JP5397204B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、再石灰化促進効果に優れ、かつ使用感や経時保存安定性が良好な、モノフルオロリン酸塩を含有する口腔用組成物に関する。
歯のエナメル質はハイドロキシアパタイトを主成分とし、口腔中においては通常、リン酸イオンやカルシウムイオンの溶出(脱灰)と、リン酸カルシウムやハイドロキシアパタイトへの結晶化(再石灰化)とが平衡状態にある。
フッ化物イオンは、酸性環境下での脱灰を抑制し、中性環境ではカルシウムイオンとリン酸イオンの結晶化、即ち、再石灰化を促進することから、う蝕予防に有効である。
う蝕を予防するために、従来からフッ素が広く口腔用製剤に利用され、大きな実績を残している。
フッ素製剤の有効性の向上に関する公知技術は、例えばフッ化ナトリウムと水溶性カルシウム塩と糖誘導体とからなり、コロイド性フッ化物を形成し、フッ素の滞留性を向上させた技術(特許文献1)、(A)界面活性剤、研磨剤、粘結剤及び低級アルコールから選ばれる口腔用成分と、(a)フッ化ナトリウムと(b)水溶性カルシウム塩と(c)単糖、オリゴ糖、多価アルコール、アスコルビン酸誘導体といったコロイド化促進物質とにより生成したフッ化物コロイド(B)と、(C)リン酸化合物を含有する口腔用組成物が提案されている(特許文献2)。しかし、これら技術は、フッ化物コロイドの口腔内滞留性に課題があり、歯垢中のpHが低下しないとフッ素が遊離しないという課題があった。
更に、フッ化物と酒石酸と水溶性カルシウム塩とからなり、カルシウム供給を向上させる技術が特許文献3に提案されているが、この技術は、pHが7.5〜8.5であり、口腔用組成物に使用するエステル系香料の安定性が悪いという課題があった。
特許文献4,5には、(A)糖アルコール、特にキシリトール、(B)カルシウムイオン供給化合物、(C)フッ化物イオン供給化合物の3成分を含有し、フッ化カルシウムの沈殿形成を抑制し、再石灰化を促進する技術が提案されているが、これら技術はフッ化カルシウムの沈殿形成抑制作用が未だ十分ではなく、その再石灰化作用が十分に発揮されなかった。
水溶性カルシウム塩とカルシウム以外の2価金属塩と水溶性リン酸塩とフッ化物との混合水溶液(pH4.5〜7.0)が、再石灰化のための一液型、二剤型の水系製品として有効であることが特許文献6に提案されている。しかし、この製品は、有効性はあるものの、カルシウム以外の2価金属塩、水溶性リン酸塩を配合することから口腔用組成物の使用感が悪くなるという問題があった。
特許文献7には、カルシウムイオン供給化合物とモノフルオロリン酸イオン供給化合物と乳酸、リンゴ酸、酒石酸から選ばれる酸とを配合しpHが4〜6.2であることで、モノフルオロリン酸イオンとカルシウムイオン残留率が高く保存安定性の良い口腔用組成物が提案されている。特許文献8には、カルシウムイオン供給化合物を含有する第1組成物とフッ素イオン供給化合物を含有する第2組成物とからなる多組成物系が提案され、リンゴ酸イオン供給化合物、モノフルオロリン酸イオン供給化合物と組み合わせることで、フッ化カルシウムが効率的に歯に吸着する口腔用組成物が提案されている。しかし、これらの技術は再石灰化作用が十分ではない。
特許文献1〜8の技術はいずれも、再石灰化促進作用が十分ではなかったり、口腔用組成物の使用感などに問題があった。
特開平03−72415号公報 特開平06−298631号公報 特公平08−32619号公報 特開平11−49653号公報 特開平11−106322号公報 特表平10−511104号公報 特開2005−206592号公報 特開2006−69990号公報
以上の公知文献にも見られるように、う蝕予防にはフッ化物が重要であるが、エナメル質の大部分がハイドロキシアパタイトで構成されていること、再石灰化を促進する観点から、カルシウムイオンやリン酸イオンの供給も重要であり、更に、使用者にとって快適な使用感を兼ね備えることも重要であるが、従来技術ではこれらを全て満たすことは困難であった。
従って、優れた再石灰化効果を有すると共に、カルシウムイオン及びモノフルオロリン酸イオンの経時保存安定性にも優れ、使用感が良好な口腔用組成物を得ることができる新たな技術の開発が強く望まれている。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、優れた再石灰化促進効果とカルシウムイオン及びモノフルオロリン酸イオンの経時保存安定性に優れ、かつ使用感も良好な口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)モノフルオロリン酸塩と(B)グリセロリン酸カルシウムと(C)特定のポリマーとを併用することで、優れた再石灰化促進効果とカルシウムイオン及びモノフルオロリン酸イオンの優れた経時保存安定性とを兼ね備え、歯牙の再石灰化を満足に促進できて、う蝕を効果的に低減又は予防でき、しかも使用感も良好となることを知見し、本発明をなすに至った。
モノフルオロリン酸イオン供給化合物とカルシウムイオン供給化合物と特定の有機酸との併用により、カルシウムイオンの安定供給や、フッ化カルシウムの歯への吸着が向上することは特許文献7,8に記載されている。また、グリセロリン酸カルシウムは、歯垢中のフォスファターゼ酵素により分解され、歯垢中のカルシウム及びリン酸濃度を高めて再石灰化を促進させ、また、歯垢のpHの著しい低下を阻止し、ストレプトコッカス・ミュータンスの代謝を妨害すると考えられていることが特許文献6に記載されている。しかし、これらに記載された技術から、本発明にかかわる(A)〜(C)成分を適切に併用することによる技術的思想及び作用効果は予測できない。
