JP3244951B2 - 電子写真感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写真装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体及びこの
電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としてはセレン、
酸化亜鉛、カドミウムなどを主成分とする感光層を有す
る無機感光体が広く用いられてきた。無機感光体は感光
層の成膜が困難であり、可塑性が悪い、製造コストが高
い等問題があった。更に、無機光導電性材料は一般的に
毒性が強く、製造上並びに取り扱い上にも大きな制約が
あった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
有機感光体は、無機感光体の上記欠点を補う等多くの利
点を有し近年注目を集めており、これまで数多くの提案
がされ、いくつかは実用化されてきている。
【0004】このような有機感光体としては、ポリ−N
−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマー
と、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のル
イス酸とから形成される電荷移動錯体を主成分とする電
子写真感光体が提案されている。これらの有機光導電性
化合物は、無機光導電性化合物に比べ軽量性、成膜性な
どの点では優れているが、感度、耐久性、環境変化によ
る安定性などの面で無機光導電性化合物に比べて劣って
おり必ずしも満足できるものではない。
【0005】一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそ
れぞれ別々の物質に分担させた機能分離型電子写真感光
体が、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久
性に著しい改善をもたらした。このような機能分離型感
光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質の材料選択範囲が
広く、所望の特性を有する電子写真感光体を比較的容易
に作成できるという利点を有している。
【0006】電荷発生物質としては、従来から種々のア
ゾ顔料、多環キノン顔料、シアニン色素、スクエアリッ
ク酸染料、ピリリウム塩系色素などが知られている。そ
の中でもアゾ顔料は耐光性が強い、電荷発生能力が大き
い、材料合成が容易などの点から多くの構造が提唱され
ている。
【0007】一方電荷輸送物質としては、例えば特公昭
52−4188号公報のピラゾリン化合物、特公昭55
−42380号公報及び特開昭55−52063号公報
のヒドラゾン化合物、特開平3−114058号公報及
び特開平5−53349号公報のトリフェニルアミン化
合物、特開昭54−151955号公報及び特開昭58
−198043号公報のスチルベン化合物などが知られ
ている。上記トリフェニルアミン化合物は本発明で使用
するものと違い、電荷輸送物質として十分な性能を有し
ていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】感光体には、クリーニ
ングブレード等の部材が接触しているが、クリーニング
ブレード等を感光体に接触させたまま、感光体を長期間
使用しないと、電荷輸送層にクラックが生じたり、電荷
輸送物質が結晶化して相分離する現象が生じ、画像欠陥
の原因となった。また、耐久性向上のために保護層を設
けた場合、保護層によって電荷輸送層が悪影響を受けて
電荷輸送層にクラックが生じたり、電荷輸送物質が結晶
化して相分離する場合があった。
【0009】また、近年のデジタル化に対応した反転現
像方法では、一次帯電と転写帯電が逆極性なため、転写
帯電を行なう場合と行なわない場合とで一次帯電の電位
が異なるいわゆる転写メモリーが生じ、画像上濃度むら
として非常に現れ易くなっている。
【0010】本発明の目的は、長期間使用しなかった
り、あるいは保護層を設けても、電荷輸送層にクラック
が生じることも、電荷輸送物質が結晶化することもない
電子写真感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写
真装置を提供することにある。
【0011】また本発明の目的は、感度が良好であると
共に、繰り返し使用しても電子写真特性が安定で、しか
も反転現像方法での転写メモリーの生じにくい電子写真
感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写真装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真感光体
は、支持体と、前記支持体上に形成した感光層とを有
し、アルキル基を3個有するフェニル基を少なくとも2
個有するトリフェニルアミンを、前記感光層に含有した
ものである。
【0013】本発明の電子写真装置は、上記の電子写真
