JP2020023456A - エステル組成物、(メタ)アクリレート組成物、エステル組成物の製造方法、(メタ)アクリレート組成物の製造方法 - Google Patents

エステル組成物、(メタ)アクリレート組成物、エステル組成物の製造方法、(メタ)アクリレート組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基を残しつつ、第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物を所定量以上で含むエステル組成物、(メタ)アクリレート組成物、エステル組成物の製造方法、(メタ)アクリレート組成物の製造方法を提供する。【解決手段】トリメチロールプロパンのヒドロキシル基の1個または2個に−C(=O)−L−C(OH)(CH3)2(ここで、Lは単結合または−CH2−である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物を合計で35質量%以上含む、エステル組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、エステル組成物、(メタ)アクリレート組成物、エステル組成物の製造方法、(メタ)アクリレート組成物の製造方法に関する。
第三級炭素原子や第四級炭素原子を有する化合物は、その各末端に官能基を導入して、多官能のモノマーや、多官能の分散剤、改質剤などの機能性の添加剤等として様々に構造設計することができる。例えば、アクリル系のモノマーとしてペンタエリスリトールポリアクリレートやジペンタエリスリトールポリアクリレートなどが挙げられる。
特許文献1においては、特定の割合で第三級ヒドロキシル基を有するポリエステル樹脂の製造方法が開示されている。このなかで、第三級ヒドロキシル基を導入するための原料となる化合物として、トリメチロールプロパントリ−2−ヒドロキシイソブチレート(参考例2)が開示されている。
特開2003−160649号公報
ところで、上述のような第三級炭素原子や第四級炭素原子をもつ多官能化合物において、反応性の高い官能基と比較的低い官能基とを有する化合物を含む組成物の配合が求められることがある。例えば、第一級ヒドロキシル基と第三級ヒドロキシル基とを共有する化合物を含む組成物の配合設計が挙げられる。
本発明は、トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基を残しつつ、第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物を所定量以上で含むエステル組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記エステル組成物に含まれる第一級ヒドロキシル基を有する化合物について、その第一級ヒドロキシル基を(メタ)アクリレート化した(メタ)アクリレート化合物を含む(メタ)アクリレート組成物の提供を目的とする。
さらには、上記エステル組成物の製造方法および(メタ)アクリレート組成物の製造方法の提供を目的とする。
上記の課題は下記の手段により解決された。
<1>トリメチロールプロパンのヒドロキシル基の1個または2個に−C(=O)−L−C(OH)(CH32(ここで、Lは単結合または−CH2−である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物を合計で20質量%以上含む、エステル組成物。
<2>トリメチロールプロパンと(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である、または、そのエステル)との、エステル交換反応またはエステル化反応によって、前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入された、<1>に記載のエステル組成物。
<3>(CH32(OH)C−L−COOHのエステルが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルである、<2>に記載のエステル組成物。
<4>トリメチロールプロパンが有するヒドロキシル基の3個に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物の含有量が30質量%以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエステル組成物。
<5>前記第三級ヒドロキシル基含有基が−C(=O)−C(OH)(CH32で表される、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のエステル組成物。
<6>トリメチロールプロパンが有するヒドロキシル基の1個または2個に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物を合計で55質量%以上含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のエステル組成物。
<7><1>〜<6>のいずれか1つに記載のエステル組成物に含まれる、メチロール基を有するエステル化合物について、前記メチロール基に(メタ)アクリロイル基が導入された化合物を含む、(メタ)アクリレート組成物。
<8>前記エステル組成物に含まれるメチロール基を有するエステル化合物と(メタ)アクリル酸またはそのエステルとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、前記メチロール基に(メタ)アクリロイル基を導入した、<7>に記載の(メタ)アクリレート組成物。
<9>分子中に(メタ)アクリロイル基を1個または2個含む(メタ)アクリレート化合物を合計で35質量%以上含む、<7>または<8>に記載の(メタ)アクリレート組成物。
<10>分子中に(メタ)アクリロイル基を1個または2個含む(メタ)アクリレート化合物を合計で55質量%以上含む、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート組成物。
<11>トリメチロールプロパンに、(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である)、または、そのエステルを、エステル交換反応またはエステル化反応させることを含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のエステル組成物の製造方法。
<12><1>〜<6>のいずれか1つに記載のエステル組成物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入する、(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
