JP2013008740A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】組立作業性に優れるリアクトル、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】リアクトルは、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4とを具える。ケース4は、金属材料から構成される底板部40と、組合体10の周囲を囲む側壁部41とを具え、側壁部41は絶縁性樹脂により構成され、底板部40と側壁部41とは、この絶縁性樹脂により形成された溶着部41wにより一体化されている。底板部40と一体化する前の状態の側壁部41は、その全周縁に溶着用突起41pが設けられている。底板部40に組合体10を配置し、組合体10の周囲を囲むように側壁部41を配置する。底板部40の端面を溶着突起41pにより囲んだ状態で溶着用突起41pを溶融して溶着部41wを形成し、底板部40と側壁部41とを溶着により一体化する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル及びその製造方法に関するものである。特に、組立作業性に優れるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、一対のコイル素子を有するコイルと、コイルが配置され、閉磁路を構成する環状の磁性コアと、コイルと磁性コアとの組合体を収納するケースと、ケース内に充填される封止樹脂とを具えるものを開示している。
ケースは、通常、アルミニウムやその合金からなり、組合体の機械的保護を図る他、放熱経路に利用される。また、封止樹脂を具えることで、コイルの熱を効率よくケースに伝えられる。
上記ケースは、一般に、底板と、底板から立設する側壁とが一体に成形された一体化物である。従って、リアクトルを製造する場合、上記組合体を持ち上げ、ケースの開口部から挿入する。
特開2010-263088号公報
このようなリアクトルの組立作業において、その作業性を向上することが望まれている。
コイルは、代表的には銅からなり、磁性コアは、代表的には鉄や鋼などからなることから、コイルとコアとの組合体は、重量物である。従来のリアクトルでは、上記重量物の組合体をケースの上方の開口部から挿入するしかなく、組立作業性に劣る。
そこで、本発明の目的の一つは、組立作業性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、リアクトルを容易に組み立てられるリアクトルの製造方法を提供することにある。
本発明は、ケースを底板と側壁とが一体成形された成形物とするのではなく、底板部と側壁部とを別部材とすると共に、一方の構成材料を溶融して溶着により両者を一体化する構成とすることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、コイルと、上記コイルが配置される磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの組合体を収納するケースとを具える。上記ケースは、上記リアクトルが設置対象に設置されたときに当該設置対象に接する底板部と、上記底板部とは独立した部材であり、上記組合体の周囲を囲む側壁部とを具える。上記底板部及び上記側壁部における相互の接触箇所がそれぞれ異種の材料により構成されている。そして、上記底板部と上記側壁部とは、上記底板部及び上記側壁の接触箇所のうちの一方の構成材料が溶融されて形成された少なくとも一つの溶着部により一体化されている。
上記構成を具える本発明リアクトルは、例えば、以下の本発明リアクトルの製造方法により製造することができる。本発明のリアクトルの製造方法は、コイルと磁性コアとの組合体をケースに収納してリアクトルを製造する方法に係るものであり、以下の準備工程と、組合体配置工程と、側壁部配置工程と、一体化工程とを具える。
準備工程:上記ケースの構成部品として、上記リアクトルが設置対象に設置されたときに当該設置対象に接する底板部と、上記底板部とは独立した部材で枠状の側壁部とを準備する工程。
組合体配置工程:上記底板部に上記組合体を配置する工程。
側壁部配置工程:上記底板部に配置された上記組合体の周囲を囲むように側壁部を配置する工程。
一体化工程:上記底板部と上記側壁部との接触箇所において、上記底板部及び上記側壁部のうちの一方の接触箇所の構成材料を溶融して、上記底板部と上記側壁部との接触箇所の少なくとも一部を溶着により一体化する工程。
本発明リアクトルに具えるケースは、底板部と側壁部とが別部材であり、上記本発明製造方法に規定するように、コイルと磁性コアとの組合体を底板部に配置してから、底板部と側壁部とを一体化して、組合体をケースに収納した状態にすることができる。従って、従来のケースを用いた場合のように重量物の組合体をケースの高さよりも高く持ち上げる必要がなく、本発明リアクトルや本発明製造方法は組立作業性に優れる。
かつ、本発明リアクトルや本発明製造方法では、底板部と側壁部とを一体化する部材として、両者のうちの一方の構成材料を利用することから、例えば、ボルトといった別部材を利用する場合に比較して、部品点数が少ない上に、別部材を逐一配置したり、締め付ける工程が不要であり、例えば、接着剤を利用する場合に比較して、塗布工程や硬化工程などが不要である。これらの点からも本発明リアクトルや本発明製造方法は、組立作業性に優れる。また、底板部と側壁部とを接着剤で一体化する場合、塗布量が不十分であったり、塗布量のばらつきが生じたりする恐れがある。封止樹脂を具える形態では、接着剤が十分に塗布されていない箇所から、未硬化の樹脂が漏出する恐れがある。本発明リアクトルや本発明製造方法では、底板部及び側壁部の一方の構成材料自体を溶融することから接着剤のように一体化のための材料不足という不具合が生じ得えない。従って、本発明リアクトルは、封止樹脂を具える形態でも上記樹脂の漏出が生じ難く、或いは全く生じず、不良品を低減でき、生産性に優れる。また、本発明製造方法は、上記本発明リアクトルを生産性良く製造することができる。
更に、本発明リアクトルでは、底板部と側壁部とが別部材であることで、それぞれを別個に製造でき、製造形態の自由度、構成材料の選択の幅が大きい。例えば、上記組合体が接触又は近接される底板部をアルミニウムなどの金属材料により構成すると、当該底板部を放熱経路として利用でき、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。上記組合体の周囲に配置される側壁部を樹脂といった一般に金属材料よりも軽い材料であって、金属材料よりも電気絶縁性に優れるものにより構成すると、軽量なリアクトルとしたり、側壁部の内周面と組合体のコイルの外周面との間隔を狭くできるため小型なリアクトルとしたりすることができる。また、側壁部が樹脂製である場合、(1)軽量であることで底板部への配置が容易である、(2)金属材料よりも溶融し易く溶着部を形成し易い、といった点から、リアクトルの組立作業性に優れる。
本発明リアクトルの一形態として、上記側壁部の周縁部が絶縁性樹脂から構成された形態が挙げられる。この場合、上記各接触箇所が上記底板部及び上記側壁部のそれぞれの周縁部であり、上記底板部及び上記側壁部において相互に接触する周縁部の少なくとも一部が上記絶縁性樹脂からなる溶着部により一体化された形態(以下、この形態を周縁溶着形態と呼ぶ)が挙げられる。
