JP2018164443A - ソフトクリーム用保形剤及びソフトクリーム - Google Patents

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正二郎 吉川
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有香 川橋
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Abstract

【課題】保形性、食感に優れるソフトクリームを製造し得るソフトクリーム用の保形剤を提供すること。【解決手段】ソフトクリーム用の保形剤であって、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.09〜0.20であり、セルロースI型の結晶化度が54%以上であるカルボキシメチルセルロース又はその塩を含むソフトクリーム用保形剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ソフトクリーム用の保形剤、及びそれを用いたソフトクリームに関する。
ソフトクリームは、特に外気温が高い時期に、レジャー施設等でソフトクリームコーンのような可食容器等に入れて対面販売され、食される場合が多い食物である。可食容器上のソフトクリームは食べている途中で溶けだし、消費者の手や衣服、床を汚したりするので溶け落ちを遅くするよう改善が望まれている。
そこで、ソフトクリームの形状を維持する目的で、ソフトクリームには、添加剤の一つとして、食品用保形剤が使用される場合がある。ソフトクリームの形状を維持する目的で添加される食品用保形剤として、セロオリゴ糖類(特許文献1)や食品への安全性の高いカルボキシメチルセルロース(特許文献2)を用いることが提案されている。
特開2009−124999号公報 特開2005−198650号公報
しかしながら、特許文献1に記載のセロオリゴ糖の添加による加工食品の保形性付与方法では、十分な保形性を得ることができないという問題がある。また、特許文献2には、増粘多糖類としてのガム系多糖類とカルボキシメチルセルロースを混合して使用することが記載されているが、保形性や食感に未だ改善の余地がある。
本発明の課題は、保形性、食感に優れるソフトクリームを製造し得るソフトクリーム用の保形剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、カルボキシメチル置換度とセルロースI型結晶化度が所定の数値範囲にあるカルボキシメチルセルロース又はその塩を含ませることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔3〕を提供する。
〔1〕ソフトクリーム用の保形剤であって、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.09〜0.20であり、セルロースI型の結晶化度が54%以上であるカルボキシメチルセルロース又はその塩を含むソフトクリーム用保形剤。
〔2〕前記カルボキシメチルセルロース又はその塩が、含有率0.1質量%の水分散体での波長600nmにおける光透過度が38%以上である上記〔1〕に記載のソフトクリーム用保形剤。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載のソフトクリーム用保形剤を含有するソフトクリーム。
本発明によれば、保形性、食感に優れるソフトクリームを製造し得るソフトクリーム用の保形剤を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[1.ソフトクリーム用保形剤]
本発明のソフトクリーム用保形剤は、ソフトクリーム用の保形剤であって、そのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.09〜0.20であり、セルロースI型の結晶化度が54%以上であるカルボキシメチルセルロース又はその塩(以下、「カルボキシメチルセルロース」あるいは「CMC」ということがある。)を含むものである。
従来から、カルボキシメチルセルロース又はその塩を保形剤等として食品に添加することが行われている。
本発明のソフトクリーム用保形剤は、カルボキシメチルセルロース又はその塩をソフトクリーム用の保形剤に用いる際に、カルボキシメチルセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度(以下、「置換度」あるいは「CM−DS」ということがある。)や、結晶化度(結晶性)が、食感に影響を与えることなく、ソフトクリームの溶け出し開始を遅くすることに着目してなされたものである。
<カルボキシメチルセルロース又はその塩>
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.09〜0.20であり、セルロースI型の結晶化度が54%以上である。
カルボキシメチルセルロースのCM−DSが0.20超の場合、水に溶解し易くなるため、十分な保形性が得られなくなる場合がある。また、食感が糊状になり、口どけが悪くなる場合がある。一方、CM−DSが0.09未満の場合、水に膨潤し難いため、保形性が得られないと共に、膨潤していないカルボキシメチルセルロース又はその塩が存在して食感が悪くなる場合がある。
また、カルボキシメチルセルロースの結晶化度が54%未満の場合、保形性が十分に得られない場合がある。
なお、塩としては、経口摂取しても問題とならないナトリウム塩等が挙げられる。
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、セルロース原料にカルボキシメチル化反応を行うことで調製することができる。セルロース原料としては、晒又は未晒木材パルプ、精製リンター、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロースや、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等、何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース系素材の加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等によって解重合処理した微細セルロース又は機械的に処理した微細セルロースが例示される。
