JP2000267309A - 電子写真感光体製造用塗工液及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体製造用塗工液及び電子写真感光体の製造方法

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JP2000267309A
JP2000267309A JP6811499A JP6811499A JP2000267309A JP 2000267309 A JP2000267309 A JP 2000267309A JP 6811499 A JP6811499 A JP 6811499A JP 6811499 A JP6811499 A JP 6811499A JP 2000267309 A JP2000267309 A JP 2000267309A
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acetate
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coating liquid
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JP6811499A
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English (en)
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Seiji Miyaoka
清二 宮岡
Osamu Higashida
修 東田
Susumu Kaneko
進 金子
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
Susumu Sakio
進 崎尾
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚が厚く均一な表面層を感光層の表面層と
して形成するこができ、しかも地球環境や人体への悪影
響が少なく作業性に優れる電子写真感光体製造用塗工液
を提供すること、及び、その電子写真感光体製造用塗工
液を用い、厚膜の表面層を有する感光層を有し、長寿命
を有する電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 少なくとも電荷輸送物質と、結合剤と、
ハロゲン原子を含有しない溶剤とを含有し、該電荷輸送
物質及び結合剤が該溶剤中に溶解している塗工液であっ
て、20℃における粘度が210〜1000mPa・s
である電子写真感光体製造用塗工液、及び、この塗工液
を塗工、乾燥して形成された膜厚28μm以上の表面層
を有する感光層を形成することからなる電子写真感光体
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体製
造用塗工液及び電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光導電性物質を感光材料として利
用する電子写真感光体においては、セレン、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化カドミウム等の無機系光導電物質が主
に用いられてきた。しかし、これらは一般に毒性の強い
ものが多く、廃棄する方法にも問題がある。
【0003】一方、有機光導電性化合物を使用する有機
感光体は、無機系光導電性物質を使用する場合に比べ
て、一般に、毒性が弱く、更に透明性、可とう性、軽量
性、表面平滑性、価格等の点で有利であることから、最
近、広く研究されてきている。
【0004】有機感光体は、導電性基体上に有機光導電
性物質を含む感光層を形成して製造されるが、感光層の
構成及び組成は様々である。構成については、導電性基
体上に有機光導電性物質及び結合剤からなる感光性を形
成した単層型感光体、また、導電性基体上に電荷を発生
する光導電性物質と結合剤からなる電荷発生層と、電荷
を輸送する電荷輸送物質と結合剤からなる電荷輸送層を
積層した積層型感光体などがある。この積層型感光体
は、従来、有機感光体の大きな欠点であった感度を大幅
に向上させることができるため、近年急速な進歩を遂げ
ている。加えて、導電性基体と感光層との間に設ける下
引き層、積層型感光体の電荷発生層と電荷輸送層との間
に設ける中間層など、必要に応じて前記単層及び積層型
感光体に様々な層を設けた感光体がある。また、組成に
ついては、様々な感光層用の材料が研究、開発されてお
り、前記各層に用いる有機光導電性物質、電荷発生物
質、電荷輸送物質、結合剤の他にも、必要に応じて様々
な添加剤等がある。これら有機感光体の感光層の膜厚
は、一般的に単層型感光体で10〜25μm程度、積層
型感光体の場合、電荷発生層が0.05〜2μm、電荷
輸送層が10〜25μm程度である。一方、これらの層
を形成するための塗工液の塗工方法としては、浸漬塗工
法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリケーター塗
工法、ワイヤーバー塗工法などがあり、これらの塗工法
には様々な改良が加えられている。これらの塗工法のう
ち、容易で、大量に生産できる方法として、浸漬塗工法
が最も普及している。
【0005】電子写真感光体をカールソン法による電子
写真装置に適用した場合には、まず、帯電工程で感光体
表面を均一に帯電させた後、露光工程で露光することに
より、感光体表面に静電潜像を形成し、次に、現像工程
