JP2012209327A - リアクトル - Google Patents

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Kohaku Yamada
幸伯 山田
Takahiro Onizuka
孝浩 鬼塚
Akinori Oishi
明典 大石
Yoshiaki Matsutani
佳昭 松谷
Hideo Tawara
秀男 俵
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Abstract

【課題】部品点数が少なく、組立作業性に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、コイル2と、コイル2が配置される内側コア部31とコイル2が配置されない外側コア部32とを有する磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に配置されて、磁性コア3に対するコイル2の位置決めを行う絶縁部材4とを具える。内側コア部31は、複数のコア片31mとギャップ材31gとの積層物を絶縁性粘着テープ31tにより一体に固定した構成である。絶縁部材4は、コイル2と外側コア部32との間に配置される板状枠41から構成され、板状枠41は、コイル2と内側コア部31との間に介在される突出部42を具える。突出部42は、内側コア部31に対するコイル2の位置決めをすると共に、コイル2と内側コア部31との間の絶縁を確保する。絶縁部材4が筒状ボビンを具えていないことで、リアクトル1は、部品点数が少なく、工程数が少ない。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に載置される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用されるリアクトルに関するものである。特に、部品点数が少なく、組立作業性に優れるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータの回路部品に利用されるリアクトルを開示している。このリアクトルは、横並びに配置される一対のコイル素子を有するコイルと、各コイル素子内にそれぞれ配置される一対の内側コア部(中間コア)とコイルが配置されない一対の外側コア部(端部コア)とにより閉磁路を形成する環状の磁性コアと、この磁性コアに対するコイルの位置決めを行うボビンとを具える。ボビンは、内側コア部の外周に配置される筒状ボビンと、コイルと外側コア部との間に介在される枠状ボビンとを具える。筒状ボビンは、一対の]状片を組み合せて筒状に構成される。枠状ボビンは、内側コア部と外側コア部とが接触できるように、各内側コア部がそれぞれ挿通される貫通孔を具えたB字型である。筒状ボビンにより、内側コア部に対するコイル素子の位置が決められ、枠状ボビンにより、磁性コアに対するコイル素子の軸方向の位置が決められる。また、上記ボビンは、絶縁材料から構成されて、コイルと磁性コアとの間の絶縁を確保することにも寄与する。
上記リアクトルは、例えば、以下の手順で組み立てられる。まず、内側コア部、外側コア部、コイル、ボビンをそれぞれ作製しておく。内側コア部の外周に筒状ボビンを構成する]状片を配置してから、その外周にコイルを配置する。このコイルを具える内側コア部の両側にそれぞれ枠状ボビン、外側コア部を配置する。そして、一対の外側コア部によりコイル及び内側コア部を挟んだ状態で内側コア部と外側コア部とを接合することで、上記リアクトルが得られる。
特開2010-245457号公報
しかし、上記従来のボビンを具えるリアクトルでは、部品点数が多く、組立作業性に劣る。
特許文献1に記載されるように、筒状ボビンを一対の]状片で構成することで、内側コア部の外周に容易に配置できる。しかし、部品点数が多い上に、各]状片を配置する工程が必要であり、組立作業性の低下を招く。
そこで、本発明の目的は、部品点数が少なく、組立作業性に優れるリアクトルを提供することにある。
本発明は、従来の筒状ボビンを省略すると共に、枠状ボビンを特定の形状とし、かつ内側コア部を特定の形態とすることで上記目的を達成する。
具体的には、本発明は、コイルと、コイルが配置される内側コア部及びコイルが配置されない外側コア部とを有し、これら両コア部により閉磁路を形成する磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの間に配置されて、上記磁性コアに対する上記コイルの位置決めを行う絶縁部材とを具えるリアクトルに係るものである。上記内側コア部は、磁性材料からなる複数のコア片と、上記コア片間に配置されるギャップ材と、これらコア片とギャップ材との組物を一体に固定する絶縁性粘着テープとを具える。上記絶縁部材は、上記コイルと上記外側コア部との間に配置される一対の板状枠から構成される。上記各板状枠は、上記内側コア部と上記外側コア部とを接触させるために当該内側コア部が挿通される貫通孔を有する。また、少なくとも一方の上記板状枠は、上記コイルと上記内側コア部の長手方向の一部との間に介在されて、当該内側コアに対する上記コイルの位置決めを行うと共に、両者間の絶縁を確保する突出部を具える。この突出部は、上記貫通孔に沿って設けられている。なお、上記絶縁部材の「絶縁」とは、コイルと磁性コアとの間が電気的に絶縁され得る程度の耐電圧特性を有することを言う。
