JP6102167B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
このような印刷装置によれば、沈降性インクの滞留による問題、例えば、インク濃度の不均一やノズルの目詰まりによる印刷画像の画質劣化を抑止することができる。また、未攪拌の沈降性インクと共に、滞留による問題の生じないインク(即ち、沈降性インクではないインク)が排出されてしまうことを防止でき、無駄なインクの消費を抑止することができる。
このような印刷装置によれば、未攪拌の沈降性インクをノズルから排出させることができ、無駄なインクの消費を抑止することができる。
このような印刷装置によれば、滞留による問題が生じている沈降性インクを画像の印刷に使用してしまうことをより確実に防止することができ、印刷画像の画質劣化を抑止することができる。
このような印刷装置によれば、印刷ジョブを処理していない時は、滞留による問題が沈降性インクに生じていても印刷画像には影響しないため、無駄な攪拌処理を減らすことができる。従って、未攪拌領域の沈降性インクの排出量を抑止することができる。
このような印刷装置によれば、インク供給路内の沈降性インクの成分沈降を解消することができ、沈降性インクの滞留による問題を抑止することができる。
このような印刷装置によれば、インク貯留部内の沈降性インクの成分沈降を解消することができ、沈降性インクの滞留による問題を抑止することができる。
このような印刷装置のメンテナンス方法によれば、沈降性インクの滞留による問題、例えば、インク濃度の不均一やノズルの目詰まりによる印刷画像の画質劣化を抑止することができる。また、未攪拌の沈降性インクと共に、滞留による問題の生じないインク(即ち、沈降性インクではないインク)が排出されてしまうことを防止でき、無駄なインクの消費を抑止することができる。
「印刷装置」をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて実施形態を説明する。
図3は、クリーニングユニット70の説明図である。ノズルNzからインクが吐出されない期間が続くと、ノズルNzからのインク溶媒の蒸発によりインクが増粘したり、ノズルNz内に気泡が混入したりする虞がある。そうすると、ノズルNzから適正な量のインクが吐出されなかったり、インク滴が正しい位置に着弾しなかったりして、吐出不良が発生してしまう。そこで、クリーニングユニット70は、ヘッド群32をホームポジションHPに退避させて、吐出不良が発生する不良ノズルを検出する「不良ノズル検査」と、不良ノズルを正常なノズルに回復させる為のヘッド31の「クリーニング処理」とを実行する。そのために、ヘッドユニット70は、ヘッド31毎に、キャップ71と、キャップ71の底部に接続された排出チューブ72と、排出チューブ72の途中に設けられた吸引ポンプ73と、不良ノズル検査部(不図示)とを有する。なお、図3では説明の簡略の為に、1個のヘッド31に対応したクリーニングユニット70を示すが、実際には各部材が15個ずつ設けられている。
図4は、白インクのインク補給ユニット80の説明図である。インク補給ユニット80は、ヘッド31にインクを補給するためのものであり、インクの色ごとに設けられている。ここでは、白インク(第一インク)のインク補給ユニット80について詳しく説明する。白インクのインク補給ユニット80(以下、単にインク補給ユニットとも言う)は、図4に示すように、白インクを貯留するカートリッジICと、サブタンクT1(第一インク貯留部)と、一時タンクT2と、上流側チューブ81と、4本の供給チューブ82(821〜824)(第一インク供給路)と、4本の分岐チューブ83(831〜834)と、4本のバイパスチューブ84(841〜844)と、カートリッジバルブVaと、4個のサブタンクバルブVb(Vb1〜Vb4)と、4個の一時タンクバルブVc(Vc1〜Vc4)と、4個の中間バルブVd(Vd1〜Vd4)と、4個のヘッド側バルブVe(Ve1〜Ve4)と、第1上流側ポンプPa1(攪拌部)と、第2上流側ポンプPa2(攪拌部)と、下流側ポンプPb(攪拌部)とを有する。なお、各チューブは白インクの流路(通り道)となり、各バルブは白インクの流れを開放又は閉鎖する。
本実施形態のプリンター1で使用する白インクは、他の色インクに比べて色材が沈降し易い「沈降性インク」である。そのため、インクを貯留するタンクやインクの流路となるチューブ、ヘッド31内に白インクが長時間に亘って滞留してしまうと、白インクの色材が沈降してしまう。そうすると、白インクの濃度が不均一となったり、沈降して集まった色材によりノズルNzが目詰まりしたりする。その結果、印刷画像の画質が劣化してしまう。そこで、本実施形態のプリンター1では、インク補給ユニット80内の白インクを攪拌することによって、白インクの色材沈降を解消し(色材を分散させ)、プリンター1のメンテナンスを行う。
