JP6696611B1 - プレス成形方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、天面と側壁とフランジを備えて長手方向に沿って湾曲するハット型断面形状の最終成形品のプレス成形において、第1工程で側壁の下端から広がるテーパ部と、そのテーパ部の下端から拡がるフランジ部とを備えた中間成形品を成形し、第2工程で該中間成形品のテーパ部およびフランジを平坦なフランジに再成形する技術が開示されており、フランジのスプリングバックを抑制してフランジと側壁の角度及びフランジの平坦度を向上することができるとされている。
本発明で成形対象とするプレス成形品1は、図2に一例として示すように、天板部3と、天板部3から連続する縦壁部5と、縦壁部5から連続するフランジ部7とを有してなる断面ハット形状の平面視で長手方向に沿って湾曲するものである。
そのため、プレス成形品1においては、フランジ部7の角度の精度を向上するために、スプリングバックによる縦壁部5の壁反りを抑制したプレス成形が要求される。
本発明の実施の形態1に係るプレス成形方法は、一例として図1(c)に示すようなプレス成形品1をプレス成形するものであって、一例として図1(a)及び図1(b)に示すような中間成形品11をプレス成形する第1成形工程と、中間成形品11を目標形状のプレス成形品1にプレス成形する第2成形工程と、を有するものである。
第1成形工程は、図1(a)及び図1(b)に示すような、プレス成形品1の目標形状と同形状の天板部13及びフランジ部17と、プレス成形品1の目標形状と比較してプレス成形方向における断面が外側に凸の山形状の縦壁部15と、を有する中間成形品11をプレス成形する工程である。
これに対し、縦壁成形部115及び125は、プレス成形品1の目標形状と比較して、プレス成形方向における断面が外側に凸の山形状の縦壁部15を成形するものである。
第2成形工程は、第1成形工程でプレス成形された中間成形品11を目標形状のプレス成形品1にプレス成形する工程である。第2成形工程により、中間成形品11の縦壁部15は、目標形状と同形状の縦壁部5にプレス成形される。
本実施の形態1に係るプレス成形方法により、スプリングバックによるプレス成形品1のフランジ部7の角度変化(図2参照)を抑制することができる理由を以下に説明する。
(ii)長手方向に直交する断面において、中間成形品11のパンチ肩R部14からダイ肩R部16に至るまでの稜線の長さL(縦壁部15の断面線長)は、目標形状のプレス成形品1のパンチ肩R部4からダイ肩R部6に至るまでの稜線の長さ(縦壁部5の断面線長)と同じである。
(iii)中間成形品11におけるフランジ側面部15bと水平面のなす角度γは、目標形状のプレス成形品1の縦壁部5と水平面のなす角度と同じである。
本発明の実施の形態2に係るプレス成形方法は、一例として図1(c)に示すようなプレス成形品1をプレス成形するものであって、一例として図6に示すような断面形状を有する中間成形品21をプレス成形する第1成形工程と、中間成形品21を目標形状のプレス成形品1にプレス成形する第2成形工程と、を有するものである。
第1成形工程は、図6に示すような、プレス成形品1の目標形状と同形状の天板部23及びフランジ部27と、プレス成形品1の目標形状と比較してプレス成形方向における断面が外側に凸の山形状の縦壁部25と、を有する中間成形品21をプレス成形する工程である。
第2成形工程は、第1成形工程でプレス成形された中間成形品21を目標形状のプレス成形品1にプレス成形する工程である。第2成形工程により、中間成形品21の縦壁部25は、目標形状と同形状の縦壁部5にプレス成形される。
本実施の形態2に係るプレス成形方法により、スプリングバックによるプレス成形品1のフランジ部7の角度変化(図2参照)を抑制することができる理由を以下に説明する。
(ii’)長手方向に直交する断面において、中間成形品21のパンチ肩R部24からダイ肩R部26に至るまでの稜線の長さL(縦壁部15の断面線長)は、目標形状のプレス成形品1のパンチ肩R部4からダイ肩R部6に至るまでの稜線の長さ(縦壁部5の断面線長)と同じである。
(iii’)中間成形品21におけるフランジ側面部25bと水平面のなす角度γは、プレス成形品1の縦壁部5と水平面のなす角度と同じである。
また、プレス成形品1のプレス成形に供する金属板は、板厚1.2mm、引張強度980MPa級の鋼板とした。
実施例1では、第1成形工程において、図1(b)に示すように、天板部13から屈曲部15cまでの高さhを一定のまま(hc=hs)、天板側面部15aと水平面とのなす角度φを長手方向の中央(φc)から端部(φs)に向かって小さくなるように設定した中間成形品11をプレス成形した。そして、続く第2成形工程において中間成形品11を目標形状のプレス成形品1にプレス成形し、目標形状のフランジ部7の接合面(水平面)を基準としてプレス成形品1のスプリングバックによるフランジ部7の角度変化を求めた。
また、中間成形品11の天板部13の幅とフランジ部17の幅は、目標形状のプレス成形品1と同じとした。さらに、中間成形品11におけるパンチ肩R部14からダイ肩R部16に至る稜線の長さ(縦壁部15の断面線長)及び水平面に対するフランジ側面部15bの角度は、それぞれ、プレス成形品1のパンチ肩R部4からダイ肩R部6に至る稜線の長さ(縦壁部5の断面線長)及び水平面に対する縦壁部5の角度と同じとした。
