JP6071726B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
現在、プロセスカートリッジや電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、有機光導電性物質を含有する有機電子写真感光体(以下単に「電子写真感光体」ともいう)が主流である。また、その中でも、電子写真感光体に必要な機能を複数の層に分担させることで特性を向上させた積層型(機能分離型)の電子写真感光体が主流である。
積層型の電子写真感光体の製造方法としては、機能材料を有機溶剤に溶解させて塗布液を調製し、支持体上に塗布する方法が一般的に用いられている。特許文献1には、電荷輸送層の構成材料(電荷輸送物質、結着樹脂)を有機溶剤に溶解させて調製した塗布液を用いて電荷輸送層を形成することが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、電荷輸送層の構成材料を有機溶剤に溶解させて調製した液を塗布液として用いる場合には、有機溶剤の揮発により、塗布液の濃度および粘度が上昇し、塗膜の膜厚を一定に管理しにくいという課題がある。電子写真感光体の製造時に塗膜の膜厚を一定に維持するためには、塗布液の粘度調整を頻繁に行うことや、塗布速度の調整を頻繁に行うことが必要となるため、作業性の向上と塗膜の膜厚の制御性の向上が求められている。
本発明の目的は、経時的な電荷輸送層用塗布液の粘度の安定性を向上させ、もって、膜厚変化の少ない電荷輸送層を形成することができる電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
本発明は、電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程とを有し、
該液状媒体が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程とを有し、
該液状媒体が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
また、本発明は、電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質を含有する粒子および該結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程とを有し、
該液状媒体が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
液状媒体に、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質を含有する粒子および該結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程とを有し、
該液状媒体が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
また、本発明は、電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる温度で該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程とを有し、
25℃1気圧における該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体のSP値との差が7.5以上である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる温度で該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程とを有し、
25℃1気圧における該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体のSP値との差が7.5以上である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、経時的な電荷輸送層用塗布液の粘度の安定性を向上させ、もって、膜厚変化の少ない電荷輸送層を形成することができる電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
〔SP値について〕
本発明は、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液を調製する工程と、該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させて、電荷輸送層を形成する工程を有する。または、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液を調製する工程と、該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質を含有する粒子および該結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させて、電荷輸送層を形成する工程を有する。
本発明は、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液を調製する工程と、該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させて、電荷輸送層を形成する工程を有する。または、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液を調製する工程と、該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質を含有する粒子および該結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させて、電荷輸送層を形成する工程を有する。
分散液を調製する工程は、25℃1気圧における液状媒体のSP値と前記粒子(電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子または、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子)中に含有される電荷輸送物質とのSP値との差が7.5以上であるという条件を満たすことが好ましい。この条件と満たすことによって、液状媒体に、前記粒子を分散させて分散液を調製することができる。
上述の該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱、乾燥させて、電荷輸送層を形成する工程は、前記粒子を含有する分散液の塗膜を形成し、塗膜を加熱して液状媒体に前記粒子を溶解させ、前記粒子同士を密着させる必要がある。そこで、分散液の塗膜の加熱温度は、電荷輸送物質の加熱温度におけるSP値と、液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体の加熱温度におけるSP値との差が、6.8以下となる温度で加熱することが好ましい。この条件と満たすことによって、該塗膜を上記加熱温度で加熱することで、液状媒体に前記粒子を溶解し、該塗膜を乾燥させて、電荷輸送層を形成することができる。
上述のような液状媒体を構成する液体として、具体的には、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有することが好ましい。この液状媒体を用いると、分散液を調製する工程では、電荷輸送物質や結着樹脂の溶解が抑制されて分散液の粘度の安定性が向上し、分散液の塗膜を加熱乾燥するときの温度では、液状媒体に電荷輸送物質や結着樹脂が溶解され、膜厚変化の少ない電荷輸送層を形成することができる。
SP値について説明する。SP値は、溶解度パラメーター(Solubility Parameters)を指す。SP値は、2種以上の物質の親和性の目安となり、分子凝集エネルギーの平方根で表される値である。本発明におけるSP値は、ハンセン(Hansen)の手法を用いている。ハンセンの手法は、一つの物質のエネルギーを、分散エネルギー項(δD)、分極エネルギー項(δP)、水素結合エネルギー項(δH)の3成分で表し、3次元空間にベクトルとして表すもので、2種の物質のSP値の差が小さい(2種の物質間の距離が短い)場合は、2種の物質は溶解性が高いことを示す。同様に、2種の物質のSP値の差が大きい(2種の物質間の距離が長い)場合は、2種の物質は溶解性が低いことを示す。