感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段
と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行ない
静電潜像を形成する像露光手段と、静電潜像の形成され
た前記電子写真感光体をトナーで現像する現像手段とを
有するものである。
【0014】本発明の装置ユニットは、帯電手段、現像
手段及びクリーニング手段のうちの少なくとも1つを上
記の電子写真感光体とともに一体化し、電子写真装置に
着脱自在の構成にしたものである。
【0015】本発明の電子写真感光体は、支持体上の感
光層に、アルキル基が3個結合したフェニル基を少なく
とも2個有するトリフェニルアミンを含有する。このト
リフェニルアミンは電荷輸送物質として使用されるもの
で、構造式によると以下の一般式[1]で示される。
【外2】
【0016】一般式[1]中、Ar1、Ar2及びAr3
はフェニル基を表わす。Ar1−Ar3のうち少なくとも
2個のフェニル基にはそれぞれ3個のアルキル基が置換
基として結合している。
【0017】3個のアルキル基のうち、1個のアルキル
基は窒素原子に対してメタの位置にあるのが好ましい
【0018】更に、3個のアルキル基のうち、1個のア
ルキル基は窒素原子に対してメタの位置にあり、かつ1
個のアルキル基は窒素原子に対してパラの位置にあるこ
とが好ましい。
【0019】アルキル基としては炭素数1〜4のもの、
即ちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ま
しい。
【0020】以下に、本発明で使用するトリフェニルア
ミンの好適な例を示す。
【外3】
【0021】
【外4】
【0022】
【外5】
【0023】
【外6】
【0024】
【外7】
【0025】
【外8】
【0026】
【外9】
【0027】次に前記化合物の合成例を示す。
【0028】(例示化合物No.(2)の合成法) 2,3,4−トリメチルヨードベンゼン15.0g(6
1.0mmol)、トルイジン2.6g(24.4mm
ol)、無水炭酸カリウム18.0g及び銅粉7.4g
をo−ジクロロベンゼン10mlに加え、窒素気流中で
撹拌しながら加熱還流を16時間行なった。
【0029】放冷後、吸引ろ過し、ろ液から減圧下でo
−ジクロロベンゼンを除去した。残留物をシリカゲルカ
ラムで分離精製し目的化合物である例示化合物No.
)を5.27g(収率62.9%)得た。
【0030】他の化合物も同様の方法で合成される。
【0031】本発明の感光体は、上述のトリアリールア
ミン化合物の電荷輸送物質と適当な電荷発生物質とを組
み合わせて用いる。
【0032】感光層の構成としては、例えば以下の形態
が挙げられる。 (a)支持体側から順に電荷発生物質を含有する電荷発
生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した
もの。 (b)支持体側から順に電荷輸送層と電荷発生層とを積
層したもの。 (c)電荷発生物質と電荷輸送物質とを一緒に含有した
もの。 (d)支持体側から順に電荷発生層と電荷発生物質及び
電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層したもの。
【0033】本発明で用いるトリアリールアミン化合物
は正孔に対し高い輸送能を有するため、電荷輸送物質と
して用いることができる。感光層の形態が(a)の場合
は負帯電、(b)の場合は正帯電が好ましく、(c)及
び(d)の場合は正、負帯電いずれでも使用することが
できる。(a)〜(d)の構成のうち、特に(a)の構
成が好ましい。
【0034】電荷発生物質としては、例えばアゾ系顔料
(例えばモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなど)、フタ
ロシアニン系顔料(例えば金属フタロシアニン、非金属
フタロシアニン)、インジゴ系顔料(例えばインジゴ、
チオインジゴなど)、多環キノン系顔料(例えばアンス
ラキノン、ピレンキノンなど)、ペリレン系顔料(例え
ばペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなど)、スクワ
リウム系色素、ピリリウム、チオピリリウム塩類、トリ
フェニルメタン系色素などが挙げられる。また、セレ
ン、セレン−テルルあるいはアモルファスシリコンなど
の無機材料も、電荷発生物質として使用することができ
る。
【0035】本発明においては、特に下記構造のチタニ
ルフタロシアニンを電荷発生物質として使用するのが好
ましい。
【外10】
【0036】本発明で電荷輸送物質として使用するトリ
フェニルアミン以外に、公知の電荷輸送物質を感光層に
含有してもよい。
【0037】感光層が単一層の場合、感光層の厚みは5
〜100μmが好ましく、更には10〜60μmが好ま
しい。単一層の感光層には、電荷発生物質及び電荷輸送
物質を各々の10〜70重量%、更には20〜70重量
%含有するのが好ましい。
