JPS6052479B2 - 硬貨処理機の硬貨重積筒装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は硬貨処理機の硬貨重積筒装置に係り、例えば
硬貨包装機において重積した硬貨の周面に包装紙を巻回
包装するために計数されて順次送り出される所定枚数の
硬貨を重積して揃える装置に関する。

従来のこの種硬貨重積筒は硬貨の径に応じた内径を有
する円筒形状にそれぞれ形成されており、処理する硬貨
に応じて硬貨重積筒を選択的に装着するようにしている
が、処理硬貨の変更の都度重積筒を変換しなくてはなら
ず、操作性が悪く、また各種重積筒を装置するスペース
を必要とし、機械全体が大型となる欠点を有している。

このため従来軸方向に多数に分割された板材にて内径
を変更できる重積筒が提案されているが、この構造では
径差の大きい各種硬貨に応じてそれぞれ内面の真円の円
形に形成するためには板材の幅を小さくして多く用いな
くてはならず、構造が複雑となり、組立てに手数がかか
り、高価となる欠点を有している。 本発明は上記欠点
に鑑みなされたもので、少なくとも２個の回転体にて各
種硬貨径に応じた真円の円筒空間の重積筒が形成される
ようにし、硬貨重積筒装置のスペースを小さくでき、構
造が簡単で、組立性のよい硬貨処理機の硬貨重積筒装置
を提供することを目的とするものである。

本発明の硬貨処理機の硬貨重積筒装置は、平行な関係
おかれる各軸を中心に回転される少なくとも２個の回転
体を設け、この各回転体の周縁には円周方向の対応する
複数個所に種々の全種硬貨径に対応する種々の半径の凹
曲面をこの回転体の軸中心に向けて径方向に形成し、こ
の各凹曲面を軸方向に連続させることにより円筒形成空
間を形成してなり、前記各回転体の対応する半径の円筒
形成空間同志を相対させることによりいずれかの全種硬
貨径に対応する真円の円筒空間が形成されその空間内に
対応する全種硬貨を受け入れることを特徴とするもので
ある。

本発明の硬貨処理機の硬貨重積筒装置は、処理する硬
貨に応じて各回転体を各軸を中心として回転させて各回
転体の対応する半径の円筒形成空間同志を相対させ、こ
の相対した円筒形成空間にて所定の硬貨の径に対応する
真円の円筒空間を形成するものである。

次に本発明の一実施例の構造を図面第１図乃至第３図に
ついて説明する。

１は硬貨計数機構で、回転円盤２上に供給された硬貨３
は回転円盤２の回転による回転遠心力で順次硬貨選別計
数通路４に送り出され、この硬貨選別計数通路４に送り
出された硬貨３は移送ベルト５によつて計数爪車６の位
置までに移送される間に径小の硬貨は硬貨選別計数通路
４の間隙より排除され、所定径の硬貨３は計数爪車６に
よつて計数されながら硬貨案内体７に導出され、この硬
貨案内体７より硬貨重積筒装置８に収納される。

そしてこの硬貨重積筒装置８に収納された硬貨はこの硬
貨重積筒装置８の下側開口部を閉塞しているシヤツタ一
機構９に支承されて硬貨重積筒装置８内に重積される。
次に１０は包装機構で、少なくとも１本は移動可能な複
数本の包装ローラー１１，１２，１３と一対の折込鉤１
５とにて構成され、この包装ローラー１１，１２，１３
間に誘導された重積硬貨は包装ローラー１１，１２，１
３に挾着されて回転され、この包装ローラー１１，１２
，１３によつて重積硬貨の周面に包装紙１４が巻回され
る。

また前記一対の折込鉤１５は互いに相対して略Ｕ字状に
形成され、前記包装紙１４が硬貨の周面に巻回された際
に支持体１６，１７の先端が包装口ーラ一１２，１３間
に接近し、さらに支持体１６，１７が互いに接近する方
向に移動し、この支持体１６，１７の先端に設けた一対
の折込鉤１５が重積硬貨の周面に巻回した包装紙１４の
上下縁に接触し、この包装紙１４の上下縁を折り込み巻
回し、重積硬貨の上下面の周縁を加締め、硬貨を一包装
する。次に１８は包装紙供給機構で、ロール状に巻回さ
れた帯状の包装紙１４は回動自在に保持機構（図示せず
）に保持され、この包装紙１４は駆動ローラー１９と従
動ローラー２０との間に挾着さ−れて引き出され、包装
紙引張り機構２１の駆動ローラー２２と挾着ローラー２
３との間に通過して前記包装機構１０に移動され、この
包装機構１０の包装ローラー１１，１２，１３に挾着さ
れて回転されている重積硬貨の周面に巻回される際に駆
動ローラー２２と挾着ローラー２３が圧着回転して急激
に引き込まれ、包装紙供給機構１８と包装紙引張り機構
２１の間に位置されている切断刃２４に押し付けられ、
所定の長さに切断されるようになつている。

