を検知できるが、特に、発熱体であるコイル自体の温度を精度良く検知できるリアクトルが望まれていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、コイルの温度を精度良く検知できるリアクトルを提供することにある。
本発明は、リアクトルに具えるコイルの特定の箇所に直接温度センサを設けることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回した一対のコイル素子を互いに横並びで接続したコイルと、上記各コイル素子内にそれぞれ配置される一対の内側コア部、及びこれら内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアと、上記コイルの温度を検知する温度センサを具える。上記温度センサは、上記一方のコイル素子における他方のコイル素子との対向面側において、以下の軸方向中心領域及び高さ方向中心領域に位置する当該コイル素子のターン間に設けられる。
軸方向中心領域:コイル素子の軸方向の中心から当該コイル素子の軸方向の長さの±20%までの領域。
高さ方向中心領域:コイル素子の軸方向、及び一対のコイル素子の横並び方向に直交する方向を高さ方向として、当該コイル素子の高さ方向の中心から当該コイル素子の高さ方向の長さの±20%までの領域。
本発明のリアクトルによれば、一方のコイル素子における他方のコイル素子との対向面側において、上記両領域に位置する当該コイル素子のターン間に温度センサを設けることで、コイルの温度を直接検知できるため、コイル自体の温度を精度良く検知できる。それにより、コイルへの電流の最適な制御を行うことができる。
本発明リアクトルの一形態として、上記巻線の導体が平角線であり、上記各コイル素子は、エッジワイズコイルであることが挙げられる。
上記の構成によれば、各コイル素子をエッジワイズコイルとすることで、コイルのうちターン間の面を広い平面とすることができる。そのため、温度センサとの接触面積を十分に確保できるので、温度センサをコイルのターン間に設け易くできる。
本発明リアクトルの一形態として、上記コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、上記ケースに充填されて上記組合体を封止する封止樹脂とを具えることが挙げられる。そして、上記温度センサが、上記封止樹脂により上記コイルに固定されている。
上記の構成によれば、封止樹脂により温度センサをコイルの所望の位置に確実に固定できるので、リアクトルの作動時において、温度センサが所望の位置からずれるのを防止できる。
本発明リアクトルの一形態として、上記コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースを具え、上記ケースは、上記リアクトルが固定対象に設置されるときに当該固定対象に接する底板部と、上記底板部と別部材で、固定材により当該底板部と一体化されて、上記組合体の周囲を囲む側壁部とを具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、底板部と側壁部とが別部材であることから、それぞれを別個に製造できるので製造形態の自由度が大きい。そのため、両者を異なる材質とすることができ、例えば、側壁部を樹脂といった絶縁性材料、底板部をアルミニウムなどの金属材料によりそれぞれ構成できる。その場合、側壁部が絶縁性材料なので、コイルを側壁部に近接配置できるため、より小型なリアクトルとすることができる。加えて、底板部が金属材料なので、コイルの熱を放出し易く、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。また、コイルと磁性コアとの組合体を底板部に配置してから側壁部と底板部とを一体にできるため、上記形態はリアクトルの組立作業性にも優れる。
本発明リアクトルの一形態として、上記ケースが上記底板部と側壁部とを具えるケースであり、上記底板部のケース内側面に形成されて、当該底板部に上記コイルを固定する接合層を具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、コイルと底板部との間に接合層が介するだけであるため、ケース底面とコイルとの間隔が短く、より小型なリアクトルとすることができる。また、上記形態は、接合層によりコイルが底板部に固定されることで、封止樹脂の有無を問わず、ケースに対する所定の位置にコイルを収納できる。更に、底板部と側壁部とが別部材であることで、側壁部を取り外した状態で接合層の形成が可能であり、上記形態は、接合層の形成作業が行い易く、作業性に優れる。
本発明リアクトルは、コイルの温度を精度良く検知できる。
実施形態に係るリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態に係るリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 実施形態に係るリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の各構成の概略を示す分解斜視図である。 実施形態に係るリアクトルに具えるコイルと温度センサを示す図であって、図1においてIV−IV線で切断した断面図である。
以下、図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置したときに設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
《リアクトルの全体構成》
リアクトル1は、一対のコイル素子2a,2bを具えるコイル2と、各コイル素子2a,2b内にそれぞれ配置される一対の内側コア部31(図3)及びこれら内側コア部31を連結して閉磁路を形成する外側コア部32を有する磁性コア3と、コイル2の温度を測定する温度センサ7(図4)とを具える。更に、この例のリアクトル1は、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4と、コイル2と磁性コア3との間に介在されるインシュレータ5と、ケース4に充填されて組合体10を封止する封止樹脂6とを具える。リアクトル1の最も特徴とするところは、温度センサ7の配置位置にある。以下、各構成を詳細に説明する。
《リアクトルの各部の構成》
[コイル]
コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)され、コイル2の他端側(図3では右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