で同符号或は異符号に帯電した一般にトナーと称する現
像剤により現像し、トナー画像を他の基体、例えば、紙
等に転写、定着し、画像を印刷ことができる。感光体
は、現像工程の後に表面に残ったトナーや付着した紙粉
を製造工程で清掃し、次の帯電工程へと進み、繰り返し
て使用される。
【0006】近年、電子写真プロセスを用いたプリンタ
ー、ファクシミリ、プロッター、複写機等では、高画質
化、印刷速度の高速化、印刷枚数の増加、印刷コストの
低減化が進み、また、地球環境や人体への悪影響の少な
い材料を使用することが必要となっている。これに対応
し、電子写真プロセスに用いる電子写真感光体には、従
来からの課題である光応答性や光感度の向上に加えて、
長寿命化要求がより強くなり、また、ハロゲン溶剤など
の環境破壊物質を用いない構成であることが求められて
いる。電子写真感光体は、電子写真装置中で感光体に接
触する清掃工程のウレタンブレードやファーブラシ等の
部材、トナー、紙等が感光体に接触し、感光体の表面層
が摩耗して膜厚が減少し、十分な帯電電位や光応答性が
得られなくなることにより、画質が低下し、寿命に至
る。さらに、電子写真装置の印刷機構が改良され、例え
ば、帯電工程においてはこれまで一般的であった感光体
に非接触のコロナ放電方式に代わって、感光体にローラ
ーやブラシを接触させて帯電させる方式、現像工程にお
いても、現像ローラーを感光体に接触させて現像する方
式なども普及し、感光体に接触する部材が増加し、感光
体への機械的負荷が多くなっている。これに対して、感
光体を長寿命化するためには、感光体の表面層の耐摩耗
性の向上や膜厚を厚くする等が有効な手段である。感光
体表面層の膜厚を厚くする方法としては、例えば特開平
6−123987号公報に記載されている方法がある。
この方法では、厚膜塗膜の乾燥時の泡の発生を防ぐため
に、沸点の異なる溶媒を組み合わせて用いている。しか
し、従来の方法で表面層を28μm以上の厚膜で形成す
る場合、例えば導電性基体を感光層形成用塗工液中に浸
漬させた後引き上げて塗工する浸漬塗工法により導電性
基体上に感光層形成用塗工液を塗工する場合、導電性基
体の上側の塗工液が垂れ落ちて膜厚が薄くなり、感光層
膜厚が不均一になるという問題がある。膜厚が不均一な
感光体を電子写真装置に適用して繰り返し使用すると、
膜厚の薄い部分では十分な帯電電位や光応答性が得られ
なくなり、画質が低下するまでの印刷枚数が少なくな
り、部分的な画像不良が発生し、寿命が短くなるという
問題が発生する。
【0007】また、最近、地球環境保護、特に、大気中
のオゾン層の分解を防ぐ対策として、ハロゲン系有機溶
剤に対する使用規制が唱えられており、例えば、1,
1,1−トリクロロエタンは、その製造及び使用に制限
が与えられている。また、溶解力が強く、蒸発速度が速
い理由から、有機感光体用塗工液の溶剤として一般的に
使用されてきたジクロロメタンは、発癌性の点からその
使用が規制される傾向にある。今後、その他のハロゲン
系有機溶剤についても、その使用を自主的に規制するこ
とが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜厚が例え
ば28μm以上と厚く、膜厚の最大値と最小値の差が2
μm以下と均一な膜を形成することができ、しかも地球
環境や人体への悪影響が少なく作業性に優れる電子写真
感光体製造用塗工液を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、この電子写真感光体製造用塗工液を用
い、膜厚が厚く、しかも均一性に優れる層を感光層の表
面層として有する電子写真感光体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも電
荷輸送物質と、結合剤と、ハロゲン原子を含有しない溶
剤とを含有し、該電荷輸送物質及び結合剤が該溶剤中に
溶解している塗工液であって、20℃における粘度が2
10〜1000mPa・sであることを特徴とする、電
子写真感光体製造用塗工液を提供するものである。
【0010】また、本発明は、導電性基体上に、上記本
発明の塗工液を塗工、乾燥して形成された膜厚28μm
以上の表面層を有する感光層を形成することからなる電
子写真感光体の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の態様】本発明の塗工液は、電子写真感光
体の感光層の形成に用いられ、特に、感光層の厚膜表面
層の形成に好適に用いられる。感光層が電荷発生層と電
荷輸送層とを有する積層型電子写真感光体を製造する場
合には、本発明の塗工液を用いて電荷輸送層を形成し、
感光層の表面層とすることが好ましい。感光層が電荷発
生物質、電荷輸送物質及び結合剤を含有する単層型の電
子写真感光体を製造する場合には、本発明の塗工液とし
て更に電荷発生物質を含有する塗工液を用いて単層の感
光層を形成することができる。
【0012】本発明の塗工液に含まれる電荷輸送物質と
しては、電子写真感光体の電荷輸送物質として通常用い
られるものであれば、特に制限はない。例えば、高分子
化合物では、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン
化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチ
オフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリ
ジン、ポリビニルピラゾリン等が挙げられ、低分子化合