上記形態では、側壁部において底板部に接触する周縁部を構成する絶縁性樹脂を溶融して溶着部を形成する。そのため、上記形態は、側壁部や底板部を比較的簡単な形状にできる上に、溶融するための治具を配置し易く、溶融作業が行い易い。また、上記形態では、絶縁性樹脂を溶融することから、金属材料を溶融する場合と比較して、低温でかつ短時間で溶着部を形成できる。これらの点から、上記形態は、リアクトルの組立作業性に優れる。
上記周縁溶着形態として、上記底板部の周縁部の全周が上記側壁部の周縁部を構成する絶縁性樹脂からなる溶着部により一体化された形態が挙げられる。
上記形態は、底板部と側壁部とが上記絶縁性樹脂により気密に接合される。従って、封止樹脂を具える形態を製造するにあたり、未硬化樹脂の漏出防止のためのシール部材を省略できる。そのため、この形態は、部品点数の低減、及びシール部材の配置工程の省略が可能であり、組立作業性に更に優れる。また、この形態は、底板部と側壁部とを気密に一体化するにあたり、接着剤を別途組み合せて用いる必要がなく、リアクトルの組立作業性に優れる。この形態では、側壁部の周縁部の全周を一度に溶融可能な治具を用いると、組立作業性に更に優れる。
上記周縁溶着形態として、上記底板部が非磁性金属材料により構成され、上記側壁部が上記絶縁性樹脂から構成された形態が挙げられる。
側壁部の全体が絶縁性樹脂により構成されることで、上記形態は、上述のようにコイルとの絶縁の確保、小型化、軽量化を図ることができる。また、側壁部が複雑な形状であっても射出成形などで容易に成形できるため、上記形態は、側壁部の生産性に優れる。かつ、上記形態は、底板部が金属材料により構成されることで、底板部を放熱経路に利用することができ、放熱性に優れる。また、上記形態は、底板部、側壁部のそれぞれが一様な材質で構成されることで、製造性に優れる。
上記周縁溶着形態として、上記底板部の周縁部は、当該底板部の内面側に当該底板部の平均厚さよりも厚さが薄い箇所を有し、上記溶着部は、上記側壁部の周縁部を構成する絶縁性樹脂が上記底板部の厚さが薄い箇所に回り込んで形成された形態が挙げられる。
上記形態は、底板部の周縁部が特定の形状であることで、溶着部を構成する側壁部の絶縁性樹脂との接触面積を大きくすることができる上に、絶縁性樹脂が回り込むことで溶着部が断面]状又は断面L字状に形成されて底板部を掛止できる。従って、上記形態は、底板部と側壁部とを強固に結合することができる。また、断面]状又は断面L字状の溶着部を形成した場合にも、溶着部が底板部よりも突出することを防止でき、底板部を設置対象に十分に接触させることができる。
本発明リアクトルの一形態として、上記ケースに充填された封止樹脂を更に具える形態が挙げられる。
本発明リアクトルは、封止樹脂を具えていない形態とすることができるが、上記形態のように封止樹脂を具えることで、(1)封止樹脂を介して底板部などにコイルの熱を伝達でき、放熱性を向上できる、(2)コイルとコアとの組合体の機械的保護や外部環境からの保護を図ることができる、(3)使用時の振動を吸収して騒音を防止できる、などの効果を有する。特に、この形態では、上述の周縁溶着形態において、底板部の周縁部の全周が溶着部により一体化された形態(即ち、側壁部の周縁部の全周に溶着部を有する形態)とすると、上述のように底板部と側壁部とを気密に結合できるため、未硬化樹脂の漏出防止、シール部材の省略を図ることができる。
その他、本発明リアクトルの一形態として、上記底板部の一面に形成されて、当該底板部に上記コイルを固定する接合層を具える形態が挙げられる。
上記形態は、接合層によりコイルが底板部に固定されることで、封止樹脂の有無を問わず、ケースに対する所定の位置にコイルを固定できる。また、本発明リアクトルは、底板部と側壁部とが別部材であるため、側壁部を取り外した状態で接合層の形成が可能であり、接合層の形成作業が行い易い。これらの点から、上記形態は、作業性に優れる。また、上記形態は、コイルと底板部との間に接合層が介するだけであるため、ケース底面とコイルとの間隔が小さく、小型なリアクトルとすることができる。
上記接合層を具える形態として、上記接合層が放熱層と、絶縁性接着剤により構成された接着層とを具える多層構造であり、上記底板部が金属材料(特に非磁性)により構成された形態が挙げられる。上記接着層は、上記コイルに接する側に配置され、上記放熱層は、上記底板部に接する側に配置される。
上記形態では、(1)底板部が熱伝導性に優れるアルミニウムなどの金属材料で構成されている点、(2)この底板部に接着層によりコイルが十分に固定されている点、(3)放熱層を有する点から、放熱層及び底板部を介してコイルの熱を外部に効率よく放出できる。従って、上記形態は、封止樹脂の有無、封止樹脂の材質によらず、放熱性に優れる。また、コイルと接触する接着層が絶縁性材料により構成されることで、放熱層や底板部が一般に導電性を有する金属材料から構成された場合でも、コイルと底板部との間を絶縁できることから、放熱層を含めた接合層を薄くすることができる。このことから、上記形態は、放熱性に優れる上に小型である。
上記放熱層の少なくとも一部は、熱伝導率が2W/m・K超の材料により構成されることが好ましい。
このような高熱伝導率の材料で放熱層の少なくとも一部が形成されていることで、放熱特性により一層優れたリアクトルとすることができる。
本発明リアクトルは、組立作業性に優れる。本発明リアクトルの製造方法は、リアクトルを生産性よく製造することができる。
図1は、実施形態のリアクトルを示す概略斜視図である。 図2は、実施形態のリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 図3は、実施形態のリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の概略を示す分解斜視図である。 図4は、実施形態のリアクトルの組立手順を示す工程説明図である。 図5は、底板部の周縁部の別の形状、及び溶着部の別の形状を示す断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態のリアクトルを説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置したときに設置側を下側、その対向側を上側として説明する。
≪リアクトルの全体構成≫
リアクトル1は、コイル2と、コイル2が配置される磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4とを具える。ケース4は、底板部40(図2)と、底板部40から立設する側壁部41とを具え、底板部40と対向する側が開口した箱体である。リアクトル1の最も特徴とするところは、ケース4を構成する底板部40と側壁部41とが一体成形されておらず独立した別部材であり、底板部40及び側壁部41の一方の構成材料が溶融されて形成された溶着部41w(図4(C))により一体化されている点にある。以下、各構成をより詳細に説明する。
[コイル]
コイル2は、図2,図3を主に参照して説明する。コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)され、コイル2の他端側(図3では右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
なお、各コイル素子を別々の巻線により作製し、各コイル素子の巻線の一端部同士を溶接や半田付け、圧着などにより接合されたコイルとすることができる。
巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。導体は、平角線が代表的であり、その他、横断面が円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。平角線は、(1)占積率が高い、(2)後述する底板部40に具える接合層42との接触面積を広く確保し易い、(3)後述する端子金具8との接触面積を広く確保し易い、といった利点がある。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2a,2bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。また、ここでは、各コイル素子2a,2bの端面形状は、長方形の角部を丸めた形状であるが、適宜変更することができる。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、コイル2の一端側(図3では左側)においてターン形成部分から適宜引き延ばされて、代表的にはケース4の外部に引き出される(図1)。巻線の両端部は、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、銅やアルミニウム、その合金といった導電材料からなる端子金具8の一端部81が半田や溶接、圧着などにより接続される。この端子金具8を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。なお、端子金具8の形状は一例であり、一端部81の形状を平板状ではなくU字状にするなど適宜変更することができる。
[磁性コア]
磁性コア3の説明は、図3を参照して行う。磁性コア3は、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2が配置されず、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。各内側コア部31はそれぞれ、各コイル素子2a,2bの内周形状に沿った外形を有する柱状体(ここでは、直方体の角部を丸めた形状)であり、各外側コア部32はそれぞれ、一対の台形状面を有する柱状体である。磁性コア3は、離間して配置される内側コア部31を挟むように外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31は、磁性材料からなるコア片31mと、代表的には非磁性材料からなるギャップ材31gとを交互に積層して構成された積層体であり、外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。
各コア片は、磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体を利用できる。上記成形体は、例えば、Fe,Co,Niといった鉄族金属、Fe-Si,Fe-Ni,Fe-Al,Fe-Co,Fe-Cr,Fe-Si-AlなどのFe基合金、希土類金属やアモルファス磁性体といった軟磁性材料からなる粉末を用いた圧粉成形体、上記粉末をプレス成形後に焼結した焼結体、上記粉末と樹脂との混合体を射出成形や注型成形などした成形硬化体が挙げられる。その他、コア片は、金属酸化物の焼結体であるフェライトコアなどが挙げられる。成形体は、複雑な立体形状のコア片や磁性コアでも容易に形成できる。
圧粉成形体の原料には、上記軟磁性材料からなる粒子の表面に絶縁被膜を具える被覆粒子からなる被覆粉末を好適に利用できる。被覆粉末を成形後、通常、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で熱処理を施すことで圧粉成形体が得られる。絶縁被膜は、代表的にはシリコーン樹脂やリン酸塩からなるものが挙げられる。ここでは、各コア片は、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性粉末の圧粉成形体としている。
ギャップ材31gは、インダクタンスの調整のためにコア片間に設けられる隙間に配置される板状材である。ギャップ材31gの構成材料は、アルミナやガラスエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなど、コア片よりも透磁率が低い材料、代表的には非磁性材料が挙げられる。或いは、ギャップ材31gとして、セラミックスやフェノール樹脂などの非磁性材料に磁性粉末(例えば、フェライト、Fe,Fe-Si,センダストなど)が分散した混合材料からなるものを用いると、ギャップ部分の漏れ磁束を低減できる。エアギャップとすることもできる。コア片の材質によってはギャップ材を具えていない形態とすることができる。コア片やギャップ材の個数は、リアクトル1が所望のインダクタンスとなるように適宜選択することができる。また、コア片やギャップ材の形状は適宜選択することができる。
上記コア片同士の一体化やコア片31mとギャップ材31gとの一体化には、例えば、接着剤や接着テープなどを利用できる。内側コア部31の形成に接着テープを用い、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤で接合する形態としてもよい。
或いは、絶縁性材料からなる熱収縮チューブや常温収縮チューブを利用して、内側コア部31を一体化してもよい。この場合、上記絶縁性チューブは、コイル素子2a,2bと内側コア部31との間の絶縁材としても機能する。
その他、この例に示す磁性コア3は、内側コア部31の設置側の面(図3では下面)と外側コア部32の設置側の面(同)とが面一になっておらず、外側コア部32の設置側の面が内側コア部31よりも突出し、かつコイル2の設置側の面(同)と面一である。従って、コイル2と磁性コア3との組合体10の設置側の面は、両コイル素子2a,2b及び外側コア部32とで構成され、コイル2及び磁性コア3の双方が後述する接合層42(図2)に接触する。また、組合体10の設置側の面がコイル2及び磁性コア3の双方で構成されることで底板部40との接触面積が十分に大きく、リアクトル1は、設置したときの安定性にも優れる。更に、コア片を圧粉成形体で構成することで、外側コア部32において内側コア部31よりも突出した箇所は磁束の通路に利用できる。
[インシュレータ]
この例に示すリアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に介在されるインシュレータ5を更に具える。インシュレータ5を具えることで、リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁性を高められる。
インシュレータ5は、図3に示すように内側コア部31の外周に配置される周壁部51と、各コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される一対の枠板部52とを具える。
周壁部51は、コイル素子2a,2bと内側コア部31との間を絶縁する部材であり、内側コア部31の軸方向と直交方向に分割された一対の断面]状の分割片から構成される。周壁部51は、上記形状により、内側コア部31の外周に容易に配置できる。この例に示す周壁部51は、内側コア部31に配置したとき、内側コア部31の一部が露出される形状であるが、分割片を組み合せたときに内側コア部31の全周を覆う筒状体としてもよく、適宜形状を変更することができる。