本発明によれば、トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基を残しつつ、第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物を所定量以上で含むエステル組成物を提供することができる。また、本発明は、上記エステル組成物に含まれる第一級ヒドロキシル基を有する化合物について、その第一級ヒドロキシル基を(メタ)アクリレート化した(メタ)アクリレート化合物を含む(メタ)アクリレート組成物を提供することができる。さらには、上記エステル組成物の製造方法および(メタ)アクリレート組成物の製造方法を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリレート化、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート組成物等というときにも同様の意味である。
<エステル組成物>
本発明のエステル組成物は、トリメチロールプロパンのヒドロキシル基の1個または2個に−C(=O)−L−C(OH)(CH32(ここで、Lは単結合または−CH2−である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物を合計で20質量%以上含むことを特徴とする。
前記第三級ヒドロキシル基含有基は、トリメチロールプロパンと(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である)、または、そのエステルとのエステル化反応またはエステル交換反応によって導入されたものであることが好ましい。
トリメチロールプロパンは3個の第一級ヒドロキシル基をもつ。したがって、第一級ヒドロキシル基の1個が第三級ヒドロキシル基含有基であると、第一級ヒドロキシル基の残された数は2個となる(1HIB)。この残された第一級ヒドロキシル基が後述する(メタ)アクリレート化されると、その基が(メタ)アクリロイル基を有する基となる。したがって、この場合の(メタ)アクリレート化合物は2個の(メタ)アクリロイル基を有し、1個の第三級ヒドロキシル基含有基を有することとなる(1−2置換体)。このように、本発明の好ましい実施形態においては、トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基(メチロール基)に第三級ヒドロキシル基含有基を導入する数を調節することで、その後に調製される(メタ)アクリレート組成物に含まれる(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリロイル基の数ないしその含有量を所望のものとすることができる。
より具体的には、通常多官能の基質を(メタ)アクリレート化する場合、すべての官能基に(メタ)アクリロイル基を導入する、あるいはそのような生成物の収率を上げることはさほど難しくない。一方、その反応を制御して、例えば、官能基の一部のみを反応させ、そこで反応を終わらせるような調節、あるいはそのような生成物の濃度を上げることは容易ではない。したがって、トリメチロールプロパンに(メタ)アクリロイル基を導入する反応においても、そのまま(メタ)アクリル酸ないしそのエステルを反応させたのでは、トリ(メタ)アクリロイル化合物が主成分となりがちである。これに対して、本発明においては、(メタ)アクリレート化((メタ)アクリロイル基の導入工程)に先立ち、トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基に対して、反応性が相対的に低い第三級ヒドロキシル基を導入する。結果、水酸基を残しつつ、(メタ)アクリロイル基を導入することが可能になる。さらに、一分子中の(メタ)アクリロイル基の数の異なるエステル化合物を含む混合物とすることができる。
本発明においては、トリメチロールプロパンの3個の第一級ヒドロキシル基のうち、1個または2個に第三級ヒドロキシル基含有基が導入された化合物(1HIB、2HIB)(2個または1個の第一級ヒドロキシル基が残されたエステル化合物)が組成物中、合計で20質量%以上あることを特徴とし、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがさらに好ましく、70質量%以上であることが一層好ましく、75質量%以上であることがより一層好ましく、80質量%以上であることがさらに一層好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%であってもよく、95質量%以下が実際的である。
本発明に係る第三級ヒドロキシル基含有基は−C(=O)−L−C(OH)(CH32で表される。つまり、α−ヒドロキシイソブチリル基(L=単結合)またはα−ヒドロキシイソバレリル基(L=メチレン基)であるが、そのうちα−ヒドロキシイソブチリル基(−C(=O)−C(OH)(CH32)が好ましい。
トリメチロールプロパンの3個の第一級ヒドロキシル基のうち、1個が第三級ヒドロキシル基含有基によって置換され、第一級ヒドロキシル基の2個が残されたエステル化合物(1置換体:1HIB)は、組成物中、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが一層好ましい。上限は特に制限されないが、70質量%であってもよく、さらには、60質量%以下、50質量%以下であってもよい。
なお、HIBはα−ヒドロキシイソブチリル基の略称であるが、上記式で表されたとおり、本発明においてはこれに限定されず、β−ヒドロキシイソバレリル基であってもよい。
トリメチロールプロパンの3個の第一級ヒドロキシル基のうち、2個が第三級ヒドロキシル基含有基によって置換され、第一級ヒドロキシル基の1個が残されたエステル化合物(2置換体:2HIB)は、組成物中で20質量%以上あることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、35質量%以上であってもよい。上限は特に制限されないが、80質量%であってもよく、さらには、70質量%以下、60質量%以下であってもよい。
トリメチロールプロパンの3個のヒドロキシル基の全てが第三級ヒドロキシル基含有基で置換されたエステル化合物(3置換体:3HIB)は組成物中に存在していてもよいが、後述する(メタ)アクリロイル基を導入する観点からは少ない方がよく、組成物全体では、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましく、16質量%以下であることが一層好ましく、10質量%以下であってもよい。ただし、3置換体(3HIB)は微量でも存在していてもよく、例えば、第一級ヒドロキシル基が減少したことによる粘度低減という作用が期待できる点で好ましい。3置換体(3HIB)は微量に存在する場合の下限値としては、0質量%超であり、上記観点では組成物中に多少は存在していることが好ましく、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。
特に、3置換体の含有量を、0質量%超30質量%以下とすることにより、3置換体と、1置換体および2置換体との相分離をより効果的に抑制しつつ、得られるエステル組成物の粘度を低減できる利点がある。
各置換体の質量比率として言えば、3HIBに対する1HIBおよび2HIBの比率((1HIB+2HIB)/3HIB)として、2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、8以上であることがさらに好ましい。上限としては、20以下が実際的である。
