JP6052479B1 - プレス成形品の製造方法、プレス成形品及びプレス装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本開示を実施するための形態、すなわち、本実施形態について説明する。次いで、本実施形態の実施例について説明する。
以下、本実施形態について説明する。まず、例えば、図1並びに図2A、B、C、D、E及びFに示されている、本実施形態のルーフ部材1の構成について説明する。次いで、例えば、図4〜図7に示されている、本実施形態のプレス装置17の構成について説明する。次いで、本実施形態のルーフ部材の製造方法について説明する。次いで、本実施形態の作用について説明する。なお、本実施形態のルーフ部材1は、図9に示される、後述する実施例1に相当する。
まず、本実施形態のルーフ部材1の構成について、図面を参照しつつ説明する。ここで、ルーフ部材1は、プレス成形品の一例である。
次に、本実施形態のプレス装置17の構成について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態のプレス装置17は、本実施形態のルーフ部材1を製造するためのものである。プレス装置17は、図4〜図7に示されるように、第1プレス装置18と、第2プレス装置19と、を含んで構成されている。本実施形態のプレス装置17では、図3A、B、C、D、E及びF、図5並びに図7に示されるように、第1プレス装置18を用いてブランクBLを絞り加工によりプレス成形して中間成形品30を成形し、次いで、第2プレス装置19により中間成形品30をプレス成形して、製品、すなわち、ルーフ部材1を製造するようになっている。なお、ブランクBLは、ルーフ部材1を製造するための基材である長尺の高張力鋼板とされている。
第1プレス装置18は、成形対象品であるブランクBLをプレスして、中間成形品30を成形する機能を有する。
第2プレス装置19は、成形対象品である中間成形品30をプレスして、中間成形品30をルーフ部材にする機能を有する。
次に、本実施形態のルーフ部材1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態のルーフ部材1の製造方法は、プレス装置17を用いて行われる。また、本実施形態のルーフ部材1の製造方法は、第1プレス装置18により行われる工程とされる第1工程と、第2プレス装置19により行われる工程とされる第2工程と、を含む。
第1工程では、図5に示されるように、上型21と下型22との隙間の定められた位置にブランクBLを配置する。次いで、作業者が第1プレス装置18を操作すると、第1移動装置により上型21が下型22側に移動されて、ブランクBLが絞り加工によりプレス成形される。すなわち、第1工程では、上型21と下型22とを用いて成形対象品であるブランクBLをプレスする。その結果、ブランクBLから中間成形品30が成形される。なお、仮フランジ7aは、図3A、B、C、D、E及びFに示されるように、中間成形品30のフランジ6aにおける縦壁4aに対して形成する角度のうち小さい方の角度が長手方向全域に亘って120(°)となるように成形される。また、仮フランジ7bは、図3A、B、C、D、E及びFに示されるように、中間成形品30の仮フランジ7bにおける縦壁4bに対して形成する角度のうち小さい方の角度が長手方向全域に亘って160(°)となるように、すなわち、縦壁4bに対する仮フランジ7bの角度が鈍角となるように成形される。
次いで、中間成形品30は、図7に示されるように、第2プレス装置19の第2金型40の下型43に嵌め込まれる。そして、作業者が第2プレス装置19を操作すると、第2移動装置19により上型41が下型42側に移動されて、中間成形品30がプレスされる。その結果、中間成形品30からルーフ部材1が成形される。なお、第2工程において、上型41と下型42とで中間成形品30がプレスされると、仮フランジ7aの縦壁4aに対する角度は変わらない。これに対して、仮フランジ7bにおける縦壁4bの部分4b1に繋がっている部分の角度は140(°)に、縦壁4bの部分4b3に繋がっている部分の角度は150(°)に、変更される。また、縦壁4bの部分4b2に繋がっている部分(特定部分の一例)の角度は、部分4b3との境界での角度を150(°)、部分4b1との境界での角度を140(°)とし、長手方向における部分4b3との境界から部分4b1との境界に亘って連続的に減少しているように変更される。そして、第2工程において、以上のように、仮フランジ7bが変形されると、仮フランジ7bがフランジ6bになる。これに伴い、フランジ6bにおける縦壁4bの部分4b2に繋がっている部分の先端側の長さは、仮フランジ7bにおける縦壁4bの部分4b2に繋がっている部分の先端側の長さよりも長くなる。
