以下、液体噴射装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。液体噴射装置は、例えば、用紙等の媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって、文字、写真等の画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、液体噴射装置10は、一対の脚部11と、脚部11上に組み付けられる筐体12とを備える。液体噴射装置10は、ロール体に巻き重ねた媒体Mを筐体12内に向けて繰り出す繰出部13と、筐体12から排出される媒体Mを案内する案内部14と、案内部14に案内される媒体Mをロール体に巻き取る巻取部15とを備える。液体噴射装置10は、巻取部15に巻き取られる媒体Mにテンションを付与するテンション付与機構16と、ユーザーによって操作される操作パネル17とを備える。
液体噴射装置10は、使用場所に設置された状態で、幅、奥行及び高さとして所定の長さを有する。液体噴射装置10が水平面上に設置されているとして、重力の方向をZ軸で示す。このとき、液体噴射装置10の幅方向及び奥行方向は、実質的に水平となる。液体噴射装置10の幅方向をX軸で示す。X軸、Y軸及びZ軸は、それぞれ直交する。そのため、X軸、Y軸及びZ軸は、それぞれ液体噴射装置10の幅、奥行及び高さの長さを示す座標軸となる。
図2に示すように、液体噴射装置10は、媒体Mを支持する支持台20と、媒体Mを搬送する搬送部30とを備える。液体噴射装置10は、媒体Mに印刷する印刷部40と、液体噴射装置10の動作を制御する制御部60とを備える。液体噴射装置10は、印刷部40に液体を供給する液体供給装置100を備える。制御部60は、例えばCPU、メモリーなどを含んで構成される。制御部60は、メモリーに記憶されるプログラムをCPUが実行することにより、液体噴射装置10及び液体供給装置100を制御する。
支持台20は、液体噴射装置10の幅方向に延びるように設けられる。本実施形態において、液体噴射装置10の幅方向は、媒体Mの幅方向と一致する。媒体Mは、支持台20上において、液体噴射装置10の奥行方向とは反対方向に搬送される。そのため、媒体Mの搬送方向は、液体噴射装置10の奥行方向の反対方向となる。
搬送部30は、搬送方向において支持台20よりも上流に位置する搬送ローラー対31と、支持台20よりも下流に位置する搬送ローラー対32とを備える。搬送部30は、搬送ローラー対31及び搬送ローラー対32を駆動させる搬送モーター33を備える。搬送ローラー対31及び搬送ローラー対32が搬送モーター33に駆動されることにより、搬送ローラー対31及び搬送ローラー対32に挟み込まれた媒体Mが支持台20の表面に沿って搬送方向に搬送される。
印刷部40は、液体をノズル44から噴射する液体噴射部41を備える。本実施形態の印刷部40は、幅方向に延びるように設けられたガイド軸42と、ガイド軸42に案内されることによって幅方向に往復移動するように構成されたキャリッジ43とを備える。
印刷部40は、キャリッジ43をガイド軸42に沿って移動させるためのキャリッジモーター45を備える。キャリッジ43は、キャリッジモーター45の駆動に伴い移動する。すなわち、本実施形態の液体噴射装置10は、液体噴射部41が媒体Mに対して走査するシリアルタイプである。液体噴射装置10は、液体噴射部41が幅方向において長尺に設けられるラインタイプとして構成されてもよい。
図3に示すように、液体噴射部41は、液体を噴射するノズル44を1又は複数有する。液体噴射部41は、ノズル44と通じる個別液室411と、振動板412により個別液室411と区画された収容部413と、収容部413に収容されたアクチュエーター414とを備える。液体噴射部41は、供給された液体を一時貯留し、複数の個別液室411に液体を供給する共通液室415を備える。
アクチュエーター414は、例えば、駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子である。アクチュエーター414の収縮に伴って振動板412を変形させた後、駆動電圧の印加を解除すると、容積が変化した個別液室411内の液体がノズル44から液滴として噴射される。
液体噴射装置10は、液体供給装置100の構成として、液体供給流路110及び液体貯留体120を備える。液体供給流路110は、液体供給源101に収容される液体を液体噴射部41に供給するように構成される。液体供給流路110は、液体噴射部41と、液体噴射部41に対する液体の供給源となる液体供給源101とを接続する。液体供給流路110は、例えばチューブを含んで構成される。
液体貯留体120は、液体を貯留するように構成される貯留部121を備える。液体貯留体120は、液体供給流路110に設けられる。液体貯留体120は、液体供給流路110において、液体供給源101と液体噴射部41との間に位置する。液体貯留体120は、液体供給源101から供給される液体を貯留する。そのため、液体貯留体120は、液体が供給される方向において、液体供給源101よりも下流に位置する。
貯留部121は、可撓性を有する袋状部材122で構成されてもよい。本実施形態の液体貯留体120は、袋状部材122で構成される貯留部121と、液体供給流路110に接続されるように構成される接続体123とを有する。液体供給源101から供給される液体は、接続体123を通じて貯留部121に貯留される。貯留部121は、袋状部材122で構成されるため、貯留する液体の量に応じて膨らんだり萎んだりする。すなわち、貯留部121は、膨らんだり萎んだりすることによってその容積が変化する。
液体貯留体120は、液体供給源101から液体が供給される間、所定量以上の液体を貯留するように構成されてもよい。この所定量とは、1つの画像を印刷するために必要と見込まれる量である。こうすると、画像の印刷途中に液体供給源101の液体が尽きたとしても、液体貯留体120に貯留される液体を用いることにより、その画像の印刷を継続できる。これにより、印刷を中断するおそれが低減される。また、印刷を中断することによる色ムラなどの印刷品質の低下を抑制できる。
液体供給源101に貯留される液体の残量が0、又は僅少になった場合に、液体貯留体120から液体噴射部41に液体が供給される。そのため、液体供給源101に貯留される液体の量が十分である間、液体貯留体120に貯留される液体の量はほぼ変動しない。液体供給源101に貯留される液体の量が少なくなった場合に、液体貯留体120に貯留される液体の量が減少し始める。本実施形態の液体貯留体120は、貯留部121が最大まで膨らんでいる場合、所定量以上の液体を貯留している。
本実施形態においては、液体貯留体120に対して液体供給源101側から加圧されることによって液体が供給される。そのため、液体供給源101に貯留される液体の量が十分である間、上流から加圧されることにより貯留部121が膨らんだ状態で維持される。これにより、液体貯留体120は、液体供給源101から液体が供給される間、所定量以上の液体を貯留する。
液体噴射装置10は、液体供給装置100の構成として、開閉弁140及び圧力機構150を備えてもよい。開閉弁140は、液体供給流路110を開閉するように構成される。開閉弁140は、液体供給流路110に設けられる。本実施形態の開閉弁140は、液体供給流路110において液体貯留体120よりも液体供給源101側に設けられる。そのため、開閉弁140は、液体供給流路110において、液体貯留体120と液体供給源101との間に位置する。開閉弁140が開くと、液体供給源101から液体貯留体120に向かう液体の流動が可能となる。開閉弁140が閉じると、液体供給源101から液体貯留体120に向かう液体の流動が遮断される。
開閉弁140は、例えば、ソレノイドによってバルブを開閉させる電磁弁でもよいし、電動モーターによってバルブを開閉させる電動弁でもよい。開閉弁140は、流体圧シリンダーによってバルブを開閉させる流体圧弁でもよいし、その他の制御弁でもよい。