本発明リアクトルにおいて、磁性コアに対するコイルの位置決めを行う部材(上記絶縁部材)は、従来の筒状ボビンを具えておらず、上記突出部を具える特定の形状の板状枠からなる構成とし、この突出部を位置決めに利用する。この構成により、本発明リアクトルは、従来のように筒状ボビンを配置することなく、上記突出部により磁性コア(主として内側コア部)に対するコイルの位置決めを行えるため、筒状ボビンを具える構成と比較して部品点数の削減、筒状ボビンの配置工程の削減を図ることができ、組立作業性に優れる。
また、本発明リアクトルは、内側コア部を構成する複数のコア片とギャップ材との組物を絶縁性粘着テープで一体化した構成とすることで、これらを接着剤で固定した構成と比較して、コア片とギャップ材との組物の一体化に要する時間を短縮でき、この点からも、組立作業性に優れる。更に、本発明リアクトルでは、内側コア部の全長ではなく、長手方向の一部にのみ突出部が配置される構成とすることで、内側コア部への板状枠の取り付けにあたり、突出部が邪魔にならず、容易に取り付けられる。この点からも、本発明リアクトルは、組立作業性に優れる。
加えて、上記突出部は、絶縁材料で構成されていることから、コイルと磁性コアとの間に介在されることで、コイルと内側コア部との接触を防止でき、コイルと磁性コアとの間の電気的絶縁を確保できる。かつ、本発明リアクトルは、上述のように内側コア部を構成する複数のコア片とギャップ材との組物が絶縁性粘着テープで一体化されているため、従来の筒状ボビンにより内側コア部が覆われていなくても、コイルと磁性コアとの間の絶縁性を高められる。従って、本発明リアクトルは、部品点数が少なく組立作業性に優れる上に、磁性コアに対するコイルの位置決め、及びコイルと磁性コアとの間の電気的絶縁を確保できる。
本発明の一形態として、上記絶縁性粘着テープがその全面に亘って均一的に複数の孔が設けられた形態が挙げられる。
上記形態によれば、複数のコア片とギャップ材との組物に絶縁性粘着テープを貼り付ける際、当該組物と当該テープとの間に空気が巻き込まれても、上記孔からこの空気を容易に排出できる。上記組物と上記テープとの間に空気が残存すると、(1)リアクトルの製造時や使用時の熱により当該空気が膨張して、上記テープが剥離してコア片とギャップ材との位置がずれる、(2)上記空気が断熱層として機能して磁性コアの放熱を妨げる、(3)コイルと磁性コアとを近接して配置することを妨げる、などといった不具合が生じる可能性がある。上記孔から上記組物と上記テープとの間の空気を十分に排出することで、上記不具合の発生を防止できる。
本発明の一形態として、上記内側コア部の少なくとも一方の端面が上記ギャップ材で構成された形態が挙げられる。この場合、少なくとも一方の上記板状枠に設けられた上記突出部が筒状であり、この筒状の突出部の長さが上記ギャップ材の厚さよりも長く、かつ上記コア片の厚さ以下であることが好ましい。
ここで、内側コア部を構成するコア片の厚さやギャップ材の厚さが厚いほど、絶縁性粘着テープとの接触面積を大きくし易く、上記テープを貼り付け易い。しかし、内側コア部の端面をギャップ材とする場合にこのギャップ材の厚さが薄いと、上記テープとの接触面積を十分に確保できず、当該ギャップ材と隣接するコア片とを上記テープにより接合し難い。しかし、上記形態のように、板状枠に設けられた突出部が特定の長さを有する筒状であると、内側コア部の端面を構成するギャップ材とこのギャップ材に隣接するコア片とが上記テープにより十分に固定されていなくても、或いは上記テープにより全く固定されていなくても、内側コア部に板状枠を組み付けることで、板状枠の厚さによらず(例えば、板状枠の厚さがギャップ材の厚さよりも薄い場合でも)、上記筒状の突出部によりギャップ材を確実に保持でき、製造工程などでコア片から脱落することを防止できる。突出部の長さが上記ギャップ材の厚さよりも長ければ、突出部は筒状でなくてもよく、内側コア部の周方向の一部にのみ配置される形態とすることができるが、筒状にすることで、当該ギャップ材を確実に保持できる。
本発明の一形態として、上記コイルと上記磁性コアとの組合体の外周を覆う外側樹脂部を具えた形態が挙げられる。この場合、上記コイルと上記内側コア部との間に上記外側樹脂部の構成樹脂が充填された形態とすることが好ましい。
上記形態によれば、コイルと内側コア部との間に介在される外側樹脂部の構成樹脂により、コイルと内側コア部との間の絶縁性をより高められる。また、本発明では、板状枠の突出部が内側コア部の長手方向の一部にのみに配置される構成であるため、コイルと内側コア部との間に外側樹脂部の構成樹脂が充填され易く、かつ内側コア部と外側樹脂部との接触面積を十分に確保することができる。
本発明リアクトルは、部品点数が少なく、組立作業性に優れる。
図1は、実施形態1のリアクトルの概略斜視図である。 図2は、実施形態1のリアクトルの分解斜視図である。 図3(A)は、実施形態1のリアクトルに具える内側コア部と絶縁部材との組物を示す概略斜視図、図3(B)は、板状枠とコア片とギャップ材との配置状態を説明する概略側面図である。 図4は、内側コア部を固定する絶縁性粘着テープの別の形態を示す概略斜視図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るリアクトルを詳細に説明する。図において同一符号は同一物を示す。
