JP2001294555A - グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法Info
- Publication number
- JP2001294555A JP2001294555A JP2000112684A JP2000112684A JP2001294555A JP 2001294555 A JP2001294555 A JP 2001294555A JP 2000112684 A JP2000112684 A JP 2000112684A JP 2000112684 A JP2000112684 A JP 2000112684A JP 2001294555 A JP2001294555 A JP 2001294555A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- unsaturated carboxylic
- carboxylic acid
- glycerol
- reaction
- acid ester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】反応時の不純物の副生を抑え、かつ色相の改善
されたグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】α,β−不飽和カルボン酸とグリシドール
を反応させて、グリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステルを製造するに際して、第3アミン塩の触媒を
用いて反応することを特徴とするグリセロール−α,β
−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
されたグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】α,β−不飽和カルボン酸とグリシドール
を反応させて、グリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステルを製造するに際して、第3アミン塩の触媒を
用いて反応することを特徴とするグリセロール−α,β
−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリセロール−
α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、α,β−不飽和カルボン酸とグリ
シドールとを反応させてグリセロール−α,β−不飽和
カルボン酸エステルを製造する際に特定の第3アミン塩
の触媒を用いる製造方法に関する。
α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、α,β−不飽和カルボン酸とグリ
シドールとを反応させてグリセロール−α,β−不飽和
カルボン酸エステルを製造する際に特定の第3アミン塩
の触媒を用いる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エステル部に水酸基を持ち、かつカルボ
ン酸部位がα,β−不飽和カルボン酸であるカルボン酸
エステルは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が知られている。こ
れらのα,β−不飽和カルボン酸エステルは、熱硬化性
塗料、接着剤、ウレタンアクリレート系樹脂などの原
料、または中間体として用いられている。
ン酸部位がα,β−不飽和カルボン酸であるカルボン酸
エステルは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が知られている。こ
れらのα,β−不飽和カルボン酸エステルは、熱硬化性
塗料、接着剤、ウレタンアクリレート系樹脂などの原
料、または中間体として用いられている。
【0003】また近年、より親水性の高いラジカル重合
性不飽和カルボン酸エステルとして、1分子中に2個の
水酸基を持ったグリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステル、中でもグリセロール(メタ)アクリレート
(2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト)の合成研究が行われてきた。グリセロール(メタ)
アクリレートは、繊維の染色性改質剤、樹脂の防曇剤と
して、またこれらのモノマーを重合・共重合させたポリ
マーは、香粧品の保湿剤、紫外線硬化印刷用材料、水系
塗料用樹脂、高分子吸着剤、顔料分散剤、電子写真用バ
インダー、コンタクトレンズ、歯科材料等に非常に有用
である。グリセロール(メタ)アクリレートの製造方法
としては、 1)(メタ)アクリル酸とグリセロールとのエステル化
反応、 2)(メタ)アクリル酸エステルとグリセロールとのエ
ステル交換反応、 3)グリシジル(メタ)アクリレートの水和によるエポ
キシ開環反応、 4)(メタ)アクリル酸とグリシドールとの開環エステ
ル化反応 等が知られている。
性不飽和カルボン酸エステルとして、1分子中に2個の
水酸基を持ったグリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステル、中でもグリセロール(メタ)アクリレート
(2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト)の合成研究が行われてきた。グリセロール(メタ)
アクリレートは、繊維の染色性改質剤、樹脂の防曇剤と
して、またこれらのモノマーを重合・共重合させたポリ
マーは、香粧品の保湿剤、紫外線硬化印刷用材料、水系
塗料用樹脂、高分子吸着剤、顔料分散剤、電子写真用バ
インダー、コンタクトレンズ、歯科材料等に非常に有用
である。グリセロール(メタ)アクリレートの製造方法
としては、 1)(メタ)アクリル酸とグリセロールとのエステル化
反応、 2)(メタ)アクリル酸エステルとグリセロールとのエ
ステル交換反応、 3)グリシジル(メタ)アクリレートの水和によるエポ
キシ開環反応、 4)(メタ)アクリル酸とグリシドールとの開環エステ
ル化反応 等が知られている。
【0004】しかしながら、いずれの製造方法において
も純度の高いグリセロール(メタ)アクリレートを得る
ことは困難である。前記の1)の方法において、グリセ
ロールの1個の水酸基のみを反応させることは極めて困
難である。すなわちグリセロールのモノ−、ジ−、トリ
(メタ)アクリレートの混合物が得られ、これを分離精
製することは困難である。また前記の2)の(メタ)ア
クリル酸エステルとグリセロールとのエステル交換反応
でも、前記と同様にグリセロールのモノ−、ジ−、トリ
(メタ)アクリレートの混合物が得られ、混入する問題
があった。
も純度の高いグリセロール(メタ)アクリレートを得る
ことは困難である。前記の1)の方法において、グリセ
ロールの1個の水酸基のみを反応させることは極めて困
難である。すなわちグリセロールのモノ−、ジ−、トリ
(メタ)アクリレートの混合物が得られ、これを分離精
製することは困難である。また前記の2)の(メタ)ア
クリル酸エステルとグリセロールとのエステル交換反応
でも、前記と同様にグリセロールのモノ−、ジ−、トリ
(メタ)アクリレートの混合物が得られ、混入する問題