【0038】感光層が積層構造の場合、電荷発生層の厚
みは0.001〜5μm、更には0.01〜2μmが好
ましく、電荷輸送層の厚みは5〜40μm、更には10
〜30μmが好ましい。電荷発生層には、電荷発生物質
を20〜100重量%、更には50〜100重量%含有
するのが好ましい。電荷輸送層には、本発明で使用する
トリフェニルアミンを、結着樹脂100重量部に対して
10〜500重量部含有するのが好ましい。
【0039】本発明の電子写真感光体は、感光層に使用
する材料を真空蒸着、スパッタ、CVDあるいは適当な
結着樹脂と組み合わせて、浸漬コーティング法、スプレ
ーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラ
ーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレ
ードコーティング法などのコーティング法を用いて支持
体上に成膜して得られる。
【0040】感光層(積層構造の場合は、電荷発生層及
び電荷輸送層)で使用する結着樹脂としては、広範囲な
結着樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラー
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹
脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらは単独または
共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合して用
いてもよい。更にポリビニルカルバゾール、ポリビニル
アントラセンが、電荷輸送層の結着樹脂として使用でき
る。
【0041】支持体は、アルミニウム、アルミニウム合
金、銅、チタン、ステンレスなどの金属や合金、また
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなどの高分子材料、更に、硬質紙などの材料を用い
て製造することができる。支持体の形状は、円筒状、ベ
ルト状あるいはシート状が好ましい。支持体を構成する
材料の体積抵抗が高い場合には、導電処理をする必要が
ある。導電処理は、支持体上に導電性薄膜を形成した
り、あるいは支持体内に導電性物質を分散させて行なう
ことができる。
【0042】本発明の電子写真感光体においては、光導
電層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構
成される。保護層を構成する材料としては、例えばポリ
エステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリ
アセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などが挙げら
れる。保護層の膜厚は0.05〜15μm、更には1〜
10μmが好ましい。
【0043】支持体と感光層との間に、下引き層を設け
てもよい。下引き層は界面での電荷注入制御や接着層と
して機能する。下引き層は主に結着樹脂からなるが、導
電性材料や界面活性剤などを含有してもよい。下引き層
を形成する結着樹脂としては、ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ
プロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサル
ホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ナイロ
ン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹
脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。下引き層の膜厚
は0.05〜7μm、更には0.1〜2μmが好まし
い。
【0044】また、感光層には必要に応じ増感剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤あるいは可塑剤等を添加してもよ
い。
【0045】次に、本発明の電子写真感光体を用いた電
子写真装置について説明する。
【0046】図において、1は本発明のドラム型感光
体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転
駆動する。該感光体1はその回転過程で帯電手段2によ
りその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、
次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光像露光
L(スリット露光あるいはレーザービーム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。
【0047】その静電潜像はついで現像手段4でトナー
現像されそのトナー現像像が転写手段5により不図示の
給紙部から感光体1と転写手段5の間に感光体1の回転