なお、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子の巻線の一端部同士を溶接や半田付け、圧着などにより接合されたコイルとすることができる。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。絶縁被覆の厚さは、20μm以上100μm以下が好ましく、厚いほどピンホールを低減できて電気絶縁性を高められる。導体は、平角線が代表的であり、その他、横断面が円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。平角線は、(1)断面が円形状の丸線を用いた場合よりも占積率が高いコイルを形成し易い、(2)後述するケース4に具える接合層42との接触面積を広く確保し易い、(3)後述する端子金具8との接触面積を広く確保し易い、(4)後述する温度センサ7との接触面積を広く確保し易い、といった利点がある。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線で形成されるエッジワイズコイルである。このように、平角線をエッジワイズ巻きとすることで、コイル2のうちターン間の面が広くなるため、温度センサ7との接触面積を十分に確保できる。
コイル2を形成する巻線の両端部2eは、コイル2の一端側(図3では左側)においてターン形成部分から適宜引き延ばされて、代表的にはケース4の外部に引き出される(図1)。巻線の両端部2eは、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、導電材料からなる端子金具8(図1)が接続される。この端子金具8を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
[温度センサ]
温度センサ7は、主に図4を参照して説明する。図4は、図1においてリアクトル1を(IV)−(IV)線、つまり、リアクトル1においてコイル2の軸方向の略中心で切断した断面図であり、ここでは説明の便宜上、コイル2及び温度センサ7を主に示し、ケース4やインシュレータ5などを省略している。
温度センサ7は、コイル2の温度を検知する。その温度センサ7として、例えば、サーミスタなどが挙げられる。この温度センサ7には、検知した情報を制御装置といった外部装置に伝達するための配線71(図1,4)が連結される。
温度センサ7を設ける箇所は、図4に示すように、一方のコイル素子2b(2a)における他方のコイル素子2a(2b)との対向面側である。その対向面側において、軸方向中心領域La(図1)及び高さ方向中心領域Ha(図4)に位置するコイル素子2b(2a)のターン間に設ける。ここで軸方向中心領域Laとは、コイル素子の軸方向中心から当該コイル素子の軸方向の長さの±20%までの領域を言う。つまり、図1では、コイル素子2b(2a)の軸方向において、当該軸方向中心Lcから巻線の端部側にコイル素子の軸方向の長さの20%までの領域と、当該軸方向中心Lcからコイルの連結側に同軸方向の長さの20%までの領域、即ち、コイル素子2b(2a)の軸方向において当該軸方向中心Lcを含む40%の領域である。また、上記軸方向の長さとは、コイルの自由長ではなく、リアクトルを組み立てた際(図1)におけるコイルの軸方向の長さとする。一方、高さ方向中心領域Haとは、コイル素子の軸方向、及び一対のコイル素子の横並び方向に直交する方向を高さ方向とし、コイル素子の高さ方向の中心から当該コイル素子の高さの長さの±20%までの領域を言う。つまり、図4では、コイル素子2b(2a)の高さ方向において、高さ方向中心Hcから下方(冷却ベース側)にコイル素子2b(2a)の高さ方向の長さの20%までの領域と、同中心Hcから上方(巻線の端部側、冷却ベースと反対側)に同長さの20%までの領域、即ち、コイル素子2b(2a)の高さ方向において当該高さ方向中心Hcを含む40%の領域である。この軸方向中心領域La及び高さ方向中心領域Haを満たす位置に温度センサ7を設けることで、コイル2の最も高温となる箇所の温度を検知し易い。ここでは、コイル素子2bにおけるコイル素子2aとの対向面側において、軸方向の略中心で、高さ方向中心Hcより上方で上記高さ方向中心領域Haを満たす箇所に温度センサ7を設ける。そうすることで、リアクトル1を冷却ベースに設置した場合でも、冷却ベースによりコイル2が冷却されてもコイル2の最高温度を検知できる。
温度センサ7を上述したターン間に設ける際、温度センサ7がターン間で圧壊されないように温度センサ7と同等の厚みを有する補助部材(図示略)を設けることが好ましい。その補助部材を設けることで、ターン間での圧接力が温度センサ7に集中することを抑制できる。この補助部材を設ける箇所は、温度センサ7と同一ターン間であればどこでもよく、例えば、温度センサ7と対向する位置、つまり、コイル素子2a側と反対側とすることが挙げられる。その他、温度センサ7の周辺、具体的には、温度センサ7の上方または下方でもよいし、コイル素子2bの上面2uまたは下面2dを形成する辺、或いはコイル素子2bの角部でもよい。補助部材の数は、単一でも複数でもよい。補助部材の材質は、コイル2の最高温度に対して耐熱性を有する材料であることが好ましく、その上、非磁性の絶縁性材料であればなお好ましい。そうすれば、コイル2の熱により補助部材が変形して、ターン間での圧接力が温度センサ7に集中することを抑制できる。その上、コイル2との絶縁を確保できる。また、両コイル素子2a、2bの軸方向の長さを揃えるため、温度センサ7を設けていないコイル素子2aに上記補助部材を設けてもよい。
温度センサ7を固定する手段として、上記ターン間において巻線2wに粘着テープや接着剤で直接貼り付けることが挙げられる。この粘着テープや接着剤は、耐熱性に優れる材料で構成されていることが好ましい。そうすれば、コイルの熱で温度センサを固定している粘着テープや接着剤が剥がれて温度センサの位置がずれることを抑制できる。特に、粘着テープや接着剤を用いれば、上述した補助部材の厚みが温度センサ7よりも若干厚くても、温度センサ7をコイル2に密着させることができる。本例のように、封止樹脂6を具える場合は、上記粘着テープや接着剤は、耐熱性でなくてもよい。その場合、封止樹脂6により温度センサ7をコイル2に固定できるので、リアクトルの作動時において、たとえコイルの熱により温度センサを固定している粘着テープや接着剤が剥がれても、温度センサの位置がずれることを防止できる。
[磁性コア]
磁性コア3は、図3に示すように、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2が配置されず、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。ここでは、各内側コア部31はそれぞれ、上述のように各コイル素子2a,2bの内周形状に沿って、直方体の角部を丸めた外形を有する柱状体であり、各外側コア部32はそれぞれ、一対の台形状面を有する柱状体である。磁性コア3は、離間して配置される内側コア部31を挟むように外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31は、磁性材料からなるコア片31mと、代表的には非磁性材料からなるギャップ材31gとを交互に積層して構成された積層体であり、外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。