があった。
【0005】前記の3)の方法では、グリシジル(メ
タ)アクリレートを酸触媒条件下で水和することよって
グリセロール(メタ)アクリレートを製造する方法も開
示されている(特開昭60−215650号公報)。し
かし、この方法では、未反応の原料と副生成物のグリセ
ロールジ(メタ)アクリレートが混入し、それらを分離
精製することが困難である。この副生成したグリセロー
ルジ(メタ)アクリレートは、単量体を重合する際に架
橋剤の役割をするので、重合挙動に大きく影響する。そ
のためそのジエステルの混入は好ましくない。また親水
性単量体のグリセロール(メタ)アクリレートと水との
混合物から10〜40℃の低温で減圧下での脱水工程で
は、十分に脱水することは困難であり、しかも長時間を
要するためにグリセロールジ(メタ)アクリレートの熱
変性が危惧される。
タ)アクリレートを酸触媒条件下で水和することよって
グリセロール(メタ)アクリレートを製造する方法も開
示されている(特開昭60−215650号公報)。し
かし、この方法では、未反応の原料と副生成物のグリセ
ロールジ(メタ)アクリレートが混入し、それらを分離
精製することが困難である。この副生成したグリセロー
ルジ(メタ)アクリレートは、単量体を重合する際に架
橋剤の役割をするので、重合挙動に大きく影響する。そ
のためそのジエステルの混入は好ましくない。また親水
性単量体のグリセロール(メタ)アクリレートと水との
混合物から10〜40℃の低温で減圧下での脱水工程で
は、十分に脱水することは困難であり、しかも長時間を
要するためにグリセロールジ(メタ)アクリレートの熱
変性が危惧される。
【0006】前記の4)の方法では、(メタ)アクリル
酸をグリシドールに対し5〜30モル%過剰量用い、8
0〜120℃で反応してグリセロール(メタ)アクリレ
ートを得る方法が開示されている(フランス国特許23
91988号明細書)。しかし、この方法では、生成物
が水溶性であり、また未反応の単量体も水溶性のため、
未反応の(メタ)アクリル酸が十分に除去できず、その
結果、酸価の高いものしか得られない。さらに副生成物
の含有量も多く、かつ着色度が高いため、その精製が非
常に困難であるなど問題があった。また前記の4)方法
では、グリシドールを(メタ)アクリル酸1モルに対し
1.05〜1.5モル比の過剰で、塩基性触媒下で反応
させてグリセロール(メタ)アクリレートを製造する方
法も開示されている(特開昭62−70341号公
報)。塩基性触媒としては、ピリジン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、ベンジルアミン、ベンジルメチ
ルアミン、テトラメチルアンモニウムクロリド、炭酸ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例
示されている。また、ラジカル重合性不飽和単量体1モ
ルに対して、グリシドールを1.05〜1.5モル使用
する方法である。この方法では得られたグリセロール
(メタ)アクリレートは、グリシドールを過剰に使用す
るために、ジ−、トリ−、テトラグリセロール(メタ)
アクリレート等の副生成物との混合物として得られてい
る。例えば、グシドールの付加体数(n)が2〜4のア
クリル酸エステル、グシドールの付加体数(n)が1〜
4のアクリル酸2量体のエステルが示されている。得ら
れた製品の色相については、記載がないが、特に実施例
1では、トリエチルアミンを触媒として用い、重合防止
のために空気を吹き込んで反応するので、色相が悪化し
ていることが予想される。前記の開示された技術には、
精製工程についての記述がなく、この方法では純度の高
いグリセロール(メタ)アクリレートを得ることはでき
ないなど問題があった。以上のようにグリセロール(メ
タ)アクリレートの製造方法においては、反応、分離精
製において非常に大きな問題となっていて、副生成物の
少ない純度の高いもので、かつ色相の優れたものの製造
方法が望まれている。
酸をグリシドールに対し5〜30モル%過剰量用い、8
0〜120℃で反応してグリセロール(メタ)アクリレ
ートを得る方法が開示されている(フランス国特許23
91988号明細書)。しかし、この方法では、生成物
が水溶性であり、また未反応の単量体も水溶性のため、
未反応の(メタ)アクリル酸が十分に除去できず、その
結果、酸価の高いものしか得られない。さらに副生成物
の含有量も多く、かつ着色度が高いため、その精製が非
常に困難であるなど問題があった。また前記の4)方法
では、グリシドールを(メタ)アクリル酸1モルに対し
1.05〜1.5モル比の過剰で、塩基性触媒下で反応
させてグリセロール(メタ)アクリレートを製造する方
法も開示されている(特開昭62−70341号公
報)。塩基性触媒としては、ピリジン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、ベンジルアミン、ベンジルメチ
ルアミン、テトラメチルアンモニウムクロリド、炭酸ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例
示されている。また、ラジカル重合性不飽和単量体1モ
ルに対して、グリシドールを1.05〜1.5モル使用
する方法である。この方法では得られたグリセロール
(メタ)アクリレートは、グリシドールを過剰に使用す
るために、ジ−、トリ−、テトラグリセロール(メタ)
アクリレート等の副生成物との混合物として得られてい
る。例えば、グシドールの付加体数(n)が2〜4のア
クリル酸エステル、グシドールの付加体数(n)が1〜
4のアクリル酸2量体のエステルが示されている。得ら
れた製品の色相については、記載がないが、特に実施例
1では、トリエチルアミンを触媒として用い、重合防止
のために空気を吹き込んで反応するので、色相が悪化し
ていることが予想される。前記の開示された技術には、
精製工程についての記述がなく、この方法では純度の高
いグリセロール(メタ)アクリレートを得ることはでき
ないなど問題があった。以上のようにグリセロール(メ
タ)アクリレートの製造方法においては、反応、分離精
製において非常に大きな問題となっていて、副生成物の
少ない純度の高いもので、かつ色相の優れたものの製造
方法が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グリ
セロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方
法を提供することである。特には、反応時の不純物の副
生を抑え、かつ色相の改善されたグリセロール−α,β
−不飽和カルボン酸エステルの製造方法を提供すること
にある。
セロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方
法を提供することである。特には、反応時の不純物の副
生を抑え、かつ色相の改善されたグリセロール−α,β
−不飽和カルボン酸エステルの製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を鋭意検討した結果、特定の第3アミン塩を反応触媒
として用いると、不純物の副生を抑え、かつ色相の改善
されたグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルを得られることの知見を得て、本発明を完成させるに