各物質のδD、δPおよびδHの値は、Hansen Solubility Parameters: A User’s Handbook second edition,CRC Press, 2007で開示されている。また、Chemistry−Softwear社のMolucular Modeling ProやDynacomp,Inc.のSLOPEなどの市販のソフトウエアの使用によっても算出できる。本発明においては、ハンセン氏のグループが開発、販売しているデータベース付き計算ソフトHSPiPの3rd Edition 3.1.14を使用して数値を算出した。電荷輸送物質、液状媒体、および液状媒体中の液体に対し、該ソフトを使用してδD(分散項)、δP(分極項)およびδH(水素結合項)を求め、下記式(4)によりSP値(J/cm3)1/2を求めた。SQRTは平方根を表す。
SP値=SQRT(δD2+δP2+δH2)・・・式(4)
計算された2種の物質のSP値の差は、2種の物質の親和性の目安とできる。従って、液状媒体のSP値と電荷輸送物質のSP値の差は、溶解性の尺度とすることができる。分散液の状態を安定的に維持するためには、2種の物質の溶解性を低下させる必要があり、SP値としては、25℃1気圧における該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体のSP値との差が7.5以上であることが好ましい。
計算された2種の物質のSP値の差は、2種の物質の親和性の目安とできる。従って、液状媒体のSP値と電荷輸送物質のSP値の差は、溶解性の尺度とすることができる。分散液の状態を安定的に維持するためには、2種の物質の溶解性を低下させる必要があり、SP値としては、25℃1気圧における該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体のSP値との差が7.5以上であることが好ましい。
以下に、25℃1気圧における液状媒体のSP値と電荷輸送物質のSP値の差を表す下記式(5)を示す。
(25℃1気圧における液状媒体のSP値と電荷輸送物質のSP値の差)=|(液状媒体の25℃、1気圧下におけるSP値)−(電荷輸送物質の25℃、1気圧下におけるSP値)|・・・式(5)
(25℃1気圧における液状媒体のSP値と電荷輸送物質のSP値の差)=|(液状媒体の25℃、1気圧下におけるSP値)−(電荷輸送物質の25℃、1気圧下におけるSP値)|・・・式(5)
また、液状媒体が複数の液体を含有する混合液である場合は、各液体のδD、δPおよびδHを求めた後、混合物としてのSP値を求め、液状媒体のSP値とする。液状媒体が複数の液体を含有する混合液である場合の例を挙げると、第1の液体、第2の液体、および第3の液体を体積比a:b:cで混合した場合の混合ハンセンSP値は、下記式(7)〜(10)を用いて混合物としてのSP値を求めることができる。
δDmix=(a×δD1+b×δD2+c×δD3)/(a+b+c)・・・式(7)
δPmix=(a×δP1+b×δP2+c×δP3)/(a+b+c)・・・式(8)
δHmix=(a×δH1+b×δH2+c×δH3)/(a+b+c)・・・式(9)
SP値=SQRT(δDmix 2+δPmix 2+δHmix 2)・・・式(10)
δDmix=(a×δD1+b×δD2+c×δD3)/(a+b+c)・・・式(7)
δPmix=(a×δP1+b×δP2+c×δP3)/(a+b+c)・・・式(8)
δHmix=(a×δH1+b×δH2+c×δH3)/(a+b+c)・・・式(9)
SP値=SQRT(δDmix 2+δPmix 2+δHmix 2)・・・式(10)
本発明は、上述の電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液、または上述の電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液の塗膜を形成する。次に、該塗膜を、電荷輸送物質のSP値と、液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる温度で加熱することにより、該電荷輸送層を形成する工程を有することが好ましい。この工程は、分散液の塗膜を加熱することで、加熱された液状媒体あるいは液状媒体中の液体に電荷輸送物質を溶解させる工程である。この工程において、結着樹脂は、加熱により電荷輸送物質が溶解した液体に該結着樹脂が溶解する。
上記条件を満たすような温度で塗膜を加熱することで、粒子が液状媒体中の液体に溶解して、乾燥することで均一な膜を形成すると考えられる。従って、加熱温度における、粒子中の電荷輸送物質のSP値と液状媒体のSP値の差を、溶解性の尺度とすることができる。さらに、この加熱温度において、液状媒体は徐々に気化し除去されるため、最終的に電荷輸送物質あるいは結着樹脂を溶解する液状媒体中の液体は、1気圧下の沸点が最も高い液体となる。上記より、液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体の加熱温度におけるSP値と電荷輸送物質の加熱温度におけるSP値の差を溶解性の指標とすることができる。
以下に、加熱温度T(℃)における液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体の温度TにおけるSP値と電荷輸送物質の温度TにおけるSP値の差を表す下記式(11)を示す。
(T(℃)におけるSP値の差)=|(液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体の、T(℃)におけるSP値)−(電荷輸送物質のT(℃)におけるSP値)|・・・式(11)。
(T(℃)におけるSP値の差)=|(液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体の、T(℃)におけるSP値)−(電荷輸送物質のT(℃)におけるSP値)|・・・式(11)。
加熱温度T(℃)におけるSP値は、次のように求められる。δD(dδD/dT)、δP(dδP/dT)およびδH(dδH/dT)の値は、下記式(12)〜(14)に従って、特定温度におけるSP値が算出できることが知られている。以下の式中、αは、熱膨張係数をあらわし、下記式(15)により算出できる。
dδD/dT=−1.25α×δD・・・式(12)
dδP/dT=−α/2×δP・・・式(13)
dδH/dT=−δH(1.22×10−3+α/2)・・・式(14)
α=a×(1−Tref/Tc)m・・・式(15)
上記式(15)中、aおよびmは、物質ごとの定数、Tcは臨界温度(K)、Trefは、求めたい温度(K)を表す。本発明では、上記計算ソフト‘HSPiP’でa、m、およびTcの値を入手した。また、Trefは、T(℃)における温度(K)である。
dδD/dT=−1.25α×δD・・・式(12)
dδP/dT=−α/2×δP・・・式(13)
dδH/dT=−δH(1.22×10−3+α/2)・・・式(14)
α=a×(1−Tref/Tc)m・・・式(15)
上記式(15)中、aおよびmは、物質ごとの定数、Tcは臨界温度(K)、Trefは、求めたい温度(K)を表す。本発明では、上記計算ソフト‘HSPiP’でa、m、およびTcの値を入手した。また、Trefは、T(℃)における温度(K)である。
上記式(12)〜(14)を用いて算出したδD、δPおよびδHを、上記式(4)を用いて、液状媒体に含まれる液体のうち沸点が最も高い液体の加熱温度におけるSP値と、電荷輸送物質の加熱温度におけるSP値を算出する。これを式(11)に代入して、T(℃)における液状媒体に含まれる液体のうち沸点が最も高い液体の加熱温度におけるSP値と電荷輸送物質の加熱温度におけるSP値の差を得た。
電荷輸送物質を複数組み合わせて使用する場合において、すべての種類の電荷輸送物質がそれぞれ上記式(11)を満足すれば、電荷輸送物質を複数組み合わせる場合も上記式(11)を満足すると考えられる。
本発明の製造方法は、電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する方法である。この電子写真感光体は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する積層型(機能分離型)感光層であることが好ましい。そして、積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であってもよいし、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、順層型感光層が好ましい。