攪拌処理時以外の通常時(例えば印刷動作中など)では、中間バルブVdとヘッド側バルブVeは開いており、下流側ポンプPbは停止している。そのため、下流側攪拌領域での攪拌処理を実行するにあたり、コントローラー60は、4個の中間バルブVd1〜Vd4と、4個のヘッド側バルブVe1〜Ve4を閉じる。その結果、図4に示すように、4本の供給チューブ821〜824(一部)と4本のバイパスチューブ841〜844で構成される閉流路(循環路)が形成される。
図5Aから図5Fは、上流側攪拌領域における攪拌処理の説明図である。攪拌処理時以外の通常時(例えば印刷動作中など)では、中間バルブVdは開いており、第1上流側ポンプPa1及び第2上流側ポンプPa2は停止している。そのため、上流側攪拌領域での攪拌処理を実行するにあたり、コントローラー60は、まず、カートリッジバルブVaが開いていれば閉じ、また、4個の中間バルブVd1〜Vd4を閉じる。そうすると、図5Aに示すように、上流側チューブ81(一部)と、サブタンクT1と、一時タンクT2と、4本の供給チューブ821〜824(一部)と、4本の分岐チューブ831〜834(分岐路)で構成される閉流路が形成される。その状態で、第1上流側ポンプPa1と第2上流側ポンプPa2により、サブタンクT1と一時タンクT2(一時貯留部)の間で白インクを往復移動(循環)させることで、サブタンクT1や供給チューブ82内の白インクが攪拌され、上記閉流路内の白インクの色材沈降を解消することができる。
図6は、未攪拌領域に存在する白インクの処理の説明図である。前述の攪拌処理(図4,図5)により、上流側攪拌領域及び下流側攪拌領域内の白インクは攪拌される。しかし、供給チューブ82のうちヘッド側バルブVeよりも下流側の部位内、及び、ヘッド31内(以下、合わせて「未攪拌領域」とも言う)に存在する白インクは攪拌されず、未攪拌領域内の白インクは長時間滞留したままであり、色材が沈降している。そのため、前述の攪拌処理を終了しただけで、印刷動作を実行してしまうと、長時間滞留していた白インクが印刷に使用され、印刷画像の画質が劣化してしまう。
図7は、プリンター1の処理を示すフローである。本実施形態のプリンター1は、電源がONされている期間は、基本的に4時間毎に、上流側攪拌領域及び下流側攪拌領域における白インクの攪拌処理を実行し、その後、未攪拌領域の白インクをフラッシング動作により排出する。但し、前回の攪拌処理から4時間経過した時に印刷ジョブを処理していない場合、攪拌処理を実行せず、次の動作を開始する前に攪拌処理を実行する。また、電源がOFFされている期間は、前回の攪拌処理から4時間経過しても攪拌処理を実行しない。
<未攪拌領域の処理>
上記実施形態では、白インクの攪拌処理後にフラッシング動作により未攪拌領域の白インクのみを排出するようにしているが、これに限らない。例えば、ヘッド31に複数のホワイトノズル列が設けられ、その複数のホワイトノズル列のみを1つのキャップで覆って密閉空間を形成することが可能である場合、キャップに設けられた吸引ポンプによって、複数のホワイトノズル列のみから未攪拌領域の白インクを吸引するようにしてもよい。
例えば、電源OFF時や白インクを使用しない印刷ジョブ中には、未攪拌領域から白インクを抜き、代わりにメンテナンス液やクリアインクを未攪拌領域に充填するようにしてもよい。なお、メンテナンス液やクリアインクは長時間滞留しても成分が沈降しないインクである。そのため、インク補給ユニット80(図4)において、ヘッド側バルブVeよりも下流側の供給チューブ82の部位に、メンテナンス液等を供給するチューブを接続する構成にするとよい。そして、ヘッド31にキャップ71(図3)を密着させた状態でヘッド側バルブVeを閉じ、また、メンテナンス液等を供給可能な状態にし、吸引ポンプ73を駆動させる。そうすることで、未攪拌領域の白インクが吸引されて、代わりにメンテナンス液等が未攪拌領域に充填される。白インクの使用を再開する場合には逆の処理を実行する。そうすることで、長時間に亘る白インクの放置により白インクが固化してノズルNzが目詰まりしてしまうことを防止できる。また、白インクを使用しない印刷ジョブ時にヘッド31のクリーニング処理(図3)が実行されても、未攪拌領域にメンテナンス液等が充填されていれば、白インクの代わりにメンテナンス液が吸引されるため、比較的に高価な白インクの消費を抑えることができる。
図8は、変形例のプリンター100の説明図である。上記実施形態(図1)では、印刷領域Aに搬送されたロール紙Sの部位に対して、ヘッド群32がX方向(ロール紙Sの搬送方向)に移動しながらインクを吐出し且つヘッド群32がY方向(紙幅方向)に移動することにより画像を印刷する動作と、新たなロール紙Sの部位を印刷領域Aに搬送する動作とが繰り返されるプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。例えば、図8に示すように、ロール紙Rの紙幅方向にヘッド群101が移動しながらインクを吐出する動作と、ロール紙Rを搬送方向に搬送する動作とを繰り返すことによって、ロール紙Rに2次元の画像を印刷するプリンター100であってもよい。また、例えば、ロール紙の紙幅以上の長さに亘ってノズルが並んだ固定されたヘッドの下を、ロール紙がその紙幅方向と交差する方向に通過する際に、ヘッドがロール紙に向けてインクを吐出するプリンターでもよい。