各コア片は、磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体を利用できる。上記成形体は、例えば、Fe,Co,Niといった鉄族金属、Fe−Si,Fe−Ni,Fe−Al,Fe−Co,Fe−Cr,Fe−Si−AlなどのFe基合金、希土類金属やアモルファス磁性体といった軟磁性材料からなる粉末を用いた圧粉成形体、上記粉末をプレス成形後に焼結した焼結体、上記粉末と樹脂との混合体を射出成形や注型成形などした成形硬化体が挙げられる。その他、コア片は、金属酸化物の焼結体であるフェライトコアなどが挙げられる。成形体は、複雑な立体形状のコア片や磁性コアでも容易に形成できる。
圧粉成形体の原料には、上記軟磁性材料からなる粒子の表面に絶縁被膜を具える被覆粒子からなる被覆粉末を好適に利用できる。被覆粉末を成形後、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理を施すことで圧粉成形体が得られる。絶縁被膜は、代表的には、シリコーン樹脂やリン酸塩からなるものが挙げられる。
内側コア部31と外側コア部32は、異なる材質とすることができる。例えば、内側コア部31を上述の圧粉成形体や積層体とし、外側コア部32を成形硬化体とすると、内側コア部31の飽和磁束密度を外側コア部32よりも高め易い。ここでは、各コア片は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gは、インダクタンスの調整のためにコア片間に設けられる隙間に配置される板状材である。ギャップ材31gの構成材料は、アルミナやガラスエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなど、コア片よりも透磁率が低い材料、代表的には非磁性材料が挙げられる。或いは、ギャップ材31gとして、セラミックスやフェノール樹脂などの非磁性材料に磁性粉末(例えば、フェライト、Fe,Fe−Si,センダストなど)が分散した混合材料からなるものを用いると、ギャップ部分の漏れ磁束を低減できる。エアギャップとすることもできる。
コア片やギャップ材の個数は、リアクトル1が所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。また、コア片やギャップ材の形状は適宜選択することができる。ここでは、内側コア部31は複数のコア片31m及び複数のギャップ材31gから構成される形態を示すが、ギャップ材を一つ具える形態や、コア片の材質によってはギャップ材を具えていない形態とすることができる。また、外側コア部32は、一つのコア片から構成される形態、複数のコア片から構成される形態のいずれも取り得る。コア片を圧粉成形体で構成する場合、複数のコア片で内側コア部や外側コア部を構成する形態とすると、各コア片を小さくできるため、成形性に優れる。
上記コア片同士の一体化やコア片31mとギャップ材31gとの一体化には、例えば、接着剤を塗布したり接着テープを巻回したりすることなどが挙げられる。内側コア部31の形成に接着剤を用い、内側コア部31と外側コア部32との接合に接着剤を用いない形態としてもよい。
或いは、絶縁性材料からなる熱収縮チューブや常温収縮チューブを利用して、内側コア部31を一体化してもよい。この場合、上記チューブは、コイル素子2a,2bと内側コア部31との間の絶縁材としても機能する。
或いは、環状に保持可能な帯状締付材を利用して磁性コア3を一体化することができる。具体的には、環状に組み立てた磁性コア3の外周や組合体10の外周を帯状締付材で囲むことで、磁性コア3を環状に保持できる。上記帯状締付材は、非磁性で、耐熱性に優れる材料からなるもの、例えば、市販の結束材(タイラップ(トーマスアンドベッツインターナショナルインクの登録商標)、ピークタイ(ヘラマンタイトン株式会社製結束バンド)、ステンレススチールバンド(パウンドウイットコーポレーション製)など)を利用することができる。また、磁性コアやコイルと帯状締付材との間に緩衝材(例えば、ABS樹脂、PPS樹脂、PBT樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂やシリコーンゴムなどのゴムからなるもの)を介在させると、帯状締付材の締付力によるコイル2や磁性コア3の損傷を防止できる。
その他、この例に示す磁性コア3は、内側コア部31の設置側の面と外側コア部32の設置側の面とが面一になっておらず、外側コア部32の設置側の面が内側コア部31よりも突出し、かつコイル2の設置側の面(図4において下面2d)と面一である。従って、コイル2と磁性コア3との組合体10の設置側の面は、両コイル素子2a,2bの下面2dと、外側コア部32の設置側の面とで構成され、コイル2及び磁性コア3の双方が後述する接合層42(図2)に接触できるため、リアクトル1は、放熱性に優れる。また、組合体10の設置側の面がコイル2及び磁性コア3の双方で構成されることで固定対象との接触面積が十分に大きく、リアクトル1は、設置したときの安定性にも優れる。更に、コア片を圧粉成形体で構成することで、外側コア部32において内側コア部31よりも突出した箇所は磁束の通路に利用できる。
(インシュレータ)
コイル2と磁性コア3との間の絶縁性と両者の位置決めの確実性を高めるために、コイル2と磁性コア3との間にインシュレータ5を具えていてもよい。インシュレータ5は、内側コア部31の外周に配置される周壁部51と、コイル2の端面(コイル素子のターンが環状に見える面)に当接される一対の枠状部52とを具えた構成が挙げられる。
周壁部51は、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に介在され、コイル2と内側コア部31との間を絶縁する。ここでは、周壁部51は、一対の断面]状の分割片511,512により構成される。各分割片511,512は互いに接触せず、内側コア部31の外周面の一部のみ(ここでは、主として内側コア部31の設置側の面及びその対向面)に当該分割片511,512が配置される構成としている。周壁部51は、内側コア部31の外周面の全周に沿って配置される筒状体としてもよく、コイル2と内側コア部31との間の絶縁距離を確保することができれば、図3に示すように、内側コア部31の外周面の一部が周壁部51により覆われない形態としてもよい。また、ここでは、周壁部51は、表裏に貫通する窓部を具えるものを利用している。
内側コア部31の一部が周壁部51から露出されることで、インシュレータ5の材料を低減することができる。また、封止樹脂を具える形態では、上記窓部を有する分割片511,512としたり、内側コア部31の外周面の一部が周壁部51により覆われない構成としたりすることで、内側コア部31と封止樹脂との接触面積を大きくできる。その上、封止樹脂を流し込むときに気泡が抜け易く、リアクトル1の製造性に優れる。
各枠状部52は、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在され、コイル2と外側コア部32との間を絶縁する。各枠状部52はそれぞれ、平板状の本体部を有し、この本体部に各内側コア部31がそれぞれ挿通される一対の開口部を有するB字状体である。ここでは、内側コア部31を挿入し易いように、本体部の開口部から連続し、内側コア部31の側に突出する短い筒状部を具える。また、一方(図3では右方)の枠状部52には、コイル連結部2rが載置され、コイル連結部2rと外側コア部32との間を絶縁するための台座52pを具える。