図1の(a)および(b)は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1の(a)および(b)中、101は支持体であり、102は電荷発生層であり、103は電荷輸送層であり、104は保護層(第2の電荷輸送層)である。必要に応じて、支持体101と電荷発生層102の間に、下引き層を設けてもよい。
以下に、本発明の製造方法や電子写真感光体を構成する材料に関して説明する。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質と結着樹脂に関して説明する。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、正孔輸送能を有する物質(正孔輸送物質)であることが好ましく、例えば、トリアリールアミン化合物またはヒドラゾン化合物が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物を用いることが電子写真特性の向上の点で好ましい。
以下に電荷輸送物質の具体例を示す。
上記の電荷輸送物質は、1種のみを用いてよく、2種以上を用いてもよい。また、25℃1気圧における電荷輸送物質の好ましいSP値の範囲は、20.5以上23.5以下である。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂あるいはポリエステル樹脂であることが好ましい。さらには、下記式(2)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂、あるいは下記式(3)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることが好ましい。
式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基を示す。X1は、単結合、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、フェニルエチリデン基、シクロヘキシリデン基、または酸素原子を示す。
式(3)中、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基を示す。X2は、単結合、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、シクロヘキシリデン基、または酸素原子を示す。Y1は、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
以下に、式(2)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
以下に、式(3)で示さされる繰り返し構造単位の具体例を示す。
上記の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂、およびポリエステル樹脂は単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよい。
結着樹脂の重量平均分子量は、常法に従って測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、具体的には、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子は、同一粒子内に少なくとも電荷輸送物質と結着樹脂を含む粒子である。同一粒子内に複数の種類の電荷輸送物質を含んでもよいし、また、同一粒子内に複数の種類の結着樹脂を含んでもよい。また、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子として、異なる電荷輸送物質および異なる結着樹脂を含有する粒子を混合して用いてもよい。
電荷輸送物質を含有する粒子、および結着樹脂を含有する粒子とは、同一粒子内にそれぞれ、少なくとも電荷輸送物質を含む粒子、少なくとも結着樹脂を含む粒子である。同一粒子内に複数の種類の電荷輸送物質を含んでもよいし、また、同一粒子内に複数の種類の結着樹脂を含んでもよい。また、異なる電荷輸送物質を含有する粒子、異なる結着樹脂を含有する粒子を混合して用いてもよい。
電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、電荷輸送物質を含有する粒子、および結着樹脂を含有する粒子には、電荷輸送物質および結着樹脂以外に添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤のような劣化防止剤や、離型性を付与する樹脂などが挙げられる。劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。離型性を付与する樹脂としては、例えば、フッ素原子含有樹脂、シロキサン構造を有する樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、電荷輸送物質を含有する粒子、および結着樹脂を含有する粒子の製造方法としては、既存の粒子製造方法を用いることができる。以下に具体的な粒子の製造方法として粉砕法と噴霧乾燥法を示すが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
粉砕法としては、乾式粉砕、湿式粉砕、凍結粉砕などの方法があるが、粒子を製造する対象の材料である電荷輸送物質、結着樹脂、あるいは添加剤の材質や種類に応じた粉砕方法を選択できる。粉砕機としては、軟性材料、弾性材料や樹脂系材料の粉砕に適した粉砕機がよく、例えば、超遠心粉砕機、ロータビータミル、グラインドミックス、ミキサーミルが挙げられる。これらの粉砕機を用いて、電荷輸送層を構成するそれぞれの材料の粒子を製造する場合は、材料に適した粉砕機を用いて粒子を製造する。また、電荷輸送物質および結着物質を含有する粒子を製造する場合や、同一粒子内に複数の種類の電荷輸送層を構成する材料を含有する粒子を製造する場合には、対象の構成材料を粉砕機で処理する前に混錬するなどの混合処理を行い、粒子を製造する。
噴霧乾燥法は、スプレードライあるいはスプレードライングと呼ばれる方法で、均一性の高い粒子を製造できる点において優れている。この方法は、溶媒あるいは分散媒に溶解あるいは分散している材料を噴霧し、溶媒あるいは分散媒を除去しながら粒子を製造し、サイクロンで捕集する構成となっている。
本発明における電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、電荷輸送物質を含有する粒子、および結着樹脂を含有する粒子を噴霧乾燥法で製造する場合について説明する。
電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を製造する場合には、電荷輸送物質と電荷輸送層を構成する材料を溶解可能な溶剤に溶解させ、溶液を調製する。溶液の濃度としては、固形分濃度が1〜10質量%であることが、粒子を製造する段階で均一性の高い粒子が得られる点で好ましい。この溶液をスプレードライの装置を用いて、噴霧、乾燥を行い、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を製造する。粒径としては、2〜15μmであることが、成膜時の膜厚均一性の点で好ましい。
電荷輸送物質を含有する粒子を製造する場合には、電荷輸送物質を溶解可能な溶剤に溶解させることにより電荷輸送物質を含有する溶液を調製する。溶液の濃度としては、固形分濃度が2〜15質量%であることが、得られる粒子の粒径を小さくかつ均一性良く製造できる点で好ましい。この溶液をスプレードライの装置を用いて、噴霧、乾燥を行い、電荷輸送物質を含有する粒子を製造する。粒径としては、2〜15μmであることが、成膜時の膜厚均一性の点で好ましい。同様の方法で、結着樹脂を含む粒子を製造する。結着樹脂に関しても、結着樹脂を含有する溶液を調製する。溶液の濃度としては、固形分濃度が1〜10質量%であることが、粒子を製造する段階で均一性の高い粒子が得られる点で好ましい。この溶液をスプレードライの装置を用いて、噴霧、乾燥を行い、結着樹脂を含有する粒子を製造する。粒径としては、2〜15μmであることが、成膜時の膜厚均一性の点で好ましい。
次に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液に関して説明する。この分散液は、常温(JIS Z 8703で規定された範囲)、大気圧環境下において、前記粒子が凝集や沈降を起こさない液状媒体に分散している分散液である。この分散液の用いられる液状媒体、前記粒子中に含有される電荷輸送物質は、25℃1気圧における液状媒体のSP値と前記粒子中に含有される電荷輸送物質とのSP値との差が7.5以上であるという条件を満たすことが好ましい。
