JP6077336B2 - 殺菌洗浄用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤を含有する殺菌洗浄用組成物に関するものであり、特に4級アンモニウム塩型殺菌剤のヒドロキシアパタイトへの吸着を防止するようにした殺菌洗浄用組成物に関するものである。
ヒドロキシアパタイトは、高い吸着能力を有することから、カラム吸着剤等に広く用いられている。ヒドロキシアパタイトは、人間の骨や歯の主要構成物質であり、生体内に埋入された場合に生体との親和性が良く、自然骨との化学結合性も良好であるので、人工骨、人工歯若しくは骨充填材等の生体補填材料の素材として用いられている。
上記ヒドロキシアパタイトは、研磨剤やスクラブ剤として、歯磨剤、洗口剤(口腔用組成物)の他、皮膚洗浄剤(例えば、ハンドソープ、洗顔フォーム、ボデイソープ、固形石鹸)等にも配合されている。本発明では、歯磨剤、洗口剤、皮膚洗浄剤を含めて「殺菌洗浄用組成物」と呼んでいる。
ヒドロキシアパタイトに関する技術として、例えば特許文献1には、歯磨剤に配合されるヒドロキシアパタイトの性状として、X線回折におけるd=2.814での半価幅値が0.5以下且つ比表面積が50m2以下が有効であることが提案されている。
一方、塩化セチルピリジニウムに代表される4級アンモニウム塩型殺菌剤を、歯磨剤に配合することが知られている。例えば塩化セチルピリジニウムは、口腔内細菌に対する殺菌効果があるだけでなく、口腔粘膜や歯牙表面に吸着して、口腔内細菌の吸着を阻害することによって、歯垢形成を抑制し、う蝕予防効果、歯周病の症状改善や予防効果が得られることが期待できる。
こうした殺菌剤を配合した技術として、例えば特許文献2には、液体歯磨き等の口腔内組成物に、口腔内細菌の成長抑制成分として塩化セチルピリジニウムに代表される4級アンモニウム塩型殺菌剤を使用することが示されている。また、特許文献3には、カチオン性殺菌剤(上記4級アンモニウム塩型殺菌剤)の殺菌効果を損なうことがない歯磨組成物として、研磨剤として炭酸カルシウムやリン酸カルシウムを配合したものが示されている。更に、塩化セチルピリジニウムは、歯磨剤や口腔用組成物に限らず、化粧料(特に皮膚洗浄剤)や外用剤等においても配合されたものが知られている(例えば、特許文献4)。
しかしながら、ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤を併用した場合には、ヒドロキシアパタイトが有する高い吸着能力によって、4級アンモニウム塩型殺菌剤が吸着されてしまい、4級アンモニウム塩型殺菌剤を配合することによる効果(即ち、殺菌効果)が損なわれてしまう場合がある。
こうした不都合を回避するために、ヒドロキシアパタイトを焼成して高結晶性にすれば、比表面積が低下することから、吸着能力を小さくできることが予想される。しかしながら、高結晶性のヒドロキシアパタイトは、硬くなってしまい、例えば歯磨剤に配合した場合には、研磨性が必要以上に増大してしまい、適正な研磨力が発揮できないという問題がある。こうした観点から、口腔用組成物で用いるヒドロキシアパタイトとして、Ca/P(モル比)が1.4〜1.8の低結晶性ヒドロキシアパタイトも提案されている(例えば、特許文献5)。しかしながら、非結質や低結晶性のヒドロキシアパタイトでは、吸着能力が却って高くなりすぎ、このようなヒドロキシアパタイトを配合すれば、殺菌剤を配合したことによる効果が有効に発揮できないことがある。
ところで、歯磨剤や洗口剤には、歯茎の引き締め効果、歯槽膿漏や歯肉炎の予防効果を目的として、塩化ナトリウムを配合することも知られている(例えば、特許文献6)。
特開平9−20508号公報 特開平8−268850号公報 特開2012−56868号公報 特開2012−144480号公報 特開2001−122748号公報 特開2000−119149号公報
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、歯磨剤、洗口剤、皮膚洗浄剤等で4級アンモニウム塩型殺菌剤を含有する場合に、4級アンモニウム塩型殺菌剤のヒドロキシアパタイトへの吸着を防止して、殺菌剤を配合することによる効果を有効に発揮できるようにした殺菌洗浄用組成物を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の殺菌洗浄用組成物は、ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有し、更に塩化ナトリウムをヒドロキシアパタイト100質量部に対して、0.5質量部以上含有することを特徴とする。
本発明で用いる4級アンモニウム塩型殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンゼニウム、塩化デカニウム等、様々なものが挙げられるが、このうち塩化セチルピリジニウムが最も好ましい。
本発明で用いるヒドロキシアパタイトとしては、水酸化カルシウムとリン酸とを70〜100℃の水中で反応させることで生成されたものが好ましい。またこのヒドロキシアパタイトは、前記水酸化カルシウムとリン酸の反応時のモル比(Ca/P)が、1.4〜1.8であることが好ましい。更に、ヒドロキシアパタイトは、X線結晶回折におけるd=2.814での半価幅値が0.30〜0.50であることが好ましい。尚、上記で生成されたヒドロキシアパタイトのモル比(Ca/P)は、反応時のときとほぼ同じとなる。