インシュレータ5の構成材料には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。
[ケース]
ケース4は、図2に示すように、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納する。このケース4は、平板状の底板部40と、底板部40に立設する枠状の側壁部41とを具える。ケース4は、この底板部40と側壁部41とは一体に成形されていてもよいし、本例のように、底板部40と側壁部41とが一体に成形されておらず、それぞれ独立した部材であり、固定材により一体化されていてもよい。また、底板部40のケース内側となる面には、接合層42を具える。
(底板部)
底板部40は、矩形状板であり、リアクトル1が固定対象に設置されるときに固定対象に接して固定される。図2に示す例では、底板部40が下方となる設置状態を示すが、底板部40が上方、或いは側方となる設置状態も有り得る。この底板部40は、ケース4を組み立てたとき、内側に配置される一面に接合層42が形成されている。底板部40の外形は適宜選択することができる。ここでは、底板部40は、四隅のそれぞれから突出した取付部400を有しており、その外形は後述する側壁部41の外形に沿った形状である。底板部40と側壁部41とを組み合せてケース4を形成した場合、この取付部400は、側壁部41の取付部411と重なる。各取付部400にはそれぞれ、固定対象にケース4を固定するボルト(図示せず)が挿通されるボルト孔400hが設けられている。ボルト孔400hは、後述する側壁部41のボルト孔411hに連続するように設けられている。ボルト孔400h,411hは、ネジ加工が成されていない貫通孔、ネジ加工がされたネジ孔のいずれも利用でき、個数なども適宜選択することができる。
或いは、側壁部41が取付部を具えておらず、底板部40のみが取付部400を具える形態としてもよい。この形態の場合、底板部40の取付部400が側壁部41の外形から突出するように底板部40の外形を形成する。或いは、側壁部41のみが取付部411を有し、底板部40が取付部を有しない形態としてもよい。この形態の場合、側壁部41の取付部411が底板部40の外形から突出するように側壁部41の外形を形成する。
(側壁部)
側壁部41は、矩形枠状体であり、一方の開口部を底板部40により塞いでケース4を組み立てたとき、上記組合体10の周囲を囲むように配置され、他方の開口部が開放される。ここでは、側壁部41は、リアクトル1を固定対象に設置したときに設置側となる領域が上記底板部40の外形に沿った矩形状であり、開放された開口側の領域がコイル2と磁性コア3との組合体10の外周面に沿った曲面形状である。ケース4を組み立てた状態において、コイル2の外周面と側壁部41の内周面とは近接しており、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔は、0mm〜1.0mm程度と非常に狭い。また、ここでは、側壁部41の開口側の領域には、組合体10の外側コア部32の台形状面を覆うように配置される庇状部が設けられている。ケース4に収納された組合体10は、図1に示すようにコイル2が露出され、磁性コア3は実質的にケース4の構成材料に覆われる。上記庇状部を具えることで、(1)耐振動性の向上、(2)ケース4(側壁部41)の剛性の向上、(3)組合体10の外部環境からの保護や機械的保護、といった種々の効果が得られる。上記庇状部を省略して、コイル2と、一方或いは両方の外側コア部32の台形状面との双方が露出される形態としてもよい。
上記庇状部や後述する端子台410は、底板部40が上方や側方となるようにリアクトル1を設置する場合に組合体10が側壁部41から脱落することを防止できる。端子台410や庇状部の内側に、外側コア部32の脱落を防止する位置固定部などを別途設けておいてもよい。
〈掛止部〉
側壁部41は、一方(図2において右方)の外側コア部32を覆う上記庇状部の縁部に、温度センサ7に連結される配線71(図1)を掛止する掛止部43,44を具えていてもよい。
掛止部43,44はいずれも、L字状片であることが挙げられる。ここでは、各掛止部43,44のL字の短片部分がそれぞれ逆方向を向くように、即ち、L字の開口部分が逆方向を向くように掛止部43,44を側壁部41に設けている。また、ここでは、図1に示すように一方の掛止部43をコイル素子2a,2b間の上方に位置するように設け、他方の掛止部44を一方のコイル素子2aの上方に位置するように設けている。更に、この側壁部41では、掛止部44の対角位置(端子台410の縁部)にもL字状片からなる掛止部45を具える。
側壁部41に具える掛止部の形状、個数、配置位置は特に問わない。例えば、掛止部44のみとしてもよい。ここでは、側壁部41の開口部においてコイル素子2a,2bの横並び方向に延びる縁部に掛止部43,44,45を具える形態を示すが、コイル素子2a,2bの軸方向に延びる縁部に掛止部を具えても勿論よい。掛止部43,44,45は、後述するように側壁部41を樹脂で構成する場合、射出成形などにより、側壁部41に容易に一体成形できる。
この掛止部43、44により配線71をケース4に掛止できる。具体的には、配線71を上述したコイル素子2b(2a)のターン間からコイル素子2a、2bの間に引き出してコイル連結部2r側まで通してケース4の上方(開口側)に引き出す。そして、掛止部43の下方から上方⇒掛止部44の下方から上方に配線71を取り回して掛止している。このように複数の掛止部43,44に配線71を掛止することで、配線71の位置をより確実に固定できる。或いは、コイル素子2b(2a)のターン間からコイル素子2a、2b間に引き出さず、コイル素子2bのターン間でケース4の上方(開口側)へ沿ってコイル素子2bにおけるケース4の開口側に引き出してもよい。その場合、配線71はコイル素子2b(2a)のケース4開口側面に沿ってコイル連結部2r側まで引っ張り出す。そして上述したように掛止部43、44に掛止することで配線71をケース4に掛止する。
〈取付箇所〉
側壁部41の設置側の領域は、底板部40と同様に、四隅のそれぞれから突出する取付部411を具え、各取付部411には、ボルト孔411hが設けられて、取付箇所を構成している。ボルト孔411hは、側壁部41の構成材料のみにより形成してもよいし、別材料からなる筒体を配置させて形成してもよい。例えば、側壁部41を後述するように樹脂により構成する場合、上記筒体は、例えば、真鍮、鋼、ステンレス鋼などの金属からなる金属管を利用すると、強度に優れ、樹脂のクリープ変形を抑制できる。ここでは、金属管を配置してボルト孔411hを形成している。
〈端子台〉
上記側壁部41の開口側の領域において、他方(図2において左方)の外側コア部32の上方を覆う箇所は、巻線2wの各端部2eがそれぞれ接続される一対の端子金具8が固定されて端子台410として機能する。
(端子金具)