圧力機構150は、貯留部121内に外部から負圧を作用させるように構成される。本実施形態の圧力機構150は、貯留部121内に外部から負圧を作用させるために、貯留部121の容積を大きくするように貯留部121を膨らませる。
本実施形態の圧力機構150は、貯留部121外を減圧することにより、貯留部121の容積を大きくするように貯留部121を膨らませる。貯留部121が膨らむと、貯留部121内の圧力が小さくなる。このようにして、圧力機構150は、貯留部121外から貯留部121内に負圧を作用させる。圧力機構150は、例えばばね、レバーなどの機械要素によって貯留部121を膨らませることにより、貯留部121内に外部から負圧を作用させるように構成されてもよい。
圧力機構150は、貯留部121を収容する圧力室151を有する保持部152と、圧力室151内を減圧するポンプ153とを備えてもよい。圧力機構150は、ポンプ153によって圧力室151内を減圧することにより、貯留部121内に外部から負圧を作用させる。圧力室151内を減圧すると、貯留部121が膨らむ。これにより、貯留部121外から貯留部121内に負圧が作用する。膨らんだ貯留部121は、圧力室151を形成する保持部152の内壁154に接触する。貯留部121は、所定量以上の液体を貯留する場合、保持部152の内壁154に接触する。
本実施形態の圧力機構150は、圧力室151内を加圧することもできる。圧力室151内を加圧すると、貯留部121が萎む。圧力機構150は、圧力室151内を減圧及び加圧することにより、貯留部121内の圧力を調整する。圧力機構150は、圧力室151を大気に開放するように構成されてもよい。
圧力機構150は、保持部152の外部に位置するポンプ153と圧力室151とを接続する圧力調整流路155を備えてもよい。ポンプ153は、圧力調整流路155を通じて圧力室151を加圧したり減圧したりする。ポンプ153は、保持部152の内部に位置してもよい。
液体噴射装置10は、液体供給流路110を減圧するように構成される排出機構50を備える。排出機構50は、液体供給流路110を減圧することにより、液体供給流路110において貯留部121よりも液体噴射部41側から液体供給流路110内の液体を排出させるように構成される。
本実施形態の排出機構50は、液体噴射部41のノズル44を覆うことが可能なキャップ51と、キャップ51内を吸引する吸引ポンプ52とを備える。キャップ51は、液体噴射部41に接触することにより、液体噴射部41をキャッピングする。キャッピングとは、ノズル44が開口する空間を形成することである。キャッピングは、ノズル44の乾燥を抑制するためなどに行われる。
キャップ51が液体噴射部41をキャッピングした状態で吸引ポンプ52を駆動すると、ノズル44に負圧が作用し、ノズル44から液体が強制的に排出される。これを吸引クリーニングという。すなわち、本実施形態の排出機構50は、液体噴射部41を通じて液体供給流路110を減圧することにより、液体噴射部41から液体供給流路110内の液体を廃液として排出させる。
吸引クリーニングをすると、液体噴射部41内及び液体供給流路110内における気泡、異物などが液体とともに排出される。そのため、排出機構50は、液体噴射装置10をメンテナンスするために、液体供給流路110を減圧する。
排出機構50は、液体噴射部41から排出された廃液を回収するための廃液タンク53を備えてもよい。こうすると、例えば吸引クリーニングによってキャップ51に排出された廃液を廃液タンク53により回収できる。廃液タンク53は、排出された廃液を直接回収してもよい。
排出機構50は、キャップ51内の圧力を調整するレギュレーター54を備えてもよい。レギュレーター54は、キャッピング時において、キャップ51内の圧力が所定の圧力、例えば-2kPaから+2kPaとなるようにキャップ51内と大気とを通じさせる。すなわち、レギュレーター54は、キャップ51内に空気を取り入れることにより、キャップ51内の圧力が所定の圧力となるように調整する。レギュレーター54は、ノズル44に負圧を作用させる場合に閉弁し、キャップ51内と大気とを通じさせる場合に開弁する大気開放弁であってもよい。
液体噴射装置10は、開閉弁140により液体供給流路110を閉じた状態で排出機構50により液体供給流路110を減圧するメンテナンス動作を実行するように構成されてもよい。開閉弁140により液体供給流路110を閉じた状態で排出機構50により液体供給流路110を減圧すると、液体供給流路110において開閉弁140よりも下流となる部分に負圧が蓄積される。液体供給流路110に負圧を蓄積すると、液体供給流路110内の気泡の容積が大きくなる。これにより、液体供給流路110内の気泡を排出しやすくなる。
本実施形態においては、液体供給流路110に負圧を蓄積した状態で開閉弁140を開くことにより、ノズル44から液体を排出する。このように、排出機構50が液体供給流路110を減圧することによって生じる負圧を蓄積した上で、蓄積された負圧によりノズル44から液体供給流路110内の液体を勢いよく排出させる動作のことを、一般的にチョーククリーニングと呼ぶ。チョーククリーニングは、液体噴射装置10をメンテナンスするために実行される。チョーククリーニングを実行すると、液体噴射部41内及び液体供給流路110内の気泡、異物などが液体とともに排出される。チョーククリーニングは、主に液体供給流路110内の気泡、異物などを排出する目的で実行される。
本実施形態の液体噴射装置10は、チョーククリーニングを実行する場合、まず開閉弁140を閉じる。次に、排出機構50により液体噴射部41側から液体供給流路110を減圧する。これにより、液体供給流路110において開閉弁140よりも液体噴射部41寄りとなる部分、すなわち、液体供給流路110において開閉弁140よりも下流となる部分に負圧が蓄積される。次に、開閉弁140を開く。その結果、排出機構50の減圧によってノズル44から勢いよく液体が排出される。
メンテナンス動作において、開閉弁140により液体供給流路110を閉じた状態で排出機構50により液体供給流路110を減圧すると、貯留部121も減圧される。排出機構50の減圧により貯留部121内に負圧が作用すると、貯留部121から液体が流れ出ることがある。この場合、液体供給流路110内の気泡、異物などを排出するために、貯留部121に貯留される液体を排出することになる。そのため、メンテナンスに伴う液体の消費量が大きくなる。
排出機構50の減圧により貯留部121から液体が流れ出ると、液体供給流路110に負圧を蓄積しにくくなる。特に、貯留部121が袋状部材122で構成される場合、排出機構50による減圧が貯留部121内に作用すると、貯留部121は、容積が小さくなるように萎む。この場合、液体供給流路110に十分な負圧を蓄積しようとすると、貯留部121が萎むことに伴い貯留部121内の液体の大部分が流れ出ることになる。すなわち、こうした状態でチョーククリーニングを実行すると、貯留部121に貯留される液体の大部分が排出されるため、液体の消費量が大きくなりやすい。
液体噴射装置10は、メンテナンス動作において、液体の消費量を低減するように動作してもよい。例えば、制御部60は、メンテナンス動作において、排出機構50の減圧により貯留部121内に作用する負圧以上の負圧を貯留部121内に作用させるように圧力機構150を制御してもよい。このとき、排出機構50の減圧により貯留部121内に作用する負圧とは、例えば大気圧に対して-50kPaである。制御部60は、メンテナンス動作において、-50kPa以上の負圧として例えば-60kPaの負圧を貯留部121内に作用させるように圧力機構150を制御する。すなわち、圧力機構150は、排出機構50の減圧により貯留部121内に作用する圧力よりも小さい圧力を貯留部121内に外部から作用させる。こうすると、排出機構50の減圧によって貯留部121から液体が流れ出るおそれが低減される。
