JP6042118B2 - 新規な三価アルコールのエステル - Google Patents

新規な三価アルコールのエステル Download PDF

Info

Publication number
JP6042118B2
JP6042118B2 JP2012146188A JP2012146188A JP6042118B2 JP 6042118 B2 JP6042118 B2 JP 6042118B2 JP 2012146188 A JP2012146188 A JP 2012146188A JP 2012146188 A JP2012146188 A JP 2012146188A JP 6042118 B2 JP6042118 B2 JP 6042118B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
trihydric alcohol
formula
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012146188A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014009188A (ja
JP2014009188A5 (ja
Inventor
雄一郎 竹山
雄一郎 竹山
恵 加治
恵 加治
萌 露木
萌 露木
厚志 仁王
厚志 仁王
井柳 宏一
宏一 井柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP2012146188A priority Critical patent/JP6042118B2/ja
Publication of JP2014009188A publication Critical patent/JP2014009188A/ja
Publication of JP2014009188A5 publication Critical patent/JP2014009188A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6042118B2 publication Critical patent/JP6042118B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、新規な三価アルコールのエステル、更に詳細には、硬化組成物用樹脂を形成するモノマーとして好適な新規な三価アルコールのエステルに関する。
種々の基材に対するハードコート材、有機デバイス用封止材等の表面保護材料には、表面保護のための表面硬度はもちろんのこと、複雑な基材の表面構造にフィットするための柔軟性が必要とされている。また、柔軟性ばかりでなく、基材表面を均一に被覆するためには、硬化時に体積収縮を起こさないことも要求されている。
ところで、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは反応性が高く、重合反応による硬化が比較的良好で、硬化剤、すなわち、重合開始剤を選択することにより、UV照射により、高温を必要としない硬化が可能であり、種々の、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーを含有する硬化組成物が用いられてきた。しかしながら、これらのモノマーは、硬化後の保護被膜が柔軟性(かとう性)は有するものの、硬化時に保護膜が体積収縮を起こすという課題が生じる場合があった。
体積収縮を小さくするためには、立体障害が大きい分岐構造を有するアクリルモノマーを硬化組成物に用いる手法がある(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。しかしながら、これらのアクリルモノマーを含有する硬化性組成物が形成する保護膜では、柔軟性が低下するという課題が生じる場合があった。すなわち、柔軟性が高く、硬化時に体積収縮を起こさない保護膜を与える、硬化組成物用のアクリル誘導体モノマーの開発が望まれていた。
一方、三価アルコールの水酸基の一つが(メタ)アクリロイル基によって置換され、残りの二つの水酸基が特定の分岐構造を有するアシル基で置換されたエステルは、既存文献に未記載の化合物であり、該化合物を硬化組成物に用いた場合、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与えることは知られていなかった。
特開平07−82216号公報 特開平07−82216号公報 特開平10−279527号公報
本発明は、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用樹脂を形成するモノマーとして好適なアクリル誘導体モノマーを提供することを課題とする。
このような状況を鑑み、本発明者等は、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用のアクリル誘導体モノマーを求めて鋭意研究した結果、三価アルコールの水酸基の一つが(メタ)アクリロイル基によって置換され、残りの二つの水酸基が特定の分岐構造を有するアシル基で置換されたエステルが、柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用として好適であることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(I)で表されるエステル。
一般式(I)
(I)


(一般式(I)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(2)下記一般式(II)で表されることを特徴とする(1)記載のエステル。
一般式(II)
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する炭素数10〜22のアシル基を表す。Qは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(3)下記一般式(III)で表されることを特徴とする(1)記載のエステル。
一般式(III)
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
(4)三価アルコールがグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択されることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のエステル。
本発明によれば柔軟性があり、硬化時に体積収縮をおこさない保護膜を与える硬化組成物用樹脂を形成するモノマーとして好適なアクリル誘導体モノマーを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は下記一般式(I)で表される新規な三価アルコールのエステルである。
一般式(I)
(I)