(実施形態1)
以下、図1〜図3を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。リアクトル1は、代表的には、内部に冷媒の循環路(図示せず)などを有する金属製(代表的にはアルミニウム製)の冷却ベースに設置されて回路部品として利用されるものである。このリアクトル1は、コイル2と、コイル2が配置されて閉磁路を形成する環状の磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に配置されて、磁性コア3に対するコイル2の位置決めを行う絶縁部材4とを具える。磁性コア3は、コイル2が配置される内側コア部31(図2)と、コイル2が配置されない外側コア部32とを具える。このリアクトル1の特徴とするところは、内側コア部3が絶縁性粘着テープ31t(図2)により一体化されている点、及び絶縁部材4が特定の形状である点にある。以下、各構成をより詳細に説明する。
[コイル]
コイル2(図1,図2)は、接合部を有しない1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子21,22と、両コイル素子21,22を連結するコイル連結部23とを具える。各コイル素子21,22は、互いに同一の巻数で、中空の角筒状(角部を丸めた長方形状)である。これら両コイル素子21,22は、各軸方向が平行するように横並びに並列されており、コイル2の他端側(図1では紙面奥側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部23が形成されている。この構成により、両コイル素子21,22の巻回方向は同一となっている。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁材料からなる絶縁被覆を具える被覆線が好適である。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用している。両コイル素子21,22は、上記被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジワイズコイルである。巻線2wは、導体が平角線からなるもの以外に、断面が円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。平角線は、断面が円形状の丸線を用いた場合よりも占積率が高いコイルを形成し易い。なお、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子を形成する巻線の端部を溶接や半田付けなどにより接合して一体のコイルとした形態とすることができる。また、各コイル素子は、円筒状などとしてもよい。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、コイル2の一端側(図1において紙面手前側)においてターン形成部分から適宜引き延ばされて、ターン形成部分から突出した状態である。これら引き出された巻線2wの両端部は、絶縁被覆が剥がされ、露出された導体部分に、導電材料からなる端子金具(図示せず)が接続される。この端子金具を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。巻線2wの導体部分と端子部材との接続には、TIG溶接などの溶接や圧着などが利用できる。
[磁性コア]
〔コア片及びギャップ材〕
磁性コア3の説明は、主として図2を参照して行う。磁性コア3は、各コイル素子21,22内にそれぞれ配置される一対の内側コア部31と、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。ここでは、各内側コア部31はそれぞれ直方体状であり(ここでは周面の角部を丸めている)、各外側コア部32はそれぞれ、一対の台形状面を有する柱状体である。磁性コア3は、離間して配置される両内側コア部31を挟むように外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31は、磁性材料からなるコア片31mと、代表的には非磁性材料からなるギャップ材31gとを交互に積層して構成された積層体であり、外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。
各コア片には、磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体が利用できる。上記成形体は、例えば、Fe,Co,Niといった鉄族金属、Fe-Si,Fe-Ni,Fe-Al,Fe-Co,Fe-Cr,Fe-Si-AlなどのFe基合金、希土類金属やアモルファス磁性体といった軟磁性材料からなる粉末を用いた圧粉成形体、上記粉末をプレス成形後に焼結した焼結体、上記粉末と樹脂との混合体を射出成形や注型成型などした成形硬化体が挙げられる。その他、コア片は、金属酸化物の焼結体であるフェライトコアなどが挙げられる。成形体は、種々の立体形状のコア片を容易に形成することができる。