本実施形態の圧力機構150は、メンテナンス動作において、排出機構50の減圧によって貯留部121が萎まないように貯留部121内に外部から負圧を作用させる。例えば、圧力機構150は、メンテナンス動作において、貯留部121が保持部152の内壁154に接触するように圧力室151を減圧する。こうすると、メンテナンス動作において、貯留部121に貯留される液体の量を所定量以上に維持できる。
圧力機構150は、空の貯留部121に液体を充填する際、圧力室151に気体を送出することにより貯留部121内を加圧する。貯留部121内を加圧すると、貯留部121内の空気が排出される。これにより、貯留部121に液体を充填可能となる。圧力機構150は、液体供給源101内の液体の量が少なくなると、貯留部121内を加圧し始めることにより貯留部121から液体を供給できるように動作する。
次に、本実施形態の液体供給装置100について説明する。
液体供給装置100は、液体噴射部41に対する液体の供給源となる液体供給源101を保持する液体供給源保持部102を備えてもよい。液体供給源101は、液体を収容可能な構成であればよく、例えば、交換可能なカートリッジタイプとしてもよいし、液体を補充可能なタンクタイプとしてもよい。液体供給源101は、液体噴射装置10が用いる液体の種類の数に対応するように設けられる。
本実施形態の液体供給流路110は、第1液体流路111及び第2液体流路112を有する。第1液体流路111は、液体供給源101と液体貯留体120とを接続する。第2液体流路112は、液体貯留体120と液体噴射部41とを接続する。第1液体流路111及び第2液体流路112は、液体貯留体120の接続体123に接続される。
液体供給流路110は、液体を流すことのできる流路であればよい。液体供給流路110は、例えば、弾性変形可能なチューブにより形成されてもよいし、硬質の樹脂材料からなる流路形成部材により形成されてもよい。液体供給流路110は、溝が形成された流路形成部材にフィルム部材を貼り付けることによって形成されてもよい。
液体供給装置100は、液体噴射部41に向けて液体を加圧する加圧機構170を備えてもよい。加圧機構170は、液体供給流路110に設けられる。加圧機構170は、液体供給流路110において、液体供給源101と液体貯留体120との間に位置する。そのため、本実施形態の加圧機構170は、第1液体流路111に設けられる。液体供給源101の液体は、加圧機構170により、液体貯留体120を経由して液体噴射部41に供給される。
本実施形態の加圧機構170は、容積ポンプ171と、第1弁172及び第2弁173とを備える。第1弁172は、液体供給流路110において容積ポンプ171よりも上流に位置する。第2弁173は、液体供給流路110において容積ポンプ171よりも下流に位置する。本実施形態の第1弁172及び第2弁173は、液体供給流路110において上流から下流への液体の流動を許容し、下流から上流に向かう液体の流動を規制する一方向弁である。第1弁172及び第2弁173は、開閉弁140と同様に、液体供給流路110を開閉するように構成されてもよい。
容積ポンプ171は、可撓性を有する可撓膜174を往復運動させることにより、液体に圧力を与えるように構成される。容積ポンプ171は、可撓膜174によって区切られたポンプ室175と負圧室176とを有する。容積ポンプ171は、負圧室176を減圧するための減圧部177と、可撓膜174をポンプ室175側に向けて押し付ける押付部材178とを備える。押付部材178は、負圧室176内に設けられる。
減圧部177が負圧室176を減圧すると、可撓膜174は、ポンプ室175の容積が大きくなるように変位する。このとき、液体供給源101から液体がポンプ室175に引き込まれる。減圧部177による負圧室176の減圧を停止すると、可撓膜174は、押付部材178に押し付けられることにより、ポンプ室175の容積が小さくなるように変位する。このとき、ポンプ室175から液体が押し出される。すなわち、本実施形態の容積ポンプ171は、ダイヤフラムポンプで構成される。容積ポンプ171は、チューブポンプで構成されてもよい。
加圧機構170は、押付部材178が可撓膜174を介してポンプ室175内の液体を押し付けることにより、液体を加圧する。これにより、加圧機構170は、液体噴射部41に向けて液体を供給する。加圧機構170が液体を加圧する加圧力は、押付部材178の押付力により設定される。
液体供給装置100は、水頭差を利用することにより、液体供給源101から液体噴射部41に液体を供給するように構成されてもよい。この場合には、加圧機構170を設けなくともよい。
液体供給装置100は、第1フィルター部210、第2フィルター部220、第3フィルター部230、スタティックミキサー250、液体貯留部260、脱気機構270及び液圧調整機構280を備えてもよい。第1フィルター部210、第2フィルター部220、第3フィルター部230、スタティックミキサー250、液体貯留部260、脱気機構270及び液圧調整機構280は、液体供給流路110に設けられ、液体貯留体120と液体噴射部41との間に位置する。本実施形態においては、上流から順に、第1フィルター部210、スタティックミキサー250、液体貯留部260、脱気機構270、第2フィルター部220、液圧調整機構280、第3フィルター部230が第2液体流路112に設けられる。
第1フィルター部210、第2フィルター部220及び第3フィルター部230においては、使用時間が増大するに連れて捕集された異物が増加する。そのため、液体噴射装置10は、第1フィルター部210、第2フィルター部220及び第3フィルター部230のうち、少なくとも1つを交換可能に構成されてもよい。例えば、図2に示すように、第1フィルター部210は、筐体12のカバー18を開いたときに、筐体12から露出する位置に設けられてもよい。
図3に示すように、第1フィルター部210は、異物を捕集する第1フィルター211と、第1フィルター211よりも上流に位置する第1上流側フィルター室212と、第1フィルター211よりも下流に位置する第1下流側フィルター室213とを有する。第1上流側フィルター室212は、第1下流側フィルター室213よりも下方に位置する。第1上流側フィルター室212は、略円錐形状もしくは略円錐台形状に設けられる。第1フィルター211は、第1上流側フィルター室212の底面を構成するように、略円盤状に形成される。第1上流側フィルター室212の高さは、第1フィルター211の直径よりも小さくしてもよい。
第2フィルター部220は、異物を捕集する第2フィルター221と、第2フィルター221よりも上流に位置する第2上流側フィルター室222と、第2フィルター221よりも下流に位置する第2下流側フィルター室223とを有する。
第3フィルター部230は、異物を捕集する第3フィルター231と、第3フィルター231よりも上流に位置する第3上流側フィルター室232と、第3フィルター231よりも下流に位置する第3下流側フィルター室233とを有する。
第1フィルター211、第2フィルター221及び第3フィルター231は、液体が通過可能な濾過面積が、液体供給流路110の流路断面積よりも大きくなるように形成されてもよい。第1フィルター211、第2フィルター221及び第3フィルター231としては、例えば、網目状体、多孔質体、微細な貫通孔を形成した多孔板などを用いることができる。第1フィルター211、第2フィルター221及び第3フィルター231は、それぞれ異なる種類、及び異なる形状のフィルターを用いてもよい。
網目状体のフィルターとしては、金網、樹脂製の網、メッシュフィルター、金属繊維などがある。金属繊維のフィルターとしては、ステンレスの細線をフェルト状にしたフェルトフィルター、ステンレスの細線を圧縮焼結させた金属焼結フィルターなどがある。多孔板のフィルターとしては、エレクトロフォーミング金属フィルター、電子線加工金属フィルター、レーザービーム加工金属フィルターなどがある。
