JP6057124B2 - 二次電池 - Google Patents

二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6057124B2
JP6057124B2 JP2013005236A JP2013005236A JP6057124B2 JP 6057124 B2 JP6057124 B2 JP 6057124B2 JP 2013005236 A JP2013005236 A JP 2013005236A JP 2013005236 A JP2013005236 A JP 2013005236A JP 6057124 B2 JP6057124 B2 JP 6057124B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
region
active material
graphite
material layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013005236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014137879A (ja
Inventor
三橋 利彦
利彦 三橋
浩二 高畑
浩二 高畑
章浩 落合
章浩 落合
藤田 秀明
秀明 藤田
井上 薫
薫 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013005236A priority Critical patent/JP6057124B2/ja
Publication of JP2014137879A publication Critical patent/JP2014137879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6057124B2 publication Critical patent/JP6057124B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、二次電池とその製法に関する。特に車両用電源等として用いられるのに適した二次電池用の負極の構造と該構造を形成する方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極及び負極と、それら両電極間に介在された電解液とを備えており、リチウムイオンがリチウム塩等の電解質を含む電解液を介して正極と負極との間を行き来することにより充放電を行う。この種のリチウムイオン二次電池の典型的な負極は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出し得る負極活物質を含んでいる。かかる負極活物質としては、主として種々の炭素材料が挙げられ、例えば、黒鉛材料が用いられる。黒鉛は、層状の結晶構造を有し、その層と層との間(層間)へのリチウムイオンの吸蔵および該層間からのリチウムイオンの放出により充放電が実現される。
ところで、負極活物質としての黒鉛を含むペースト状に調製された組成物(ペースト状組成物にはスラリー状組成物及びインク状組成物が包含される。以下、ペースト状組成物を単に「組成物」という。)を集電体に塗布して負極を形成する際、黒鉛は、該黒鉛の層面((002)面)が集電体の表面(幅広面)に対して平行に配置しやすい性質を有している。このため、黒鉛のエッジ部(複数の層の端部)が集電体に対して凡そ平行に配置し、充放電時に層間へのリチウムイオンの吸蔵および該層間からのリチウムイオンの放出が円滑に行われない虞がある。かかる問題に対応すべく、従来技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、組成物に磁場を印加して黒鉛の層面を集電体に対して垂直に配置させようとする技術が記載されている。その他、この種の負極に関する従来技術として特許文献2が挙げられる。
特開2003―197189号公報 特開2006―083030号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、負極中の黒鉛の層面(即ち黒鉛層と水平な面である(002)面をいう。)を集電体に対して垂直に配置させることができ得るものの、負極作製時に負極活物質層を圧延した際に、垂直配向させた黒鉛同士が互いに干渉(衝突)し合い、黒鉛に割れや亀裂が生じやすい。黒鉛に割れや亀裂が生じると、その表面に新たな被膜が形成され、それに伴いリチウムイオンが消費されるため、不可逆容量が増加したり保存容量が低下したりする要因となり得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、負極活物質層を圧延した際の黒鉛の割れを防止して電池の性能劣化が抑制された二次電池ならびに該二次電池の好適な製造方法を提供することである。
ここで提案される二次電池は、正極および負極を備える二次電池である。前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に保持された黒鉛を含む負極活物質層とを備え、前記負極活物質層は、前記負極集電体に相対的に近い内部領域に含まれる黒鉛の配向度が、該負極活物質層の外表面に相対的に近い表領域に含まれる黒鉛の配向度よりも小さい。ここで「配向度」とは、層状構造の黒鉛の層面と負極集電体の面(幅広面)とが成す角度(平均の角度、詳細は後述する図4参照)をいうものとする。
かかる二次電池によれば、負極活物質層の表領域では黒鉛の配向度が比較的高いため、正極から移動してきた電荷担体(例えばリチウムイオン)が黒鉛の層間に入りやすくなる。そのため、黒鉛の層間への電荷担体の吸蔵および該層間からの電荷担体の放出が円滑に行われる。また、負極活物質層の内部領域では黒鉛の配向度が比較的低いため、例えば圧延工程において、圧延時に生じる応力が緩和され、圧延時に起こり得る黒鉛の割れや亀裂が防止される。かかる二次電池は、例えば初期容量が高く、かつ出力特性に優れたものであり得る。
ここに開示される二次電池の好ましい一態様では、前記内部領域として、前記負極活物質層全体の厚さAのうちの前記負極集電体から1/5Aまでの領域が規定され、前記表領域として、前記負極活物質層全体の厚さAのうちの該負極活物質層の外表面から1/5Aまでの領域が規定される。負極活物質層全体の厚さAのうちの負極集電体から1/5Aまでの領域を黒鉛の配向度が低い内部領域とすることで、例えば圧延工程において、黒鉛の割れが効果的に防止される。また、負極活物質層全体の厚さAのうちの該負極活物質層の外表面から1/5Aまでの領域を黒鉛の配向度が高い表領域とすることで、電荷担体の受け入れ性がより効果的に改善される。すなわち、上記のように内部領域および表領域の範囲を規定することで、黒鉛の電荷担体受け入れ性および割れ抑制の双方をより高いレベルで両立させた最適な二次電池が得られうる。
ここに開示される二次電池の好ましい一態様では、前記内部領域に含まれる黒鉛の配向度が45度未満であり、前記表領域に含まれる黒鉛の配向度が45度以上である。表領域に含まれる黒鉛の配向度を45度以上(好ましくは60度以上、特に好ましくは70度以上)とすることで、電荷担体の受け入れ性がより確実に高まる。また、内部領域に含まれる黒鉛の配向度を45度未満(好ましくは40度以下、特に好ましくは30度以下)とすることで、圧延時の加圧による黒鉛の割れをより確実に緩和し得る。
ここに開示される二次電池の好ましい一態様では、前記負極活物質層は 前記内部領域と前記表領域との間に位置する中間領域に含まれる黒鉛の配向度が、前記表領域に含まれる黒鉛の配向度よりも小さく、かつ、前記内部領域に含まれる黒鉛の配向度よりも大きい。この場合、前記中間領域に含まれる黒鉛の配向度が45度以上であってもよい。これにより電荷担体の受け入れ性が有効に改善され、電池抵抗がさらに低減される。あるいは、前記中間領域に含まれる黒鉛の配向度が45度未満であってもよい。これにより、例えば圧延工程において、黒鉛の割れが有効に防止され、黒鉛の割れに起因して生じ得る不可逆容量の増加や保存容量の低下がより良く抑制される。