各枠板部52はそれぞれ、各内側コア部31がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部材である。この例に示す枠板部52は両開口部の中間部に仕切り板52bを具え、枠板部52をコイル2に組み付けたとき、仕切り板52bは両コイル素子2a,2b間に介在される。また、一方(図3では右側)の枠板部52は、コイル連結部2rが載置され、コイル連結部2rと外側コア部32との間を絶縁するための台座52pを具える。
この例では、周壁部51と枠板部52とが別個である形態を説明したが、枠板部と周壁部を構成する筒片とが一体成形され、コイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片からなるインシュレータとすることができる。各分割片には、互いに係合する係合部を具えると、相互の位置決めを容易にできる。或いは、周壁部51を省略して枠板部52のみとし、内側コア部31の外周には、例えば、上述した熱収縮チューブなどの絶縁性チューブ、絶縁テープや絶縁紙により形成した絶縁被覆層を具える形態としてもよい。
インシュレータ5の構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。インシュレータ5の形成には、射出成形などの成形方法が好適に利用できる。
[ケース]
ケース4の説明は、図2,図4,図5を参照して行う。ケース4は、平板状の底板部40と、底板部40に立設する枠状の側壁部41とを具え、上述のように底板部40と側壁部41とは別部材であり、溶着部41wにより一体化されている。
(底板部)
底板部40は、ここでは矩形状板であり、四隅のそれぞれから突出した取付部400を有する。即ち、底板部40自体が設置対象に固定される構成である。また、ここでは、後述する側壁部41の設置側領域の外形が底板部40の外形に沿った形状であり、底板部40の周縁部はその全周に亘って側壁部41の周縁部に接触する。従って、底板部40及び側壁部41の周縁部は、相互の接触箇所を構成する。
上記各取付部400にはそれぞれ、設置対象にケース4を固定するボルト(図示せず)が挿通されるボルト孔400hが設けられている。ボルト孔400hは、後述する側壁部41のボルト孔411hに連続するように設けられている。ボルト孔400h,411hは、ネジ加工が成されていない貫通孔、ネジ加工がされたネジ孔のいずれも利用でき、個数なども適宜選択することができる。
底板部40の外形は適宜選択することができる。例えば、側壁部41が取付部を具えておらず、底板部40のみが取付部400を具える形態とする場合、底板部40の取付部400が側壁部の外形から突出するように底板部40の外形を形成する。この形態では、底板部の周縁部の一部(上述の突出した部分)は側壁部と接触しない。或いは、側壁部41のみが取付部411を有し、底板部40が取付部を有しない形態とする場合、側壁部41の取付部411が底板部40の外形から突出するように側壁部41の外形を形成する。この形態では、底板部の周縁部がその全周に亘って側壁部と接触する。
一方、底板部40の端面は、代表的には、厚さ方向(図4,図5では上下方向)に平行な面のみで構成される形態が挙げられる。しかし、この場合、底板部40と側壁部41とを強固に結合するために、図4(C)や図5に示すような断面]状又は断面L字状に溶着部41wを形成すると、溶着部41wの一部が底板部40の外表面40o(リアクトル1が設置されたときに設置対象に接する面)から突出する。そこで、底板部40の端面は、上記平行な面のみで形成されるのではなく、表面積が大きくなるような形状であることが好ましい。例えば、底板部40の周縁部に、底板部40の内面40i(外表面40oとの対向面)側に底板部40の平均厚さ(端面近傍を除く箇所の厚さ)よりも厚さが薄い箇所を有することが挙げられる。この厚さが薄い箇所は、底板部40の周縁部の一部にのみ有した形態でもよいが、全周に亘って有する形態が好ましい。
例えば、図4(A)に示すように、底板部40の端面が厚さ方向に平行な平坦面401と、外表面40oから内面40iに向かって厚さが薄くなるように傾斜した傾斜面402とにより構成された形態が挙げられる。この傾斜面402が存在する箇所は、ここでは、上記厚さが薄い箇所に相当するものとする。
その他、例えば、図5(A),図5(B)に示すように、底板部40の周縁部において、外表面40o側が切り欠かれ、底板部40の周縁部が、外表面40oから内面40iに向かって厚さが段階的に薄くなるように段差形状に形成された形態が挙げられる。図5(A),図5(B)に示す底板部40はいずれも、内面40i側に厚さが薄い段部を有する。ここでは、各段が平面により形成された形態を示すが曲面とすることもできる。
或いは、図5(C),図5(D)に示すように、底板部40の周縁部が、外表面40oから内面40iに向かって厚さが連続的に薄くなるようにテーパ状に形成された形態が挙げられる。図5(C)に示す底板部40の端面は、厚さ方向に交差する平坦面で構成され、図5(D)に示す底板部40の端面は、厚さ方向に交差する湾曲面で構成される。図5(C),図5(D)に示す底板部40はいずれも、内面40i側に厚さが薄い断面三角形状の部分を有する。
或いは、図5(E)に示すように、底板部40の周縁部が、厚さ方向の中間部に凹部を有する形態が挙げられる。この底板部40は、その端面が凹凸形状となり、内面40i側及び外表面40o側の双方に厚さが薄い段部を有する。
(側壁部)
側壁部41は、矩形枠状体であり、一方の開口部を底板部40により塞いでケース4を組み立てたとき、上記組合体10の周囲を囲むように配置され、他方の開口部が開放される。この例では、側壁部41の外形は、開口側領域がコイル2と磁性コア3との組合体10の外周面に沿った形状(ここでは平面と曲面とを組み合せた形状)であり、リアクトル1を設置対象に設置したときに設置側となる領域が、上記開口側領域よりも外方に突出した段差形状で、上記底板部40の外形に沿った形状である。側壁部41の形状は、適宜変更することができる。
この例では、側壁部41の開口側領域において、組合体10の各外側コア部32の台形状面をそれぞれ覆うように庇状部を具える。これら庇状部によりケース4に収納された組合体10は、図1に示すようにコイル2が露出され、磁性コア3は実質的にケース4の構成材料に覆われる。上記庇状部を具えることで、(1)耐振動性の向上、(2)ケース4(側壁部41)の剛性の向上、(3)磁性コア3(外側コア部32)の外部環境からの保護や機械的保護、(4)組合体10の脱落防止(当て止め)、といった種々の効果が得られる。上記庇状部を省略して、コイル2と、一方或いは両方の外側コア部32の台形状面との双方が露出される形態としてもよい。
側壁部41の設置側の領域は、底板部40と同様に、四隅のそれぞれから突出する取付部411を具え、各取付部411には、ボルト孔411hが設けられて、取付箇所を構成している。底板部40と側壁部41とを組み合せてケース4を形成した場合、底板部40の取付部400は、側壁部41の取付部411と重なる。ボルト孔411hは、側壁部41の構成材料のみにより形成してもよいし、別材料からなる筒体を配置させて形成してもよい。例えば、側壁部41を樹脂で構成する場合、上記筒体として、真鍮、鋼、ステンレス鋼などの金属からなる金属管を利用すると強度に優れ、樹脂のみから構成される場合に比較してクリープ変形を抑制できる。ここでは、金属管を配置してボルト孔411hを形成している。
そして、側壁部41は、図4(C)に示すように底板部40に組み付けられた状態において底板部40側(設置側)の領域に、底板部40の内面40iに接触する内底面41iと、内底面41iから底板部40側に向かって延び、底板部40の端面(平坦面401,傾斜面402)に回り込んで形成された溶着部41wとを具える。そして、この溶着部41wにより、底板部40と側壁部41とが一体化されている。