スタティックミキサー250は、液体の流れる方向においてその液体の流れを分割する構成を複数備える。スタティックミキサー250は、スタティックミキサー250を流れる液体を分割したり転換したり反転したりすることによって、液体中の濃度の偏りを低減させる。
液体貯留部260は、液体を貯留する加圧室261と、加圧室261の壁面の一部を構成する弾性膜262と、加圧室261の容積を小さくする方向に弾性膜262を押し付ける第1押付部材263とを有する。第1押付部材263により、加圧室261に貯留される液体が加圧される。
液体貯留部260は、加圧室261に貯留される液体を、液体噴射部41に液体を供給する際に加圧機構170により加圧される圧力よりも低い圧力で加圧する。液体噴射部41に液体を供給する際に加圧機構170により加圧される圧力とは、例えば30kPaである。そのため、液体貯留部260は、加圧室261に貯留される液体を、例えば10kPaで加圧する。詳しくは、第1押付部材263に押し付けられた弾性膜262によって加圧室261に貯留される液体に作用する圧力は、液体供給源101から液体噴射部41に向けて液体を供給するために加圧機構170が作用させる圧力よりも低くなっている。このため、液体供給源101からの液体の供給圧力が液体貯留部260まで低下していない場合には、第1押付部材263の押付力に抗して、加圧室261の容積が大きくなる方向に弾性膜262が変位する。
脱気機構270は、液体を一時貯留する脱気室271と、脱気膜272により脱気室271と区画された排気室273と、排気室273を外部に通じさせる排気路274とを備える。
脱気膜272は、気体を通過させるが液体を通過させない性質を有する。脱気膜272として、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを特殊延伸加工して作られるフィルムに、0.2ミクロン程度の微細な孔を多数形成したものを採用できる。脱気室271に気体を含む液体が流入すると、気体のみが脱気膜272を通過して排気室273に入る。排気室273に入った気体は、排気路274を通じて外部に排出される。これにより、脱気室271に貯留された液体に混入する気泡、溶存ガスが除去される。
脱気機構270において、排気室273は、脱気室271よりも上方に位置してもよい。液体に混入する気泡、溶存ガスは、液体中において浮き上がり易い。そのため、排気室273が脱気室271よりも上方に位置する場合、液体に混入する気泡、溶存ガスを除去しやすくなる。
脱気機構270は、排気室273を減圧する減圧ポンプ275を備えてもよい。減圧ポンプ275は、排気路274を通じて排気室273を減圧することにより、脱気室271に貯留された液体に混入する気泡、溶存ガスを除去する。例えば、ばねなどの部材を用いることによって、脱気室271の圧力よりも排気室273の圧力を低くできる場合には、減圧ポンプ275を設けなくてもよい。本実施形態では、加圧機構170の加圧により、脱気室271の圧力が排気室273の圧力よりも高くなる。
本実施形態の液圧調整機構280は、第2フィルター部220よりも下流側の位置に、第2フィルター部220と一体で設けられている。液圧調整機構280は、連通孔281を介して第2下流側フィルター室223と通じる液室282と、連通孔281を開閉可能な弁体283とを備える。液圧調整機構280は、基端側が第2下流側フィルター室223に収容されるとともに先端側が液室282に収容される受圧部材284を備える。
液圧調整機構280の液室282は、液体を貯留可能とされる。液室282の壁面の一部は、撓み変位可能な可撓壁285により形成される。弁体283は、例えば、第2下流側フィルター室223内に位置する受圧部材284の基端部分に取り付けられたゴム又は樹脂などの弾性体であればよい。
液圧調整機構280は、第2下流側フィルター室223に収容される第2押付部材286と、液室282に収容される第3押付部材287とを備える。第2押付部材286は、受圧部材284を介して連通孔281を閉塞する方向に弁体283を押し付ける。第3押付部材287は、可撓壁285が液室282の容積を小さくする方向に撓み変位することによって、可撓壁285が受圧部材284を押したときに受圧部材284を押し返す。
液室282の内圧が低下することによって、可撓壁285が受圧部材284を押す力が第2押付部材286及び第3押付部材287の押付力を上回った場合に、弁体283は連通孔281を開放する。連通孔281が開放されることにより第2下流側フィルター室223から液室282に液体が流入すると、液室282の内圧が上昇する。その結果、液室282の内圧が正圧まで上昇する前に、第2押付部材286及び第3押付部材287の押付力によって弁体283が連通孔281を閉塞する。こうして、液室282の内圧は、第2押付部材286及び第3押付部材287の押付力に応じた負圧の範囲に保持される。
液室282の内圧は、液体噴射部41からの液体の排出に伴って低下する。弁体283は、液室282の外圧である大気圧と液室282の内圧との差圧に応じて自律的に連通孔281を開閉する。そのため、液圧調整機構280は差圧弁である。差圧弁は、減圧弁又は自己封止弁とも呼ばれる。
液圧調整機構280には、強制的に連通孔281を開いて液体を液体噴射部41に供給する開弁機構290を付加してもよい。例えば、開弁機構290は、可撓壁285により液室282と区画された収容室291に収容された加圧袋292と、加圧袋292内に気体を流入させる加圧流路293とを備える。
開弁機構290は、加圧流路293を通じて流入する気体により加圧袋292が膨張し、可撓壁285を液室282の容積を小さくする方向に撓み変位させることによって、強制的に連通孔281を開放する。液体供給装置100は、連通孔281が開放された状態で液体供給源101から液体噴射部41に液体を加圧供給することにより、液体噴射部41から液体を流出させる加圧クリーニングができる。
液体供給装置100は、減圧ポンプ275を備える場合、開弁機構290と脱気機構270とで減圧ポンプ275を共用するように構成されてもよい。例えば、加圧流路293を排気路274に接続するとともに、減圧ポンプ275を加圧と減圧の両方の駆動が可能な構成にしてもよい。この場合、排気路274に逆止弁187を設けてもよい。こうした構成において、減圧ポンプ275が加圧駆動することによって加圧袋292に気体を送出し、減圧ポンプ275が減圧駆動することによって排気室273を減圧してもよい。
次に、液体貯留体120及び圧力機構150について説明する。
液体貯留体120は、液体供給源101の数に対応するように設けられる。すなわち、液体貯留体120は、液体噴射装置10が用いる液体の種類の数に対応するように設けられる。例えば、1つの液体供給源101に対して1つの液体貯留体120が設けられてもよいし、1つの液体供給源101に対して2つの液体貯留体120が設けられてもよい。
図4に示すように、本実施形態において、液体貯留体120は、複数設けられる。圧力機構150の保持部152は、液体貯留体120を保持するように構成される。本実施形態の保持部152は、複数の液体貯留体120を保持するように構成される。保持部152は、1つの液体貯留体120を保持するように構成されてもよい。この場合、複数の液体貯留体120に対応するように保持部152を複数設けてもよい。
本実施形態の保持部152は、ケース161とカバー162とを有する。ケース161及びカバー162が組み付けられることにより、圧力室151が形成される。
図5に示すように、本実施形態の保持部152は、複数の圧力室151を有する。保持部152において、複数の圧力室151は、鉛直方向に並ぶように位置する。保持部152において、複数の圧力室151は、液体噴射装置10の幅方向又は奥行方向に並ぶように位置してもよい。本実施形態の保持部152は、6つの圧力室151を有する。そのため、保持部152は、6つの液体貯留体120を保持するように構成される。