至った。さらにまた、カラムクロマトグラフィー法を組
み合わせると、高純度品が得られる知見を得て、本発明
をするに至った。
点を鋭意検討した結果、特定の第3アミン塩を反応触媒
として用いると、不純物の副生を抑え、かつ色相の改善
されたグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルを得られることの知見を得て、本発明を完成させるに
至った。さらにまた、カラムクロマトグラフィー法を組
み合わせると、高純度品が得られる知見を得て、本発明
をするに至った。
【0009】すなわち本発明は、以下の[1]〜[4]
である。 [1] 第3アミン塩の触媒の存在下に、α,β−不飽
和カルボン酸とグリシドールとを反応させることを特徴
とするグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの製造方法である。 [2] α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸か
らなる群から選択される1種または2種以上である前記
[1]に記載のグリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステルの製造方法。 [3] 第3アミン塩が、トリメチルアミン塩酸塩、ト
リエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩およびピリジニ
ウム−p−トルエンスルホナートからなる群から選択さ
れる1種または2種以上である請求項1または2記載の
グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製
造方法。 [4] 製造されたグリセロール−α,β−不飽和カル
ボン酸エステルが、APHA80以下の色相で、かつ8
0%以上のガスクロマトグラフィー(GC)の純度であ
る前記[1]〜[3]のいずれかに記載のグリセロール
−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
である。 [1] 第3アミン塩の触媒の存在下に、α,β−不飽
和カルボン酸とグリシドールとを反応させることを特徴
とするグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの製造方法である。 [2] α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸か
らなる群から選択される1種または2種以上である前記
[1]に記載のグリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステルの製造方法。 [3] 第3アミン塩が、トリメチルアミン塩酸塩、ト
リエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩およびピリジニ
ウム−p−トルエンスルホナートからなる群から選択さ
れる1種または2種以上である請求項1または2記載の
グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製
造方法。 [4] 製造されたグリセロール−α,β−不飽和カル
ボン酸エステルが、APHA80以下の色相で、かつ8
0%以上のガスクロマトグラフィー(GC)の純度であ
る前記[1]〜[3]のいずれかに記載のグリセロール
−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、α,β−不飽和カルボ
ン酸とグリシドールとを反応させてグリセロール−α,
β−不飽和カルボン酸エステルを製造するに際して、第
3アミン塩の触媒の存在下に、反応することを特徴とす
るグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの
製造方法である。
ン酸とグリシドールとを反応させてグリセロール−α,
β−不飽和カルボン酸エステルを製造するに際して、第
3アミン塩の触媒の存在下に、反応することを特徴とす
るグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの
製造方法である。
【0011】本発明に用いるα,β−不飽和カルボン酸
は、通常α,β−不飽和カルボン酸として知られている
ものであれば、いかなるものであっても用いることがで
きる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、メサコン酸、シトラタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸モノメチル、メサコン酸モノメチル、
3−ヒドロキシ−2−メチレンプロピオン酸、3−ヒド
ロキシ−2−メチレンブタン酸、3−アミノ−2−メチ
レンプロピオン酸等を挙げることができる。前記のα,
β−不飽和カルボン酸は1種または2種類以上を配合し
て用いることができる。特に入手性の理由から、アクリ
ル酸またはメタクリル酸が好ましくい。
は、通常α,β−不飽和カルボン酸として知られている
ものであれば、いかなるものであっても用いることがで
きる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、メサコン酸、シトラタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸モノメチル、メサコン酸モノメチル、
3−ヒドロキシ−2−メチレンプロピオン酸、3−ヒド
ロキシ−2−メチレンブタン酸、3−アミノ−2−メチ
レンプロピオン酸等を挙げることができる。前記のα,
β−不飽和カルボン酸は1種または2種類以上を配合し
て用いることができる。特に入手性の理由から、アクリ
ル酸またはメタクリル酸が好ましくい。
【0012】本発明に用いるグリシドールとしては、グ
リシドールであればいかなる製造法によって得られたも
のを用いてもよいが、通常市販されるグリシドールを好
ましく用いることができる。
リシドールであればいかなる製造法によって得られたも
のを用いてもよいが、通常市販されるグリシドールを好
ましく用いることができる。
【0013】本発明において、α,β−不飽和カルボン
酸とグリシドールを反応させるときのα,β−不飽和カ
ルボン酸とグリシドールの使用量は、適宜設定されてよ
いが、α,β−不飽和カルボン酸とグリシドールの量比
は、α,β−不飽和カルボン酸1モルに対して、グリシ
ドールを0.7モル〜1.3モルの量比用いるのが望ま
しく、より好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸とグ
リシドールの使用量は、α,β−不飽和カルボン酸1モ
ルに対して、0.95〜1.05モルのグリシドールの
使用量である。さらに好ましくは、α,β−不飽和カル
ボン酸とグリシドールの使用量は、α,β−不飽和カル
ボン酸1モルに対して、1モルのグリシドールの使用量
である。グリシドールの量が0.7モルより少なくなる
と、未反応のα,β−不飽和カルボン酸原料が多く残存
して、除去する必要があり、反応収率が落ちるなど好ま
しくない。またグリシドールの量が1.3モルより多く
なると、α,β−不飽和カルボン酸にグリシドールが2
個以上の付加した化合物が多くなり好ましくない。
