JP2015175898A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置 Download PDF

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晃洋 丸山
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晃洋 丸山
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Abstract

【課題】接触部材等に対する持続的な接触ストレスの低減効果を高めた電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有し、かつ、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、該電荷輸送層が、特定構造を有するポリエステル樹脂Aと、特定構造を有するポリカーボネート樹脂Cと、特定構造のポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂と、電荷輸送物質とを含有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および電子写真装置に関する。
プロセスカートリッジや電子写真装置に搭載される電子写真感光体としては、電荷発生物質を含有する電子写真感光体が主流である。電子写真感光体は、一般的に、支持体、支持体上に電荷発生物質を含有する感光層を有する。また、感光層については、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層してなる積層型(順層型)のものが一般的である。
電子写真プロセスにおいて、電子写真感光体の表面には、現像剤、帯電部材、クリーニングブレード、紙、転写部材のような種々のもの(以下「接触部材等」ともいう)が接触する。そのため、電子写真感光体に要求される特性には、これら接触部材等との接触ストレスによる画像劣化の低減が挙げられる。特に、近年、電子写真プロセスの高速化や電子写真感光体の耐久性が向上するのに伴い、上記接触ストレスによる画像劣化の低減に対し、さらなる改善が望まれている。
接触ストレスの持続的な緩和に関して、特許文献1には、シロキサン構造を分子鎖中に組み込んだシロキサン樹脂を用いて表面層中にマトリックス−ドメイン構造を形成する方法が提案されている。その中で特定のシロキサン構造を有するポリエステル樹脂を用いることにより、接触ストレスの持続的な緩和を図ることが可能となることが開示されている。
国際公開WO2010/008095号公報
特許文献1で開示されている電子写真感光体は、接触ストレスの持続的な緩和効果が得られることが記載されている。しかしながら、近年の電子写真プロセスの高速化に伴い、さらなる接触ストレスの低減が求められている。本発明者らの検討により、接触ストレスの低減効果を向上させる余地があることが分かった。
本発明の目的は、接触ストレスの持続的な緩和効果を有する電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有し、かつ、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、
下記式(A)で示される構造単位および下記式(B)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Aと、
下記式(C)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Cと、
下記式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Dおよび下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される少なくとも1つの樹脂と、
電荷輸送物質と
を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
Figure 2015175898
式(A)中、Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。nは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、nの値は、20以上120以下である。
Figure 2015175898
式(B)中、Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
Figure 2015175898
式(C)中、mは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、mの値は、20以上120以下である。
Figure 2015175898
式(D)中、R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。Yは、単結合、またはプロピリデン基を示す。
Figure 2015175898
また、本発明によれば、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、接触ストレスの持続的な緩和効果を有する電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置が得られる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明は、前記のとおり、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有し、かつ、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、
下記式(A)で示される構造単位および下記式(B)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Aと、
下記式(C)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Cと、
下記式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Dおよび下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される少なくとも1つの樹脂と、
電荷輸送物質と
を含有する。
Figure 2015175898
式(A)中、Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。nは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、nの値は、20以上120以下である。
Figure 2015175898
式(B)中、Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
Figure 2015175898
式(C)中、mは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、mの値は、20以上120以下である。
Figure 2015175898
式(D)中、R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。Yは、単結合、またはプロピリデン基を示す。
Figure 2015175898
<ポリエステル樹脂A>
以下に式(A)で示される構造単位および式(B)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Aについて説明する。