これらに対して、本発明では、(A)モノフルオロリン酸塩に(B)グリセロリン酸カルシウムと、(C)ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドの共重合体から選ばれる1種以上のポリマー、特に塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体,アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体から選ばれるポリマーとを特定の配合量で併用することによって、これら成分が相乗的に作用し、歯牙のエナメル質においてカルシウムイオンとリン酸イオンの結晶化、即ち、再石灰化作用が高まる上、カルシウムイオン及びモノフルオロリン酸イオンの経時保存安定性が向上し、40℃で1ヶ月保存した後も70%以上が残存し、経時でカルシウムイオンやモノフルオロリン酸イオンをエナメル質に満足に供給でき、優れた再石灰化促進効果を発揮させることができ、しかも、使用時に渋味、苦味、刺激味、後味の悪さ、更にはベタツキ感がほとんどない良好な使用感も兼ね備える。このような本発明の作用効果は、上記特定成分を組み合わせて配合することによって達成できるもので、いずれかの成分を欠いても、また、(C)成分のポリマーの代わりにセルロース系高分子物質を用いても、(B)成分のグリセロリン酸カルシウムの代わりに他の水溶性のカルシウムイオン供給物質、例えば乳酸カルシウム等を用いても、あるいはリンゴ酸等の有機酸を配合してもなし得るものでもないことは、後述の実施例の結果からも明確である。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
請求項1:
(A)モノフルオロリン酸塩 0.1〜2.0質量%、
(B)グリセロリン酸カルシウム 0.1〜2.0質量%、
(C)ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体から選ばれる1種以上のポリマー
0.1〜1.0質量%
を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
請求項2:
(C)成分のポリマーが、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体,塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合体から選ばれるものである請求項1記載の口腔用組成物。
請求項3:
液体製剤として調製される請求項1又は2記載の口腔用組成物。
本発明の口腔用組成物は、歯牙のエナメル質の再石灰化促進効果に優れ、かつモノフルオロリン酸イオン及びカルシウムイオンが経時で安定に保存され、かつ使用感が良好で、ベタツキ感もなく、う蝕を抑制及び予防するための製剤として有効である。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の口腔用組成物は、(A)モノフルオロリン酸塩と、(B)グリセロリン酸カルシウムと、(C)特定のポリマーとを含有する。
(A)モノフルオロリン酸塩としては、モノフルオロリン酸イオンを供給できればよく、モノフルオロリン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の水溶性のモノフルオロリン酸塩が例示される。具体的にはモノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム等が挙げられ、特にモノフルオロリン酸ナトリウムが好適である。
モノフルオロリン酸塩は市販のものを使用でき、モノフルオロリン酸ナトリウムとしては、例えばAlbright & Wilson UK Limited社製の市販品(商品名 Sodium Monofluorophosphate)等が挙げられる。
モノフルオロリン酸塩の配合量は、再石灰化効果やモノフルオロリン酸イオンの安定性、使用感の点から、組成物全体の0.1〜2.0%(質量%、以下同じ。)であり、特に0.7〜1.5%が好適である。配合量が0.1%未満では十分な再石灰化効果が得られず、モノフルオロリン酸イオンの安定性に劣り、2.0%を超えるとモノフルオロリン酸イオン、カルシウムイオンの安定性が悪くなり、渋味・苦味等が強くなり使用感に劣る。
(B)グリセロリン酸カルシウムは、天然物由来のものも、合成品も使用でき、例えば岩城製薬株式会社製の「グリセロリン酸カルシウム」などの市販品を使用することもできる。
グリセロリン酸カルシウムの配合量は、再石灰化効果やカルシウムイオンの安定性、使用感の点から、組成物全体の0.1〜2.0%であり、特に0.1〜0.5%が好ましい。配合量が0.1%未満では十分な再石灰化効果が得られず、カルシウムイオンの安定性に劣り、2.0%を超えるとモノフルオロリン酸イオン、カルシウムイオンの安定性に劣り、また、渋味・苦味等が強くなって使用感に劣る。
(C)成分のポリマーは、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体から選ばれる。
(C)成分のポリマーとしては、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体が好適であり、中でも、カルシウムイオンの安定性の点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体が特に好ましい。
上記ポリマーは市販品を使用でき、具体的には下記のものが挙げられる。
ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム:
ナルコ株式会社製のマーコート100、マーコート106
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体:
ナルコ株式会社製のマーコート550、マーコート550PR、マーコートS、マーコート7SPR、マーコート2200
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体:
