JP2003049190A - 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物 - Google Patents

新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物

Info

Publication number
JP2003049190A
JP2003049190A JP2001241320A JP2001241320A JP2003049190A JP 2003049190 A JP2003049190 A JP 2003049190A JP 2001241320 A JP2001241320 A JP 2001241320A JP 2001241320 A JP2001241320 A JP 2001241320A JP 2003049190 A JP2003049190 A JP 2003049190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
same
fat
powdered fat
weight
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001241320A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nakai
威 中井
Koichi Inoue
上 浩 一 井
Takashi Yonetani
俊 米谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ezaki Glico Co Ltd
Ueda Oils and Fats Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Ezaki Glico Co Ltd
Ueda Oils and Fats Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ezaki Glico Co Ltd, Ueda Oils and Fats Manufacturing Co Ltd filed Critical Ezaki Glico Co Ltd
Priority to JP2001241320A priority Critical patent/JP2003049190A/ja
Publication of JP2003049190A publication Critical patent/JP2003049190A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】スプレードライ法により得られる粉末状油脂
が、含有する脂質の融点、種類に関わらず、サラサラと
した流動性と水への良好な分散性を併せ持つものとする
ことである。 【解決手段】高分岐環状デキストリンを所定量配合する
ことにより、流動性が良好で取り扱いしやすく、しかも
低温から高温まで広い温度範囲における水への分散性の
優れたものを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の飲食品、化
粧品、医薬品等に利用することができ、粉体流動性、水
への分散性、保存安定性の優れた粉末状油脂に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、動植物から搾取される油脂は、
食品の風味向上、食感改良として、また、最近は重要栄
養素としての機能も認められ、各種食品原料として不可
欠な成分である。通常、このような油脂は、天ぷら油な
どの液体油、マーガリン、ショートニング等の可塑性油
脂の状態で利用されているが、用途によっては利用し易
い粉末の形態とすることが望ましく、下記の(1)〜
(3)の様な方法で粉末化している。
【0003】(1)油脂とカゼインソーダ、乳類、卵白等の
蛋白質、庶糖、乳糖等の少糖類と澱粉もしくはその分解
物またはセルロース等の水溶液とグリセリン脂肪酸エス
テル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、庶糖脂肪
酸エステル等の乳化剤を原料としてエマルジョンを調整
し、これを噴霧乾燥する方法(スプレードライ法特公開
41−1415) (2)油脂類を澱粉加工品などに吸着させる方法 (3)固形油脂を原料として、この油脂を溶融状態で低
温雰囲気に噴霧し、擬結して粉末化する方法(スプレー
クール法) (4)前記(1)と同様にして、エマルジョンを調製した
後、真空凍結乾燥装置ベルト式連続真空乾燥装置または
ドラム式真空乾燥装置等を用いて乾燥させる方法。
【0004】以上述べた方法のうち、(1)の方法は、粉末
油脂の表面に賦型剤の被膜が形成されてる為、油脂の品
質安定性がよく、製造コストも低く抑えることが出来る
ので、一般によく用いられる方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スプレードライ法によ
り製造された粉末状の油脂は、通常、脂質をコーティン
グする基剤としてグルコース、乳糖、ショ糖、デキスト
リンや加工澱粉等の糖類または/及びカゼインソーダ、
ゼラチン、乳類等の蛋白質が用いられる。また、粉末状
油脂に求められる主な粉体特性として ・サラサラとした流動性 ・水への分散性 が挙げられる。しかしながら、上記2つの特性は実質的
には相反するものであり、サラサラとした流動性を得る
ためには、脂質の浸み出しを防ぐべく蛋白質系で被膜を
強固にする必要があり、そうすると水への分散性が悪く
なる。また一方、水への分散性を求めた場合、蛋白質系
の被膜剤を出来るだけ少量にする必要があり、脂質が澄
み出すおそれがある。また、水への親和力を高めるとい
うことは、保存中に吸湿しやすく、ブロッキングを起こ
すことも十分考えられる。この発明の課題は、スプレー
ドライ法により得られる粉末状油脂が、含有する脂質の
融点、種類に関わらず、サラサラとした流動性と水への
良好な分散性を併せ持つものとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の好ましい性質を有
する粉末状油脂を開発すべく鋭意研究した結果、高分岐
環状デキストリンを所定量配合することにより、流動性
が良好で取り扱いしやすく、しかも低温から高温まで広
い温度範囲における水への分散性の優れたものとする事
を見いだし、発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、上記の課題を解決するため、この
発明においては、油脂もしくは脂肪酸エステルまたはこ
れらの混合物100重量部に対して、高分岐環状デキスト
リンを10〜150重量部と賦型剤5〜150重量部とを配合し
