JP3352723B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体の製造方
法に関するものである。詳しくは膜厚が27μm以上の
感光層を有する耐刷性に優れた電子写真感光体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性、高品質の画像
が得られることなどから、近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用され
てきている。電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として従来からのセレン、ヒ素−セ
レン合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の
光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が
容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用
した感光体が開発されている。
【0003】有機系感光体の中でも電荷発生層及び電荷
移動層を積層した、いわゆる積層型感光体が考案され研
究の主流となっている。積層型感光体は、それぞれ効率
の高い電荷発生物質及び電荷移動物質を組合せることに
より高感度な感光体が得られること、材料の選択範囲が
広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生
産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、感光体
の主流になる可能性も高く鋭意開発されている。通常の
積層型感光体においては、電荷発生層は0.5μm程
度、電荷移動層は10〜20μm程度で設けられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在一般に使
用されている積層型感光体はその耐久性においてはまだ
まだ無機系感光体に劣っており、比較的低級機種に限っ
て使用されているのが現状である。この耐久性が劣る大
きな原因の一つとして、電子写真プロセスのクリーニン
グ工程における感光層の摩擦による膜の摩耗が挙げられ
ている。すなわち膜が摩耗することにより帯電電位が下
がり画像上のコントラストが低下するためである。
【0005】この様な膜の摩耗を少なくするためには、
感光層表面の耐摩耗性を向上させることが重要である
が、一方感光層の膜厚を厚くすることも有力な手段の一
つと考えられる。こうすることにより膜の摩耗の絶対量
は同じでも、相対的な膜の摩耗の変化量は小さくなり帯
電電位や感度の変動を少なく抑えることができるためで
ある。
【0006】こうした厚膜化により膜の摩耗による帯電
電位や感度の変動を抑制することができるが、一方感光
体の製造工程での自然乾燥又は強制乾燥時に感光層中に
泡が発生する。この泡は、画像上大きな欠陥となると共
に感光体の製造歩留りを大きく低下させる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、感光層形成用塗布液中
の溶剤を徐々に蒸発させるために、乾燥時の温度より高
い沸点を有する溶剤を感光層形成用塗布液中に適当量混
合し、感光層を形成し、乾燥せしめれば、重大な欠陥と
なる泡の発生を大幅に抑制せしめ、画像および耐刷性に
優れた電子写真感光体を容易に製造し得ることを見い出
し本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明の目的は、高品質且つ耐久性
が向上した電子写真感光体を工業的有利に製造すること
にある。本発明は上述の問題を解決するためになされた
ものでありその要旨は、感光層形成用塗布液を導電性支
持体上に塗布、乾燥して膜厚27μm以上の感光層を有
する電子写真感光体を製造する方法において、該感光層
形成用塗布液が、少なくとも電荷移動剤、バインダー樹
脂及び溶剤を含有し、該溶剤が、35℃から該乾燥温度
までの1気圧における沸点を有する、エーテル類から選
ばれる溶剤70〜90重量%と、該乾燥の温度を超える
1気圧における沸点を有する、芳香族炭化水素類、ケト
ン類、エーテル類、エステル類、アミド類及びジメチル
スルホキシドから選ばれる溶剤30〜10重量%とから
なることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に存す
る。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明方法
に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、
ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、表面にアル
ミニウム、銅、パラジウム、酸化すず、酸化インジウム
等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙等の絶
縁性支持体が挙げられる。なかでもアルミ等の金属のエ
ンドレスパイプが好ましい支持体である。
【0010】導電性支持体と感光層の間には通常使用さ
れているような公知のバリアー層が設けられていてもよ
い。バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化
被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機
層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デ
ンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有
機層が使用される。
【0011】感光層としては、電荷発生物質等の光導電