ナルコ株式会社製のマーコート280、マーコート281、マーコート280SD、マーコート295
アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体:
ナルコ株式会社製のマーコートPLUS3330、マーコート3330PR、マーコート3330DRY、マーコートPLUS3331、マーコート3331PR、マーコート3940
これらの市販品は水溶液や、ポリマー粉末の形態で市販されており、いずれの形態も使用可能であるが、水溶液のものが好適である。水溶液としては、下記の市販品が例示できる。
マーコート100:
固形分39〜44.2%、粘度が8,000〜12,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.3、6回転/分、25℃)
マーコート106:
固形分30〜36%、粘度が20〜65mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.1、60回転/分、25℃)
マーコート550:
固形分8.5〜9.5%、粘度が7,500〜15,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.4、10回転/分、25℃)
マーコート550PR:
固形分8.8〜9.8%、粘度が7,500〜15,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.4、10回転/分、25℃)
マーコートS:
固形分8.5〜9.5%、粘度が9,000〜15,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.4、10回転/分、25℃)
マーコート7SPR:
固形分8.8〜9.8%、粘度が9,000〜15,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.4、10回転/分、25℃)
マーコート280:
固形分39〜43%、粘度が3,000〜6,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、60回転/分、25℃)
マーコート281:
固形分39〜43%、粘度が4,000〜15,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、60回転/分、25℃)
マーコート295:
固形分35〜40%、粘度が3,500〜9,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、30回転/分、25℃)
マーコート3330PR:
固形分9.7〜10.7%、粘度が2,000〜8,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、30回転/分、25℃)
マーコート3330:
固形分9.4〜10.4%、粘度が4,000〜10,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、30回転/分、25℃)
マーコートPLUS3331:
固形分9.4〜10.4%、粘度が5,500〜16,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、30回転/分、25℃)
マーコート3331PR:
固形分9.7〜10.7%、粘度が2,000〜12,000mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.5、30回転/分、25℃)
マーコート3940:
固形分41.0〜45.0%、粘度が1,500〜4,500mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.3、10回転/分、25℃)
(C)成分としては、上記ポリマーの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用でき、その配合量は、再石灰化効果、使用感、ベタツキ感、モノフルオロリン酸イオンやカルシウムイオンの経時保存安定性の点から、固形分換算で組成物全体の0.1〜1.0%であり、好ましくは0.1〜0.5%である。配合量が0.1%未満では、十分な再石灰化効果が得られず、モノフルオロリン酸イオンやカルシウムイオンの安定性にも問題が生じ、1.0%を超えると組成物の粘度が高くなりすぎベタツキ感が生じたり、渋味・苦味等が強くなり使用感に劣る。
本発明にかかわる口腔用組成物は、固体、固形物、液体、液状、ゲル状、ペースト状、ガム等の各種形態にすることができ、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、洗口剤、マウスウォッシュなどの各種剤型に調製できるが、特に洗口剤等の液体製剤に好適に調製され、その製造法は剤型に応じた常法を採用できる。
本発明組成物には、その目的、組成物の剤型等に応じて、上述した必須成分である(A)〜(C)成分に加えて、更にこれら成分以外の適宜な任意成分を配合できる。
洗口剤等の液体製剤では、例えば湿潤剤、界面活性剤、アルコール、溶剤、有機酸、防腐剤、殺菌剤、香料、甘味剤、着色剤、有効成分や薬効成分などを配合できる。更に、必要に応じて、洗口剤等の液体製剤に研磨剤、粘結剤を配合してもよい。練歯磨等の歯磨剤の場合は、例えば研磨剤、粘稠剤、粘結剤、アルコール、界面活性剤、甘味料、香料、着色剤、防腐剤、有効成分や薬効成分などを配合できる。
研磨剤としては、例えば沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が好適に用いられる。これら研磨剤の配合量は、歯磨剤の場合は組成物全体の2〜40%、特に10〜30%が好ましい。液体製剤に配合する場合は0〜5%がよい。