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、溶媒法により調製することができる。例えば、セルロース原料を出発原料にし、溶媒中、マーセル化剤を混合してマーセル化処理を行った後、カルボキシメチル化剤によりエーテル化反応を行うことで、カルボキシメチルセルロース又はその塩を調製することができる。
溶媒としては、例えば、1種単独又は2種以上の低級アルコール(メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブチルアルコール等)と水の混合溶媒を使用することができる。なお、低級アルコールの混合割合は、通常、60〜95質量%である。溶媒の使用量は、質量換算で、通常、セルロース原料の3〜20倍である。
マーセル化剤としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を使用することができる。マーセル化剤の使用量は、出発原料のグルコース残基当たり、モル換算で、0.5〜20倍である。
マーセル化処理の反応温度は、通常、0〜70℃であり、好ましくは10〜60℃である。また、その反応時間は、通常、15分〜8時間であり、好ましくは30分〜7時間である。
カルボキシメチル化剤としては、例えば、モノクロロ酢酸やモノクロロ酢酸ナトリウムを使用することができる。カルボキシメチル化剤の使用量は、出発原料のグルコース残基当たり、モル換算で、0.05〜2.0倍である。
エーテル化反応の反応温度は、通常、30〜90℃であり、好ましくは40〜80℃である。また、その反応時間は、通常、30分〜10時間であり、好ましくは1〜4時間である。
カルボキシメチルセルロース又はその塩の純度を高めるため、公知の方法を行ってもよい。例えば、質量換算で、3〜20倍の溶媒(1種単独又は2種以上の低級アルコールと水の混合溶媒)を使用し、純分99%まで精製処理した後、乾燥を行うことで、カルボキシメチルセルロース又はその塩の純度を高めることができる。
なお、低級アルコールとしては、上記に例示したものを挙げることができる。
他の素材との均一な混合を目的として、精製したカルボキシメチルセルロース又はその塩を機械的処理により微粉砕化及び/又は分級しても良い。機械的処理の具体例としては、カッティング式ミルを単独で、或いはカッティング式ミルと、衝撃式ミル及び/又は気流式ミルと、を併用して、さらには同機種で数段処理することができる。
カッティング式ミルとしては、例えば、メッシュミル(ホーライ社製)、アトムズ(山本百馬製作所製)、ナイフミル(パルマン社製)、グラニュレータ(ヘルボルト社製)、ロータリーカッターミル(奈良機械製作所製)が挙げられる。
衝撃式ミルとしては、例えば、パルペライザ(ホソカワミクロン社製)、ファインインパクトミル(ホソカワミクロン社製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン社製)、サンプルミル(セイシン社製)、トルネードミル(日機装社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、ベベルインパクター(相川鉄工社製)が挙げられる。
気流式ミルとしては、例えば、CGS型ジェットミル(三井鉱山社製)、ジェットミル(三庄インダストリー社製)、エバラジェットマイクロナイザ(荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業社製)が挙げられる。
なお、媒体ミルとしては、例えば、振動ボールミルが挙げられる。
また、精製したカルボキシメチルセルロース又はその塩は、湿式粉砕機で処理してもよい。湿式粉砕機としては、例えば、マスコロイダー(増幸産業社製)、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーが挙げられる。
乾式粉砕工程においては、粉砕後に分級工程を設けることによって、微細部分と粗砕部分に分別することもできる。また、分級工程は、湿式粉砕又は摩砕物を乾燥した後の乾燥物に対しても設定することができる。
上記、いずれかの粉砕機により微粉砕化されたカルボキシメチルセルロース又はその塩の粉砕後の平均粒子径は、特に制限はない。一例として、カルボキシメチルセルロース又はその塩の平均粒子径は、好ましくは0.1〜300μmであり、より好ましくは10〜100μmである。カルボキシメチルセルロース又はその塩の平均粒子径が0.1μm未満であると、製造上煩雑となる場合がある。一方、それらの平均粒子径が300μm超であると、保形剤に使用する食品との均一な混合が難しくなる場合がある。
本発明のソフトクリーム用保形剤において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、グルコース残基当たりカルボキシメチル置換度が、0.09〜0.20の範囲にあり、好ましくは0.12〜0.17の範囲である。グルコース残基当たりカルボキシメチル置換度が斯かる範囲にあることで、本発明の効果をより向上することができる。
カルボキシメチル置換度は、次のようにして測定することができる。試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)を脱塩処理し、H型カルボキシメチルセルロース(以下、「H−CMC」ともいう)にする。H−CMCを乾燥させた絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってCM−DSを算出することができる。
A=[(100×F−0.1NのHSO(mL)×F’)×0.1]/(H−CMCの絶乾質量(g))
CM−DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:H−CMC1gを中和するのに要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
本発明のソフトクリーム用保形剤において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、結晶化度(セルロースI型の結晶化度)が54%以上であり、好ましくは59%〜73%の範囲である。セルロースI型の結晶化度が斯かる範囲にあることで、食感に影響を与えることなく、溶け出しをより遅くすることができる。
