JP2023144412A - 負極およびこれを備える二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の繰り返し充放電時の電極体の寸法変化を小さくでき、かつ二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくできる、負極を提供する。【解決手段】ここに開示される負極は、負極集電体と、前記負極集電体上に設けられた負極活物質層と、前記負極活物質層上に設けられたコート層と、を備える。前記負極活物質層は、人造黒鉛を含有する。前記コート層は、天然黒鉛を含有する。前記コート層と前記負極活物質層との厚みの比は、3:97~28:72である。前記負極活物質層および前記コート層はそれぞれ、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、負極に関する。本発明はまた、当該負極を備える二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
代表的な二次電池であるリチウムイオン二次電池の負極活物質として、黒鉛が広く用いられている。黒鉛は、天然黒鉛と人造黒鉛とに大別される。天然黒鉛および人造黒鉛のそれぞれの特性を利用するために、引用文献1には、負極活物質層を、人造黒鉛およびポリフッ化ビニリデンを含有する層の上に天然黒鉛およびポリフッ化ビニリデンを含有する層が配置された複層構造とすることが開示されている。引用文献1には、このような負極によって、リチウムイオン二次電池の充電レート特性および信頼性が向上することが記載されている。
特開2009-64574号公報
二次電池においては、一般的に、複数の電極層が積層された電極体が使用されている。本発明者が鋭意検討した結果、天然黒鉛と人造黒鉛の両方を利用する上記従来技術においては、二次電池に充放電を繰り返した場合に、電極体の寸法変化が大きいという問題があることを見出した。二次電池においては、電極間の距離が一定に保たれることが、特性低下の抑制に有効である。電極体の寸法変化が大きい場合には、電極間距離の維持に対して反力が生じて、電池特性に悪影響が生じ得る。また、電極体の寸法変化が大きい場合には、電池ケース膨れの問題も生じ、電池モジュール構造および電池パック構造への悪影響を及ぼし得る。加えて、従来技術においては、二次電池にハイレート放電を行った際の内部抵抗が大きいという問題があること見出した。
そこで本発明は、二次電池の繰り返し充放電時の電極体の寸法変化を小さくでき、かつ二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくできる、負極を提供することを目的とする。
ここに開示される負極は、負極集電体と、前記負極集電体上に設けられた負極活物質層と、前記負極活物質層上に設けられたコート層と、を備える。前記負極活物質層は、人造黒鉛を含有する。前記コート層は、天然黒鉛を含有する。前記コート層と前記負極活物質層との厚みの比は、3:97~28:72である。前記負極活物質層および前記コート層はそれぞれ、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体を含有する。このような構成によれば、二次電池の繰り返し充放電時の電極体の寸法変化を小さくでき、かつ二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくできる、負極を提供することができる。
ここに開示される負極の好ましい一態様においては、前記ゴム系バインダが、スチレンブタジエンゴムである。ここに開示される負極の好ましい一態様においては、前記水溶性セルロース誘導体が、カルボキシメチルセルロースまたはその塩である。ここに開示される負極の好ましい一態様においては、前記コート層と前記負極活物質層との厚みの比が、3:97~25:75である。
別の側面から、ここに開示される二次電池は、正極と、上記の負極と、電解質と、を備える。このような構成によれば、繰り返し充放電時の電極体の寸法変化が小さく、かつハイレート放電時の内部抵抗が小さい二次電池が提供することができる。
本発明の一実施形態に係る負極を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る負極を用いたリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 図2のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
ここに開示される負極は、典型的には、二次電池に用いられ、好適にはリチウムイオン二次電池に用いられる。図1は、ここに開示される負極の一例の本実施形態に係る負極60を模式的に示す断面図であり、厚さ方向および幅方向に沿った断面図である。図1に示されている本実施形態に係る負極60は、リチウムイオン二次電池の負極である。
図示されるように、負極60は、負極集電体62と、負極活物質層64と、コート層66とを、備える。負極活物質層64は、負極集電体62上に形成されている。コート層66は、負極活物質層64上に形成されている。よって、負極60において、負極活物質層64は負極集電体62側の層であり、コート層66は表層部側の層である。図示例では、負極活物質層64およびコート層66は、負極集電体62の両主面側に設けられているが、一方の主面側のみに設けられていてもよい。
図示例では、負極60の幅方向の一方の端部に、負極活物質層64およびコート層66が設けられていない負極集電体露出部62aが設けられている。負極集電体露出部62aは、集電部として機能することができる。しかしながら、負極60から集電するための構成はこれに限られない。