また、本発明によると、上記目的を実現する他の側面として、正極集電体上に正極活物質層が保持された正極と、負極集電体上に黒鉛を含む負極活物質層が保持された負極とを備える二次電池を製造する方法が提供される。即ちここで開示される二次電池の製造方法は、少なくとも黒鉛と所定の溶媒とを含むペースト状の負極活物質層形成用組成物を用意することを包含する。また、前記用意した組成物を負極集電体の表面に塗布することを包含する。さらに、前記塗布された組成物からなる塗膜に磁場を印加して、該塗膜のうちの前記負極集電体に相対的に近い内部領域に含まれる黒鉛の配向度が、該塗膜の外表面に相対的に近い表領域に含まれる黒鉛の配向度よりも小さくなるように黒鉛を変位させることを包含する。また、前記塗膜を乾燥して負極活物質層を形成することを包含する。ここで、前記塗膜に磁場を印加する際、磁力線の向きが前記負極集電体の表面と直交する方向となる磁場を、前記負極集電体の表裏のうち前記塗膜が形成された表面側のみから印加することを特徴とする。このように、負極集電体の表面に塗布した組成物からなる塗膜に対して上記のように制御した磁場を印加することにより、塗膜中の黒鉛を変位させて該黒鉛を所望の配向度で規則正しく配列することができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、前記内部領域として、前記塗膜全体の厚さBのうちの前記負極集電体から少なくとも1/5Bまでを含むように設定し、
前記表領域として、前記塗膜全体の厚さBのうちの該塗膜の外表面から少なくとも1/5Bまでを含むように設定する。また、前記塗膜に磁場を印加する際、前記内部領域に含まれる黒鉛の配向度が45度未満となり、かつ、前記表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が45度以上となるように黒鉛を変位させてもよい。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、前記塗膜に磁場を印加する際、前記内部領域に付与される磁力線の磁束密度が40mT未満となり、かつ、前記表領域に付与される磁力線の磁束密度が40mT以上となるように磁場を印加する。これにより、内部領域に含まれる黒鉛の配向度が45度未満となり、かつ、表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が45度以上となるように塗膜中の黒鉛を変位させて該黒鉛を規則正しく配列することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す図である。 図2は、リチウムイオン二次電池に内装される捲回電極体を示す図である。 図3は、負極活物質層の断面を示す模式図である。 図4は、黒鉛の配向度を説明するための模式図である。 図5は、負極活物質層が形成される工程を示す図である。 図6は、塗布工程の後における集電体の断面を示す模式図である。 図7は、磁場付与工程時における集電体の断面を示す模式図である。 図8は、サンプル6の負極活物質層の断面SEM像である。 図9は、黒鉛の配向度分布を示すグラフである。 図10は、配向度45度以上の領域の厚みとIV抵抗および初期容量との関係を示すグラフである 図11は、二次電池を搭載した車両を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
以下では捲回タイプの電極体(以下「捲回電極体」という。)と非水電解液とを角形(ここでは、直方体の箱形状)のケースに収容した形態のリチウムイオン二次電池を例に挙げる。なお、電池構造は、図示例に限定されず、特に、角形電池に限定されない。
図1は本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の断面図である。図2は、当該リチウムイオン二次電池100に内装される捲回電極体200を示す図である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、図1に示すような扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)300に構成されている。リチウムイオン二次電池100は、図2に示すように、扁平形状の捲回電極体200が、図示しない液状電解質(電解液)とともに、電池ケース300に収容されている。
《電池ケース300》
電池ケース300は、一端(電池100の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体320と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ矩形状プレート部材からなる封口板(蓋体)340とから構成される。
電池ケース300の材質は、従来の密閉型電池で使用されるものと同じであればよく、特に制限はない。軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成された電池ケース300が好ましく、このような金属製材料としてアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等が例示される。本実施形態に係る電池ケース300(ケース本体320および封口板340)はアルミニウム若しくはアルミニウムを主体とする合金によって構成されている。
図1に示すように、封口板340には外部接続用の正極端子420および負極端子440が形成されている。封口板340の両端子420、440の間には、電池ケース300の内圧が所定レベル(例えば設定開弁圧0.3〜1.0MPa程度)以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成された薄肉の安全弁360と、注液口350が形成されている。なお、図1では、当該注液口350が注液後に封止材352によって封止されている。
《捲回電極体200(電極体)》
捲回電極体200は、図2に示すように、長尺なシート状正極(正極シート220)と、該正極シート220と同様の長尺シート状負極(負極シート240)とを計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータ262,264)とを備えている。
《正極シート220》
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、例えば、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、正極集電体221として、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。図示例では、正極活物質層223は、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質が含まれている。
≪正極活物質≫
正極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。ここに開示される正極活物質の例としては、LiNiCoMnO(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物の粒子が挙げられる。ここで、LiMnは、例えば、スピネル構造を有している。また、LiNiO或いはLiCoOは層状の岩塩構造を有している。また、LiFePOは、例えば、オリビン構造を有している。また、オリビン構造のLiFePOは、さらにカーボン膜で被覆することができる。
正極活物質層223は、正極活物質のほか、一般的なリチウムイオン二次電池において正極活物質層223の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材粒子から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。その他、正極活物質層の成分として使用され得る材料としては、正極活物質の結着剤(バインダ)として機能し得る各種のポリマー材料(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))が挙げられる。
上記正極活物質層223の形成方法としては、正極活物質(典型的には粒状)その他の正極活物質層形成成分を適当な溶媒(例えば、N−メチルピロリドン(NMP)等の非水溶媒)に分散したペースト状の正極活物質層形成用組成物を、正極集電体221の片面または両面(ここでは両面)に帯状に塗布して乾燥させる方法を好ましく採用することができる。正極活物質層形成用組成物の乾燥後、適当な圧延処理(例えば、ロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を採用することができる。)を施すことによって、正極活物質層223の厚みや密度を調整することができる。
《負極シート240》
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、例えば、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、負極集電体241には、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に保持されている。負極活物質層243には、負極活物質が含まれている。