各端子金具8は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金といった導電性材料からなる板材を適宜屈曲して形成された導電部材である。各端子金具8の一端側に、巻線の端部2eが半田や溶接などにより接合される接合部81a,81bを有し、他端側に、電源などの外部装置を接続するためのボルトといった連結部材が嵌め込まれる貫通孔82hを有し、中央部分が側壁部41に固定される。
ここでは、各接合部81a,81bをU字状とし、接合部81a,81bがつくるU字状の空間に巻線の端部2eを介在させて、例えば、巻線の端部2eと接合部81a,81bとの間を埋めるように半田を流し込むことで、コイル2と端子金具8とを電気的に接続できる。或いは、U字状の空間に巻線の端部2eを介在させた状態でかしめて接合部81a,81bと巻線の端部2eとを確実に接触させた状態とした後、TIG溶接などの溶接、圧着、半田付けなどを行うことでも、上記電気的な接続が行える。
なお、図2に示す端子金具8の形状は、例示であり、接合部と、外部装置との接続箇所と、側壁部41への固定箇所とを少なくとも具えていれば、適宜変更することができる。例えば、接合部は平板状でもよい。
端子台410は、図2に示すように端子金具8の中央部分が配置される凹溝410cが形成され、凹溝410cには、端子金具8を位置決めする位置決め突起410pが設けられている。端子金具8にはこの突起410pが嵌め込まれる位置決め孔83を具える。端子金具8が位置決め可能であれば、位置決め突起410p及び位置決め孔83の形状、個数、配置位置は特に問わない。位置決め突起410p及び位置決め孔83を有しない形態としてもよいし、端子金具に突起、端子台に孔を有する形態でもよい。
凹溝410cに嵌め込まれた端子金具8は、その上方を端子固定部材9により覆われ、端子固定部材9をボルト91により締め付けることで、端子台410に固定される。端子固定部材9の構成材料には、後述するケースの構成材料に利用されるような絶縁性樹脂といった絶縁性材料を好適に利用することができる。
側壁部41を後述する絶縁性樹脂で形成する場合、端子固定部材9及びボルト91の使用に代えて、端子金具8をインサート成形することにより、側壁部、端子金具8、端子台を一体とした形態とすることができる。この形態は、部品点数及び組立工程数が少なく、リアクトルの生産性に優れる。
或いは、端子金具8の中央部分を予め絶縁性材料により覆った成形品を形成し、この形成品を側壁部41に固定する形態とすることができる。
その他、側壁部41は、端子金具8の貫通孔82hを有する他端側領域を支持する支持台(図示せず)を具える形態とすることができる。例えば、側壁部41を後述するような絶縁性樹脂で形成する場合、当該樹脂により上記支持台を一体成形するとよい。この支持台に適宜ナットなどを配置し、ナットの孔と同軸に貫通孔82hを配置することで、上記ボルトといった連結部材を嵌め込んで端子金具8に外部装置を接続することができる。
(材質)
ケース4の構成材料は、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料は一般に熱伝導率が高いことから、放熱性に優れたケースとすることができる。また、導電性を有することで、ケースが磁気シールドとして機能し、漏れ磁束を抑制することができる。更に、金属材料は、コイル2の近傍に配置されることから非磁性金属が好ましい。
具体的な金属は、例えば、アルミニウム(熱伝導率:237W/m・K)やその合金、マグネシウム(156W/m・K)やその合金、銅(398W/m・K)やその合金、銀(427W/m・K)やその合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304:16.7W/m・K)が挙げられる。上記アルミニウムやマグネシウム、その合金を利用すると、軽量なケースとすることができ、リアクトルの軽量化に寄与することができる。特に、アルミニウムやその合金は、耐食性に優れ、マグネシウムやマグネシウム合金は制振性に優れるため、車載部品に好適に利用できる。金属材料によりケース4を形成する場合、ダイキャストといった鋳造の他、プレス加工などの塑性加工によりケース4を形成することができる。
或いは、ケース4の構成材料は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)樹脂などの樹脂といった非金属材料が挙げられる。これらの非金属材料は一般に電気絶縁性に優れるものが多いことから、コイル2とケース4との間の絶縁性を高められる。また、これらの非金属材料は上述した金属材料よりも軽く、リアクトル1を軽量にできる。上記樹脂に後述するセラミックスからなるフィラーを混合した形態とすると、放熱性を高められる。樹脂によりケース4を形成する場合、射出成形を好適に利用することができる。
底板部40及び側壁部41の構成材料は同種の材料とすることができる。この場合、両者の熱伝導率は等しくなる。或いは、底板部40及び側壁部41が別部材であることから、両者の構成材料を異ならせることができる。この場合、特に、底板部40の熱伝導率が側壁部41の熱伝導率よりも大きくなるように、両者の構成材料を選択すると、底板部40に配置されるコイル2及び磁性コア3の熱を冷却ベースといった固定対象に効率よく放出できる。ここでは、底板部40をアルミニウムにより構成し、側壁部41をPBT樹脂により構成している。底板部40を導電性材料により形成する場合、アルマイト処理などを施して、その表面に極薄い絶縁被膜(厚さ:1μm〜10μm程度)を具えた形態とすると、絶縁性を高められる。
(連結方法)
底板部40と側壁部41とを一体に接続するには、種々の固定材を利用できる。固定材は、例えば、接着剤やボルトといった締結部材が挙げられる。ここでは、底板部40及び側壁部41にボルト孔400h、411hを設け、固定材にボルト(図示せず)を利用し、このボルトをねじ込むことで、両者を一体化している。
(接合層)
底板部40は、少なくともコイル2の設置側の面(下面2d(図4))が接触する箇所に接合層42を具える。
接合層42は、絶縁性材料からなる単層構造とすると容易に形成できる上に、底板部40が金属製でも、コイル2と底板部40との間を絶縁できる。絶縁性材料からなる多層構造とすると、絶縁性をより高められる。同材質の多層構造とする場合、一層あたりの厚さを薄くできる。薄くすることでピンホールが存在しても、隣接する別の層によりピンホールを塞ぐことで絶縁を確保できる。一方、異種材質の多層構造とすると、コイル2と底板部40との絶縁性、両者の密着性、コイル2から底板部40への放熱性などの複数の特性を兼備できる。この場合、少なくとも一層の構成材料は、絶縁性材料とする。
接合層42は、その合計厚さが厚いほど絶縁性を高められ、薄いほど放熱性を高められる傾向にある。構成材料にもよるが、例えば、接合層42の合計厚さを2mm未満、更に1mm以下、特に0.5mm以下とすることができる。
接合層42は、少なくともコイル2の設置側の面(下面2d)が十分に接触可能な面積を有していれば、特に形状は問わない。ここでは、接合層42は、図2に示すように、組合体10の設置側の面、即ち、コイル2及び外側コア部32の双方の設置側の面がつくる形状に沿った形状としている。従って、コイル2及び外側コア部32の双方が接合層42に十分に接触できる。