電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液に関して説明する。この分散液は、常温(JIS Z 8703で規定された範囲)、大気圧環境下において、前記粒子が凝集や沈降を起こさない液状媒体に分散している分散液である。この分散液の用いられる液状媒体、前記粒子中に含有される電荷輸送物質は、25℃1気圧における液状媒体と前記粒子中に含有される電荷輸送物質とのSP値との差が7.5以上であるという条件を満たすことが好ましい。
上述の液状媒体に上述の電荷輸送物質を含有する粒子を分散させた分散液は、粒子の溶解が起こりにくいため経時的な電荷輸送層用塗布液の粘度の安定性を向上し、分散液を10分間静置しても粒子の凝集や沈降を生じにくいという特徴を有する。
上記分散液中には界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の中でも、非イオン系界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)が電子写真特性を維持する観点から好ましい。非イオン系界面活性剤は、親水部が非電解質、つまりイオン化しない親水性部分を持つものである。界面活性剤の含有量は、分散液中の電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、または電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子の質量に対し、9質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の分散液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、表面調整剤、消泡剤、粘弾性調整剤などの添加剤を含んでいてもよい。
次に、本発明における電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、電荷輸送物質を含有する粒子と結着樹脂を含有する粒子を液状媒体に分散させた分散液を調製する方法に関して説明する。
分散液を調製する分散方法としては、既存の分散方法を用いることができる。以下に具体的な粒子の分散方法として撹拌法と高圧衝突法を示すが、限定はされない。
撹拌法について説明する。この方法は、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を液状媒体と混合し、撹拌機で撹拌して分散液を調製する。撹拌機としては、高速撹拌できる撹拌機であることが短時間で均一に分散できる点で好ましい。撹拌機としてはマイクロテック・ニチオン社製ホモジナイザー(ヒスコトロン)、エム・テクニック製循環式ホモジナイザー(クレアミックス)などが挙げられる。同様に、電荷輸送物質を含有する粒子と結着樹脂を含有する粒子、および液状媒体を用いて、分散液を調製することができる。
次に、高速衝突法について説明する。この方法は、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子と液状媒体を混合した後、高圧下で混合液を衝突させて、分散液を調製する。高圧衝突装置としては、米Microfluidics社製(マイクロフルイダイザーM−110EH)、吉田機械興業社製(ナノマイザーYSNM−2000AR)などが挙げられる。同様に、電荷輸送物質を含有する粒子と結着樹脂を含有する粒子、液状媒体を含有する分散液に関しても調製できる。
次に、分散液における粒子の濃度と混合比について説明する。分散液中の電荷輸送物質を含有する粒子と、結着樹脂を含有する粒子の質量の合計は、分散液の全質量に対して5〜40質量%であることが好ましい。電荷輸送物質を含有する粒子と結着樹脂を含有する粒子との割合は、4:10〜20:10(質量比)の範囲が好ましく、5:10〜12:10(質量比)の範囲がより好ましい。
また、分散液中の電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子の質量は、分散液の全質量に対して5〜40質量%であることが好ましい。電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子中の電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、4:10〜20:10(質量比)の範囲が好ましく、5:10〜12:10(質量比)の範囲がより好ましい。
次に、本発明における液状媒体について説明する。電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を含む分散液に用いる液状媒体は、後述する分散液の塗膜を加熱する温度において、粒子中に含有される電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる液体であることが好ましい。さらに、前述したように該液状媒体は、25℃1気圧における液状媒体のSP値と粒子中に含有される電荷輸送物質のSP値との差が7.5以上であることが好ましい。
また、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を含む分散液に用いる液状媒体は、後述する分散液の塗膜を加熱する温度において、粒子中に含有される電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる液体であることが好ましい。さらに、前述したように該液状媒体は、25℃1気圧における液状媒体のSP値と粒子中に含有される電荷輸送物質のSP値との差が7.5以上であることが好ましい。
分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱することで電荷輸送層を形成する工程について説明する。
電荷輸送物質および結着樹脂を含む粒子を含有する分散液の塗膜を形成したのち、塗膜を加熱して前記粒子同士を密着させる必要がある。また、電荷輸送物質を含む粒子と、結着樹脂を含む粒子とを含有する分散液の塗膜を形成したのち、塗膜を加熱して前記粒子同士を密着させる必要がある。そこで、分散液の塗膜の加熱温度は、電荷輸送物質の加熱温度におけるSP値と、液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体の加熱温度におけるSP値との差が、6.8以下となる温度で加熱することが好ましい。この分散液を用いることで、溶解液に比べて液状媒体が気化した場合でも電荷輸送物質や結着樹脂の溶解が少ないため、経時的な粘度変化を小さく抑えることができ、膜厚変化の少ない電荷輸送層を形成することができる。また、沸点が最も高い液体のSP値との差が、6.8以下になる温度で加熱することにより、塗膜中で電荷輸送物質を含有する粒子が液状媒体中の沸点が最も高い液体に溶解することにより、電荷輸送層を形成することができる。
本発明の上述のSP値を満たしうる好ましい液体としては、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル(沸点171℃)、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール(沸点178℃)、エチルアセチルラクテート(沸点186℃)、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール(沸点167℃)、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール(沸点179℃)、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート(沸点184℃)、ギ酸ブチル(沸点107℃)、フェネトール(沸点173℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点170℃)、およびメチルプロピレングリコールアセテート(沸点146℃)からなる群より選択される少なくとも一つの液体である。これら液体を含有することにより、25℃1気圧下では分散液の安定性が向上し、塗膜を加熱乾燥させるときの加熱温度では電荷輸送物質の溶解性が向上することにより、より電荷輸送層用塗布液の粘度の安定性を向上させて、膜厚変化の少ない電荷輸送層を形成することができる。
