JP2019004749A - ココア飲料 - Google Patents
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Description
(1)ココアパウダー、牛乳、及びカルボキシメチルセルロース又はその塩を含むココア飲料であって、該カルボキシメチルセルロース又はその塩が、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.40、且つ濃度1質量%水溶液の25℃でのB型粘度が5〜300mPa・sであることを特徴とするココア飲料。
(2)前記カルボキシメチルセルロースまたはその塩が、前記ココアパウダー100重量%に対して、1〜35重量%の範囲で含むことを特徴とする(1)に記載のココア飲料。
本発明のココアパウダーとは、カカオの種子(カカオ豆)を発酵・焙煎させた後、種皮と胚芽を取り除いてすり潰したカカオマスからココアバターと呼ばれる油脂分を搾油した後、残りのココアケーキを粉砕した物であり、その様なココアパウダーは脂肪分を約8〜25%程度含む。
本発明の牛乳とは、牛乳、加工乳、乳固形分3%以上の乳飲料など、原料に生乳を含む液状のものであれば特に制限されないが、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上の牛乳であることが好ましい。
本発明は、カルボキシメチルセルロースまたはその塩(以下、「CMC」ということがある。)のグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基(以下、「置換度」あるいは「CM−DS」ということがある。)、且つ25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液の粘度(以下、単に「粘度」という)が、分散安定性、更に分散質が堆積した後の再分散性に大きく影響することに着目してなされた発明である。
乾式粉砕工程においては、粉砕後分級工程を設けることによって、微細部分と粗砕部分に分別することもできる。また、分級工程は、湿式粉砕又は摩砕物を乾燥した後の乾燥物に対しても設定することができる。
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)をH−CMCにした。その絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1N−NaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N−H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。CMC−DSは、次式によって算出した。
A=[(100×F’−0.1N−H2SO4(mL)×F)×0.1]/(H−CMCの絶乾重量(g))
CM−DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:H−CMCの1gの中和に要する1N−NaOH量(mL)
F:0.1N−H2SO4のファクター
F’:0.1N−NaOHのファクター
セルロースI型の結晶化度は、試料のX線回折を測定することで求めた。X線回折の測
定は、試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津
製作所製)を用いて測定した。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線
回折図の2θ=10°〜30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の0
02面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出
した。
Xc=(I002c―Ia)/I002c×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA750部と水酸化ナトリウム10部を水250部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA10部に溶解したモノクロロ酢酸8部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.04、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度13mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム1(CMC1)を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA740部と水酸化ナトリウム16部を水230部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA17部に溶解したモノクロロ酢酸15部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.14、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度22mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム2(CMC2)を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)500部と水酸化ナトリウム30部を水200部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸19部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.19、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度53mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム3(CMC3)を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)750部と水酸化ナトリウム18部を水175部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA30部に溶解したモノクロロ酢酸24部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.28、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度100mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム4(CMC4)を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)800部と水酸化ナトリウム15部を水150部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA30部に溶解したモノクロロ酢酸27部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.34、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度210mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム5(CMC5)を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)800部と水酸化ナトリウム33部を水150部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸29部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.37、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度280mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム6(CMC6)を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(IPA)500部と水酸化ナトリウム48部を水100部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸37部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CM−DS0.50、25℃でのB型粘度計で測定された固形分濃度1質量%水溶液のB型粘度400mPa・s、結晶化度0%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7(CMC7)を得た。
下記ココア飲料処方の成分比率となるように、ココアパウダー(ピュアココア、バンホーテン製)1.0重量部、及び表2記載の所定量となるように実施例及び比較例のCMCを100mLマヨネーズ瓶に測り、よく混ぜ、その後牛乳(成分無調整牛乳(生乳100%)、明治乳業株式会社製)99.0重量部を加え、汎用デジタル攪拌機(EUROSTAR、IKA社製)を用いて120rpmで5分間均一になるように撹拌し、表3記載の各実施例及び比較例のココア飲料を作製した。
表3記載のココア飲料を、IKA製 EUROSTARを用いて120rpmで5分撹拌し、均一に分散状態となったココア飲料を用意した。このココア飲料を素早く100mLメスシリンダーに移して5分間水平な台上に静置した。この時の上澄みの体積を目視にて確認し、下記基準で評価を行った。
○:上澄みの体積は2mL未満であり、分散状態維持の著しい向上が認められる
△:上澄みの体積は2mL以上5mL未満であり、分散状態維持の向上は認められる
×:上澄みの体積は5mL以上であり、分散状態維持の向上は認められない
表3記載のココア飲料を、IKA製 EUROSTARを用いて120rpmで5分撹拌し、均一に分散状態となったココア飲料を用意し、水平な台上で1時間静置し分散していたココアパウダーを沈殿させた。その後、ココア飲料の入ったマヨネーズ瓶の蓋を閉め、上下に手で3回振り、底部に沈降したココアパウダーの量を目視にて確認し、下記基準で評価を行った。
△:底部にココアパウダーは残っているが、一部背景が見える状態
×:底部にココアパウダーが残り、背景が全く見えない状態
表3記載のココア飲料を、訓練されたパネラー20人で試飲し、下記基準に則り、ココア飲料の食感(のどごし感)を評価した。
基準点)
3点:のどにからんだりせず、飲みやすい
2点:のどにココア飲料が残る印象を受ける。
1点:とろみを強く感じ、重い印象を受ける。
その平均点から、以下の基準でのどごし感を評価した。
評価)
○:2.5点以上であり、のどごし感が良好である。
△:1.5点以上2.5点未満であり、のどごし感が若干劣るが実用範囲内である。
×:1.5未満であり、のどごし感が悪い。
Claims (2)
- ココアパウダー、牛乳、及びカルボキシメチルセルロース又はその塩を含むココア飲料であって、該カルボキシメチルセルロース又はその塩が、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.40、且つ濃度1質量%水溶液の25℃でのB型粘度が5〜300mPa・sであることを特徴とするココア飲料。
- 前記カルボキシメチルセルロースまたはその塩が、前記ココアパウダー100重量%に対して、1〜35重量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載のココア飲料。
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