式(A)中のXは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。これらの基は、単独で用いてもよく、2種以上の基を併用してもよい。m−フェニレン基とp−フェニレン基を併用する場合は、m−フェニレン基とp−フェニレン基の比(モル比)は1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
式(A)中のnは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、ポリエステル樹脂Aにおけるnの値は、20以上120以下である。nの値が20以上120以下であると、持続的な接触ストレスの低減効果に優れる。特に、nの値は、40以上80以下であることが好ましい。さらに括弧内の構造の繰り返し数は、nの値の±10%の範囲内であることが、本発明の効果が安定的に得られる点で好ましい。
式(B)中のXは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。これらの基は、単独で用いてもよく、2種以上の基を併用してもよい。m−フェニレン基とp−フェニレン基を併用する場合は、m−フェニレン基とp−フェニレン基の比(モル比)は1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂Aの全質量に対し式(A)で示される構造単位の含有量が6質量%以上40質量%以下であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂Aの全質量に対する式(B)で示される構造単位の含有量が60質量%以上94質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、ポリエステル樹脂Aの全質量に対する式(A)で示される構造単位の含有量が10質量%以上40質量%以下であり、ポリエステル樹脂Aの全質量に対する式(B)で示される構造単位の含有量が60質量%以上90質量%以下である。
ポリエステル樹脂Aは、式(A)で示される構造単位と式(B)で示される構造単位との共重合体である。その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよい。
ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は、30,000以上200,000以下であることが好ましい。さらには、40,000以上150,000以下であることがより好ましい。本願において、樹脂の重量平均分子量とは、常法に従い、具体的には特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
ポリエステル樹脂Aの共重合比は、一般的な手法である樹脂のH−NMR測定による水素原子(樹脂を構成している水素原子)のピーク面積比による換算法によって確認することができる。
以下に、式(A)で示される構造単位の具体例を示す。
Figure 2015175898
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これらの中でも、式(A−2)、(A−3)、(A−6)、(A−7)、(A−10)、または(A−11)で示される構造単位が好ましい。
以下に、式(B)で示される構造単位の例を示す。
Figure 2015175898
Figure 2015175898
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<ポリカーボネート樹脂C>
以下に式(C)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Cについて説明する。
式(C)中のmは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、ポリカーボネート樹脂Cにおけるmの値は、20以上120以下である。nの値が20以上120以下であると、持続的ストレスの緩和効果を効果的に発現できる。特に、nの値は、40以上80以下であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂Cは、式(C)で示される構造単位のほかに下記式(F)で示される構造単位を有してもよい。
Figure 2015175898
式(F)中のR41〜R44は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。
式(F)中のYは、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、フェニルエチリデン基、シクロヘキシリデン基、ヘキサフルオロプロピリデン基、または酸素原子を示す。
ポリカーボネート樹脂Cは、式(C)で示される構造単位と、式(F)で示される構造単位から複数の構造単位を組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂Cが式(C)で示される構造単位のほかに下記式(F)で示される構造単位を有する場合、ポリカーボネート樹脂Cの全質量に対し式(C)で示される構造単位の含有量が6質量%以上40質量%以下であることが好ましい。また、ポリカーボネート樹脂Cの全質量に対する式(F)で示される構造単位の含有量が60質量%以上94質量%以下であることが好ましい。
より好ましくは、ポリカーボネート樹脂Cの全質量に対する式(C)で示される構造単位の含有量が10質量%以上40質量%以下であり、ポリカーボネート樹脂Cの全質量に対する式(F)で示される構造単位の含有量が60質量%以上90質量%以下である。
ポリカーボネート樹脂Cが式(C)で示される構造単位のほかに下記式(F)で示される構造単位を有する場合、ポリカーボネート樹脂Cは、式(C)で示される構造単位と式(F)で示される構造単位との共重合体である。その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよい。
ポリカーボネート樹脂Cの重量平均分子量は、30,000以上200,000以下であることが好ましい。さらには、40,000以上150,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量は、前記手法により測定される。同様にポリカーボネート樹脂Cの共重合比は、前記手法によって確認することができる。
以下に式(C)で示される構造単位の例を示す。
Figure 2015175898
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以下に式(F)で示される構造単位の例を示す。
Figure 2015175898
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中でも、式(F−2)、(F−4)、(F−5)、(F−6)、(F−7)、および(F−8)であることが好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂Cは、下記式(G)で示される末端構造を有してもよい。
Figure 2015175898
式(G)中のpは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、20以上120以下である。pの値は、40以上80以下であることが好ましい。
式(G)中のqは、括弧内の構造の繰り返し数を示し、1以上4以下である。
<ポリエステル樹脂D>
以下に式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Dについて説明する。
式(D)中のR31〜R34は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。