ここで、図3は、負極活物質層243の断面を示す模式図である。この実施形態では、負極活物質層243は、表領域243aと内部領域243bとを有している。かかる負極活物質層243については、後でより詳細に説明する。
《負極活物質》
負極活物質としては、黒鉛材料が用いられる。該黒鉛材料としては、例えば、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、天然黒鉛、天然黒鉛表面に非晶質炭素コートを施した材料が含まれる。中でも天然黒鉛もしくは人造黒鉛を主成分とする負極活物質(典型的には、実質的に天然黒鉛もしくは人造黒鉛からなる負極活物質)への適用が好ましい。かかる黒鉛は、扁平な鱗片形状の黒鉛であり得る。扁平な鱗片形状の黒鉛は、後述する磁場付与工程において負極活物質層形成用組成物中の黒鉛を安定に配向し得るという観点から好適である。あるいは、該鱗片状黒鉛を球状化した球状化黒鉛であってもよい。
負極活物質層243は、負極活物質のほか、一般的なリチウムイオン二次電池において負極活物質層243の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、負極活物質の結着剤(バインダ)として機能し得るポリマー材料(例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR))、負極活物質層形成用組成物の増粘剤として機能し得るポリマー材料(例えばカルボキシメチルセルロース(CMC))等が挙げられる。
特に限定するものではないが、負極活物質層243全体に占める負極活物質(黒鉛)の割合は凡そ80質量%以上(例えば80〜99質量%)とすることができ、凡そ90質量%以上(例えば90〜99質量%、より好ましくは95〜99質量%)であることが好ましい。バインダを使用する組成では、負極活物質層243全体に占めるバインダの割合を、例えば、凡そ0.5〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1〜5質量%とすることが好ましい。
《セパレータ262、264》
セパレータ262、264は、図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
なお、図2に示す例では、セパレータ262、264は、シート状の部材で構成されている。セパレータ262、264は、正極活物質層223と負極活物質層243とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。従って、シート状の部材に限定されない。セパレータ262、264は、シート状の部材に代えて、例えば、正極活物質層223または負極活物質層243の表面に形成された絶縁性を有する粒子の層で構成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物、金属水酸化物などのフィラー)、或いは、絶縁性を有する樹脂粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粒子)で構成してもよい。
《電解液(非水電解液)》
電解液(非水電解液)としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等からなる群から選択された一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiCSO,LiN(CFSO,LiC(CFSO等のリチウム塩を用いることができる。一例として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)にLiPFを約1mol/Lの濃度で含有させた非水電解液が挙げられる。
《捲回電極体200の取り付け》
この実施形態では、捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電体221の未塗工部222と負極集電体241の未塗工部242は、それぞれセパレータ262、264の両側においてらせん状に露出している。この実施形態では、図1に示すように、未塗工部222(242)の中間部分は、寄せ集められ、電池ケース300の内部に配置された電極端子420、440(内部端子)の集電タブ420a、440aに溶接されている。このような捲回電極体200では、捲回軸WLの軸方向から電解液が捲回電極体200の内部に浸入する。
以下、負極活物質層243について、より詳細に説明する。
《負極活物質層243》
ここでは、本発明の一実施形態に係る負極活物質層について基本構造を説明し、その作用効果を説明する。図3は、負極シート240の断面を示す模式図であり、負極集電体241とその一方の側に形成された負極活物質層243とを示したものである。負極集電体241の他方の側に形成された負極活物質層243については同様の構成であるため、図示および説明は省略する。負極活物質層243は、図3に示すように、負極活物質層243の外表面244に相対的に近い表領域243aと、負極集電体241に相対的に近い内部領域243bとを備えている。
《表領域243a》
この実施形態では、表領域243aとして、負極活物質層243全体の厚さAのうちの該負極活物質層243の外表面244から1/5Aまでの領域が規定される。表領域243aは、負極活物質として黒鉛245を含んでいるとよい。この実施形態では、黒鉛245は扁平な鱗片形状の黒鉛である。このような扁平な鱗片形状の黒鉛245は、六角板状結晶(グラフェンシート)の複数の層面245aが重なった縁が露出したエッジ245bを有している。表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度は、例えば45度以上(例えば45度以上80度以下)であるとよく、60度以上であることが好ましく、70度以上であることが特に好ましい。
《内部領域243b》
この実施形態では、内部領域243bとして、負極活物質層243全体の厚さAのうちの負極集電体241から1/5Aまでの領域が規定される。内部領域243bは、負極活物質として黒鉛245を含んでいるとよい。内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度は、表領域243aに含まれる黒鉛の配向度よりも小さければよい。例えば、内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度は、45度未満(例えば10度以上45度未満)であるとよく、30度以下であることが好ましく、20度以下であることが特に好ましい。
ここで「配向度」とは、図4に示すように、層状構造の黒鉛245の層面245aと負極集電体241の面(幅広面)241aとが成す角度θをいうものとする。かかる配向度は、負極活物質層243の断面SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像で、ランダムな位置で切断された断面において評価するとよく、例えば負極活物質層243のうち、表領域243aと内部領域243bとからそれぞれ複数(例えば20個)の黒鉛245を抽出し、それらの配向度の凡その平均値(算術平均値)で評価するとよい。
例えば、負極活物質層243の外表面244に相対的に近い表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度が、負極集電体241に相対的に近い内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度よりも大きいとよい。これにより、リチウムイオンの流入口となる負極活物質層243の表領域243aにおいて、黒鉛245のエッジ部245bが正極側を向くので、正極から移動してきたリチウムイオンが黒鉛245の層面245a間に入りやすくなる。そのため、充放電時に黒鉛245の層面245a間へのリチウムイオンの吸蔵および該層面245a間からのリチウムイオンの放出が円滑に行われる。
また、負極集電体241に相対的に近い内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が、負極活物質層243の外表面244に相対的に近い表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さいとよい。これにより、例えば負極作製時に負極活物質層243を圧延した際に、内部領域243bに含まれる黒鉛245の層面245aが負極集電体241の面(幅広面)に平行な方向に変位する。圧延時に内部領域243bに含まれる黒鉛245の層面245aが負極集電体241の面に平行な方向に変位することによって、圧延時に生じる応力が吸収され、圧延時に起こり得る黒鉛245の割れや亀裂が防止される。そして、黒鉛245の割れや亀裂が生じることに起因して、かかる黒鉛245の表面に新たな被膜が形成され、それに伴いリチウムイオンが消費される事態が緩和される。その結果、不可逆容量の増加や電池容量の低下を抑制することができる。