特に、接合層42は、コイル2の設置側の面が接する表面側に絶縁性材料からなる接着層を具え、底板部40に接する側に熱伝導性に優れる材料からなる放熱層を具える多層構造であることが好ましい。ここでは、接合層42は、接着層と放熱層とを具える。
接着層は、接着強度に優れる材料を好適に利用できる。例えば、接着層は、絶縁性接着剤、具体的には、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などにより構成することができる。接着層の形成は、例えば、放熱層の上に塗布したり、スクリーン印刷を利用したりすることが挙げられる。接着層にシート状接着剤を利用してもよい。ここでは、接着層は、絶縁性接着剤の単層構造としている。
放熱層は、放熱性に優れる材料、好ましくは熱伝導率が2W/m・K超の材料を好適に利用できる。放熱層は、熱伝導率が高いほど好ましく、3W/m・K以上、特に10W/m・K以上、更に20W/m・K以上、とりわけ30W/m・K以上の材料により構成されることが好ましい。
放熱層の具体的な構成材料は、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料は一般に熱伝導率が高いものの導電性材料であり、上記接着層の絶縁性を高めることが望まれる。また、金属材料からなる放熱層は重くなり易い。一方、放熱層の構成材料として、金属元素,B,及びSiの酸化物、炭化物、及び窒化物から選択される一種の材料といったセラミックスなどの非金属無機材料を利用すると、放熱性に優れる上に、電気絶縁性にも優れて好ましい。より具体的なセラミックスは、窒化珪素(Si):20W/m・K〜150W/m・K程度、アルミナ(Al):20W/m・K〜30W/m・K程度、窒化アルミニウム(AlN):200W/m・K〜250W/m・K程度、窒化ほう素(BN):50W/m・K〜65W/m・K程度、炭化珪素(SiC):50W/m・K〜130W/m・K程度などが挙げられる。上記セラミックスにより放熱層を形成するには、例えば、PVD法やCVD法といった蒸着法を利用したり、上記セラミックスの焼結板などを用意して、適宜な接着剤により、底板部40に接合したりすることが挙げられる。
或いは、放熱層の構成材料は、上記セラミックスからなるフィラーを含有する絶縁性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)が挙げられる。この材料は、放熱性及び電気絶縁性の双方に優れる放熱層が得られる。また、この場合、放熱層及び接着層の双方が絶縁性材料で構成される、即ち、接合層全体が絶縁性材料で構成されるため、この接合層は絶縁性に更に優れる。上記絶縁性樹脂が接着剤であると、放熱層と接着層との密着性に優れ、この放熱層を具える接合層は、コイル2と底板部40との間を強固に接合できる。接着層及び放熱層を構成する接着剤を異種としてもよいが、同種である場合、密着性に優れる上に接合層の形成が容易である。上記フィラー入りの絶縁性接着剤により接合層全体を形成してもよい。この場合、接合層は、単一種の材質からなる多層構造となる。
上記フィラー入り樹脂により放熱層を形成するには、例えば、底板部40に塗布したり、スクリーン印刷したりなどすることで容易に形成できる。
或いは、放熱層は、放熱性に優れるシート材とし、適宜な接着剤により底板部40に接合することでも形成できる。
放熱層は、単層構造でも多層構造でもよい。多層構造とする場合、少なくとも一層の材質を異ならせてもよい。例えば、放熱層は、熱伝導率が異なる材質からなる多層構造とすることができる。
放熱層を具える形態は、放熱層により放熱性を確保できるため、封止樹脂6を具える形態とする場合、利用可能な封止樹脂6の選択の自由度を高められる。例えば、フィラーを含有していない樹脂など、熱伝導性に劣る樹脂を封止樹脂6に利用できる。
ここでは、放熱層は、アルミナからなるフィラーを含有するエポキシ系接着剤により形成されている(熱伝導率:3W/m・K以上)。従って、ここでは、接合層全体が絶縁性接着剤により構成されている。また、ここでは、放熱層は、上記フィラー入り接着剤からなる二層構造で形成され、一層の厚さを0.2mm、合計0.4mmとしている(接着層との合計厚さ:0.5mm)。放熱層は、三層以上としてもよい。
[その他のケース収納部材]
その他、一方の外側コア部32の背面をケース4の側壁部41に接触させ、他方の外側コア部32の背面と側壁部41との間に、他方の外側コア部32を一方の外側コア部32側に押圧する部材(例えば、板ばね)を挿入した構成とすると、振動や衝撃などの外的要因によってギャップ長が変化することを防止できる。上記押圧部材を利用する形態では、ギャップ材31gとして、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性材料で構成された弾性ギャップ材とすると、ギャップ材31gが変形することでギャップ長を調整したり、ある程度の寸法誤差を吸収可能である。
また、温度センサの他、電流センサなどの種々の物理量測定センサをケース4に収納することができる。上記センサに連結される配線は、例えば、ケース4の掛止部45に掛止することができる。
[封止樹脂]
ケース4内に絶縁性樹脂からなる封止樹脂6を充填した形態とすることができる。この場合、巻線の端部2eは、封止樹脂6から露出させ、巻線の端部2eと端子金具8とを溶接や半田などで接合できるようにする。或いは、上記溶接などの後、巻線の端部2eと端子金具8とを埋設するように封止樹脂6を充填してもよい。そうすれば、接続部を機械的、電気的に保護できる。封止樹脂6の充填量は、適宜選択することができる。コイル2の上面2u(図4)の全面が封止樹脂6により埋設された形態としてもよいし、上面2uを封止樹脂6から露出させた形態としてもよい。
封止樹脂6の構成材料は、絶縁性樹脂が挙げられ、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、絶縁性及び熱伝導性に優れるフィラー、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する封止樹脂6とすると、放熱性を更に高められる。
ケース4内に封止樹脂6を充填する場合、未硬化の樹脂が底板部40と側壁部41との隙間から漏れることを防止するために、パッキン60を配置することが挙げられる。ここでは、パッキン60は、コイル2と磁性コア3との組合体10の外周に嵌合可能な大きさを有する環状体であり、合成ゴムから構成されるものを利用しているが、適宜な材質のものが利用できる。ケース4の側壁部41の設置面側には、パッキン60を配置するパッキン溝(図示せず)を有する。
《リアクトルの製造》
上記構成を具えるリアクトル1は、代表的には、温度センサのコイルへの設置,組合体の準備,側壁部の準備,底板部の準備⇒コイルの固定⇒側壁部の配置⇒ケースの組立⇒端子金具と巻線との接合⇒配線の掛止⇒封止樹脂の充填という工程により製造することができる。
[温度センサの設置と組合体の準備]