次に、本実施形態の作用について、本実施形態を後述する比較形態と比較して説明する。なお、図示を省略した比較形態のルーフ部材1は、後述する図9における比較例1に相当する。
次に、実施例及び比較例について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、本実施形態及び比較形態で用いた部品等の符号と同様の部品等の符号を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いる。
図9の表には、実施例1〜12及び比較例1〜5についてのシミュレーションの条件と、評価結果とが記載されている。ここで、図9の表について説明すると、板厚とは、シミュレーションに用いたブランクBLの厚みである。強度とは、シミュレーションに用いたブランクBLの引張強度である。第1工程の項目には、部分4b1、部分4b2、部分4b3と記載されている。それぞれ、部分4b1に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)、部分4b2に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)、部分4b3に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)を示す。また、第2工程の項目には、部分4b1、部分4b2、部分4b3と記載されている。それぞれ、部分4b1に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)、部分4b2に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)、部分4b3に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)を示す。なお、実施例2の場合、第1工程の項目において、部分4b2に繋がる仮フランジ7bの縦壁4bに対する角度(°)が160〜165とあるが、これは、部分4b2における部分4b1との境界から部分4b3との境界まで、160(°)から165(°)まで連続的に異なるようになっていることを意味する。また、実施例2〜7の場合、第2工程の項目において、部分4b2に繋がるフランジ6bの縦壁4bに対する角度(°)が140〜150とあるが、これは、部分4b2における部分4b1との境界から部分4b3との境界まで、140(°)から150(°)まで連続的に異なるようになっていることを意味する。さらに、実施例8、10及び11の場合、第2工程の項目において、部分4b2に繋がるフランジ6bの縦壁4bに対する角度(°)が100〜90とあるが、これは、部分4b2における部分4b1との境界から部分4b3との境界まで、100(°)から90(°)まで連続的に異なるようになっていることを意味する。実施例9及び12の場合は、実施例8、10及び11の場合と角度の範囲が異なる点以外は同様に、第2工程において、部分4b2における部分4b1との境界から部分4b3との境界まで、130(°)か110(°)まで連続的に異なるようになっていることを意味する。先端部ねじれ、後端部ねじれ、先端部曲がり、後端部曲がり及び平均曲がり量については、前述の説明のとおりである。
図9の表から、実施例1〜12のルーフ部材1は、比較例1〜4のルーフ部材に比べて、板厚及び強度が同じ条件の場合に、平均曲がり量が少ない、別言すれば、曲がりが小さいことがわかる。また、実施例1〜12のルーフ部材1は、比較例1〜4のルーフ部材に比べて、板厚及び強度が同じ条件の場合に、ねじれが小さいことがわかる。以上のことから、本実施形態とされる実施例1の例である実施例2〜12は、比較形態とされる比較例1の例である比較例2〜4に比べて、前述の本実施形態の作用を奏すると考えられる。
本明細書からは、以下の他の開示が概念化される。
すなわち、他の開示とは、
「引張強度が440MPa〜1600MPaの鋼板とされるブランクに、パンチ、ダイ及びホルダを用いる第1のプレス成形を行うことにより、長手方向へ延びて存在する天板と、該天板の両側にそれぞれつながる2つの稜線と、該2つの稜線にそれぞれつながる2つの縦壁と、該2つの縦壁にそれぞれつながる2つの凹稜線部と、該2つの凹稜線部にそれぞれつながる2つのフランジとを含んで構成される略ハット型の横断面形状を有するとともに前記天板が上部に位置する姿勢で配置された場合の上面視及び側面視のそれぞれで前記長手方向の一方の端部から他方の端部へ向けて湾曲する湾曲部を有する中間成形品を製造し、