酸とグリシドールを反応させるときのα,β−不飽和カ
ルボン酸とグリシドールの使用量は、適宜設定されてよ
いが、α,β−不飽和カルボン酸とグリシドールの量比
は、α,β−不飽和カルボン酸1モルに対して、グリシ
ドールを0.7モル〜1.3モルの量比用いるのが望ま
しく、より好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸とグ
リシドールの使用量は、α,β−不飽和カルボン酸1モ
ルに対して、0.95〜1.05モルのグリシドールの
使用量である。さらに好ましくは、α,β−不飽和カル
ボン酸とグリシドールの使用量は、α,β−不飽和カル
ボン酸1モルに対して、1モルのグリシドールの使用量
である。グリシドールの量が0.7モルより少なくなる
と、未反応のα,β−不飽和カルボン酸原料が多く残存
して、除去する必要があり、反応収率が落ちるなど好ま
しくない。またグリシドールの量が1.3モルより多く
なると、α,β−不飽和カルボン酸にグリシドールが2
個以上の付加した化合物が多くなり好ましくない。
【0014】本発明に用いる第3アミン塩の触媒として
は、第3アミンと酸との中和塩であって、例えば、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ピリジン、2,6−ルチジン、1−メチルピペリジン、
イミダゾール、N,N−ジエチルアニリン等の第3アミ
ンと、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等の酸との中和したもので、各種の
組み合わせが挙げられるが、中性もしくは酸性である。
具体的には例えば、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチ
ルアミン塩酸塩、トリブチルアミン硫酸塩、イミダゾー
ル塩酸塩、ピリジン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン
塩酸塩、ピリジニウム−p−トルエンスルホナート等が
挙げられる。特に入手性の理由から、トリメチルアミン
塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩、ピ
リジニウム−p−トルエンスルホナートが好ましく用い
られる。
は、第3アミンと酸との中和塩であって、例えば、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ピリジン、2,6−ルチジン、1−メチルピペリジン、
イミダゾール、N,N−ジエチルアニリン等の第3アミ
ンと、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等の酸との中和したもので、各種の
組み合わせが挙げられるが、中性もしくは酸性である。
具体的には例えば、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチ
ルアミン塩酸塩、トリブチルアミン硫酸塩、イミダゾー
ル塩酸塩、ピリジン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン
塩酸塩、ピリジニウム−p−トルエンスルホナート等が
挙げられる。特に入手性の理由から、トリメチルアミン
塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩、ピ
リジニウム−p−トルエンスルホナートが好ましく用い
られる。
【0015】中和塩でない第3アミンをそのままを用い
て反応を行うと、着色かつ不純物の副生が多くなり、ま
た生成したグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エ
ステルの変性が起こるために好ましくない。また無機酸
をそのまま用いて反応を行っても、α,β−不飽和カル
ボン酸とグリシドールは反応せず、グリセロール−α,
β−不飽和カルボン酸エステルは得られない。
て反応を行うと、着色かつ不純物の副生が多くなり、ま
た生成したグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エ
ステルの変性が起こるために好ましくない。また無機酸
をそのまま用いて反応を行っても、α,β−不飽和カル
ボン酸とグリシドールは反応せず、グリセロール−α,
β−不飽和カルボン酸エステルは得られない。
【0016】第3アミン塩の触媒の使用量は、α,β−
不飽和カルボン酸1モルに対し、0.01〜100%モ
ル当量、好ましくは0.1〜10%モル当量である。触
媒使用量が0.01%モル当量より少ないと反応が進行
せず、また100%モル当量より多いと不純物が多く副
生し、かつ色相が悪くなるので好ましくない。
不飽和カルボン酸1モルに対し、0.01〜100%モ
ル当量、好ましくは0.1〜10%モル当量である。触
媒使用量が0.01%モル当量より少ないと反応が進行
せず、また100%モル当量より多いと不純物が多く副
生し、かつ色相が悪くなるので好ましくない。
【0017】本発明において、α,β−不飽和カルボン
酸とグリシドールとを、第3アミン塩触媒の存在下で、
必要によっては、後記の溶媒、後記の重合禁止剤を配合
して、反応するが、その際の反応温度は、本発明で目的
としている反応が進行する温度であれば、いかなる温度
であってもよい。好ましくは、反応温度は20〜120
℃、特に好ましくは40〜90℃である。反応温度が2
0℃より低いと反応が進行せず、また120℃より高い
とグリセロールカルボン酸エステルが変性しやすくなる
ので好ましくない。また反応時間は、反応温度、触媒の
種類および使用量によって異なるので一概に特定できな
いが、通常1〜100時間であるのが好ましい。より好
ましくは、2〜24時間である。またα,β−不飽和カ
ルボン酸とグリシドールの反応は、通常大気圧で行う
が、減圧下または加圧下で行ってもよい。
酸とグリシドールとを、第3アミン塩触媒の存在下で、
必要によっては、後記の溶媒、後記の重合禁止剤を配合
して、反応するが、その際の反応温度は、本発明で目的
としている反応が進行する温度であれば、いかなる温度
であってもよい。好ましくは、反応温度は20〜120
℃、特に好ましくは40〜90℃である。反応温度が2
0℃より低いと反応が進行せず、また120℃より高い
とグリセロールカルボン酸エステルが変性しやすくなる
ので好ましくない。また反応時間は、反応温度、触媒の
種類および使用量によって異なるので一概に特定できな
いが、通常1〜100時間であるのが好ましい。より好
ましくは、2〜24時間である。またα,β−不飽和カ
ルボン酸とグリシドールの反応は、通常大気圧で行う
が、減圧下または加圧下で行ってもよい。
【0018】反応に際しては、グリセロール−α,β−
不飽和カルボン酸エステルが、高い重合性を有すること
から、反応時に重合反応が起こるのを抑制する目的で、
分子状酸素および重合禁止剤を使用することが好まし
い。分子状酸素とは、空気が用いられ、反応液中に空気
をバブリングさせながら反応を行う。重合禁止剤として
は、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール等が挙げ
られる。これら重合禁止剤は、単独または2種以上を混
合して使用してもよい。重合禁止剤の使用量は、α,β