粘稠剤(湿潤剤)としては、ソルビット、キシリトール等の糖アルコール、更にはグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200〜20000などの1種又は2種以上を配合できる。粘稠剤の配合量は、組成物全体の5〜50%、特に20〜45%が好ましい。
アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノール等の炭素数2〜4の低級1価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール300〜4000等の2価や3価の多価アルコールなどを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を配合できる。これらアルコールの配合量は、組成物全体の1〜30%、特に2〜20%が好ましい。
溶剤としては、精製水が一般的に用いられる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、カーボポール、グアガム、モンモリロナイト、ゼラチン等の無機及び有機粘結剤が挙げられる。粘結剤の配合量は、剤型により調整でき、練歯磨には0.1〜5%、液体歯磨及び洗口剤には0〜5%配合できる。
有機酸としては、通常口腔用組成物に配合できる種々の有機酸を使用でき、例えば、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、乳酸、酒石酸、ピルビン酸、アスコルビン酸、グリコール酸等が挙げられ、これら有機酸の塩を配合してもよい。これら有機酸は1種又は2種以上配合でき、中でもクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸及びこれらの塩が好適である。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤を配合できる。
陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウムなどのN−アシルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等が用いられる。
非イオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミドなどの脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。
両性イオン界面活性剤としては、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシンなどのN−アルキルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム、N−アルキル−ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。
これら界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.1〜10%、特に0.2〜5%が好適である。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、パラチノース、還元パラチノース(パラチニット)、ソーマチン、アスパルテーム、アセスルファムK、シクラメートナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスベリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、トレハロース、パラチノース、パラチニット、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、スクラロース、グリチルリチン等が挙げられる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩等が配合できる。
着色剤としては、青色1号、青色2号、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、パプリカ色素、二酸化チタン等を通常量で配合することができる。
薬用成分や有効成分としては、(A)成分のモノフルオロリン酸塩や(B)成分のグリセロリン酸カルシウムに加えて、これら以外のもの、例えばアズレンスルホン酸ナトリウム、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム等のアラントイン類、エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、塩化ナトリウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二アンモニウム,二ナトリウム,三ナトリウム,二カリウム,モノアンモニウム等のグリチルリチン酸及びその塩、β−グリチルレチン酸、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性殺菌剤、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、トリクロサン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸及びその塩、塩酸ピリドキシン、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ゼオライト、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、無水ピロリン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、ポリビニルピロリドンK25,K30,K90等のポリビニルピロリドン、塩化リゾチーム、銅クロロフィリンナトリウム、ヒノキチオール、トラネキサム酸、デキストラナーゼ、プロテアーゼ等の酵素、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム等が挙げられ、目的に応じて配合し得る。上記薬用成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる(配合量通常0.001〜5%)。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。通常その配合量は0.00001〜2%の範囲である。