た粉末状油脂を構成したのである。
【0008】高分岐環状デキストリンとは、アミロペクチ
ンにブランチングエンザイムを作用させて創られるもの
であり、分子量が均一で、かつ環状構造を有する新規な
糖質であり、内分岐構造と外分岐構造とを有する、重合
度50以上であるグルカンを言う。ここでグルカンという
用語にはグルカンの誘導体が含まれる。内分岐環状構造
部分とは、本願明細書においては、α−1,4グルコシド
結合とα−1,6グルコシド結合とで形成される環状構造
部分を言う。外分岐構造部分とは、本願明細書において
は、上記内分岐環状構造に結合した非環状構造部分を言
う。高分岐環状デキストリンおよびその製造方法は、特
許第3107358号に詳細に記載される。
【0009】上記した高分岐環状デキストリンの配合割合
は、油脂100重量部に対して、10〜150重量部である。な
ぜなら、10重量部未満の少量では粉末の流動性と水への
溶解性の改善に効果がなく、150重量部を超える多量で
は相対的に油脂含量が低下して好ましくないからであ
る。
【0010】 この発明に用いられる賦型剤としては、カ
ゼインソーダ、ゼラチン、乳類、卵白等の蛋白質、庶
糖、乳糖等の少糖類、澱粉またはその分解物等が良好な
物性の粉末状油脂を得るために好ましい。
【0011】このような賦型剤の配合量は、油脂100重量
部に対して5〜150重量部である。なぜなら、5重量部未
満では、油の鯵みだしが起こって良好な粉末状油脂が得
られず、150重量部を越える多量では、相対的に油脂の
濃度が低くなるので、油脂供給原料としての粉末油脂と
して好ましい品質が得られないからである。
【0012】なお、粉末状油脂には、この発明の効果を阻
害しない限りにおいて、一般の食品製造に用いられる周
知の乳化剤、酸化防止剤、香料、着色料などを適宜配合
してよいのは勿論である。
【0013】なお、前記乳化剤の具体的例としては、グリ
セリン脂肪酸エステル、レシチン、庶糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、これら
の乳化剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合
わせてもよい。また、上述のようにして得られる粉末状
油脂は、例えば育児用粉乳、コーヒークリームパウダ
ー、クリームスープパウダーなどの飲食品として利用す
ることができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によりなんら限定され
るものではない。 (実施例1〜3、比較例1〜2)表1の油相部の欄に示した
原材料を同欄に示した配合割合(重量部)で混合して油
相部を調製し、一方、同表に示す水相部の欄の原材料を
同欄に示す割合で50℃の温水200重量部に溶解して、水
相部を調製した。次いで、上記油相部と水相部を混合乳
化し、さらにホモゲナイザーで均質化した後、150℃の
温度条件で噴霧乾燥し、表面に賦型剤の被膜を形成した
粉末状油脂を得た。
【0015】
【表1】
【0016】得られた粉末状油脂の溶解性を(分散性)
を調べるため、水温別の溶解試験を行った。すなわち、
70℃、25℃、5℃の蒸留水を各200mlずつ500mlビーカー
に入れ、それぞれに粉末状油脂を4g入れて、プロペラ翼
を備えた卓上攪拌機により400rpmの回転数で3分間攪拌
した後の分散(溶解)状態を調べた。この結果は、速や
かに溶解(◎印)、溶解(○印)、僅かに溶解(△
印)、溶解せず(×印)の4段階に評価し、表1中に併記
した。
【0017】表1の結果からも明らかなように、高分岐
環状デキストリンを10〜150重量部配合した組成からな
る実施例1〜4は、5〜70℃の広い温度で被膜が容易に水
に溶解して、優れた分散性を示し、また、このものはサ
ラサラとした感触で極めて流動性が良好な粉体であると
認められた。これに対し比較例1及び比較例2は、水温が
低くなるにつれて溶解性が悪くなり、期待した効果を満
足しないものであった。
【0018】(実施例5)表2の原材料及び配合(重量%
にて表記)にて、常法にしたがい噴霧乾燥してモデル育
児用粉乳を得た。
【0019】
【表2】
【0020】このもの自体はサラサラとした感触で極め
て流動性が良好な粉体であり、常法により30℃の湯にて
希釈した結果、容易に水に溶解して優れた分散性を示し
た。
【0021】(実施例6)表3の原材料及び配合(重量%
にて表記)にて、常法にしたがい噴霧乾燥して、コーヒ
ークリームパウダーを得た。
【0022】
【表3】
【0023】このもの自体はサラサラとした感触で極め
て流動性が良好な粉体であり、常法によりコーヒーに添
加した結果、容易に溶解して優れた分散性を示した。
【0024】(実施例7)表4の原材料及び配合にて、
常法にしたがい噴霧乾燥して、コーンスープパウダーを
得た。
【0025】
【表4】
【0026】このもの自体はサラサラとした感触で極め
て流動性が良好な粉体であり、常法によりお湯に添加し
た結果、容易に溶解して優れた分散性を示した。
【0027】
【効果】この発明は、以上説明したように、高分岐環状
デキストリンを限定使用し、かつこれを所定量配合した
粉末状油脂としたので、このものの流動性が良好で取り
扱い易くなり、しかも低温から高温まで広い温度範囲で
水への分散性に優れたものとなる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/40 A23L 1/40 (72)発明者 米谷 俊 兵庫県伊丹市伊丹 5−9−23 Fターム(参考) 4B001 AC03 AC07 AC17 BC04 DC01 4B026 DC07 DG20 DL03 DP10 DX08 4B036 LE01 LF01 LH11 LH13 LP10 4H059 BA17 BA30 BB02 BB03 BB15 BB22 BB45 BB51 BC03 BC13 BC43 BC45 CA99 DA16 EA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂もしくは脂肪酸エステルまたはこれ
    らの混合物100重量物に対して、高分岐環状デキストリ
    ンを10〜150重量部かつ、賦型剤を5〜150重量部を配合
    した組成物からなる粉末状油脂
  2. 【請求項2】 粉末化方法が噴霧乾燥によることを特徴
    とする請求項1記載の粉末状油脂の製造方法
  3. 【請求項3】 請求項1〜2に記載の組成物及び製造方法
    を利用した飲食物