ここでは、底板部40の周縁部の全周に亘って、溶着部41wを具える。即ち、溶着部41wは、底板部40の周縁部の全周に沿って連続して環状に形成されている。従って、底板部40と側壁部41とは、側壁部41において底板部40との接触箇所を構成する材料のみにより一体化されている。
ここでは、溶着部41wは、図4(C)に示すように断面]状になっており、底板部40を掛止することができる。また、ここでは、溶着部41wの外形は、底板部40の外表面40oと面一となるように形成されている。その他、溶着部41wは、図5(B),図5(C),図5(E)に示すように底板部40の外表面40oよりも凹んだ適宜な形状としてもよい。このように溶着部41wが底板部40の外表面40oよりも突出しないことで、底板部40は、設置対象に十分に接触することができる。溶着部41wの外形は、溶融に利用する治具の形状により適宜変更することができる。所望の形状が得られるように治具の形状を選択するとよい。
上記溶着部41wを形成するために、底板部40に組み付ける前の状態の側壁部41は、図4(A),図4(B)に示すように内底面41iから底板部40側に向かって突出した溶着用突起41pを有する。溶着用突起41pは、側壁部41の周縁部の全周に亘って環状に設けられている。また、溶着用突起41pは、図4(B)に示すように、溶融前において、底板部40の端面(平坦面401,傾斜面402)を十分に覆うことができる程度に突出している。
その他、この例に示す側壁部41は、一方の庇状部(図2において手前側の外側コア部32の台形状面を覆うもの)を、巻線2wの各端部がそれぞれ接続される一対の端子金具8を固定する端子台410として利用する。
ここでは、図2に示すように側壁部41に凹溝410cが形成されており、凹溝410cに端子金具8が嵌め込まれる。この端子金具8の上方が端子固定部材9により覆われ、端子固定部材9はボルト91により側壁部41に固定されて端子台410を構成する。
なお、側壁部41を絶縁性樹脂で構成する場合、端子固定部材9及びボルト91の使用に代えて、端子金具8をインサート成形することにより、側壁部、端子金具8、端子台を一体とした形態とすることができる。この形態は、部品点数及び組立工程数が少なく、リアクトルの生産性に優れる。
(材質)
底板部40と側壁部41とは別部材であることから、それぞれを異種材料により構成することができる。特に、本発明リアクトルでは、ケース4が組み立てられた状態において底板部40及び側壁部41における相互の接触箇所が少なくとも異種材料により構成され、かつ、一方の接触箇所の構成材料により、底板部40及び側壁部41の両者を一体化する溶着部を構成する。従って、各接触箇所の構成材料は、溶着部を構成する一方の材料を溶融する際、他方の材料は溶融しない、という性質を有するものを利用することができる。
底板部40及び側壁部41のそれぞれにおいて、接触箇所とそれ以外の箇所とが異なる材質でもよいが、接触箇所を含めた全体が一様な材料で構成されていると、成形し易く、底板部40及び側壁部41の製造性に優れて好ましい。
底板部40の構成材料は、放熱経路に利用できるように、熱伝導率が高い材料、例えば、金属材料といった導電性材料が好ましい。特に、底板部40はコイル2の近傍に配置されることから、非磁性金属が好ましい。
具体的な金属は、例えば、アルミニウム(熱伝導率:237W/m・K)やその合金、マグネシウム(156W/m・K)やその合金、銅(398W/m・K)やその合金、銀(427W/m・K)やその合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304:16.7W/m・K)が挙げられる。上記アルミニウムやマグネシウム、その合金は非磁性である上に、軽量であり、ケースの構成材料に利用することでリアクトルの軽量化に寄与することができる。特に、アルミニウムやその合金は、耐食性に優れ、マグネシウムやマグネシウム合金は制振性に優れるため、車載部品に好適に利用できる。金属材料により底板部40を形成する場合、ダイキャストといった鋳造やプレス加工(代表的には打ち抜き)、適宜切削などにより形成することができる。底板部40の周縁部を図4や図5に示すような異形状にするには、切削加工(面取り加工など)やプレス成形などが利用できる。
底板部40を導電性材料により形成する場合、アルマイト処理などを施して、その表面に極薄い絶縁被膜(厚さ:1μm〜10μm程度)を具えた形態とすると、コイル2との間の絶縁性を高められる。
或いは、底板部40の構成材料は、放熱性に優れる樹脂が挙げられる。例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスを含有する樹脂が挙げられる。セラミックス及び樹脂の双方を絶縁性材料とすると、底板部40とコイル2との間の絶縁性を高められる。樹脂は後述する側壁部41の構成材料に列挙するものが利用できる。
或いは、底板部40の構成材料は、上記セラミックスが挙げられる。セラミックスから構成された底板部40は、電気絶縁性、耐熱性、放熱性に優れる。
側壁部41の構成材料は、コイル2の周囲に配置されることから、電気絶縁性及び耐熱性に優れる材料が好ましい。例えば、樹脂、特に絶縁性樹脂が挙げられる。具体的な樹脂は、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、アクリル、ナイロン6、ナイロン66、液晶ポリマー、ウレタン樹脂が挙げられる。上記列挙した樹脂のように熱可塑性樹脂とすると、溶着部を容易に形成できて好ましい。また、側壁部41を構成する樹脂も上述のセラミックスからなるフィラーを含有する形態とすると、放熱性を高められる。
或いは、側壁部41の構成材料は、金属材料(特に非磁性)とすることができる。
従って、ケース4の構成材料の組み合せは、(α)底板部40が金属材料(特に非磁性)、側壁部41が樹脂(特に絶縁性樹脂)、(β)双方が金属材料(特に非磁性)、(γ)双方が樹脂、(δ)底板部40が樹脂、側壁部41が金属材料(特に非磁性)、といういずれの形態も取り得る。
上記形態(α)では、側壁部41の溶着用突起41pが樹脂で構成されることで、溶着部41wを容易に形成することができ、組立作業性に優れる。また、上記形態(α)は、溶着部41wの形成にあたり、底板部40が溶融する恐れが実質的にない。更に、この形態(α)は、金属製の底板部40により放熱性に優れ、側壁部41を絶縁性樹脂とすることで、絶縁性に優れる上に小型、軽量化を図ることができる。
上記形態(β)は、放熱性、及び強度に優れるケースとすることができる。上記形態(γ)は、特に絶縁性樹脂とする場合、絶縁性に優れる上に、軽量で小型なケースとすることができる。上記形態(δ)は、コイル2と磁性コア2との組合体10の外周に配置される側壁部41が金属材料であることで強度に優れる上に、材質によっては磁気シールドとして機能することができ、樹脂製の底板部40により軽量化を図ることができる。
ここでは、底板部40をアルミニウム、側壁部41をPBT樹脂により構成している(上記形態(α)を採用)。従って、底板部40の熱伝導率が側壁部41よりも十分に高く、放熱性に優れる。また、ここでは、コイル2と側壁部41とを近接させており、コイル2の外周面と側壁部41の内周面との間隔が0mm〜1.0mm程度と非常に狭い。
[接合層]