また、本発明では、液状媒体がプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有することが好ましい。
本発明における液状媒体には、水を含有することが好ましい。水を含有する液状媒体を用いて分散液を調製することにより、有機溶剤の揮発に由来する分散液の濃度変化をさらに抑え、電子写真感光体を製造する際の電荷輸送層の膜厚変化をより低減することができる。
塗膜の加熱温度は、100℃以上であることが好ましい。より好ましくは、100℃以上140℃以下である。
上記のSP値の算出法を用いて、加熱温度T(℃)における電荷輸送物質、結着樹脂、液状媒体、および液状媒体中に含まれる液体のうち沸点が最も高い液体のSP値の計算結果を、表1〜表10に示す。
表2中のPNBはプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、PFGはプロピレングリコールモノプロピルエーテル、EtOHはエタノール、MeOHはメタノール、THFはテトラヒドロフラン、DMMはジメトキシメタン、DMDGはジエチレングリコールジメチルエーテル、DMGはジメチルグリコール、MFG−Acはメチルプロピレングリコールアセテートを示す。また、表2中の各比は体積比である。
表5中のPNBは、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、PFGは、プロピレングリコールモノプロピルエーテルを示す。また、表中の>b.p.は、加熱温度が、該当する液体の沸点以上の温度であることを示す。
次に、分散液の塗膜を形成する方法について説明する。分散液の塗膜を形成する方法に関しては、浸漬塗布、スプレー塗布、リング塗布など既存の塗布方法のいずれも対応可能であるが、生産性の観点から浸漬塗布であることが好ましい。この工程により支持体上に分散液を塗布し、塗膜を形成することができる。
本発明の分散液の塗膜は、電荷発生層上に形成してもよいし、下引き層上に形成し、その上に電荷発生層を形成し、その上に形成してもよい。さらに、電荷輸送層を積層構造(第1の電荷輸送層、第2の電荷輸送層)とする場合に、第1の電荷輸送層上に本発明の分散液の塗膜を形成して、第2の電荷輸送層を形成してもよい。また、本発明の分散液の塗膜を用いて、第1の電荷輸送層、第2の電荷輸送層の両方とも形成してもよい。
本発明の製造方法により製造された電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
次に、本発明の製造方法により製造された電子写真感光体の構成について説明する。
電子写真感光体は、一般的には、円筒状支持体上に感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスのような金属製の支持体を用いることができる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。また、アルミニウム、アルミニウム合金または酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成された層を有する金属製支持体や樹脂製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子のような導電性粒子を樹脂などに含浸した支持体や、導電性樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と、後述の下引き層または電荷発生層との間には、導電層を設けてもよい。これは、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液の塗膜を支持体上に形成し、該塗膜を乾燥させることで得られる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
支持体または導電層と、電荷発生層との間には、下引き層を設けてもよい。
下引き層は、樹脂を含有する下引き層用塗布液の塗膜を支持体上または導電層上に形成し、該塗膜を乾燥または硬化させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。下引き層に用いられる樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性のポリアミド樹脂、またはポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、粒子分散液として使用可能な状態であることが好ましい。さらには、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散されていることが好ましい。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。また、下引き層には、半導電性粒子、電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
支持体、導電層または下引き層上には、電荷発生層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料およびペリレン顔料が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニンは、高感度であるため好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂および尿素樹脂が挙げられる。これらの中でも、特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液の塗膜を支持体、導電層または下引き層上に形成し、該塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質と樹脂との割合は、1:10〜10:1(質量比)の範囲が好ましく、特には1:1〜3:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質、または電子受容性物質を含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体は、電荷発生層上に電荷輸送層を設けることが好ましい。本発明の電荷輸送層は、上述に記載の製造方法により製造される。
本発明の電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤のような劣化防止剤や、有機粒子、無機粒子などの粒子が挙げられる。劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。有機粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物が挙げられる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、本発明の電子写真感光体の表面層の表面には、凹凸形状(凹形状、凸形状)を形成してもよい。凹凸形状の形成方法は、既知の方法を採用することができる。形成方法としては、表面に研磨粒子を吹き付けることにより凹形状を形成する方法、表面に凹凸形状を有するモールドを加圧接触させることにより凹凸形状を形成する方法、表面にレーザー光を照射し凹形状を形成する方法などが挙げられる。これらの中でも、電子写真感光体の表面層の表面に凹凸形状を有するモールドを加圧接触させることにより凹凸形状を形成する方法が好ましい。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な製造例を挙げる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の表中の各比は、いずれも質量比である。
〔粒子1〜53の製造〕
電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を、以下の方法で作製した。表11に記載の種類と割合で電荷輸送物質および結着樹脂を、固形分濃度が3%になるようにテトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を用いて、イナートループB−295を接続したミニスプレードライヤーB−290(いずれもビュッヒ社製、カルレッツ製Oリング装着)を用い、窒素ガス気流下にて溶剤回収を行いながらスプレードライ法による粒子化を行った。粒径が2〜10μmとなるように、窒素ガス流速、インレット温度、アスピレータおよびポンプの設定を調整した。このようにして電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子1〜53を製造した。
