JP7327062B2 - 印刷装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

Description

本発明は、印刷装置及びコンピュータプログラムに関する。

インクジェット式の印刷装置が、所定時間間隔で沈降性のインクの循環を行うことが特許文献１で提案されている。インクの循環が行われると、インク濃度は均一に回復する。しかし、インクの循環の際、インクジェットヘッドのインクノズルのメニスカスに圧力変動などの影響が加わり、正常なインクの吐出が出来なくなる恐れがある。このため、循環後にインクジェットヘッドのクリーニング動作が行われていた。

特開２００８－２６４７６７号公報

従来の印刷装置では、所定時間間隔で行われるインクの循環動作が停止した場合に、インクジェットヘッド内のインクをインクノズルから排出するパージが行われ、その以後、インクジェットヘッドのノズル面の清掃が行われていた。インクの循環動作後に必ずパージ等のクリーニング動作が行われるので、クリーニング動作によるインクの消費が増大するという問題点があった。

本発明の目的は、インクの循環とインクジェットヘッドのクリーニング動作を行う印刷装置において、クリーニング動作によるインクの消費を低減することが出来る印刷装置及びコンピュータプログラムを提供することである。

本発明の第一態様の印刷装置は、インクを貯留する貯留部と、前記貯留部と流路を介して接続するインクジェットヘッドと、制御部とを備え、前記制御部は、前記流路と前記インクジェットヘッドとの少なくとも何れかを介して前記インクの循環を行う循環タイミングになったかを判断する循環タイミング判断ステップと、前記循環タイミングになったと判断した場合に、前記循環を実行する循環実行ステップと、前記循環実行ステップにより前記循環を実行した後、印刷タイミングかを判断する印刷タイミング判断ステップと、前記印刷タイミングと判断した場合に、前記インクジェットヘッドのクリーニング動作を実行し、前記印刷タイミングと判断しない場合に、前記クリーニング動作を実行しない循環ステップとを実行することを特徴とする。

印刷装置において、制御部が印刷タイミングと判断しない場合に、制御部は循環を実行し、その後のクリーニング動作を実行しない。従って、クリーニング動作によるインクの消費が低減される。

前記制御部は、印刷指示を受けたかを判断する印刷指示判断ステップと、前記印刷指示があったと判断した場合に、前記クリーニング動作を実行し、印刷を行う印刷ステップとを実行してもよい。この場合には、循環後に、クリーニング動作が行われていない場合でも、制御部は印刷指示があったと判断した場合に、クリーニング動作を実行する。従って、印刷時にインクジェットヘッドから正常なインクの吐出が行われる可能性が高まる。

前記制御部は、前記印刷ステップにて、前回の前記循環から今までに前記クリーニング動作を実行していない場合、前記クリーニング動作を実行し、前記印刷を行ってもよい。この場合には、インクの前回の循環から今までにクリーニング動作が行われていない場合でも、制御部はクリーニング動作を実行してから印刷を行うので、印刷時にインクジェットヘッドから正常なインクの吐出が行われる可能性が高まる。

前記制御部は、前記印刷タイミング判断ステップにて、予め定められた所定時間以内に印刷が実行されていた場合に前記印刷タイミングと判断してもよい。この場合には、予め定められた所定時間以内に印刷が実行されていた場合は、また印刷が行われる可能性が高いので、制御部は印刷タイミングと判断する。従って、制御部は印刷が行われた時間に基づいて印刷タイミングをより正確に判断できる。

前記印刷装置は、作業者の操作を受け付ける操作パネルを備え、前記制御部は、前記印刷タイミング判断ステップにて、予め定められた所定時間以内に前記操作パネルに操作を受け付けた場合に、前記印刷タイミングと判断してもよい。この場合には、所定時間以内に操作パネルに操作を受け付けた場合は、印刷が行われる可能性が高いので、制御部は印刷タイミングと判断する。従って、制御部は操作パネルに操作を受け付けた時間に基づいて印刷タイミングをより正確に判断できる。

前記制御部は、前記印刷タイミング判断ステップにて、前記印刷装置の稼働を行う稼働スケジュールの期間内と判断した場合に、前記印刷タイミングと判断してもよい。この場合には、制御部は、稼働スケジュールに基づいてより正確に印刷タイミングを判断できる。

前記制御部は、前記印刷タイミング判断ステップにて、受け付けた印刷データが未処理の場合、前記印刷タイミングと判断してもよい。この場合には、印刷データが未処理の場合は印刷が行われる可能性が高い。従って、制御部は、印刷データの処理状況に基づいて、印刷タイミングをより正確に判断することができる。

前記制御部は、前記印刷タイミング判断ステップにて、人を検知する人検知部が人を検知した場合に、前記印刷タイミングと判断してもよい。この場合には、印刷装置を操作する人が居る場合には、印刷が行われる可能性が高い。従って、制御部は、人検知部の検知結果に基づいて印刷タイミングをより正確に判断することができる。

本発明の第二態様のコンピュータプログラムは、インクを貯留する貯留部と、前記貯留部と流路を介して接続するインクジェットヘッドと、プロセッサとを備えた印刷装置の前記プロセッサに、前記流路と前記インクジェットヘッドとの少なくとも何れかを介して前記インクの循環を行う循環タイミングになったかを判断する循環タイミング判断ステップと、前記循環タイミングになったと判断され場合に、前記循環を実行する循環実行ステップと、前記循環実行ステップにより前記循環を実行した後、印刷タイミングかを判断する印刷タイミング判断ステップと、前記印刷タイミングと判断され場合に、前記インクジェットヘッドのクリーニング動作を実行し、前記印刷タイミングと判断しない場合に、前記クリーニング動作を実行しない循環ステップとを実行させるようにしてもよい。

プロセッサが印刷タイミングと判断しない場合に、プロセッサは循環を実行し、その後のクリーニング動作を実行しない。従って、クリーニング動作によるインクの消費が低減される。

印刷装置１の斜視図である。 印刷装置１の内部の平面図である。 印刷装置１の白インクのインク供給部７００を示す図である。 印刷装置１の電気的構成を示すブロック図である。 循環処理のフローチャートである。 印刷処理のフローチャートである。