リアクトル1は、底板部40の内面40iにおいて、少なくともコイル2の設置側の面が接触する箇所に接合層42(図2)を更に具える。
接合層42は、絶縁性材料からなる単層構造とすると容易に形成できる上に、底板部40が金属製でも、コイル2と底板部40との間を絶縁できる。絶縁性材料からなる多層構造とすると、絶縁性をより高められる。同材質の多層構造とする場合、一層あたりの厚さを薄くしても、絶縁を確保できる。一方、異種材質の多層構造とすると、コイル2と底板部40との絶縁性、両者の密着性、コイル2から底板部40や設置対象への放熱性などの複数の特性を兼備できる。
接合層42は、その合計厚さが厚いほど絶縁性を高められ、薄いほど放熱性を高められる傾向にある。構成材料にもよるが、例えば、接合層42の合計厚さを2mm未満、更に1mm以下、特に0.5mm以下とすることができる。
接合層42は、少なくともコイル2の設置側の面が十分に接触可能な面積を有していれば、特に形状は問わない。ここでは、接合層42は、図2に示すように、組合体10の設置側の面、即ち、コイル2及び外側コア部32の双方の設置側の面がつくる形状に沿った形状としている。従って、コイル2及び外側コア部32の双方が接合層42に接触する。
特に、接合層42は、コイル2の設置側の面が接する表面側に絶縁性材料からなる接着層を具え、底板部40に接する側に熱伝導性に優れる材料からなる放熱層を具える多層構造であることが好ましい。ここでは、接合層42は、接着層と放熱層とを具える。
接着層は、接着強度及び絶縁性に優れる材料、代表的には絶縁性接着剤を好適に利用できる。例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などが利用できる。接着層の形成は、例えば、放熱層の上に塗布したり、スクリーン印刷を利用したりすることが挙げられる。接着層にシート状接着剤を利用してもよい。ここでは、接着層は、絶縁性接着剤の単層構造としている。
放熱層は、放熱性に優れる材料、好ましくは熱伝導率が2W/m・K超の材料を好適に利用できる。放熱層は、熱伝導率が高いほど好ましく、3W/m・K以上、特に10W/m・K以上、更に20W/m・K以上、とりわけ30W/m・K以上の材料により構成されることが好ましい。
放熱層の構成材料として、金属元素,B,及びSiの酸化物、炭化物、及び窒化物から選択される一種の材料といったセラミックスなどの非金属無機材料を利用すると、放熱性及び電気絶縁性の双方に優れて好ましい。より具体的なセラミックスは、窒化珪素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ほう素(BN)、炭化珪素(SiC)などが挙げられる(いずれも熱伝導率:20W/m・K以上)。上記セラミックスにより放熱層を形成するには、例えば、PVD法やCVD法といった蒸着法を利用したり、上記セラミックスの焼結板などを用意して、適宜な接着剤により、底板部40に接合したりすることが挙げられる。
或いは、放熱層の構成材料に、上記セラミックスからなるフィラーを含有する絶縁性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)を利用すると、放熱性及び電気絶縁性の双方に優れる放熱層が得られる。特に、上記絶縁性樹脂が接着剤であると、放熱層と接着層との密着性に優れ、この放熱層を具える接合層は、コイル2と底板部40との間を強固に接合できる上に、絶縁性にも優れる。接着層及び放熱層を構成する接着剤を異種としてもよいが、同種である場合、密着性に優れる上に接合層の形成が容易である。上記フィラー入りの絶縁性接着剤により接合層全体を形成しても勿論よい。この場合、接合層は、単一種の材質からなる多層構造となる。特に、接合層の全体を熱伝導率が2W/m・K超の絶縁性材料で構成すると、放熱性により優れるリアクトルとすることができる。上記フィラー入り樹脂により放熱層を形成するには、例えば、底板部40に塗布したり、スクリーン印刷したりなどすることで容易に形成できる。
或いは、放熱層は、放熱性に優れるシート材とし、適宜な接着剤により底板部40に接合することでも形成できる。
放熱層は、単層構造でも多層構造(二層、或いは三層以上)でもよい。多層構造とする場合、少なくとも一層の材質を異ならせてもよい。例えば、放熱層は、熱伝導率が異なる材質からなる多層構造とすることができる。
放熱層を具える形態は、放熱層により放熱性を確保できるため、封止樹脂を具える形態とする場合、利用可能な封止樹脂の選択の自由度を高められる。例えば、フィラーを含有していない樹脂など、熱伝導性に劣る樹脂を封止樹脂に利用できる。
ここでは、放熱層は、アルミナからなるフィラーを含有するエポキシ系接着剤により形成されている(熱伝導率:3W/m・K以上)。従って、ここでは、接合層全体が絶縁性接着剤により構成されている。また、ここでは、放熱層は、上記フィラー入り接着剤からなる二層構造で形成され、一層の厚さを0.2mm、合計0.4mmとしている(接着層との合計厚さ:0.5mm)。
[封止樹脂]
ケース4内に絶縁性樹脂からなる封止樹脂(図示せず)を充填した形態とすることができる。封止樹脂の充填量は、適宜選択することができる。例えば、巻線の端部を封止樹脂から露出させると、端子金具8との接続作業が行い易い。コイル2の一部を封止樹脂から露出させた形態としてもよい。
上記封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、絶縁性及び熱伝導性に優れるフィラー、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを含有する封止樹脂とすると、放熱性を更に高められる。
≪リアクトルの製造≫
上記構成を具えるリアクトル1は、代表的には、組合体の準備,側壁部の準備,底板部の準備⇒組合体の配置⇒側壁部の配置⇒一体化⇒封止樹脂の充填という工程により製造することができる。
[組合体の準備]
まず、コイル2と磁性コア3との組合体10の作製手順を説明する。具体的には、図3に示すようにコア片31mやギャップ材31gを積層して内側コア部31を構成し、その外周に周壁部51を配置して、コイル素子2a,2bに挿入する。内側コア部31は、コア片31mとギャップ材31gとを接着剤で一体化したり、コア片31mとギャップ材31gとの積層物の外周に接着テープを巻回して一体化したりしてもよいし、一体化しなくてもよい。ここでは、接着テープで一体化した内側コア部31を用いている。
次に、インシュレータ5の枠板部52及び外側コア部32でコイル2と内側コア部31との組物を挟むように枠板部52及び外側コア部32を配置して、組合体10を形成する。このとき、内側コア部31の端面31eは、枠板部52の開口部から露出されて外側コア部32の内端面32eに接触する。
[側壁部の準備]
射出成形などにより所定の形状に形成した側壁部41の凹溝410c(図2)に、端子金具8(図2)、端子固定部材9(図2)を順に配置してボルト91(図2)を締め付け、端子金具8が固定された側壁部41を用意する。端子金具8は、ケース4を組み立てた後に側壁部41に固定してもよい。また、上述のように、端子金具8が側壁部に一体に成形されたものを用意してもよい。
[底板部の準備]
図2に示すようにアルミニウム板を所定の形状に打ち抜いて底板部40を形成し、一面に所定の形状の接合層42をスクリーン印刷により形成して、接合層42を具える底板部40を用意する。
[組合体の配置]
