JP2019206486A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】再石灰化を十分に促進することが可能なフッ素の取り込みに優れた口腔用組成物を提供すること。【解決手段】 本発明の口腔用組成物は、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、フッ化物イオン供給化合物と、タンパク質と、を含むことを特徴とする。前記タンパク質は、等電点が7以下のものであることが好ましい。また、前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、口腔用組成物中のフッ素イオンの濃度をB[質量%]としたとき、0.02≦A/B≦250の関係を満足することが好ましい。また、前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物に関するものである。
従来から、フッ化物イオンとカルシウムイオンとを口腔内に供給することで、口腔内での再石灰化を促して、齲蝕を予防できることが知られている。
しかしながら、歯磨剤などの口腔用組成物中にフッ化物イオンとカルシウムイオンとが共存すると、口腔用組成物中においてそれらが反応してしまい、口腔用組成物中のフッ化物イオンおよびカルシウムイオンが減少する問題があった。その結果、口腔内において十分に再石灰化を促進することが困難であった。
そこで、口腔用組成物内で上記イオン同士の反応が生じないように、水溶性のカルシウム含有物質であるリン酸化オリゴ糖カルシウムとフッ化物とを併用する試みが行われている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の口腔用組成物では、十分に再石灰化を促進することができず、また、フッ素濃度が500ppm以上になると再石灰化の効果が著しく低下してしまうという問題があった。
また、タンパク質とフッ素とを併用することで、歯のエナメル質などからリン酸カルシウムの結晶が溶出する現象、いわゆる脱灰を抑制する試みが行われている(例えば、特許文献2参照)が、その効果は十分なものではなかった。
特開2002−325557号公報 特開平6−9354号公報
本発明の目的は、再石灰化を十分に促進することが可能なフッ素の取り込みに優れた口腔用組成物を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) リン酸化オリゴ糖カルシウムと、
フッ化物イオン供給化合物と、
タンパク質と、を含むことを特徴とする口腔用組成物。
(2) 前記タンパク質は、等電点が7以下のものである上記(1)に記載の口腔用組成物。
(3) 前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、口腔用組成物中のフッ素イオンの濃度をB[質量%]としたとき、0.02≦A/B≦250の関係を満足する上記(1)または(2)に記載の口腔用組成物。
(4) 前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、前記タンパク質の配合量をCとしたとき、0.1≦A/C≦500の関係を満足する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の口腔用組成物。
(5) 前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量は、0.01質量%以上10質量%以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の口腔用組成物。
(6) フッ素イオンを、0.01質量%以上1質量%以下含む上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の口腔用組成物。
(7) 前記フッ化物イオン供給化合物は、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびフッ化第1スズからなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の口腔用組成物。
(8) 前記タンパク質の配合量は、0.001質量%以上5質量%以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の口腔用組成物。
(9) 前記タンパク質は、カゼイン、加水分解コラーゲン、サクシニルアテロコラーゲンおよびホエイからなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明によれば、再石灰化を十分に促進することが可能なフッ素の取り込みに優れた口腔用組成物を提供することができる。
以下、本発明の口腔用組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の口腔用組成物は、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、フッ化物イオン供給化合物と、タンパク質と、を含む点に特徴を有している。
このような特徴を有する当該口腔用組成物を口腔内で使用することにより、口腔内におけるフッ素の取り込みを促進することができる。その結果、再石灰化ならびに齲蝕を十分に予防することができる。
なお、本明細書中における口腔用組成物は、練歯磨剤、粉歯磨剤、液状歯磨剤、液体歯磨剤などの歯磨剤類、トローチ剤、錠剤、クリーム剤、軟膏剤、貼付剤、洗口剤、及びチューインガム等を含むものである。
(リン酸化オリゴ糖カルシウム)
本発明の口腔用組成物は、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含んでいる。
リン酸化オリゴ糖カルシウムは、水溶性のカルシウム含有物質である。
本発明の口腔用組成物中におけるリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量(配合量)は、0.01質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であるのがより好ましく、0.2質量%以上2質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、フッ素の取り込みをより効果的に促進することができる。
(フッ化物イオン供給化合物)
本発明の口腔用組成物は、フッ化物イオン供給化合物を含んでいる。
本発明で用いることができるフッ化物イオン供給化合物としては、例えば、モノフルオロホスフェイト、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、フッ化物イオン供給化合物として、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびフッ化第1スズからなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましく、フッ化ナトリウムを用いるのがより好ましい。これにより、口腔用組成物の製剤化をより容易に行うことができる。また、上述したリン酸化オリゴ糖カルシウムと、後述するするタンパク質との併用によるフッ素の取り込みをより顕著なものとすることができる。
本発明において、フッ化物イオン供給化合物は、口腔用組成物中のフッ素イオン濃度が0.01質量%以上1質量%以下となるように含有するのが好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下となるように含有するのがより好ましい。これにより、より効率よくフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