複数の圧力室151は、保持部152に設けられるスリット156によってそれぞれの空間が繋がるように構成される。そのため、ポンプ153が1つの圧力室151を減圧すると、その他の圧力室151も減圧される。ポンプ153が1つの圧力室151を加圧すると、その他の圧力室151も加圧される。
圧力機構150は、圧力室151ごとにポンプ153を備えてもよい。この場合、圧力室151ごとに圧力を調整できる。圧力機構150は、ポンプ153が保持部152の圧力室151に気体を送出することにより貯留部121内を加圧し、ポンプ153が保持部152の圧力室151から気体を排出することにより貯留部121内に負圧を作用させる。
圧力室151を形成する保持部152の内壁154は、容積が大きくなるように変位した貯留部121と接触するように配置されてもよい。こうすると、貯留部121が過剰に変位することを抑制できる。すなわち、袋状部材122が過剰に膨らむことを抑制できる。これにより、過剰に変位することによる貯留部121の損傷を低減できる。
図6に示すように、液体貯留体120は、貯留部121から液体が流出するように構成される流出部124と、貯留部121に液体が流入するように構成される流入部125とを備える。流出部124及び流入部125は、貯留部121において第1端121A寄りの位置に設けられてもよい。貯留部121の第1端121Aとは、貯留部121に対して液体が出入りする端部を指す。
液体貯留体120は、使用場所に設置された状態で、幅、奥行及び高さとして所定の長さを有する。貯留部121において、第1端121Aとは反対の端部は、第2端121Bとなる。第1端121Aから第2端121Bに向かう方向は、液体貯留体120の奥行方向である。
流出部124は、貯留部121内に開口する流出開口126を有する。流出部124は、貯留部121外に開口する導出開口127を有する。流入部125は、貯留部121内に開口する流入開口128を有する。流入部125は、貯留部121外に開口する導入開口129を有する。
流出開口126及び導出開口127は、流出部124において互いに通じている。流出部124は、例えば管状に設けられ、貯留部121の第1端121Aを貫くように延びる。流出部124において、一端に流出開口126が設けられ、他端に導出開口127が設けられる。
流入開口128及び導入開口129は、流入部125において互いに通じている。流入部125は、例えば管状に設けられ、貯留部121の第1端121Aを貫くように延びる。流入部125において、一端に流入開口128が設けられ、他端に導入開口129が設けられる。
本実施形態の流出部124及び流入部125は、接続体123として一体的に設けられる。流出部124及び流入部125は、それぞれ独立して設けられてもよい。
流出開口126及び流入開口128は、第1端121Aから第2端121Bに向かう奥行方向において異なる位置に位置する。こうすると、奥行方向において流入開口128から流出開口126に向かうように液体が貯留部121内を流れる。この過程において、貯留部121内において液体が撹拌される。これにより、貯留部121内における液体の成分の沈降が抑制される。
流入開口128は、第2端121Bを向くように開口してもよい。こうすると、流入部125から流入する液体は、第2端121B寄りとなる貯留部121の内壁に向けて流れる。これにより、貯留部121内の液体を効果的に撹拌できる。本実施形態において、流入開口128及び流出開口126の双方は、第2端121Bを向くように開口する。
流出開口126は、第2端121Bよりも第1端121Aに近い位置に開口してもよい。すなわち、流出開口126は、奥行方向において第1端121A寄りの位置に開口してもよい。流入開口128は、第1端121Aよりも第2端121Bに近い位置に開口してもよい。すなわち、流入開口128は、奥行方向において第2端121B寄りの位置に開口してもよい。こうすると、奥行方向における流出部124の長さが、奥行方向における流入部125の長さと比較して短くなる。換言すると、奥行方向において、流出部124における導出開口127から流出開口126までの長さが、流入部125における導入開口129から流入開口128までの長さと比較して短くなる。これにより、流出部124内において滞留する液体の量が少なくなる。その結果、流出部124内において成分が沈降する液体の量が少なくなる。
流出部124は、液体供給流路110において液体噴射部41寄りとなる一部分と接続される。本実施形態の流出部124は、液体供給流路110において液体噴射部41寄りとなる第2液体流路112と接続される。流入部125は、液体供給流路110においてより液体供給源101寄りとなる一部分と接続される。本実施形態の流入部125は、液体供給流路110においてより液体供給源101寄りとなる第1液体流路111と接続される。
保持部152は、圧力調整流路155が接続されるための圧力調整管157を有する。圧力調整管157は、圧力室151と通じるように構成される。本実施形態の圧力調整管157は、保持部152において1つ設けられる。本実施形態の圧力調整管157は、保持部152において最も上方に位置する1つの圧力室151と通じるように構成される。スリット156は、互いに組み付けられたケース161とカバー162との隙間によって形成される。
ケース161は、流出部124及び流入部125を外部に露出させるための第1開口164及び第2開口165を有する。第1開口164を通じて流出部124が保持部152内から保持部152外に延びる。第2開口165を通じて流入部125が保持部152内から保持部152外に延びる。第1開口164は、カバー162に設けられてもよい。第2開口165は、カバー162に設けられてもよい。
保持部152は、シール部材163を有する。シール部材163は、液体貯留体120が収容される圧力室151をシールする。本実施形態のシール部材163は、流出部124及び流入部125と第1開口164及び第2開口165との隙間をシールする。これにより、圧力室151が密閉された空間となる。
袋状部材122で構成される貯留部121は、可撓性を有するシートが接着されることによって形成されてもよい。貯留部121の縁部分は、可撓性を有するシート同士が接着される接着部分130とされる。接着部分130は、接着剤により接着されてもよいし、熱又は溶剤によって溶着されてもよい。接続体123は、接着部分130に挟み込まれるように位置し、接着部分130と接着される。
図7及び図8に示すように、貯留部121は、対向する2つの壁が離れたり接近したりすることによって膨らんだり萎んだりする。貯留部121において、対向する2つの壁をそれぞれ第1壁131、第2壁132と称する。
貯留部121は、貯留する液体の量に応じて、膨んだ膨張状態と萎んだ扁平状態との間で変位する。貯留部121は、例えば、貯留する液体の量が最大である場合に膨張状態となり、貯留する液体の量が0である場合に扁平状態となる。膨張状態において、第1壁131及び第2壁132は互いに離れる。扁平状態において、第1壁131及び第2壁132は互いに接近する。扁平状態において、貯留部121は扁平状となる。
流出開口126及び流入開口128は、貯留部121を第1端121Aから見たときに貯留部121において長い方向となる幅方向において異なる位置に位置する。本実施形態において、流出開口126及び流入開口128は、その幅方向に並ぶように位置する。本実施形態において、貯留部121を第1端121Aから見たときに貯留部121において長い方向とは、扁平状態において第1壁131及び第2壁132が延びる方向と一致する。
保持部152は、貯留部121を第1端121Aから見たときに貯留部121において短い方向となる高さ方向が鉛直方向となるように液体貯留体120を保持してもよい。本実施形態において、貯留部121を第1端121Aから見たときに貯留部121において短い方向とは、第1壁131及び第2壁132が変位する方向である。この場合、液体貯留体120は、貯留部121がX軸及びY軸の平面において扁平となるように配置される。すなわち、本実施形態の液体貯留体120は、平置きの状態で配置される。