セルロースI型の結晶化度は、試料のX線回折を測定することで求めることができる。X線回折の測定は、試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法(L.Segal,J.J.Greely,et al,Text.Res.J.,29,786,1959)、及び、Kamide等の手法(K.Kamide et al,Polymer J.,17,909,1985)を用いて行い、X線回折図の2θ=10°〜30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出することができる。
Xc=(I002C―Ia)/I002C×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
002C:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度
本発明のソフトクリーム用保形剤において、カルボキシメチルセルロース又はその塩は、含有率0.1質量%の水分散体での波長600nmにおける光透過度が38%以上であることが好ましい。光透過度が斯かる範囲にあることで、カルボキシメチルセルロースによる、溶け落ち遅延効果を向上することができる。
光透過度は、カルボキシメチルセルロースを含有率0.1質量%となるように水中に分散して調製したカルボキシメチルセルロース水分散体を標準ガラスセルに入れ、水をブランクとして波長600nmの光透過率を分光光度計により測定した値である。
本発明のソフトクリーム用保形剤は、その効果を阻害しない範囲で公知の保形剤成分を含んでもよい。公知の保形剤成分としては、例えば、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、微結晶セルロース、ペクチン、デンプン、アラビヤゴム等の植物由来安定剤;ゼラチン、カゼイン、カゼインNa等の動物由来安定剤;メチルセルロース等の合成安定剤が挙げられる。
なお、公知の保形剤成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[2.ソフトクリーム]
本発明のソフトクリームは上記のソフトクリーム用保形剤を含むものである。本発明におけるソフトクリームとは、半冷凍氷結(−4℃〜−10℃)でクリーム状にしたアイスクリームをいう。前記アイスクリームは乳等省令が定めたアイスクリーム類、発酵乳及び乳固形分が3%未満の氷菓をいう。
なお、本発明のソフトクリームにおいて、上記のソフトクリーム用保形剤の使用量は、通常、原料の0.01〜1質量%程度である。
ソフトクリームは、水、乳や乳製品、甘味料、油脂類、保形剤、乳化剤、香料、果汁、果肉等その他の成分を含むソフトクリームミックスと呼ばれる原料を用い、冷菓製造装置(フリーザー)により製造することができる。
乳としては、特に限定されないが、例えば、牛乳、脱脂乳(スキムミルク)が挙げられる。また、乳製品としては、特に限定されないが、例えば、脱脂粉乳、調製粉乳、クリーム、練乳、発酵乳等が挙げられる。
なお、乳及び乳製品は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
甘味料としては、特に限定されないが、例えば、砂糖(ショ糖、スクロース)、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、トレハロース、水あめ、異性化糖等の糖類;ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール等の糖アルコール類;アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビオサイド、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリン、ジヒドロカルコン等の非糖質甘味料が挙げられる。
なお、甘味料は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
油脂類は、ソフトクリームの骨格成分として用いられる。
油脂類としては、特に限定されないが、例えば、やし、パーム、パーム核、大豆、菜種等の植物性油脂;ラード、ヘッド、魚油等の動物性油脂が挙げられる。勿論、バターやクリームといった乳脂肪も使用可能である。
なお、油脂類は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
保形剤(安定剤ともいう)は、ソフトクリームミックスの粘度を適度に高め、製造過程や保管流通時にソフトクリームミックス中の油脂分が分離することを防ぐために用いられる。また、保形剤は、ソフトクリームの氷晶の大きさを調節し、ソフトクリームの食感を改良することにも用いられる。
本発明のソフトクリームでは、保形剤として、カルボキシメチルセルロース又はその塩を含む上記のソフトクリーム用保形剤を用いることが重要である。また、その効果を阻害しない範囲で、公知の保形剤成分を含んでもよい。公知の保形剤成分としては、例えば、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム等の増粘多糖類;セルロース、微結晶セルロース、ペクチン、デンプン、アラビヤゴム等の植物由来安定剤;ゼラチン、カゼイン、カゼインNa等の動物由来安定剤;メチルセルロース等の合成安定剤が挙げられる。
なお、公知の保形剤成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
乳化剤は、脂肪を分散させる機能を有する。脂肪の分散が不十分であると、殺菌工程や均質化工程を良好に実施することが困難となる場合がある。また、乳化剤は、オーバーラン、ドライネス、食感等にも影響を与える場合がある。
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルが挙げられる。
なお、乳化剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
香料(フレーバー)としては、所望の芳香を冷菓に与えるものであればよく、例えば、バニラ、チョコレート、コーヒー、ストロベリー、アップル、オレンジ、グレープ、シナモン、スイートメロン、バナナ、ピーチ、マンゴー、ミント、レモン等が挙げられる。
なお、香料は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