と同期取り出されて給紙された記録材Pの面に順次転写
されていく。
【0048】像転写を受けた記録材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0049】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化さ
れ、更に前露光手段7により除電処理されて繰り返して
像形成に使用される。
【0050】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
も転写手段が一般に広く使用されている。電子写真装置
として、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段な
どの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして
一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対し
て着脱自在に構成しても良い。例えば、帯電手段、現像
手段及びクリーニング手段のうちの少なくとも1つを感
光体とともに一体化してひとつの装置ユニットとし、装
置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成
にしても良い。
【0051】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号に基
づいてレーザービームを走査したり、LEDアレイを駆
動したり、または液晶シャッターアレイを駆動すること
などにより行なわれる。
【0052】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンタ
ー、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いる
ことができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明する。
【0054】実施例 下記構造式で示されるビスアゾ顔料3.2gを、ブチラ
ール樹脂(ブチラール化度72mol%)3gをシクロ
ヘキサノン80mlに溶解した液とともにサンドミルで
24時間分散し、塗工液を調整した。
【外11】
【0055】この塗工液を厚み50μmのアルミシート
上に乾燥後の膜厚が0.21μmとなるようにマイヤー
バーで塗布し電荷発生層を作成した。
【0056】次に、電荷輸送物質として前記例示化合物
No.()のトリフェニルアミン10gとポリカーボ
ネートZ型樹脂(重量平均分子量20,000)10g
とをモノクロルベンゼン68gに溶解し、この液を先の
電荷発生層の上にマイヤーバーで塗布して乾燥膜厚が2
5μmの電荷輸送層とし、本発明の電子写真感光体を作
成した。
【0057】このようにして作成した電子写真感光体を
川口電気(株)製静電複写紙試験装置Model−SP
−428を用いてスタチック方式で−5KVでコロナ帯
電し、暗所で1秒間保持したあと、照度20Luxの白
色光で露光し帯電特性を調べた。
【0058】帯電特性は、帯電直後の表面電位
(V 0 )、1秒間暗減衰させた時の電位(V 1 )、電位
(V 1 )を1/5に減衰するのに必要な露光量(E 1/5
を測定して評価した。
【0059】更に、この感光体を繰り返し使用したとき
の明部電位と暗部電位の変動を測定するために、本実施
例で作成した感光体をドラムに貼り付け、このドラムを
キヤノン(株)製PPC複写機NP−3825に装着し
て同機で3000枚の記録紙に連続複写を行ない、初期
と3000枚複写後の明部電位(V L )の変動分 L
び同じく暗部電位(V D )の変動分 D を測定した。
尚、初期のV D とV L は、 それぞれ−700V、−200
Vとなるように設定した。
【0060】また、前記のように作成した電子写真感光
体の表面を指でさわり、その後この感光体を常温常圧下
で8時間放置した。こうして感光層にクラックが生じて
いるか否かを観察した。
【0061】また、前記のようにして作成した電子写真
感光体の表面を指でさわり、その後、この感光体を75
?の恒温槽に1週間置いた。こうして電荷輸送物質の結
晶化が生じているか否かを観察した。
【0062】評価結果を表に示した。
【0063】実施例 実施例で用いた電荷輸送物質No.()の代わり
に、表に示したように前に例示したトリフェニルアミ
ンを用い、その他は実施例と同様にして電子写真感光
体を作成した。
【0064】こうして得た各感光体について、実施例1
と同様に評価した。評価結果を表に示した。
【0065】比較例 実施例で用いた電荷輸送物質No.()の代わりに
下記の化合物を用い、その他は実施例と同様にして電
子写真感光体を作成した。
【0066】こうして得た感光体について、実施例1と
同様に評価した。評価結果を表に示した。
【外12】
【0067】
【表1】
【0068】実施例10 厚み50μmのアルミシート上に、N−メトキシメチル
化6ナイロン樹脂(重量平均分子量30,000)6.
0gとアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂(重量平均
分子量30,000)10.0gをメタノール92gに
溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が1
μmの下引層を設けた。次に下記構造式に示される電荷
発生物質3.2gを、シクロヘキサノン160gにフェ
ノキシ樹脂3.0gを溶かした液に加えてボールミルで
24時間分散した。この分散液を先に形成した下引層の
上にブレードコーティング法により塗布し乾燥後の膜厚
が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【外13】
【0069】次に、電荷輸送物質として前記例示化合物
No.()のトリフェニルアミン9.5gとポリカー
ボネートZ型樹脂(重量平均分子量40,000)10
gとをモノクロルベンゼン68gに溶解し、この液を先
に形成した電荷発生層の上にブレードコーティング法に
より塗布し乾燥後の膜厚が25μmの電荷輸送層を形成
した。
【0070】このようにして作成した電子写真感光体を
川口電気(株)製静電複写紙試験装置Model−SP
−428を用いてスタチック方式で−5KVでコロナ帯
電し、暗所で1秒間保持したあと、ガリウム/アルミニ
ウム/ヒ素の三元系半導体レーザー(出力5mW、発振
波長780nm)を用いて露光し帯電特性を調べた。
【0071】帯電特性は、帯電直後の表面電位
(V 0 )、1秒間暗減衰させた時の電位(V 1 )、電位
(V 1 )を1/6に減衰するのに必要な露光量(E 1/6
を測定して評価した。
【0072】次に上記のようにして得た感光体をドラム
に貼り付け、このドラムを反転現像方式の電子写真方式
プリンターであるレーザービームプリンター(キヤノン
製LBP−SX)に装着して転写電流OFF時の一次帯
電電圧をV d1 、転写電流ON 時の一次帯電電圧をV d2
して、いわゆる転写メモリー(V d1 −V d2 )を測定し、
その後画像形成テストを行なった。画像形成条件は以下
の通りである。
【0073】一次帯電後の表面電位:−700V 像露光後の表面電位:−150V(露光量1.0μJ/
cm 2 転写電位:+700V 現像極性:負極性 プロセススピード:47mm/sec 現像条件(現像バイアス):−450V 像露光後スキャン方式:イメージスキャン 一次帯電前露光:8.0Lux・secの赤色全面露光 画像形成はレーザービームを文字信号及び図形信号に従
ってラインスキャンして行なったが、文字、図形ともに
良好なプリントが得られた。
【0074】また上記と同様にして作成した感光体の、
電荷輸送層のクラック及び電荷輸送物質の結晶化の評価
を実施例1と同様の方法によって評価した。
【0075】評価結果を表2に示した。
【0076】実施例1115 実施例10で用いたトリフェニルアミンNo.()の
代わりに電荷輸送物質として表に示したように前に例
示したトリフェニルアミンを用い、その他は実施例10
と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0077】こうして得た各感光体について、実施例
と同様に評価した。評価結果を表に示した。
【0078】比較例 実施例10で用いたトリフェニルアミンNo.()の
代わりに下記構造式で示される化合物を用い、その他は
実施例10と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0079】こうして得た感光体について実施例10
同様に評価した。評価結果を表に示した。
【外14】
【0080】
【表2】
【0081】実施例1621 電荷発生物質として下記構造式に示される化合物を用
い、電荷輸送物質として表に示したように前に例示し
トリフェニルアミンを用い、その他は、実施例33と
全く同様の方法で感光体を作成した。
【0082】こうして得た各感光体について、実施例
と同様に評価した。評価結果を表に示した。
【外15】
【0083】
【表3】
【0084】実施例22 厚み50μmのアルミシート上に、アルコール可溶性ナ
イロン(6−66−610−12四元ナイロン共重合)
の30%メタノール溶液を塗布し、乾燥後の膜厚が1.