材料粒子がバインダー樹脂、電荷移動物質等からなるマ
トリックス中に分散されてなる分散型感光層、並びに電
荷発生層及び電荷移動層を積層した積層型感光層のいず
れでも採用し得る。しかし、本発明は特に膜厚27μm
以上の電荷移動層を有する積層型感光層に有用であるの
で、以下、この感光層について説明する。
【0012】電荷発生層に用いられる電荷発生物質とし
ては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、酸化カドミ
ウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電物質、フタロシア
ニン、アゾ色素、キナクリドン、多環キノン、ピリリウ
ム塩、チアピリリウム塩、インジゴ、チオインジゴ、ア
ントアントロン、ピラントロン、ジアニン等の各種有機
顔料、染料が使用できる。
【0013】中でも無金属フタロシアニン、銅塩化イン
ジウム、塩化ガリウム、錫、オキシチタニウム、亜鉛、
バナジウム等の金属又は、その酸化物、塩化物の配位し
たフタロシアニン類、モノアゾ、ピスアゾ、トリスア
ゾ、ポリアゾ類等のアゾ顔料が好ましい。電荷発生層は
これらの物質の均一層或いはバインダー樹脂中に微粒子
分散した状態で使用される。
【0014】そのバインダー樹脂としては、ポリビニル
アセテート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル
酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニ
ルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、セルロ
ースエステル、セルロースエーテル、ウレタン樹脂など
がある。
【0015】電荷発生層の膜厚としては通常、0.1μ
m〜1μm、好ましくは0.15μm〜0.6μmが好
適である。またここで使用される電荷発生物質の含有量
は、バインダー樹脂100重量部に対して20〜300
重量部、好ましくは30〜200重量部の範囲で用いら
れる。電荷移動層中の電荷移動材料としては、例えばポ
リビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリアセナ
フチレン等の高分子化合物または各種ピラゾリン誘導
体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベ
ン誘導体、アミン誘導体等の低分子化合物が使用でき
る。
【0016】これらの電荷移動材料とともにバインダー
樹脂が配合される。好ましいバインダー樹脂としては、
例えばポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、および
その共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
スルフォン、ポリエーテル、ポリケトン、フェノキシ、
エポキシ、シリコーン樹脂等が挙げられ、またこれらの
部分的架橋硬化物も使用される。またこれらの電荷移動
材料の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して
通常30〜200重量部、好ましくは50〜150重量
部の範囲で用いられる。更に電荷移動層には成膜性、可
とう性等を向上するために酸化防止剤、増感剤、レベリ
ング剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。電荷移動層
の膜厚は27μm以上、より好ましくは30μmから5
0μmで使用される。
【0017】感光層形成用塗布液としては、少なくとも
電荷移動剤、バインダー樹脂及び溶剤を含有しており、
更に必要に応じて電荷発生物質等の光導電材料粒子、酸
化防止剤、増感剤、レベリング剤等を含んでいてもよ
い。溶剤としては、その沸点(1気圧における値、以下
同様)が35℃から塗布後の感光体の乾燥温度までの範
囲にある特定の溶剤70〜90重量%とその沸点が塗布
後の乾燥温度を超える範囲にある特定の溶剤30〜10
重量%からなる混合溶剤を用いる。
【0018】低沸点側の溶剤としては、テトラヒドロフ
ラン(沸点66℃)、ジオキサン(沸点101.3
℃)、ジメトキシメタン(沸点42℃)、ジメトキシエ
タン(沸点85.2℃)等のエーテル類である。これら
の溶剤は単独として、或いは混合して使用しても良い。
これらの溶剤は、特に沸点50〜100℃、好ましくは
60〜90℃のものを70〜90重量%用いることが好
ましい。
【0019】これらの溶剤と共に以下から選ばれる溶剤
を少なくとも1種以上使用する。混合割合は5〜50重
量%、好ましくは10〜30重量%の範囲で用いられ
る。その溶剤としては、キシレン(沸点140℃)等の
芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン(沸点155.7
℃)、シクロペンタノン(沸点130℃)、ペントキソ
ン(沸点160℃)、アセチルアセトン(沸点140.
6℃)から選ばれるケトン類、エチルセルソルブ(沸点
135℃)、イソプロピルセルソルブ(沸点141
℃)、アニソール(沸点154℃)から選ばれるエーテ
ル類、酢酸イソペンチル(沸点142℃)、乳酸メチル
(沸点144℃)、メチルセルソルブアセテート(沸点
144.5℃)、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート(沸点146℃)、乳酸エチル(沸点1
54℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点173
℃)、マロン酸ジメチル(沸点184℃)、コハク酸ジ
メチル(沸点195℃)、アセト酢酸メチル(沸点17
0℃)から選ばれるエステル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド(沸点153.0℃)、N,N−ジメチルアセ