図１から図３を参照して、印刷装置１の概略構成について説明する。図１の上方、下方、左下方、右上方、右下方、および左上方が、各々、印刷装置１の上方、下方、前方、後方、右方、および左方である。

図１に示すように、印刷装置１は、印刷媒体（図示せず）であるＴシャツ等の布帛に対して、液体のインクを吐出することで印刷を行うインクジェットプリンタである。印刷装置１は、紙等を印刷媒体としてもよい。印刷装置１は、例えば、互いに色が異なる５種のインク（白（Ｗ）、黒（Ｋ）、イエロー（Ｙ）、シアン（Ｃ）、およびマゼンタ（Ｍ））を下方へ向けて吐出することで、印刷媒体にカラー画像を印刷する。以下の説明では、５種のインクのうち、白色のインクを白インクといい、黒、シアン、イエロー、およびマゼンタの４色のインクを総称してカラーインクという。また、白インクとカラーインクとを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、単にインクという。

白インクは、主に、印刷媒体の色が濃色の場合などにおいて、印刷における下地として、印刷領域の全体もしくは一部に吐出される。カラーインクは、主に、白インクが吐出された後の印刷に用いられる。白インクは、カラーインクが含む成分よりも沈降性の高い成分を含む液体である。沈降性の高い成分は、例えば酸化チタンである。酸化チタンは比較的比重の高い無機顔料である。沈降性の高い成分を含む白インクは、顔料粒子が沈殿しやすい。このため、白インクによる印刷が実行される場合、白インクの流路にて、白インクが十分に攪拌された状態にしておくことで白インクの流動性を良好に保つ必要がある。

図１及び図２に示すように、印刷装置１は、筐体２、枠体１０、ガイドシャフト９、レール７、キャリッジ２０、ヘッドユニット１００，２００、駆動ベルト１０１、駆動モータ１９、プラテン駆動機構６、装着枠部４、および後述する非印刷領域１４０においてメンテナンス部１４１，１４２を備える。

筐体２の右側前方の位置には、印刷装置１の操作を行うための操作パネル５が設けられている。操作パネル５は、ディスプレイ５０および操作ボタン５２を備える。操作ボタン５２は、作業者が印刷装置１の各種動作に関する指示を入力する際に操作される。

枠体１０は、平面視略長方形状の枠状であり、筐体２の上部に設置される。枠体１０は、前方側にガイドシャフト９（図２参照）を、後方側にレール７をそれぞれ支持する。ガイドシャフト９は、枠体１０の内側において左右方向に延びる。レール７は、ガイドシャフト９に対向して配置され、左右方向に延びる。

キャリッジ２０は、ガイドシャフト９に沿って左右方向に搬送可能に支持されている。図１および図２に示すように、ヘッドユニット１００，２００は、前後方向に並べられてキャリッジ２０に搭載されている。ヘッドユニット１００は、ヘッドユニット２００よりも後方に位置する。図１から図３に示すように、ヘッドユニット１００，２００は、筐体３０を備える。図３に示すように、ヘッドユニット１００の筐体３０は、下部において、インクを印刷媒体へ向けて吐出可能なヘッド部１１０を支持している。ヘッドユニット２００の下部も、ヘッドユニット１００と同様に構成されている。

ヘッド部１１０は、インクを下方に吐出可能な微細なノズル（不図示）を複数有する面であるノズル面（不図示）を備えている。ノズル面は、左右前後方向に延びる平面であり、ヘッドユニット１００，２００のそれぞれの底面を形成する。

図１に示すように、駆動ベルト１０１は、枠体１０の内側において、左右方向に沿って架け渡される。駆動モータ１９は、駆動ベルト１０１を介して、キャリッジ２０と連結されている。駆動モータ１９が駆動ベルト１０１を駆動することにより、キャリッジ２０がガイドシャフト９に沿って左右方向に往復移動される。

プラテン駆動機構６は、一対のガイドレール（図示せず）およびプラテン（図示せず）を備える。一対のガイドレールは、プラテン駆動機構６の内側を前後方向に延び、プラテンを、一対のガイドレールに沿って、前後方向に移動可能に支持する。プラテンは、前後方向を長手方向とする平面視略長方形状の板状であり、枠体１０の下方に設けられている。プラテンは、上部において、例えば布帛からなる印刷媒体（Ｔシャツ等）を保持する。プラテン駆動機構６は、印刷装置１の後端部に設けられたモータ（図示せず）を駆動源としてプラテンを前後方向に移動させることで、印刷媒体を前後方向（副走査方向）に搬送する。左右方向（主走査方向）に往復移動するヘッド部１１０からインクが吐出されることで印刷媒体への印刷が行われる。プラテン駆動機構６の前端部には、人を検知する人検知センサ２３が設けられている。

図１に示すように、筐体２の右側には装着枠部４が設けられている。装着枠部４は、前後方向を長手方向とする略直方体状の筐体８１によって支持されている。装着枠部４には、白インクを収容するカートリッジ３１１，３１２、カラーインクを収容するカートリッジ３２１～３２４が装着可能である。

図１および図２に示すように、ヘッドユニット１００，２００の移動経路において、ヘッドユニット１００，２００による印刷が実行される領域を印刷領域１３０という。ヘッドユニット１００，２００の移動経路における印刷領域１３０以外の領域を、非印刷領域１４０という。非印刷領域１４０は、印刷装置１の左端部の領域である。印刷領域１３０は、非印刷領域１４０の右側から印刷装置１の右端部までの領域である。プラテンは、印刷領域１３０において、ヘッドユニット１００，２００の移動経路の下方に設けられている。

図２に示すように、メンテナンス部１４１，１４２は、非印刷領域１４０において、それぞれヘッドユニット１００，２００の移動経路の下方に設けられている。メンテナンス部１４１，１４２において、ヘッドユニット１００，２００のインク吐出性能を回復し、印刷装置１の印刷品質を確保するための、パージ等のヘッドクリーニングが実行される。パージは、ヘッドユニット１００，２００がヘッド部１１０等から、異物又は気泡等を含むインクを排出する動作である。