電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を、以下の方法で作製した。表11に記載の種類と割合で電荷輸送物質および結着樹脂を、固形分濃度が3%になるようにテトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を用いて、イナートループB−295を接続したミニスプレードライヤーB−290(いずれもビュッヒ社製、カルレッツ製Oリング装着)を用い、窒素ガス気流下にて溶剤回収を行いながらスプレードライ法による粒子化を行った。粒径が2〜10μmとなるように、窒素ガス流速、インレット温度、アスピレータおよびポンプの設定を調整した。このようにして電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子1〜53を製造した。
表11中の電荷輸送物質および結着樹脂の割合は、各電荷輸送物質の割合と各結着樹脂の割合の合計を1としたときの割合(質量比)である。
〔粒子54〜73の製造〕
電荷輸送物質を含有する粒子を、以下の方法で作製した。表12に記載の電荷輸送物質を固形分濃度が3%になるようにテトラヒドロフランに溶解させた。得られた溶液を用いて、上述の粒子1の製造と同様の方法で粒子化を行い、粒径が2〜10μmとなるように、窒素ガス流速、インレット温度、アスピレータおよびポンプの設定を調整した。このようにして電荷輸送物質を含有する粒子54〜73を製造した。
電荷輸送物質を含有する粒子を、以下の方法で作製した。表12に記載の電荷輸送物質を固形分濃度が3%になるようにテトラヒドロフランに溶解させた。得られた溶液を用いて、上述の粒子1の製造と同様の方法で粒子化を行い、粒径が2〜10μmとなるように、窒素ガス流速、インレット温度、アスピレータおよびポンプの設定を調整した。このようにして電荷輸送物質を含有する粒子54〜73を製造した。
〔粒子74〜93の製造〕
結着樹脂を含有する粒子を、以下の方法で作製した。表13に記載の結着樹脂を固形分濃度が3%になるようにテトラヒドロフランに溶解させた。得られた溶液を用いて、上述の粒子1の製造と同様の方法で粒子化を行い、粒径が2〜10μmとなるように、窒素ガス流速、インレット温度、アスピレータおよびポンプの設定を調整した。このようにして結着樹脂を含有する粒子74〜93を製造した。
結着樹脂を含有する粒子を、以下の方法で作製した。表13に記載の結着樹脂を固形分濃度が3%になるようにテトラヒドロフランに溶解させた。得られた溶液を用いて、上述の粒子1の製造と同様の方法で粒子化を行い、粒径が2〜10μmとなるように、窒素ガス流速、インレット温度、アスピレータおよびポンプの設定を調整した。このようにして結着樹脂を含有する粒子74〜93を製造した。
〔液状媒体1〜34の調製〕
液状媒体として、上述の表2に記載の液体を表2に記載の割合で混合した。液状媒体の25℃におけるSP値を上記方法にて算出し、表2に示す。
液状媒体として、上述の表2に記載の液体を表2に記載の割合で混合した。液状媒体の25℃におけるSP値を上記方法にて算出し、表2に示す。
〔分散液1、3〜8、10〜24、26〜48、50〜100の調製〕
次に、液状媒体に電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させた分散液、または、液状媒体に電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を分散させた分散液を調製した。液状媒体、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、電荷輸送物質を含有する粒子、結着樹脂を含有する粒子の種類を、表14に示す。液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を、固形分が10質量%になる割合で混合し、温度25℃±2℃、大気圧下でホモジナイザーを用いて5,000回転/分にて20分間撹拌し、分散液1〜53を得た。同様に、液状媒体に、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を、固形分が10質量%になる割合で混合し、ホモジナイザーを用いて5,000回転/分にて20分間撹拌し、分散液1、3〜8、10〜24、26〜48、50〜100を得た。
次に、液状媒体に電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させた分散液、または、液状媒体に電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を分散させた分散液を調製した。液状媒体、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子、電荷輸送物質を含有する粒子、結着樹脂を含有する粒子の種類を、表14に示す。液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を、固形分が10質量%になる割合で混合し、温度25℃±2℃、大気圧下でホモジナイザーを用いて5,000回転/分にて20分間撹拌し、分散液1〜53を得た。同様に、液状媒体に、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を、固形分が10質量%になる割合で混合し、ホモジナイザーを用いて5,000回転/分にて20分間撹拌し、分散液1、3〜8、10〜24、26〜48、50〜100を得た。
〔実施例1、3〜8、10〜24、26〜48、50〜100〕
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。次に、SnO2コート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部を、およびメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤に混合し導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を140℃で30分間加熱して、膜厚が15μmの導電層を形成した。
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。次に、SnO2コート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部を、およびメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤に混合し導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を140℃で30分間加熱して、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させて、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を100℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)10部を用意した。それに、シクロヘキサノン250部およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)5部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で1時間分散した。分散後、酢酸エチル250部を加えて、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を100℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送層用塗布液として上述の分散液1を用いた。この分散液1を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を表14に示す乾燥温度で加熱し、電荷輸送層を形成した。浸漬塗布の条件は、乾燥後の電荷輸送層の膜厚が15μmになるように調整した。このようにして、電子写真感光体を製造した。
実施例2〜100は、実施例1と同様の方法を用いて、電子写真感光体を製造した。
[比較例用塗布液1〜5〕
表15に記載の電荷輸送物質5質量部、表15に記載の結着樹脂5質量部を、表15に記載の液状媒体90質量部に溶解させ、比較例用塗布液(電荷輸送層用の塗布液)の溶液(100質量部)を調製した。