未反応のトリメチロールプロパン(TMP)の量は少ない方が好ましく、組成物全体では、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。下限値は特に限定されないが、1質量%以上であることが実際的である。
本発明のエステル組成物は、また、(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である)、または、そのエステルの二量体(例えば、テトラメチルグリコシド)の含有量が、トリメチロールプロパンとエステル化合物(すなわち、トリメチロールプロパンの1置換体、2置換体、3置換体)の合計量の10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以下であることが一層好ましい。このように、不純物である二量体の含有量を減らすことによって、より精度の高いエステル組成物が得られる。
本発明のエステル組成物は、溶媒で希釈した組成物として用いることもできる。すなわち、本発明のエステル組成物と溶媒を含む組成物として用いてもよい。
本発明のエステル組成物は、トリメチロールプロパンに、(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である)、または、そのエステルを、エステル交換反応またはエステル化反応させることによって得られる。
(CH32(OH)C−L−COOHまたはそのエステルは、換言すると、α−ヒドロキシイソ酪酸またはそのエステル、あるいはβ−ヒドロキシイソ吉草酸またはそのエステルであり、第三級ヒドロキシル基含有化合物と称することがある。(CH32(OH)C−L−COOHのエステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルであることが好ましく、なかでもメチルエステル((CH32(OH)C−L−COOCH3)またはエチルエステル((CH32(OH)C−L−COOC25)がより好ましく、メチルエステルがさらに好ましい。具体的には、β−ヒドロキシイソ吉草酸メチル((CH32(OH)C−CH2−COOCH3)、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル((CH32(OH)C−COOCH3)、β−ヒドロキシイソ吉草酸エチル((CH32(OH)C−CH2−COOC25)、α−ヒドロキシイソ酪酸エチル((CH32(OH)C−COOC25)が挙げられ、β−ヒドロキシイソ吉草酸メチルまたはα−ヒドロキシイソ酪酸メチルが好ましく、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルがより好ましい。
本発明で用いる(CH32(OH)C−L−COOHまたはそのエステルは、1種を用いても、2種以上であってもよい。
トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基を第三級ヒドロキシル基含有基で置換する数は、適宜、基質の量や触媒、反応条件等を調節して変化させることができる。
トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基は、第三級ヒドロキシル基を有するカルボン酸化合物によって、容易にエステル化される。そのため、トリメチロールプロパンの3つの水酸基は、容易にエステル化されてしまう。本発明では、反応条件を調整することによって、トリメチロールプロパンのヒドロキシル基の1個または2個に−C(=O)−L−C(OH)(CH32で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物とすることが望ましい。
また、トリメチロールプロパンの1置換体(1HIB)、2置換体(2HIB)、3置換体(3HIB)は、高極性化合物のため蒸留による分離が困難であり、また結晶性が低い為、晶析分離も難しい。そのほか液々分離、カラムクロマトグラフィによる分離などが考えられるが、工業化に際して経済的な理由から好ましくない。そのため、本発明のように、反応条件を適切に調節して所望のエステル化合物を製造することが好ましい。
例えば、反応に用いるエステル化合物の量に対する、第三級ヒドロキシル基を有する化合物(第三級ヒドロキシル基含有化合物、例えばα−ヒドロキシイソ酪酸メチル)の量を調節することで制御することができる。具体的には、トリメチロールプロパンに対して、モル比で、第三級ヒドロキシル基含有化合物(第三級ヒドロキシル基含有化合物/トリメチロールプロパン)を0.4倍以上で反応させることが好ましく、0.6倍以上であることがより好ましく、0.8倍以上であることがさらに好ましい。上限値としては、5倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましく、3倍以下であることがさらに好ましい。
あるいは、エステル化ないしエステル交換反応を推進する金属塩の種類や量を調節することができる。例えば、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩や、テトライソプロピルチタネート等のチタンアルコキシドなどを選定することが挙げられる。添加量としては、トリメチロールプロパン100質量部に対して、金属化合物を0.1質量部以上とすることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。上限値としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。この量を上記下限値以上とすることで、反応速度を効果的に上昇させることができる。一方、この量を上限以下とすることにより残存添加物量を効果的に低減でき、さらに、残存添加物に由来する組成物の変質を効果的に抑制できる。
第三級ヒドロキシル基含有基を導入する数を変化させるために、反応温度を調節してもよい。反応温度は、50℃以上で反応を行うことが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。上限値としては、150℃以下であることが好ましく、145℃以下であることがより好ましい。
あるいは、反応時間を調節してもよく、具体的には、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、2.5時間以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましく、7時間以下であることがさらに好ましい。
トリメチロールプロパンに第三級ヒドロキシル基含有基を導入する反応においては、溶媒を用いてもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒、ヘキサン等の脂肪族化合物溶媒、シクロヘキサンなどの脂環式化合物溶媒、フッ化炭化水素のようなハロゲン化炭化水素溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。エステル交換反応を利用する場合には、反応によって生成するアルコールを排出するように、アルコールと共沸する溶媒を選定することが好ましい。また、アルコールを系外に排出するように、分留装置を設けてもよい。