負極集電体62の形状は、図示例では、箔状(またはシート状)であるが、これに限定されない。負極集電体62は、棒状、板状、メッシュ状等の種々の形態であってよい。負極集電体62の材質としては、従来のリチウムイオン二次電池と同様に、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)を用いることができ、なかでも、銅が好ましい。負極集電体62としては、銅箔が特に好ましい。
負極集電体62の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。負極集電体62として銅箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは6μm以上20μm以下である。
負極活物質層64は、負極活物質と、ゴム系バインダと、水溶性セルロース誘導体と、を含有する。本実施形態においては、負極活物質層64に含有される負極活物質として、少なくとも人造黒鉛が用いられる。
人造黒鉛は、炭素材料の人工的な黒鉛化処理によって製造された黒鉛であり、天然黒鉛に比べて、充放電時の膨張収縮が小さいという特性を有する。そのため、充放電を繰り返した際の負極活物質層64の寸法変化を小さくするのに寄与し、したがって、充放電を繰り返した際の二次電池の電極体の寸法変化を小さくするのに寄与する。
人造黒鉛の種類は特に制限されない。人造黒鉛の例としては、コークス系人造黒鉛(すなわち、生コークス、グリーンコークス、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等を黒鉛化したもの)、ピッチ系人造黒鉛(すなわち、石炭系ピッチ、石油系ピッチなどのピッチを焼成後、黒鉛化したもの)、樹脂等の有機物を焼成後黒鉛化したもの、メソカーボンマイクロビーズ、バルクメソフェーズ黒鉛化物、黒鉛化メソフェーズピッチ炭素繊維などが挙げられる。なかでも、コークス系人造黒鉛が好ましい。
人造黒鉛は一般に、天然黒鉛と比べて、ラマン分光法によって求まるDバンドのピーク強度(I)に対するGバンドのピーク強度(I)の比(I/I)が大きいという特徴を有する。人造黒鉛においてこの比(I/I)は、例えば6.7以上であり、好ましくは7.3以上であり、より好ましくは8.0以上である。なお、Dバンドのピーク強度(I)およびGバンドのピーク強度(I)はそれぞれ、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマン分光測定において1360cm-1付近および1580cm-1付近に出現するピークの強度として求めることができる。
人造黒鉛の平均粒子径(メジアン径D50)は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは3μm以上30μm以下であり、より好ましくは5μm以上22μm以下である。なお、本明細書において、平均粒子径(メジアン径D50)とは、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準での粒度分布において、累積度数が体積百分率で50%となる粒子径(D50)のことを指す。
人造黒鉛のBET比表面積は、特に制限されず、好ましくは1.5m/g以上である。
負極活物質層64に含まれる負極活物質は、人造黒鉛のみであってよい。しかしながら、負極活物質層64は、人造黒鉛に加えて、本発明の効果を顕著に阻害しない範囲内(例えば、負極活物質の全重量に対して、10質量%未満、5質量%未満、3質量%未満、または1質量%未満)で、人造黒鉛以外の負極活物質を含有していてもよい。
負極活物質層64中の人造黒鉛の含有量は、特に限定されないが、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
従来技術においては、バインダに、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が用いられている。PVdFは、通常、負極活物質層を形成するための負極合材スラリー(またはペースト)において、有機溶剤と共に用いられ、よって、溶剤系バインダに分類される。
これに対し、本実施形態では、ゴム系バインダが用いられる。ゴム系バインダは、ゴムの微粒子が水に分散した、ラテックス、エマルジョン、またはディスパージョンの形態で用いることができ、よって水系バインダに分類される。水系バインダは、通常、負極活物質層を形成するための負極合材スラリー(またはペースト)において、水と共に用いられる。ゴム系バインダは、非水電解質によって膨潤し難く、これが二次電池に充放電を繰り返した際の電極体の寸法変化を小さくするのに寄与する。また、これが二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくするのに寄与する。ゴム系バインダの例としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。これらのゴム系バインダには、その変性体も含まれる。ゴム系バインダとしては、SBRが好ましい。
負極活物質層64中のゴム系バインダの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上8質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下である。
水溶性セルロース誘導体は、増粘剤として機能し、またバインダとしての機能も有する。水溶性セルロース誘導体は、負極合材スラリー(またはペースト)において、水と共に用いられ得る成分である。水溶性セルロース誘導体は、非水電解質によって膨潤し難く、これが二次電池に充放電を繰り返した際の電極体の寸法変化を小さくするのに寄与する。また、これが二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくするのに寄与する。水溶性セルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などが挙げられる。上記塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。水溶性セルロース誘導体としては、CMCまたはその塩(特にナトリウム塩)が好ましい。
