JP2012088430A - 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置、および電子写真カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導電性基体上に、下引き層および感光層を有する有機電子写真感光体において、該下引き層がアクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化合物粒子とバインダー樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。該感光体を用いた、画像形成装置および該装置
用のカートリッジ。
【選択図】なし
Description
電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で、成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が、開発されている。特に光を吸収して電荷を発生する機能と、発生した電荷を輸送する機能を分離した電荷発生層および、電荷移動層からなる積層型の感光体は、主流となっている。
現在これらの感光体は、複写機、レーザープリンター等の画像形成装置の分野に広く用いられている。
下引き層としては、種々の樹脂材料を用いることが知られているが、中でも特に可溶性ポリアミド樹脂が好ましいことが知られている(例えば、特許文献1 参照)。そして、更には特定のジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が最も好ましい。
(例えば、特許文献2 参照)。
更に、ポリアミド樹脂に無機材料を分散させた下引き層として、例えば、酸化チタンと酸化スズを8−ナイロンに分散させたものが知られている(例えば、引用文献3 参照)。
処理を施した酸化チタンを分散させたものでも同様であった。特開2000−103620号記載のメチルジメトキシシランで表面処理された酸化チタンを分散させたものは、無処理の酸化チタンを分散させたもの、アルミナ処理酸化チタンを分散させたものに比べると、電気特性及び画像特性の改善は見られるが、絶縁破壊については不十分であった。
すなわち本発明の要旨は導電性基体上に、下引き層および感光層を有する有機電子写真感光体において、該下引き層がアクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化合物粒子と、バインダー樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
本発明では導電性支持体上に、アクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂を含有する下引き層が形成される。
金属化合物粒子の粒径は、塗布液への分散安定性の理由から、通常その平均粒径が10
0nm以下のものが好ましく、特に10〜60nmが好ましい。塗布液に用いる粒子の粒径は、均一であってもまた、異なる粒径の複合系でも良い。異なる粒径の複合系の場合、粒径の最大ピークが150nm付近にあり最小粒径が約30nmから約500nmの粒径分布をもつようなものが好ましく、例えば平均粒径が0.1μmのものと0.03μmのものを混合して用いても良い。
前記アクリル基を有する有機金属化合物は、例えば、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などが挙げられ、中でもシランカップリング剤が好ましく、アルコキシ基を有するシランカップリング剤が更に好ましく、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
表面処理剤の量については、処理剤量が少なすぎる場合、本発明の効果が得られない虞があり、一方、処理剤量が多過ぎる場合には、粒子表面に修飾されない処理剤が存在し、塗布工程等の際に塗布膜のはじき等の原因になる虞がある。
従って、表面処理剤の量は金属酸化物粒子の種類によって調整することが好ましく、用いられる金属酸化物粒子に対して、下限は、通常、1wt%以上であり、好ましくは5wt%であり、より好ましくは10wt%以上であり、一方、上限は、通常、50wt%以下であり、好ましくは30wt%以下であり、より好ましくは20wt%以下である。
表面処理剤で処理された金属酸化物粒子とバインダー樹脂の比率は、任意に選ぶことができるが、液の安定性、塗布性、および電気特性面からバインダー樹脂1重量部に対して0.5重量部から8重量部の範囲が好ましく、更には2重量部から5重量部の範囲がより
好ましい。下引き層は主として、アクリル基を有する有機金属化合物で被覆された金属酸化物粒子とバインダー樹脂で構成されるが、必要に応じて、他の表面処理金属酸化合物粒子(フッ素シラン処理の酸化チタン、メチルジメトキシシラン処理の酸化チタン等)、表面処理無し金属化合物粒子、酸化防止剤、添加剤、導電剤等を加えても良い。
下引き層の体積抵抗値は、通常1×1011Ω以上、好ましくは1×1012Ω以上であって、通常1×1014Ω以下、好ましくは1×1013Ω以下である。
<電子写真感光体>
下引き層の上には感光層が形成される。感光層は、単層構造でもよいが、電荷発生層と電荷輸送層の分離された、積層構造の方が好ましい。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体(基体)上に感光層を設けたものであれば、その構造は特に制限されない。
<導電性支持体>
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、粗面化処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<感光層>
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
<積層型感光層>
・電荷発生層
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
れている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
観点から110重量部以下が好ましく、耐刷性の観点から80重量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から60重量部以下が最も好ましい。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、下引き層上に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダ樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
<その他の機能層>
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用
いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
気抵抗が前記範囲より高くなると、残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまう一方、前記範囲より低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光の際に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
本発明の下引き層、および感光体を構成する各層は、各層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
<画像形成装置>
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。
但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下、感光体カートリッジということがある)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
るとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に
対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
<下引き層塗布形成用分散液の製造>
・分散液P1
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)60kgをミキサーに投入し、ミキサーの攪拌を開始した。次に表面処理剤である3−アクリロプロキシトリメトキシシランを9kg(15wt%)添加し、せん断力によりミキサー内の温度が160℃に到達するまで攪拌を実施した。ミキサー内の温度が160℃に到達時、ミキサーの回転を止め表面処理された酸化チタンを得た。
この表面処理した酸化チタン280gと、メタノール520gとを混合してなる原料スラリー800gを、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量30kg/時間の液循環状態で90分間分散処理し、酸化チタンの分散液を作製した。前記酸化チタン分散液と、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、58%/18%/3%/18%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、周波数25kHz,出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行ない、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、酸化チタンA/共重合ポリアミドを重量比が3/1であり、メタノール/1−プロパノール/トル
エンの混合溶媒の重量比が6/1/3であって、含有する固形分の濃度が24.0重量%の下引き層形成用塗布液 Aを得た。
下引き層形成用塗布液Aを、表面が切削加工仕上げされた外径30mm、長さ285mm、肉厚1.0mmのアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、2.4μmとなるように下引き層を設けた。
次に、CuKα線により粉末X線スペクトルパターンにおいてブラッグ角(2θ±0.
2゜)27.3゜に特徴的なピークを示すオキシチタニウムフタロシニアン10部と、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)5部と、1,2−ジメトキシエタン500部とを混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行なった。この分散処理により得られた分散液を、先のアルミニウム製シリンダーの下引き層上に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が0.3g/m2となるようにして電荷発生層を設けた。
次に、下記構造式(1)で表される共重合ポリカーボネート100部と、下記構造式(2)で表される電荷輸送物質50部、ヒンダードフェノール系化合物3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)8部とをテトラヒドロフラン:トルエン=8/2
の混合溶媒560部と混合した塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚が25μmになるように電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体をP1とする。
表面処理剤の量を10wt%にした以外は実施例1と同様にして得られた下引き層形成用塗布液をBとし、この下引き層形成用塗布液Dを用いて得られた感光体をP2とする。
[実施例3]
表面処理剤の量を5wt%にした以外は実施例1と同様にして得られた下引き層形成用塗布液をCとし、この下引き層形成用塗布液Eを用いて得られた感光体をP3とする。
次に、これら電子写真感光体P1〜P6を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、感光体特性測定機に装着し、以下の手順に従って、帯電(マイナス極性)、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。
感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを照射して、表面電位が−350Vとなる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー)を感度(E1/2)として測定した(μJ/cm2)。また、該露光光を1.0μJ/cm2の強度で照射したときの100ms後の露光後表面電位(VL)を測定した(−V)。
この電気特性評価結果を表−1に示す。
次に、この感光体P1〜P6を市販のカラーレーザープリンター(コニカミノルタ社製
LP1500C)に装着して、NN環境下で、ProRes 1200−最高品質モード(1200dpiモード)でハーフトーン画像をA4用紙に形成印字し、画像評価を行なった。
画像の評価はA4用紙内の電子写真感光体に由来する黒点をカウントし1枚辺りの個数比較を行うことで評価を行った。
結果を表−1に示す。
電気特性試験で使用した電子写真特性評価装置を使用し、帯電部位には帯電ローラーを設置し、電子写真感光体に押して直流電圧(3.5KV)を印加し10分間放置し、電子写真感光体に流れる電流値をモニターした。尚、本測定中、電子写真感光体は回転させずに測定した。本測定を電子写真感光体の周方向(60°周期(6点))に測定を行いその平均値を表−1に示す。
電気特性試験で使用した電子写真特性評価装置を使用し、帯電部位には帯電ローラーを設置し、電子写真感光体に押して直流電圧(3.5KV)を印加し10分間放置した。耐リーク評価は、10分間帯電ローラを設置しても、リークしなかった感光体を○とし、5分以上10分以下でリークした感光体は△とし、5分未満でリークした感光体は×とした。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (8)
- 導電性基体上に、下引き層および感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層が、アクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 該アクリル基を有する有機金属化合物が、金属酸化物に対して、5wt%から30wt%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 該アクリル基を有する有機金属化合物が、シランカップリング剤であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 該金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 該金属酸化物粒子が、酸化チタン粒子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 該バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用の電子写真カートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010233512A JP5655490B2 (ja) | 2010-10-18 | 2010-10-18 | 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置、および電子写真カートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
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