トアミド(沸点166.1℃)から選ばれるアミド
類、、ジメチルスルホキシド(沸点189.0℃)で
る。
【0020】感光層の塗布方法としては、スプレー塗布
法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等が
ある。スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレ
ススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレ
ー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホット
エアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための
微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレ
ーにおいて、再公表平1−805198号に開示されて
いる搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながら
その軸方向に間隔を空けることなく連続して搬送するこ
とにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れ
た電子写真感光体を得ることができる。
【0021】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966
号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連
続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報
に開示されているマルチノズル体を用いた方法等があ
る。
【0022】以下、浸漬塗布法について説明する。上述
した電荷移動剤、バインダー等の材料、溶剤を用いて全
固形分濃度が25%以上、より好ましくは25%以上4
0%以下で、かつ粘度が通常50センチポアーズ〜30
0センチポアーズ以下、好ましくは100センチポアー
ズ〜200センチポアーズ以下の感光層形成用塗布液を
調整する。ここで実質的に塗布液の粘度はバインダーポ
リマーの種類及びその分子量により決るが、あまり分子
量が低い場合にはポリマー自身の機械的強度が低下する
ためこれを損わない程度の分子量を持つバインダーポリ
マーを使用することが好ましい。この様にして調整され
た塗布液を用いて浸漬塗布法により感光層である電荷移
動層が形成される。
【0023】電荷移動層の膜厚は乾燥後に27μm以
上、より好ましくは30μmから50μmとなる様に塗
布速度を調整しなければならない。ここで塗布速度とは
液面に対する被塗布体の引上げ速度のことであり、およ
そ30〜80cm/分が適当である。塗布速度がこれよ
り遅い場合には非常に生産性が悪くなり、速い場合には
塗布装置の振動等に影響されやすくなり均一な塗膜が得
にくくなる。
【0024】その後塗膜を乾燥させ、必要且つ充分な乾
燥が行われる様に乾燥の温度と時間を調整すると良い。
乾燥時温度としては通常、100〜250℃、好ましく
は110〜170℃、さらに好ましくは120〜140
℃の範囲である。ここで乾燥時の温度とは塗布された感
光体の乾燥時の表面温度をいう。低沸点の溶剤の沸点と
の温度差が小さければ乾燥には比較的長時間を要する
が、感光層中の有効成分が分解・変質する恐れが小さ
い。乾燥条件としては上記1段での乾燥条件の他、例え
ば2段乾燥の様な方法もとることができる。この場合、
1段目の乾燥温度は50〜150℃、好ましくは70〜
120℃、2段目の乾燥温度は1段目より高い温度で通
常、100〜250℃、好ましくは110〜170℃、
さらに好ましくは120〜140℃であって必要且つ充
分な乾燥が行われる様に乾燥時間を調整すると良い。2
段乾燥などの乾燥温度を途中で変更する場合は、乾燥中
の最高温度を基準として、該最高温度より沸点の高い溶
剤と低い溶剤を選択する。
【0025】乾燥方法としては、熱風乾燥器、蒸気乾燥
器、赤外線乾燥器及び遠赤外線乾燥機等を用いる。本発
明の方法を用いて作製した電子写真感光体は、電気特性
等に対して悪影響を及ぼさずに欠陥(泡由来)を無くす
ことができる。このような欠陥の発生は発光層中の溶剤
が急激に蒸発することによって生じると考えられ、熱容
量の大きな導電性支持体を用いるとより多発するのでこ
うした場合に本発明による製造方法を採用することは、
より効果的である。従って、導電性支持体としてアルミ
ニウムシリンダーを用いる場合には、肉厚2mm以上の
場合により効果が顕著となる。
【0026】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。 実施例1 次式(1)で表わされるビスアゾ化合物10重量部
【0027】
【化1】
【0028】を150重量部の4−メトキシ−4−メチ
ルペンタノン−2に加え、サンドグラインドミルにて粉
砕分散処理を行なった。ここで得られた顔料分散液をポ
リビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商品名B
H−3)の5%ジメトキシエタン溶液に加え、最終的に
固形分濃度4.0%の分散液を作製した。
【0029】この様にして得られた分散液に、表面が鏡
面仕上げされた外径80mm、長さ340mm、肉厚
2.0mmのアルミシリンダーを浸漬塗布し、その乾燥
膜厚が約0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。
次にこのアルミシリンダーを、次式(2)で表わされる
ヒドラゾン化合物95重量部と次式(3)で表わされる
シアノ化合物1.5重量部
【0030】
【化2】
【0031】及びポリカーボネート樹脂(三菱化成
(株)製ノバレックス;粘度平均分子量20,300)