コイル2と磁性コア3との組合体10の作製手順を説明する。まず、組合体10を作製する前に、予めコイル2へ温度センサ7を設ける。具体的には、コイル素子2b(2a)におけるコイル素子2a(2b)との対向面側において、上述した軸方向中心領域及び高さ方向中心領域に位置するコイル素子2b(2a)のターン間に設ける。その際、温度センサ7がコイルに圧接されて損傷しない程度にコイル素子2b(2a)のターン間を広げて、温度センサ7を上述した巻線2eの所定の箇所に粘着テープで直接貼り付ける。
続けて、図3に示すようにコア片31mやギャップ材31gを積層して内側コア部31を形成し、この外周にインシュレータ5の周壁部51を配置した状態で、各コイル素子2a,2bに挿入する。周壁部51は、断面]状であることで、内側コア部31の設置側の面及びその対向面に配置し易い。両コイル素子2a,2bの端面及び内側コア部31の端面31eをインシュレータ5の枠状部52及び外側コア部32の内端面32eで挟むように、枠状部52及び外側コア部32を配置して、組合体10を作製する。このとき、内側コア部31の端面31eは、枠状部52の開口部から露出され、外側コア部32の内端面32eに接触する。この組合体10の作製にあたり、枠状部52の筒状部を内側コア部31およびコイル2のガイドとして利用できる。
周壁部51を構成する一対の分割片511,512は、互いに係合する構成ではないが、内側コア部31と共にコイル素子2a,2b内に挿入され、更に外側コア部32が配置されることで、コイル素子2a,2bの内周面と内側コア部31の外周面との間に配置された状態が維持され、ずれたり脱落したりすることが無い。
[側壁部の準備]
側壁部41は、絶縁性樹脂材料であるPBT樹脂を射出成形などにより所定の形状に形成した後、側壁部41の端子台410に端子金具8を端子固定部材9及びボルト91により固定して、端子金具8が固定された側壁部41を用意する。上述したように、端子金具8を側壁部41に一体成形したものを用意してもよい。
[底板部の準備、組合体の載置・固定]
図2に示すようにアルミニウム板を所定の形状に打ち抜いて底板部40を形成し、一面に所定の形状の接合層42をスクリーン印刷により形成して、接合層42を具える底板部40を用意する。そして、この接合層42の上に、組み立てた組合体10を載置し、その後、接合層42を硬化して組合体10を底板部40に固定する。
接合層42により、コイル2を底板部40に密着できると共に、コイル2と外側コア部32との位置が固定され、ひいては一対の外側コア部32に挟まれた内側コア部31も位置が固定される。従って、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤で接合したり、コア片31mやギャップ材31gを接着剤などで接合して一体化していなくても、接合層42により、内側コア部31及び外側コア部32を具える磁性コア3を環状に一体化できる。また、接合層42が接着剤により構成されることで、組合体10は、接合層42に強固に固定される。
接合層42は、組合体10の配置の直前に形成してもよいが、予め接合層42を形成しておいた底板部40を利用してもよい。後者の場合、組合体10を配置するまでの間に接合層42に異物などが付着しないように離型紙を配置しておくとよい。放熱層のみ予め形成しておき、組合体10の配置の直前に接着層のみを形成してもよい。
[側壁部の配置]
端子金具8が固定された側壁部41を、上記組合体10の外周面を囲むように組合体10の上方から被せ、底板部40の上に配置する。このとき、巻線の端部2eがU字状の接合部81a,81bに介在されるように側壁部41を配置する。こうすることで、端子金具8の接合部81a,81bをガイドとして利用できる。上述のように側壁部41を組合体10の上方から被せると、側壁部41の端子台410及び上述した庇状部により、組合体10の各外側コア部32の一方の台形状面が覆われて当たり止めとなる。即ち、端子台410や上記庇状部は、組合体10に対する側壁部41の位置決めとして機能する。側壁部41を組合体10の周囲に配置してから、端子金具8を側壁部41に固定してもよい。
[ケースの組立]
別途用意したボルト(図示せず)により、底板部40と側壁部41とを一体化する。この工程により、図1に示すように箱状のケース4が組み立てられると共に、ケース4内に組合体10が収納された状態とすることができる。また、接合部81a,81bに巻線の端部2eが介在された状態とすることができる。
[端子金具と巻線との接合]
巻線の端部2eと端子金具8の接合部81a,81bとを溶接や半田などにより接合して、両者を電気的に接続する。なお、端子金具8と巻線2wとの接合と、後述する配線71の掛止とは、いずれを先に行ってもよい。この工程により、封止樹脂を有しないリアクトル1が形成される。
[配線の掛止]
側壁部41を底板部40の上に配置した後、温度センサ7に連結される配線71を側壁部41の掛止部43,44に掛止する。ここでは、図1に示すように掛止部43の下方から上方⇒掛止部44の下方から上方に配線71を取り回して掛止している。このように複数の掛止部43,44に配線71を掛止することで、配線71の位置をより確実に固定できる。従って、(1)温度センサ7もより確実に固定できる、(2)温度センサ7に過度の曲げが加わるような配線71の取り回しを行わなくてもよい、などの効果を有する。なお、配線71の掛止部43、44への掛止は、上述の側壁部41の配置後であれば、いつ行ってもよい。
[封止樹脂の充填]
ケース4内に封止樹脂6を充填して硬化することで、封止樹脂6を具えるリアクトル1を形成することができる。この形態では、温度センサ7や配線71も封止樹脂6で固定できる。なお、この形態では、接合部81a,81bと巻線の端部2eとの接合を封止樹脂6の充填後に行ってもよい。
《用途》
上記構成を具えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
《作用効果》
上述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)コイル素子2bのターン間に温度センサ7を設けることでコイル2自体の温度を精度良く検知できる。特に、温度センサ7を設ける箇所をコイル素子2bのうち、コイル素子2aとの対向面において、軸方向中心領域及び高さ方向中心領域に位置するターン間とすることで、コイル2の最も高温となる箇所の温度を精度良く検知できる。つまり、リアクトル1において最も高温となる温度を精度良く検知できるので、コイルへの電流の最適な制御を行うことができる。即ち、リアクトルの構成部材が熱劣化・熱損傷しない程度の許容最大電流をコイルに流すことができる。
(2)巻線2wの導体を平角線とし、各コイル素子2a、2bをエッジワイズコイルとすることで、コイル素子2a、2bのうちターン間の面を広い平面とすることができる。そのため、温度センサ7との接触面積を十分に確保できるので、温度センサ7をコイル素子2b(2a)のターン間に設け易くできる。
(3)封止樹脂6により温度センサ7をコイル素子2b(2a)に直接固定しているので、リアクトル1の作動時においても、温度センサ7が所定の位置からずれたりするのを防止できる。