上記実施形態では、沈降性インクとして白インクを例に挙げているが、これに限らない。沈降性インクは、長時間滞留するとインク成分が沈降してしまうインクであればよく、例えば、粒子の大きい顔料や重い顔料を含む顔料インクや、アルミニウムや銀等の金属顔料を含むメタリックインク(印刷物に金属光沢感を発現するインク)等が挙げられる。
12 上流側中継ローラー、13 下流側中継ローラー、14 巻取駆動軸、
20 搬送ユニット、21 第1搬送ローラー、22 第2搬送ローラー、
23 プラテン、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、32 ヘッド群、
33 圧力室、PZT ピエゾ素子、Nz ノズル、
40 キャリッジユニット、41 キャリッジ、50 検出器群、
60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、65 タイマー、
66 駆動信号生成回路、70 クリーニングユニット、71 キャップ、
72 排出チューブ、73 吸引ポンプ、
80 インク補給ユニット、81 上流側チューブ、82 供給チューブ、
83 分岐チューブ、84 バイパスチューブ、
90 コンピューター、100 プリンター、
Va カートリッジバルブ、Vb サブタンクバルブ、Vc 一時タンクバルブ、
Vd 中間バルブ、Ve ヘッド側バルブ、
Pa1 第1上流側ポンプ、Pa2 第2上流側ポンプ、Pb 下流側ポンプ
IC カートリッジ、T1 サブタンク、T2 一時タンク
Claims (5)
- 沈降性を有する第一インクを貯留する第一インク貯留部と、
前記第一インクを吐出するノズルが設けられた第一ヘッドと、
前記第一インク貯留部から前記第一ヘッドに前記第一インクを供給する複数の第一インク供給路と、
互いに異なる前記複数の第一インク供給路間に掛け渡された複数のバイパス路と、
前記複数の第一インク供給路の途中にそれぞれ設けられたバルブと、
前記第一インク供給路のうち供給方向における前記バルブよりも上流側の部位内に存在する前記第一インクを攪拌する攪拌部と、
前記攪拌部による前記第一インクの第一攪拌処理を実行してから所定時間経過後に、前記第一インクを再度撹拌する第二攪拌処理を実行する制御部であって、当該第二攪拌処理の実行後に、前記第一インク供給路のうち前記供給方向における前記バルブよりも下流側の部位内、及び、前記ヘッド内に存在する未攪拌の前記第一インクを、前記ノズルから排出させる制御部と、
を備え、
前記攪拌部は、複数の前記第一インク供給路と複数の前記バイパス路とで構成される循環路内で前記第一インクを循環することにより、前記第一インクを攪拌することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記第一ヘッドは、前記ノズル毎に、当該ノズルと連通し且つ前記第一インクが充填された圧力室と、前記圧力室内の圧力を変動させる駆動素子と、を備え、
前記制御部は、前記駆動素子を駆動させて前記圧力室内の圧力を変動させることにより前記ノズルから前記第一インクを吐出させるフラッシング動作によって、前記第二攪拌処理の実行後に、未攪拌の前記第一インクを前記ノズルから排出させる、
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、印刷ジョブの処理中に、前記第一インクの前記第一攪拌処理から前記所定時間が経過すると、当該印刷ジョブの処理中に前記第一インクの前記第二攪拌処理を実行する、
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、印刷ジョブを処理していない時に、前記第一インクの前記第一攪拌処理から前記所定時間が経過すると、次の印刷ジョブの開始前に前記第一インクの前記第二攪拌処理を実行する、
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の印刷装置であって、
前記第一インク貯留部から供給された前記第一インクを貯留する一時貯留部と、複数の前記第一インク供給路からそれぞれ分岐して前記一時貯留部に接続する複数の分岐路と、
を備え、
前記攪拌部は、前記第一インク貯留部内の前記第一インクを前記第一インク供給路及び前記分岐路を介して前記一時貯留部に供給した後に、前記一時貯留部内の前記第一インクを前記分岐路及び前記第一インク供給路を介して前記第一インク貯留部に戻すことにより、前記第一インクを攪拌する、
ことを特徴とする印刷装置。
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