ここで開示される負極活物質層243の好適例として、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度が45度以上であり、かつ内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が45度未満であるもの、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度が50度以上であり、かつ内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が40度以下であるもの、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度が60度以上であり、かつ内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が30度以下であるもの、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度が70度以上であり、かつ内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が20度以下であるもの、などが挙げられる。このような所定範囲内の黒鉛245の配向度を有することにより、黒鉛のリチウムイオン受け入れ性と割れ抑制との双方を高度なレベルで実現した負極活物質層243とすることができる。
《中間領域243c》
負極活物質層243のうち、表領域243aと内部領域243bとの間に位置する中間領域243cに含まれる黒鉛245の配向度としては特に限定されないが、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さく、かつ、内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度よりも大きいことが好ましい。例えば、中間領域243cに含まれる黒鉛245の配向度が45度以上であってもよい。これによりリチウムイオンの受け入れ性がより確実に改善され、電池抵抗がさらに低減され得る。あるいは、中間領域243cに含まれる黒鉛245の配向度が45度未満であってもよい。これにより、例えば圧延工程において、黒鉛245の割れがより確実に防止され、黒鉛245の割れに起因して生じ得る、不可逆容量の増加や保存容量の低下がより良く抑制され得る。
≪二次電池の製造方法≫
次に、本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法、特に負極シートの製造方法を説明する。この実施形態では、二次電池の製造方法の一工程として、負極シート240を製造する製造工程においては、塗布工程と、磁場付与工程と、乾燥工程とを含んでいる。塗布工程は、少なくとも黒鉛と所定の溶媒とを含むペースト状の負極活物質層形成用組成物(以下、「組成物」という。)を負極集電体の表面に塗布する工程である。磁場付与工程は、塗布工程において集電体に塗布された組成物からなる塗膜に磁場を印加して、該塗膜のうちの集電体に相対的に近い内部領域に含まれる黒鉛の配向度が、該塗膜の外表面に相対的に近い表領域に含まれる黒鉛の配向度よりも小さくなるように黒鉛を変位させる工程である。乾燥工程は、磁場付与工程において磁場が付与された塗膜を乾燥して負極活物質層を形成する工程である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法に用いられる負極活物質層形成用組成物は、溶媒に少なくとも黒鉛(負極活物質)が分散したスラリーである。黒鉛を分散させる溶媒としては、N‐メチルピロリドン(NMP)、ピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクサヘキサノン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、等の有機系溶剤またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。あるいは、水または水を主体とする混合溶媒であってもよい。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。該組成物における溶媒の含有率は特に限定されないが、塗工性の観点からは、組成物(スラリー)全体の30質量%〜70質量%程度が好ましい。この溶媒含有率は、後述する磁場付与工程において塗膜中の黒鉛を安定に配向し得るという観点からも好適である。
上記組成物を用意し、負極集電体241に塗布した後(塗布工程)、磁場付与工程と、乾燥工程と、圧延工程とを経て、本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極が製造され得る。図5は、上述したリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を具現化した製造装置を示す図である。この製造装置500は、走行経路110と、供給部112と、回収部114と、塗布装置120と、磁場付与装置130と、乾燥装置140とを備えている。
走行経路110は、集電体241を走行させる経路である。この実施形態では、走行経路110には、集電体241を走行させる所定の経路に沿って複数のガイドローラ116が配置されている。この実施形態では、集電体は複数のガイドローラに順に架け渡され、該集電体241に所定のテンションが掛けられている。一部のガイドローラには、ローラを回動させる駆動装置(図示せず)が取り付けられている。このガイドローラを一方向に回動させることにより集電体241を搬送し得るように構成されている。
走行経路110の始端には、集電体241を供給する供給部112が設けられている。供給部112には、予め巻き芯112Aに巻き取られた集電体241が配置されている。供給部112からは適宜に適当な量の集電体241が走行経路110に供給される。また、走行経路110の終端には集電体241を回収する回収部114が設けられている。回収部114は、走行経路110で所定の処理が施された集電体241を巻き芯114Aに巻き取る。かかる走行経路110には、塗布装置120と、磁場付与装置130と、乾燥装置140とが順に配置されている。
塗布工程を具現化する塗布装置120は、負極集電体241に組成物23を塗布する装置である。この実施形態では、塗布装置120は、長尺状の集電体241の長手方向に組成物23を塗布するように構成されている。このような塗布装置としては、例えば、ダイコーター塗工機が挙げられる。ダイコーター塗工機120は、組成物23がタンク122に収容され、ポンプ124によって吸引された組成物23がダイ126に供給される。そして、集電体241をバックアップロール128の回転により搬送しつつ、バックアップロール128とダイ126との隙間(塗工ギャップ)を通過させ、該集電体241の表面にダイ126から組成物23の塗膜を形成する。かかるダイコーター塗工機120は、組成物23からなる塗膜の目付量を調製しつつ、集電体241の長手方向に組成物23を連続して塗工することができる。
図6は、かかる塗布工程後における集電体241の断面を示している。図6に示すように、この実施形態では、集電体241に組成物23が塗られており、該組成物23には負極活物質としての黒鉛245が含まれている。この実施形態では、黒鉛245は扁平な鱗片形状の黒鉛である。このような扁平な鱗片形状の黒鉛245は、六角板状結晶(グラフェンシート)の複数の層面245aが重なった縁が露出したエッジ部245bを有している。図6に示すように、塗布装置120から供給された状態では、組成物からなる塗膜23中の黒鉛245はそれぞれが任意(不規則)の方向を向いている。塗布工程において、組成物23が供給された集電体241は、磁場付与工程に送られる。
図5及び図7に示すように、磁場付与工程を具現化する磁場付与装置130は、集電体241としての金属箔に塗布された組成物からなる塗膜23に対し、磁力線の向きが集電体241の表面と直交する方向となる磁場を、負極集電体241の表裏のうち塗膜23が形成された表面側のみから印加する装置である。この実施形態では、磁場付与装置130は、走行経路110を走行する集電体241の表裏のうち塗膜23が形成された表面側に配置した永久磁石130で構成されている。この場合、図7に示すように、かかる永久磁石130によって、走行経路110を走行する集電体241に対して、集電体241に直交する方向に磁力線が向いた磁場が、塗膜23が形成された表面側から印加される。
