JP6083118B2 - ラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤に関する。
一般に加工食品には各種添加剤が使用されている。その添加剤の一つとして、加工食品の形状を維持するために添加される食品用保形剤があり、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、アイスバー、シャーベット、フローズンヨーグルト、ソフトクリーム等の氷菓、ゼリー、プリン、植物性発酵食品等のゲル状食品、ハンバーグ、蒲鉾、ちくわ、揚げ蒲鉾、つみれ、ベーコン、ソーセージ、サラミソーセージ、ハム類等の練り食品、菓子パンやサンドイッチなどの具材(フィリング)などの加工食品に利用されている。
食品保形剤を付与する方法としては、冷解凍後のホイップドクリームの保形性を維持させるために、セロオリゴ糖を含有させる方法(特許文献1)、食品への安全性の高いカルボキシメチルセルロースを加工食品に添加して加工食品の保形性を付与させる方法などが知られている。
特開2009−124999
しかしながら、セロオリゴ糖の添加による加工食品の保形性付与方法では、十分な保形性を得ることができないといった問題があった。また、食品用途に使用されているカルボキシメチルセルロースの中には、加工食品に十分な保形性を付与させるものが存在しているが、保形性に優れるカルボキシセルロースは、手で触った際のべたつき、あるいは食感に問題がある。
そこで、本発明は、加工食品の保形性に優れると共に、手で触った際のべたつき抑制、あるいは良好な食感が得られるラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[2]を提供するものである。
[1] ラクトアイス又はソフトクリーム用の保形剤であって、該保形剤がグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.16〜0.34、且つセルロースI型の結晶化度が40%以上58%以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩であることを特徴とするラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤。
[2] [1]に記載の前記ラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤が含有されることを特徴とする、ラクトアイス又はソフトクリーム。
本発明によれば、加工食品の保形性に優れると共に、手で触った際のべたつき抑制、あるいは良好な食感が得られるラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤を提供することできる。
本発明は、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.01〜0.40、且つセルロースI型の結晶化度が40%以上88%未満のカルボキシメチルセルロース又はその塩(以下、「カルボキシメチルセルロース」あるいは[CMC]ということがある。)であることを特徴とするラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤(以下、「保形剤」ということがある。)に関する。
本発明は、カルボキシメチルセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基(以下、「置換度」あるいは「CM−DS」ということがある。)、結晶化度(結晶性)が、保形性、べたつき、あるいは食感に、大きく影響することに着目してなされた発明である。具体的には、本発明は、食品の種類によってその影響の大きさは異なるものの、以下のグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基、結晶化度と保形性、べたつき、食感との関連性に着目してなされた発明である。
カルボキシメチルセルロースの置換度が高い場合、水に溶解しやすくなるため、十分な保形性が得られなくなる。また、べたつきやすくなるとともに、食感も悪くなる。一方、置換度が低い場合、水に膨潤あるいは溶解しにくいため、保形性が得られないと共に、未溶解物が存在するため食感が悪くなる。また、カルボキシメチルセルロースの結晶化度は、低すぎても高すぎても食感が悪くなる。
本発明のカルボキシメチルセルロース又はその塩は、セルロース原料にカルボキシメチル化反応を行うことで製造することができる。セルロース原料としては、晒又は未晒木材パルプ、精製リンター、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロースや、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等、何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース系素材の加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等によって解重合処理した微細セルロース又は機械的に処理した微細セルロースが例示される。
本発明のカルボキシメチルセルロース又はその塩は公知の方法、例えば、セルロースを発底原料にし、溶媒に3〜20重量倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60〜95重量%である。マーセル化剤としては、発底原料のグルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜2.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行う。
本発明では、グルコース残基当たりカルボキシメチル基の置換度が、0.01〜0.40の範囲にあるカルボキシメチルセルロース又はその塩であることが重要である。CM−DSが0.40を超えた場合には、水溶性部分が増加し、水への溶解性が増すことから、十分な保形性が得られなくなる。また、べたつきやすくなるとともに、食感も悪くなる。一方、CM−DSが0.01以下の場合、水に膨潤あるいは溶解しにくいため、保形性が得られないと共に、未溶解物が存在するため食感が悪くなる。