口腔用組成物のpHは、5.0〜9.0の範囲が好ましく、特に6.0〜8.0が好ましい。
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。ポリマーの配合量は固形分換算値である。
〔実験例〕
表1〜5に示す組成の試験組成物(洗口剤)を下記方法で調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜5に併記する。
試験組成物(比較例及び実施例)の調製法:
乳酸カルシウム、乳酸、リンゴ酸、塩酸、水酸化ナトリウムは和光純薬工業(株)の試薬特級を用いた。モノフルオロリン酸ナトリウムはAlbright & Wilson UK Limitedの「Sodium Monofluorophosphate」、グリセロリン酸カルシウムは、岩城製薬(株)製の「グリセロリン酸カルシウム」、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムは、ナルコ(株)製のマーコート100、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体は、ナルコ(株)製のマーコート550、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体は、ナルコ(株)製のマーコート280、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体は、ナルコ(株)製のマーコート3330PRを用いて所定の濃度になるように秤取し、精製水を添加することで全量が100gになるように調製した。その後、室温で1昼夜撹拌することにより分散・溶解させたものを、直ちに実験に用いた。
なお、組成物のpHは、実施例及び比較例1〜18は塩酸、水酸化ナトリウムでいずれもpH7.0に調整し、比較例19,20はpH5.0に調整した。
マーコート100は粘度が9,020mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.3、6回転/分、25℃)、マーコート550は粘度が10,580mPa・s(ブルックフィールド粘度計RVF、スピンドルNo.4、10回転/分、25℃)、マーコート280は粘度が4,210mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、60回転/分、25℃)、マーコート3330PRは粘度が4,140mPa・s(ブルックフィールド粘度計LVF、スピンドルNo.4、30回転/分、25℃)のものを使用した。
比較例において、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドは日本NSC(株)製のセルコートL−200、5%水溶液の粘度が9,330mPa・s(東京計器(株)製BH型粘度計、スピンドルNo.4、20回転/分、25℃、1分)、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースは、ナルコ(株)製のマーコート10、2%水溶液の粘度が3,610mPa・s(東京計器(株)製BH型粘度計、スピンドルNo.4、20回転/分、25℃、1分)を用いた。
(I)再石灰化効果の評価
押野一志 他 口腔衛生会誌54:2−8,2004の記載に従い、以下の実験を行った。
脱灰試料の調製:
牛歯のエナメル質部分を硬組織切断機(アイソメット2000,Buehler)で十字に分割して、1歯につき4個のエナメル質ブロックを作製した。これらのブロックのエナメル質表面を鏡面研磨し、約4×4mmのウインドウ(Window)が露出するようにネイルエナメルを用いて被覆した。エナメル質ブロックを、下記組成(脱灰溶液及び再石灰化溶液の組成として記載)の脱灰溶液に浸漬し、37℃にて3日間静置して、人工的な表層化脱灰病変を形成させた。
再石灰化処理:
脱灰試料(各群5ブロック)を、1日2回(9及び18時頃)、表1〜5の試験組成物に5分間浸漬した。浸漬後の脱灰試料は、Window面を歯ブラシ(PCクリニカライオンハブラシ スタンダード)で約10ストローク刷掃後、水道水の流水下で約30秒間洗浄し、その後は1ブロックずつ下記組成の再石灰化溶液10mlに浸漬して37℃に保持した。この再石灰化溶液は、スクロース摂取30分後のプラークフルイド組成に類似させて、MFPase活性を有する酸性フォスファターゼ(P−3627 コムギ由来)を添加したものであり、1日2回調製して交換した。この一連の操作は14日間継続した。
Contact microradiograph(CMR)によるミネラル損失量の測定:
脱灰後及び再石灰化処理後の試料を樹脂包埋(Rigolac2004:パーメックN:プロモーターE=120:1:1,応研商事(株))し固化させた後、硬組織切断機(アイソメット2000)にて厚さ300μmに切断し、自動研磨機(スピードラップML−150DC,マルトー社)にて、厚さ約150μmの研磨切片試料とした。各切片は、軟X線発生装置(CMR−III,Softex社)を用い、電流3mA、電圧20kV、X線照射時間20分の条件で、検量線用のアルミステップとともにCMR撮影(SO−343,Kodak社)を行った。顕微鏡(OPTIPHOTO T2,Nikon社)下で表層下脱灰部のCMR像をカメラ撮影(HD camera model HQ−130,Nikon社)し、画像解析ソフト(WinRoof V3.0,Mitani社)を用いてエナメル質表層から深層に向かうミネラル濃度を解析した。バックグラウンドと健全エナメル質のミネラル濃度をそれぞれ0及び100%とし、これらのミネラル濃度プロファイルから、研磨切片試料のミネラル喪失量(ΔZ;vol%・μm)を測定算出した。脱灰サンプルと再石灰化後のミネラル喪失量ΔZを測定し、各群の再石灰化率を計算した。