反応装置は通常この種の反応に用いられるものを適宜選定して用いることができ、バッチ式でもフロー式でも良く、本発明においてはバッチ式の反応釜を用いることが好ましい。反応釜には、撹拌機、蒸留塔、温度計、ガス導入管、反応液等の導入管を備えたものが好ましい。反応釜は密閉性のあるものを用いることが好ましく、必要に応じて、適宜、加圧、減圧を行うことが好ましい。
<(メタ)アクリレート組成物>
本発明の(メタ)アクリレート組成物は、前記エステル組成物に含まれる、メチロール基(−CH2−OH)を有するエステル化合物(トリメチロールプロパン由来のヒドロキシル基が残されたエステル化合物、未反応のトリメチロールプロパンは除く)について、前記メチロール基(トリメチロールプロパン由来のヒドロキシル基)に(メタ)アクリロイル基が導入されている。特に、本発明では、(メタ)アクリレート組成物に含まれる(メタ)アクリレート化合物は、第三級ヒドロキシル基含有基に(メタ)アクリロイル基が導入されていないことが好ましい。
本発明の(メタ)アクリレート組成物に含まれる、(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に限定されないが、180以上であってもよく、240以上であってもよく、290以上であってもよく、350以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、450以下であることが実際的である。
本発明の(メタ)アクリレート組成物は、本発明のエステル組成物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入することによって得られる。
上記(メタ)アクリロイル基の導入は、メチロール基を有するエステル化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルを反応させて行われることが好ましい。具体的には、エステル化合物中に残された第一級ヒドロキシル基(メチロール基)と(メタ)アクリル酸ないしそのエステルとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、第一級ヒドロキシル基に選択的に(メタ)アクリロイル基を導入した化合物を得て、これを含む(メタ)アクリレート組成物を調製することが好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリル酸がそのエステルの場合は、特に限定されるものではなく、公知の(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルのエステル部位の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。前記エステル部位がアルキル基を含むとき、直鎖(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、分岐(炭素数3〜12が好ましく、3〜6がより好ましい)および環状(炭素数3〜12が好ましく、3〜6がより好ましい)のいずれであってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(例えば、n−ブチル基、t−ブチル基)等が挙げられる。さらに具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどが挙げられる。本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステルは、1種であっても、2種以上であってもよい。
本発明において、エステル交換反応を利用するときには、これが平衡反応であることを考慮することが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エステルより遊離して副生するアルコールを系外に抜き出すことで反応を進行させることができる。副生するアルコールを系外に除去する方法としては、反応蒸留方式が一般的である。副生するアルコールが、溶媒と共沸する場合、溶媒と副生するアルコールを共沸混合物の形のまま系外に抜き出すことが挙げられる。また、共沸剤としてより低い沸点の共沸混合物を形成する第三成分を添加することも有効である。ここで述べたエステル交換反応に係る操作等は、上記の第三級ヒドロキシル基含有基の導入(エステル化)においてエステル交換反応を利用するときにも共通する。
本発明の好ましい実施形態においては、アクリレート化を行う基質が、上記で調製したエステル組成物であることが特徴である。つまり、原料となるエステル組成物の20質量%以上において、トリメチロールプロパンの1個または2個の第一級ヒドロキシル基が第三級ヒドロキシル基をもつ化合物で置換されている。この第三級ヒドロキシル基は第一級ヒドロキシル基に比して反応の活性が低く、一般的な反応条件で(メタ)アクリレート化を行うと、第一級ヒドロキシル基にのみ(メタ)アクリロイル基が導入される。具体的には、第一級ヒドロキシル基が(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と反応してエステル結合を形成する。あるいは、第一級ヒドロキシル基のヒドロキシル基が(メタ)アクリル酸エステルのエステル部位との交換反応が生じ、アルコールの脱離を伴って、エステル結合を解して(メタ)アクリロイル基が導入される。一方、第三級ヒドロキシル基もヒドロキシル基をもつが、これは(メタ)アクリル酸ないしそのエステルとは反応せず、そのまま第三級ヒドロキシル基として残存する。
したがって、計算上は、トリメチロールプロパンに(メタ)アクリロイル基が導入される比率は、第三級ヒドロキシル基含有基の導入工程でこれが導入されなかった化合物の比率と一致する。かかる観点から、(メタ)アクリレート化後の(メタ)アクリレート組成物における(メタ)アクリレート化合物において(メタ)アクリロイル基が1個または2個導入された(メタ)アクリレート化合物の濃度は、第三級ヒドロキシル基含有基が2個または1個導入された化合物の濃度と同じかそれに近いものとなる。
すなわち、(メタ)アクリレート組成物において、分子中に(メタ)アクリロイル基が1個または2個導入された(メタ)アクリレート化合物(1−2置換体、2−1置換体)の濃度は、(メタ)アクリレート組成物中、合計で20質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましく、55質量%以上であることが一層好ましく、65質量%以上であることがより一層好ましく、70質量%以上であることがさらに一層好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%であってもよく、95質量%以下が実際的である。なお、上記の計算値から実際はずれが生じていても問題はない。このことは、以下の組成物中の各(メタ)アクリレート化合物の好ましい濃度についても同様である。
トリメチロールプロパンの3個の第一級ヒドロキシル基のうち、1個が第三級ヒドロキシル基含有基によって置換され、第一級ヒドロキシル基の2個が(メタ)アクリレート化された(メタ)アクリレート化合物(1−2置換体)は、組成物中で5質量%以上あることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、80質量%であってもよく、70質量%以下が実際的である。