物では、フルオレノン、フルオレン、2,7−ジニトロ
−9−フルオレノン、4H−インデノ(1,2,6)チ
オフェン−4−オン、3,7−ジニトロ−ジベンゾチオ
フェン−5−オキサイド、1−ブロムピレン、2−フェ
ニルピレン、カルバゾール、N−エチルカルバゾール、
3−フェニルカルバゾール、3−(N−メチル−N−フ
ェニルヒドラゾン)メチル−9−エチルカルバゾール、
2−フェニルインドール、2−フェニルナフタレン、オ
キサゾール、オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4
−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル
−3−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、p
−(ジメチルアミノ)スチルベン、2−(4−ジプロピ
ルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−(2−クロロフェニル)−1,3−オキサゾ
ール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4
−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロフェ
ニル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)
−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾー
ル、2−(4−ジプロピルアミノフェニル)−4−(4
−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロフェ
ニル)−1,3−オキサゾール、2−フェニル−4−
(4−ジエチルアミノフェニル)−5−フェニルオキサ
ゾール、イミダゾール、クセリン、テトラフェン、アク
リデン、トリフェニルアミン、オキサトリアゾール、こ
れらの誘導体、4−N′,N′−ジフェニルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−
N′,N′−ジトリルアミノベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾン、N,N,N′,N′−テトラ
フェニルベンジジン、N、N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジン、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(4−メチルフェニル)ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(3−メチ
ルフェニル)ベンジジン、N,N,N′,N′−テトラ
キス(4−メチルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチ
ルフェニル)トリジン、各種ヒドラゾン類、スチリル化
合物、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、並びにこれ
らの誘導体などが挙げられる。
【0013】本発明の塗工液において使用し得る結合剤
としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネ
ート共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリホ
ルマール樹脂、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキ
サイド)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセ
タール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリアク
リル樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル樹脂、
ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド樹
脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピラゾリン、
ポリビニルピレン等が挙げられる。また、熱及び/又は
光によって架橋される熱硬化型樹脂及び光硬化型樹脂も
使用できる。いずれにしても絶縁性で通常の状態で被膜
を形成しうる樹脂、熱及び/又は光によって硬化し、被
膜を形成する樹脂であれば特に制限はない。
【0014】本発明の塗工液中の結合剤の配合量は、電
荷輸送物質の総量100重量部に対して、1〜500重
量部とすることが好ましく、30〜500重量部とする
ことがより好ましい。なお、電荷輸送物質が低分子化合
物の場合には、結合剤の配合量は、電荷輸送物質100
重量部に対して、50〜500重量部とすることが好ま
しく、50〜300重量部とすることがより好ましい。
【0015】また、本発明の塗工液には、必要に応じ
て、可塑剤、流動性付与剤、ピンホール抑制剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加することができ
る。
【0016】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、
3,3′,4,4′−テトラメチル−1,1′−ビフェ
ニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−m−ターフ
ェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、
ジブチルフタレート等が挙げられる。
【0017】流動性付与剤としては、例えば、モダフロ
ー(モンサントケミカル社製)、アクロナール4F(バ
スフ社製)等が挙げられる。
【0018】ピンホール抑制剤としては、例えば、ベン
ゾイン、ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0019】酸化防止剤及び紫外線吸収剤としては、例
えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、2−(5−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−
ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、アンチゲ
ンFR(大内振興化学社製)等が挙げられる。
【0020】これらの添加剤は適宜選択して使用され、
その使用量は、電荷輸送物質の総量100重量部に対し
て30重量部以下とすることが好ましい。
【0021】本発明の塗工液に用いられる溶剤は、ハロ
ゲン原子を含有しない溶剤であり、例えば、芳香族炭化
水素系溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ケト
ン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロ
ピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、
エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、1,3−ジオキソラン、エチルセロソルブ、アニ
ソール、フェネトール等)、エステル系溶剤(酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸第2ブチル、酢酸
イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト等)、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等)などが挙げられる。中で
も、電荷輸送物質の溶解性の高さ等の点から、芳香族炭
化水素、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶
剤が好ましく、特に、トルエン、キシレン、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、フェネト
ール、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸第2ブチ
ル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート等が好ましい。これらの溶剤は単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0022】本発明の塗工液に使用されるハロゲン原子
を含有しない溶剤の量は、結合剤の分子量により異なる
が、通常、結合剤100重量部に対して200〜330
0重量部とすることが好ましく、400〜2000重量
部とすることがより好ましい。
【0023】本発明の塗工液を単層型電子写真感光体の
感光層の形成に用いる場合には、塗工液は更に電荷発生
物質を含有する。
【0024】本発明において使用し得る電荷発生物質
(電荷を発生する有機顔料)としては、例えば、アゾキ
シベンゼン系顔料、ジスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔
料、ベンズイミダゾール系顔料、多環キノン系顔料、イ
ンジゴイド系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔
料、メチン系顔料、α型、β型、γ型、δ型、ε型、χ
型等の各種結晶構造を有する無金属タイプ又は金属タイ
プ及びこれらの混晶タイプのフタロシアニン系顔料な
ど、電荷を発生することが知られている顔料が挙げられ
る。これらの電荷発生物質を単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用することができる。
【0025】これらの顔料は、例えば、特開昭47−3
7543号公報、特開昭47−37544号公報、特開
昭47−18543号公報、特開昭47−18544号
公報、特開昭48−43942号公報、特開昭48−7
0538号公報、特開昭49−1231号公報、特開昭
49−105536号公報、特開昭50−75214号
公報、特開昭53−44028号公報、特開昭54−1
7732号公報等に開示されている。
【0026】また、特開昭58−182640号公報及
びヨーロッパ特許公開第92255号公報等に開示され
ているτ型無金属フタロシアニン、τ′型無金属フタロ
シアニン、η型無金属フタロシアニン及びη′型無金属
フタロシアニンも使用可能である。このようなものの他
に光照射により電荷担体を発生する有機顔料がいずれも
使用することができる。
【0027】本発明の塗工液が電荷発生物質を含有する
場合、電荷発生物質の配合量は、結合剤の総量100重
量部に対して0.001〜40重量部とすることが好ま
しく、0.01〜20重量部とすることがより好まし