−不飽和カルボン酸に対し、0.01〜1モル当量、好
ましくは0.05〜0.5モル当量である。
不飽和カルボン酸エステルが、高い重合性を有すること
から、反応時に重合反応が起こるのを抑制する目的で、
分子状酸素および重合禁止剤を使用することが好まし
い。分子状酸素とは、空気が用いられ、反応液中に空気
をバブリングさせながら反応を行う。重合禁止剤として
は、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール等が挙げ
られる。これら重合禁止剤は、単独または2種以上を混
合して使用してもよい。重合禁止剤の使用量は、α,β
−不飽和カルボン酸に対し、0.01〜1モル当量、好
ましくは0.05〜0.5モル当量である。
【0019】本発明において、α,β−不飽和カルボン
酸とグリシドールを反応させるときに、反応溶媒は特に
使用しなくてもよいが、反応速度を制御するため、もし
くはα,β−不飽和カルボン酸が固体のとき、場合によ
って不活性溶媒を使用してもよい。不活性溶媒として
は、エーテル系溶媒、非プロトン性溶媒、ハロゲン系溶
媒、脂肪族及び芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。エ
ーテル系溶媒は、例えばエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテルのような脂肪族エーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサンのような複素環式エーテル等で
ある。また非プロトン性溶媒は、例えばアセトン、2−
ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等
であり、ハロゲン系溶媒は、例えば、塩化メチレン、ク
ロロホルム等である。さらに脂肪族炭化水素溶媒は、例
えば、ペンタン、ヘキサン等であり、芳香族炭化水素溶
媒は、例えば、ベンゼン、トルエン等である。
酸とグリシドールを反応させるときに、反応溶媒は特に
使用しなくてもよいが、反応速度を制御するため、もし
くはα,β−不飽和カルボン酸が固体のとき、場合によ
って不活性溶媒を使用してもよい。不活性溶媒として
は、エーテル系溶媒、非プロトン性溶媒、ハロゲン系溶
媒、脂肪族及び芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。エ
ーテル系溶媒は、例えばエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテルのような脂肪族エーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサンのような複素環式エーテル等で
ある。また非プロトン性溶媒は、例えばアセトン、2−
ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等
であり、ハロゲン系溶媒は、例えば、塩化メチレン、ク
ロロホルム等である。さらに脂肪族炭化水素溶媒は、例
えば、ペンタン、ヘキサン等であり、芳香族炭化水素溶
媒は、例えば、ベンゼン、トルエン等である。
【0020】さらに本発明において、α,β−不飽和カ
ルボン酸とグリシドールとを反応することにより得られ
る反応生成物を含んだ反応混合物の精製は、例えば蒸
留、抽出、クロマトグラフィー等を用いて行うことがで
きる。好ましくはクロマトグラフィーにより精製するの
がよい。
ルボン酸とグリシドールとを反応することにより得られ
る反応生成物を含んだ反応混合物の精製は、例えば蒸
留、抽出、クロマトグラフィー等を用いて行うことがで
きる。好ましくはクロマトグラフィーにより精製するの
がよい。
【0021】このようにして本発明の製造方法により得
られたグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルは、着色が少なく、副生不純物が少なく純度が高いグ
リセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルであ
る。このグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エス
テルは、JIS K4101の色数試験方法で、色相が
APHA80以下、また通常知られたガスクロマトグラ
フィー(GC)純度で80%以上である。カラムクロマ
トグラフィーの方法を組み合わせると、さらに純度を向
上させることができ、94%以上のGC純度のものが得
られる。
られたグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルは、着色が少なく、副生不純物が少なく純度が高いグ
リセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルであ
る。このグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エス
テルは、JIS K4101の色数試験方法で、色相が
APHA80以下、また通常知られたガスクロマトグラ
フィー(GC)純度で80%以上である。カラムクロマ
トグラフィーの方法を組み合わせると、さらに純度を向
上させることができ、94%以上のGC純度のものが得
られる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来の製造法に比べて
不純物の副生が少なく、かつ着色度の低いグリセロール
−α,β−不飽和カルボン酸エステルを製造することが
できる。
不純物の副生が少なく、かつ着色度の低いグリセロール
−α,β−不飽和カルボン酸エステルを製造することが
できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明する。また分析に用いたガスクロマトグラフィ
ー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
の測定方法を示す。また色相の評価方法を示す。 <ガスクロマトグラフィーによる純度測定条件> 機器:島津製作所(株)社製 ガスクロマトグラフ G
C−17A、島津製作所(株)社製 クロマトパック
C−R5A、島津製作所(株)社製 オートインジェク
ター AOC−20、 カラム:J&W scientific製 DB−17
01、Length 15m、ID 0.53mm、M
EGABORE、FILM 1micron、 流速:0.5mL/min、 インジェクション温度:160℃、 検出器温度:250℃、 カラム温度:初期温度80℃で4分間保持、200℃ま
で10℃/minで昇温、200℃で5分間保持、 サンプル濃度:10mg/mL(メタノール溶液)、 注入量:0.5mL、 検出:FIDである。
的に説明する。また分析に用いたガスクロマトグラフィ
ー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
の測定方法を示す。また色相の評価方法を示す。 <ガスクロマトグラフィーによる純度測定条件> 機器:島津製作所(株)社製 ガスクロマトグラフ G
C−17A、島津製作所(株)社製 クロマトパック
C−R5A、島津製作所(株)社製 オートインジェク
ター AOC−20、 カラム:J&W scientific製 DB−17