該中間成形品に、パンチ、ダイ及びホルダを用いる第2のプレス成形を行うことにより、前記一方の端部を含む前記長手方向への第1の部分及び前記他方の端部を含む前記長手方向への第3の部分それぞれの曲率半径は前記第1の部分及び前記第3の部分それぞれに連続する第2の部分の曲率半径よりも大きく、前記2つのフランジのうち少なくとも一方のフランジは、該フランジに前記凹稜線部を介して連続する前記縦壁に対する角度が前記長手方向に変化するプレス成形品を製造する方法であって、
前記第1のプレス成形では、下記(1)式を満足するように前記中間成形品における前
記湾曲部の外側の前記縦壁及び前記フランジを形成し、かつ、前記第2のプレス成形では、前記中間成形品における前記湾曲部の外側の前記縦壁及び前記フランジを前記プレス成形品における前記湾曲部の外側の前記縦壁及び前記フランジに成形するとともに、下記(2)式を満足するように、前記プレス成形品における前記湾曲部の外側の前記フランジの角度の長手方向変化量を前記中間成形品における前記湾曲部の外側の前記フランジの角度の長手方向変化量よりも大きくするプレス成形品の製造法。
(1)式 0.9≦DOF1/DOR1≦1
(2)式 ΔDO2>ΔDO1
ここで、
DOF1は、前記中間成形品の前記一方の端部を含む前記湾曲部の外側における前記縦壁及び前記フランジのなす角度である。
DOR1は、前記中間成形品の前記他方の端部を含む前記湾曲部の外側における前記縦壁及び前記フランジのなす角度である。
ΔDO1は、前記中間成形品における前記湾曲部の外側の前記フランジの角度の長手方向変化量である。
ΔDO2は、前記プレス成形品における前記湾曲部の外側の前記フランジの角度の長手方向変化量である。」
とされる。
Claims (4)
- 長尺な天板と、該天板の短手方向の端部に一端が繋がり、前記天板の上側から見て前記天板の反対側に凸状に湾曲し、前記天板の長手方向の両側よりも曲率半径が小さい急湾曲部を有する壁と、該壁の他端に繋がりかつ前記壁の板厚方向において前記天板側とは反対側に延びるフランジとを含むプレス成形品の製造方法であって、
プレスによって、前記天板と、前記壁と、該壁の他端に繋がりかつ前記壁の板厚方向において前記天板側とは反対側に延びる仮フランジとを含む中間成形品を成形する第1工程と、
プレスによって、前記仮フランジにおける前記急湾曲部に繋がる特定部分が前記急湾曲部に対し成す角の角度が前記長手方向の各部で一端から他端に亘って連続的に増加又は減少しているように前記仮フランジを変形させて、前記仮フランジを前記フランジにする第2工程と、
を含むプレス成型品の製造方法。 - 長尺な天板と、
該天板の短手方向の端部に一端が繋がり、前記天板の上側から見て前記天板の反対側に凸状に湾曲し、前記天板の長手方向の両側よりも曲率半径が小さい急湾曲部を有する壁と、
該壁の他端に繋がり、前記壁の板厚方向において前記天板側とは反対側に延び、前記急湾曲部に対し成す角の角度が前記長手方向の一端から他端に亘って連続的に増加又は減少しているフランジと、
を備えたプレス成形品。 - 前記フランジにおける前記急湾曲部に繋がっている部分のビッカース硬さの値は、前記フランジにおける前記急湾曲部に対して前記長手方向の一端側及び他端側の前記壁に繋がっている部分のうちビッカース硬さの値が大きい部分のビッカース硬さの値よりも小さい、
請求項2に記載のプレス成形品。 - 第1ダイと第1パンチとでブランクをプレスして中間成形品を成形する第1プレス装置と、第2ダイと第2パンチとで前記中間成形品をプレスする第2プレス装置とを備えたプレス装置であって、
前記第1ダイには、長尺な第1底面と、第1側面とを含んで構成される長尺な第1溝が形成され、
前記第1側面は、前記第1底面の短手方向の端部に一端が繋がり、型閉じ方向から見て前記第1底面側と反対側に凸状に湾曲し、前記第1底面の長手方向の両側よりも曲率半径が小さい第1急湾曲部を有する第1湾曲面と、該第1湾曲面の他端に繋がり、型閉じ方向から見て前記第1底面側と反対側に形成され、前記第1湾曲面に対して傾斜する第1傾斜面とを含んで構成され、
前記第1パンチの形状は、型閉じ時に前記第1溝の形状に合わせて嵌る形状である、
第1プレス装置と、
前記第2ダイには、長尺な第2底面と、第2側面とを含んで構成される長尺な第2溝が形成され、
前記第2側面は、前記第2底面の短手方向の端部に一端が繋がり、前記第1急湾曲部に対応する位置に形成され、型閉じ方向から見て前記第2底面側と反対側に凹状に湾曲し、前記第2底面の長手方向の両側よりも曲率半径が小さい第2急湾曲部を有する第2湾曲面と、該第2湾曲面の他端に繋がり、型閉じ方向から見て前記第2底面側と反対側に形成され、前記第2急湾曲部に対し成す角の角度が前記長手方向の一端から他端に亘って連続的に増加又は減少している第2傾斜面とを含んで構成され、
前記第2パンチの形状は、型閉じ時に前記第2溝の形状に合わせて嵌る形状である、
第2プレス装置と、
を備えたプレス装置。
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