本発明の殺菌洗浄用組成物において、ヒドロキシアパタイトや4級アンモニウム塩型殺菌剤の好ましい含有量は、その用途によって異なるものとなる。例えば、歯磨剤に適用する場合には、0.1〜30質量%のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有することが好ましい。また洗口剤に適用する場合には、0.01〜30質量%のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有することが好ましい。更に、皮膚洗浄剤に適用する場合には、0.01〜30質量%のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有することが好ましい。
本発明では、ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有する殺菌洗浄用組成物において、更に塩化ナトリウムをヒドロキシアパタイト100質量部に対して、0.5質量部以上含有するようにしたので、4級アンモニウム塩型殺菌剤のヒドロキシアパタイトへの吸着を防止して、殺菌剤を配合することによる効果を有効に発揮できる殺菌洗浄用組成物が実現できる。
本発明者らは、前記課題を解決するために様々な角度から検討した。その結果、ヒドロキシアパタイトの量に対して適切な量で塩化ナトリウムを配合してやれば、4級アンモニウム塩型殺菌剤のヒドロキシアパタイトへの吸着が有効に防止できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の殺菌洗浄用組成物においては、ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有する組成物に対し、更に塩化ナトリウムを所定量含有することを特徴とする。塩化ナトリウムと4級アンモニウム塩型殺菌剤を併用することによって、4級アンモニウム塩型殺菌剤がヒドロキシアパタイトに吸着することが防止できる理由については、おそらく塩化ナトリウムが4級アンモニウム塩型殺菌剤とイオンの相互作用することにより、4級アンモニウム塩型殺菌剤がヒドロキシアパタイトへ吸着することが阻害されることによるものと考えることができる。
本発明の殺菌洗浄用組成物による効果を有効に発揮させるためには、塩化ナトリウムをヒドロキシアパタイト100質量部に対して、0.5質量部以上含有することが必要となる。塩化ナトリウムの含有量が、ヒドロキシアパタイト100質量部に対して、0.5質量部よりも少なくなると、ヒドロキシアパタイトによる4級アンモニウム塩型殺菌剤への吸着作用が依然として強く残り、4級アンモニウム塩型殺菌剤の吸着抑制効果が発揮できないことになる。塩化ナトリウムの好ましい含有量は、ヒドロキシアパタイト100質量部に対して1質量部以上(より好ましくは2質量部以上)である。尚、塩化ナトリウムの含有量の上限については、殺菌洗浄用組成物の用途によって異なり、特に限定されないが、概ね20質量部以下(好ましくは10質量部以下)である。
本発明で用いる4級アンモニウム塩型殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンゼニウム、塩化デカニウム等、様々なものが挙げられるが、このうち塩化セチルピリジニウムが最も好ましい。
本発明で用いるヒドロキシアパタイトとしては、生成方法によってもその物性が異なったものとなるが、水酸化カルシウムとリン酸とを70〜100℃の水中で反応させることで生成されたものが好ましい。またこのヒドロキシアパタイトは、前記水酸化カルシウムとリン酸の反応時のモル比(Ca/P)が、1.4〜1.8であることが好ましい(より好ましくは1.5〜1.7)。このような条件で生成されたヒドロキシアパタイトは、適度に低結晶性のものとなり、高結晶性にしたときの不都合(特に歯磨剤に使用した場合)が回避できることになる。但し、低結晶性が進み過ぎたものでは、吸着能力が却って高すぎることになるので、ある程度結晶性があるものが好ましい。こうした観点からして、ヒドロキシアパタイトの結晶性を示す指標として、X線結晶回折におけるd=2.814での半価幅値が0.30〜0.50であることが好ましい(より好ましくは0.33以上、0.45以下)。
本発明の殺菌洗浄用組成物において、ヒドロキシアパタイトや4級アンモニウム塩型殺菌剤の好ましい含有量は、その用途によって異なるものとなる。例えば、歯磨剤に適用する場合には、0.1〜30質量%(より好ましくは1〜25質量%、更に好ましくは5〜20質量%)のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%(より好ましくは0.005〜5質量%、更に好ましくは0.01〜1質量%)の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有することが好ましい。また洗口剤に適用する場合には、0.01〜30質量%(より好ましくは0.05〜20質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%)のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%(より好ましくは0.005〜5質量%、更に好ましくは0.01〜1質量%)の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有することが好ましい。更に、皮膚洗浄剤に適用する場合には、0.01〜30質量%(より好ましくは0.1〜25質量%、更に好ましくは1〜20質量%)のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%(より好ましくは0.005〜5質量%、更に好ましくは0.01〜1質量%)の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有することが好ましい。