01、Length 15m、ID 0.53mm、M
EGABORE、FILM 1micron、 流速:0.5mL/min、 インジェクション温度:160℃、 検出器温度:250℃、 カラム温度:初期温度80℃で4分間保持、200℃ま
で10℃/minで昇温、200℃で5分間保持、 サンプル濃度:10mg/mL(メタノール溶液)、 注入量:0.5mL、 検出:FIDである。
【0024】<高速液体クロマトグラフィーによる不純
物の測定条件> 機種:東ソー(株)社製 SC−8020、 カラム:FUJI SILYSIA Chomator
ex ODS 100A−15mm 4.6×250m
m 2本、 流速:0.5mL/min 温度:40℃、 溶離液:アセトニトリル/水=7/3、 検出:UV(210nm)。
物の測定条件> 機種:東ソー(株)社製 SC−8020、 カラム:FUJI SILYSIA Chomator
ex ODS 100A−15mm 4.6×250m
m 2本、 流速:0.5mL/min 温度:40℃、 溶離液:アセトニトリル/水=7/3、 検出:UV(210nm)。
【0025】<色相の評価>色相(APHA値)は、J
IS K4101の色数試験方法に従って測定した。
IS K4101の色数試験方法に従って測定した。
【0026】実施例1 かき混ぜ器、温度計、還流冷却器、滴下ロート、空気導
入管を付した200mLの4つ口フラスコに、メタクリ
ル酸(MAA)43g(0.5mol)、p−メトキシ
フェノール0.64g(5mmol)、トリエチルアミ
ン塩酸塩(TEA・HCl)0.42g(3mmol)
を入れて溶かし、空気を吹き込みながら90℃に保っ
た。そこへ、グリシドール(GLD)37g(0.5m
ol)を一定速度で2時間かけて滴下し、その後8時間
反応熟成を続けた。反応液の色相はAPHA30であっ
た。またGC測定した結果、グリセロールメタクリレー
トの純度は84%であった。さらに反応の溶液を、カラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル60、溶出溶媒:ア
セトン)によって精製し、目的のグリセロールメタクリ
レート64g(収率80%)を得た。1H−NMRスペ
クトルを測定し、その結果を以下に示した。1 H−NMR(CDCl3 with TMS):δ=
1.95(s,3H)、2.6−3.5(bs,2
H)、3.5−4.1(m,3.2H)、4.23
(d,1.7H)、4.97(quintet,0.1
H)、5.61(s,1H)、6.14(s,1H)1 H−NMRスペクトルから得られた化合物が次式
(1)のグリセロールメタクリレートであることを確認
定した。
入管を付した200mLの4つ口フラスコに、メタクリ
ル酸(MAA)43g(0.5mol)、p−メトキシ
フェノール0.64g(5mmol)、トリエチルアミ
ン塩酸塩(TEA・HCl)0.42g(3mmol)
を入れて溶かし、空気を吹き込みながら90℃に保っ
た。そこへ、グリシドール(GLD)37g(0.5m
ol)を一定速度で2時間かけて滴下し、その後8時間
反応熟成を続けた。反応液の色相はAPHA30であっ
た。またGC測定した結果、グリセロールメタクリレー
トの純度は84%であった。さらに反応の溶液を、カラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル60、溶出溶媒:ア
セトン)によって精製し、目的のグリセロールメタクリ
レート64g(収率80%)を得た。1H−NMRスペ
クトルを測定し、その結果を以下に示した。1 H−NMR(CDCl3 with TMS):δ=
1.95(s,3H)、2.6−3.5(bs,2
H)、3.5−4.1(m,3.2H)、4.23
(d,1.7H)、4.97(quintet,0.1
H)、5.61(s,1H)、6.14(s,1H)1 H−NMRスペクトルから得られた化合物が次式
(1)のグリセロールメタクリレートであることを確認
定した。
【0027】
【化1】
【0028】精製後のグリセロールメタクリレートをG
C測定した結果、純度は95%であった。なお前記のH
PLC測定方法による測定結果のチャートを図1に示
す。
C測定した結果、純度は95%であった。なお前記のH
PLC測定方法による測定結果のチャートを図1に示
す。
【0029】実施例2 実施例1のトリエチルアミン塩酸塩(TEA・HCl)
0.42g(3mmol)の代わりに、トリブチルアミ
ン塩酸塩(TBA・HCl)0.67g(3mmol)
を用い、反応熟成を8時間から24時間に変更した以外
は、実施例1と同様にして反応した。反応液の色相はA
PHA30であった。またGC測定した結果、グリセロ
ールメタクリレートの純度は80%であった。さらに反
応の溶液を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル6
0、溶出溶媒:アセトン)によって精製し、目的のグリ
セロールメタクリレートが60g(収率75%)を得
た。1H−NMRスペクトルを測定し、実施例1と同様
の値を得て化合物の構造を確認した。精製後のグリセロ
ールメタクリレートをGC測定した結果、純度は95%
であった。
0.42g(3mmol)の代わりに、トリブチルアミ
ン塩酸塩(TBA・HCl)0.67g(3mmol)
を用い、反応熟成を8時間から24時間に変更した以外
は、実施例1と同様にして反応した。反応液の色相はA
PHA30であった。またGC測定した結果、グリセロ
ールメタクリレートの純度は80%であった。さらに反
応の溶液を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル6
0、溶出溶媒:アセトン)によって精製し、目的のグリ
セロールメタクリレートが60g(収率75%)を得
た。1H−NMRスペクトルを測定し、実施例1と同様
の値を得て化合物の構造を確認した。精製後のグリセロ
ールメタクリレートをGC測定した結果、純度は95%
であった。
【0030】実施例3 実施例1のトリエチルアミン塩酸塩(TEA・HCl)
0.42g(3mmol)の代わりに、ピリジン塩酸塩
(Py・HCl)0.35g(3mmol)を用い、反
応熟成を8時間から16時間に変更した以外は、実施例
1と同様にして反応した。反応液の色相はAPHA30
であった。またGC測定した結果、グリセロールメタク
リレートの純度は83%であった。さらに反応の溶液
を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、溶出
溶媒:酢酸エチル)によって精製し、目的のグリセロー
ルメタクリレート64g(収率80%)を得た。1H−
NMRスペクトルを測定し、実施例1と同様の値を得て
化合物の構造確認をした。精製後のグリセロールメタク
リレートをGC測定した結果、純度は95%であった。
0.42g(3mmol)の代わりに、ピリジン塩酸塩
(Py・HCl)0.35g(3mmol)を用い、反
応熟成を8時間から16時間に変更した以外は、実施例
1と同様にして反応した。反応液の色相はAPHA30
であった。またGC測定した結果、グリセロールメタク
リレートの純度は83%であった。さらに反応の溶液
を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、溶出