い。結合剤の量は、電荷輸送物質の総量100重量部に
対して50〜500重量部とすることが好ましく、50
〜300重量部とすることがより好ましい。また、溶剤
の量は、結合剤の総量100重量部に対して、200〜
3300重量部とすることが好ましく、400〜200
0重量部とすることがより好ましい。また、前記添加剤
の添加量は、電荷輸送物質の総量100重量部に対して
0.001〜30重量部とすることが好ましい。
【0028】本発明の塗工液を調製するに際し、電荷輸
送物質及び結合剤を溶剤に均一に溶解させるために、振
盪、ペイントシェーカー、メカニカル攪拌機、ホモジナ
イザー、ホモミキサー等を使用して溶解することができ
る。
【0029】本発明の塗工液は、20℃における粘度が
210〜1000mPa・sであることが必須であり、
好ましくは210〜900mPa・sであり、より好ま
しくは210〜700mPa・sであり、特に好ましく
は310〜700mPa・sである。粘度が210mP
a・s未満であると、塗工液の粘度が低過ぎるため、例
えば28μm以上の厚膜の層を形成することが困難であ
り、また、塗工後に上部の塗膜から塗工液が垂れ落ちて
しまうために、膜厚が不均一となる。一方、粘度が10
00mPa・sより高いと、塗工液の流動性が著しく低
下し、生産性が著しく低下する傾向がある。
【0030】本発明の電子写真感光体の製造方法は、導
電性基体上に、本発明の塗工液を塗工、乾燥して形成さ
れた膜厚28μm以上の表面層を有する感光層を形成す
ることからなる。
【0031】本発明の方法に用いられる導電性基体とし
ては、通常、電子写真感光体の製造に用いられるもので
あれば特に制限なく使用することができ、例えば、導電
処理した紙又はプラスチックフィルム、アルミニウムの
ような金属箔を積層したプラスチックフィルム、金属板
等が挙げられ、その形状においても特に制限はない。
【0032】感光層が、少なくとも電荷発生物質を含有
する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質及び結合剤
を含有する電荷輸送層とを有するものである場合、導電
性基体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発
生層を形成し、この電荷発生層上に、本発明の塗工液を
塗工、乾燥し、膜厚28μm以上の電荷輸送層を感光層
の表面層として形成する。
【0033】電荷発生層の形成方法としては、特に制限
はなく、例えば、導電性基体上に電荷発生物質の層を真
空蒸着法、スパッタリング法等により形成する方法や、
電荷発生物質を含有する塗工液を塗布、乾燥する方法な
どがある。
【0034】電荷発生層を、少なくとも電荷発生物質を
溶剤に溶解又は分散して含有する塗工液を塗布、乾燥し
て形成する場合、必要に応じ、塗工液に結合剤を配合し
てもよい。本発明の方法に使用しうる電荷発生物質とし
ては、上記したものなどが挙げられる。
【0035】電荷発生層形成用の塗工液に配合しうる結
合剤としては、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
タール、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種
単独で又は混合して用いられる。結合剤の配合量は、電
荷発生物質100重量部に対して、0〜500重量部と
することが好ましく、30〜500重量部とすることが
より好ましい。
【0036】また、電荷発生層形成用の塗工液に結合剤
を配合する場合には、必要に応じて、可塑剤、流動性付
与剤、ピンホール抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
の添加剤を添加することができる。
【0037】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、
3,3′,4,4′−テトラメチル−1,1′−ビフェ
ニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−p−ターフ
ェニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−m−ター
フェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリ
ン、ジブチルフタレート等が挙げられる。
【0038】流動性付与剤としては、例えば、モダフロ
ー(モンサントケミカル社製)、アクロナール4F(バ
ズフ社製)等が挙げられる。
【0039】ピンホール抑制剤としては、例えば、ベン
ゾイン、ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0040】酸化防止剤及び紫外線吸収剤としては、例
えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、2−(5−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−
ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル]−2Hベンゾトリアゾール、アンチゲン
FR(大内新興化学社製)等が挙げられる。
【0041】これらの添加剤は、適宜選択して使用する
ことができ、その使用量は、電荷発生物質の総量100
重量部に対して30重量部以下とすることが好ましい。
【0042】電荷発生層形成用の塗工液に使用する溶剤