(一般式(I)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
ここで、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、R,Rで表される環構造を含まない、分岐を有する炭素数6〜22のアシル基としては、2−メチルペンタノイル基、3−メチルペンタノイル基、4−メチルペンタノイル基、2−エチルブタノイル基、2−エチルブタノイル基、2,2−ジメチルブタノイル基、3,3−ジメチルブタノイル基、2−メチルヘキサノイル基)、4−メチルヘキサノイル基、5−メチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルペンタノイル基、4,4−ジメチルペンタノイル基、2−メチルヘプタノイル基2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンタノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2,2,3−トリメチルペンタノイル基、2−メチルオクタノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基、2−メチルノナノイル基、4−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、4−エチルオクタノイル基、2−エチルオクタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−tert−ブチルヘキサノイル基、2,2−ジエチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ネオデカノイル基、7−メチルデカノイル基、2−メチル−2−エチルオクタノイル基、2−メチルウンデカノイル基、10−メチルウンデカノイル基、2,2ジメチルデカノイル基、2−エチルデカノイル基、2−ブチルオクタノイル基、ジエチルオクタノイル基、2−tert−ブチル−2,2,4−トリメチルペンタノイル基、10−メチルドデカノイル基、3−メチルドデカノイル基、4−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、2−ブチルデカノイル基、2−ヘキシルオクタノイル基、2−ブチル−2−エチルオクタノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、2−ブチルドデカノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2−ブチルヘキサデカノイル基、2−ヘキシルドデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を例示することができる。
上記一般式(I)で表される三価アルコールのエステルの中でも特に好ましいものとして、下記一般式(II)又は(III)で表される三価アルコールのエステルが挙げられる。
一般式(II)
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する炭素数10〜22のアシル基を表す。Qは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(III)
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基を表す。Sは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
ここで、R,Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R,Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
、Rで表される、環構造を含まない、分岐を有する炭素数10〜22のアシル基としては、2−メチルノナノイル基、4−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、4−エチルオクタノイル基、2−エチルオクタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−tert−ブチルヘキサノイル基、2,2−ジエチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ネオデカノイル基、7−メチルデカノイル基、2−メチル−2−エチルオクタノイル基、2−メチルウンデカノイル基、10−メチルウンデカノイル基、2,2ジメチルデカノイル基、2−エチルデカノイル基、2−ブチルオクタノイル基、ジエチルオクタノイル基、2−tert−ブチル−2,2,4−トリメチルペンタノイル基、10−メチルドデカノイル基、3−メチルドデカノイル基、4−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、2−ブチルデカノイル基、2−ヘキシルオクタノイル基、2−ブチル−2−エチルオクタノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、2−ブチルドデカノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2−ブチルヘキサデカノイル基、2−ヘキシルドデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を例示することができる。
また、R、Rで表される、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基としては、2,2−ジメチルブタノイル基、3,3−ジメチルブタノイル基、2,2−ジメチルペンタノイル基、4,4−ジメチルペンタノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2,2,3−トリメチルペンタノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基等を例示することができる。
さらに、P,Q,Sで表される、三価アルコールから誘導される基は、三価アルコールから、OH基が離脱した基であれば特に限定されないが、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択される三価アルコールから、OH基が離脱した基が好適に例示できる。
本発明の三価アルコールのエステルは例えば、以下の方法で合成することが可能である。
a)三価アルコールをケタール化する。具体的な合成方法としては、例えば、特開2009−136749号公報の製造例1記載の方法が例示できる。
b)aで合成したケタール化された三価アルコールと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのエステル交換でケタールの(メタ)アクリル酸エステルを合成し、得られたケタールの(メタ)アクリル酸エステルの脱ケトン反応を行い、三価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成する。具体的な合成方法としては、例えば、特開2004−18389号公報の実施例1記載の方法が例示できる。
c)bで得られた三価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルと所定の分岐構造を有するカルボン酸又はその無水物又はそのクロライドとを反応させ、本発明の三価アルコールのエステルを得る。
また、ケタール化された三価アルコールには市販品も存在するので、かかる市販品を利用し、上記ステップb)及びc)により本発明の三価アルコールのエステルを得ることも可能である。このような市販品としては、(S)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサラン−4−メタノール、(R)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサラン−4−メタノール(いずれも、東京化成工業(株)製)が例示できる。
さらに、三価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルにも市販品が存在するので、かかる市販品を利用し、上記ステップc)により本発明の三価アルコールのエステルを得ることも可能である。このような市販品としては、「ブレンマーGLM」(グリセリンモノメタクリレート 日本油脂(株)製)が例示できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<製造例1>グリセリンモノアクリレートの合成
3Lの4つ口フラスコに、R)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサラン−4−メタノール(東京化成工業(株)製)79.5g、メチルアクリレート258.0g、テトラメトキシチタン3.7gを仕込んだ。そして、反応液を撹拌し、液中に窒素ガスを導入しながら、105〜110℃で2.5時間エステル交換反応を行った。反応終了後、減圧蒸留による分取により一般式(IV)で表される、イソプロピリデングリセリルアクリレートを得た。
一般式(IV)
(IV)