図２に示すように、メンテナンス部１４１は、キャップ６７等を備える。キャップ６７は、メンテナンス部１４１の左部に設けられ、例えばシリコンゴム等の合成樹脂製であり、底壁６７１、及び周壁６７２を備えている。キャップ６７は、キャップ６７を支持するキャップ支持部６９の内側に配置されている。キャップ支持部６９は、図示しないモータおよびギア等の駆動によって、上下方向に移動する。上方向に移動したキャップ６７の周壁６７２のキャップリップ６７６が、非印刷領域１４０に移動したヘッドユニット１００における第一ノズル列Ｗ１（図３参照）、第二ノズル列Ｗ２（図３参照）、第三ノズル列（不図示）、第四ノズル列（不図示）のノズル配置領域の周囲に密着する。これにより、第一ノズル列Ｗ１から第四ノズル列が被覆される。以下の説明では、ノズル配置領域の周囲にキャップ６７が密着するときのキャップ６７およびキャップ支持部６９の位置を被覆位置という。また、ノズル配置領域の周囲に対してキャップ６７が密着しないときのキャップ６７およびキャップ支持部６９の位置をキャップ離間位置という。キャップ６７は図示しないチューブにより吸引ポンプ１９９（図４参照）に接続されている。吸引ポンプ１９９が駆動すると、底壁６７１、及び周壁６７２で囲まれるキャップ６７内は負圧になる。キャップ６７およびキャップ支持部６９が被覆位置にある場合に、吸引ポンプ１９９はキャップ６７内を吸引ポンプ１９９により負圧にしてパージが実行される。また、メンテナンス部１４１，１４２には、ワイパブレード３５，３５が設けられている。ワイパブレード３５は後述するワイプに用いられる。

＜インク供給部７００＞
以下、図３を参照して、白インクをヘッドユニット１００へ供給するインク供給部７００について説明する。インク供給部７００は、白インクをヘッド部１１０に供給し、また、白インクが循環する部位である。インク供給部７００は、第一供給流路７１１、第二供給流路７１２、第三供給流路７１３、第四供給流路７１４、第五供給流路７１５、第一循環流路７２１、第一バイパス流路８０１、第二バイパス流路８０２Ａ、第二バイパス流路８０２Ｂ、サブパウチ８、ポンプ７５２、及び開閉弁３１，７６３，７６６、及びフィルタ７７１，７７２，７７３を備える。以下では、第二バイパス流路８０２Ａ、及び第二バイパス流路８０２Ｂの全体が「第二バイパス流路８０２」である。

ヘッド部１１０は、白インクを吐出する第一ノズル列Ｗ１、及び第二ノズル列Ｗ２、及び流路６７０を備える。流路６７０は、一端が第四供給流路７１４に接続し、他端が第五供給流路７１５に接続する。また、流路６７０は、第一ノズル列Ｗ１、及び第二ノズル列Ｗ２を接続する。ヘッドユニット１００は、上記と同様の構成の図示しない第三ノズル列、及び第四ノズル列を備えたヘッド部をもう一つ備えている。第三ノズル列、及び第四ノズル列に白インクを供給する流路は、第一ノズル列Ｗ１、及び第二ノズル列Ｗ２に白インクを供給する流路と同様の構成である。従って、以下の説明では、第一ノズル列Ｗ１、及び第二ノズル列Ｗ２を備えたヘッド部１１０について説明し、第三ノズル列、及び第四ノズル列を備えたヘッド部の説明は省略する。

サブパウチ８は、一例として、可撓性を有する袋状であり、白インクのカートリッジ３１１，３１２から供給された白インクを収容する。また、サブパウチ８は、ヘッド部１１０に白インクを供給する。ヘッド部１１０は、サブパウチ８から供給された白インクを吐出して、印刷対象物に印刷を行う。

第一バイパス流路８０１、第二バイパス流路８０２、第一供給流路７１１、第二供給流路７１２、第三供給流路７１３、第四供給流路７１４、第五供給流路７１５、及び第一循環流路７２１は、例えば、中空状のチューブによって形成されている。第一供給流路７１１は、白インクのカートリッジ３１１，３１２（図１参照）とサブパウチ８とに接続し、白インクのカートリッジ３１１，３１２から脱気モジュール（図示略）を介して、サブパウチ８に白インクを供給する流路である。

第二供給流路７１２は、サブパウチ８と、第四供給流路７１４及び第五供給流路７１５とに接続する。第二供給流路７１２は、サブパウチ８から第四供給流路７１４及び第五供給流路７１５を介してヘッド部１１０へ白インクを供給する流路である。第三供給流路７１３は、サブパウチ８に接続し、サブパウチ８から、図示しない第三ノズル列、及び第四ノズル列を備えたヘッド部へ白インクを供給する流路である。第四供給流路７１４は、第二供給流路７１２とヘッド部１１０の第一ノズル列Ｗ１とに接続し、第一ノズル列Ｗ１へ白インクを供給する流路である。第五供給流路７１５は、第二供給流路７１２とヘッド部１１０の第二ノズル列Ｗ２とに接続し、第二ノズル列Ｗ２へ白インクを供給する流路である。

第一循環流路７２１は、第一供給流路７１１または白インクのカートリッジ３１１，３１２とサブパウチ８とに接続し、サブパウチ８から第一供給流路７１１または白インクのカートリッジ３１１，３１２に白インクを循環させる流路である。第四供給流路７１４は開閉弁７６３、及びフィルタ７７１を備える。開閉弁７６３は、ＣＰＵ１１によって制御され、第四供給流路７１４開閉する。フィルタ７７１は、第四供給流路７１４を流れる白インクに含まれる異物を除去する。第五供給流路７１５は開閉弁７６６、及びフィルタ７７３を備える。開閉弁７６６は、ＣＰＵ１１によって制御され、第五供給流路７１５を開閉する。フィルタ７７３は、第五供給流路７１５を流れる白インクに含まれる異物を除去する。