本実施形態の保持部152は、液体貯留体120を平置きの状態で保持する。保持部152は、貯留部121がY軸及びZ軸の平面において扁平となるような縦置きの状態で液体貯留体120を保持してもよい。保持部152は、貯留部121がZ軸及びX軸の平面において扁平となるような縦置きの状態で液体貯留体120を保持してもよい。保持部152は、貯留部121の第1端121Aが貯留部121の下端となる姿勢で液体貯留体120を保持してもよい。保持部152は、貯留部121の第2端121Bが貯留部121の下端となる姿勢で液体貯留体120を保持してもよい。
貯留部121は、第1壁131及び第2壁132が変位する方向における大きさよりも、扁平状態において第1壁131及び第2壁132が延びる方向における大きさの方が大きくなるように構成される。
次に、液体噴射装置10をメンテナンスするメンテナンス方法の一例について説明する。
貯留部121内において液体が滞留すると、液体の成分が沈降する。このとき、成分が沈降した液体を印刷に使用すると、濃度の偏りによって色ムラ、乾燥ムラなどが発生することにより印刷品質に影響する。そのため、制御部60は、液体噴射装置10のメンテナンス方法として、液体が貯留部121に滞留している時間が設定時間を超えた場合に、貯留部121に貯留されている液体を廃液として排出させるように排出機構50を制御する。
設定時間とは、液体の成分の沈降によって印刷品質に影響すると見込まれる時間である。制御部60は、貯留部121に液体が貯留されてからの時間をカウントする。制御部60は、液体が貯留部121に滞留している時間が設定時間を超えた場合に、例えば吸引クリーニングを実行することによって、貯留部121に貯留されている液体を廃液として排出させる。
本実施形態の制御部60は、印刷データが入力されると、印刷データに基づいて画像を印刷する印刷処理を実行する。制御部60は、印刷処理において、液体が貯留部121に滞留している時間を参照する。
図9に示すように、印刷処理を実行する制御部60は、まず、ステップS11において、滞留時間Txが累積滞留時間Tyより小さいか否かを判定する。滞留時間Tx及び累積滞留時間Tyは、貯留部121内において液体が滞留している時間を示す。
制御部60は、電源のオンオフにかかわらず、液体噴射装置10が通電している間、その経過時間を滞留時間Txとしてカウントする。そのため、滞留時間Txの値は、時間が経過するにつれて増大する。滞留時間Txは、貯留部121内の液体を液体噴射部41に供給することによりリセットされる。
累積滞留時間Tyは、滞留時間Txの値を記憶するためのパラメーターである。制御部60は、滞留時間Txの値を累積滞留時間Tyとして記憶した際に、累積滞留時間Tyのカウントを開始する。そのため、累積滞留時間Tyは、記憶した滞留時間Txと、記憶してから経過した時間とを合算した値となる。累積滞留時間Tyは、所定のタイミングでリセットされる。
制御部60は、ステップS11において、滞留時間Txが累積滞留時間Tyより小さい場合に、ステップS12に処理を移行する。制御部60は、ステップS11において、滞留時間Txが累積滞留時間Ty以上である場合に、ステップS14に処理を移行する。
制御部60は、ステップS12において、累積滞留時間Tyの値を滞留時間Txにセットする。このとき、滞留時間Tx及び累積滞留時間Tyは同じ値となる。
制御部60は、ステップS13において、累積滞留時間Tyをリセットする。このとき、累積滞留時間Tyの値は0となり、累積滞留時間Tyのカウントが停止される。
制御部60は、ステップS14において、滞留時間Txが第1設定時間T1を超えているか否かを判定する。第1設定時間T1は、貯留部121内において液体の成分の沈降が発生したと見込まれる時間である。そのため、滞留時間Txが第1設定時間T1以下の場合は、貯留部121内において液体の成分の沈降が発生していないと見込まれる。本実施形態において、第1設定時間T1は、例えば1ヶ月である。
制御部60は、ステップS14において、滞留時間Txが第1設定時間T1を超えている場合に、ステップS15に処理を移行する。制御部60は、ステップS14において、滞留時間Txが第1設定時間T1以下である場合に、ステップS23に処理を移行する。
制御部60は、ステップS23において、液体供給源101内の液体により印刷する。このとき、制御部60は、貯留部121が貯留する液体の容積が変動しないように、液体供給源101から液体噴射部41に向けて液体を供給する。制御部60は、ステップS23の処理を終えると、印刷処理を終了する。
制御部60は、ステップS14において滞留時間Txが第1設定時間T1を超えている場合に、ステップS15において、滞留時間Txが第2設定時間T2を超えているか否かを判定する。第2設定時間T2は、貯留部121内において液体の成分の沈降が進行したと見込まれる時間である。本実施形態において、滞留時間Txが第2設定時間T2以下且つ第1設定時間T1を超えている場合、貯留部121内の液体の成分の沈降が軽微であると見込まれる。滞留時間Txが第2設定時間T2を超えている場合、貯留部121内の液体の成分の沈降が重度であると見込まれる。本実施形態において、第2設定時間T2は、例えば6ヶ月である。
制御部60は、ステップS15において、滞留時間Txが第2設定時間T2を超えている場合、すなわち貯留部121内の液体の成分の沈降が重度であると見込まれる場合、ステップS21に処理を移行する。制御部60は、ステップS15において、滞留時間Txが第2設定時間T2以下である場合、すなわち貯留部121内の液体の成分の沈降が軽微であると見込まれる場合、ステップS16に処理を移行する。
制御部60は、ステップS16において、貯留部121内の液体により印刷する。このとき、制御部60は、貯留部121が貯留する液体の容積が小さくなるように、貯留部121から液体噴射部41に向けて液体を供給する。ステップS16において、貯留部121内の液体の成分の沈降は軽微であると見込まれるため、貯留部121から液体噴射部41に向けて液体を供給することにより貯留部121内の液体を撹拌させる。貯留部121内の液体が十分に撹拌されると、貯留部121内の液体の成分の沈降が解消される。
制御部60は、ステップS16において、貯留部121から液体噴射部41に供給される液体量をカウントする。制御部60は、印刷を終えた後、液体供給源101から貯留部121に液体を供給する。これにより、貯留部121内において、古い液体が新しい液体に置換される。
制御部60は、ステップS17において、液体消費量Wxが設定消費量W1以上であるか否かを判定する。液体消費量Wxは、印刷において貯留部121内の液体が消費された量を示す。すなわち、液体消費量Wxは、ステップS16において貯留部121から液体噴射部41に供給された液体量を含む。設定消費量W1は、貯留部121内において液体の成分の沈降が軽微である場合に、液体の成分の沈降を解消できると見込まれる液体消費量である。本実施形態において、設定消費量W1は、例えば5グラムである。
貯留部121から液体噴射部41に供給される液体量が多いほど、貯留部121内において液体がより撹拌される。本実施形態において、液体消費量Wxが設定消費量W1以上である場合、貯留部121内の液体の成分の沈降が解消されたと見込まれる。液体消費量Wxが設定消費量W1未満である場合、貯留部121内の液体の成分の沈降が解消していないと見込まれる。
制御部60は、ステップS17において、液体消費量Wxが設定消費量W1以上である場合、すなわち貯留部121内の液体の成分の沈降が解消されたと見込まれる場合、ステップS18に処理を移行する。制御部60は、ステップS17において、液体消費量Wxが設定消費量W1未満である場合、すなわち貯留部121内の液体の成分の沈降が解消されていないと見込まれる場合、ステップS20に処理を移行する。
制御部60は、ステップS18において、液体消費量Wxをリセットする。このとき、液体消費量Wxは0となる。
