JP2008247815A - 多価アルコールエステルの製造法 - Google Patents

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Takuji Ishikawa
卓司 石川
Yoshito Ando
善人 安藤
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Abstract

【課題】酸フルオライドを使用する多価アルコールの有機溶媒中での新規なエステル化法で多価アルコールエステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】オキシエチレン単位を2個以上有する特定のエーテル系溶媒と塩基性有機溶媒との混合溶媒中で、多価アルコールと酸フルオライドとを反応させる多価アルコールエステルの製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エーテル系溶媒と塩基性溶媒の混合溶媒中で酸フルオライドと多価アルコールとを反応させる多価アルコールのエステル化法および新規含フッ素多官能エステルに関する。
有機溶媒に容易に溶解する一価アルコールのエステル化方法は、一般的に原料アルコールおよびカルボン酸を芳香族系溶媒に溶解させ脱水縮合するか、またはエステル交換反応など、溶解性を利用した反応が多数知られている。しかし、水系溶媒にしか溶解しない多価アルコールの場合には、カルボン酸とアルコールの直接エステル化はかなり困難で長時間の反応時間が必要である。特に多価アルコールではトルエンなどの溶媒に溶解しないため、原料多価アルコールが固形で系内に存在していたり、油状で沈殿していたりし、カルボン酸との接触がきわめて悪いことにより、本質的に反応性が低い。さらに悪いことに、反応中に副反応としてアルコール中より分子内、分子間脱水が起こり収率の低下が避けられない場合が多い。特に重合性カルボン酸のエステルとする場合は、特許文献1にあるように90℃以下の低温で実施する必要があり、長時間の反応時間が必要であった。また、特許文献2のように、あらかじめ飽和カルボン酸でエステル化し、溶媒に対する溶解性を向上させた後、重合性カルボン酸と反応させる方法が採られている。この方法は混合エステルの製造には向いているが単一カルボン酸のエステル化には利用できない。また、これらの反応では多価アルコールの全ての水酸基がエステル化してしまい、水酸基の部分エステル化は困難であったり、長時間の反応を必要とするなど、多くの問題があった。
そこでこれらの反応はカルボン酸から誘導される酸クロリドを用い、塩基性溶媒中で反応させる方法も知られている。しかしながら水以外に溶解しにくい化合物は塩基性溶媒に対しても本質的には溶解しにくく、加熱溶解などを行うこともある。また、特殊なカルボジイミド系縮合剤を用いる方法も有るが原料が高価であるため、高価な化合物を製造する場合を除き一般性に欠ける欠点がある。さらに、酸無水物の利用も知られているが、これも一般性において問題があり、酸無水物が入手しづらい場合が多い。
有機溶媒中でのエステル化反応を実現するために、特許文献3では、有機溶剤として芳香族系溶剤を用い、エチレングリコールを基本骨格とするエーテル化合物を共存させて多価アルコールの芳香族系有機溶剤への溶解性を高めると共に、ルイス酸の存在下にカルボン酸と反応させることが提案されており、比較的良好な収率を達成している。ただ、一方の反応物質であるカルボン酸として含フッ素カルボン酸は開示されていない。
ところで、パーフルオロカルボン酸や部分フッ素化カルボン酸などの含フッ素カルボン酸は、工業的には、その前躯体である酸フルオライドを加水分解することにより製造されている。したがって、特許文献3に記載の方法に含フッ素カルボン酸を使用しようとすると、一旦、酸フルオライドを加水分解して含フッ素カルボン酸を合成する工程が必要になる。
特開昭56−51433号公報 特開昭59−82344号公報 特開平09−3002号公報
本発明者らは、有機溶媒中での多価アルコールのエステル化によりフッ素化多価アルコールエステルを合成する検討をしている中で、意外にも、含フッ素カルボン酸でなくてもその前躯体である酸フルオライドで充分にエステル化が進行することを見出し、さらに酸フルオライドであれば非フッ素系の酸フルオライドであっても反応が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、酸フルオライドを使用する多価アルコールの有機溶媒中での新規なエステル化法で多価アルコールエステルを製造する方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、式(1):
1O(CH2CH2O)m2 (1)
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも低級アルキル基;mは1〜10の整数)、または式(2):
Figure 2008247815