かかる磁場付与工程によれば、集電体241に塗布された組成物(塗膜)23に対し、磁石130によって、負極集電体241の表面(幅広面)に直交する方向に磁力線が向いた磁場が、塗膜23が形成された表面側から付与される。図7は、かかる磁場付与後における負極集電体241の断面を示している。かかる集電体241に対して、集電体241に直交する方向に磁力線が向いた磁場が作用すると、塗膜23中の黒鉛245は、該黒鉛245の層面245aが負極集電体241の面と直交するように向きを揃えて配列される。換言すると、黒鉛245は、エッジ部245bが負極集電体241の表面を向くように規則的に配列される。
この際、塗膜23中の黒鉛245は、磁石130の磁束密度に応じて不均一な配向を示す。すなわち、塗膜23のうち、外表面24に相対的に近い塗膜23の表領域23aでは、磁石130との距離が近いため、作用する磁束密度が大きい。そのため、表領域23aに含まれる黒鉛245は、磁場の影響を強く受けて、黒鉛245の層面245aが負極集電体241の面と直交するように向きを揃えて配列されやすい傾向がある。一方、塗膜23のうち、負極集電体241に相対的に近い塗膜23の内部領域23bでは、磁石130との距離が遠いため、作用する磁束密度が小さい。そのため、内部領域23bに含まれる黒鉛245は、磁場の影響をさほど受けず、それぞれが任意(不規則)の方向を向いた状態が維持されやすい傾向がある。その結果、塗膜23の内部領域23bに含まれる黒鉛245の配向度が、表領域23aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さくなる。この状態で塗膜23を乾燥することで、負極活物質層243の内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さい、負極活物質層243を形成することができる。ここで、塗膜23の内部領域23bとして、塗膜23全体の厚さBのうちの負極集電体241から少なくとも1/5Bまでを含むように設定するとよい。また、塗膜23の表領域23aとして、塗膜23全体の厚さBのうちの該塗膜23の外表面24から少なくとも1/5Bまでを含むように設定するとよい。
磁場付与工程における好ましい磁場の強さは、組成物23の粘度や固形分率等によっても異なり得る。ひとつの目安としては、例えば、内部領域23bに含まれる黒鉛245の配向度が45度未満となり、かつ、表領域23aに含まれる黒鉛245の配向度が45度以上となるように磁場の強さが設定され得る。好ましい一態様では、上記磁場の強さは、塗膜23の表領域23aにおいて磁束密度が40mT以上であり、好ましくは45mT以上であり、より好ましくは50mT以上であり、さらには60mT以上であるとよい。このような磁束密度を付与すると、黒鉛245は配向度45度以上を示すようになる。また、好ましい一態様では、上記磁場の強さは、塗膜23の内部領域23bにおいて磁束密度が40mT未満であり、好ましくは35mT以下であり、より好ましくは30mT以下であり、さらには20mT以下であるとよい。このような磁束密度を付与することで、黒鉛245は配向度45度未満を示すようになる。塗膜23に磁場を作用させる時間は特に限定されないが、例えば、0.5秒〜5秒であり、より好ましくは1秒〜5秒であり、特に好ましくは2秒〜5秒である。
磁場付与工程によって組成物23中の黒鉛が配向した集電体241は、走行経路110に沿って乾燥工程に送られる。なお、磁場付与工程は、塗布工程で組成物23が集電体241に供給された後にできるだけすぐに行うとよい。
乾燥工程を具現化する乾燥装置140は、磁場付与工程において磁場が付与された組成物(塗膜)23を乾燥させる装置である。乾燥装置140としては、一般的なリチウムイオン二次電池用負極の製造工程において常套的に使用されているものから任意に選択することができる。例えば、熱風乾燥炉(本実施形態)、赤外線乾燥炉などを使用することができる。熱風乾燥炉140は、例えば、適当な熱源(例えば加熱ヒータ)により加熱されたガスを吹き付けるものであり得る。吹き付けられるガスの種類は特に制限されず、例えば、空気であってもよいし、Nガス、Heガスのような不活性ガスであってもよい。このように高温の乾燥雰囲気に集電体241を曝すことによって、集電体241に塗布された組成物(塗膜)23の溶媒が揮発して取り除かれる。これにより、負極活物質層243を得ることができる。負極活物質層243が形成された集電体241は、走行経路110に沿って回収部114において巻き芯114Aに巻き取られる。なお、負極集電体241の裏面側に形成された負極活物質層243についても同様に形成するとよい。
このようにして得られた負極シート240は、例えば圧延工程に供される。圧延工程では、乾燥工程で得られた負極活物質層243を圧延(プレス)する。圧延装置としては、一般的なリチウムイオン二次電池用負極の製造工程において常套的に使用されているものから任意に選択することができる。例えば、ロールプレス機(本実施形態)、平板プレス機などを使用することができる。この圧延工程によって、乾燥工程で得られた負極活物質層243の厚みや密度が適宜調整され得る。本構成によれば、負極活物質層243の負極集電体241に相対的に近い内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が、該負極活物質層243の外表面244に相対的に近い表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さい。そのため、上記圧延工程において起こり得る黒鉛245の粒同士の干渉(衝突)を抑制することができ、該干渉に伴う黒鉛245の割れや亀裂を防止することができる。したがって、本構成によると、黒鉛245の割れや亀裂による性能劣化が抑制された最適なリチウムイオン二次電池を製造することができる。かかるリチウムイオン二次電池は、例えば、初期容量が高く、かつ入出力特性に優れたものであり得る。
ここに開示される好ましい一態様では、上記磁場付与工程と上記乾燥工程とを同時に実行してもよい。すなわち、磁場付与工程と乾燥工程とを同じタイミングで行い、塗布工程において集電体241に塗布された組成物(塗膜)23に対し磁場を付与するとともに、その磁場を付与した状態で塗膜23を乾燥させてもよい。このように、塗膜23に対して上記磁場を付与した状態で該塗膜23を乾燥させることにより、乾燥工程において起こり得る黒鉛245の移動を防止して、塗膜23中の黒鉛245の配列状態を適切に維持することができる。
《評価試験》
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
《負極シート》
<サンプル1>
負極活物質としての天然黒鉛(D50径:10μm)と、結着材としてのSBRと、増粘材としてのCMCとを、それらの材料の質量比が98:1:1となるように水中で混合して負極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を厚さ10μmの銅箔(負極集電体)の片面に塗布量18mg/cmで塗布し、該塗布された組成物からなる塗膜に対し、集電体の面に直交する方向に磁力線が向いた磁場を付与した。磁場の付与は、図7に示す永久磁石130を用い、磁力線の向きが負極集電体の表面と直交する方向となる磁場を、塗膜が形成された表面側のみから印加することにより行った。磁石は750mTを用いた。磁石と塗膜の外表面との距離は100mmとした。磁場付与後、塗膜を乾燥させることにより負極活物質層を形成した。さらに、負極集電体の裏面側にも負極活物質層形成用組成物を塗布し、先に負極活物質層を形成した表面側と同じ手順で負極活物質層を形成した。このようにして、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極シートを得た。乾燥後、負極活物質層の厚み(片面)が約60μmとなるように圧延(プレス)した。
上記得られた負極活物質層の断面SEM画像を測定し、黒鉛の配向度を調べた。具体的には、負極活物質層の片面を厚み方向に10等分した領域を設定した。そして、各領域からそれぞれ20個の黒鉛を抽出し、該抽出した黒鉛の配向度を目視にて確認した。そして、それらの平均値(算術平均値)を算出し、その平均値を各領域の配向度とした。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ10%の厚みであった。
<サンプル2>
磁石と塗膜外表面との距離を55mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ15%の厚みであった。
<サンプル3>
磁石と塗膜外表面との距離を40mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ20%の厚みであった。
<サンプル4>