3L4つ口フラスコに、水90.2g、カチオン交換樹脂RCP160M(三菱化学製)28.4ml、上記で得られたイソプロピリデングリセリルアクリレート94.2gを仕込んだ。そして、反応液を攪拌し、液中に窒素ガスを導入しながら、24℃で27時間ケタールの脱ケトン反応を行った。反応終了後、反応液からカチオン交換樹脂を濾別し、濾別した反応液をヘキサン100mlで6回洗浄して未反応の原料を除いた後、水層に酢酸エチル200mlを加えて生成物を抽出した。そして、この酢酸エチル抽出液を、減圧下(800Pa)、40℃以下で酢酸エチルおよび水を留去し、一般式(V)で示す、グリセリルモノアクリレートを得た。
一般式(V)
(V)
<製造例2>トリメチロールプロパンモノアクリレートの合成
工程(1):カルシウム管、冷却管及びディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを装着したナス型フラスコに、トリメチロールプロパン145.7g、アセトン300ml、p−トルエンスルホン酸1水和物3g及び石油エーテル300mLを加え、50℃に設定したオイルバス中で加熱還流させた。12時間後、新たに水分が生成しなくなったことを確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。次いで、酢酸ナトリウム3gを加え、更に30分間攪拌した後、エバポレータにより石油エーテル及びアセトンを留去した。得られた粗生成物を減圧蒸留することにより、ケタール化されたトリメチロールプロパン(化合物1)を得た。
工程(2):3Lの4つ口フラスコに、工程(1)で得た化合物1を104.8g、メチルアクリレート258.0g、テトラメトキシチタン3.7gを仕込んだ。そして、反応液を撹拌し、液中に窒素ガスを導入しながら、105〜110℃で2.5時間エステル交換反応を行った。反応終了後、減圧蒸留による分取により、ケタール化されたトリメチロールプロパンのアクリル酸エステル(化合物2)を得た。
工程(3):3L4つ口フラスコに、水90.2g、カチオン交換樹脂RCP160M(三菱化学製)28.4ml、工程(2)で得られた化合物2を115.3g仕込んだ。そして、反応液を攪拌し、液中に窒素ガスを導入しながら、24℃で27時間ケタールの脱ケトン反応を行った。反応終了後、反応液からカチオン交換樹脂を濾別し、濾別した反応液をヘキサン100mlで6回洗浄して未反応の原料を除いた後、水層に酢酸エチル200mlを加えて生成物を抽出した。そして、この酢酸エチル抽出液を、減圧下(800Pa)、40℃以下で酢酸エチルおよび水を留去し、トリメチロールプロパンモノアクリレートを得た。
なお、以上の反応工程をスキーム1に図示する。
スキーム1
<製造例3〜5>
製造例2におけるトリメチロールプロパン、メチルアクリレート(アクリレート)、工程(1)で得られる化合物の仕込み量、工程(2)で得られる化合物の仕込み量を表1のように変更し、三価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルを合成した。三価のアルコール及びその仕込み量、工程(1)で得られる化合物及びその仕込み量、工程(2)で得られる化合物及びその仕込み量、得られるモノ(メタ)アクリル酸エステルについて表1に示す。また、製造例3〜5の反応工程をスキーム2〜4に示す。
スキーム2 製造例3の反応工程
スキーム3 製造例4の反応工程
スキーム4 製造例5の反応工程
<実施例1>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、16−メチルヘプタデカン酸(シグマ−アルドリッチ社製)28.4g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、16−メチルヘプタデカン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、グリセリルモノメタクリレート(「ブレンマーGLM」日本油脂(株)製)16.0g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た16−メチルヘプタデカン酸クロライド60.6gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(VI)で表される、本発明の三価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(VI)
(VI)
<実施例2>
攪拌装置を備えた反応容器中で、グリセリルモノアクリレート(製造例1で得た化合物)29.2、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、2−エチルヘキサン酸クロライド(シグマ−アルドリッチ社製)65.1gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(VII)で表される、本発明の三価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(VII)
(VII)