次に２５はシヤツタ一機構９の開口時にシヤツタ一機構
９上に重積された硬貨を支持して包装口ーラ一１１，１
２，１３間に誘導保持する重積硬ｌ貨の案内機構で、こ
の案内機構２５の後退で放出された包装硬貨は受体２６
に落下される。

そして硬貨計数機構１によつて所定枚数の硬貨が重積筒
装置８内に重積されると、計数爪車６の計数に関連して
発生する計数信号によつてカム（図示せず）が作動し、
案内機構２５が包装機構１０の包装ローラー１１，１２
，１３間の中心部に移動し、さらにシヤツタ一機構９の
下面に位置する。

この状態のときにシヤツタ一機構９が開き、硬貨は案内
機構２５の上端に支持される。次いで案内機構２５が下
降し、重積硬貨が包装口ーラ一１１，１２，１３の中央
に位置するようになつたとき図示しないカムによつて作
動する連動機構によつて包装ローラー１１，１３はそれ
ぞれ図示しない支軸を中心として回動し、包装ローラー
１１，１２，１３は重積硬貨を挾着して回転させる。こ
の動作ののち包装紙供給機構１８の駆動ローラー１９と
従動ローラー２０とにより包装紙１４が一定量送られた
のち駆動ローラー２２に挾着ローラー２３が圧着して回
転することにより包装紙１４を引張り、包装紙１４を切
断刃２４に接触させて切断する。この切断した包装紙１
４は前記包装ローラー１１，１２，１３内で回転してい
る重積硬貨の周面に巻回させる。この動作ののち図示し
ないカムにより支持体１６，１７が作動し、折込鉤１５
が包装ローラー１２，１３間より重積硬貨に巻回されて
いる包装紙１４の上下周側縁の位置に接近し、包装紙１
４の上下周側縁を折り込み巻回し、包装紙１４の折込縁
によつて重積硬貨の上下面を加締める。こののち支持体
１６，１７は互いに離反し、さらに包装ローラー１２，
１３間より退避する。さらに案内機構２５も包装機構１
０より離れ、こののち包装ローラー１１，１２，１３の
挾着を解くと、包装された硬貨は下方に落下し、受体２
６より導出される。この一連の動作により硬貨は自動的
に包装される。次に前記硬貨重積筒装置８について説明
する。

３１，３１は円柱状の回転体で、この回転体３１，３１
の周面にはそれぞれ硬貨の径に応じた真円の一部を形成
する凹曲面３２，３３が軸方向に連続して形成され、こ
の各凹曲面３２，３３は回転体３１，３１の中心に向け
て径方向に形成し、この各凹曲面３２，３２に対応する
各々の円筒形成空間が形成される。

この一方の回転体３１の両端面の中心に突出した軸３４
の両端部はそれぞれ支持アーム３５に軸３４が平行な関
係におかれるように回動自在に軸支され、また他方の回
転体３１の両端面の中心に突出した軸３４の両端部はそ
れぞれ支持レバー３６，３６に回動自在に軸支され、こ
の支持レバー３６と前記支持アーム３５とには回転体３
１，３１が互いに接触する方向に附勢するコイル状のス
プリング３７が張設されている。また前記支持レバー３
６，３６は支持アーム３５に支軸３８にて回動自在に軸
支され、この支軸３８には前記支持アーム３５および支
持レバー３６に回転自在に軸支した歯車３９，４０に噛
合する歯車４１が回転自在に設けられ、また支持アーム
３５と支持レバー３６とに軸支した歯車３９，４０は前
記回転体３１，３１の軸３４，３４に固着した歯車４２
，４３にそれぞれ噛合されている。

また前記支軸３８に軸支した歯車４１には硬貨種類設定
軸４４に設けた歯車４５が噛合されている。

また前記回転体３１，３１の凹曲面３２，３２または凹
曲面３３，３３にて真円の円筒空間の硬貨重積部４６が
形成されたときにこの回転体３１，３１の回転を規制す
るように外側に位置している凹曲面３３，３３に係合す
る係合部４７を形．成した板ばねの規制片４８，４８が
設けられている。

次にこの実施例の作用について説明する。

図示しない摘みにて硬貨種類設定軸４４を回動すると、
歯車４５の回動で歯車４１を介して支持一アーム３５と
支持レバー３６とにそれぞれ軸支した歯車３９，４０が
回動され、この歯車３９，４０と各回転体３１，３１の
軸３４，３４に設けた歯車４２，４３との噛合で回転体
３１，３１はそれぞれ回動され、硬貨種類設定軸４４の
位置設定で回転体３１，３１はその凹曲面３２，３３の
いずれか一方で真円の硬貨重積部４６が形成される。

なお回転体３１，３１の回転時に支持レバー３６はスプ
リング３７に抗して支軸３８を中心として回動し、回転
体３１，３１の軸３４，３４間の距離を拡げて回転体３
１，３１が互いに突つ張り合うことがないようになつて
いる。

そして例えば第３図に示すように位置設定された回転体
３１，３１は互いに向き合う凹曲面３２，３２にて真円
の円筒空間の硬貨重積部４６が形成され、また外側の凹
曲面３３，３３に規制片４８，４８の係合部４７が係合
して回転体３１，３１は位置規制される。