また、上記したグルコース残基当たりカルボキシメチル基の置換度が、0.01〜0.40の範囲にあるカルボキシメチルセルロース又はその塩の結晶化度が、40%以上58%以下であることが重要である。カルボキシメチルセルロースの結晶化度(セルロースI型の結晶化度)は、低すぎても高すぎても食感が悪くなる。
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩の純度をあげるため、公知の方法、即ち溶媒に3〜20重量倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用し、純分99%まで精製処理し、その後乾燥を行う。
他の素材との均一な混合を目的に、精製したカルボキシメチルセルロース又はその塩を機械的処理により微粉砕化及び/又は分級を行っても良い。機械的処理とは具体的には、カッティング式ミル単独、もしくはカッティング式ミル及び衝撃式ミル及び/又は気流式ミルを単独あるいは併用して、さらには同機種で数段処理することができる。カッティング式ミルとしては、メッシュミル((株)ホーライ製)、アトムズ((株)山本百馬製作所製)、ナイフミル(パルマン社製)、グラニュレータ(ヘルボルト製)、ロータリーカッターミル((株)奈良機械製作所製)、等が例示される。
また、衝撃式ミルとしては、パルペライザ(ホソカワミクロン(株)製)、ファインインパクトミル製(ホソカワミクロン(株)製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン(株))、サンプルミル((株)セイシン製)、トルネードミル(日機装(株))、ターボミル(ターボ工業(株))、ベベルインパクター(相川鉄工(株))等が例示される。一方、気流式ミルとしては、CGS型ジェットミル(三井鉱山(株)製)、ジェットミル(三庄インダストリー(株))、エバラジェットマイクロナイザ((株)荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業(株)製)、が例示される。さらに、媒体ミルとしては、振動ボールミル等が例示される。一方、湿式粉砕機としては、マスコロイダー(増幸産業(株))等が例示される。乾式粉砕工程においては、粉砕後分級工程を設けることによって、微細部分と粗砕部分に分別することもできる。また、分級工程は、湿式粉砕又は摩砕物を乾燥した後の乾燥物に対しても設定することができる。
上記、いずれかの粉砕機により微粉砕化されたカルボキシメチルセルロース又はその塩の粉砕後の平均粒子径は、特に制限はないが、0.1〜300μm、好ましくは10〜100μmが望ましい。0.1μm未満では、製造上煩雑であり、300μmを超える場合には、保形剤に使用する食品との均一な混合が難しく好ましくない。
本発明の保形剤に使用される食品用途としては、ラクトアイス又はソフトクリームが挙げられる。
以下、本発明の実施の形態を実施例により説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、配合量を示す「部」は全て「重量部」を示す。また、本発明にかかる物質の諸物性の評価は以下の方法で測定した。
<CM−DSの測定方法>
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)をH−CMCにした。その絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1N−NaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N−H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。CMC−DSは、次式によって算出した。
A=[(100×F−0.1N−H2SO4(mL)×F)×0.1]/(H−CMCの絶乾重量(g))
CM−DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:H−CMCの1gの中和に要する1N−NaOH量(mL)
F:0.1N−H2SO4のファクター
F:0.1N−NaOHのファクター
<結晶化度の測定>
セルロースI型の結晶化度は、試料のX線回折を測定することで求めた。X線回折の測定は、試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津製作所製)を用いて測定した。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10°〜30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出した。
Xc=(I002c―Ia)/I002c×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度
<CMCの製造>
(CMC1の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)800部と水酸化ナトリウム10部を水300部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプ(NDPS、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA10部に溶解したモノクロロ酢酸8部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.05、結晶化度85%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC1)。