負極活物質層64中の水溶性セルロース誘導体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.3質量%以上3質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以上2質量%以下である。
負極活物質層64は、導電材をさらに含有していてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックなどが挙げられる。負極活物質層64中の導電材の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上3質量%以下である。
負極活物質層64は、本発明の効果を顕著に損なわない範囲内(例えば、10質量%未満、5質量%未満、3質量%未満、または1質量%未満)で、上記以外の成分を含有していてもよい。
コート層66は、天然黒鉛と、ゴム系バインダと、水溶性セルロース誘導体と、を含有する。
天然黒鉛は、天然鉱物として得られる黒鉛であり、人造黒鉛よりもリチウムイオンの受け入れ性が高いという特徴を有する。負極60の表層部において、天然黒鉛を含むコート層66を配置することにより、負極60を用いた二次電池にハイレート放電を行った際の内部抵抗を小さくすることができる。
天然黒鉛としては、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛等が挙げられる。天然黒鉛は、球状化処理が施されたものであってもよい。なかでも、球状化処理が施された鱗片状黒鉛が好ましい。
天然黒鉛は一般に、人造黒鉛と比べて、ラマン分光法によって求まるDバンドのピーク強度(I)に対するGバンドのピーク強度(I)の比(I/I)が小さいという特徴を有する。天然黒鉛においてこの比(I/I)は、例えば6.7未満であり、好ましくは6.0以下であり、より好ましくは5.5以下である。
天然黒鉛の平均粒子径(メジアン径D50)は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは3μm以上30μm以下であり、より好ましくは5μm以上22μm以下である。
天然黒鉛のBET比表面積は、特に制限されず、好ましくは1.5m/g以上である。天然黒鉛は、一般的に、人造黒鉛よりもBET比表面積が大きい。よって、天然黒鉛のBET比表面積は、人造黒鉛のBET比表面積よりも大きくてもよい。
コート層66中の天然黒鉛の含有量は、特に限定されないが、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
コート層66に用いられる、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体の具体的な内容は、負極活物質層64に用いられる、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体と同じである。コート層66に含有される、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体の種類はそれぞれ、負極活物質層64に含有される、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
コート層66中のゴム系バインダの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上8質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下である。コート層66中の水溶性セルロース誘導体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.3質量%以上3質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以上2質量%以下である。
コート層66は、導電材をさらに含有していてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックなどが挙げられる。コート層66中の導電材の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上3質量%以下である。
コート層66は、本発明の効果を顕著に損なわない範囲内(例えば、10質量%未満、5質量%未満、3質量%未満、または1質量%未満)で、上記以外の成分を含有していてもよい。
本実施形態においては、コート層66は薄い層として形成され、よって、コート層66と負極活物質層64との厚みの比(コート層66:負極活物質層64)が、3:97~28:72である。
負極物質層64およびコート層66に、水系バインダであるゴム系バインダと、水溶性セルロース誘導体とを用い、コート層66と負極活物質層64との厚みの比を上記範囲内にすることにより、二次電池に充放電を繰り返した際の電極体の寸法変化を小さくすると共に、二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくすることができる。よって、コート層66の厚みの割合が大き過ぎて上記比の範囲を外れると、二次電池に充放電を繰り返した際の電極体の寸法変化が大きくなる。一方、コート層66の厚みの割合が小さ過ぎて上記比の範囲を外れると、二次電池のハイレート放電時の内部抵抗が大きくなる。コート層66と負極活物質層64との厚みの比(コート層66:負極活物質層64)は、好ましくは3:97~25:75である。