図8及び図9より、いずれの湾曲の曲率半径においても、従来例に比べて2工程で目標形状のプレス成形品1にプレス成形する比較例及び発明例の方が縦壁部5の壁反りが抑制されている。さらに、比較例と発明例を比較すると、発明例の方が縦壁部5の壁反りがより抑制されていることが分かる。
さらに、比較例と発明例を比較すると、湾曲内側と湾曲外側の縦壁部15のそれぞれについて、天板側面部15aと水平面とのなす角度φを長手方向の中央に比べて端部の方を小さく設定した発明例の方が、フランジ部の角度変化が大幅に低下して良好な結果であった。
実施例2では、第1成形工程において、図6に示すように、天板側面部25aと水平面とのなす角度φを一定のまま(φc=φs)、天板部23から屈曲部25cまでの高さhを長手方向の中央(hc)から端部(hs)に向かって大きくなるように設定した中間成形品21をプレス成形した。そして、続く第2成形工程において中間成形品21を目標形状のプレス成形品1にプレス成形し、目標形状のフランジ部7の接合面(水平面)を基準としてプレス成形品1のスプリングバックによるフランジ部7の角度変化を求めた。
また、中間成形品21の天板部23の幅とフランジ部27の幅は、目標形状のプレス成形品1と同じとする。さらに、中間成形品21におけるパンチ肩R部24からダイ肩R部26に至る稜線の長さ(縦壁部25の断面線長)及び水平面に対するフランジ側面部25bの角度は、それぞれ、プレス成形品1のパンチ肩R部4からダイ肩R部6に至る稜線の長さ(縦壁部5の断面線長)及び水平面に対する縦壁部5の角度と同じとした。
図10及び図11より、いずれの湾曲の曲率半径においても、従来例に比べて2工程で目標形状のプレス成形品1にプレス成形する比較例及び発明例の方が縦壁部5の壁反りが抑制されている。さらに、比較例と発明例を比較すると、発明例の方が縦壁部5の壁反りがより抑制されていることが分かる。
さらに、比較例と発明例とを比較すると、湾曲内側と湾曲外側の縦壁部25のそれぞれについて、屈曲部25cの高さhを長手方向の中央に比べて端部の方を大きく設定した発明例の方が、フランジ部の角度変化が大幅に低下して良好な結果であった。
3 天板部
4 パンチ肩R部
5 縦壁部
6 ダイ肩R部
7 フランジ部
11 中間成形品
13 天板部
14 パンチ肩R部
15 縦壁部
15a 天板側面部
15b フランジ側面部
15c 屈曲部
16 ダイ肩R部
17 フランジ部
21 中間成形品
23 天板部
24 パンチ肩R部
25 縦壁部
25a 天板側面部
25b フランジ側面部
25c 屈曲部
26 ダイ肩R部
27 フランジ部
101 金型
111 ダイ
113 天板成形部
115 縦壁成形部
115a 天板側面成形部
115b フランジ側面成形部
115c 屈曲成形部
117 フランジ成形部
121 パンチ
123 天板成形部
125 縦壁成形部
125a 天板側面成形部
125b フランジ側面成形部
125c 屈曲成形部
127 フランジ成形部
Claims (2)
- 天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有する断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品をプレス成形するプレス成形方法であって、
前記プレス成形品の目標形状と同形状の天板部及びフランジ部と、前記プレス成形品の目標形状と比較してプレス成形方向における断面が外側に凸の山形状の縦壁部と、を有する中間成形品をプレス成形する第1成形工程と、
該中間成形品を前記目標形状にプレス成形する第2成形工程と、を備え、
前記第1成形工程における縦壁部は、前記天板部と接続する天板側面部と、前記フランジ部と接続するフランジ側面部と、該天板側面部と該フランジ側面部との間の屈曲部とを有し、前記天板側面部と水平面とがなす鋭角側の角度が長手方向の中央から端部に向かって小さくなるように設定されている、ことを特徴とするプレス成形方法。 - 天板部と、該天板部から連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有する断面ハット形状であり、平面視で長手方向に沿って湾曲するプレス成形品をプレス成形するプレス成形方法であって、
前記プレス成形品の目標形状と同形状の天板部及びフランジ部と、前記プレス成形品の目標形状と比較してプレス成形方向における断面が外側に凸の山形状の縦壁部と、を有する中間成形品をプレス成形する第1成形工程と、
該中間成形品を前記目標形状にプレス成形する第2成形工程と、を備え、
前記第1成形工程における縦壁部は、前記天板部と接続する天板側面部と、前記フランジ部と接続するフランジ側面部と、該天板側面部と該フランジ側面部との間の屈曲部とを有し、前記プレス成形方向における前記天板部から前記屈曲部までの高さが長手方向の中央から端部に向かって大きくなるように設定されている、ことを特徴とするプレス成形方法。
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