(CMC2の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)500部と水酸化ナトリウム15部を水200部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプ(NDPS、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA20部に溶解したモノクロロ酢酸19部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.16、結晶化度58%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC2)。
(CMC3の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)800部と水酸化ナトリウム15部を水150部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプ(NDPS、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA30部に溶解したモノクロロ酢酸27部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.34、結晶化度40%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC3)。
(CMC4の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)500部と水酸化ナトリウム30部を水200部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプ(NDPS、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸19部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.19、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC4)。
(CMC5の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)800部と水酸化ナトリウム33部を水150部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプ(NDPS、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸27部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.34、結晶化度18%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た。(CMC5)
(CMC6の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)500部と水酸化ナトリウム48部を水100部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプ(NDPS、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸37部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.50、結晶化度43%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC6)。
Figure 0006083118
<実施例1〜2、比較例1〜:氷菓(1)ラクトアイス>
下記ラクトアイス処方のうち、果糖ブドウ糖液糖、水あめ、脱脂加糖練乳、ヤシ油及び水を添加し、混和した容器に、脱脂粉乳、砂糖、乳化剤、及び表1のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を添加して、80℃10分間加熱攪拌溶解し、重量補正後、15MPaで均質化を行う。更に攪拌しながら5℃まで冷却し、5℃にて12時間エージングを行った。エージング後、オーバーラン80%までフリージングし、カップ充填し、−40℃で急速凍結を行い、ラクトアイスを調製した。保形性、ベタツキ、食感を評価した結果を表2に示す。
(ラクトアイス)
脂肪加糖練乳 6.5部
脱脂粉乳 4.0部
精製ヤシ油 6.0部
砂糖 6.0部
果糖ブドウ糖液糖 4.0部
水あめ 6.25部
乳化剤 0.3部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3部
<保形性の評価>
得られた食品を静置し、直後及び3時間の食品の形状を下記の基準で目視評価した。
○:3時間後における食品の形状に大きな変化が見られない。
△:直後には食品の形状に変化は見られないが、3時間後における食品の経常に変化が見られる。
×:直後の時点で食品の形状に変化が見られる。
<べたつきの評価>
得られた食品を手で触り、下記の基準で評価した。
○:ほとんどべたつきを感じない。
△:僅かにべたつきを感じる。
×:非常にべたつきを感じる。
<食感の評価>
得た食品を10人に試食してもらった評価結果を下記の基準で評価した。
○:10人中9人以上が食感良好と評価した。
△:10人中6人以上が食感良好と評価した。
×:食感良好と評価した人が10人中5人以下であった。
Figure 0006083118
表2より、実施例1〜は優れた保形性を持つ上、べたつきにくく、食感も良好であっ
た。
<実施例4〜5、比較例5〜6:氷菓(2)ソフトクリーム>
下記ソフトクリーム処方のうち、牛乳、生クリーム、水あめを混合し40℃まで攪拌しながら加熱し、その中に砂糖、脱脂粉乳、乳化剤及び表1のカルボキシメチルセルロースナトリウムを投入し、その後80℃まで加熱した後に、あらかじめ溶解しておいたバターを入れ、さらに10分間攪拌した。これを150kg/cm2ホモジナイズし、ついでプレート式殺菌(120℃、10秒間)し、取り出した後10℃程度になるまで冷却してソフトクリームを調製した。それをアイスクリームフリーザーにかけて調製したソフトクリームの保形性、ベタツキ、食感を調査した結果を表3に示す。
(ソフトクリームミックス)
牛乳 50.0部
生クリーム 16.0部
無塩バター 7.5部