負極活物質層64およびコート層66の厚みは、上記の比を満たす限り、特に限定されない。負極活物質層64およびコート層66の合計厚みは、片面あたり、通常20μm以上であり、好ましくは50μm以上である。一方、当該合計厚みは、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下である。
負極活物質層64およびコート層66の合計目付量は、特に限定されない。合計目付量が大きいほど、二次電池に充放電を繰り返した際の電極体の寸法変化の低減効果が顕著になる。そのため、負極活物質層64およびコート層66の合計目付量は、20mg/cm以上が好ましい。
負極60は、例えば、次のようにして作製することができる。人造黒鉛と、ゴム系バインダと、水溶性セルロース誘導体と、水と、任意成分と、を含有する水系負極合材スラリー(またはペースト)を準備する。この水系負極合材スラリーを、負極集電体上に塗布し、乾燥して負極活物質層64を形成する。天然黒鉛と、ゴム系バインダと、水溶性セルロース誘導体と、水と、任意成分と、を含有する水系コート層形成用スラリー(またはペースト)を準備する。この水系コート層形成用スラリーを、負極活物質層64の上に塗布し、乾燥してコート層を形成する。負極活物質層64およびコート層66の厚み、密度等の調整のために、負極活物質層64およびコート層66に対してプレス処理をさらに行ってもよい。これらの操作は、公知方法に準じて行うことができる。
本実施形態に係る負極60を用いて二次電池を作製した場合には、二次電池に充放電を繰り返した際の電極体の寸法変化を小さくすることができ、これにより、電極体形状(特に電極間距離)の維持に対して反力が生じることを抑制することができる。その結果、種々の電池特性の低下を抑制することができる。加えて、本実施形態に係る負極60を用いて二次電池を作製した場合には、二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくすることができる。
そこで、別の側面から、ここに開示される二次電池は、正極と、本実施形態に係る負極と、電解質と、を備える。以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて、ここに開示される二次電池の実施形態を、図2および図3を参照しながら説明する。
図2に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図2および図3に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64と、その上のコート層66とが形成されている構成を有する。正極集電体露出部52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極集電体露出部62a(すなわち、負極活物質層64およびコート層66が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極集電体露出部52aおよび負極集電体露出部62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
捲回電極体20のターン数は、特に限定されないが、例えば20ターン以上150ターン以下であり、好ましくは30ターン以上100ターン以下である。したがって、捲回電極体20において、電極層の数(正極層および負極層の合計)は、例えば40以上300以下であり、好ましくは60以上200以下である。電極体20が、捲回電極体以外の電極体の場合でも、電極層の数に関しては同様である。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極集電体を用いてよく、その例としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)製のシートまたは箔が挙げられる。正極集電体52としては、アルミニウム箔が好ましい。
正極集電体52の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。正極集電体52としてアルミニウム箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の組成の正極活物質を用いてよい。具体的に例えば、正極活物質として、リチウム複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。正極活物質の結晶構造は、特に限定されず、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってよい。
リチウム複合酸化物としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等が挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で用いてよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
リチウム遷移金属リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸マンガン鉄リチウム等が挙げられる。
正極活物質としては、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物が特に好ましい。
正極活物質の平均粒子径は、特に限定されず、従来のリチウムイオン二次電池において採用される平均粒子径と同程度であってよい。正極活物質の平均粒子径(メジアン径D50)は、典型的には25μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。