また、図３に示すインク供給部７００では、第一バイパス流路８０１が、第四供給流路７１４と第五供給流路７１５とを接続する。第四供給流路７１４は、フィルタ７７１と第一ノズル列Ｗ１との間に第一接続部７９５を備える。第一接続部７９５は、第四供給流路７１４と第一バイパス流路８０１とを接続する。また、第五供給流路７１５は、フィルタ７７３と第二ノズル列Ｗ２との間に第二接続部７９６を備える。第二接続部７９６は、第五供給流路７１５と第一バイパス流路８０１とを接続する。また、第一バイパス流路８０１は、第一接続部７９５から第二接続部７９６に向けて、フィルタ７７２、及びポンプ７５２を備える。フィルタ７７２は、第一バイパス流路８０１を流れる白インクに含まれる異物を除去する。なお、第四供給流路７１４の内、第一接続部７９５とヘッド部１１０との間の流路を第四供給流路７１４Ａという。また、第五供給流路７１５の内、第二接続部７９６とヘッド部１１０との間の流路を第五供給流路７１５Ａという。第五供給流路７１５Ａは後述する白インクの循環処理時に、白インクの還流流路として機能する。

また、図３に示す印刷装置１では、ヘッド部１１０側において、第四供給流路７１４Ａと第五供給流路７１５Ａは、第二バイパス流路８０２を介して接続する。第二バイパス流路８０２は、開閉弁３１を備える。第二バイパス流路８０２の内、開閉弁３１と第四供給流路７１４Ａとの間が第二バイパス流路８０２Ａである。開閉弁３１と第五供給流路７１５Ａとの間が第二バイパス流路８０２Ｂである。尚、カラーインクをヘッドユニット２００へ供給するインク供給部についての説明は省略する。カラーインクをヘッドユニット２００へ供給するインク供給部はインク供給部７００と同様の構造でもよいし、第一バイパス流路８０１，及び第二バイパス流路８０２を備えず、カラーインクを循環する構造を備えなくてもよい。

＜印刷装置１の電気的構成＞
図４に示すように、印刷装置１は、印刷装置１の制御を司るＣＰＵ１１を備える。ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２、ＲＡＭ１３、ヘッド駆動部１４、主走査駆動部１５、副走査駆動部１６、キャップ駆動部１８、操作パネル５、ポンプ駆動部９００、弁駆動部７８０、人検知センサ２３、カートリッジセンサ２４、クロック２６、記憶装置２７、バス５５を介して電気的に接続する。

ＲＯＭ１２は、ＣＰＵ１１が印刷装置１の動作を制御するための制御プログラム及び初期値等を記憶している。ＲＡＭ１３は、制御プログラムで用いられる各種データ、前回循環時間、前回印刷時間、印刷データ、フラグ等を一時的に記憶する。ヘッド駆動部１４は、インクを吐出するヘッドユニット１００，２００に電気的に接続されており、ヘッドユニット１００，２００（図１参照）の各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動して第一ノズル列Ｗ１（図３参照）、第二ノズル列Ｗ２（図３参照）、第三ノズル列（不図示）、第四ノズル列等からインクを吐出させる。

主走査駆動部１５は、駆動モータ１９（図１参照）を含み、キャリッジ２０を左右方向（主走査方向）に移動させる。副走査駆動部１６は、図示しないモータ及びギア等を含み、プラテン駆動機構６（図１参照）を駆動して図示しないプラテンを前後方向（副走査方向）に移動させる。

キャップ駆動部１８は、キャップ駆動モータ（図示せず）及びギア等を含み、キャップ支持部６９を上下方向に移動させることでキャップ６７を上下方向に移動させる。キャップ駆動部１８の駆動によって、メンテナンス部１４１のキャップ支持部６９と、メンテナンス部１４２のキャップ支持部６９とは、同時に上下移動する。ポンプ駆動部２１は、ポンプ７５２及び吸引ポンプ１９９及びを駆動する。操作パネル５は、ディスプレイ５０および操作ボタン５２を備える。操作ボタン５２からの入力はＣＰＵ１１に入力される。

人検知センサ２３は、例えば、人を検知する。人検知センサ２３からの出力は、ＣＰＵ１１に入力され、ＣＰＵ１１が人検知センサ２３からの入力により印刷装置１の前側に人が居るか居ないかを判断する。カートリッジセンサ２４は、装着枠部４に各々設けられ、カートリッジ３１１～３２４の装着を検出する。弁駆動部７８０は、開閉弁である開閉弁７６６、７６３、３１を制御する。クロック２６は、時刻計測するためのクロック信号を発生する。記憶装置２７は、ＨＤＤ又はフラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発の記憶装置である。

＜インクの循環処理＞
インクの循環処理には、「ヘッド部１１０を通らないインク循環処理」と「ヘッド部１１０を通るインク循環処理」がある。初めに図３を参照して、「ヘッド部１１０を通らないインク循環処理」について説明する。ＣＰＵ１１は、開閉弁７６６、及び開閉弁７６３を閉じ、開閉弁３１を開放する。次いで、ＣＰＵ１１は、ポンプ７５２を駆動する。インクは、ポンプ７５２から矢印４０１の方向へ流れ、第四供給流路７１４Ａを矢印４０３の方向に流れる。

ヘッド部１１０の流路６７０は、第二バイパス流路８０２Ａ，８０２Ｂより流路が狭く、構造が複雑であり、インクが流れにくい。従って、流路６７０の流路抵抗は、第二バイパス流路８０２Ａ，８０２Ｂより大きい。従って、インクは、流路６７０よりも、第二バイパス流路８０２Ａを矢印４０４の方向に流れる。次いで、インクは、開閉弁３１を矢印４０５の方向に通過し、第二バイパス流路８０２Ｂを矢印４０６の方向に流れる。次いで、インクは、第五供給流路７１５Ａを矢印４０７の方向に還流し、第一バイパス流路８０１に流入する。第一バイパス流路８０１に流入したインクは、ポンプ７５２から矢印４０１の方向へ流れ、上記同様に循環する。ＣＰＵ１１は、後述する第一所定時間、インクの循環処理を行った後に、ポンプ７５２を停止する。印字データを印字する場合には、ＣＰＵ１１は、開閉弁３１を閉じ、開閉弁７６６、及び開閉弁７６３を開放する。