<実施例3>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、2−ブチル−2−エチルオクタン酸(シグマ−アルドリッチ社製)22.8g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、2−ブチル−2−エチルオクタン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、トリメチロールエタンモノアクリレート(製造例3で得た化合物)17.4g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た2−ブチル−2−エチルオクタン酸クロライド49.4gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(VIII)で表される、本発明の三価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(VIII)
(VIII)
<実施例4>
攪拌装置を備えた反応容器中で、トリメチロールプロパンモノメタクリレート(製造例3で得た化合物)40.4、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、3,5,5−トリメチルヘキサン酸クロライド(シグマ−アルドリッチ社製)70.7gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(IX)で表される、本発明の三価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(IX)
(IX)
<実施例5>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、19−メチルエイコサン酸(シグマ−アルドリッチ社製)32.7g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、19−メチルエイコサン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、トリメチロールエタンモノメタクリレート(製造例5で得られた化合物)18.8g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た19−メチルエイコサン酸クロライド69.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(X)で表される、本発明の三価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(X)
(X)
<実施例6>
攪拌機及び冷却管を備えた反応容器に、2,2−ジメチルオクタン酸(シグマ−アルドリッチ社製)17.2g及び塩化チオニル35.7g(東京化成工業(株)製)、ベンゼン200mlをとり攪拌混合した。攪拌を続けながら、リフラックスを4時間行った後、減圧蒸留による精製を行って、2,2−ジメチルオクタン酸クロライドを得た。
攪拌装置を備えた反応容器中で、トリメチロールプロパンモノアクリレート(製造例2で得られた化合物)18.8g、トリエチルアミン30.0gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、上記で得た2,2−ジメチルオクタン酸クロライド38.2gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(XI)で表される、本発明の三価アルコールのエステルであることが確認された。
一般式(XI)
(XI)
<試験例1>硬化組成物の硬化時における体積収縮率の測定
実施例1〜6の三価アルコールエステル、比較例1としてメタクリル酸nドデシル(DMAと省略 東京化成工業(株)製)、比較例2として特開平07−82216号公報実施例1記載の方法で得たアクリル酸エステル(C13−Aと省略)、硬化剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPAと省略 大阪有機化学工業(株)製)及び光重合開始剤としてのIrgacure 184(IR184と省略)チバガイギー社製を表2記載の組成で混合し、UV硬化組成物を調製した。なお、表2中の数字は質量%を意味する。
次に、このUV硬化組成物をシャーレーに10mlとり、そこへ紫外線を320mJ/cm光量で照射し、硬化組成物を硬化させた。硬化後の体積を測定し、硬化時の収縮率を求めた。結果を表3に示す。
<試験例2>硬化被膜の表面硬度
試験例1で硬化させた硬化物の表面硬度を1H〜6Hの鉛筆を用い、鉛筆硬度試験(旧 JIS K5400)を実施した。結果を表3に示す。
<試験例3>硬化被膜のかとう性(柔軟性)
試験例1で用いたUV硬化組成物をテフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、試験例1と同様の条件で紫外線を照射し、硬化膜を調製した。この硬化膜を前後に曲げ、膜表面にクラックが入るまでこの操作を繰り返し、クラックが生じる折り曲げ回数を被膜の柔軟性とした。折り曲げ回数が多いほど柔軟性が高いことを意味する。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明のエステルを含有する硬化組成物が形成する被膜は、表面硬度が高く、且つ硬化時の体積収縮率が低く、柔軟な被膜を与えることが実証された。
本発明のエステルは硬化組成物用モノマーとして有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるエステルを含むラジカル硬化性組成物からなる被膜形成剤。
    一般式(I)
    (I)