JP2001241320A 2001-08-08 2001-08-08 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物 Withdrawn JP2003049190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001241320A JP2003049190A (ja) 2001-08-08 2001-08-08 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001241320A JP2003049190A (ja) 2001-08-08 2001-08-08 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003049190A true JP2003049190A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19071789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001241320A Withdrawn JP2003049190A (ja) 2001-08-08 2001-08-08 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003049190A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285595A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Ina Food Ind Co Ltd 油脂硬化剤、それが添加された硬化油代替物及びそれが用いられた食品
JP2010059338A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Neos Co Ltd 有機液体吸収剤及びオイルゲルの製造方法
WO2015076164A1 (ja) 2013-11-19 2015-05-28 日清オイリオグループ株式会社 粉末油脂組成物およびその製造方法
US9462823B2 (en) 2006-12-11 2016-10-11 Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. Powdered plant sterol ester-containing preparations, method for preparing the same and foods and drinks containing the same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9462823B2 (en) 2006-12-11 2016-10-11 Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. Powdered plant sterol ester-containing preparations, method for preparing the same and foods and drinks containing the same
JP2008285595A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Ina Food Ind Co Ltd 油脂硬化剤、それが添加された硬化油代替物及びそれが用いられた食品
JP2010059338A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Neos Co Ltd 有機液体吸収剤及びオイルゲルの製造方法
WO2015076164A1 (ja) 2013-11-19 2015-05-28 日清オイリオグループ株式会社 粉末油脂組成物およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3182557B2 (ja) ネイティブジェランガムを含有する分散安定剤、及びその応用
EP3219779B1 (en) Powdered oil/fat, food/beverage including powdered oil/fat, and method for producing powdered oil/fat
RU2342853C2 (ru) Быстродиспергируемые, предварительно желатинизированные крахмалы для использования в пищевых продуктах
CN104304366A (zh) 稳定剂及包含该稳定剂的组合物与产品
JP2012525123A (ja) 濃縮された、クリーム状から固体状の、水中油型エマルジョンの乾燥組成物、その製造方法、及び官能的側面及び栄養生理学の点で改良された食品を製造するためのその使用
JP4044128B1 (ja) タンパク質含有液状組成物用増粘化剤
JP6403427B2 (ja) 飲料用粉末油脂
CN101505605A (zh) 稳定剂及包含该稳定剂的组合物与产品
JP3333290B2 (ja) 微細セルロース含有食品組成物
JPH1014494A (ja) 酸性飲食品、酸性飲食品用酸性クリームおよび粉末
JPH11302448A (ja) セルロース複合体
CN107846952A (zh) 增甜浓缩奶精
JP2003049190A (ja) 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末状油脂及びその製造方法及びそれを利用した飲食物
JP3665010B2 (ja) 微細セルロース含有複合体を配合してなる食品組成物
JPH0618507B2 (ja) 含油ゼリ−食品
JPH05137506A (ja) 粉末油脂およびその製造方法
JPS6362535A (ja) 乳化剤の製造方法
JP5995344B2 (ja) 乳化用組成物の製造方法及び乳化物の製造方法並びに乳化用組成物及び乳化物
JP2004067962A (ja) 新規な高分岐環状デキストリンを含有する粉末香料及びその製造方法及びそれを利用した飲食物
JP2006014629A (ja) 粉末油脂組成物
JPS63185929A (ja) 水分散性レシチン粉末の製造方法
JP2514302B2 (ja) 粉末状油脂
JP2018191655A (ja) 飲料用粉末油脂
JPH07107A (ja) クリームパウダー及びクリームパウダー含有飲食品
JP2018121632A (ja) インスタントコーヒー飲料用組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040115

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040402