＜ヘッド部１１０を通るインク循環処理＞
次に、ヘッド部１１０を通る循環処理を説明する。初めに、ＣＰＵ１１は、開閉弁３１、開閉弁７６６、及び開閉弁７６３を閉じる。次いで、ＣＰＵ１１は、ポンプ７５２を駆動する。

インクは、ポンプ７５２から矢印４０１の方向へ流れ、第四供給流路７１４Ａを矢印４０３の方向に流れる。開閉弁３１が閉じているので、インクは、ヘッド部１１０の流路６７０を矢印４１１，４１２，４１３の方向に流れる。次いで、インクは、第五供給流路７１５Ａを矢印４０７の方向に還流し、第一バイパス流路８０１に流入する。第一バイパス流路８０１に流入したインクは、ポンプ７５２から矢印４０１の方向へ流れ、上記同様に循環する。ＣＰＵ１１は、第一所定時間、インク循環処理を行った後に、ポンプ７５２を停止する。印字データを印字する場合には、ＣＰＵ１１は、開閉弁３１を閉じたまま、開閉弁７６６、開閉弁７６３、開閉弁７６５、開閉弁７６２を開放する。

＜インクの循環処理の制御の詳細＞
図５を参照して、印刷装置１のＣＰＵ１１による循環処理の制御の詳細について説明する。以下の説明では、インクの循環処理を単に「循環」ともいう。前回に循環を実施し、循環が終了した時の時刻を「前回循環時刻」という。一例として、ＣＰＵ１１は、循環が終了した時に、その時点の時刻を内蔵したクロック２６から取得する。ＣＰＵ１１は、取得した時刻を前回循環時刻として記憶装置２７に記憶している。また、前回に印刷を実施し、印刷が終了した時の時刻を「前回印刷時刻」という。ＣＰＵ１１は、印刷が終了した時に、その時点の時刻を内蔵したクロック２６から取得する。ＣＰＵ１１は、取得した時刻を前回印刷時刻として記憶装置２７に記憶している。

ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２に記憶された制御プログラムに基づいて動作することで、印刷装置１を制御して図５に示す循環処理を実行する。初めに、ＣＰＵ１１は、ＲＡＭ１３から前回循環時刻を取得する（Ｓ１）。次いで、ＣＰＵ１１は、クロック２６から現在の時刻（以下、「現在時刻」という。）を取得する（Ｓ２）。次いで、ＣＰＵ１１は、循環を行う循環タイミングになったかを判断する（Ｓ３）。一例として、ＣＰＵ１１は、Ｓ１の処理で取得した前回循環時刻とＳ２の処理で取得した現在時刻を比較して、現在時刻が前回循環時刻から第二所定時間を経過している場合には、循環タイミングになったと判断する（Ｓ３：ＹＥＳ）。第二所定時間の一例は、７時間である。ＣＰＵ１１は、循環タイミングになったと判断しない場合には（Ｓ３：ＮＯ）、処理をＳ１に戻す。

ＣＰＵ１１は、循環タイミングになったと判断した場合（Ｓ３：ＹＥＳ）、循環を実行する（Ｓ４）。ＣＰＵ１１は、循環として「ヘッド部１１０を通らないインク循環処理」と「ヘッド部１１０を通るインク循環処理」の少なくともいずれかを行う。ＣＰＵ１１は両方を行ってもよい。ＣＰＵ１１は、循環を実行した後、循環が完了したかを判断する（Ｓ５）。ＣＰＵ１１は、循環が完了したと判断しない場合には（Ｓ５：ＮＯ）、処理をＳ５に戻す。ＣＰＵ１１は、例えば１０分間など第一所定時間のインクの循環を行い、循環を終了した場合には、循環が完了したと判断する（Ｓ５：ＹＥＳ）。次いで、ＣＰＵ１１は、現在時刻をクロック２６から取得する（Ｓ６）。Ｓ６の処理で取得した現在時刻は、今回の循環が完了した時刻である。次いで、ＣＰＵ１１は、Ｓ６の処理で取得した現在時刻を前回の循環時刻として記憶装置２７に記憶する（Ｓ７）。

次いで、ＣＰＵ１１は、記憶装置２７から前回印刷時刻を取得する（Ｓ８）。前回印刷時刻は、後述する印刷処理で印刷が完了した時の時刻であり、記憶装置２７に前回印刷時刻として記憶された時刻である。

次いで、ＣＰＵ１１は、印刷タイミングかを判断する（Ｓ９）。印刷タイミングかの判断の基準は、今から印刷する可能性が高いかである。一例として、ＣＰＵ１１は、Ｓ８で取得した前回印刷時間が、Ｓ７で記憶した前回循環時刻から予め定められた第三所定時間以内の場合に、印刷タイミングであると判断する。即ち、循環（Ｓ４）の完了した時刻の第三所定時間以内に印刷が実行されていた場合に印刷タイミングであると判断する。第三所定時間の一例は、３０分である。３０分以内に印刷が実行されていた場合には、次の印刷が実行される可能性が高いからである。

次いで、ＣＰＵ１１は、印刷タイミングと判断した場合には（Ｓ９：ＹＥＳ）、ヘッドクリーニングを実施する（Ｓ１０）。ヘッドクリーニングの一例は、パージである。ＣＰＵ１１が印刷タイミングと判断した場合には、次の印刷が実行される可能性が高い。従って、ヘッドクリーニングにより第一ノズル列Ｗ１（図３参照）、第二ノズル列Ｗ２（図３参照）、第三ノズル列（不図示）、第四ノズル列（不図示）のメニスカスを整え、印刷時にノズルから正常なインクの吐出が行われる可能性を高めることができる。ＣＰＵ１１は、ヘッドクリーニングを実施した場合に、ヘッドクリーニング実施フラグのＯＮを記憶装置２７に記憶する（Ｓ１１）。

ＣＰＵ１１が印刷タイミングと判断しない場合には（Ｓ９：ＮＯ）、ＣＰＵ１１はヘッドクリーニングを実施せず、ＣＰＵ１１は、ヘッドクリーニング実施フラグのＯＦＦを記憶装置２７に記憶し（Ｓ１２）、処理をＳ１に移行する。次の印刷が実行される可能性が高くないので、ヘッドクリーニングを実施しない。従って、ヘッドクリーニングによるインクの消費が低減される。