なお、1−2置換体の1−2(HIB−AA.MA)は、トリメチロールプロパンの分子内で、第三級ヒドロキシル基含有基で置換された数、(メタ)アクリロイル基で置換された数をその順で示している。
トリメチロールプロパンの3個の第一級ヒドロキシル基のうち、2個が第三級ヒドロキシル基含有基によって置換され、第一級ヒドロキシル基の1個が(メタ)アクリレート化された(メタ)アクリレート化合物(2−1置換体)は、組成物中で10質量%以上あることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、80質量%であってもよく、70質量%以下が実際的である。
(メタ)アクリロイル基が導入されない(メタ)アクリレート化合物(3−0置換体)の濃度は、トリメチロールプロパンの3個のヒドロキシル基の全てが第三級ヒドロキシル基含有基で置換されたエステル化合物(3HIB)の濃度に計算上等しく、(メタ)アクリレート組成物全体で、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。下限値は特に限定されないが、1質量%以上であることが実際的である。
(メタ)アクリロイル基が3個導入された(メタ)アクリレート化合物(0−3置換体)は、未反応のトリメチロールプロパンの残留濃度と計算上等しく、(メタ)アクリレート組成物全体では、30質量%以下であることが好ましい。下限値は特に限定されないが、1質量%以上であることが実際的である。
各置換体の質量比率として言えば、0−3置換体に対する1−2置換体および2−1置換体の比率((1−2置換体+2−1置換基)/0−3置換基)として、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。上限としては、15以下が実際的である。
エステル化合物の(メタ)アクリレート化においては、適宜、基質の量や触媒、反応条件等を調節して変化させて、所望の(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。具体的には、エステル化合物に対して(メタ)アクリル酸もしくはそのエステルをモル基準比((メタ)アクリル酸もしくはそのエステル/エステル化合物)で、1.0倍以上で反応させることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることがさらに好ましい。上限値としては、10.0倍以下であることが好ましく、6.0倍以下であることがより好ましく4.0倍以下であってもよい。
あるいは、エステル化ないしエステル交換反応を推進する金属塩の種類や量を調節することができる。例えば、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩や、テトライソプロピルチタネート等のチタンアルコキシドなどを選定することが挙げられる。添加量としては、(メタ)アクリル酸またはそのエステル100質量部に対して、金属化合物を0.5質量部以上とすることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。上限値としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
反応温度は適宜定めればよいが、50℃以上で反応を行うことが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。上限値としては、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
反応時間は仕込み量等に応じて適宜定めればよいが、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、5時間以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましく、8時間以下であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリレート化反応においては、溶媒を用いてもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒、ヘキサンなどの脂肪族化合物溶媒、シクロヘキサンなどの脂環式化合物溶媒、フッ化炭化水素のようなハロゲン化炭化水素溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。ここでの溶媒は、エステル交換反応を利用する場合、反応によってアルコールと共沸する溶媒を採用することが好ましい。反応中に系内に生成する水については、トルエン等と共沸させながら、ディーン・スターク・トラップを用いて系外に除去してもよい。
(メタ)アクリレート化反応においては、触媒ないし助触媒を用いることが好ましい。例えば、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸などのスルホン酸化合物、が挙げられる。これらの触媒等の量は適宜調節して添加すればよいが、例えば、エステル組成物100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。上限としては、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
また、(メタ)アクリレート化反応においては、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、パラメトキシフェノールおよびヒドロキノンなどのフェノール系化合物が挙げられる。重合禁止剤の量は、適宜調節して添加すればよいが、例えば、エステル組成物100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.010質量部以上であることがより好ましい。上限としては、3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
上記触媒、触媒助剤および重合禁止剤は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
反応装置は通常この種の反応に用いられるものを適宜選定して用いることができ、バッチ式でもフロー式でもよく、本発明においてはバッチ式の反応釜を用いることが好ましい。反応釜には、撹拌機、蒸留塔、温度計、ガス導入管、反応液等の導入管を備えたものが好ましい。反応釜は密閉性のあるものを用いることが好ましく、必要に応じて、適宜、加圧、減圧を行うことができるものが好ましい。
<その他の成分>
上述したエステル組成物および(メタ)アクリレート組成物にはさらに他の成分を含有させてもよい。用途にもよるが、一般的な添加剤を上げると、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、重合禁止剤、フィラーなどの補強剤、分散材、改質剤、色材(顔料、染料)などが挙げられる。
また、本発明の(メタ)アクリレート組成物は、溶媒で希釈した組成物として用いることもできる。すなわち、本発明の(メタ)アクリレート組成物と溶媒、さらに必要に応じて配合されるその他の成分を含む組成物として用いてもよい。