磁石と塗膜外表面との距離を25mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ30%の厚みであった。
<サンプル5>
磁石と塗膜外表面との距離を15mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ40%の厚みであった。
<サンプル6>
磁石と塗膜外表面との距離を10mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ50%の厚みであった。
<サンプル7>
磁石と塗膜外表面との距離を7mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ60%の厚みであった。
<サンプル8>
磁石と塗膜外表面との距離を5mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ70%の厚みであった。
<サンプル9>
磁石と塗膜外表面との距離を3mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ80%の厚みであった。
<サンプル10>
磁石と塗膜外表面との距離を2mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ85%の厚みであった。
<サンプル11>
磁石と塗膜外表面との距離を1mmとしたこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ90%の厚みであった。
<サンプル12>
黒鉛を磁場で配向させなかったこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ0%の厚みであった。
<サンプル13>
負極集電体の表裏に一対の磁石を配置し、磁力線の向きが負極集電体の表面と直交する方向となる磁場を塗膜の表裏(両側)から付与したこと以外は実施例1と同様にして負極シートを作製した。本例では、本例では、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合に、配向度が45度以上の領域が、負極活物質層の外表面から凡そ100%の厚みであった。
サンプル6について、負極活物質層の断面SEM画像を図8に示す。また、サンプル4、7、9、11,12、13について黒鉛の配向度分布を図9に示す。図9は、負極活物質層の片面全体の厚みを100%とした場合の、負極活物質層の外表面からの厚み(%)と配向度との関係を示すグラフである。
上記サンプル1〜13で得られた負極シートを用いて試験用リチウムイオン二次電池を構築し、その性能を評価した。試験用リチウムイオン二次電池の構築は、以下のようにして行った。
《正極シート》
正極活物質としてのLiCoOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてのPVDFとを、それらの材料の質量比が90:8:2となるようにNMP中で混合して正極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)に片面当たり塗布量30mg/cm塗布し乾燥することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された正極シートを得た。
《リチウムイオン二次電池》
上記正極シート及び負極シートを2枚のセパレータシート(厚さ10μmの多孔質ポリエチレン製の単層構造のものを使用した。)を介して捲回し、この捲回体を側面方向から押しつぶすことにより扁平状の捲回電極体を作製した。このようにして得られた捲回電極体を非水電解液とともに金属製の箱型(縦75mm、幅120mm、厚さ15mm、ケース厚み1mm)の電池ケースに収容し、電池ケースの開口部を気密に封口した。非水電解液としてはエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:5:2の体積比で含む混合溶媒に支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた非水電解液を使用した。このようにして試験用リチウムイオン二次電池を組み立てた。かかる試験用リチウムイオン二次電池の理論容量は4.5Ahである。
《初期容量測定》
以上のように得られた各サンプルに係る試験用リチウムイオン二次電池のそれぞれを、25℃の温度条件にて、電流値1C(40A)で電圧4.2Vまで充電した。5分間の休止後、かかる充電後の電池を、25℃において、電流値1Cで電圧2.5Vまで放電した。そして、5分間の休止後、電流値1Cで電圧4.2Vまで充電し、その後、定電圧方式で電流値が0.01Cに減少するまで充電した。かかる充電後の電池を、25℃において、電流値1Cで電圧3.0Vまで放電し、その後、定電圧方式で電流値が0.01Cに減少するまで放電した。このときの放電容量を初期容量とした。結果を表1に示す。
《IV抵抗》
試験用リチウムイオン二次電池について入力特性を評価するため、ここではIV抵抗を測定した。IV抵抗は、次の手順によって算出する。
手順1:SOC調整にて、SOC50%の充電状態(ここでは、3.0VをSOC0%、4.1VをSOC100%とした。
手順2:手順1の後、−15℃の環境下で、1C、3C、5Cでそれぞれ10秒間充電処理する。
ここでは、手順2で測定された測定電流値を横軸に、手順2での初期電圧値から10秒時点での電圧値を引いた値である電圧ドロップ値ΔVを縦軸にプロットし、その傾きからIV抵抗を求めた。
《各サンプルの評価》
各サンプルについて、上記試験の結果を表1と図10に示す。表1は、各サンプルについて、構成と評価を纏めた表である。また、図10は、配向度45度以上の領域の厚み(%)とIV抵抗および初期容量との関係を示すグラフである。
この結果、サンプル1〜11、13については、IV抵抗が比較的低く保たれ、高出力特性が高いレベルで発揮されうる。これに対して、サンプル12は、IV抵抗が比較的高くなり、出力特性が低くなる。また、サンプル1〜11は、サンプル13に比べて、初期容量が比較的大きく保たれている。かかる試験のように、負極活物質層に表領域と内部領域とを設け、表領域に含まれる黒鉛の配向度を、内部領域に含まれる黒鉛の配向度よりも大きくした場合には、出力特性を高く保ちつつ、初期容量を増大することができる。
以上、種々説明したように、ここで提案される二次電池100は、例えば、図1に示すように、正極220および負極240を備える二次電池100である。図3に示すように、負極240は、負極集電体241と、負極集電体241に保持された黒鉛245を含む負極活物質層243とを備えている。ここで、負極活物質層243は、負極集電体241に相対的に近い内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度が、該負極活物質層243の外表面244に相対的に近い表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さいとよい。
これにより、負極活物質層243の表領域243aでは黒鉛245の配向度が比較的高いため、正極から移動してきたリチウムイオンが黒鉛245の層間に入りやすくなる。そのため、黒鉛245の層間へのリチウムイオンの吸蔵および該層間からのリチウムイオンの放出が円滑に行われる。また、負極活物質層243の内部領域243bでは黒鉛245の配向度が比較的低いため、圧延時に生じる応力が緩和され、圧延時に起こり得る黒鉛245の割れや亀裂が防止される。かかる二次電池は、前述のように、初期容量が高く、かつ出力特性に優れたものであり得る。
ここで、内部領域243bとして、負極活物質層243全体の厚さAのうちの負極集電体241から1/5Aまでの領域が規定されることが好ましい。負極活物質層243全体の厚さAのうちの負極集電体241から1/5Aまでの領域を黒鉛245の配向度が低い内部領域243bとすることで、例えば圧延工程において、黒鉛245の割れが効果的に防止される。また、表領域243aとして、負極活物質層243全体の厚さAのうちの負極活物質層243の外表面244から1/5Aまでの領域が規定されることが好ましい。負極活物質層243全体の厚さAのうちの該負極活物質層243の外表面244から1/5Aまでの領域を黒鉛245の配向度が高い表領域243aとすることで、リチウムイオンの受け入れ性がより効果的に改善される。すなわち、上記のように内部領域243bおよび表領域243aの範囲を規定することで、黒鉛245のリチウムイオン受け入れ性および割れ抑制の双方をより高いレベルで両立させた最適な二次電池が得られうる。