次に、図６を参照して、印刷装置１のＣＰＵ１１による印刷処理の詳細について説明する。ＣＰＵ１１はＲＯＭ１２に記憶された制御プログラムに基づいて動作することで、印刷装置１を制御して印刷処理を実行する。初めに、ＣＰＵ１１は、印刷指示を受けたかを判断する（Ｓ２１）。一例として、ＣＰＵ１１は、操作パネル５から印刷指示の入力を受けた場合、又は、印刷装置１に接続されたパーソナルコンピュータ（不図示）等の端末装置から印刷指示の入力を受けた場合に、印刷指示を受けたと判断する（Ｓ２１：ＹＥＳ）。ＣＰＵ１１は、印刷指示を受けたと判断しない場合は（Ｓ２１：ＮＯ）、処理をＳ１に戻す。

ＣＰＵ１１は、印刷指示を受けたと判断した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）、前回の循環から現在までにヘッドクリーニングを行ったかを判断する（Ｓ２２）。一例として、ＣＰＵ１１は、記憶装置２７にヘッドクリーニング実施フラグのＯＦＦが記憶されている場合に、前回の循環から現在までにヘッドクリーニングを行ったと判断しない（Ｓ２２：ＮＯ）。ＣＰＵ１１は、前回の循環から現在までにヘッドクリーニングを行ったと判断しない場合（Ｓ２２：ＮＯ）、ヘッドクリーニングを実施する（Ｓ２３）。ヘッドクリーニングにより第一ノズル列Ｗ１から第四ノズル列（不図示）のメニスカスが整い、次の印刷時に第一ノズル列Ｗ１から第四ノズル列（不図示）から正常なインクの吐出が行われる可能性が高まる。

次いで、ＣＰＵ１１は、印刷を実行し（Ｓ２４）、印刷が完了した現在の時刻をクロック２６から取得する（Ｓ２５）。次いで、ＣＰＵ１１は、Ｓ２５で取得した現在の時刻を前回印刷時刻として記憶装置２７に記憶する（Ｓ２６）。尚、ＣＰＵ１１は、記憶装置２７にヘッドクリーニング実施フラグのＯＮが記憶されている場合に、前回の循環から現在までにヘッドクリーニングを行ったと判断し（Ｓ２２：ＹＥＳ）、ヘッドクリーニング（Ｓ２３）を実施せず、印刷を実行し（Ｓ２４）、Ｓ２５及びＳ２６の処理を実行する。ＣＰＵ１１は、Ｓ２６の処理の後、処理をＳ２１に戻す。

＜実施形態の効果＞
本実施形態では、印刷装置１のＣＰＵ１１は、インクの流路とヘッド部との少なくとも何れかを介してインクの循環を行う循環タイミングになったかを判断する循環タイミング判断ステップ（Ｓ３）を実行する。ＣＰＵ１１は、循環タイミングになったと判断した場合（Ｓ３：ＹＥＳ）に、循環を実行する（Ｓ４）。次いで、ＣＰＵ１１は、印刷タイミング判断ステップ（Ｓ９）を実行し、印刷タイミングと判断した場合（Ｓ９：ＹＥＳ）に、ヘッド部のクリーニングを実行する（Ｓ１０）。ＣＰＵ１１は、印刷タイミングと判断しない場合に（Ｓ９：ＮＯ）、ヘッドクリーニングを実行しない。従って、ＣＰＵ１１は、印刷タイミングと判断しない場合（Ｓ９：ＮＯ）に、循環（Ｓ４）後のヘッドクリーニングを実行しない。従って、ヘッドクリーニングによるインクの消費が低減される。即ち、ＣＰＵ１１は、Ｓ２１の判断処理で印刷指示を受けたと判断した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）、Ｓ２２の判断処理でヘッドクリーニングを行っていると判断した場合（Ｓ２２：ＹＥＳ）、ヘッドクリーニング（Ｓ２３）を実施せずに、印刷（Ｓ２４）を開始できる。従って、ヘッドクリーニング（Ｓ２３）を待たずに、印刷開始できる。

ＣＰＵ１１は、印刷指示を受けたかを判断する印刷指示判断ステップ（Ｓ２１）と、印刷指示があったと判断した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）に、ヘッドクリーニング（Ｓ２３）を実行し、印刷を行う印刷ステップ（Ｓ２４）を実行する。従って、循環後に、ヘッドクリーニングが行われていない場合でも、ＣＰＵ１１は印刷指示を受けたと判断した場合（Ｓ２１：ＹＥＳ）に、ヘッドクリーニング（Ｓ２３）を実行する。従って、印刷時にヘッド部から正常なインクの吐出が行われる可能性が高まる。

ＣＰＵ１１は、印刷処理にて、前回の循環から今までにヘッドクリーニングを実行していない場合（Ｓ２２：ＮＯ）、ヘッドクリーニング（Ｓ２３）を実行し、印刷を行う（Ｓ２４）。従って、インクの前回の循環から今までにヘッドクリーニングが行われていない場合（Ｓ２２：ＮＯ）でも、ＣＰＵ１１はヘッドクリーニング（Ｓ２３）を実行してから印刷（Ｓ２４）を行う。従って、印刷時にヘッド部から正常なインクの吐出が行われる可能性が高まる。

ＣＰＵ１１は、印刷タイミング判断ステップ（Ｓ９）にて、第三所定時間以内に印刷が実行されていた場合は、また印刷が行われる可能性が高いので、印刷タイミングと判断する（Ｓ９：ＹＥＳ）。従って、ＣＰＵ１１は印刷が行われた時間に基づいて印刷タイミングをより正確に判断できる。