圧粉成形体は、上記軟磁性材料からなる粉末の表面に絶縁被膜(代表的には、シリコーン樹脂やリン酸塩からなるもの)を具えるものを利用すると、渦電流損といった損失を低減できる。ここでは、各コア片は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gは、インダクタンスの調整のためにコア片間に配置される板状材であり、コア片よりも透磁率が低い材料、代表的には非磁性材料により構成される。具体的な材料としては、アルミナといったセラミックス、ガラスエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。その他、ギャップ材31gには、セラミックスやフェノール樹脂などの非磁性材料に磁性粉末(例えば、フェライト、Fe,Fe-Si,センダスト)が分散した混合材料を用いることができる。特に、混合材料は、比透磁率が1超10以下程度が好ましい。
コア片やギャップ材31gの形状(外形)や大きさ(断面積、厚さ)は適宜選択することができる。ここでは、内側コア部31を構成する各コア片31mは、直方体状(周面の角部を丸めたもの)とし、各ギャップ材31gは、その端面形状がコア片31mと同形の矩形状としている。ギャップ材31gは、コア片間に所定の距離を保持できれば、その外形がコア片31mと異なっていてもよい。例えば、ギャップ材31gの外形の大きさをコア片31mの端面の大きさの同等以下とすると、コア片31m間に介在されたギャップ材31gがコア片31mから突出せず、コイル2を内側コア部31に近接させて配置し易い。コイル2と内側コア部31とが近接されていると、リアクトル1の小型化、コイル2から磁性コア3への放熱効率の向上、などを図ることができる。
また、ここでは、各ギャップ材31gの厚さtg(図3(B))を全て均一にすると共に、コア片31mの厚さtm(図3(B))よりも薄くしている(tg<tm)。各ギャップ材31gの厚さを異ならせてもよいが、各ギャップ材31gの厚さが薄いほど、ギャップ部分における漏れ磁束を小さくすることができる。
コア片31m及びギャップ材31gの個数、ギャップ材31gの厚さtgやギャップ材31gの配置位置は、リアクトル1が所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。ここでは、内側コア部31の両端面31eがギャップ材31gにより構成された形態を示すが、少なくとも一方の端面がコア片31mにより構成された形態とすることができる。内側コア部31の端面31eをギャップ材とする場合、比透磁率:1超10以下程度の材料で構成されたギャップ材を利用すると、内側コア部31と外側コア部32との間での漏れ磁束を低減できる。
その他、この例に示す磁性コア3は、組み立てた状態において内側コア部31と外側コア部32とが面一ではない。具体的には、リアクトル1を固定対象に設置したとき、外側コア部32において設置側となる面(以下、コア設置面と呼ぶ。図2において下面)が内側コア部31において設置側となる面よりも突出し、かつコア設置面との対向面(図2において上面)が内側コア部31の設置側面との対向面よりも突出している。従って、磁性コア3を組み立てた状態で正面からみると、H字状である。また、外側コア部32は、組み立てた状態においてコイル2と面一になるように、その厚さ(コア設置面とその対向面間の距離)を調整している。このような三次元形状の磁性コア3は、圧粉成形体からなるコア片を利用すると形成が容易である上に、外側コア部32において内側コア部31よりも突出した箇所も磁束の通路に利用できる。更に、このような三次元形状の磁性コア3とすることで、リアクトル1の設置側面は、コア設置面とコイル2において設置側となる面(以下、コイル設置面と呼ぶ。図2において下面)とで構成されるため、冷却ベースにコイル2や磁性コア3(外側コア部32)の熱を放出し易い上に、コイル2と磁性コア3との組合体を冷却ベースに安定して設置できる。なお、内側コア部と外側コア部とが面一である形態としてもよい。
〔絶縁性粘着テープ〕
リアクトル1では、内側コア部31を構成するコア片31mとギャップ材31gとの組物が絶縁性粘着テープ31tにより一体に固定されていることを特徴の一つとする。
絶縁性粘着テープ31tは、支持体と、粘着剤による粘着層とを有する構成が挙げられる。少なくとも支持体は、リアクトル1の使用時の温度に耐え得る程度の耐熱性を有し、絶縁性に優れる材質からなるものが好ましく、コイル2と内側コア部31との間が電気的に絶縁され得る程度の耐電圧特性を有する材質からなるものがより好ましい。また、支持体は、以下の(1)〜(3)の特性の少なくとも一つ、好ましくは全てを満たす材質からなるものが更に好ましい。(1)室温(20℃程度)での引張強さ:20N/10mm以上、(2)室温(20℃程度)での伸び:95%以下、(3)室温(20℃程度)での粘着力:2.0N/10mm以上。上記引張強さ、伸び、粘着力は、「粘着テープ・粘着シート試験方法:JIS Z 0237(2009)」に定められた試験方法によって測定する。
上記耐熱性、耐電圧特性、強度、伸びを満たす材質として、例えば、ポリエステル、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ガラスクロス、シリコーン、アクリルなどが利用できる。特に、シリコーンやアクリルからなる支持体は、磁性コア3の磁歪による振動も低減できて好ましい。粘着剤には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられる。また、絶縁性粘着テープの厚さは、例えば、0.08mm〜0.13mmが挙げられる。