再石灰化率を以下の基準に従い評価した。
再石灰化率が60%以上 ◎
再石灰化率が50%以上60%未満 ○
再石灰化率が40%以上50%未満 △
再石灰化率が40%未満 ×
脱灰溶液及び再石灰化溶液の組成:
成分 脱灰溶液 再石灰化溶液
CaCl2 *1 3.0mmol/L 2.0mmol/L
KH2PO4 *1 1.8mmol/L 10mmol/L
乳酸*1 20mmol/L 40mmol/L
乳酸ナトリウム*1 80mmol/L −
NaCl*1 − 30mmol/L
KOH*1 − 適量
酸性フォスファターゼ*2 − 0.025units/mL
ヒドロキシエチルセルロース*1 5.0% −
pH 4.5 6.0
*1:和光純薬工業(株)
*2:シグマアルドリッチジャパン(株)
(II)官能評価
表1〜5に示す試験組成物を蒸留水に溶解した試験溶液を用い、被験者10名(男性8名、女性2名)が洗口し、渋味・苦味の強さ、刺激味の強さ、後味の良さを総合した使用感、ベタツキ感を、下記基準に従い5段階で官能評価した。結果は被験者10名の評点の平均値で示した。なお、コントロールとして蒸留水を用い、蒸留水の使用感評価を5点として官能評価した。
使用感(総合)の評価基準
5:良い
4:やや良い
3:どちらともいえない
2:やや悪い
1:悪い
ベタツキ感のなさの評価基準
5:ベタツキ感がない
4:ベタツキ感がややある
3:ベタツキ感が少しある
2:ベタツキ感がある
1:ベタツキ感が強くある
判定基準:
平均値4点以上 ◎
平均値3点以上4点未満 ○
平均値2点以上3点未満 △
平均値2点未満 ×
(III)モノフルオロリン酸イオンとカルシウムイオンの安定性の評価
試験組成物を40℃で1ヶ月保存後、メンブランフィルター(Sterile Millex Filter Unit 0.22μm(ミリポア(株)製))でろ過し、ろ過液についてモノフルオロリン酸イオンとカルシウムイオンを測定した。保存前後のモノフルオロリン酸イオンとカルシウムイオンの値から、40℃で1ヶ月保存後の各試験組成物について、保存前に対する残存率を求めた(各試験組成物をn=3で評価した)。
モノフルオロリン酸イオン(MFP)の残存率(%)=
(保存後のMFP量/保存前のMFP量)×100
カルシウムイオン(Ca)の残存率(%)=
(保存後のCa量/保存前のCa量)×100
カルシウムイオンの定量は原子吸光装置((株)日立製作所社 Z5310)により定量を行った。モノフルオロリン酸イオンの定量はイオンクロマトグラフィーにより検量線法により定量を行った。イオンクロマト装置は日本ダイオネクス社製 ICS−2000を用いた。
測定条件:
分離カラム IonPac AS−20
ガードカラム IonPac NG−1
溶離液 55mMKOH(平衡時2mM)
流量 1.2mL/min
サプレッサー ASRS−ULTRA II(137mA)
検出器 電気伝導度検出器を使用
試料導入量 20μL
カラム温度 30℃
検出器温度 35℃
モノフルオロリン酸イオンとカルシウムイオンについて、40℃で1ヶ月保存後の安定性を以下の基準で評価した。
安定性
残存率が保存前の90%以上 ◎
残存率が保存前の70%以上90%未満 ○
残存率が保存前の50%以上70%未満 △
残存率が保存前の50%未満 ×
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表1〜5の結果から、モノフルオロリン酸ナトリウムと、グリセロリン酸カルシウムと、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体から選ばれる1種以上のポリマーとを組み合わせて配合すると(実施例)、再石灰化効果とモノフルオロリン酸イオン及びカルシウムイオンの経時保存安定性に優れ、使用感も良好となった。
これらに対して、本発明の必須要件のいずれかを欠く場合は、再石灰化効果、使用感、ベタツキ感、モノフルオロリン酸イオン及びカルシウムイオンの保存安定性のいずれかに劣り、本発明の目的を達成できなかった(比較例)。
グリセロリン酸カルシウムの代わりに乳酸カルシウムを用いた場合は再石灰化効果や使用感に劣り(比較例16)、ポリマーとしてヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースを用いた場合は再石灰化効果に劣り、モノフルオロリン酸イオン及びカルシウムイオンの保存安定性にも劣った(比較例17,18)。更に、リンゴ酸、乳酸を配合しても適切なポリマーが配合されていない場合は満足な再石灰化効果が得られず、使用感も悪かった(比較例19,20)。
また、フッ化ナトリウムはモノフルオロリン酸ナトリウムとフッ素濃度を同濃度にそろえて使用して比較した(実施例8と比較例15)が、フッ化ナトリウムでは再石灰化効果の大きな向上は認められず、本発明の目的は達成できなかった。これは、フッ化ナトリウムはカルシウムイオンがあると不溶性のフッ化カルシウムを形成してフッ素の再石灰化効果が弱くなることが一つの要因となっているためと考えられる。
下記組成の口腔用組成物を上記と同様に調製し、評価した。
下記例では、モノフルオロリン酸ナトリウムとグリセロリン酸カルシウム、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(マーコート100)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(マーコート280)、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体(マーコート3330PR)は上記と同様のものを用いた。