この接合層42の上に、組み立てた組合体10を載置し、その後、接合層42を適宜硬化して組合体10を底板部40に固定する。接合層42により、コイル2を底板部40に密着できると共に、コイル2と外側コア部32との位置が固定され、ひいては一対の外側コア部32に挟まれた内側コア部31も位置が固定される。従って、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤で接合したり、コア片31mやギャップ材31gを接着剤や接着テープなどで接合して一体化していなくても、接合層42により、内側コア部31及び外側コア部32を具える磁性コア3を環状に一体化できる。特に、この例では、接合層42が接着剤により構成されることで、組合体10は、接合層42に強固に固定される。
[側壁部の配置]
側壁部41を、図4(A)に示すように上記組合体10の外周面を囲むように組合体10の上方から被せ、底板部40の上に配置する。このとき、図4(B)に示すように底板部40の端面(平坦面401,傾斜面402)に溶着用突起41pを嵌め込むように側壁部41を配置する。この例では、組合体10が底板部40に予め固定されているため、側壁部41を配置し易い。側壁部41を配置すると、底板部40の周縁部の内面40iと側壁部41の周縁部の内底面41iとが接触すると共に、底板部40の端面の平坦面401の外周に溶着用突起41pが存在した状態になる。また、底板部40の端面の傾斜面402と溶着用突起41pとの間には、隙間(ここでは断面三角形状の隙間)が設けられる。なお、この例では、溶着用突起41pが底板部40に対する位置決めに利用できる他、側壁部41の庇状部も当たり止めとなり、位置決めに利用できる。
[ケースの一体化]
上記溶着用突起41pを溶融して、底板部40と側壁部41とを接合してケース4を組み立てる。具体的には、図4(B)に示すように、溶着用突起41pの端部に溶着用治具を押し当てて溶着用突起41pの一部を溶融する。
溶着用治具は、例えば、溶着用突起41pに接触して溶着用突起41pを加熱する接触加熱部200を有する市販品を利用することができる。より具体的には、高周波の電流により短時間での加熱が可能で、溶融後、圧縮空気を吹き付けることで急速冷却が可能な溶着用工具を好適に利用することができる。接触加熱部200は、溶着用突起41pの形状に応じたもので、溶着部41wが所望の形状となるものを用意する。ここでは、図4(C)に示すように、溶着部41wの設置側の面が底板部40の外表面40oと面一となるように、接触加熱部200は断面L字状のものを用いた。また、接触加熱部200は、傾斜面402の近傍に設けられた隙間に、溶着用突起41pの構成樹脂が十分に充填されるように、L字において短片と長片との結合部分を傾斜形状としている。更に、ここでは、接触加熱部200を底板部40の周縁部の形状に沿った環状体としている。環状の接触加熱部200を利用することで、環状の溶着用突起41pを均一的に溶融することができ、溶融斑などが生じ難い上に、環状の溶着部41wを一度に形成でき、作業性に優れる。
その他、溶着部の形成には、溶着部を構成する材料を溶融可能な適宜な溶着法、例えば、振動溶着、超音波溶着などを利用できる。振動溶着を行う場合、側壁部にフランジ部を設けるなどして、底板部40の内面40iに対して十分な接触面積を有する形状とするとよい。
溶着用突起41pを溶融すると、上記底板部40の端面の傾斜面402と溶着用突起41pとの間に設けられた断面三角形状の隙間に溶着用突起41pを構成する樹脂が回り込む。従って、溶着部41wは、図4(C)に示すように断面]状に形成され、底板部40は、この断面]状の溶着部41wに掛止されることで、側壁部41と強固に結合される。また、溶着部41wの外周面は、接触加熱部200により、底板部40の外表面40oと面一に形成される。
上記工程により、図1に示すように箱状のケース4が組み立てられると共に、ケース4内に組合体10が収納された状態とすることができ、封止樹脂を有していない形態のリアクトル1が得られる。なお、この形態では、この後、巻線2wの端部と端子金具8とを電気的に接続するとよい。
[封止樹脂の充填]
ケース4内に封止樹脂(図示せず)を充填して硬化することで、封止樹脂を具えるリアクトル1を形成することができる。なお、この形態では、巻線2wの端部と端子金具8との接合を封止樹脂の充填後に行ってもよい。
≪用途≫
上記構成を具えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
≪効果≫
上記構成を具えるリアクトル1は、底板部40と側壁部41とが独立した別部材であることから、重量物の組合体10ではなく、軽量の側壁部41を動かして底板部40に組み付けることで、組合体10をケース4に収納することができる。特に、リアクトル1では、側壁部41が軽量な樹脂製であることで、ハンドリング性に優れる。従って、リアクトル1は、組立作業性に優れる。
かつ、リアクトル1では、底板部40と側壁部41との一方(ここでは側壁部41)の構成材料を溶融して、当該構成材料により形成した溶着部41wにより両者を一体にするため、ボルトや接着剤といった一体化のための別部材が不要であり、これらの配置工程や塗布工程、硬化工程も不要である。この点からも、リアクトル1は、組立作業性に優れる。特に、リアクトル1では、底板部40の周縁部の全周に亘って、側壁部41を構成する樹脂により形成された溶着部41wを具えることで、底板部40と側壁部41とが気密に一体化されている。従って、封止樹脂を具える形態とした場合に未硬化の樹脂の漏出を防止するシール部材を省略しても、当該樹脂の漏洩を防止できる。これらの点から、リアクトル1は、部品点数も少なく、不良品も低減できる。
また、リアクトル1は、ケース4を具えていながらも、側壁部41が絶縁性樹脂により構成されているため、軽量である上に、コイル2と側壁部41とを近接配置できるため、小型にできる。かつ、リアクトル1は、底板部40が金属材料により構成されているため放熱経路に利用でき、放熱性に優れる。
その他、リアクトル1は、熱伝導率が2W/m・K超といった熱伝導性に優れる放熱層を含む接合層42が底板部40とコイル2との間に介在されることで、使用時、コイル2の熱を、放熱層を介して、冷却ベースといった設置対象に効率よく放出できる。上述の例では、磁性コア3も接合層42に接触することで、磁性コア3からも放熱できる。また、接合層42の少なくともコイル2との接触箇所(この例では接合層42の全体)が絶縁性材料により構成されていることから、接合層42の厚さが例えば0.1mm程度と非常に薄くてもコイル2と底板部40との間の絶縁性を確保できる。更に、接合層42の全体が絶縁性接着剤により構成されることで、コイル2や磁性コア3と接合層42との密着性に優れる。加えて、巻線2wとして、被覆平角線を利用することで、コイル2と接合層42との接触面積が十分に広い。このように(1)放熱層を有する、(2)接合層42が薄い、(3)コイル2と接合層42との密着性に優れる、(4)コイル2と接合層42との接触面積が広いことで、コイル2などの熱を効率よく底板部40に伝えられ、リアクトル1は放熱性に優れる。また、上述のように接合層42が薄いことからも、コイル2と底板部40との間隔を狭められるため、リアクトル1は小型にできる。
更に、側壁部41を取り外した状態で底板部40に接合層42を形成できることから、接合層42を容易に形成でき、リアクトル1は、生産性に優れる。
[変形例1]