本発明の殺菌洗浄用組成物は、ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤を含有し、これに塩化ナトリウムを所定量含有させたものであるが、これらの成分以外にも殺菌洗浄用組成物に通常添加される成分(添加剤)を含有することができる。こうした添加剤としては、夫々の用途によって若干異なるが、例えば歯磨剤に配合する成分としては、粘度調整剤、香味剤、甘味料、湿潤剤、防腐剤、着色剤、pH調整剤、各種薬効成分等を挙げることができる。
上記粘度調製剤としては、例えばアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウムおよびメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して配合することができる。
香味剤としては、カルボン酸、アネトール、オイゲノール、サルチル酸メチル、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネール、α−テルピネオール、メチルアセタート、シトロネニルアセタート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、d−カンフル、d−ボルネオール、ウイキョウ油、ケイヒ油、シンナムアルデヒド、ハッカ油、バニリン等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して配合することができる。
上記甘味料としては、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデヒド等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して配合することができる。
上記湿潤剤としては、ソルビット、グリセリン、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット、ポリオキシエチレングリコール等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して配合することができる。
防腐剤としては、メチルバラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を配合することができる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等鉱物系色素、酸化チタン等を配合することができる。
pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や、水酸化ナトリウム等を配合しても良い。これらは単独または2種以上組み合わせて配合することができる。
各種薬効成分としては、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、エピジヒドロコレステリン、α−ビサボロール、グリチルリチン酸およびその塩類等の抗炎症剤;ヒノキチオール等のフェノール性化合物;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤;α−トコフェロール、酢酸α−トコフェロール(d1体、d体)およびその塩;銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物;塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の塩類;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、塩化リゾチーム等の酵素;トウキ、オクバク、チョウジ、オウゴン、ベニバナ等の抽出物;乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸およびその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、ジヒドロコレステロール、クエン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明の殺菌洗浄用組成物は、歯磨剤に限らず、洗口剤(口腔用組成物)や皮膚洗浄剤(例えば、ハンドソープ、洗顔フォーム、ボデイソープ、固形石鹸)にも適用できるものであり、夫々の用途に応じて、任意成分が選ばれて配合されることになる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の殺菌洗浄用組成物で用いるヒドロキシアパタイトとして、下記の製造方法によって各種のヒドロキシアパタイトを調製した(HAP−A〜HAP〜D)。
[各種ヒドロキシアパタイトの製法]
(1)HAP−A
40℃に加温しておいた5%水酸化カルシウムの懸濁液1リットル(1L)に対して、75%リン酸を、Ca/Pモル比1.67になるように500rpmで撹拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間で90℃まで加温し、その温度で2時間保持した後濾過し、150℃にて乾燥してヒドロキシアパタイトを得た(このヒドロキシアパタイトを「HAP−A」と表示する)。得られたヒドロキシアパタイトをX線回折装置にて分析したところ、d=2.814での半価幅値は0.33であった。
(2)HAP−B
40℃に加温しておいた5%水酸化カルシウムの懸濁液1リットル(1L)に対して、75%リン酸を、Ca/Pモル比1.67になるように500rpmで撹拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間で90℃まで加温し、その温度で2時間保持した後濾過し、スプレードライヤーにて入口温度140℃、出口温度90℃にて乾燥してヒドロキシアパタイトを得た(このヒドロキシアパタイトを「HAP−B」と表示する)。得られたヒドロキシアパタイトをX線回折装置にて分析したところ、d=2.814での半価幅値は0.34であった。
(3)HAP−C