    (一般式(I)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する炭素数6〜22のアシル基を表す。Pは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
  2. 下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1記載の被膜形成剤
    一般式(II)
    (II)

    (一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する炭素数10〜22のアシル基を表す。Qは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
  3. 下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項1記載の被膜形成剤
    一般式(III)
    (III)

    (一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R,Rは互いに同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9アシル基を表す。Sは三価アルコールからOH基が脱離した基を表す。)
  4. 三価アルコールがグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の被膜形成剤
JP2012146188A 2012-06-29 2012-06-29 新規な三価アルコールのエステル Active JP6042118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146188A JP6042118B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 新規な三価アルコールのエステル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012146188A JP6042118B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 新規な三価アルコールのエステル

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014009188A JP2014009188A (ja) 2014-01-20
JP2014009188A5 JP2014009188A5 (ja) 2015-07-23
JP6042118B2 true JP6042118B2 (ja) 2016-12-14

Family

ID=50106189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012146188A Active JP6042118B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 新規な三価アルコールのエステル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6042118B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6144466B2 (ja) * 2012-06-29 2017-06-07 ポーラ化成工業株式会社 皮膚外用剤
KR102470190B1 (ko) * 2014-09-26 2022-11-24 더 케무어스 컴퍼니 에프씨, 엘엘씨 표면 효과 조성물을 위한 비-플루오르화 단량체 및 중합체
CN106832158B (zh) * 2017-02-18 2021-06-08 湖南工业大学 一种pH响应性动态壳交联聚合物纳米粒子及其制备方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05142869A (ja) * 1991-11-22 1993-06-11 Fuji Photo Film Co Ltd 静電写真用液体現像剤
JPH0782216A (ja) * 1993-09-14 1995-03-28 Idemitsu Petrochem Co Ltd 新規(メタ)アクリル酸エステル、その組成物及びその製造方法並びに該エステルからなる硬化性樹脂及び硬化性樹脂組成物
DE69620416T2 (de) * 1995-06-08 2002-08-29 Idemitsu Kosan Co Flammwidrige flüssigkeiten
JPH10279527A (ja) * 1997-03-31 1998-10-20 Kuraray Co Ltd 2−ヘキシルデカニル(メタ)アクリレートおよびその製造方法
JP4029440B2 (ja) * 1997-07-09 2008-01-09 大日本インキ化学工業株式会社 側鎖型ラジカル重合性化合物及びそれを用いた液晶デバイス
JP2002258543A (ja) * 2001-03-05 2002-09-11 Fuji Photo Film Co Ltd 静電写真用液体現像剤
JP2004018389A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd グリセリル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4929663B2 (ja) * 2005-09-29 2012-05-09 Dic株式会社 重合性化合物の製造方法
JP5262091B2 (ja) * 2007-12-05 2013-08-14 日油株式会社 高分子分散剤及び分散化用溶液
CN102603947B (zh) * 2012-02-15 2014-01-08 中国科学院新疆理化技术研究所 基于三羟甲基丙烷-丙烯酸酯的聚酯及制备方法
JP6004784B2 (ja) * 2012-06-29 2016-10-12 ポーラ化成工業株式会社 新規な四価アルコールのエステル
JP5944244B2 (ja) * 2012-06-29 2016-07-05 ポーラ化成工業株式会社 新規なコポリマー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014009188A (ja) 2014-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101383511B1 (ko) α-(불포화 알콕시알킬)아크릴레이트 조성물 및 그 제조 방법
TWI632132B (zh) 使用在光學黏合劑之含(甲基)丙烯酸酯基的二苯甲酮的製備方法以及光學黏合劑組成物
JP6042118B2 (ja) 新規な三価アルコールのエステル
EP3786194B1 (en) Polymer, and oxygen absorbent and resin composition using same
EP3786198A1 (en) Composition having excellent curability
JP2004059435A (ja) ジオキソラン化合物の製造法
JP6004784B2 (ja) 新規な四価アルコールのエステル
JP2010254685A (ja) α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート組成物及びその製造方法
JP5944244B2 (ja) 新規なコポリマー
JP4353009B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
US20040235980A1 (en) Polymerizable compound, polymerizable composition and cured product containing the compound
JP2020023456A (ja) エステル組成物、(メタ)アクリレート組成物、エステル組成物の製造方法、(メタ)アクリレート組成物の製造方法
JPH0782216A (ja) 新規(メタ)アクリル酸エステル、その組成物及びその製造方法並びに該エステルからなる硬化性樹脂及び硬化性樹脂組成物
CN110746354B (zh) 一种丙烯酸酯类化合物及制备方法与应用
JP2015044955A (ja) ポリグリセリン(メタ)アクリレート及びその製造方法、並びにそれを含む組成物
JP2004175769A (ja) ペンタシクロペンタデカンジオール及びその誘導体
JPWO2018221314A1 (ja) 重合禁止剤および当該重合禁止剤を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、精留物
JPH10259202A (ja) サイクロデキストリンの(メタ)アクリル酸エステルの製法及びサイクロデキストリンの(メタ)アクリル酸エステル
JP3888163B2 (ja) 変性(メタ)アクリレート化合物
JPH0569816B2 (ja)
JP2010132817A (ja) カルバゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル類、及び、その製造方法
JP2002253286A (ja) ビニルエーテル基含有カルボン酸エステル類の製造方法
JP4893088B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP4868104B2 (ja) シクロブタンテトラカルボン酸の(メタ)アクリレート化合物及びその製造法
JP4775759B2 (ja) 新規脂環式化合物、その製造法および当該化合物の重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150609

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6042118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250