(式中、nは2〜10の整数)で表されるエーテル系溶媒と塩基性有機溶媒との混合溶媒中で、多価アルコールと酸フルオライドとを反応させる多価アルコールエステルの製造法に関する。
使用する酸フルオライドは、式(3):
3COF (3)
(式中、R3は、エーテル結合、炭素−炭素二重結合および/またはハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基)で表される化合物であってもよく、R3が、エーテル結合、炭素−炭素二重結合および/またはヨウ素原子を含んでいてもよい含フッ素アルキル基R4である場合、新規な含フッ素多官能エステルを提供できる。
また、前記多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンまたはジペンタエリスリトールが好ましく例示できる。
また、塩基性溶媒としては、例えばピリジンなどの含窒素複素環系溶媒、トリエチルアミンなどのアミン系溶媒などが好ましく例示できる。
さらに前記塩基性有機溶媒とエーテル系溶媒との質量比としては、19/1〜1/2であることが好ましい。
本発明はまた、式(I)で示される新規フッ素化ペンタエリスリトールエステル化合物、および式(II)で示される新規フッ素化ジペンタエリスリトールエステル化合物にも関する。
式(I):
Figure 2008247815
式(II):
Figure 2008247815
(式中、R5は同じかまたは異なり、水酸基、エーテル結合、炭素−炭素二重結合、メチル基および/またはヨウ素原子を含んでいてもよい含フッ素アルキル基。ただし、R5の少なくとも1個は水酸基以外である)
また、R5としては、良好な重合性を付与する点からCH2=CFCOOが好ましく、また相溶性を確保したい場合にはR5の一部に水酸基を残しておくことが好ましい。
本発明の製造方法によれば、多価アルコールと反応させるカルボン酸側としてカルボン酸ではなく酸フルオライドを使用することができるので、例えば、架橋剤として有用な多価アルコールのαF−アクリル酸エステルを収率よく短い工程で製造することができる。
本発明の製造法は、特定のエーテル系溶媒と塩基性有機溶媒との混合溶媒中で、多価アルコールと酸フルオライドとを反応させる多価アルコールエステルの製造法である。
本発明の製造法で好適にエステル化可能な多価アルコールとしては、有機溶媒に難溶な1分子中に2個以上の水酸基が存在する化合物があげられ、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコール;水添糖アルコール、配糖体化合物などの糖誘導体などをあげることができる。なかでも、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンまたはジペンタエリスリトールなどが好ましい。
本発明ではエステル化反応を特定のエーテル系溶媒と塩基性有機溶媒との混合溶媒中で行うことができる。
特定のエーテル系溶媒を用いる理由は、多価アルコールを有機溶媒に溶解させる助剤として使用するものであり、基本的に特許文献3と同じである。
特定のエーテル系溶媒の第1は、式(1):
1O(CH2CH2O)m2 (1)
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも低級アルキル基;mは1〜10の整数)で表される鎖状の炭化水素系エーテルである。
1およびR2は同じかまたは異なり、いずれもメチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3の低級アルキル基が好ましい。またmは1〜10の整数であり、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4である。この式(1)で表される鎖状の炭化水素エーテル系化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコール類のジアルキルエーテルが好ましい。具体的には、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどがあげられる。
特定のエーテル系溶媒としては、式(2):
Figure 2008247815
(式中、nは2〜10の整数)で表される環状の炭化水素エーテル系溶媒である。
nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜6である。式(2)で表される環状エーテル系化合物としては、具体的には、例えばジオキサン、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6などの環状エーテル系化合物があげられる。
以上の特定のエーテル系溶媒は、常温で液体の化合物が好ましいが、エーテル系化合物と塩基性有機溶媒の混合溶媒が液体となれば、固体であってもよい。
塩基性有機溶媒としては、トリエチルアミンなどのアミン系溶媒;ピリジンなどの含窒素複素環系溶媒などがあげられ、これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