その他の成分としては、カロチン色素、抽出カロチン色素、ビタミンB2、銅クロロフィル及び銅クロロフィルNa、アナトー、アカキャベツ、アカダイコン、イカスミ、植物炭末、ウコン、エルダーベリー、カカオ、カロブ、クロロフィル、クチナシ黄、クチナシ青、クチナシ赤、グレープスキン、コチニール、コーリャン、シソ、シアナット、スピルリナ、タマリンド、タマネギ、トマト、パプリカ、ビートレッド、ブドウ果汁、ベニコウジ、ベニバナ黄、ベニバナ赤、マリーゴールド、ムラサキイモ、ムラサキコーン、ラック、カラメル等の着色料が挙げられる。
本発明のソフトクリームにおいて、上記ソフトクリームミックスは、例えば、調合工程、殺菌工程、均質化工程、冷却工程及び充填工程を経て製造される。なお、ソフトクリームミックスの製造はこの工程に限定されない。
<調合工程>
調合工程では、水、乳、乳製品、甘味料、油脂類、安定剤、乳化剤、香料等その他の成分を含む原材料と共に、カルボキシメチルセルロース水分散体を調合装置のタンクミキサー内に投入して均一に攪拌混合することにより、「プレミックス」と呼ばれる加熱殺菌前のミックスの前駆混合物を調製する。カルボキシメチルセルロース水分散体の固形分率は特に限定されない。調合工程では、予め、カルボキシメチルセルロースの投入量、固形分量及び水分量を考慮した上で、その他の各原材料の投入量を計算しておくことが好ましい。また、調合工程では、原材料の均一な溶解、混合のために予備加熱してもよい。予備加熱の温度は、特に限定されないが、例えば、50〜80℃が適当である。
<殺菌工程>
殺菌工程(加熱工程)では、公知のUHT殺菌、HTST殺菌等の連続加熱方法を採用することができる。なお、殺菌方法は、これらの方法に限定されず、例えば、回分式や連続式の間接加熱法を採用することもできる。
<均質化工程>
均質化工程では、前記調合工程で調製されたプレミックスを均質機に移し、均質機にてプレミックス中の乳脂肪や油脂類を粉砕して均質化する。ソフトクリームのうち、油脂を含まない液状ソフトクリームミックスの場合、均質化工程を省略することが可能である。均質機としては、従来公知のホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等を用いることができる。
<冷却工程>
冷却工程では、加熱殺菌された後の液状ソフトクリームミックスを迅速に冷却する。殺菌工程後の高温の液状ソフトクリームミックスを放置しておくと、液状ソフトクリームミックスの変質及び乳化破壊等が生じる場合がある。そこで、殺菌工程後の液状ソフトクリームミックスを急速に冷却することにより、液状ソフトクリームミックスの変質及び乳化破壊を回避する。
<充填工程>
冷却が完了した液状ソフトクリームミックスは充填機を用いて所望の容器に所望量充填される。充填用容器としては目的に合致した従来公知の包装容器を用いればよい。例えば、加工紙を用いるテトラパック容器、ゲーベルトップ容器、プラスティック素材であるピロー容器、バックインボックス(BIB)用内袋が挙げられるが、それらに限定されない。充填機は、それぞれに適応する公知の装置を使用することができる。
上記のように製造したソフトクリームミックスを用いて、例えば、以下に記載する方法で本発明のソフトクリームを製造することができる。
各店舗において、液状ソフトクリームミックスを冷菓製造装置に投入し、ソフトクリームミックスと空気とを所定の割合で撹拌混合しながら、−4℃〜−10℃の所定温度に冷却し、空気を抱き込み、クリーム状となったアイスクリームを消費者の注文に応じてフリーザーから取り出してコーンカップ等の容器上に下から上へ渦巻き状に高く盛り付けることにより、硬化工程を経ることなく、物流されることなく、店舗内で製造された軟らかい状態で、ソフトクリームを製造して対面販売することができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例により説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、配合量を示す「部」は全て「質量部」を示す。また、本発明にかかる物質の諸物性の評価は、以下の方法で行った。
[CM−DSの測定方法]
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)を脱塩処理し、H型カルボキシメチルセルロース(以下、「H−CMC」ともいう)にした。H−CMCを乾燥させた絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定した。そして、CM−DSを次式によって算出した。
A=[(100×F−0.1NのHSO(mL)×F’)×0.1]/(H−CMCの絶乾質量(g))
CM−DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:H−CMC1gを中和するのに要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
[結晶化度の測定]
セルロースI型の結晶化度は、試料のX線回折を測定することで求めた。X線回折の測定は、試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津製作所製)を用いて測定した。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10°〜30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出した。
Xc=(I002C―Ia)/I002C×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
002C:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度
[光透過度の測定]
カルボキシメチルセルロースを含有率0.1質量%となるように水中に分散して調製したカルボキシメチルセルロース水分散体を標準ガラスセルに入れ、水をブランクとして波長600nmの光透過率を分光光度計により測定した。
(製造例1:CMC1の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにイソプロピルアルコール(以下、「IPA」ともいう)750部と水酸化ナトリウム16部を水250部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合してマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA18部に溶解したモノクロロ酢酸16部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.12、結晶化度65%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC1)。得られたCMC1を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度68.72%のCMC1水分散体を得た。