ここでは、支持体がポリエステルフィルムからなり(厚さ:0.110mm)、粘着層がシリコーン系粘着剤からなる絶縁性粘着テープを利用している(引張強さ:35N/10mm、破断伸び:70%、粘着力:3.5N/10mm)。また、ここでは、図2,図3(A)に示すように積層したコア片31mとギャップ材31gとの組物において、一端側のコア片31mから他端側のコア片31mに亘って覆うことが可能な程度の幅を有する比較的広幅の絶縁性粘着テープ31tを用いている。内側コア部31の両端側に配置される各コア片31mはその厚さ方向(上記組物の積層方向)の一部が、図2に示すように絶縁性粘着テープ31tで覆われず露出されている。
内側コア部31と外側コア部32との接合には、接着剤を好適に利用することができる。また、内側コア部31の端面を構成するギャップ材31gとこのギャップ材31gの両端側に配置されるコア片31mとも、接着剤により固定するとよい。このギャップ材31gとコア片31mとの固定は、内側コア部31と外側コア部32との接合時に同時に行うと、接着剤の硬化工程が一度で済むため、工程数の低減を図ることができる。
[絶縁部材]
そして、リアクトル1では、磁性コア3に対するコイル2の位置決めを行う絶縁部材4が板状枠41から構成されていることを特徴の一つとする。
絶縁部材4の説明は、主として図2,図3を参照して行う。絶縁部材4は、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとに当接される一対の板状枠41により構成されている。板状枠41は、図2に示すように各内側コア部31がそれぞれ挿通される一対の貫通孔40を有するB字状板である。また、板状枠41は、各内側コア部31がそれぞれ挿入される一対の筒状の突出部42を有する。突出部42は、絶縁部材4を磁性コア3に組み付けた際、内側コア部31側に突出するように配置される。この突出部42は、突出部42がつくる開口部が貫通孔40の開口部と連続するように貫通孔40に沿って設けられ、内側コア部31の外形に沿った矩形状の筒状体である。突出部42の厚さは、コイル2と内側コア部31との間に突出部42が配置された際、磁性コア3に対してコイル2が所定の位置に配置される、即ち、位置決めされるように設計している。
突出部42の長さl(突出長さ)は、適宜選択することができる。ここでは、図3(B)に示すように、突出部42の長さlを内側コア部31を構成するコア片31mの厚さtmよりも短く、かつ、ギャップ材31gの厚さtgよりも長くしている(tm>l>tg)。こうすることで、図3(A)に示すように内側コア部31に板状枠41を取り付けると、内側コア部31の端面31eを構成するギャップ材31g及びこのギャップ材31gに隣接するコア片31mが板状枠41や突出部42により保持される。従って、当該ギャップ材31gが絶縁性粘着テープ31tや接着剤によりコア片31mに完全に固定された状態でなくても、当該ギャップ材31gが板状枠41から脱落することを防止できる。
また、ここでは、内側コア部31に板状枠41を取り付けた状態において、内側コア部31の絶縁性粘着テープ31tの両縁部と突出部42との間に若干の隙間が設けられるように突出部42の長さl、及びテープ31tの幅を調整している。ここでは、図3(A)に示すように、コア片31mの厚さtmの1/4〜1/5程度の隙間が設けられるように上記調整を行っている。このような隙間を設けることで、後述するように外側樹脂部を具える形態とする場合、内側コア部31のコア片31m自体も外側樹脂部の構成樹脂に接触することができ、当該構成樹脂により、コイル2と内側コア部31との間の絶縁を高められたり、コイル2と内側コア部31とを固定したり、外側樹脂部の構成樹脂の充填率を高められることでコイル2と内側コア部31との間に形成される空気層を低減して熱伝導性を高めたりすることができる。なお、上記隙間を設けず、上記テープ31tの縁部と突出部42とが突き合わされた形態や、上記テープ31tの外周に突出部42が重複して配置される形態とすることができる。上記二つの形態は、コア片31mの外周に突出部42又は上記テープ31tが確実に存在するため、上記外側樹脂部を有していない形態であっても、コイル2とコア片31mとが接触することが無い。
その他、各板状枠41は、両板状枠41によりコイル2を挟んだ状態において、両コイル素子21,22同士が接触し難いように、板状の隔壁43を具える。リアクトル1を組み立てた際、隔壁43が両コイル素子21,22間に介在されることで、両コイル素子21,22間に隙間を保持することができる。隔壁43の形状は特に問わない。また、隔壁43を省略してもよい。
両板状枠41は、基本的な構成は同様であるが、一方の板状枠41には、コイル連結部23が載置される台座44を具える。コイル連結部23と外側コア部32の一面との間に台座44が介在されることで、コイル連結部23が外側コア部32に接触せず、コイル連結部23と外側コア部32との間の絶縁を高められる。
絶縁部材4は、コイル2と磁性コア3との間が電気的に絶縁され得る程度の耐電圧特性を有する材質から構成される。具体的には、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂が利用できる。ここでは、PPS樹脂を利用している。絶縁部材4は、射出成形などにより、所望の形状に容易に形成できる。