<用途>
本発明のエステル組成物は、トリメチロールプロパン構造において、第三級ヒドロキシル基含有基とともに、反応活性の高い第一級ヒドロキシル基を含んでいるため、同構造の化合物において選択的な反応を必要とする化合物の合成に好適に利用することができる。また、上述のように第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入した化合物を生成させることができる。さらに、酸化されやすい第二級ヒドロキシル基を含まないため、酸化防止剤などといった添加剤、安定剤用途としても利用することができる。
本発明の(メタ)アクリレート組成物は、(メタ)アクリロイル基を有するため、各種ポリマーの原料モノマーとして有用である。例えば、上記原料モノマーを基材に塗布し、これを紫外線の照射や加熱等により重合させてポリマーを硬化物として活用することができる。さらにポリマー中に残存している第3級ヒドロキシル基を、反応性の高いジイソアネートなどで架橋させることができるので、接着剤用途や塗料用途で利用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例中の物性等の分析方法は以下の通りである。
(1)核磁気共鳴装置(NMR)
化合物の構造決定にはNMRを使用した(日本電子社製、型式:JNM−ECA500)。
使用した重溶媒および測定周波数は各化合物の帰属中に記載した。
(2)生成物の質量比
生成物の質量比はガスクロマトグラフィー(装置名:Agilent 7890A GC system、アジレント社製)にて、内部標準法により定量した。エステル組成物、ならびに、内標物質としてフタル酸ジメチル(和光純薬工業社製、特級試薬)をメタノールに溶解した検液を調製し、GC測定を行った。得られたチャートにおける内標物質(フタル酸ジメチル)のピーク面積にファクターを補正することで、生成物の質量比とした。ファクターとは、内標物質(フタル酸ジメチル)のGC面積に対して、目的物質(エステル組成物)のGC面積の検出度合を表す指標であり、既知量の内標物質であるフタル酸ジメチルを添加して得られたGC面積にファクターを補正することで、未知量の目的物重量を算出した。なお、ファクターは物質ごとに固有の数値であり、同一分析条件下においては一定である。以下の実施例中での測定に用いるファクターは、既知量の内標物質と既知量の目的物数種類を混合した検液から得られたピーク強度の比から予め算出した値である。
(3)高分解能質量分析
化合物の高分解能質量(ミリマス)分析は、GC−MSにて行った。
GC装置:Agilent 7890A(アジレント社製)
MS装置:AccuTOF GCV JMS−T100GCV(日本電子社製)
GC使用時の測定条件
カラム:HP−FFAP、またはHP−1
移動相:ヘリウム
流速:1.0mL/分から1.3mL/分
試料濃度:1質量%
注入量:1μL
MS測定条件
イオン化法:CI+
イオン化温度:250℃
イオン化電圧/電流:200eV/300μA
検出器電圧:2400V
実施例1
(トリメチロールプロパンへのHIBの導入)
α−ヒドロキシイソ酪酸メチル(略式:HBM)(三菱ガス化学社製)46.8g(0.396モル)と、トリメチロールプロパン(略式:TMP)(三菱ガス化学社製)49.3g(0.367モル)と、トルエン(和光純薬工業社製、特級試薬)235.0gと、酸化カルシウム(和光純薬工業社製、99.9%試薬)0.87gとを、1Lの三口フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が90℃〜120℃の間となるように加熱してエステル交換反応を行った。その温度にて、反応によって生成したメタノールをトルエンと共沸させながら系外へ除去して、4.5時間反応させた。メタノールを除去した後の反応系を放冷すると二相に分離し、沈殿物も確認された。反応液を60℃で加熱、攪拌したのち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルターを用いたろ過にて沈殿物を除去した。ろ液を1L三口フラスコに戻し、40torr〜340torr減圧下で釜内温度が90℃〜120℃となるように加熱してトルエンを系内から系外へ除去、濃縮することで化合物A〜化合物Cを含むエステル組成物74.0gを得た。
得られたエステル組成物に既知量の内標物質を添加してGC測定を行い、エステル組成物の各成分と内標物質のピーク強度比にファクターを補正することで、エステル組成物の各成分の質量比を算出した。なお、得られたエステル組成物中には、GC測定により、化合物A〜CおよびTMP以外の成分がほぼ0質量%であることを確認した。エステル組成物中の各化合物の割合は、化合物A:47.4質量%、化合物B:36.6質量%、化合物C:5.5質量%、TMP:9.9質量%であった。
下記に実施例1の反応スキームを示す(Me:メチル基)。
Figure 2020023456
実施例1で得られた化合物Aの構造は1H NMR、13C NMR、HMQC(Heteronuclear Multiple Quantum Correlation)の各種スペクトルから同定した(下記参照)。
Figure 2020023456
さらにGC−MS分析を用いて、化合物Aの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が221.13890(C10215)であったことから、化合物Aの組成式はC10205と求められた。
実施例1で得られた化合物Bの構造は1H NMR、13C NMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
Figure 2020023456
さらにGC−MS分析を用いて、化合物Bの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が307.17568(C14277)であったことから、化合物Bの組成式はC14267と求められた。
実施例1で得られた化合物Cの構造は1H NMR、13C NMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
Figure 2020023456
さらにGC−MS分析を用いて、化合物Cの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が393.21246(C18339)であったことから、化合物Cの組成式はC18329と求められた。
実施例2
α−ヒドロキシイソ酪酸メチル46.8gを67.5gに、酸化カルシウム0.87gを0.11gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて、6.0時間エステル交換反応を行った。濃縮後に得られた化合物A〜化合物Cのエステル組成物は90.2gであった。得られたエステル組成物中の各化合物の割合は、実施例1と同様の手法により測定したところ、化合物A:44.9質量%、化合物B:39.6質量%、化合物C:6.8質量%、TMP:8.5質量%であった。また、得られたエステル組成物中には、GC測定により、化合物A〜CおよびTMP以外の成分がほぼ0質量%であることを確認した。
実施例3