(製造例2:CMC2の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA760部と水酸化ナトリウム13部を水250部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合してマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA16部に溶解したモノクロロ酢酸14部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.14、結晶化度73%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC2)。得られたCMC2を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度59.84%のCMC2水分散体を得た。
(製造例3:CMC3の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA700部と水酸化ナトリウム18部を水220部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA20部に溶解したモノクロロ酢酸19部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.17、結晶化度59%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC3)。得られたCMC3を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度51.65%のCMC3水分散体を得た。
(製造例4:CMC4の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA690部と水酸化ナトリウム19部を水220部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA23部に溶解したモノクロロ酢酸20部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.20、結晶化度54%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC4)。CMC4を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度62.93%のCMC4水分散体を得た。
(製造例5:CMC5の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA700部と水酸化ナトリウム18部を水220部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA23部に溶解したモノクロロ酢酸20部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.20、結晶化度57%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC5)。得られたCMC5を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度49.75%のCMC5水分散体を得た。
(製造例6:CMC6の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA750部と水酸化ナトリウム15部を水260部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA15部に溶解したモノクロロ酢酸12部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.09、結晶化度67%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC6)。得られたCMC6を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度49.83%のCMC6水分散体を得た。
(製造例7:CMC7の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA740部と水酸化ナトリウム16部を水230部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA17部に溶解したモノクロロ酢酸15部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.14、結晶化度69%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC7)。得られたCMC7を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度38.38%のCMC7水分散体を得た。
(製造例8:CMC8の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA670部と水酸化ナトリウム22部を水220部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に攪拌しつつ90%IPA24部に溶解したモノクロロ酢酸21部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(CM−DS)0.15、結晶化度40%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た(CMC8)。得られたCMC8を固形分濃度1.5%に調整し、高圧ホモジナイザーにより200MPaの圧力で3回処理して、光透過度86.91%のCMC8水分散体を得た。
表1に、各製造例で製造したカルボキシメチルセルロースナトリウムのカルボキシメチル置換度と、結晶化度、及び水分散体の光透過度の一覧を示す。