[リアクトルの組み立て手順]
主として、図2を参照して、上記構成を具えるリアクトル1の形成手順を説明する。
まず、コア片31mやギャップ材31gを積層して、その外周に絶縁性粘着テープ31tを巻回して、図2に示す内側コア部31を形成する。ここでは、上記テープ31tの両端部を突き合わせた状態としている。こうすることで、コア片31mとギャップ材31gとの組物を強固に固定することができる。上記テープ31tの両端部を重複させた形態とすると、上記組物をより強固に固定することができる。コア片31mやギャップ材31gがずれない範囲において、上記テープ31tの両端部間に隙間を有した状態で当該テープ31tを固定してもよい。この場合、テープ31tの使用量の低減、貼り付け時間の短縮、隙間部分からの脱気を図ることができる。また、この工程では、内側コア部31の両端部を構成するギャップ材31gが上記テープ31tによりコア片31mに固定されず、離れた状態である。
形成した各内側コア部31の一端側に一方の板状枠41を取り付け、当該板状枠41の突出部42により両内側コア部31が支持された状態で、各内側コア部31の外周にそれぞれコイル素子21,22を配置する。次に、内側コア部31の他端側に他方の板状枠41を取り付ける。このとき、当該他方の板状枠41の突出部42をコイル素子21,22と内側コア部31との間に差し込むように板状枠41を取り付けるとよい。即ち、突出部42をガイドとして利用することができる。なお、コイル2と内側コア部31とを組み付けた後、各板状枠41の突出部42をそれぞれコイル素子21,22と内側コア部31との間に挿入して板状枠41を取り付けてもよい。
内側コア部31の端面31eを構成するギャップ材31g、及び外側コア部32の内端面32eには、予め接着剤を塗布しておく(未硬化状態とする)。そして、上記板状枠41の貫通孔40にそれぞれギャップ材31gを配置する。このとき、板状枠41の突出部42の長さlを上述のように調整することで、上記接着剤が未硬化であっても、当該ギャップ材31gが板状枠41から脱落することを防止できる。次に、コイル2の両端面を挟むように両外側コア部32を配置する。そして、接着剤を硬化するとよい。この硬化工程により、内側コア部31の形成と同時に、内側コア部31と外側コア部32との接合、即ち、環状の磁性コア3を形成することができる。また、この硬化により、リアクトル1が得られる。得られたリアクトル1において、板状枠41の突出部42により、内側コア部31に対する各コイル素子21,22の位置決めがなされ、両板状枠41により、磁性コア3に対するコイル2の軸方向の位置決めがなされる。また、板状枠41の突出部42により、内側コア部31と各コイル素子21,22との接触を防止できる。
[その他の構成]
〔ケース〕
リアクトル1はそのまま利用してもよいが、例えば、ケース(図示せず)に収納した形態とすることができる。ケースは、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金といった、軽量で熱伝導性に優れるものを利用すると、軽量で放熱性に優れるリアクトルとすることができる。また、ケースにリアクトル1を収納することで、コイル2や磁性コア3の機械的保護や環境からの保護を図ることができる。
〔外側樹脂部〕
更に、リアクトル1を収納したケースに樹脂を充填して、リアクトル1を当該樹脂で封止した形態とすることができる。封止樹脂(外側樹脂部)を具えることで、コイル2や磁性コア3の機械的保護や環境からの保護をより確実に図ることができる。
或いは、ケースに収納せず、リアクトル1の外周を樹脂で覆い、リアクトル1の外周に樹脂モールド部(外側樹脂部)を具えた形態とすることができる。この形態は、ケースを具えていないことで、軽量化や部品点数の低減を図ることができる上に、樹脂モールド部を具えることで、コイル2や磁性コア3の機械的保護や環境からの保護を図ることができる。リアクトル1の一部、例えば、コア設置面やコイル設置面を樹脂モールド部から露出させた状態としてもよい。コア設置面やコイル設置面を樹脂モールド部から露出させることで、これら設置面が冷却ベースに直接接触することができ、放熱性に優れるリアクトルとすることができる。
外側樹脂部の構成樹脂には、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。また、上記構成樹脂に、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを混合すると、放熱性を高められる。
特に、外側樹脂部を具える形態とする場合、電気絶縁性に優れる樹脂を利用し、コイル2と内側コア部31との間に外側樹脂部の構成樹脂が介在された形態とすると、当該構成樹脂によりコイル2と内側コア部31との間の絶縁を高められる。
[用途]
上記構成を具えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
[効果]
リアクトル1は、コイル2と外側コア部32との間に介在される絶縁部材4により、磁性コア2に対するコイル2の位置決めが行える。特に、この絶縁部材4が突出部42を有する板状枠41により構成された形態とすることで、絶縁部材が筒状ボビンと枠状ボビンとの双方を具える従来のリアクトルと比較して、リアクトル1は、部品点数が少なく、工程数も少ない。従って、リアクトル1は、組立作業性に優れる。