100重量部を、テトラヒドロフラン(沸点66℃)4
40重量部、マロン酸ジメチル(沸点184℃)49重
量部の混合溶剤に溶解させて得た塗布液(固形分濃度3
0%、粘度143センチポアーズ)に浸漬塗布した後、
室温で30分放置し、その後熱風恒温乾燥器で感光体表
面温度130℃で24分間乾燥させ、乾燥後の膜厚が3
5μmとなるように電荷移動層を設けた。
【0032】この様に作製した感光体を市販の複写機に
装着して、コピー画像を調べたところ泡由来の欠陥のな
い画像が得られた。結果を表1に示す。また、帯電−露
光−除電のみの繰り返しサイクルを60万回行ったとこ
ろ帯電電位(Vo )、残留電位(Vr )、感度(VL
はほとんど変化がなく、繰り返し後のコピー画像もカブ
リのない良好な画像が得られた。結果を図1に示す。
【0033】ここで、各々の電位の測定法を簡単に説明
する。複写機の現像槽を取除き、その部分に電位計セン
サーをとり付けた。次に複写機の原稿台上に真白な原稿
と真黒な原稿を半々に置き、この原稿を複写した際の黒
地部の電位を帯電電位(Vo)、白地部の電位を感度
(VL )として測定した。除電後に残った電位を残留電
位(Vr )として測定した。
【0034】実施例2 電荷移動層の塗布溶剤をテトラヒドロフラン391重量
部、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(沸点146℃)98重量部の混合溶剤とした以外は、
実施例1と同様に行った。この様に作製した感光体を市
販の複写機に装着して、コピー画像を調べた。実施例1
と同様、泡由来の欠陥のない良好な画像が得られた。結
果を表1に示す。繰り返し特性も良好であった。
【0035】実施例3 電荷移動層の塗布溶剤をテトラヒドロフラン391重量
部、アニソール(沸点154℃)98重量部の混合溶剤
とした以外は、実施例1と同様に行った。この様に作製
した感光体を市販の複写機に装着して、コピー画像を調
べた。実施例1と同様、泡由来の欠陥のない良好な画像
が得られた。結果を表1に示す。繰り返し特性も良好で
あった。
【0036】実施例4 電荷移動層の塗布溶剤をテトラヒドロフラン391重量
部、アセチルアセトン(沸点140.6℃)98重量部
の混合溶剤とした以外は、実施例1と同様に行った。こ
の様に作製した感光体を市販の複写機に装着して、コピ
ー画像を調べた。実施例1と同様、泡由来の欠陥のない
良好な画像が得られた。結果を表1に示す。繰り返し特
性も良好であった。
【0037】比較例1 電荷移動層の塗布溶剤をテトラヒドロフラン318重量
部、1,4−ジオキサン(沸点101.4℃)171重
量部の混合溶剤とした以外は、実施例1と同様に行っ
た。この様に作製した感光体を市販の複写機に装着して
コピー画像を調べたところ、泡由来の多数欠陥のある画
像となった。結果を表1に示す。
【0038】比較例2 電荷移動層の塗布溶剤をテトラヒドロフラン391重量
部、ジメトキシメタン(沸点42.3℃)98重量部の
混合溶剤とした以外は実施例1と同様に行った。この様
に作製した感光体を市販の複写機に装着してコピー画像
を調べたところ、泡由来の多数欠陥のある画像となっ
た。結果を表1に示す。
【0039】以上の結果から明らかな様に本発明では、
乾燥工程で発生する泡由来の欠陥を抑制し、コピー画像
上欠陥のない良好な画像が得られる。
【0040】
【表1】 表 1 欠陥(泡)数/ドラム1本 実施例1 0 〃 2 0 〃 3 0 〃 4 0 比較例1 10〜20 〃 2 20〜40
【0041】
【発明の効果】本発明方法によれば、塗布後の感光体の
乾燥工程において発生する泡由来の重大な欠陥を抑制さ
せ、膜の摩耗および残留電位蓄積に由来する悪影響を最
小限に抑え、高品質且つ耐刷性にすぐれた電子写真感光
体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1での繰返しサイクルにおける帯電電位
(Vo )、残留電位(Vr )及び感度(VL )の変化
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 照美 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 臨 護 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−75640(JP,A) 特開 昭62−187355(JP,A) 特開 平3−87749(JP,A) 特開 平4−14053(JP,A) 特開 平3−56966(JP,A) 特開 平3−63653(JP,A) 特開 平2−144544(JP,A) 特開 平1−315767(JP,A) 特開 平1−124859(JP,A) 特開 平4−198938(JP,A) 特開 平4−191745(JP,A) 特開 昭62−187354(JP,A) 特開 昭60−158451(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光層形成用塗布液を導電性支持体上に
    塗布、乾燥して、膜厚27μm以上の感光層を有する電
    子写真感光体を製造する方法において、該感光層形成用
    塗布液が、少なくとも電荷移動剤、バインダー樹脂及び
    溶剤を含有し、該溶剤が、35℃から該乾燥の温度まで
    の1気圧における沸点を有する、エーテル類から選ばれ
    る溶剤70〜90重量%と、該乾燥の温度を超える1気
    圧における沸点を有する、芳香族炭化水素類、ケトン
    類、エーテル類、エステル類、アミド類及びジメチルス
    ルホキシドから選ばれる溶剤30〜10重量%とからな
    ることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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