25℃に加温しておいた5%水酸化カルシウムの懸濁液1リットル(1L)に対して、75%リン酸を、Ca/Pモル比1.67になるように500rpmで撹拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間で40℃まで加温し、その温度で2時間保持した後濾過し、150℃にて乾燥してヒドロキシアパタイトを得た(このヒドロキシアパタイトを「HAP−C」と表示する)。得られたヒドロキシアパタイトをX線回折装置にて分析したところ、d=2.814での半価幅値は0.56であった。
(4)HAP−D
上記で得られたHAP−Cを室温から6時間で1200℃まで昇温し、24時間保持して、焼成ヒドロキシアパタイトを得た(このヒドロキシアパタイトを「HAP−D」と表示する)。得られたヒドロキシアパタイトをX線回折装置にて分析したところ、d=2.814での半価幅値は0.16であった。
尚、上記でX線回折したときの装置条件は、下記の通りである。
(装置条件)
X線回折装置:「Multiflex」(商品名:理学電気株式会社製)
ターゲット :Cu
管電圧:40kV(管電流:20mA)
走査範囲:3〜60°
スキャンスピード:2°/分(スキャンステップ:0.02°)
(実施例1)
上記で得られた各種ヒドロキシアパタイト(HAP−A〜HAP−D)と、塩化ナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムを下記表1〜5に示す割合で配合し、全量を100mLとした。調製した各溶液を30℃で6時間静置した。静置した後の上澄みを5mL採り、乾燥させ、水分を除去した。得られた固形物にエタノールを加え、全量を50mLとした。この液を孔径0.45μmのメンブランフィルターを用いて濾過し、試料溶液とした。高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製)を用いて、試料溶液中の塩化セチルピリジニウム含有量を測定し、下記の式にてヒドロキシアパタイトへの塩化セチルピリジニウム吸着率を算出した。尚、分析で用いた高速液体クロマトグラフィーの仕様を下記表6に示す。その結果を、各成分の配合量と共に下記表1〜5に示す(実験No.1〜36)。
塩化セチルピリジニウムの吸着率(質量%)=100×(塩化セチルピリジニウムの配合量−試料溶液中の塩化セチルピリジニウム含有量)/塩化セチルピリジニウムの配合量
Figure 0006077336
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この結果から明らかなように、ヒドロキシアパタイト100質量部に対して塩化ナトリウムを0.5質量部含有させることによって(実験No.28〜30)、塩化セチルピリジニウムの吸着が抑制されることが認められる。こうした効果は、塩化ナトリウムの含有量を増加させるにつれて増大することが分かる(実験No.1〜24、31〜36)。これに対し、塩化ナトリウムを含有させていないもの(実験No.25〜27)では、塩化セチルピリジニウムの吸着が抑制されていないことが分かる。
(実施例2)
本発明の殺菌洗浄用組成物を歯磨剤に適用したときの配合例を、下記表7〜10に示す(歯磨剤の実施例1〜4)。
Figure 0006077336
Figure 0006077336
Figure 0006077336
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(実施例3)
本発明の殺菌洗浄用組成物を洗口剤に適用したときの配合例を、下記表11、12に示す(洗口剤の実施例1、2)。
Figure 0006077336
Figure 0006077336
(実施例4)
本発明の殺菌洗浄用組成物を皮膚洗浄剤に適用したときの配合例を、下記表13、14に示す(皮膚洗浄剤の実施例1、2)。
Figure 0006077336
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Claims (7)

  1. ヒドロキシアパタイトと4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有し、
    更に塩化ナトリウムをヒドロキシアパタイト100質量部に対して、0.5質量部以上含有すると共に、前記ヒドロキシアパタイトは、X線結晶回折におけるd=2.814での半価幅値が0.30〜0.50であることを特徴とする殺菌洗浄用組成物。
  2. 前記4級アンモニウム塩型殺菌剤が塩化セチルピリジニウムである請求項1に記載の殺菌洗浄用組成物。
  3. 0.1〜30質量%のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有する歯磨剤である請求項1または2に記載の殺菌洗浄用組成物。
  4. 0.01〜30質量%のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有する洗口剤である請求項1または2に記載の殺菌洗浄用組成物。
  5. 0.01〜30質量%のヒドロキシアパタイトと、0.001〜10質量%の4級アンモニウム塩型殺菌剤とを含有する皮膚洗浄剤である請求項1または2に記載の殺菌洗浄用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の殺菌洗浄用組成物を製造する方法であって、
    前記ヒドロキシアパタイトは、水酸化カルシウムとリン酸とを70〜100℃の水中で反応させることで生成されたものであることを特徴とする殺菌洗浄用組成物の製造方法
  7. 前記水酸化カルシウムとリン酸のモル比(Ca/P)が、1.4〜1.8である請求項に記載の殺菌洗浄用組成物の製造方法
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