としては、例えば、芳香族系溶剤(トルエン、キシレ
ン、アニソール等)、ケトン系溶剤(シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン等)、ハロゲン化炭化水素
系溶剤(塩化メチレン、四塩化炭素等)、アルコール系
溶剤(メタノール、エタノール、プロパノール、1−メ
トキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、
2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール
等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキソラン、1,4−ジオキサン等)などが挙げられ
る。なかでも、ハロゲン原子を含有しない溶剤が好まし
く用いられる。これらの溶剤は、単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0043】電荷発生層形成用の塗工液に使用される溶
剤の使用量は、電荷発生物質、結合剤及び添加剤の総量
100重量部に対して、900〜10000重量部とす
ることが好ましく、1900〜8000重量部とするこ
とがより好ましい。この使用量が900重量部未満で
は、好ましい電荷発生層の厚さの上限である1μm以下
の電荷発生層を形成するのが困難となる傾向があり、1
0000重量部を超えると、電荷発生層の厚さの下限で
ある0.01μm以上の電荷発生層を形成することが困
難となる傾向がある。
【0044】また、前記電荷発生物質、結合剤及び添加
剤を溶剤に均一に溶解又は分散させるために、振盪、ペ
イントシェーカー、メカニカル攪拌機、ホモジナイザ
ー、ホモミキサー等を使用することができる。
【0045】電荷発生層形成用の塗工液及び電荷輸送層
形成用の本発明の塗工液を導電性基体上に塗工する方法
としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコーティング
法等が挙げられる。浸漬塗工法としては、電荷発生層形
成用の塗工液又は本発明の電荷輸送層形成用の塗工液
に、導電性基体、又は電荷発生層を形成した導電性基体
を浸漬する方法が挙げられる。塗工した後に行う乾燥
は、通常、60〜140℃、好ましくは80〜135℃
で、5〜90分間、好ましくは10〜80分間行われ
る。
【0046】電荷発生層の厚さは、0.01〜1μmと
することが好ましく、0.1〜0.5μmとすることが
より好ましい。電荷発生層の厚さが0.01μm未満で
は、電荷発生層を均一に形成することが困難となる傾向
があり、1μmを超えると、電子写真特性が低下する傾
向がある。
【0047】本発明の塗工液を用いて形成される電荷輸
送層の厚さは、28μm以上であることが必須であり、
28〜50μmとすることが好ましく、28〜40μm
とすることがより好ましい。電荷輸送層の厚さが50μ
mを超えると、感度が低下する傾向がある。
【0048】単層型の電子写真感光体を作製する場合に
は、少なくとも前記前記電荷発生物質、電荷輸送物質及
び前記結合剤を含有する前記の塗工液を用い、導電性基
体上に単層の感光層を形成する。塗工液の塗工方法、乾
燥方法は、上記と同様である。単層型電子写真感光体に
おける感光層の厚さは、28〜50μmとすることが好
ましく、28〜40μmとすることがより好ましい。
【0049】また、導電性基体上に感光層を形成する前
に、必要に応じ、導電性基体上に下引き層用塗液を塗布
乾燥し、下引き層を薄い接着層又はバリア層として形成
してもよい。下引き層は、感光層の帯電時において、導
電性基体から感光層への電荷の注入を阻止すると共に、
感光層を導電性基体に対して、一体的に接着保持させ、
場合によっては、導電性基体の光の反射防止のために設
けられるものである。その形成には、通常、ポリメチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、
ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ
イミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
アルコール、水溶性ポリエステル、ニトロセルロース、
カゼイン、ゼラチン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノキシ樹脂などの公知の樹脂を含む下引き層用塗液が
用いられる。また、電荷輸送層と電荷発生層との間に、
上記下引き層と同様の樹脂及び必要に応じて電荷発生物
質及び/又は電荷輸送物質を添加した中間層を設けても
よいし、感光層上に、更に保護層を形成してもよい。
【0050】本発明の方法によって製造される電子写真
感光体はコロナ帯電やローラー帯電やブラシ帯電等の直
接帯電による帯電工程と、帯電した電子写真感光体にレ
ーザービーム等により露光を行い、電子写真感光体表面
に静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像が形成され
た電子写真感光体をトナーで現像する現像工程を繰り返
し施されて使用される。
【0051】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を詳述する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】以下の例中に用いる各材料を次に列記す
る。括弧内は略号を示す。 (1)電荷を発生する有機顔料(電荷発生物質) τ型無金属フタロシアニン(τ−H2Pc)(東洋イン