溶媒:酢酸エチル)によって精製し、目的のグリセロー
ルメタクリレート64g(収率80%)を得た。1H−
NMRスペクトルを測定し、実施例1と同様の値を得て
化合物の構造確認をした。精製後のグリセロールメタク
リレートをGC測定した結果、純度は95%であった。
【0031】実施例4 実施例1のMAA 43g(0.5mol)の代わり
に、アクリル酸36g(0.5mol)、トリエチルア
ミン塩酸塩(TEA・HCl)0.42g(3mmo
l)の代わりに、ピリジニウム−p−トルエンスルホナ
ート(P−PTS)0.75g(3mmol)を用い、
反応熟成を8時間から10時間に変更した以外は、実施
例1と同様にして反応した。反応液の色相はAPHA3
0であった。またGC測定した結果、グリセロールアク
リレートの純度は80%であった。さらに反応の溶液
を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、溶出
溶媒:酢酸エチル)によって精製し、目的のグリセロー
ルアクリレート56g(収率77%)を得た。1H−N
MRスペクトルを測定した結果を以下に示した。1H−
NMR(CDCl3 with TMS):δ=2.8
−3.6(bs,2H)、3.5−4.1(m,3.2
H)、4.30(d,J=6.0Hz,1.7H)、
5.00(quintet,0.1H)、5.84
(d,1H)、6.1−6.3(dd,1H)、6.4
5(d,1H)精製後のグリセロールアクリレートをG
C測定した結果、純度は94%であった。
に、アクリル酸36g(0.5mol)、トリエチルア
ミン塩酸塩(TEA・HCl)0.42g(3mmo
l)の代わりに、ピリジニウム−p−トルエンスルホナ
ート(P−PTS)0.75g(3mmol)を用い、
反応熟成を8時間から10時間に変更した以外は、実施
例1と同様にして反応した。反応液の色相はAPHA3
0であった。またGC測定した結果、グリセロールアク
リレートの純度は80%であった。さらに反応の溶液
を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、溶出
溶媒:酢酸エチル)によって精製し、目的のグリセロー
ルアクリレート56g(収率77%)を得た。1H−N
MRスペクトルを測定した結果を以下に示した。1H−
NMR(CDCl3 with TMS):δ=2.8
−3.6(bs,2H)、3.5−4.1(m,3.2
H)、4.30(d,J=6.0Hz,1.7H)、
5.00(quintet,0.1H)、5.84
(d,1H)、6.1−6.3(dd,1H)、6.4
5(d,1H)精製後のグリセロールアクリレートをG
C測定した結果、純度は94%であった。
【0032】比較例1 実施例1のトリエチルアミン塩酸塩(TEA・HCl)
0.42g(3mmol)の代わりに、トリエチルアミ
ン(TEA)0.30g(3mmol)を用い、反応熟
成を8時間から9時間に変更した以外は、実施例1と同
様にして反応した。反応液の色相はAPHA500であ
った。またGC測定した結果、グリセロールメタクリレ
ートの純度は65%であった。なお前記のHPLC測定
方法による測定結果のチャートを図2に示す。
0.42g(3mmol)の代わりに、トリエチルアミ
ン(TEA)0.30g(3mmol)を用い、反応熟
成を8時間から9時間に変更した以外は、実施例1と同
様にして反応した。反応液の色相はAPHA500であ
った。またGC測定した結果、グリセロールメタクリレ
ートの純度は65%であった。なお前記のHPLC測定
方法による測定結果のチャートを図2に示す。
【0033】比較例2 実施例4のP−PTS0.75g(3mmol)の代わ
りに、2−メチルイミダゾール(2−MI)0.25g
(3mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして
反応した。反応液の色相はAPHA300であった。ま
たGC測定した結果、グリセロールアクリレートの純度
は59%であった。
りに、2−メチルイミダゾール(2−MI)0.25g
(3mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして
反応した。反応液の色相はAPHA300であった。ま
たGC測定した結果、グリセロールアクリレートの純度
は59%であった。
【0034】比較例3 実施例4のP−PTS0.75g(3mmol)の代わ
りに、4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)
0.60g(3mmol)を用い、反応熟成を8時間か
ら12時間に変更した以外は、実施例4と同様にして反
応した。反応液の色相はAPHA300であった。また
GC測定した結果、グリセロールアクリレートの純度は
58%であった。以上の実施例1〜4と比較例1〜3を
表1に示す。
りに、4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)
0.60g(3mmol)を用い、反応熟成を8時間か
ら12時間に変更した以外は、実施例4と同様にして反
応した。反応液の色相はAPHA300であった。また
GC測定した結果、グリセロールアクリレートの純度は
58%であった。以上の実施例1〜4と比較例1〜3を
表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】注、表中の略号は次のとおりである。 GLD;グリシドール、MAA;メタクリル酸、AA;
アクリル酸、TEA・HCl;トリエチルアミン塩酸
塩、TBA・HCl;トリブチルアミン塩酸塩、Py・
HCl;ピリジン塩酸塩、TEA;トリエチルアミン、
P−PTS;ピリジニウム−p−トルエンスルホナー
ト、2−MI;2−メチルイミダゾール、4−DMA
P;4−ジメチルアミノピリジン、不純物1;(グリセ
ロール)2-4−(メタ)アクリル酸エステル、不純物
2;グリセロールジ(メタ)アクリル酸エステル。 なおまた表中、純度はGCの測定による純度、不純物の
測定は、HPLCの測定による。
アクリル酸、TEA・HCl;トリエチルアミン塩酸
塩、TBA・HCl;トリブチルアミン塩酸塩、Py・
HCl;ピリジン塩酸塩、TEA;トリエチルアミン、
P−PTS;ピリジニウム−p−トルエンスルホナー
ト、2−MI;2−メチルイミダゾール、4−DMA
P;4−ジメチルアミノピリジン、不純物1;(グリセ
ロール)2-4−(メタ)アクリル酸エステル、不純物
2;グリセロールジ(メタ)アクリル酸エステル。 なおまた表中、純度はGCの測定による純度、不純物の
測定は、HPLCの測定による。
【0037】従来使用されているアミン類を用いた比較
例1〜3場合には、得られた化合物の色相は300〜5
00、純度は58%〜65%であったに対して、触媒と
して第3アミン塩を用いた本発明の実施例1〜4の場合
では、反応後の色相はAPHA60以下、純度は80〜
84%以上であった。またその製品をカラムクロマトグ
ラフィー方法により精製した場合は、94〜95%の純
度であり、本発明の製造方法が 色相、純度に優れた方
法であることがわかる。
例1〜3場合には、得られた化合物の色相は300〜5
00、純度は58%〜65%であったに対して、触媒と
して第3アミン塩を用いた本発明の実施例1〜4の場合
では、反応後の色相はAPHA60以下、純度は80〜