2μmの下引層を形成した。
【0085】次に電荷輸送物質としては前記例示化合物
No.13のトリフェニルアミン9.5gとビスフェノ
ールA型ポリカーボネート樹脂(重量平均分子量20,
000)10gとをモノクロルベンゼン(60重量部)
−ジクロロメタン(20重量部)溶液75gに溶解し、
この液を先に作成した下引層の上にマイヤーバーで塗布
し、乾燥後の膜厚が18μmの電荷輸送層を作成した。
【0086】更に下記構造式で示される顔料3.2gと
ブリラール樹脂(ブチラール化度63mol%)2.0
gをテトラヒドロフラン70ml中サンドミルで分散
し、この分散液を先に作成した電荷輸送層の上に乾燥後
の膜厚が0.8μmになるようにマイヤーバーで塗布し
て電荷発生層を作成した。
【外16】
【0087】こうして得た感光体の初期特性を実施例1
と同様にして測定した。ただし、帯電はプラス帯電とし
た。測定結果を以下に示した。
【0088】 V0=+700(V) V1=+692(V) E1/5=3.1(Lux・sec) 実施例23 板状のガラス支持体上に、N−メトキシメチル化6ナイ
ロン樹脂(重量平均分子量28,000)5gとアルコ
ール可溶性共重合ナイロン樹脂(重量平均分子量28,
000)9gとを、メタノール35g及びブタノール6
5gの混合溶液に溶解した液を浸漬塗布し、乾燥後の膜
厚が1μmの下引層を設けた。
【0089】次に前記例示化合物No.16のトリフェ
ニルアミン10gとビスフェノールA型ポリカーボネー
ト樹脂(重量平均分子量20,000)12gをモノク
ロクベンゼン(40重量部)−ジクロロメタン(60重
量部)溶液100gに溶解し、この液を先に作成した下
引層の上にマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が20
μmの電荷輸送層を作成した。
【0090】次に下記構造式のアクリル系モノマー60
g、分散前の平均粒径が400 の酸化スズ超微粒子4
0g、光開始剤として2−メチルチオキサントン3g、
メチルセルソルブ280gをサンドミルにて72時間分
散した。
【外17】
【0091】この分散液を用いて、上記電荷輸送層上に
ビームコーティング法により膜を形成し、膜が乾燥した
後、高圧水銀灯にて8mW/cm 2 の光強度で30秒間
光硬化を行ない厚み2.1μmの保護層を設けた。
【0092】こうして得たサンプルの電荷輸送層を透過
型顕微鏡(倍率10倍)で観察した。透過型顕微鏡によ
る観察は、ガラス支持体に対し15 の角度でガラス支
持体側から光を当てながら行なった。その結果、電荷輸
送層にはクラックも電荷輸送物質の結晶化も発生してい
なかった。
【0093】本実施例で作成したサンプルは感光体では
ないが、電荷輸送層の保護層による 影響を観察すること
ができる。
【0094】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、電荷輸送層
にクラックが生じたり、電荷輸送物質が結晶化して相分
離することがない。また、本発明の電子写真感光体は感
度が良好であると共に、繰り返し使用しても電子写真特
性が安定で、しかも反転現像方法での転写メモリーも生
じにくい。従って、本発明によると欠陥のない画像が得
られ、しかも繰り返し画像形成を行なっても画像の品質
が劣化しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置
の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 憲裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−324502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、前記支持体上に形成した感光
    層とを有し、アルキル基を3個有するフェニル基を少な
    くとも2個有するトリフェニルアミンを、前記感光層に
    含有したことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 3個の前記アルキル基のうち、1個のア
    ルキル基が窒素原子に対してメタの位置にある請求項
    記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 1個のアルキル基が、窒素原子に対して
    パラの位置にある請求項1または2に記載の電子写真感
    光体。
  4. 【請求項4】 前記アルキル基が、炭素数1〜4のもの
    である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 下記構造のチタニルフタロシアニンを電
    荷発生物質として前記感光層に含有する請求項1〜4の
    いずれかに記載の電子写真感光体。 【外1】
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段
    と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行ない
    静電潜像を形成する像露光手段と、静電潜像の形成され
    た前記電子写真感光体をトナーで現像する現像手段とを
    有することを特徴とする電子写真装置。
  7. 【請求項7】 帯電手段、現像手段及びクリーニング手
    段のうちの少なくとも1つを請求項1〜5のいずれかに
    記載の電子写真感光体とともに一体化し、電 子写真装置
    に着脱自在の構成にしたことを特徴とする装置ユニッ
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