トルエン235.0gをN,N−ジメチルホルムアミド(略式:DMF)(和光純薬工業社製、特級試薬)200.0gとトルエン40.0gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて、3.3時間エステル交換反応を行った。メタノールを除去した後の反応系内は単相で、白色の沈殿物が確認された。実施例1と同様の条件にて濾過と濃縮を行い、DMFを留去した後、メタキシレン(和光純薬工業社製、特級試薬)900gを投入し残存したDMFをメタキシレンと共沸させながら系外へ除去することで、化合物A〜化合物Cのエステル組成物100.6gを得た。得られたエステル組成物中の各化合物の割合は、実施例1と同様の手法により測定したところ、化合物A:24.8質量%、化合物B:55.6質量%、化合物C:14.5質量%、TMP:2.0質量%であった。
実施例4
α−ヒドロキシイソ酪酸メチル88.6g(0.750モル)と、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)50.0(0.373)と、ヘキサン(和光純薬工業社製、特級試薬)145.3gと、ナトリウムメトキシド(和光純薬工業社製、和光一級)0.20gとを、1Lの三口フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が70℃〜100℃の間となるように加熱してエステル交換反応を行った。その温度にて、反応によって生成したメタノールをヘキサンと共沸させながら系外へ除去して、3.0時間反応させた。後処理は実施例1と同様の方法にて、化合物A〜化合物Cのエステル組成物92.2gを得た。得られたエステル組成物中の各化合物の割合は、実施例1と同様の手法により測定したところ、化合物A:32.0質量%、化合物B:47.4質量%、化合物C:14.1質量%、TMP:0.7質量%であった。
参考例1
特開2003−160649号公報の参考例2と同様の基質比率を再現する為α−ヒドロキシイソ酪酸メチル46.8g(0.396モル)を257.0g(2.175モル)に変更した以外は実施例1と同様の条件にて、38.0時間エステル交換反応を行った。濃縮後に得られた化合物A〜化合物Cのエステル組成物は160.5gであった。得られたエステル組成物中の各化合物の割合は、実施例1と同様の手法により測定したところ、化合物A:1.7質量%、化合物B:14.2質量%、化合物C:62.4質量%、TMP:0質量%であった。また、得られたエステル組成物中にはHBM二量体(テトラメチルグリコリド)が質量比13.9質量%で含まれていた。
実施例5
(実施例1の組成物のアクリレート化)
実施例1で得られたエステル組成物21.4g(質量比は化合物A:47.4質量%、化合物B:36.5質量%、化合物C:5.5質量%、TMP:9.9質量%)(0.090モル)と、アクリル酸(和光純薬工業社製、試薬)24.6g(0.341モル)と、パラトルエンスルホン酸一水和物(和光純薬工業社製、試薬)1.9gと、ヒドロキノン(和光純薬工業社製、試薬)0.2gと、パラメトキシフェノール(和光純薬工業社製、試薬)0.05gと、トルエン(和光純薬工業社製、特級試薬)60.0gとを、1Lの三口フラスコに収容し、325torrの減圧下で釜内温度が70℃〜90℃の間となるように加熱してアクリレート化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、7.0時間反応させた。反応液を300mL分液ロートに移し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mLで3回中和したのち、水50mLで2回洗浄を行った。得られた有機層にパラメトキシフェノール0.01gを加えてエバポレーターで濃縮することで、化合物D〜化合物Fのアクリレート組成物25.4gを得た。得られたアクリレート組成物について、GC測定により、より不純物がほぼ未反応の原料エステルであることを確認した。また、上記エステル組成物の分析で算出したファクターから、アクリレート組成物中の不純物の含有量と質量比を算出した。不純物以外を化合物D、化合物E、化合物Fと認定し、各化合物のNMRピーク積分比率を測定し、化合物D、化合物E、化合物Fの相対質量比を算出し、アクリレート組成物中の化合物D、化合物E、化合物Fの質量比を算出した。得られたアクリレート組成物中の各化合物の割合は、化合物D:24.9質量%、化合物E:50.4質量%、化合物F:21.7質量%であった。
下記に実施例5の反応スキームを示す。
Figure 2020023456
実施例5で得られた化合物Dの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
Figure 2020023456
さらにGC−MS分析を用いて、化合物Dの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が297.13381(C15216)であったことから、化合物Dの組成式はC15206と求められた。
実施例5で得られた化合物Eの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
Figure 2020023456
さらにGC−MS分析を用いて、化合物Eの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が329.16003(C16257)であったことから、化合物Eの組成式はC16247と求められた。
実施例5で得られた化合物Fの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
Figure 2020023456
さらにGC−MS分析を用いて、化合物Fの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が361.18624(C17298)であったことから、化合物Fの組成式はC17288と求められた。
実施例1にて得られた13CNMRと実施例5にて得られた13CNMRを比較した。一般的に、炭素に隣接するヒドロキシル基がアクリレート化するとピーク位置がシフトすると考えられている。第一級ヒドロキシル基が隣接する炭素のピークに着目するとピーク位置が変化しているのに対し、第三級ヒドロキシル基が隣接する炭素のピークに着目するとピーク位置が変化していないことが分かった。したがって、実施例5においてアクリレート化されたヒドロキシル基は第一級ヒドロキシル基のみであり、エステル交換によって導入した第三級ヒドロキシル基はアクリレート化していないことがわかった。
比較例1
(参考例1の組成物のアクリレート化)
原料として参考例1で得られたエステル組成物22.0g(質量比は化合物A:1.0質量%、化合物B:8.3質量%、化合物C:36.6質量%、TMP:0質量%)(0.028モル)を用いた以外は実施例5と同様の条件にて7.0時間アクリレート化反応を行った。反応液を300mL分液ロートに移し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mLで3回中和したのち、水50mLで2回洗浄を行った。得られた有機層にパラメトキシフェノール0.01gを加えてエバポレーターで濃縮することで、化合物Eと化合物Fのアクリレート組成物8.2gを得た。得られたアクリレート組成物中の各化合物の割合は、実施例5と同様に測定したところ、化合物E:2.8質量%、化合物F:22.8質量%であった。参考例1に示す条件で得られるエステルは第一級ヒドロキシル基が全てエステル化された化合物の質量比が大きく、加えてHBM由来の不純物が多く含まれていた。これをアクリレート化反応に用いるとアクリレート化物の純度、ならびに収量が著しく減少する結果となった。