また、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度は、凡そ45度以上(さらには60度以上、特には70度以上)であることが好ましい。表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度を45度以上とすることで、リチウムイオンの受け入れ性がより確実に高まる。また、内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度は、凡そ45度未満(さらには40度以下、特には30度以下)であることが好ましい。内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度を45度未満とすることで、圧延時の加圧による黒鉛245の割れをより確実に緩和し得る。
さらに、ここに開示される技術では、負極活物質層243は 内部領域243bと表領域243aとの間に位置する中間領域243cに含まれる黒鉛245の配向度が、表領域243aに含まれる黒鉛245の配向度よりも小さく、かつ、内部領域243bに含まれる黒鉛245の配向度よりも大きいことが好ましい。この場合、中間領域243cに含まれる黒鉛245の配向度が45度以上であってもよい。これによりリチウムイオンの受け入れ性が有効に改善され、電池抵抗がさらに低減され得る。あるいは、中間領域243cに含まれる黒鉛245の配向度が45度未満であってもよい。これにより、例えば圧延工程において、黒鉛245の割れが有効に防止され、黒鉛245の割れに起因して生じ得る不可逆容量の増加や保存容量の低下がより良く抑制される。
以上、ここで提案される二次電池について種々説明したが、本発明は、特に言及されない限りにおいて、上述した何れの実施形態にも限定されない。
例えば、角形電池に限定されず、他の電池形態として、円筒型電池やラミネート型電池などであってもよい。ここで円筒型電池は、円筒型の電池ケースに捲回電極体を収容した電池である。また、ラミネート型電池は、正極シートと負極シートとをセパレータを介在させて積層した電池である。さらに、二次電池の電極体は、捲回電極体を例示したが、正極シートと、負極シートとが、セパレータを介して交互に積層された、いわゆる積層型の電極体で構成してもよい
ここで提案される二次電池は、上述したように、出力特性が高く維持され、初期容量が大きい。このため、ここで提案される二次電池は、特に、高出力と高容量が要求される、自動車用途における車載搭載用の電源として好適である。この場合、例えば、図11
に示すように、二次電池の複数個を接続して組み合わせた組電池の形態で、自動車などの車両1のモータ(電動機)を駆動させる車両駆動用電源1000として好適に利用され得る。
また、ここでは、リチウムイオン二次電池を例示したが、ここで提案される二次電池は、特に明示的に限定されない限りにおいて、リチウムイオン二次電池以外の二次電池の構造にも採用しうる。
23 組成物(塗膜)
23a 塗膜の表領域
23b 塗膜の内部領域
24 塗膜の外表面
100 二次電池
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
222 未塗工部
223 正極活物質層
240 負極シート
241 負極集電体
242 未塗工部
243 負極活物質層
243a 負極活物質層の表領域
243b 負極活物質層の内部領域
243c 負極活物質層の中間領域
244 負極活物質層の外表面
245 黒鉛
245a 黒鉛の層面
245b 黒鉛のエッジ部
262,264 セパレータ
300 電池ケース

Claims (8)

  1. 正極および負極を備える二次電池であって、
    前記負極は、
    金属箔からなる負極集電体と、
    前記負極集電体に保持された黒鉛粒子と結着剤とを含む負極活物質層と
    を備え、
    前記負極活物質層は、該負極活物質層全体の厚さAのうちの前記負極集電体から1/5Aまでの領域として規定される内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が、該負極活物質層全体の厚さAのうちの該負極活物質層の外表面から1/5Aまでの領域として規定される表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度よりも小さく、
    前記負極活物質層は 前記内部領域と前記表領域との間に位置する中間領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が、前記表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度よりも小さく、かつ、前記内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度よりも大きい、
    ここで、前記配向度は前記黒鉛粒子の層面と前記負極集電体の面とが成す角度として規定される、二次電池。
  2. 前記内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が45度未満であり、
    前記表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が45度以上である、請求項1に記載された二次電池。
  3. 前記内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が40度以下であり、
    前記表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が70度以上である、請求項に記載された二次電池。
  4. 前記中間領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が、45度以上である、請求項1〜3の何れか一つに記載された二次電池。
  5. 前記中間領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が、45度未満である、請求項1〜3の何れか一つに記載された二次電池。
  6. 正極集電体上に正極活物質層が保持された正極と、負極集電体上に黒鉛粒子を含む負極活物質層が保持された負極とを備える二次電池の製造方法であって、
    少なくとも黒鉛粒子と所定の溶媒とを含むペースト状の負極活物質層形成用組成物を用意すること;
    前記用意した組成物を金属箔からなる負極集電体の表面に塗布すること;
    前記塗布された組成物からなる塗膜に磁場を印加して、該塗膜全体の厚さBのうちの前記負極集電体から1/5Bまでの領域として設定される内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が、該塗膜全体の厚さBのうちの該塗膜の外表面から1/5Bまでの領域として設定される表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度よりも小さくなるように黒鉛粒子を変位させるとともに、
    前記内部領域と前記表領域との間に位置する中間領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が、前記表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度よりも小さく、かつ、前記内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度よりも大きくなるように黒鉛粒子を変位させること、ここで、前記配向度は前記黒鉛粒子の層面と前記負極集電体の面とが成す角度として規定される;および、
    前記塗膜を乾燥して負極活物質層を形成すること、
    を包含し、
    ここで、前記塗膜に磁場を印加する際、磁力線の向きが前記負極集電体の表面と直交する方向となる磁場を、前記負極集電体の表裏のうち前記塗膜が形成された表面側のみから印加することを特徴とする、二次電池の製造方法。
  7. 前記塗膜に磁場を印加して、前記内部領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が45度未満となり、かつ、前記表領域に含まれる黒鉛粒子の配向度が45度以上となるように黒鉛を変位させる、請求項に記載された二次電池の製造方法。
  8. 前記塗膜に磁場を印加する際、前記内部領域に付与される磁力線の磁束密度が40mT未満となり、かつ、前記表領域に付与される磁力線の磁束密度が40mT以上となるように磁場を印加する、請求項に記載された二次電池の製造方法。