特に重合性のR3COFとの反応では副反応を抑える目的で、より塩基性の低い溶媒が好ましく、好ましい塩基性有機溶媒としては、ピリジンなどの含窒素複素環系溶媒が選ばれ、沸点が低く、扱いやすい点でピリジンが好ましく選ばれる。
塩基性有機溶媒とエーテル系溶媒との質量比は、19/1〜1/2、好ましくは9/1〜1/1、より好ましくは9/1〜3/7である。すなわち、これらのエーテル系溶媒の存在は反応促進に不可欠であるが、塩基性有機溶媒の存在もまた不可欠である。エーテル系溶媒のみの場合は原料の溶解性が上がらず、反応が進行しにくくなる。
多価アルコールと反応させる酸フルオライドは、式(3):
3COF (3)
(式中、R3は、エーテル結合、炭素−炭素二重結合および/またはハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基)で表される化合物が好ましい。一般に酸フルオライドを得る方法としては、ヨウ素化合物の酸化や含フッ素環状化合物のテロメリゼーションなどで容易に得ることができる。また、カルボン酸や酸クロライドを酸フルオライドに変換でき、本反応に使用することもできる。
3の具体例としては、例えばつぎのものがあげられる。
(1)炭素数2以上の含フッ素アルキル基
この場合、末端がヨウ素原子で置換された含フッ素アルカンの酸化反応などにより容易に酸フルオライドとして得られる点で有利である。
具体的には、
Figure 2008247815
(式中、p1は0〜5の整数、p2は1〜5の整数)
などがあげられ、これらはテトラフルオロエチレンから誘導できる点から好ましい。
(2)炭素数1〜20のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基
この場合、含フッ素エチレンオキサイド類や含フッ素オキセタン類などからのテロメリゼーションで酸フルオライドとして得られる点から有利である。
具体的には、
Figure 2008247815
(式中、qは1〜5の整数)
で表される繰返し単位を含む含フッ素アルキル基などがあげられ、容易に合成できる点から
Figure 2008247815
(式中、qは1〜5の整数)
などが好ましい。
(3)炭素数1〜20の炭素−炭素二重結合を有する含フッ素アルキル基
この場合、重合性の官能基を多価アルコールエステルに導入できる点で有利である。
具体的には、CH2=CF−、CF2=CFO−、CH2=C(CF3)−を含む含フッ素アルキル基などがあげられ、反応性が良好な点からCH2=CF−が好ましい。
(4)その他
具体的には、エーテル結合、炭素−炭素二重結合およびヨウ素原子の少なくとも2種を含む含フッ素アルキル基であり、例えば容易に二重結合を形成できるほか、ヨウ素原子を他の官能基に変換可能な点から
Figure 2008247815
(式中、rは1〜5の整数)
などを含むものが例示できる。
なかでも、得られた多価アルコールエステルを最終的に重合性の二重結合に変換できる点から
Figure 2008247815
(式中、rは1〜5の整数)
などが好ましい。
本発明のエステル化反応において、多価アルコールの水酸基と酸フルオライドの反応は当モル量で進む。したがって、本発明の方法で製造される多価アルコールエステルにおけるエステル化された部位は酸フルオライドの量で調整でき、目的・用途に応じて1個以上とすることができる。
なお、R3の少なくとも1個が、炭素数2個以上の含フッ素アルキル基、エーテル結合、炭素−炭素二重結合および/またはヨウ素原子を含んでいてもよい含フッ素アルキル基R4であり、水酸基を含んでいてもよい場合(例えば水酸基でない場合のR3が、上記(1)、(2)、(3)および(4))、得られる上記式(I)または(II)で示される含フッ素多官能エステルは新規な化合物である。
本発明におけるエステル化反応によれば、多価アルコールエステルを効率よく得ることができる。また、多価アルコールがエーテル系溶媒と塩基性有機溶媒との混合溶媒中で均一に溶解、もしくは均一に分散しているため、酸フルオライドの量を変化させることにより多価アルコールの1分子中の水酸基のエステル化の程度を調整することも容易である。
本発明におけるエステル化反応に要する時間は多価アルコールの種類、酸フルオライドの種類などにより変化するが、通常1〜8時間であり、エーテル系溶媒を使用しない場合に比べ反応時間を1/2か1/10程度に短縮することができる。
また反応温度は、0〜150℃程度で実施することができるが、副反応を良好に抑制できる点から、好ましくは15〜115℃、より好ましくは20〜100℃である。