砂糖 4.0部
脱脂粉乳 4.0部
水あめ 4.0部
乳化剤 0.3部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3部
水 適量
Figure 0006083118
表3より、実施例3〜4比較例5〜6と比べて、保形性、ベタツキ、食感いずれも良
好な結果であった。
参考例1〜5:氷菓(3)ヨーグルトバー>
下記ヨーグルトバー処方のうち、全脂加糖練乳、油脂、果糖ブドウ糖液糖、水あめ及び混合して加温しながら攪拌して溶解した。溶解して混合液が40℃程度になったとき、その中に、脱脂粉乳、砂糖、粉末水あめ、乳化剤及び表1のカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、更に80℃で15分間加熱し溶解した。
これを水で重量補正した後にホモジナイザー(150kg/cm2)で均質化し、その後、5℃まで冷却した。これを5℃で2時間エージングし、ついで、発酵乳、乳酸、ヨーグルトフレーバーを混合して、冷菓用ミックスとした。得られた冷菓用ミックスを氷缶に充填し、−30℃のブライン槽につけて硬化させ、ヨーグルトバーを調整し、保形性、食感を調査した結果を表4に示す。
(ヨーグルトバー)
全脂加糖練乳 5.0部
脱脂粉乳 2.0部
発酵乳 5.0部
油脂 2.0部
砂糖 7.0部
果糖ブドウ糖液糖 3.0部
水あめ(75%) 6.25部
粉末水あめ 3.0部
第一乳酸(50%乳酸) 0.3部
乳化剤 0.15部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3部
ヨーグルトフレーバー 0.2部
水 適量
Figure 0006083118
表4より、参考例1〜3は、保形性、食感いずれも良好な結果であった。
参考例6〜11:ゲル状食品(1)プリン>
<プリン処方での調査>
下記プリン処方のうち、水と生クリームを攪拌しながら、プリンフレーバー以外の原料を粉体混合物として添加し80℃10分間攪拌溶解した後、プリンフレーバーを添加し、容器充填後、冷却してプリンを調整した。その後、容器から取り出した際の保形性、食感を調査した結果を表5に示す。
(プリン)
生クリーム 5.0部
砂糖 10.0部
脱脂粉乳 8.0部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3部
プリンフレーバー 0.1部
水 77.0部
Figure 0006083118
表5より、参考例6〜8は、保形性、食感いずれも良好な結果であった。
参考例12〜16:ゲル状食品(2)ゼリー>
下記ゼリー処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖、表1のカルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び乳酸カルシウムの粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解後、クエン酸(無水)を添加し、攪拌混合、全量を水にて補正し、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、ゼリーを調製した。得られたゼリーの保形性、食感を調査した結果を表6に示す。
(ゼリー)
砂糖 15.0部
クエン酸 0.2部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3部
クエン酸三ナトリウム 0.2部
乳酸カルシウム 0.2部
水 84.0部
Figure 0006083118
表6より、参考例12〜14は、保形性、食感いずれも良好な結果であった。
参考例17〜22:練り物食品(1)ハンバーグ>
下記ハンバーグ処方のうち、挽肉、玉ねぎ、パン粉、卵、黒コショウ、食塩、水をSKミキサーで3分間混合した後、表1のカルボキシメチルセルロースナトリウムを加えてよく混ぜ、100gずつ小判型に成形した。このハンバーグをフライパン中で、強火で両面を計2分、その後弱火にしてからフタをして両面を計12分加熱調理した。得られたハンバーグの保形性、食感を調査した結果を表7に示す。
(ハンバーグ)
挽肉 57.9部
玉ねぎ 21.1部
パン粉 10.5部
卵 6.3部
黒コショウ 0.1部
食塩 0.8部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5部
水 3.2部
Figure 0006083118
表7より、参考例17〜19は、保形性、食感いずれも良好な結果であった。
参考例23〜28:フィリング(1)ピーナッツバター>
<フィリング(ピーナッツバター)処方での調査>
下記フィリング処方のうち、ピーナッツバターに表1のカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、コンベクションオーブン80℃で10分間焼成した。焼成後の保形性、ベタツキを調査した結果を表8に示す。
(フィリング:ピーナッツバター)
ピーナッツバター 99.0部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0部
Figure 0006083118
表8より、参考例23〜25は、保形性、ベタツキいずれも良好な結果であった。

Claims (2)

  1. ラクトアイス又はソフトクリーム用の保形剤であって、該保形剤がグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.16〜0.34、且つセルロースI型の結晶化度が40%以上58%以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩であることを特徴とするラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤。
  2. 請求項1に記載の前記ラクトアイス又はソフトクリーム用保形剤が含有されることを特徴とする、ラクトアイス又はソフトクリーム
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