正極活物質層54は、正極活物質以外の成分、例えば、リン酸三リチウム、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラック;気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)等の炭素繊維;その他(例、グラファイトなど)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
正極活物質層54中の正極活物質の含有量(すなわち、正極活物質層54の全質量に対する正極活物質の含有量)は、特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは85質量%以上99質量%以下である。正極活物質層54中のリン酸三リチウムの含有量は、特に制限はないが、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.2質量%以上10質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に制限はないが、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.3質量%以上15質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中のバインダの含有量は、特に制限はないが、0.4質量%以上15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
正極活物質層54の片面当たりの厚みは、特に限定されないが、通常20μm以上であり、好ましくは50μm以上である。一方、当該厚みは、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下である。
負極シート60としては、上述の負極60が用いられている。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解質は、典型的には、非水溶媒と支持塩とを含有する。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましく、その具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビニレンカーボネート、オキサラト錯体等の被膜形成剤;ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
以上にように構成されるリチウムイオン二次電池100では、繰り返し充放電時の電極体20の寸法変化が小さく、かつハイレート放電時の内部抵抗が小さい。リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。また、公知方法に従い、非水電解質の代わりに固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池として構成することもできる。
また本実施形態に係る負極60は、リチウムイオン二次電池の負極に適しているが、その他の二次電池の負極として使用することができ、その他の二次電池は、公知方法に従って構成することができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1~5および比較例1~2>
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=97.0:2.0:1.0の質量比で混合し、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を適量加えて、正極合材スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に、リード取付部を除いて塗布し、乾燥して正極活物質層を形成した。この正極活物質層に対してロールプレス処理を行い、所定の寸法に裁断して、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された正極シートを得た。得られた正極シートにおいて、正極活物質層の充填密度は、3.50g/cmであった。
負極活物質として、ラマン分光法によって求まる上述の比(I/I)が9.1、BET比表面積が1.8m/gの人造黒鉛を用意した。この人造黒鉛(AG)と、導電材としてのABと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョンとを、AG:AB:CMC:SBR(固形分)=96.0:2.0:1.0:1.0の質量比で混合し、水を適量加えて、負極合材スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての銅箔の両面に、リード取付部を除いて塗布し、乾燥して負極活物質層を形成した。これを、所定の寸法に裁断した。
ラマン分光法によって求まる上述の比(I/I)が5.5、BET比表面積が2.2m/gの天然黒鉛を用意した。この天然黒鉛(NG)と、導電材としてのABと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョンとを、NG:AB:CMC:SBR(固形分)=96.0:2.0:1.0:1.0の質量比で混合し、水を適量加えて、コート層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、上記で形成した負極活物質層の上に塗布し、乾燥して負極活物質層の表面にコート層を形成した。