上述したリン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、口腔用組成物中のフッ素イオン濃度をB[質量%]としたとき、0.02≦A/B≦250の関係を満足するのが好ましく、0.2≦A/B≦100の関係を満足するのがより好ましく、0.4≦A/B≦20の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、より効率よく、かつ、より効果的にフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
(タンパク質)
本発明の口腔用組成物は、タンパク質を含んでいる。
本発明の口腔用組成物に用いられるタンパク質としては、例えば、カゼイン、加水分解カゼイン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、サクシニルアテロコラーゲン、シルク、加水分解シルク、ラクトフェリン、ホエイ、リゾチーム、アルブミン、ゼラチン、加水分解ゼラチン、エラスチン、加水分解エラスチン、加水分解卵殻膜等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明で用いるタンパク質としては、等電点が7以下のものを用いるのが好ましく、等電点が3以上5以下であるのがより好ましい。これにより、フッ素の取り込みの促進をより顕著なものとすることができる。
上述した中でも、タンパク質として、カゼイン、加水分解コラーゲン、サクシニルアテロコラーゲンおよびホエイからなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これにより、フッ素の取り込みの促進をより顕著なものとすることができる。
口腔用組成物中におけるタンパク質の含有量(配合量)は、0.001質量%以上5質量%以下であるのが好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であるのがより好ましい。これにより、より効率よくフッ素の取り込みを促進することができる。
リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、タンパク質の配合量をCとしたとき、0.1≦A/C≦500の関係を満足するのがより好ましい。これにより、より効率よく、かつ、より効果的にフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
また、タンパク質としてカゼインを用いた場合、リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、カゼインの配合量をC1としたとき、0.1≦A/C1≦500の関係を満足するのが好ましく、0.1≦A/C1≦50の関係を満足するのがより好ましく、4≦A/C1≦20の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、より効率よく、かつ、より効果的にフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
また、タンパク質として加水分解コラーゲンを用いた場合、前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、加水分解コラーゲンの配合量をC2としたとき、0.2≦A/C2≦100の関係を満足するのが好ましく、0.2≦A/C2≦20の関係を満足するのがより好ましい。これにより、より効率よく、かつ、より効果的にフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
また、タンパク質としてサクシニルアテロコラーゲンを用いた場合、前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、サクシニルアテロコラーゲンの配合量をC3としたとき、10≦A/C3≦500の関係を満足するのが好ましく、20≦A/C3≦200の関係を満足するのがより好ましい。これにより、より効率よく、かつ、より効果的にフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
また、タンパク質としてホエイを用いた場合、前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、ホエイの配合量をC4としたとき、0.2≦A/C4≦100の関係を満足するのが好ましく、0.2≦A/C4≦20の関係を満足するのがより好ましい。これにより、より効率よく、かつ、より効果的にフッ素の取り込みの促進を図ることができる。
なお、本発明の口腔用組成物には、その剤型等に応じて、種々の成分を配合してもよい。例えば、本発明の口腔用組成物を練歯磨剤に適用した場合、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、発泡剤、甘味剤、防腐剤、香料成分、薬用成分等を配合することができる。
(研磨剤)
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、火成性シリカ、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ゼオライト、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸カルシウム無水和物等の歯磨用リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
研磨剤の配合量は、特に限定されないが、3〜60質量%が好ましく、10〜45質量%であるのがより好ましい。
(湿潤剤)
湿潤剤としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、マルチトール、還元水あめ、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、フルクトース、イノシトール、ペンタエリスリトール、マルトトリオース、澱粉分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等の多価アルコール等が挙げられ、これらの内、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
湿潤剤の配合量は、特に限定されないが、1〜60質量%が好ましく、5〜50質量%であるのがより好ましい。
(粘結剤)
粘結剤としては、カラギーナン(ι、λ、κ)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルシウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩及びその誘導体、キサンタンガム、グァーガム、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
粘結剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.5〜3.0質量%であるのがより好ましい。
(発泡剤)
発泡剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルグルタメート等のN−アシルアミノ酸塩、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
発泡剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜10.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%であるのがより好ましい。
(甘味剤)
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、トレハロース、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
甘味剤の配合量は、特に限定されないが、0.005〜5.0質量%が好ましく、0.01〜3.0質量%であるのがより好ましい。
(防腐剤)
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
