JP6585888B2 - リアクトル - Google Patents
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(a) 環状コアとその周囲に装着された複数のコイルを有するリアクトル本体。
(b) 前記リアクトル本体を他の部材に固定するための金属部品。
(c) 前記リアクトル本体が、前記リアクトル本体を前記他の部材に固定するための複数の固定部を備えている。
(d) 前記複数の固定部が、前記リアクトル本体と前記他の部材とを可動的に固定する第1の固定部と、前記リアクトル本体と前記他の部材とを定位置で固定する第2の固定部から構成されている。
(e) 前記リアクトル本体が、長辺と短辺を有する形状であって、対向する2つの短辺に前記第1の固定部がそれぞれ設けられ、対向する2つの長辺に前記第2の固定部がそれぞれ設けられている。
(f) 前記複数の固定部の少なくとも1つに前記金属部品が配置されている。
(g) 前記リアクトル本体の外周における磁束密度が前記2つの長辺側の空間よりも前記2つの短辺側の空間において低くなるように、前記複数のコイルは、各コイルから発生した磁束が相殺方向となる状態で前記環状コアに装着されている。
(h) この磁束密度が低い前記2つの短辺側の空間に、前記金属部品及び前記第1の固定部が配置されている。
[1.1 構成]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のリアクトルは、上面が開口したアルミニウムなどの金属製のケース2と、その内部に収納されたリアクトル本体1と、ケース2とリアクトル本体1との間に注入固化された充填材3とを有する。
リアクトル本体1は、図3に示す通り、2つのU字形コア4a,4bと2つのI字形コア5a,5bを組み合わせて成るθ状の環状コアと、環状コアの脚部に巻回された2つの連結コイル6a,6bとを備える。リアクトル本体1は、短辺方向と長辺方向の直交する2つの方向を有する直方体をしており、その外周には、短辺方向と長辺方向のそれぞれにおいて、リアクトル本体を挟んで位置する2つの空間が形成されている。
図4に示すとおり、環状コアは、U字形コア4a,4bの両端部とI字形コア5a,5bの左右の端部を突き合わせ、その間にスペーサ8を配置して接着すると共に、対向するI字形コア5a,5bの中央突起部7a,7b間に所定のギャップ10が形成されるように組み合わせる。これにより、環状コアには、対向する一対のヨーク部と、ヨーク部と平行に設けられた中央の中脚と、中脚の両側にそれぞれ設けられた一対のコイル6a,6b装着用の脚部(以下、外脚という)が形成されている。本実施形態のU字形コア4a,4b及びI字形コア5a,5bとしてはダストコアを使用するが、その他フェライトコアやケイ素鋼を積層した積層コアを用いることができる。また、スペーサ8を用いることなく、U字形コア4a,4bの両端部とI字形コア5a,5bの左右の端部を直接突き合わせても良い。ギャップ10も、エアギャップでも、スペーサを設けたギャップでも良い。
図1及び図2に示すように、2つの連結コイル6a,6bは、U字形コア14a,14bの外脚を構成する部分に、中脚を挟んでその両側にそれぞれ装着されている。各連結コイル6a,6bは、図9に示すように、1本の導体を使用して第1と第2のコイル6a−1,6b−2または6b−1,6b−2を形成したもので、環状コアに装着した状態では、1本の導体が一方の外脚の外周に巻回されて第1のコイル6a−1,6b−1を形成し、その外脚に対向する反対側の外脚に第2のコイル6a−2,6b−2が巻回された形状を呈している。そのため、図1及び図2に示すように、1つのコイル6a,6bの巻き始めの端部61と巻き終わりの端部62が、中脚の両側に一つずつ設けられている。コイル6a,6bの巻き始めの端部61と巻き終わりの端部62には、それぞれバスバーが溶接され、そのバスバーの端部にリアクトルの外部配線が接続される。2つのコイル6a−1,6b−2または6b−1,6b−2の連結部63は、コイルの巻軸方向と垂直な面において、平角線が同一平面上で連結されている。
U字形コア4a,4bとI字形コア5a,5bは、それぞれ専用の樹脂成型品13a,13bまたは14内部に埋設されている。各コアは、それぞれの樹脂成型品の金型内にセットされた状態で、金型中に樹脂を注入・固化することにより、樹脂成型品と一体的に形成されている。樹脂成型品は、各コアとコイル6a,6bを絶縁する部材であると共に、リアクトル本体1をケース2に固定するための支持金具を固定した部材でもある。樹脂成型品の主材料としては、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、BMC(バルクモールディングコンパウンド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)等を用いることができる。
図17に示すとおり、リアクトル本体1は、支持金具18とボルト26を備えた第1の固定部Aと、カラー23とボルト26を備えた第2の固定部Bによって、ケース2に固定されている。第1の固定部Aと第2の固定部Bは、2つの外脚の中央部外方と、2つのヨーク部の中央部外方に設けられている。第1の固定部Aの位置は、環状コアの外周面の外側の空間の中で、磁束密度が低い部分である。
リアクトル本体1を固定する他の部材であるケース2は、図1及び図2に示す通り、上面に開口を有する箱型に形成されており、リアクトル本体1の大きさに合わせた寸法の収容空間を有する。ケース2の上部には、リアクトル本体1をケース2に固定するためのボルト26を締結するためのねじ穴27が設けられている。ケース2は熱伝導性の高い金属で形成され、リアクトル本体1を収容するとともにリアクトル本体1から発生する熱の放熱部材としての機能を有する。熱伝導性の高い金属としては、アルミニウムやマグネシウムを用いることができる。また、必ずしも金属である必要はなく、熱伝導性に優れた樹脂や、樹脂の一部に金属製の放熱板を固定したものを使用することも可能である。