このとき、負極合材スラリーとコート層形成用スラリーの塗布厚みを変化させることで、負極活物質層とコート層の厚みの比が、表1に示す値になるように調整した。なお、負極活物質層とコート層の合計厚みは、実施例1~4および比較例1~2において同じになるようにした。
形成した負極活物質層およびコート層に対してロールプレス処理を行い、負極集電体の両面に負極活物質層およびコート層が形成された負極シートを得た。得られた負極シートにおいて、負極活物質層の充填密度は、1.50g/cmであった。
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒を用意した。この混合溶媒に、ビニレンカーボネートを1.0質量%の濃度となるように添加し、かつLiPFを1.15mol/Lの濃度となるように溶解させた。このようにして、非水電解質を調製した。
セパレータとして、単層構造の多孔質ポリプロピレンシートを用意した。上記作製した正極シートおよび負極シートのそれぞれ、リードを取り付けた。正極シートと負極シートとをセパレータを介在させながら交互に積層して、積層型の電極体を作製した。この電極体を、上記調製した非水電解質と共に角型の電池ケースに収容して、気密に封止した。このようにして、実施例1~5および比較例1~2の評価用リチウムイオン二次電池を得た。
<比較例3>
コート層を形成せずに、負極活物質層の厚みを、実施例1の負極活物質層とコート層の合計厚みと同じにした以外は、実施例1と同様にして負極シートを作製した。さらに、この負極シートを用いた以外は実施例1と同様の方法で、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例4>
上記の人造黒鉛(AG)と上記の天然黒鉛(NG)とピッチとを、AG:NG=90:10の質量比で混合した炭素材混合物を得た。この炭素材混合物を、ピッチが炭化して非晶質炭素となるように焼成を行った。このようにして、人造黒鉛の表面が、非晶質炭素および天然黒鉛から構成される被覆層で被覆された、複合化黒鉛を得た。
負極活物質としての複合化黒鉛(CG)と、導電材としてのABと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョンとを、CG:AB:CMC:SBR(固形分)=96.0:2.0:1.0:1.0の質量比で混合し、水を適量加えて、負極合材スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての銅箔の両面に、リード取付部を除いて塗布し、乾燥して負極活物質層を形成した。これを、所定の寸法に裁断した。
形成した負極活物質層に対してロールプレス処理を行い、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極シートを得た。得られた負極シートにおいて、負極活物質層の充填密度は、1.50g/cmであった。なお、比較例4において、負極活物質層の厚さは、実施例1の負極活物質層とコート層の合計厚みと同じとした。
この負極シートを用いた以外は実施例1と同様の方法で、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例5>
上記の人造黒鉛(AG)と、導電材としてのABと、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、AG:AB:PVdF=96.0:2.0:2.0の質量比で混合し、NMPを適量加えて、負極合材スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての銅箔の両面に、リード取付部を除いて塗布し、乾燥して負極活物質層を形成した。これを、所定の寸法に裁断した。
上記の天然黒鉛(NG)と、導電材としてのABと、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、NG:AB:PVdF=96.0:2.0:2.0の質量比で混合し、NMPを適量加えて、コート層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、上記で形成した負極活物質層の上に塗布し、乾燥して負極活物質層の表面にコート層を形成した。
このとき、負極合材スラリーとコート層形成用スラリーの塗布厚みを9:1とすることで、負極活物質層とコート層の厚みの比が9:1になるように調整した。なお、負極活物質層とコート層の合計厚みは、実施例1と同じになるようにした。
形成した負極活物質層およびコート層に対してロールプレス処理を行い、負極集電体の両面に負極活物質層およびコート層が形成された負極シートを得た。得られた負極シートにおいて、負極活物質層の充填密度は、1.50g/cmであった。
この負極シートを用いた以外は実施例1と同様の方法で、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例6>
上記の天然黒鉛(NG)と上記の人造黒鉛(AG)とを、NG:AG=10:90の質量比で混合し、黒鉛混合物を得た。負極活物質としての黒鉛混合物(GM)と、導電材としてのABと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョンとを、GM:AB:CMC:SBR(固形分)=96.0:2.0:1.0:1.0の質量比で混合し、水を適量加えて、負極合材スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての銅箔の両面に、リード取付部を除いて塗布し、乾燥して負極活物質層を形成した。これを、所定の寸法に裁断した。