表15に記載の電荷輸送物質5質量部、表15に記載の結着樹脂5質量部を、表15に記載の液状媒体90質量部に溶解させ、比較例用塗布液(電荷輸送層用の塗布液)の溶液(100質量部)を調製した。
各比較例用塗布液の電荷輸送物質と液状媒体とのSP値の差を、表16に示した。いずれの場合も、電荷輸送物質および結着樹脂は液状媒体に溶解した。
〔比較例用塗布液6〜8〕
表15に記載の電荷輸送物質と結着樹脂を用いて、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子1の製造と同じ方法で粒子を作製した。電荷輸送物質と結着樹脂の混合比率は1:1とした。得られた粒子を、分散液1の調製と同じ方法で、表15に記載の液状媒体に分散し、比較例用塗布液を調製した。電荷輸送物質と液状媒体とのSP値の差を表16と表17に示した。なお、比較例用塗布液6では、分散液が凝集または不均一な溶解が発生し、均一な溶解液、または均一な分散液が調製できなかった。
表15に記載の電荷輸送物質と結着樹脂を用いて、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子1の製造と同じ方法で粒子を作製した。電荷輸送物質と結着樹脂の混合比率は1:1とした。得られた粒子を、分散液1の調製と同じ方法で、表15に記載の液状媒体に分散し、比較例用塗布液を調製した。電荷輸送物質と液状媒体とのSP値の差を表16と表17に示した。なお、比較例用塗布液6では、分散液が凝集または不均一な溶解が発生し、均一な溶解液、または均一な分散液が調製できなかった。
〔比較例1〜8〕
実施例1と同様に、比較例用塗布液1〜8を浸漬塗布し、厚さ15μmの電荷輸送層を形成した。加熱温度は130℃とした。比較例用塗布液7および8における、130℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のSP値との差を、表19に示した。比較例6では、電子写真感光体の位置によって電荷輸送層の膜厚が変動し、膜厚が均一な電荷輸送層を形成できなかった。
実施例1と同様に、比較例用塗布液1〜8を浸漬塗布し、厚さ15μmの電荷輸送層を形成した。加熱温度は130℃とした。比較例用塗布液7および8における、130℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のSP値との差を、表19に示した。比較例6では、電子写真感光体の位置によって電荷輸送層の膜厚が変動し、膜厚が均一な電荷輸送層を形成できなかった。
次に、実施例1〜100、比較例1〜5、7〜8の評価について説明する。
<分散液の粘度変化>
調製直後の分散液(電荷輸送層用塗布液)の粘度を、アントンパール社製回転型粘度計MCR300に直径75mmのコーン型プレートを設置し、せん断速度10(1/s)における初期の粘度を測定した。この電荷輸送層用塗布液を8時間撹拌し、8時間後の粘度を同様に測定し、粘度の上昇率を算出した。結果を表20に示す。
調製直後の分散液(電荷輸送層用塗布液)の粘度を、アントンパール社製回転型粘度計MCR300に直径75mmのコーン型プレートを設置し、せん断速度10(1/s)における初期の粘度を測定した。この電荷輸送層用塗布液を8時間撹拌し、8時間後の粘度を同様に測定し、粘度の上昇率を算出した。結果を表20に示す。
<膜厚変化>
温度25℃±2℃、湿度50%±10%の環境下で、電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布した。電荷輸送層用塗布液から引き上げる速度は、調製直後の各電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚が15μmになるように調整した。調製直後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚と、8時間撹拌後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚を、以下のように測定し、膜厚の変化率を求めた。渦電流膜厚測定計にてアルミニウムシリンダーの長手方向の中央部の膜厚を周方向に6点測定して平均し、調製直後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚に対する8時間撹拌後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚の変化率を算出した。結果を表20に示す。
温度25℃±2℃、湿度50%±10%の環境下で、電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布した。電荷輸送層用塗布液から引き上げる速度は、調製直後の各電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚が15μmになるように調整した。調製直後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚と、8時間撹拌後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚を、以下のように測定し、膜厚の変化率を求めた。渦電流膜厚測定計にてアルミニウムシリンダーの長手方向の中央部の膜厚を周方向に6点測定して平均し、調製直後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚に対する8時間撹拌後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層の膜厚の変化率を算出した。結果を表20に示す。
<画像評価>
調製直後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体を、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−2510に装着して画像評価を行った。電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)および780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.3μJ/cm2となるように改造して用いた。また、評価は、温度23℃、相対湿度15%環境下で行った。画像評価としては、A4サイズの普通紙を用い、単色のハーフトーン画像を出力し、出力された画像を目視にて以下に示す基準で評価した。結果を表20に示す。
ランクA:全面均一な画像である
ランクB:ごく一部に軽微な画像ムラがある
ランクC:画像ムラがある
ランクD:目立つ画像ムラがある。
調製直後の電荷輸送層用塗布液を用いて形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体を、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−2510に装着して画像評価を行った。電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)および780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.3μJ/cm2となるように改造して用いた。また、評価は、温度23℃、相対湿度15%環境下で行った。画像評価としては、A4サイズの普通紙を用い、単色のハーフトーン画像を出力し、出力された画像を目視にて以下に示す基準で評価した。結果を表20に示す。
ランクA:全面均一な画像である
ランクB:ごく一部に軽微な画像ムラがある
ランクC:画像ムラがある
ランクD:目立つ画像ムラがある。
実施例と比較例1〜5を比較すると、比較例1〜5では、粘度変化が大きく、電荷輸送層用塗布液を用いて塗膜を形成し、電荷輸送層を形成すると、電荷輸送層の膜厚変化が大きい結果となっている。電子写真感光体を安定的に生産する上では、粘度上昇を抑制するために溶剤を追加することや、経時的に電荷輸送層の膜厚を一定にするために塗布速度を調整して塗布する対応が必要となる。実施例では、塗膜の粘度変化が小さく、電荷輸送層塗布液を撹拌後の膜厚変化が小さい結果となっている。これは、電荷輸送物質や結着樹脂が液状媒体中に分散していることにより、液状媒体の気化により液状媒体の量が低下したとしても電荷輸送物質や結着樹脂が液状媒体に溶解しにくいために粘度変化が小さくなることに起因していると考えられる。従って、本発明の電荷輸送層の製造方法は、塗布液の粘度管理や塗布速度の管理の頻度を低減できる点で優れている。