印刷装置１が本発明の「印刷装置」の一例である。操作パネル５が本発明の「操作パネル」の一例である。ＣＰＵ１１が本発明の「制御部」又は「プロセッサ」の一例である。人検知センサ２３が本発明の「人検知部」の一例である。ヘッドユニット１００，２００が、本発明の「インクジェットヘッド」の一例である。カートリッジ３１１、３１２，３２１，３２２，３２３，３２４が本発明の「貯留部」の一例である。Ｓ３の判断処理が本発明の「循環タイミング判断ステップ」の一例である。Ｓ９の判断処理が本発明の「印刷タイミング判断ステップ」の一例である。Ｓ９，Ｓ１０の処理が本発明の「循環ステップ」の一例である。Ｓ２１の判断処理が本発明の「印刷指示判断ステップ」の一例である。Ｓ２４の処理が本発明の「印刷ステップ」の一例である。Ｓ１０及びＳ２３のヘッドクリーニングの実施が本発明の「クリーニング動作」の一例である。

本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、印刷装置１のＣＰＵ１１は、印刷タイミング判断ステップ（Ｓ９）にて、予め定められた第四所定時間以内に操作パネル５に操作を受け付けた場合に、印刷タイミングと判断してもよい（Ｓ９：ＹＥＳ）。第四所定時間以内に操作パネル５に操作を受け付けた場合は、印刷が行われる可能性が高いので、ＣＰＵ１１は印刷タイミングと判断する。従って、ＣＰＵ１１は操作パネル５に操作を受け付けた時間に基づいて印刷タイミングをより正確に判断できる。従って、ＣＰＵ１１は、第四所定時間以前に操作パネル５に操作を受け付けた場合に、循環（Ｓ４）の後にヘッドクリーニングを実施する（Ｓ１０）。ＣＰＵ１１は、第四所定時間以前に操作パネル５に操作を受け付けていない場合に循環（Ｓ４）のみを行う。

作業者によりに登録された印刷装置１が稼働する稼働スケジュールを記憶装置２７が記憶している場合には、ＣＰＵ１１は、印刷タイミング判断ステップ（Ｓ９）にて、稼働スケジュールの期間内と判断した場合に、印刷タイミングと判断してもよい（Ｓ９：ＹＥＳ）。稼働スケジュールの一例は、午前７時３０分に循環実行、午前８時に印刷開始、午前１２時に循環実行、午後６時に印刷終了等である。従って、この稼働スケジュールの場合には、ＣＰＵ１１は、午前７時３０分～午後６時をこの稼働スケジュール内と判断する。この場合には、ＣＰＵ１１は、稼働スケジュールに基づいてより正確に印刷タイミングを判断できる。従って、ＣＰＵ１１は、稼働スケジュールの期間内と判断した場合に、循環（Ｓ４）の後にヘッドクリーニングを実施する（Ｓ１０）。ＣＰＵ１１は、稼働スケジュールの期間内と判断しない場合に循環（Ｓ４）のみを行う。

ＣＰＵ１１は、印刷タイミング判断ステップ（Ｓ９）にて、受け付けた印刷データが未処理の場合、印刷タイミングと判断してもよい。印刷データが未処理の場合とは、一例として、ＲＡＭ１３に記憶済みの印刷データが、操作パネル５又は印刷装置１に接続された端末装置から指示された印刷指示枚数の分だけ印刷されていない場合である。この場合には、ＣＰＵ１１は、印刷タイミングと判断してもよい（Ｓ９：ＹＥＳ）。印刷データの印刷が未処理の場合は印刷が行われる可能性が高い。従って、ＣＰＵ１１は、印刷データの処理状況に基づいて、印刷タイミングをより正確に判断することができる。従って、ＣＰＵ１１は、受け付けた印刷データが未処理と判断した場合に、循環（Ｓ４）の後にヘッドクリーニングを実施する（Ｓ１０）。ＣＰＵ１１は、印刷データが印刷指示枚数以上印刷済みと判断した場合に、循環（Ｓ４）のみを行う。

ＣＰＵ１１は、印刷タイミング判断ステップ（Ｓ９）にて、人を検知する人検知部が人を検知した場合に、印刷タイミングと判断してもよい。例えば、人検知センサ２３から人を検知した信号が入力された場合に、印刷タイミングと判断する（Ｓ９：ＹＥＳ）。印刷装置１を操作する人が居る場合には、印刷が行われる可能性が高い。従って、ＣＰＵ１１は、人検知センサ２３の検知結果に基づいて印刷タイミングをより正確に判断することができる。なお、印刷装置１に接続された端末装置のカメラ等が人を検知した場合に、ＣＰＵ１１は、端末装置から人を検知した信号を受信し印刷タイミングと判断してもよい。従って、ＣＰＵ１１は、人検知部が人を検知した場合（Ｓ９：ＹＥＳ）に、循環（Ｓ４）の後にヘッドクリーニングを実施する（Ｓ１０）。ＣＰＵ１１は、人検知部が人を検知しない場合に、循環（Ｓ４）のみを行う。尚、人検知センサ２３の設けられる位置は、印刷装置１の前部に限られず、操作パネル５の上面や、筐体２の上面又は側面等でもよい。

また、ＣＰＵ１１は、印刷装置１が印刷を行った印刷実施履歴を記憶装置２７に記憶させ、印刷実施履歴をＡＩ等を用いて解析して、印刷装置１の標準的な印刷の稼働パターンを推測してもよい。一例として、ＣＰＵ１１は、午前８時～午後８時迄にのみ印刷を行っている、また、日曜日は印刷を行っていない等を推測する。ＣＰＵ１１は、印刷を行っている時間帯内であれば、印刷タイミングと判断する（Ｓ９：ＹＥＳ）。また、印刷を行っている時間帯外であれば、ＣＰＵ１１は、印刷タイミングと判断しない（Ｓ９：ＮＯ）。従って、ＣＰＵ１１は、印刷を行っている時間帯内と判断した場合に、循環（Ｓ４）の後にヘッドクリーニングを実施する（Ｓ１０）。ＣＰＵ１１は、印刷を行っている時間帯外と判断した場合に循環（Ｓ４）のみを行う。

また、ＣＰＵ１１は、循環（Ｓ４）の終了後に、Ｓ７の処理で記憶した前回循環時刻の前の第一所定時間以内に操作パネル５の操作ボタン５２が操作され、印刷の指示を含む操作が行われていた場合にも印刷タイミングであると判断してもよい（Ｓ９：ＹＥＳ）。印刷の指示を含む操作が行われた時刻は、記憶装置２７に記憶されている。前回循環時刻の前の第一所定時間以内に操作パネル５の操作ボタン５２が操作され、印刷の指示を含む操作が行われていた場合は、また印刷が実行される可能性が高いからである。第一所定時間の一例は３０分である。