Figure 2018164443
(プレミックスの調製)
原材料として糖類、乳製品、油脂類、乳化剤、安定剤、その他、水等を用い、表2に示した原材料比率でプレミックスを調製した。なお、下記表2において、糖類としては砂糖、水あめを用い、さらに優れた保形性を有する本発明のCMCを含むものとみなす。乳製品としては脱脂粉乳を用い、油脂類としては、やし、パーム油を用い、乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル等を用い、安定剤としてはセルロース、カゼインNa、増粘多糖類を用い、その他としてはバニラ香料、カロチン色素等を用いた。
Figure 2018164443
調製したプレミックス及び製造したカルボキシメチルセルロースを用いて、下記実施例及び比較例のごとくソフトクリームを製造し、ソフトクリームの溶け落ち時間、食感を評価した。評価方法を以下に記す。
[溶け落ち時間の測定]
実施例及び比較例で製造したソフトクリームを小型ファン(バッファロー社製、BSOTOS08WH)によって空気循環させている35℃に保持したインキュベーター内に入れ、皿上のカップホルダーにてコーンカップを立てた状態で支持した。外部の空気が流入しないように扉を閉め、ソフトクリームが溶け落ちる様子を観察した。この時、ソフトクリームをインキュベーターに入れた時点から、ソフトクリームが皿の上に溶け落ちるまでの時間を測定した。測定を8回行い、平均時間を算出して溶け落ち時間とした。
[溶け落ち延長比率]
比較例1のソフトクリームの溶け落ち時間に対する、実施例1〜7及び比較例2〜3のソフトクリームの溶け落ち時間の比率として算出した。
[食感]
3〜4名がソフトクリームを試食して、下記評価基準で食感を確認した。
良 :滑らかな食感で口どけ、のど越しがよい。
不良:氷晶感があり、ざらついている。或いは、糊状で口どけやのど越しが悪い。
(実施例1)
CMCの固形分率が0.1質量%となるように、前記プレミックスにCMC1水分散体を混合して、実施例1のソフトクリームミックスを調製した。なお、原料比率を表3に記載する。
次いで、冷菓製造装置(日世社製、フリーザーNA6462WE)に上記で調製したソフトクリームミックスを1.7L投入し、フリージング開始から1時間後、ソフトクリーム約110g(約140ml)を取り出してコーンカップ(日世社製、No.15コーン)に渦巻状に3段半盛り付けることにより実施例1のソフトクリームを製造した。製造したソフトクリームを用いて溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(実施例2)
CMC1水分散体の代わりに製造例2のCMC2水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。なお、ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(実施例3)
CMC1水分散体の代わりに製造例3のCMC3水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(実施例4)
CMC1水分散体の代わりに製造例4のCMC4水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(実施例5)
CMC1水分散体の代わりに製造例5のCMC5水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(実施例6)
CMC1水分散体の代わりに製造例6のCMC6水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(実施例7)
CMC1水分散体の代わりに製造例7のCMC7水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(比較例1)
CMC1水分散体を添加しないこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(比較例2)
CMC1水分散体の代わりにサンローズSLD(日本製紙社製、DS値0.28、結晶化度0%)を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの配合比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
(比較例3)
CMC1水分散体の代わりに製造例8のCMC8水分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にソフトクリームミックスを調製し、ソフトクリームを製造した。ソフトクリームミックスの原料比率を表3に記載する。
実施例1と同様にソフトクリームを製造し、溶け落ち時間の測定と、食感を評価した。評価結果を表4に記載する。
下記表3に実施例1〜7及び比較例1〜3に用いたソフトクリームミックスの原料比率を記す。なお、下記表3において、糖類としては砂糖、水あめの総量である。即ち、糖類とCMCの合算量が表2の糖類の総量に対応する。
Figure 2018164443
下記表4に実施例1〜7及び比較例1〜3のソフトクリームが溶け落ちる時間と食感の評価結果を記す。
Figure 2018164443
表4に示すように比較例1に対する実施例1〜7のソフトクリームの溶け落ち延長比率はいずれも2倍以上となった。ソフトクリームにおいて溶け落ち時間の2倍以上の延長は、外気温が高い時期にソフトクリームを食べる消費者にとって非常に有意なことである。また、食感は良好であった。この結果より保形性、食感に優れるソフトクリームを製造し得るソフトクリーム用の保形剤ができることを確認できた。

Claims (3)

  1. ソフトクリーム用の保形剤であって、
    グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.09〜0.20であり、セルロースI型の結晶化度が54%以上であるカルボキシメチルセルロース又はその塩を含むソフトクリーム用保形剤。
  2. 前記カルボキシメチルセルロース又はその塩が、含有率0.1質量%の水分散体での波長600nmにおける光透過度が38%以上である請求項1に記載のソフトクリーム用保形剤。
  3. 請求項1又は2に記載のソフトクリーム用保形剤を含有するソフトクリーム。
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