キ(株)製) (2)電荷輸送物質 1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエン(PBD) (3)結合剤樹脂 (A)電荷発生層用 ポリエステル樹脂;バイロン200(V200)(東洋
紡(株)製、商品名)、固形分100% (B)電荷輸送層用 ポリカーボネート樹脂;下記構造を有する(Z−P
C)、固形分100%(帝人化成(株)製)、重量平均
分子量:50000
【0053】
【化1】 (4)導電性基体 外径30mm、長さ260mm、肉厚2mmのアルミニ
ウム管 比較例1 25gのτ−H2Pcと20gのV200をテトラヒド
ロフラン930gに超音波分散機を用いて10時間分散
し、電荷発生層形成用の塗工液を得た。これをアルミニ
ウム管上に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60分間乾
燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0054】次に、50gのPBD及び50gのZ−P
Cをテトラヒドロフラン900gに完全に溶解し、電荷
輸送層形成用の塗工液を得た。電荷発生層を形成したア
ルミニウム管を垂直にこの塗工液中に浸漬して垂直に引
き上げて電荷発生層上に塗工し、垂直の状態で80℃で
60分間乾燥して膜厚約28μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作製した。得られた電荷輸送層形
成用の塗工液の20℃における粘度は、BL型粘度で測
定した。また、得られた感光体の図1に示す位置の膜厚
を膜厚計(品名:FERMSCOPE、HELMUT
FISOHERGMBM社製)で測定した。結果を表1
に示す。次に、この感光体を市販のプリンターに搭載し
て15万サイクルの実印刷試験を行い、画質の変化を調
べた。結果を表2に示す。
【0055】実施例1 電荷輸送層形成用の塗工液として、75gのPBD及び
75gのZ−PCを850gのテトラヒドロフランに完
全に溶解したものを用いた以外は、前記比較例1と同様
の方法で電荷輸送層膜厚28μmの電子写真感光体を作
製した。得られた電荷輸送層形成用の塗工液の20℃に
おける粘度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同
様にして行った。結果を表1に示す。また、作製した電
子写真感光体の実印刷試験を比較例1と同様にして行っ
た。結果を表2に示す。
【0056】実施例2 電荷輸送層形成用の塗工液として、100gのPBD及
び100gのZ−PCを800gのテトラヒドロフラン
に完全に溶解したものを用いた以外は比較例1と同様の
方法で電荷輸送層膜厚28μmの電子写真感光体を作製
した。次に電荷輸送層形成用の塗工液の20℃における
粘度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同様にし
て行った。結果を表1に示す。
【0057】実施例3 電荷輸送層形成用の塗工液として、75gのPBD及び
75gのZ−PCを850gのテトラヒドロフランに完
全に溶解したものを用いた以外は比較例1と同様の方法
で電荷輸送層膜厚約35μmの電子写真感光体を作製し
た。次に電荷輸送層形成用の塗工液の20℃における粘
度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同様にして
行った。結果を表1に示す。
【0058】比較例2 電荷輸送層形成用の塗工液として、50gのPBD及び
50gのZ−PCを810gのテトラヒドロフランと9
0gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート
に完全に溶解したものを用いた以外は比較例1と同様の
方法で電荷輸送層膜厚約28μmの電子写真感光体を作
製した。次に電荷輸送層形成用の塗工液の20℃におけ
る粘度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同様に
して行った。結果を表1に示す。
【0059】実施例4 電荷輸送層形成用の塗工液として、75gのPBD及び
75gのZ−PCを805gのテトラヒドロフランと4
5gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート
に完全に溶解したものを用いた以外は比較例1と同様の
方法で電荷輸送層膜厚28μmの電子写真感光体を作製
した。次に電荷輸送層形成用の塗工液の20℃における
粘度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同様にし
て行った。結果を表1に示す。
【0060】実施例5 電荷輸送層形成用の塗工液として、100gのPBD及
び100gのZ−PCを720gのテトラヒドロフラン
と80gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテ
ートに完全に溶解したものを用いた以外は比較例1と同
様の方法で電荷輸送層膜厚28μmの電子写真感光体を
作製した。次に電荷輸送層形成用の塗工液の20℃にお
ける粘度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同様
にして行った。結果を表1に示す。
【0061】実施例6 電荷輸送層形成用の塗工液として、75gのPBD及び
75gのZ−PCを805gのテトラヒドロフランと4
5gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート
に完全に溶解したものを用いた以外は比較例1と同様の
方法で電荷輸送層膜厚約35μmの電子写真感光体を作
製した。次に電荷輸送層形成用の塗工液の20℃におけ
る粘度及び電荷輸送層の膜厚の測定を比較例1と同様に
して行った。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明の塗工液及び製造法を用いて製造
した電子写真感光体は、電子写真装置に適用して使用し
た場合に、画像欠陥を発生することなく長寿命を有する
ものである。
【0065】本発明の塗工液及び製造方法を用いて電子
写真感光体の表面層、例えば電荷輸送層を形成すること
により、表面層が28μm以上と厚膜であっても、感光
体全体にわたる膜厚が最大値と最小値の差が2μm以下
と均一な表面層を形成することができ、電子写真装置に
適用して使用した場合に画像欠陥を発生することなく長
寿命を有する電子写真感光体を作製することができる。
しかも、本発明の塗工液は、ハロゲン原子を含有する溶
剤を用いないことから、環境破壊や人体への悪影響が小
さいという観点からも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で作製した電子写真感光体の電
荷輸送層の膜厚を測定した位置を示す説明図。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 浸漬塗工時の上端 3 浸漬塗工時の下端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 進 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 藤井 徹也 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 崎尾 進 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA20 AA35 AA37 EA14 EA16 4D075 CA50 DC21 DC27 EA07 EA45

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電荷輸送物質と、結合剤と、
    ハロゲン原子を含有しない溶剤とを含有し、該電荷輸送
    物質及び結合剤が該溶剤中に溶解している塗工液であっ
    て、20℃における粘度が210〜1000mPa・s
    であることを特徴とする、電子写真感光体製造用塗工
    液。
  2. 【請求項2】 塗工液中の溶剤がトルエン、キシレン、
    テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソー
    ル、フェネトール、メチルエチルケトン、メチルプロピ
    ルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
    酸第2ブチル、酢酸イソブチル及びプロピレングリコー
    ルモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれ
    るものである請求項1記載の塗工液。
  3. 【請求項3】 導電性基体上に、請求項1記載の塗工液
    を塗工、乾燥して形成された膜厚28μm以上の表面層
    を有する感光層を形成することからなる電子写真感光体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 感光層が、少なくとも電荷発生物質を含
    有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質及び結合
    剤を含有する電荷輸送層とを有するものであり、導電性
    基体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生
    層を形成し、該電荷発生層上に、該塗工液を塗工、乾燥
    して膜厚28μm以上の電荷輸送層を表面層として形成
    する請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 該塗工液が少なくとも電荷発生物質、電
    荷輸送物質及び結合剤をハロゲン原子を含有しない溶剤
    に溶解又は分散したものであり、導電性基体上に、該塗
    工液を塗工、乾燥して、少なくとも電荷発生物質、電荷
    輸送物質及び結合剤を含有する膜厚28μm以上の感光
    層を形成する請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 塗工液中の溶剤がトルエン、キシレン、
    テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソー
    ル、フェネトール、メチルエチルケトン、メチルプロピ
    ルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
    酸第2ブチル、酢酸イソブチル及びプロピレングリコー
    ルモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれ
    るものである請求項3、4又は5記載の方法。
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