尚、ヘッドクリーニングは、パージに限られず、ワイパブレード３５（図２参照）による第一ノズル列Ｗ１（図３参照）及び第二ノズル列Ｗ２（図３参照）のノズル面（不図示）のワイプ、又は第一ノズル列Ｗ１及び第二ノズル列Ｗ２からのインクのフラッシング等でも良い。また、ＣＰＵ１１は、ヘッド部１１０を通らないインク循環処理としては、サブパウチ８、第一循環流路７２１、第一供給流路７１１、及び図示しないバイパス流路に於けるインクの循環を行ってもよい。尚、循環タイミングになったと判断する場合の第二所定時間の一例は、７時間に限られない。６時間等、作業者が設定してもよい。また、印刷タイミングかを判断する（Ｓ９）場合の第三所定時間の一例は、３０分に限られない。第三所定時間を変更する手段を設けてもよい。一例として、操作パネル５からの時間の入力によりＣＰＵ１１が所定時間を３０分から変更してもよい。また、ＣＰＵ１１は、Ｓ９の判断処理において、循環の実施以前の第五所定時間内に始業時のメンテナンスが行われていたことを検出した場合には、印刷タイミングと判断してもよい（Ｓ９：ＹＥＳ）。第五所定時間の一例は３０分である。始業時のメンテナンスの一例は、カートリッジの攪拌の為の着脱、吸引力の大きなパージ等である。始業時のメンテナンス後は印刷される可能性が高いからである。始業時のメンテナンスの検出は、操作パネル５から始業時のメンテナンスの完了の入力をＣＰＵ１１が検出して行ってもよい。ＣＰＵ１１は、その時の時刻をクロック２６から取得して記憶装置２７に記憶する。

また、前回循環時間、前回印刷時間、及びヘッドクリーニング実施フラグ等は印刷装置１の電源がＯＦＦにならない場合にはＲＡＭ１３に記憶されていてもよい。尚、図５に示すＳ３の判断では、事前に循環する時刻が定められており、ＣＰＵ１１は、Ｓ２で取得した現在時刻がその時刻になった時に循環タイミングになったと判断してもよい。また、インクの貯留部はカートリッジに限られず、インクタンク等でもよい。

１ 印刷装置
５ 操作パネル
１１ ＣＰＵ
２３ 人検知センサ
３１１、３１２，３２１，３２２，３２３，３２４ カートリッジ
１００，２００ ヘッドユニット

Claims (7)

1. インクを貯留する貯留部と、
   前記貯留部と流路を介して接続するインクジェットヘッドと、
   制御部とを備え、
   前記制御部は、
   前記流路と前記インクジェットヘッドとの少なくとも何れかを介して前記インクの循環を行う循環タイミングになったかを判断する循環タイミング判断ステップと、
   前記循環タイミングになったと判断した場合に、前記循環を実行する循環実行ステップと、
   前記循環実行ステップにより前記循環を実行した後、印刷指示が出される可能性が高いかを判断する印刷タイミング判断ステップと、
   前記印刷指示が出される可能性が高いと判断した場合に、前記インクジェットヘッドのクリーニング動作を実行し、前記印刷指示が出される可能性が高いと判断しない場合に、前記クリーニング動作を実行しないクリーニング制御ステップと、
   前記印刷指示を受け付けたかを判断する印刷指示受付判断ステップと、
   前記印刷指示を受け付けたと判断した場合、前回の前記循環から前記クリーニング動作を行っていない場合に、前記クリーニング動作を行って印刷を実行する印刷処理ステップと
   を実行することを特徴とする印刷装置。
2. 前記制御部は、
   前記印刷タイミング判断ステップにて、予め定められた所定時間以内に前記印刷が実行されていた場合に前記印刷指示が出される可能性が高いと判断することを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
3. 作業者の操作を受け付ける操作パネルを備え、
   前記制御部は、
   前記印刷タイミング判断ステップにて、予め定められた所定時間以内に前記操作パネルに操作を受け付けた場合に、前記印刷指示が出される可能性が高いと判断することを特徴とする請求項１又は２に記載の印刷装置。
4. 前記制御部は、
   前記印刷タイミング判断ステップにて、前記印刷装置の稼働を行う稼働スケジュールの期間内と判断した場合に、前記印刷指示が出される可能性が高いと判断することを特徴とする請求項１から３の何れかに記載の印刷装置。
5. 前記制御部は、
   前記印刷タイミング判断ステップにて、受け付けた印刷データが未処理の場合、前記印刷指示が出される可能性が高いと判断することを特徴とする請求項１から４の何れかに記載の印刷装置。
6. 前記制御部は、
   前記印刷タイミング判断ステップにて、人を検知する人検知部が人を検知した場合に、前記印刷指示が出される可能性が高いと判断することを特徴とする請求項１から５の何れかに記載の印刷装置。
7. インクを貯留する貯留部と、
   前記貯留部と流路を介して接続するインクジェットヘッドと、
   プロセッサとを備えた印刷装置の前記プロセッサに、
   前記流路と前記インクジェットヘッドとの少なくとも何れかを介して前記インクの循環を行う循環タイミングになったかを判断する循環タイミング判断ステップと、
   前記循環タイミングになったと判断され場合に、前記循環を実行する循環実行ステップと、
   前記循環実行ステップにより前記循環を実行した後、印刷指示が出される可能性が高いかを判断する印刷タイミング判断ステップと、
   前記印刷指示が出される可能性が高いと判断され場合に、前記インクジェットヘッドのクリーニング動作を実行し、前記印刷指示が出される可能性が高いと判断しない場合に、前記クリーニング動作を実行しないクリーニング制御ステップと、
   前記印刷指示を受け付けたかを判断する印刷指示受付判断ステップと、
   前記印刷指示を受け付けたと判断した場合、前回の前記循環から前記クリーニング動作を行っていない場合に、前記クリーニング動作を行って印刷を実行する印刷処理ステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

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