マーコート295は、ナルコ(株)製で粘度が6,170mPa・s(東京計器(株)製BH型粘度計、スピンドルNo.5、20回転/分、25℃、1分)、マーコートPLUS3331は、ナルコ(株)製で粘度が10,050mPa・s(東京計器(株)製BH型粘度計、スピンドルNo.5、20回転/分、25℃、1分)のものを用いた。
〔実施例39〕練歯磨
シリカ 20.0%
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 18.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.4
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.76
グリセロリン酸カルシウム 0.5
マーコート100 0.5
エリスリトール 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
フッ化ナトリウム 0.21
香料 0.8
精製水 残部
計 100.0%
〔実施例40〕練歯磨
水酸化アルミニウム 42.0%
プロピレングリコール 3.0
70%ソルビット 25.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8
グリセロリン酸カルシウム 0.4
マーコート550 0.3
メリビオース 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.02
香料 1.0
精製水 残部
計 100.0%
〔実施例41〕練歯磨
重質炭酸カルシウム 25.0%
プロピレングリコール 3.0
70%ソルビット 30.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2
モノフルオロリン酸ナトリウム 1.3
グリセロリン酸カルシウム 0.2
マーコート280 0.8
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.02
香料 1.0
精製水 残部
計 100.0%
〔実施例42〕練歯磨
シリカ 17.0%
プロピレングリコール 3.0
70%ソルビット 25.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.08
グリセロリン酸カルシウム 1.2
マーコート3330PR 0.3
パラチノース 2.5
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.02
香料 1.0
精製水 残部
計 100.0%
〔実施例43〕練歯磨
第二リン酸カルシウム 46.0%
プロピレングリコール 3.0
70%ソルビット 28.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8
グリセロリン酸カルシウム 0.3
マーコート295 0.3
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.02
香料 1.0
精製水 残部
計 100.0%
〔実施例44〕洗口剤
グリセリン 8.0%
エタノール 8.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 1.2
グリセロリン酸カルシウム 1.2
POE硬化ヒマシ油(100EO) 0.8
マーコートPLUS3331 0.9
メリビオース 12.0
エリスリトール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.3
安息香酸ナトリウム 0.5
香料 0.2
精製水 残部
計 100.0%
〔実施例45〕口中清涼剤
グリセリン 13.0%
エタノール 40.0
POE硬化ヒマシ油(60EO) 2.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.6
グリセロリン酸カルシウム 0.2
マーコート550 0.5
ラフィノース 1.0
還元パラチノース 1.5
キシリトール 2.0
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.03
香料 0.4
l−メントール 0.5
精製水 残部
計 100.0%
これら実施例の口腔用組成物は、いずれも高い再石灰化促進効果を示し、使用感が良く、かつベタツキ感がなく、カルシウムイオン及びモノフルオロリン酸イオンの保存安定性にも優れていた。

Claims (3)

  1. (A)モノフルオロリン酸塩 0.1〜2.0質量%、
    (B)グリセロリン酸カルシウム 0.1〜2.0質量%、
    (C)ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸及び/又はアクリルアミドとの共重合体から選ばれる1種以上のポリマー
    0.1〜1.0質量%
    を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
  2. (C)成分のポリマーが、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体,塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合体から選ばれるものである請求項1記載の口腔用組成物。
  3. 液体製剤として調製される請求項1又は2記載の口腔用組成物。
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