84%以上であった。またその製品をカラムクロマトグ
ラフィー方法により精製した場合は、94〜95%の純
度であり、本発明の製造方法が 色相、純度に優れた方
法であることがわかる。
【図1】図1は実施例1におけるHPLCのチャートで
ある。
ある。
【図2】図2は比較例1におけるHPLCのチャートで
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (4)
- 【請求項1】第3アミン塩の触媒の存在下に、α,β−
不飽和カルボン酸とグリシドールとを反応させることを
特徴とするグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エ
ステルの製造方法。 - 【請求項2】α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマ
ル酸からなる群から選ばれた1種または2種以上である
請求項1記載のグリセロール−α,β−不飽和カルボン
酸エステルの製造方法。 - 【請求項3】第3アミン塩が、トリメチルアミン塩酸
塩、トリエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩およびピ
リジニウム−p−トルエンスルホナートからなる群から
選択される1種または2種以上である請求項1または2
記載のグリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの製造方法。 - 【請求項4】製造されるグリセロール−α,β−不飽和
カルボン酸エステルが、APHA80以下の色相、かつ
80%以上のガスクロマトグラフィーの純度である請求
項1〜3のいずれか1項に記載のグリセロール−α,β
−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000112684A JP2001294555A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000112684A JP2001294555A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001294555A true JP2001294555A (ja) | 2001-10-23 |
Family
ID=18624804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000112684A Pending JP2001294555A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001294555A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7416867B2 (en) | 2003-02-26 | 2008-08-26 | Basf Aktiengesellschaft | Enzymatic production of (meth)acrylic acid esters |
-
2000
- 2000-04-13 JP JP2000112684A patent/JP2001294555A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7416867B2 (en) | 2003-02-26 | 2008-08-26 | Basf Aktiengesellschaft | Enzymatic production of (meth)acrylic acid esters |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6267643B2 (ja) | 多官能性モノマー、多官能性モノマーを製造する方法、これらから形成された重合性組成物および製品 | |
US8796492B2 (en) | α-(unsaturated alkoxyalkyl) acrylate composition and process for production thereof | |
JP4042163B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化型組成物 | |
JP2001294555A (ja) | グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 | |
JP5496534B2 (ja) | α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの製造方法 | |
JP2001294554A (ja) | グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 | |
JP2010126453A (ja) | エポキシ基含有アクリル酸エステル類の製造方法 | |
JP2001172336A (ja) | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 | |
JP7167538B2 (ja) | エステル組成物、(メタ)アクリレート組成物、エステル組成物の製造方法、(メタ)アクリレート組成物の製造方法 | |
KR100206530B1 (ko) | 알킬이미다졸리돈(메트)아크릴레이트의 제조방법 | |
JPH10109034A (ja) | マロネート基を結合したアクリル単量体およびその製造法 | |
JP5403485B2 (ja) | 1,4−ジヒドロアントラセン−9,10−ジエーテル化合物及びその製造法 | |
JP2009256307A (ja) | 不飽和カルボン酸アダマンチルエステル及びその製造法 | |
JP2001131138A (ja) | アダマンタン誘導体及びその製造法 | |
JP2611614B2 (ja) | ラクトン変性アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 | |
JP2012162498A (ja) | ビシクロヘキサン構造を有する新規な(メタ)アクリル酸エステル | |
JP2001302587A (ja) | 高純度グリセロール−α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 | |
JP4832019B2 (ja) | 環状カーボネート骨格を含む多環式エステル | |
JP2008247815A (ja) | 多価アルコールエステルの製造法 | |
JP2514455B2 (ja) | 分子内に二重結合と三重結合を含有するカ―ボネ―ト化合物 | |
US6881858B2 (en) | Asymmetric (meth)acrylate crosslinking agents | |
JPH11228861A (ja) | オリゴマー状縮合生成物から作られた硬化性被膜 | |
JPH09157326A (ja) | フッ素含有(メタ)アクリレート、その製造方法及びその硬化物 | |
JP2006143592A (ja) | (メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP5005197B2 (ja) | 多環式エステル |