リアクトル本体1とケース2との隙間には、充填材3が充填、固化されている。充填材3としては、固化しても多少の弾力性を有する樹脂を使用することが望ましい。例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等の放熱用の材料を混入したエポキシ系、ポリアクリレート系、シリコーン系の樹脂製ポッティング剤をその硬化度を調整することで使用できる。
前記のような構成を有する本実施形態のリアクトルは次のようにして製造する。
まず、樹脂成型品の金型内にU字形コア4a,4bまたはI字形コア5a,5bと、その支持金具をセットし、その後、金型内に樹脂を注入し、固化することで、U字形コア用の樹脂成型品13a,13bとI字形コア用の樹脂成型品14を作製する。
上記のような構成を有する本実施形態のリアクトルの効果は、以下のとおりである。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。以上の実施形態は例として提示したものであって、その他の様々な形態で実施されることが可能である。発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲、要旨、その均等の範囲に含まれる。以下、その一例を示す。
2…ケース
3…充填材
4a,4b…U字形コア
5a,5b…I字形コア
6a,6b,6a−1〜6b−2…コイル
61…巻き始めの端部
62…巻き終わりの端部
8…スペーサ
10…ギャップ
13a,13b…U字形コア用の樹脂成型品
14…I字形コア用の樹脂成型品
15…コイル装着部
16…ヨーク被覆部
17…凹部
18…支持金具
181,182…アーム
183…第1の湾曲部
184…第2の湾曲部
185…連結部
186…挿入孔
21…リブ
22,24…開口部
23…カラー
26…ボルト
27…ねじ穴
30a,30b…突起
A…第1の固定部
B…第2の固定部
Claims (9)
- 環状コアとその周囲に装着された複数のコイルを有するリアクトル本体と、
前記リアクトル本体を他の部材に固定するための金属部品と、を備え、
前記リアクトル本体が、前記リアクトル本体を前記他の部材に固定するための複数の固定部を備え、
前記複数の固定部が、前記リアクトル本体と前記他の部材とを可動的に固定する第1の固定部と、前記リアクトル本体と前記他の部材とを定位置で固定する第2の固定部から構成され、
前記リアクトル本体が、長辺と短辺を有する形状であって、対向する2つの短辺に前記第1の固定部がそれぞれ設けられ、対向する2つの長辺に前記第2の固定部がそれぞれ設けられ、
前記複数の固定部の少なくとも前記第1の固定部に前記金属部品が配置され、
前記リアクトル本体の外周における磁束密度が前記2つの長辺側の空間よりも前記2つの短辺側の空間において低くなるように、前記複数のコイルは、各コイルから発生した磁束が相殺方向となる状態で前記環状コアに装着され、
この磁束密度が低い前記2つの短辺側の空間に、前記金属部品及び前記第1の固定部が配置されているリアクトル。 - 前記環状コアが、対向する2つのヨーク部と、対向する2つの外脚と、前記2つの外脚の間に架設された中脚を備える請求項1に記載のリアクトル。
- 前記中脚の両側に配置された前記外脚にそれぞれ巻回された個々のコイルは、前記中脚の両側において対向する前記外脚の一方に巻回された第1のコイルと、対向する前記外脚の他方に巻回された第2のコイルを1本の導体から構成した連結コイルである請求項2に記載のリアクトル。
- 対向する前記外脚の一方にのみコイルが装着されている請求項2に記載のリアクトル。
- 前記第2の固定部が、前記2つの第1の固定部間の中央部、若しくは中央部から所定の位置に設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記第1の固定部に設けられた前記金属部品が、基部を樹脂成型品に固定した支持金具であり、前記支持金具の一部に弾性部を形成したものである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記他の部材が、その内部に前記リアクトル本体を収納するケースであって、前記固定部により前記リアクトル本体と前記ケースとが固定されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記中脚が、I字形で構成されて、前記外脚とは別体として構成されており、
前記外脚及び前記ヨーク部がU字形に構成されており、
前記第2の固定部が、前記中脚に対して設けられている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 前記環状コアが、
互いに対向する第1の外脚及び第2の外脚と、
互いに対向する第3の外脚及び第4の外脚と、
前記第1の外脚及び前記第3の外脚の端部を接続する第1のヨーク部と、
前記第2の外脚及び前記第4の外脚の端部を接続する第2のヨーク部と、
を備え、
前記複数のコイルは、
互いの磁束が相殺方向に発生するように、前記第1の外脚及び前記第2の外脚にそれぞれ装着された第1のコイル及び第2のコイルと、
互いの磁束が相殺方向に発生するように、前記第3の外脚及び前記第4の外脚にそれぞれ装着された第3のコイル及び第4のコイルと、
から構成される請求項1に記載のリアクトル。
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