(4)掛止部43,44が設けられた側壁部41を具えることで、配線71の移動を規制できる。そのため、配線71が余長を有する場合でも、リアクトル1の製造時や設置時に配線71が過度に引っ張られるなどして、配線71に繋がる温度センサ7が損傷する恐れを低減できる。また、配線71自体が乱雑に引き回されて絡まる恐れも低減できる。特に、複数の掛止部43,44により配線71を掛止することで、配線71の掛止状態が解放され難く、封止樹脂6の充填時などで配線71が移動し難い。掛止部43,44がケース4(側壁部41)自体に一体に成形されていることで、掛止部が別部材である場合と比較して部品点数が少ない上に、樹脂の射出成形などにより容易に成形可能であるため、リアクトル1は、生産性に優れる。
(5)リアクトル1は、熱伝導率が2W/m・K超といった熱伝導性に優れる放熱層を含む接合層42が底板部40とコイル2との間に介在されることで、使用時、コイル2及び磁性コア3の熱を、放熱層を介して、冷却ベースといった固定対象に効率よく放出できる。従って、リアクトル1は、放熱性に優れる。接合層42の全体を熱伝導率が2W/m・K超の絶縁性材料で構成すると、放熱性に更に優れるリアクトルとすることができる。
(6)コイル2が接する底板部40がアルミニウムといった熱伝導性に優れる材料により構成されているため、放熱性に優れる。更に、リアクトル1では、底板部40が金属材料(導電性材料)により構成されているものの、接合層42の少なくともコイル2との接触箇所が絶縁性材料により構成されていることから、接合層42が例えば0.1mm程度と非常に薄くてもコイル2と底板部40との間の絶縁性を確保することができる。特に、この例では、接合層42の全体を絶縁性材料により構成していることで、コイル2と底板部40との間を十分に絶縁できる。また、接合層42が薄いことからも、コイル2などの熱を底板部40を介して固定対象に伝え易く、リアクトル1は放熱性に優れる。更に、この例では、接合層42の全体が絶縁性接着剤により構成されることで、コイル2や磁性コア3と接合層42との密着性に優れることからも、コイル2などの熱を接合層42に伝え易く、リアクトル1は放熱性に優れる。加えて、この例では、巻線2wとして、被覆平角線を利用することで、コイル2と接合層42との接触面積が十分に広いことからも、リアクトル1は放熱性に優れる。
(7)ケース4を具えることから、組合体10に対して環境からの保護及び機械的保護を図ることができる。かつ、ケース4を具えていながらも、リアクトル1では、側壁部41を樹脂により構成していることで軽量である上に、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔を、導電性材料からなる側壁部を用いた場合に比較して狭められるため、小型である。また、上述のように接合層42が薄いことからも、コイル2の下面2dと底板部40の内面との間隔を狭められるため、リアクトル1は、小型である。
(8)底板部40と側壁部41とを独立した別部材とし、組み合せて固定材により一体とする構成であることから、側壁部41を取り外した状態で底板部40に接合層42を形成できる。従って、リアクトル1は、接合層42を容易に形成でき、生産性に優れる。また、底板部40と側壁部41とが別部材であることから、それぞれの材質を異ならせることができるため、ケース4の構成材料の選択の幅を広げられる。更に、インシュレータ5を具えることで、リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁性を高められる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上述した実施の形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される車載用コンバータといった電力変換装置の構成部品などに好適に利用することができる。
1 リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部 2w 巻線
2e 巻線の端部 2d 下面 2u 上面
3 磁性コア
31 内側コア部 31e 端面 31m コア片 31g ギャップ材
32 外側コア部 32e 内端面
4 ケース 40 底板部 41 側壁部 42 接合層
43,44,45 掛止部
400,411 取付部 400h,411h ボルト孔 410 端子台
410c 凹溝 410p 位置決め突起
5 インシュレータ
51 周壁部 511,512 分割片 52 枠状部 52p 台座
6 封止樹脂 60 パッキン
7 温度センサ 71 配線
8 端子金具 81a,81b 接合部 82h 貫通孔 83 位置決め孔
9 端子固定部材 91 ボルト
La 軸方向中心領域 Lc 軸方向中心
Ha 高さ方向中心領域 Hc 高さ方向中心

Claims (5)

  1. 巻線を螺旋状に巻回した一対のコイル素子を互いに横並びで接続したコイルと、前記各コイル素子内にそれぞれ配置される一対の内側コア部、及びこれら内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアとを具えるリアクトルであって、
    前記コイルの温度を検知する温度センサを具え、
    前記温度センサは、前記一方のコイル素子における他方のコイル素子との対向面側において、以下の軸方向中心領域及び高さ方向中心領域に位置する当該コイル素子のターン間に設けられることを特徴とするリアクトル。
    軸方向中心領域:コイル素子の軸方向の中心から当該コイル素子の軸方向の長さの±20%までの領域。
    高さ方向中心領域:コイル素子の軸方向、及び一対のコイル素子の横並び方向に直交する方向を高さ方向として、当該コイル素子の高さ方向の中心から当該コイル素子の高さ方向の長さの±20%までの領域。
  2. 前記巻線の導体が平角線であり、
    前記各コイル素子は、エッジワイズコイルであることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、
    前記ケースに充填されて前記組合体を封止する封止樹脂とを具え、
    前記温度センサが、前記封止樹脂により前記コイルに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル。
  4. 前記コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースを具え、
    前記ケースは、
    前記リアクトルが固定対象に設置されるときに当該固定対象に固定される底板部と、
    前記底板部と別部材で、固定材により当該底板部と一体化されて、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを具えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記底板部のケース内側面に形成されて、当該底板部に前記コイルを固定する接合層を具えることを特徴とする請求項4に記載のリアクトル。
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