形成した負極活物質層に対してロールプレス処理を行い、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極シートを得た。得られた負極シートにおいて、負極活物質層の充填密度は、1.50g/cmであった。なお、比較例6において、負極活物質層の厚さは、実施例1の負極活物質層とコート層の合計厚みと同じとした。
この負極シートを用いた以外は実施例1と同様の方法で、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<ハイレート放電時初期抵抗評価>
各評価用リチウムイオン二次電池に対して、定電流-定電圧充電を行って、SOC50%に調整した。これを25℃の温度環境下に置き、5Cの電流値で10秒間放電した。このときの電圧降下量を求め、この電圧降下量を用いて内部抵抗を算出した。
<充放電サイクル後厚み変化評価>
各評価用リチウムイオン二次電池を、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で解体して、電極体の厚みを測定し、初期厚みとした。各評価用リチウムイオン二次電池を、25℃の温度環境下に置いた。各評価用リチウムイオン二次電池を0.5Cの電流値で4.25Vまでの定電流-定電圧充電を3時間行った。次いで、各評価用リチウムイオン二次電池を、0.5Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を求め、初期容量とした。
上記充放電を1サイクルとし、各評価用リチウムイオン二次電池に対して、上記の充放電を1000サイクル行った。そして、上記と同じ方法で、放電容量を求め、1000サイクル後の放電容量を求めた。(充放電1000サイクル後の放電容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。
さらに、充放電1000サイクル後の各評価用リチウムイオン二次電池を、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で解体して、充放電1000サイクル後の電極体の厚みを測定した。この充放電1000サイクル後の電極体の厚みと、電極体の初期厚みとの差を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2023144412000002
比較例1~3および実施例1~4では、負極活物質層とコート層との厚み割合を変化させた。表1の結果より、天然黒鉛を含むコート層の厚み割合が小さいと、充放電によって体積膨張を起こしやすい天然黒鉛の影響が小さくなり、充放電サイクル後の電極体の厚み変化が小さくなることがわかる。そして、コート層の厚み割合と電極体の厚み変化は、比例関係にはなく、コート層の厚み割合が28%以下になると急激に小さくなることがわかる。
一方で、コート層がない場合(比較例3)には、ハイレート放電時の内部抵抗が顕著に大きくなることがわかる。このことから、ハイレート放電においては、負極表層部におけるリチウムイオン受け入れ性が支配的であることが示唆される。よって、リチウムイオン受け入れ性が高い天然黒鉛を含むコート層を、薄くても設けることが、ハイレート放電時の内部抵抗低減に対して非常に有効であることがわかる。
比較例4では、人造黒鉛を天然黒鉛で被覆した複合粒子を用いたが、充放電サイクル後の電極体厚み変化が大きく、容量維持率が低かった。これは、人造黒鉛と天然黒鉛とでは、結晶性が異なるために体積膨張率が異なり、複合粒子に粒子割れが生じたためであると考えられる。
比較例5では、従来技術と同様にバインダとして、溶剤系バインダであるPVdFを用いた。この場合、電極体の厚み変化が大きく、ハイレート放電時の内部抵抗も大きかった。このことから、負極活物質層とコート層との特定の厚み比によって得られる電極体の厚み変化低減効果は、特定のバインダ種を用いた場合に顕著に発揮されることがわかる。
比較例6では、単純に人造黒鉛と天然黒鉛とを混合した。この場合、電極体の厚み変化の抑制も、ハイレート放電時の内部抵抗の低減も共に不十分であった。
以上のことから、ここに開示される負極によれば、二次電池の繰り返し充放電時の電極体の寸法変化を小さくでき、かつ二次電池のハイレート放電時の内部抵抗を小さくできることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極集電体露出部
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極集電体露出部
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (5)

  1. 負極集電体と、
    前記負極集電体上に設けられた負極活物質層と、
    前記負極活物質層上に設けられたコート層と、
    を備える負極であって、
    前記負極活物質層は、人造黒鉛を含有し、
    前記コート層は、天然黒鉛を含有し、
    前記コート層と前記負極活物質層との厚みの比が、3:97~28:72であり、
    前記負極活物質層および前記コート層がそれぞれ、ゴム系バインダおよび水溶性セルロース誘導体を含有する、
    負極。
  2. 前記ゴム系バインダが、スチレンブタジエンゴムである、請求項1に記載の負極。
  3. 前記水溶性セルロース誘導体が、カルボキシメチルセルロースまたはその塩である、請求項1または2に記載の負極。
  4. 前記コート層と前記負極活物質層との厚みの比が、3:97~25:75である、請求項1~3のいずれか1項に記載の負極。
  5. 正極と、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の負極と、
    電解質と、
    を備える二次電池。
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