なお前記硬貨種類設定軸４４の回動で例えば硬貨を計数
しながら送り出す硬貨通路幅、包装機構などが硬貨の種
類に応じて機械的、電気的に連動調節されるようになつ
ている。

次に他の実施例を図面第４図について説明する。

第２図、第３図に示す実施例では回転体３１，３１の互
いに突つ張り合う力で支持レバー３６をスプリング３７
に抗して回動させるようにした構造であるが、第４図に
示すように支持レバー３６に作動アーム部５０を突設し
、この作動アーム部５０に突設した作動ピン５１に係合
する爪車５２を硬貨種類設定軸４４に設ける。

この構造では硬貨種類設定軸４４の回動て爪車５２と作
動ピン５１とが係合し、作動アーム部５０が押動されて
支持レバー３６をスプリング３７に抗して回動させ、回
転体３１，３１の回動時に回転体３１，３１が互いに衝
合することなく軽快に回動させるようにすることもでき
る。また他の実施例を図面第５図、第６図について説明
する。

この実施例では３個の回転体３１，３１，３１にて硬貨
重積部４６を形成するもので、各回転体３１，３１，３
１の端面に軸３４と同心円上に複数の係合ピン５４をそ
れぞれ突設し、この各係合ピン５４を係合する歯面５５
を内周面に形成した環状の回転盤５６に設け、この回転
盤５６の周縁に所定間隔毎に突設した送りピン５７に係
合する爪車５８を硬貨種類設定軸４４に設ける。

また前記回転体３１，３１，３１のうち第１の回転体３
１の軸３４は固定位置に回動自在に軸支し、他の第２、
第３の回転体３１，３１の軸３４，３４は支持レバー３
６，３６の先端にそれぞれ回動自在に軸支し、この各支
持レバー３６，３６の基部は硬貨種類設定軸４４に設け
たカム５９に係合して固定軸６０に回動自在に軸架する
。

そしてこの支持アーム３６，３６は図示しないスプリン
グにて各回転体３１，３１，３１が互いに接触されるよ
うに附勢されている。また６１は前記回転盤５６の位置
を規制するゴムローラーである。

この構造では硬貨種類設定軸４４の回動で爪車５８が回
動し、この爪車５８の回動により送りピン５７が順次係
合して回転盤５６は回動され、この回転盤５６の回動に
よつてその歯面５５に各回転体３１，３１，３１の係合
ピン５４が係合し、回転体３１，３１，３１は回動され
、その凹曲面３２，３３のいずれか１つによつて硬貨に
径に応じた硬貨重積部４６を形成する。

なお硬貨種類設定軸４４の回転時にカム５９が回動して
支持レバー３６，３６がスプリング（図示せず）に抗し
て回動し、各回転体３１，３１，３１が互いに衡突接触
することがないように離反され、円滑に回動される。な
お前記実施例では各回転体３１にそれぞれ２個所に凹曲
面３２，３３を形成した構造であるが、第７図に示すよ
うに８個所にそれぞれ硬貨径に応じた真円の一部の凹曲
面３２，３３，６２，６３，６４，６５，６６，６７を
形成するなど適宜数の凹曲面を形成することができる。

また前記各実施例では各回転体は線接触されているが、
第８図に示すように面接触とすることもでき、この構造
では第９図に示すように接触部に噛み合わせによる係合
部６８を形成して回転時に互いに衝突されることがなく
、円滑に回動されるようにする。

本発明によれば、回転体の凹曲面によつて硬貨の径に応
じた内径の重積部が真円に形成され、硬貨が整然と揃え
られて重積され、硬貨が傾斜したりする筒立現象が生じ
ることがなく、しかも複数の回転体のみで各種硬貨に応
じてそれぞれ重積筒を装置するものに比してスペースを
小さくでき、装置全体が小型にできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す硬貨包装機の分解斜視
図、第２図は同上硬貨重積筒装置の正面図、第３図は同
上底面図、第４図は他の実施例を示す硬貨重積筒装置の
底面図、第５図はさらに他の実施例を示す硬貨重積筒装
置の正面図、第６図は同上平面図、第７図は他の実施例
を示す回転体部の平面図、第８図は他の実施例を示す回
転体の説明平面図、第９図は同上説明正面図てある。 ３１・・・・・・回転体、３２，３３，６２，６３，６
４，６５，６６，６７・・・・・・凹曲面、３４・・・
・・・軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平行な関係におかれる各軸を中心に回転される少な
   くとも２個の回転体を設け、この各回転体の周縁には円
   周方向の対応する複数個所に種々の金種硬貨径に対応す
   る種々の凹曲面を回転体の軸中心に向けて径方向に形成
   し、この凹曲面を軸方向に連続させることにより円筒形
   成空間が形成されてなり、前記各回転体の対応する半径
   の円筒形成空間同志を相対させることによりいずれかの
   金種硬貨径に対応する真円の円筒空間が形成され、その
   空間内に対応する金種硬貨を受け入れることを特徴とす
   る硬貨処理機の硬貨重積筒装置。