JP2013005236A 2013-01-16 2013-01-16 二次電池 Active JP6057124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013005236A JP6057124B2 (ja) 2013-01-16 2013-01-16 二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013005236A JP6057124B2 (ja) 2013-01-16 2013-01-16 二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014137879A JP2014137879A (ja) 2014-07-28
JP6057124B2 true JP6057124B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51415289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013005236A Active JP6057124B2 (ja) 2013-01-16 2013-01-16 二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6057124B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6853944B2 (ja) * 2016-09-08 2021-04-07 株式会社Gsユアサ 蓄電素子
KR102657578B1 (ko) 2016-11-30 2024-04-15 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지용 음극 및 이를 포함하는 이차 전지
WO2018101765A1 (ko) * 2016-11-30 2018-06-07 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지용 음극 및 이를 포함하는 이차 전지
KR102570570B1 (ko) * 2019-04-24 2023-08-23 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
KR102536366B1 (ko) * 2019-04-24 2023-05-23 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
KR20220115812A (ko) * 2020-01-02 2022-08-18 닝더 엠프렉스 테크놀로지 리미티드 음극 및 이를 포함하는 전기 화학 디바이스
KR20220028504A (ko) 2020-08-28 2022-03-08 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 전극 조립체 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
CN114039024B (zh) * 2021-11-08 2023-06-27 上海联净电子科技有限公司 水系电池石墨电极材料的生产方法以及装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3259561B2 (ja) * 1995-01-26 2002-02-25 松下電器産業株式会社 リチウム二次電池の負極材料及びその製造方法
JP3443227B2 (ja) * 1996-03-06 2003-09-02 三洋電機株式会社 非水電解液電池
JP4150516B2 (ja) * 2001-12-21 2008-09-17 三星エスディアイ株式会社 リチウム二次電池の負極用の黒鉛含有組成物の製造方法並びにリチウム二次電池用の負極の製造方法及びリチウム二次電池の製造方法
JP4713068B2 (ja) * 2003-08-01 2011-06-29 パナソニック株式会社 非水電解質二次電池
US20120164530A1 (en) * 2010-06-30 2012-06-28 Hiroshi Temmyo Negative electrode for nonaqueous electrolyte secondary battery, method for producing same, and nonaqueous electrolyte secondary battery
KR101543937B1 (ko) * 2011-02-18 2015-08-11 도요타지도샤가부시키가이샤 리튬 이온 2차 전지와 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014137879A (ja) 2014-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6057124B2 (ja) 二次電池
US10396351B2 (en) Negative electrode material for non-aqueous electrolyte secondary battery and method of producing negative electrode active material particles
JP5652682B2 (ja) 非水電解質二次電池とその製造方法
US9673453B2 (en) Method for manufacturing lithium ion secondary battery
CN106537663B (zh) 非水电解质二次电池用负极材料以及负极活性物质颗粒的制造方法
US20160344019A1 (en) Negative electrode active material for negative electrode material of non-aqueous electrolyte secondary battery, negative electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery, and non-aqueous electrolyte secondary battery
CN107078280B (zh) 非水电解质二次电池
JP5854279B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
US11362318B2 (en) Lithium ion secondary battery
WO2013080379A1 (ja) リチウム二次電池とその製造方法
WO2013094004A1 (ja) リチウム二次電池
JP2013004307A (ja) 二次電池
US9917296B2 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
WO2017149927A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池
US20190081319A1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
KR101572405B1 (ko) 리튬 2차 전지
US10680279B2 (en) Lithium ion secondary battery electrode and lithium ion secondary battery
JP7409762B2 (ja) 非水電解液二次電池および非水電解液二次電池の製造方法
JP5812336B2 (ja) 二次電池
JP6902206B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6008188B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR102563808B1 (ko) 집전체의 양면에 서로 다른 조성의 활물질을 포함하는 음극 합제들이 형성되어 있는 음극을 포함하는 젤리-롤형 전극조립체, 이를 포함하는 이차전지, 및 이차전지를 포함하는 디바이스
WO2015049775A1 (ja) リチウムイオン二次電池正極、リチウムイオン二次電池正極を用いたリチウムイオン二次電池、および、それらの製造方法
JP2021077531A (ja) 非水電解質二次電池
JP2023144412A (ja) 負極およびこれを備える二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161123

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6057124

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250