防腐剤の配合量は、その種類等によって異なるが、0.005〜5.0質量%であるのが好ましく、0.01〜3.0質量%であるのがより好ましい。
(香料成分)
本発明の口腔用組成物は、香料成分を含んでいてもよい。
香料成分としては、l−メントール、アネトール、メントン、シネオール、リモネン、カルボン、メチルサリシレート、エチルブチレート、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、トランス−2−ヘキセナール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。これらの成分は単品で配合してもよいが、これらを含有する精油等を配合してもよい。また、上記香料成分に加え、脂肪族アルコールやそのエステル、テルペン系炭化水素、フェノールエーテル、アルデヒド、ケトン、ラクトン等の香料成分、精油を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
(薬用成分)
薬用成分としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼオライト、ヒノキチオール、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ビサボロール、アスコルビン酸および/またはその誘導体、酢酸トコフェロール、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、乳酸アルミニウム、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、銅クロロフィリン塩、グァイアズレンスルホン酸塩、デキストラナーゼ、塩酸ピリドキシン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を配合することができる。
(その他の成分)
また、上述した成分の他にも、例えば、青色1号等の色素、酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、エデト酸塩等のキレート剤、チャエキス、チャ乾留液等の矯味剤等を含んでいてもよい。
なお、上記成分を組み合わせた本発明の口腔用組成物は、常法に準じて製造できるものである。
また、得られた練歯磨剤等の組成物は、アルミニウムチューブ、ラミネートチューブ、ガラス蒸着チューブ、プラスチックチューブ、プラスチックボトル、エアゾール容器等に充填して使用することができる。
以上、本発明の口腔用組成物について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の口腔用組成物には、前述した成分の他に、任意の機能を有する成分を配合することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1〜26、比較例1)
リン酸化オリゴ糖カルシウム、フッ化ナトリウムおよびタンパク質が、表1〜4に示す濃度となるように水溶液を調製し、試料用口腔用組成物を製造した。なお、フッ化ナトリウムについては、フッ素イオン濃度が表1〜4に示す値となるように添加量を調製した。
(比較例2、3)
表5に示すカルシウム供給化合物(炭酸カルシウムおよび塩化カルシウム)と、フッ化ナトリウムおよびタンパク質が、表5に示す濃度となるように水溶液を調製し、試料用口腔用組成物を製造した。なお、フッ化ナトリウムについては、フッ素イオン濃度が表5に示す値となるように添加量を調製した。
各実施例および各比較例の配合成分、配合量等を表1〜5に示す。
なお、カゼインとして、等電点4.6のものを用いた。また、加水分解コラーゲンとしては、等電点7以下のものを用いた。また、サクシニルアテロコラーゲンとしては、等電点4.5のものを用いた。また、ホエイとしては、等電点4.5〜5.3のものを用いた。
Figure 2019206486
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<評価>
(評価方法)
容器にアパタイトビーズを入れ、アパタイトビーズの重量の10倍量の各実施例の試料用口腔用組成物を添加し、5分間浸漬した。
次に、試料用口腔用組成物を除去した後、アパタイトビーズを精製水で洗浄した。
次に、アパタイトビーズの重量の5倍量の0.5M過塩素酸を添加し、10秒間浸漬した。その後、0.5M過塩素酸の添加量の4倍量の0.5Mクエン酸ナトリウムを添加して反応を停止させた。
その後、容器中の液体中に含まれるフッ素濃度をフッ素イオン電極(ORION製)で測定した。
また、各実施例および各比較例の試料用口腔用組成物からタンパク質を抜いた比較用口腔用組成物を調製し、それらのフッ素濃度も、上記と同様にして測定した。
各比較用口腔用組成物におけるフッ素取り込み量を100としたときの、各実施例の口腔用組成物におけるフッ素取り込み量:Xを算出し、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
A :Xが140以上である。
B :Xが110以上140未満である。
C :Xが105以上110未満である。
D :Xが102以上105未満である。
E :Xが102よりも小さい。
これらの結果を表1〜5に合わせて示した。
表1〜5からも解るように、本発明の口腔用組成物では、フッ素取り込み量が著しく高くなっている。これに対して比較例では、十分な結果が得られなかった。
なお、各実施例の口腔用組成物中のフッ化ナトリウムを、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第1スズに変更した口腔用組成物を調製し、上記と同様の試験を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。

Claims (9)

  1. リン酸化オリゴ糖カルシウムと、
    フッ化物イオン供給化合物と、
    タンパク質と、を含むことを特徴とする口腔用組成物。
  2. 前記タンパク質は、等電点が7以下のものである請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、口腔用組成物中のフッ素イオンの濃度をB[質量%]としたとき、0.02≦A/B≦250の関係を満足する請求項1または2に記載の口腔用組成物。
  4. 前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量をA[質量%]、前記タンパク質の配合量をCとしたとき、0.1≦A/C≦500の関係を満足する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  5. 前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの配合量は、0.01質量%以上10質量%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  6. フッ素イオンを、0.01質量%以上1質量%以下含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  7. 前記フッ化物イオン供給化合物は、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびフッ化第1スズからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  8. 前記タンパク質の配合量は、0.001質量%以上5質量%以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  9. 前記タンパク質は、カゼイン、加水分解コラーゲン、サクシニルアテロコラーゲンおよびホエイからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の口腔用組成物。

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