この結果から、アクリレート化されたのは第一級ヒドロキシル基のみであり、エステル交換によって導入した第三級ヒドロキシル基はアクリレート化していないことがわかった。
実施例6
実施例5にて製造された化合物D〜化合物Fのアクリレート組成物(4.9g)に対して、重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、和光純薬工業社製、試薬)5質量%(0.245g)を添加し、均一溶解させたものをモノマー組成物とした。得られたモノマー組成物を、バーコーターを用いて、基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で紫外線照射によって硬化させ、硬化物の膜厚が22μmの薄膜硬化板を得た。得られた硬化物の各種物性を測定したところ、耐屈曲性16mm、鉛筆硬度3H、水接触角67.2°、接着性0点であった。
耐屈曲性:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板についてJIS K 5600−5−1に準拠し、円柱型マンドレル屈曲試験機を用いて硬化膜を180度折り曲げ、目視にて割れや剥がれの有無を確認した。割れや剥がれの起こるマンドレルの最大直径を記す。
円柱型マンドレル屈曲試験機は、コーテック株式会社製のものを用いた。
鉛筆硬度:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板についてJIS K 5600−5−4に準拠し、鉛筆硬度を測定した。
鉛筆硬度の測定は、コーテック株式会社製の鉛筆硬度計を用いて行った。
水接触角:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板について、接触角計を用いて測定した。
接触角計は、協和界面科学製のものを用いた。
接着性:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板について旧JIS K 5400に準拠し、測定した。
本発明では、トリメチロールプロパンの第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基を導入し、第一級ヒドロキシル基と第三級ヒドロキシル基とをあわせ持つ化合物を含むエステル組成物を得ることができる。また、上記で得たエステル組成物を用いて、第一級ヒドロキシル基を選択的に(メタ)アクリレート化した化合物を含む(メタ)アクリレート組成物を効率的に製造することができ、各種、工業材料の原料として用いることができる。

Claims (12)

  1. トリメチロールプロパンのヒドロキシル基の1個または2個に−C(=O)−L−C(OH)(CH32(ここで、Lは単結合または−CH2−である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物を合計で20質量%以上含む、エステル組成物。
  2. トリメチロールプロパンと(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である)、または、そのエステルとの、エステル交換反応またはエステル化反応によって、前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入された、請求項1に記載のエステル組成物。
  3. (CH32(OH)C−L−COOHのエステルが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルである、請求項2に記載のエステル組成物。
  4. トリメチロールプロパンが有するヒドロキシル基の3個に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物の含有量が30質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエステル組成物。
  5. 前記第三級ヒドロキシル基含有基が−C(=O)−C(OH)(CH32で表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエステル組成物。
  6. トリメチロールプロパンが有するヒドロキシル基の1個または2個に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物を合計で55質量%以上含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエステル組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエステル組成物に含まれる、メチロール基を有するエステル化合物について、当該メチロール基に(メタ)アクリロイル基が導入された化合物を含む、(メタ)アクリレート組成物。
  8. 前記エステル組成物に含まれるメチロール基を有するエステル化合物と(メタ)アクリル酸またはそのエステルとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、前記メチロール基に(メタ)アクリロイル基を導入した、請求項7に記載の(メタ)アクリレート組成物。
  9. 分子中に(メタ)アクリロイル基を1個または2個含む(メタ)アクリレート化合物を合計で35質量%以上含む、請求項7または8に記載の(メタ)アクリレート組成物。
  10. 分子中に(メタ)アクリロイル基を1個または2個含む(メタ)アクリレート化合物を合計で55質量%以上含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート組成物。
  11. トリメチロールプロパンに、(CH32(OH)C−L−COOH(ここで、Lは単結合または−CH2−である)、または、そのエステルを、エステル交換反応またはエステル化反応させることを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエステル組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエステル組成物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入する、(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
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CN112010753A (zh) * 2020-08-18 2020-12-01 青岛科技大学 一种6-羟基己酸酯的制备方法

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