上記実施形態1では、溶着部41wの構成材料を側壁部41の構成材料としたが、底板部の構成材料とすることができる。この場合、例えば、側壁部において底板部と接触する周縁部にフランジを具えて、断面L字状の形態とし、このL字の短片部分(フランジ部分)を覆うように底板部の周縁部を溶かして断面]状又は断面L字状に溶着部を形成するとよい。この場合、底板部は、溶着部を形成可能なように十分な面積を有する板を用意する。
[変形例2]
上記実施形態1では、底板部40の周縁部の全周に亘って溶着部41wが形成された形態としたが、底板部の周縁部の一部にのみ溶着部が形成され、他部が溶着されていない形態、即ち、複数の溶着部を具える形態とすることができる。この場合、一つの溶着部の大きさが小さくなるため、溶融に利用する治具を小型にできる。底板部と側壁部とが離脱しない程度に一体化する場合には、溶着部の数を少なくしたり、一つ当たりの溶着部の大きさ(底板部の周縁部に沿った長さ)を小さくしたりすることができる。即ち、底板部の周縁部の長さに対する溶着部の合計長さを短くすることができる。但し、合計長さが短い場合に封止樹脂を具える形態とすると、底板部と側壁部において溶着部を有していない箇所から未硬化樹脂が漏洩する恐れがあることから、この場合には、合成ゴムなどからなる環状のシール部材を配置することが好ましい。側壁部には、シール部材を収納するシール溝を具えることが好ましい。
[変形例3]
上記実施形態1では、底板部40が金属材料、側壁部41が樹脂により構成された形態(α)を説明したが、底板部及び側壁部の双方が金属材料からなる形態(β)とすることができる。具体的には、底板部をアルミニウムやその合金とし、側壁部をステンレス鋼といったアルミニウムやその合金よりも融点が高く、強度に優れる金属とすることが挙げられる。この形態では、上述した変形例1のように側壁部をフランジを有する形状とし、底板部の周縁部を溶融して、底板部の構成材料(金属)により、断面]状又は断面L字状に溶着部を構成するとよい。側壁部を高融点材料とすることで、底板部の一部のみを確実に溶融することができる。
[変形例4]
或いは、底板部40及び側壁部41の双方が樹脂からなる形態(γ)とすることができる。特に、この形態では放熱性を高めるために底板部の構成樹脂を上述したフィラー入り樹脂とすることが好ましい。この形態では、底板部及び側壁部を構成する樹脂のうち、溶着部を構成する一方の樹脂を他方の樹脂よりも低融点とし、一方の樹脂を溶融中に他方の樹脂が溶融しないものを選択するとよい。また、この形態では、底板部及び側壁部のいずれの構成樹脂により溶着部を形成してもよい。
[変形例5]
或いは、底板部40が樹脂、側壁部41が金属材料からなる形態(δ)とすることができる。この形態も、上述した変形例1のように側壁部をフランジを有する形状とし、底板部の周縁部を溶融して、底板部の構成材料(樹脂)により、断面]状又は断面L字状に溶着部を構成するとよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、底板部及び側壁部の接触箇所のうちの一方の接触箇所のみが樹脂で形成され、その他の箇所が全て金属材料で構成された形態にすることができる。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明リアクトルの製造方法は、上記本発明リアクトルの製造に好適に利用することができる。
1 リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部 2w 巻線
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面 31m コア片 31g ギャップ材
32 外側コア部 32e 内端面
4 ケース 40 底板部 40i 内面 40o 外表面 401 平坦面
402 傾斜面
41 側壁部 41i 内底面 41p 溶着用突起 41w 溶着部 42 接合層
400,411 取付部 400h,411h ボルト孔 410 端子台 410c 凹溝
5 インシュレータ 51 周壁部 52 枠板部 52b 仕切り板 52p 台座
8 端子金具 81 一端部
9 端子固定部材 91 ボルト
200 接触加熱部

Claims (7)

  1. コイルと、前記コイルが配置される磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を収納するケースとを具えるリアクトルであって、
    前記ケースは、前記リアクトルが設置対象に設置されたときに当該設置対象に接する底板部と、前記底板部とは独立した部材であり、前記組合体の周囲を囲む側壁部とを具え、
    前記底板部及び前記側壁部における相互の接触箇所が異種の材料により構成されており、
    前記底板部と前記側壁部とは、前記底板部及び前記側壁の接触箇所のうちの一方の構成材料が溶融されて形成された少なくとも一つの溶着部により一体化されていることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記各接触箇所は、前記底板部及び前記側壁部のそれぞれの周縁部であり、
    前記側壁部の周縁部は、絶縁性樹脂から構成されており、
    前記底板部及び前記側壁部において相互に接触する周縁部の少なくとも一部が、前記絶縁性樹脂からなる溶着部により一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記底板部の周縁部の全周が、前記絶縁性樹脂からなる溶着部により一体化されていることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記底板部は、非磁性金属材料により構成され、前記側壁部は、前記絶縁性樹脂から構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のリアクトル。
  5. 前記底板部の周縁部は、当該底板部の内面側に当該底板部の平均厚さよりも厚さが薄い箇所を有し、
    前記溶着部は、前記側壁部の周縁部を構成する絶縁性樹脂が前記底板部の厚さが薄い箇所に回り込んで形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記ケースに充填された封止樹脂を更に具えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. コイルと磁性コアとの組合体をケースに収納してリアクトルを製造するリアクトルの製造方法であって、
    前記ケースの構成部品として、前記リアクトルが設置対象に設置されたときに当該設置対象に接する底板部と、前記底板部とは独立した部材である枠状の側壁部とを準備する工程と、
    前記底板部に前記組合体を配置する工程と、
    前記底板部に配置された前記組合体の周囲を囲むように側壁部を配置する工程と、
    前記底板部と前記側壁部との接触箇所において、前記底板部及び前記側壁部のうちの一方の接触箇所の構成材料を溶融して、前記底板部と前記側壁部との接触箇所の少なくとも一部を溶着により一体化する工程とを具えることを特徴とするリアクトルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015053407A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 コイル部品とその製造方法並びにコイル電子部品
CN105742046A (zh) * 2014-12-25 2016-07-06 丰田自动车株式会社 电抗器的制造方法

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