式(D)中のXは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。これらの基は、単独で用いてもよく、2種以上の基を併用してもよい。m−フェニレン基とp−フェニレン基を併用する場合は、m−フェニレン基とp−フェニレン基の比(モル比)は1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
式(D)中のYは、単結合、またはプロピリデン基を示す。これらの基は、単独で用いてもよく、併用してもよい。
ポリエステル樹脂Dは、式(D)で示される構造単位から単独で用いてもよく、また複数の構造単位を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量は、30,000以上200,000以下であることが好ましい。さらには、40,000以上150,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量は、前記手法により測定される。
以下に式(D)で示される構造単位の例を示す。
Figure 2015175898
Figure 2015175898
Figure 2015175898
Figure 2015175898
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<ポリカーボネート樹脂E>
以下に式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Eについて説明する。ポリカーボネート樹脂Eの重量平均分子量は、30,000以上200,000以下であることが好ましい。さらには、40,000以上150,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量は、前記手法により測定される。
ポリエステル樹脂Aの含有量は、電荷輸送層中の全樹脂の全質量に対して10質量%以上40質量%以下であることが好ましい。また、ポリカーボネート樹脂Cは、電荷輸送層中の全樹脂の全質量に対して2質量%以上30質量%以下であることが好ましい。また、電荷輸送層は、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂を含有するマトリックスと、マトリックス中にポリエステル樹脂Aを含有するドメインとを有するマトリックス−ドメイン構造を有していてもよい。
またマトリックス−ドメイン構造を形成する場合には、マトリックス中に電荷輸送物質を含有することが好ましい。マトリックス−ドメイン構造は、「海島構造」でいうならば、マトリックスが海に相当し、ドメインが島に相当する。ポリエステル樹脂Aを含有するドメインは、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂を含有するマトリックス中に形成された粒状(島状)構造を示す。
ポリエステル樹脂Aを含有するドメインは、前記マトリックス中にドメイン同士が、それぞれが独立して存在している。このようなマトリックス−ドメイン構造は、電荷輸送層の表面観察あるいは電荷輸送層の断面観察を行うことにより確認することができる。マトリックス−ドメイン構造の状態観察あるいはドメインの計測は、たとえば、市販のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子力間顕微鏡を用いて測定可能である。上記顕微鏡を用いて、所定の倍率により、マトリックス−ドメイン構造の状態観察あるいはドメイン構造を計測することができる。
ポリエステル樹脂Aを含有するドメインの数平均粒径は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましい。また、各ドメインの粒径の粒度分布は狭いほうが塗膜およびストレス緩和の効果の均一性の観点から好ましい。数平均粒径は、電荷輸送層を垂直に切断した断面の顕微鏡観察により観測されるドメインのうち任意に100個選択する。選択されたそれぞれのドメインの最大径を測定し、それぞれのドメインの最大径を平均化することにより、ドメインの数平均粒径を算出している。
なお、電荷輸送層の断面を顕微鏡で観察することにより、深さ方向の画像情報が得られ、電荷輸送層の三次元画像を取得することも可能である。
電荷輸送層中にポリエステル樹脂Aと、ポリカーボネート樹脂Cと、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂とを含有することにより接触ストレスの持続的な緩和効果をさらに向上することができる。その理由は明確ではないが、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂とポリエステル樹脂Aおよびポリカーボネート樹脂Cを混合することにより接触ストレス低減を発現する塗膜を形成していると考えられる。
以下に、ポリエステル樹脂Aの例を示す。ポリエステル樹脂Aは、特許文献1に記載の合成方法を用いて合成することが可能である。本願においても同様の合成方法を用い、式(A)で示される構造単位および式(B)で示される構造単位に応じた原材料を用いて表1の合成例に示すポリエステル樹脂Aを合成した。合成したポリエステル樹脂Aの構成および重量平均分子量を表1に示す。
Figure 2015175898
表1中の式(A)/式(B)は、ポリエステル樹脂Aを構成する式(A)で示される構造単位と式(B)で示される構造単位の質量比を示す。
電荷輸送層は、ポリエステル樹脂Aと、ポリカーボネート樹脂Cと、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂とを含有するが、さらに他の樹脂を混合して用いてもよい。
以下に、ポリカーボネート樹脂Cの例を示す。ポリカーボネート樹脂Cは、既知の合成方法を用いて合成することが可能である。合成したポリカーボネート樹脂Cの構成および重量平均分子量を表2に示す。
Figure 2015175898
表2中の式(C)/式(F)は、ポリカーボネート樹脂Cを構成する式(C)で示される構造単位と式(F)で示される構造単位の質量比を示す。また、式(G)の有無は、ポリカーボネート樹脂Cの樹脂末端に式(G)で示される構造の有無を示す。また、用いた構造は式(G)中のpが40であり、qが3である。
以下に、ポリエステル樹脂Dの例を示す。ポリエステル樹脂Dは、既知の合成方法を用いて合成することが可能である。合成したポリエステル樹脂Dの構成および重量平均分子量を表3に示す。
Figure 2015175898
<電荷輸送層>
本発明における電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有する。電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、ブタジエン化合物、およびエナミン化合物が挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、電荷輸送物質としてトリアリールアミン化合物を用いることが電子写真特性の向上の点で好ましい。
以下に、電荷輸送物質の具体例を示す。
Figure 2015175898
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電荷輸送層は、ポリエステル樹脂Aと、ポリカーボネート樹脂Cと、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂と電荷輸送物質とを溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液の塗膜によって形成することができる。