制御部60は、ステップS19において、滞留時間Txをリセットする。このとき、滞留時間Txの値は0となる。滞留時間Txにおいては、リセットされた後もそのカウントが継続される。制御部60は、ステップS19の処理を終えた後、印刷処理を終了する。
制御部60は、ステップS17において液体消費量Wxが設定消費量W1未満である場合、ステップS20において、滞留時間Txの値を累積滞留時間Tyにセットする。このとき、滞留時間Tx及び累積滞留時間Tyは同じ値となる。累積滞留時間Tyにおいては、滞留時間Txの値がセットされた後、そのカウントが開始される。制御部60は、ステップS20の処理を終えた後、ステップS19において、滞留時間Txをリセットする。
制御部60は、ステップS15において滞留時間Txが第2設定時間T2を超えている場合、ステップS21において、貯留部121内の液体を排出する。制御部60は、滞留時間Txが第2設定時間T2を超えている場合、貯留部121内の液体の成分の沈降が進行しているため、貯留部121内の液体を排出する。本実施形態において、制御部60は、ステップS21において吸引クリーニングを実行する。制御部60は、貯留部121内の液体を排出した後、液体供給源101から貯留部121に液体を供給する。これにより、貯留部121内において、古い液体が新しい液体に置換される。
制御部60は、ステップS22において、液体消費量Wx及び滞留時間Txをリセットする。このとき、液体消費量Wx及び滞留時間Txの値は0となる。滞留時間Txにおいては、リセットされた後もカウントが継続される。
制御部60は、ステップS22の処理を終えた後、ステップS23において、液体供給源101内の液体により印刷する。制御部60は、ステップS23の処理を終えた後、印刷処理を終了する。
今回の印刷処理において滞留時間Txを累積滞留時間Tyとして記憶させることにより、次回の印刷処理において貯留部121内の液体の成分の沈降が解消されるか否かを判定できる。今回の印刷処理のステップS20において累積滞留時間Tyに滞留時間Txをセットすると、次回の印刷処理のステップS11において、滞留時間Txは累積滞留時間Ty以下となる。そのため、この場合には、次回の印刷処理のステップS12において、滞留時間Txに累積滞留時間Tyの値がセットされる。これにより、今回の印刷処理における滞留時間Txが、次回の印刷処理に引き継がれる。
印刷処理においてステップS20の処理を経る場合、液体消費量Wxはリセットされない。そのため、今回の印刷処理において液体消費量Wxが設定消費量W1未満であった場合、今回の印刷処理における液体消費量Wxは、次回の印刷処理に引き継がれる。
次回の印刷処理においては、引き継がれた滞留時間Txの値及び引き継がれた液体消費量Wxの値に基づいて動作する。次回の印刷処理においては、引き継がれた滞留時間Txと引き継がれてからカウントした時間とを合算した時間が第2設定時間T2未満であり、引き継がれた液体消費量Wxと引き継がれてから消費した液体の消費量とを合算した量が設定消費量W1以上となる場合、貯留部121内の液体の成分の沈降が解消されると見込まれる。すなわち、貯留部121が液体を貯留してから経過した時間が第2設定時間T2を超えるまでに、貯留部121から設定消費量W1以上の液体が液体噴射部41に向けて供給されると、貯留部121内の液体の沈降が解消される。
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)流出開口126及び流入開口128は、貯留部121を第1端121Aから見たときに貯留部121において長い方向となる幅方向において異なる位置に位置し、第1端121Aから第1端121Aとは反対の第2端121Bに向かう奥行方向において異なる位置に位置する。液体貯留体120において、流入部125の流入開口128を通じて貯留部121内に液体が流入する。流出部124の流出開口126を通じて貯留部121内から液体が流出する。そのため、貯留部121内において、液体は、幅方向及び奥行方向において異なる位置に位置する流入開口128から流出開口126に向かうように流れる。このとき、貯留部121内において液体が撹拌される。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
(2)流入開口128は、第2端121Bを向くように開口する。こうすると、貯留部121に流入する液体は、流入開口128から第2端121B寄りの内壁に向かって流れる。そのため、貯留部121内において液体を効果的に撹拌できる。
(3)流出開口126は、第2端121Bよりも第1端121Aに近い位置に開口し、流入開口128は、第1端121Aよりも第2端121Bに近い位置に開口する。こうすると、奥行方向における流出部124の長さを短くできるため、流出部124内において滞留する液体の量を少なくできる。これにより、流出部124内において、成分が沈降した液体の量を低減できる。
(4)貯留部121は、可撓性を有する袋状部材122で構成される。こうすると、袋状部材122で構成される貯留部121を変形させることにより、貯留部121内において液体を流動させることができる。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
(5)液体噴射装置10は、液体が貯留部121に滞留している時間が設定時間を超えた場合に、貯留部121が滞留している液体を廃液として排出させるように排出機構50を制御する制御部60を備える。この液体噴射装置10によれば、貯留部121において成分が沈降したと見込まれる液体を廃液として排出できる。これにより、例えば、成分が沈降した液体を用いて媒体Mに画像を印刷するおそれを低減できる。
(6)流出部124は、液体供給流路110において液体噴射部41寄りとなる一部分と接続され、流入部125は、液体供給流路110において液体供給源101寄りとなる一部分と接続される。この場合、液体供給源101から液体噴射部41に向けて液体が流れることにより、貯留部121に貯留される液体が撹拌される。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
(7)保持部152は、貯留部121を第1端121Aから見たときに貯留部121において短い方向となる高さ方向が鉛直方向となるように保持する。こうすると、平置きとなる状態で液体貯留体120を保持部152が保持できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図10に示すように、液体貯留体120は、貯留部121の壁の一部が可撓性部材133により形成される構成としてもよい。この場合、例えば圧力機構150が貯留部121の周囲の空間を減圧したり加圧したりすることによって、可撓性部材133が変位する。これにより、貯留部121に貯留される液体の量を制御できる。また、保持部152は、図10に示すように可撓性部材133が液体貯留体120の上壁を形成する姿勢で液体貯留体120を保持してもよいし、可撓性部材133が液体貯留体120の下壁を形成する姿勢で液体貯留体120を保持してもよい。
・図11に示すように、貯留部121は、例えば、剛性を有するケースとして構成されてもよい。貯留部121内には、液体が存在する領域と、気体が存在する領域とがあらわれる。この場合、例えば圧力機構150が貯留部121内において気体が存在する上部の空間を減圧したり加圧したりすることによって、貯留部121に貯留される液体の量を制御できる。
・流出開口126は、貯留部121の幅方向において、貯留部121の縁寄りに位置してもよい。例えば、貯留部121の幅方向において、流出開口126と流入開口128との距離よりも、流出開口126と接着部分130との距離が小さくなる位置に流出開口126を設けてもよい。
・流入開口128は、貯留部121の幅方向において、貯留部121の縁寄りに位置してもよい。例えば、貯留部121の幅方向において、流入開口128と流出開口126との距離よりも、流入開口128と接着部分130との距離が小さくなる位置に流入開口128を設けてもよい。