また、リアクトル1は、内側コア部31を複数のコア片31mとギャップ材31gとで構成しているが、主として、これらを絶縁性粘着テープ31tにより一体に固定した形態である。この構成により、コア片31mやギャップ材31gを全て接着剤により固定する場合と比較して、リアクトル1は、一体化に要する時間を短縮できる。この点からも、リアクトル1は、組立作業性に優れる。特に、上述したリアクトル1では、突出部42の長さlが比較的短いことから、絶縁部材4を内側コア部31に容易に配置することができる。この点からも、リアクトル1は、組立作業性に優れる。
更に、リアクトル1は、絶縁部材4が絶縁材料により構成されることで、コイル2と内側コア部31との間に介在される突出部42により、コイル2と内側コア部31との間の絶縁を確保することができ、コイル2と外側コア部32との間に介在される板状枠41により、コイル2と外側コア部32との間の絶縁を確保することができる。かつ、リアクトル1は、内側コア部31において突出部42に覆われていない箇所に絶縁性粘着テープ31tが存在するため、当該テープ31tにより、コイル2と内側コア部31との間の絶縁を高められる。従って、リアクトル1は、部品点数が少なく組立作業性に優れる上に、磁性コア3に対するコイル2の位置決め、及び磁性コア3とコイル2との間の電気的絶縁を確保できる。
その他、リアクトル1では、内側コア部31の端面31eを薄いギャップ材31gで構成すると共に、当該ギャップ材31gを絶縁性粘着テープ31tにより固定しない構成としている。即ち、上記テープ31tにより固定する対象を、コア片31mとギャップ材31gとの積層体であって、その両端が上記ギャップ材31gよりも厚いコア片31mにより構成されたものとしている。かつ、上記テープ31tとして、上述のように比較的幅が広いものを利用している。そのため、内側コア部31の形成にあたり、上記積層体に上記広幅のテープ31tを貼り付ける際、コア片31m間に介在されるギャップ材31gの外周にはテープ31tが存在するため、これらギャップ材31gが脱落せず、テープ31tを容易に貼り付けられる。この点からも、リアクトル1は、組立作業性に優れる。また、突出部42を筒状とすることで、リアクトル1の組立時、突出部42によりギャップ材31gの脱落を防止できる。
(実施形態2)
以下、図4を参照して、実施形態2のリアクトルを説明する。実施形態1では、絶縁性粘着テープ31tとして、開口部を有しないシート状のものを利用した。その他、絶縁性粘着テープ31tとして、例えば、図4(A)に示すようにその全面に亘って均一的に複数の孔31hが設けられた形態とすることができる。以下、実施形態1との相違点は、主として絶縁性粘着テープ31tにあるため、この相違点を詳細に説明し、その他の構成は説明を省略する。
図4(A)に示す絶縁性粘着テープ31tに設けられた各孔31hは、テープ31tと内側コア部31との間に巻き込まれた空気を排出するためのものであり、当該テープ31tの表裏に連通するように設けられている。
各孔31hの大きさ、形状、個数、配置位置、分布状態(例えば、単位面積あたりの個数)は、上記テープ31tがコア片31mとギャップ材31gとの組物を一体に固定できる程度の強度を有する範囲で適宜選択することができる。例えば、上記孔31hの形状は、円形状が挙げられる。孔31hが円形状であると、脱気のための面積を十分に確保し易く、脱気し易い。或いは、上記孔31hは、上記テープ31tに形成した切れ目(スリット)とすることができる。孔31hがスリットであると、上記テープ31tの表面積が実質的に変化しないため、当該テープ31tと上記組物との接触面積が大きく、コア片31mとギャップ材31gとを十分に接合できる。スリットは、直線状、曲線状、直線と曲線との混合など、種々の形状、長さを選択することができる。上記円形状の孔とスリットとが混在した形態としてもよいし、各孔の形状や大きさが異なっていてもよい。コア片31m間、即ち、ギャップ材31gの近傍が最も空気を巻き込み易いことから、上記孔31hは、例えば、図4(A)に示すようにギャップ材31gの上に配置されるように形成すると、脱気し易い。
図4(A)に示す例では、孔31hは全て円形状、直径:φ2mm、内側コア部31の周方向に隣り合う孔31hの中心間距離:5mmとした。孔31hは、シート状の絶縁性粘着テープをパンチにより打ち抜いて形成することができる。
実施形態1では、各内側コア部31をそれぞれ1枚の比較的広幅の絶縁性粘着テープ31tにより一体に固定した。その他、図4(B),図4(C)に示すように、複数の絶縁性粘着テープ31tにより一つの内側コア部31を固定する形態とすることができる。図4(B),図4(C)に示す形態は、内側コア部31の長手方向に沿って、絶縁性粘着テープ31tを縦添えした形態である。図4(B)は、内側コア部31の四つの角部にそれぞれ、絶縁性粘着テープ31tを貼り付けた形態、図4(C)は、内側コア部31の四つの側面にそれぞれ、絶縁性粘着テープ31tを貼り付けた形態である。これら縦添えの形態は、テープ31tを貼り付け易い上に、上述のような孔31hを有するテープを用いなくても、当該テープ31tで覆われない箇所から脱気できる。また、少なくとも1枚のテープ31tを縦添えすることで内側コア部31を一体に固定できることから、図4(B),図4(C)に示す形態の変形例として、テープ31tの枚数を1枚〜3枚とした形態とすることができる。コア片31mにおいてテープ31tにより覆われる領域が少なくなるほど、コイル2からの熱を受け易く、放熱性に優れるリアクトルとすることができる。