電荷輸送物質と樹脂との割合は、4:10〜20:10(質量比)の範囲が好ましく、5:10〜12:10(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で使用してもよいが、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤を使用することが、樹脂の溶解性の観点から好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電子写真感光体は、一般的には、円筒状支持体上に感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスのような金属製の支持体を用いることができる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理した支持体を用いることもできる。
また、金属支持体、樹脂支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金または酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成したものも用いることもできる。支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と、後述の下引き層または電荷発生層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として導電層を設けてもよい。これは、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液を用いて形成される層である。導電性粒子としては、たとえば、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粒子が挙げられる。
導電層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
支持体または導電層と、電荷発生層との間には、下引き層を設けてもよい。
下引き層は、樹脂を含有する下引き層用塗布液を導電層上に塗布し、これを乾燥または硬化させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、下引き層には、半導電性粒子、電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
支持体、導電層または下引き層上には、電荷発生層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料およびペリレン顔料が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニンは、高感度であるため好ましい。
電荷発生層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、酢酸ビニル樹脂および尿素樹脂が挙げられる。これらの中でも、特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質と樹脂との割合は、1:10〜10:1(質量比)の範囲が好ましく、特には1:1〜3:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質、または電子受容性物質を含有させてもよい。
電荷発生層上には、上述の電荷輸送層が設けられる。
電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤のような劣化防止剤や、有機微粒子、無機微粒子などの微粒子が挙げられる。劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。有機微粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物粒子が挙げられる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図1に、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1に示すプロセスカートリッジおいて、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面は、回転過程において、ローラ形状の帯電手段(一次帯電手段:以降、「帯電ローラ」ともいう)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーで反転現像により現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択し、容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成する。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、下記の材料をメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。
SnOコート処理硫酸バリウム粒子(導電性粒子) 10部
酸化チタン粒子(抵抗調節用顔料) 2部
フェノール樹脂 6部
シリコーンオイル(レベリング剤) 0.001部
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間温度140℃で硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)10部を用意した。それに、シクロヘキサノン250部およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で温度23±3℃雰囲気下1時間分散した。
分散後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記の材料を、ジメトキシメタン30部およびo−キシレン40部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
式(CTM−1)で示される化合物 6.4部
式(CTM−3)で示される化合物 1.6部
ポリエステル樹脂Aとして樹脂A(1) 4部
ポリカーボネート樹脂Cとして樹脂C(1) 2部
樹脂E(重量平均分子量100,000) 4部
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間温度120℃で乾燥させることによって、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送層に含有される電荷輸送物質および樹脂の構成を表4に示す。電荷輸送層中にはポリエステル樹脂Aを含有するドメイン構造が確認された。
次に、評価について説明する。
初期および2,000枚繰り返し使用時のトルクの相対値に対して評価した。
評価装置としては、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−5050を用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。評価装置の780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.3μJ/cmとなるように設定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を2,000枚行い、連続出力前後でのトルクを測定した。
トルクの測定として、電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値A)を測定した。この評価は、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量を評価したものである。得られた電流値の大きさは、電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量の大きさを示す。
さらに、以下の方法でトルク相対値の対照となる電子写真感光体を作製した。実施例1の電子写真感光体の電荷輸送層の樹脂に用いたポリエステル樹脂Aである樹脂A(1)と、ポリカーボネート樹脂Cである樹脂C(1)をポリカーボネート樹脂Eに変更した。つまり、樹脂としてポリカーボネート樹脂Eのみの構成に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、これを対照用電子写真感光体とした。