また、実施例と比較例6〜9を比較すると、比較例6〜9では、電荷輸送層塗布液が凝集または不均一な溶解を発生し、分散ができず、電子写真感光体の位置によって電荷輸送層の膜厚が変動し、膜厚が均一な電荷輸送層を形成できなかった。これは、25℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体とのSP値との差が小さいために、一部の電荷輸送物質が液状媒体に溶解したためと考えられる。また、電荷輸送物質が十分に溶解した状態にはならないために溶解液にはならなかったからであると考えられる。実施例においては、25℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体とのSP値との差が、7.5以上となっている。これらの結果より、25℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体とのSP値との差が、7.5以上である液状媒体を用いることが、電子写真感光体の電荷輸送層を形成する製造方法としては好適であることが示されている
また、実施例と比較例10および11を比較すると、比較例10および11では、25℃で分散液(電荷輸送層塗布液)を調製することはできたが、電子写真特性が十分な電荷輸送層を形成することができなかった。これは、25℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体とのSP値との差が、7.5以上であるものの、塗膜の加熱温度における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が大きいことに起因していると考えられる。塗膜の加熱温度においてSP値の差が大きいことは、加熱時に粒子を形成している電荷輸送物質が液体に溶解し難いため粒子の形状維持しやすいことを示している。結果、電荷輸送層の膜厚の均一性が低下した電荷輸送層となっている。一方、実施例においては、塗膜の加熱温度における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体とのSP値との差が、6.8以下となっている。これらの結果より、塗膜の加熱温度における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体とのSP値との差が、6.8以下である分散液を用いることが、電子写真感光体の電荷輸送層を形成する製造方法としては好適であることが示されている。
また、実施例と比較例10および11を比較すると、比較例10および11では、25℃で分散液(電荷輸送層塗布液)を調製することはできたが、電子写真特性が十分な電荷輸送層を形成することができなかった。これは、25℃における電荷輸送物質のSP値と液状媒体とのSP値との差が、7.5以上であるものの、塗膜の加熱温度における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が大きいことに起因していると考えられる。塗膜の加熱温度においてSP値の差が大きいことは、加熱時に粒子を形成している電荷輸送物質が液体に溶解し難いため粒子の形状維持しやすいことを示している。結果、電荷輸送層の膜厚の均一性が低下した電荷輸送層となっている。一方、実施例においては、塗膜の加熱温度における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体とのSP値との差が、6.8以下となっている。これらの結果より、塗膜の加熱温度における電荷輸送物質のSP値と液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体とのSP値との差が、6.8以下である分散液を用いることが、電子写真感光体の電荷輸送層を形成する製造方法としては好適であることが示されている。
101 支持体
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
Claims (11)
- 電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、
該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程と
を有し、
該液状媒体が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、
該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質を含有する粒子および該結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程と
を有し、
該液状媒体が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つを含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂である請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送物質が、トリアリールアミン化合物である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記液状媒体が、さらに水を含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、
該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる温度で該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質および結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程と
を有し、
25℃1気圧における該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体のSP値との差が7.5以上である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、
該製造方法が、
液状媒体に、電荷輸送物質を含有する粒子および結着樹脂を含有する粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
該分散液の塗膜を形成し、該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体に含まれる液体のうち1気圧下の沸点が最も高い液体のSP値との差が6.8以下になる温度で該塗膜を加熱して該液状媒体に該電荷輸送物質を含有する粒子および該結着樹脂を含有する粒子を溶解させ、該塗膜を乾燥させることにより、該電荷輸送層を形成する工程と
を有し、
25℃1気圧における該電荷輸送物質のSP値と該液状媒体のSP値との差が7.5以上である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記液体は、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、3,3−ジメチル−1−ヘキサノール、エチルアセチルラクテート、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−エチル−1−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ギ酸ブチル、フェネトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびメチルプロピレングリコールアセテートからなる群より選択される少なくとも一つの液体である請求項6または7に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂である請求項6から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送物質が、トリアリールアミン化合物である請求項6から9のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記液状媒体が、水を含有する請求項6から10のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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