その他、各コア片31m間の周囲を覆うように絶縁性粘着テープ31tを貼り付けた形態としてもよい。この形態は、ギャップ材31gを介在した一対のコア片31mを一体に固定するように1枚のテープ31tをコア片31mの周方向に沿って貼り付けた後、このコア片31mに別のギャップ材31g及びコア片31mを積層して、これらを固定するように別の1枚のテープ31tを貼り付ける、という作業を繰り返すことで内側コア部31を形成することができる。この形態では、複数のギャップ材31gと全てのコア片31mとを積層させた組物に、広幅の絶縁性粘着テープ31tを一度に貼り付ける場合と比較して、貼り付け工程が多いものの、空気を巻き込み難い傾向にある。
(実施形態3)
実施形態1では、板状枠41に具える突出部42が筒状である形態を説明した。その他、突出部は、例えば、直方体状の内側コア部の四つの側面にそれぞれ配置される四つの板片から構成される形態、直方体状の内側コア部の四つの角部にそれぞれ配置される四つのL字状片から構成される形態、或いは四つの角部のうち、対角線上の二つの角部に配置される二つのL字状片から構成される形態などとすることができる。これらの形態では、内側コア部の各端部側において、周方向の一部が突出部に覆われ、他部が露出された状態になる。上記二つのL字状片から構成される形態では、各板状枠に設けるL字状片の配置位置を異ならせてもよい。
上記突出部を構成する各片の長さは、実施形態1のようにギャップ材の厚さよりも長く、かつコア片の厚さ以下としてもよいが、コア片の厚さよりも長くして(例えば、内側コア部の長手方向の長さの1/2程度)、コイルと内側コア部との間に介在される突出部の存在量を大きくしてもよい。突出部の存在量を多くすることで、突出部によりコイルと内側コア部との間の間隔をより確実に維持でき、絶縁性を高め易い。
(実施形態4)
実施形態1では、一対のコイル素子を具える形態を説明した。その他、コイルを一つ具える形態とすることができる。この場合、磁性コアは、コイル内に配置される内側コア部と、コイルの外周に配置される外側コア部と、コイルの両端面に配置される一対の端部コア部とを具える形態が挙げられる。より具体的には、E-Eコア、E-Iコア、断面E-Eとなるポットコアなどが利用できる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータといった車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1 リアクトル
2 コイル
2w 巻線 21,22 コイル素子 23 コイル連結部
3 磁性コア
31 内側コア部 31m コア片 31g ギャップ材 31e 端面
31t 絶縁性粘着テープ 31h 孔 32 外側コア部 32e 内端面
4 絶縁部材
40 貫通孔 41 板状枠 42 突出部 43 隔壁 44 台座

Claims (4)

  1. コイルと、コイルが配置される内側コア部及びコイルが配置されない外側コア部とを有し、これら両コア部により閉磁路を形成する磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの間に配置されて、前記磁性コアに対する前記コイルの位置決めを行う絶縁部材とを具えるリアクトルであって、
    前記内側コア部は、磁性材料からなる複数のコア片と、前記コア片間に配置されるギャップ材と、これらコア片とギャップ材との組物を一体に固定する絶縁性粘着テープとを具え、
    前記絶縁部材は、前記コイルと前記外側コア部との間に配置される一対の板状枠から構成され、前記各板状枠は、前記内側コア部と前記外側コア部とを接触させるために当該内側コア部が挿通される貫通孔を有し、
    少なくとも一方の前記板状枠は、前記コイルと当該内側コア部の長手方向の一部との間に介在されて、当該内側コアに対する前記コイルの位置決めを行うと共に、両者間の絶縁を確保する突出部を具え、この突出部は、前記貫通孔に沿って設けられていることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記絶縁性粘着テープは、その全面に亘って均一的に複数の孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記内側コア部の少なくとも一方の端面は、前記ギャップ材で構成されており、
    少なくとも一方の前記板状枠に設けれた前記突出部が筒状であり、
    前記筒状の突出部の長さが、前記ギャップ材の厚さよりも長く、かつ前記コア片の厚さ以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記コイルと前記磁性コアとの組合体の外周を覆う外側樹脂部を具え、
    前記コイルと前記内側コア部との間に前記外側樹脂部の構成樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
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