・流入開口128は、管状の流入部125における周面に開口してもよい。流入開口128は、流入部125において複数開口してもよい。
・流出部124及び流入部125は、例えば可撓性を有するチューブにより構成されてもよい。
・液体貯留体120は、流入部125から気体が流入するように構成されてもよい。この場合、液体貯留体120は、液体供給源101として活用できる。
・液体噴射装置10は、圧力室151を大気に開放した状態でチョーククリーニングを実行するように構成されてもよい。圧力室151を大気に開放した状態でチョーククリーニングを実行すると、貯留部121内の気泡、異物などを排出できる。
・圧力機構150は、メンテナンス時に限らず、液体噴射装置10が印刷している場合、液体噴射装置10が待機している場合などにおいても貯留部121内に負圧を作用させてもよい。例えば、圧力機構150は、貯留部121に貯留される液体の量が所定量以上に維持されるように貯留部121内に負圧を作用させてもよい。すなわち、圧力機構150は、袋状部材122が保持部152の内壁154と接触する状態が維持されるように、圧力室151内を減圧してもよい。こうすると、貯留部121に貯留される液体の量を所定量以上に維持しつつ、液体供給源101から液体噴射部41に向けて液体を供給できる。
・液体貯留体120は、キャリッジ43に搭載されてもよい。
・媒体Mは、金属フィルム、プラスチックフィルム及び布帛などでもよい。
・液体噴射部41が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、液体噴射部41が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材または画素材料などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射してもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
液体貯留体は、液体を貯留するように構成される貯留部と、前記貯留部の第1端寄りの位置に設けられ、前記貯留部から前記液体が流出するように構成される流出部と、前記貯留部の前記第1端寄りの位置に設けられ、前記貯留部に前記液体が流入するように構成される流入部と、を備え、前記流出部は、前記貯留部内に開口する流出開口を有し、前記流入部は、前記貯留部内に開口する流入開口を有し、前記流出開口及び前記流入開口は、前記貯留部を前記第1端から見たときに前記貯留部において長い方向となる幅方向において異なる位置に位置し、前記第1端から前記第1端とは反対の第2端に向かう奥行方向において異なる位置に位置する。
この構成によれば、流入部の流入開口を通じて貯留部内に液体が流入する。流出部の流出開口を通じて貯留部内から液体が流出する。そのため、貯留部内において、液体は、幅方向及び奥行方向において異なる位置に位置する流入開口から流出開口に向かうように流れる。このとき、貯留部内において液体が撹拌される。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
液体貯留体において、前記流入開口は、前記第2端を向くように開口してもよい。
この構成によれば、貯留部に流入する液体は、流入開口から第2端寄りの内壁に向かって流れる。そのため、貯留部内において液体を効果的に撹拌できる。
液体貯留体において、前記流出開口は、前記第2端よりも前記第1端に近い位置に開口し、前記流入開口は、前記第1端よりも前記第2端に近い位置に開口してもよい。
この構成によれば、奥行方向における流出部の長さを短くできるため、流出部内において滞留する液体の量を少なくできる。これにより、流出部内において、成分が沈降した液体の量を低減できる。
液体貯留体において、前記貯留部は、可撓性を有する袋状部材で構成されてもよい。
この構成によれば、袋状部材で構成される貯留部を変形させることにより、貯留部内において液体を流動させることができる。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
液体噴射装置は、液体をノズルから噴射する液体噴射部と、液体供給源に収容される前記液体を前記液体噴射部に供給するように構成される液体供給流路と、前記液体供給流路に設けられ、前記液体を貯留するように構成される貯留部を備える液体貯留体と、前記液体供給流路を減圧することにより、前記液体供給流路において前記貯留部よりも前記液体噴射部側から前記液体供給流路内の前記液体を排出させるように構成される排出機構と、前記液体が前記貯留部に滞留している時間が設定時間を超えた場合に、前記貯留部が滞留している前記液体を廃液として排出させるように前記排出機構を制御する制御部と、を備える。
この構成によれば、貯留部において成分が沈降したと見込まれる液体を廃液として排出できる。これにより、例えば、成分が沈降した液体を用いて媒体に画像を印刷するおそれを低減できる。
液体噴射装置において、前記液体貯留体は、前記貯留部を構成する袋状部材と、前記貯留部の第1端寄りの位置に設けられ、前記貯留部から前記液体が流出するように構成される流出部と、前記第1端寄りの位置に設けられ、前記貯留部に前記液体が流入するように構成される流入部と、を備え、前記流出部は、前記液体供給流路において前記液体噴射部寄りとなる一部分と接続され、前記流入部は、前記液体供給流路において前記液体供給源寄りとなる一部分と接続されてもよい。
この構成によれば、液体供給源から液体噴射部に向けて液体が流れることにより、貯留部に貯留される液体が撹拌される。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
液体噴射装置は、前記液体貯留体を保持する保持部を備え、前記流出部は、前記貯留部内に開口する流出開口を有し、前記流入部は、前記貯留部内に開口する流入開口を有し、前記流出開口及び前記流入開口は、前記貯留部を前記第1端から見たときに前記貯留部において長い方向となる幅方向において異なる位置に位置し、前記保持部は、前記貯留部を前記第1端から見たときに前記貯留部において短い方向となる高さ方向が鉛直方向となるように保持してもよい。
この構成によれば、平置きとなる状態で液体貯留体を保持部が保持できる。
液体噴射装置において、前記流出開口及び前記流入開口は、前記第1端から前記第1端とは反対の第2端に向かう奥行方向において異なる位置に位置してもよい。
この構成によれば、液体供給源から液体噴射部に向けて液体が流れる際に、貯留部に貯留される液体が効果的に撹拌される。これにより、液体の成分の沈降を抑制できる。
液体噴射装置において、前記流入開口は、前記第1端とは反対の第2端を向くように開口してもよい。
この構成によれば、貯留部の内部に液体が流入する際、流入開口から第2端寄りの内壁に向かって流れる。そのため、貯留部の内部において液体を効果的に撹拌できる。
液体噴射装置において、前記流出開口は、前記第1端とは反対の第2端よりも前記第1端に近い位置に開口し、前記流入開口は、前記第1端よりも前記第2端に近い位置に開口してもよい。
この構成によれば、奥行方向における流出部の長さを短くできるため、流出部の内部において滞留する液体の量を少なくできる。これにより、流出部の内部において、成分が沈降した液体の量を低減できる。
液体噴射装置のメンテナンス方法は、液体をノズルから噴射する液体噴射部と、液体供給源に収容される前記液体を前記液体噴射部に供給するように構成される液体供給流路と、前記液体供給流路に設けられ、前記液体を貯留するように構成される貯留部を備える液体貯留体と、を備える液体噴射装置のメンテナンス方法であって、前記液体が前記貯留部に滞留している時間が設定時間を超えた場合に、前記貯留部が滞留している前記液体を廃液として排出する。
この方法によれば、貯留部において成分が沈降したと見込まれる液体を廃液として排出できる。これにより、例えば、成分が沈降した液体を用いて媒体に画像を印刷するおそれを低減できる。