製造された対照用電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値B)を測定した。
このようにして得られたポリエステル樹脂Aを含有する電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値A)と、ポリエステル樹脂Aを用いなかった電子写真感光体の回転モーターの駆動電流値(電流値B)との比を算出した。得られた(電流値A)/(電流値B)の数値を、トルクの相対値として比較した。このトルクの相対値の数値は、ポリエステル樹脂Aおよびポリカーボネート樹脂Cを用いたことによる電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量の低減の程度を示す。
トルクの相対値の数値が小さいほうが電子写真感光体とクリーニングブレードとの接触ストレス量の低減の程度が大きいことを示す。結果を、表4中の初期トルクの相対値に示す。
続いて、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を2,000枚行った。テストチャートは、印字比率10%のものを用いた。その後、2,000枚繰り返し使用後のトルクの相対値測定を行った。2,000枚繰り返し使用後のトルクの相対値は初期トルクの相対値と同様の評価で行った。この場合、対照用電子写真感光体に対しても2,000枚繰り返し使用を行い、そのときの回転モーターの駆動電流値を用いて2,000枚繰り返し使用後のトルクの相対値を算出した。
結果を、表4中の2,000枚後トルクの相対値に示す。
(実施例2〜17)
実施例1において、電荷輸送層の樹脂および電荷輸送物質を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。対照用電子写真感光体として、電荷輸送層に含まれる樹脂が表2に示されるポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂のみで構成される電子写真感光体を用いた。結果を表4に示す。電荷輸送層中にはポリエステル樹脂Aを含有するドメイン構造が確認された。
(比較例)
実施例1において、電荷輸送層の樹脂および電荷輸送物質を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。対照用電子写真感光体として、電荷輸送層に含まれる樹脂が表2に示されるポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂のみで構成される電子写真感光体を用いた。結果を表4に示す。
Figure 2015175898
表4中の樹脂Aおよび樹脂Cは、本発明におけるポリエステル樹脂A、およびポリカーボネート樹脂Cを示す。樹脂D、樹脂Eは、本発明におけるポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂であり、それぞれの実施例で用いた樹脂を示す。樹脂A/樹脂C/(樹脂D、樹脂E)混合比は、それぞれの実施例の電荷輸送層中に含有されるポリエステル樹脂A、ポリカーボネート樹脂C、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂の質量比を示す。電荷輸送物質は、それぞれの実施例で用いた電荷輸送物質の種類と混合比(質量比)を示す。
実施例1〜17と比較例1〜5との比較により、電荷輸送層中に本発明におけるポリエステル樹脂Aおよびポリカーボネート樹脂Cを両方ともに含有することで初期および2,000枚繰り返し使用後のトルクの双方のトルクが顕著に低減することが示されている。
電荷輸送層中にポリエステル樹脂Dにポリエステル樹脂Aを含有する場合やポリエステル樹脂Dにポリカーボネート樹脂Cを含有する場合でも初期および2,000枚繰り返し使用後のトルクの低減効果は得られる。
しかし、ポリエステル樹脂Dおよびポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される樹脂に、ポリエステル樹脂Aおよびポリカーボネート樹脂Cを混合して用いることにより更なる低減効果が得られている。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材


Claims (4)

  1. 支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有し、かつ、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、
    該電荷輸送層が、
    下記式(A)で示される構造単位および下記式(B)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Aと、
    下記式(C)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Cと、
    下記式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂Dおよび下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Eからなる群より選択される少なくとも1つの樹脂と、
    電荷輸送物質と
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2015175898
    (式(A)中、Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。nは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、nの値は、20以上120以下である。)
    Figure 2015175898
    (式(B)中、Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)
    Figure 2015175898
    (式(C)中、mは、括弧内の構造の繰り返し数の平均値を示し、mの値は、20以上120以下である。)
    Figure 2015175898
    (式(D)中、R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。Xは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。Yは、単結合、またはプロピリデン基を示す。)
    Figure 2015175898
  2. 前記ポリカーボネート樹脂Cが、下記式(F)で示される構造単位をさらに有する請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2015175898
    (式(F)中、R41〜R44は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。Yは、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、フェニルエチリデン基、シクロヘキシリデン基、ヘキサフルオロプロピリデン基、または酸素原子を示す。)
  3. 請求項1または2に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. 請求項1または2に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。

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