本発明におけるエステル化反応においては、必要に応じ酸化防止剤、重合禁止剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明におけるエステル化反応は、例えばつぎのような具体的な方法で実施することができるが、この方法に限定されるものではない。原料の多価アルコール、塩基性有機溶媒と式(1)または(2)のエーテル系溶媒との混合溶媒を容器に加え、さらに酸フルオライドを混合または滴下して混合する。このとき、必要に応じ添加剤を加えた後、15〜115℃にて必要な反応時間だけ反応を行う。反応終了後に反応液を冷却後、ベンゼン、トルエン、酢酸エチルなどの溶媒により希釈し、分液槽に移送し、弱アルカリ水溶液で洗浄、水洗により、未反応物の除去、エーテル系溶媒の除去などを実施する。最後に、芒硝などにより脱水し、減圧下で溶媒を濃縮し多価アルコールエステルの粗生成物を得る。さらに精製を要する場合はカラムクロマトグラフィー法、薄膜蒸留法などにより精製すればよい。
本発明の製造法で得られた多価アルコールエステルは、そのままで、あるいは定法により改質して、各種の用途に利用することができる。
例えば、R3が炭素−炭素二重結合を有するアルキル基である多価アルコールエステルでは、架橋剤として利用でき、光学材料、塗料、接着剤などの用途に利用できる。
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、物性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおりである。
(1)NMR:BRUKER社製
1H−NMR測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
19F−NMR測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
実施例1(ジペンタエリスリトールとαF−アクリル酸フルオライドとの反応)
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ジペンタエリスリトール5g、ピリジン100mlを仕込み懸濁した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル20gを滴下した後、氷浴で冷却した。冷却後、αF−アクリル酸フルオライド:
2C=CF−COF
を11g滴下し、その後5℃で6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をメチルイソブチルケトン(MIBK)50ml中に添加し、1N−HCl水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液を無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、50mgの4−メトキシフェノールを加えた後、濃縮してジペンタエリスリトールのαF−アクリレート変性体を得た(収量13g)。
NMR測定結果から、αF−アクリル酸フルオライドによる多価アルコールの平均変性率は99%以上であった。
19F−NMR(δ:ppm):−116
1H−NMR(δ:ppm):5.75、5.43、4.45、3.70
実施例2(ペンタエリスリトールとαF−アクリル酸フルオライドとの反応)
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ペンタエリスリトール10g、ピリジン100mlを仕込み懸濁した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル20gを滴下した後、氷浴で冷却した。冷却後、αF−アクリル酸フルオライド27.7gを滴下し、その後5℃で6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をMIBK50ml中に添加し、1N−HCl水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液は、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、50mgの4−メトキシフェノールを加えた後、濃縮してペンタエリスリトールのαF−アクリレート変性体を得た(収量25g)。
NMR測定結果から、αF−アクリル酸フルオライドによる多価アルコールの平均変性率は97%であった。
19F−NMR(δ:ppm):−116
1H−NMR(δ:ppm):5.75、5.43、4.50
実施例3(ジペンタエリスリトールとαF−アクリル酸フルオライドとの反応)
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ジペンタエリスリトール5g、トリエチルアミン100mlを仕込み懸濁した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル20gを滴下した後、氷浴で冷却した。冷却後、αF−アクリル酸フルオライド11gを滴下し、その後5℃で6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をMIBK50ml中に添加し、1N−HCL水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液は、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、50mgの4−メトキシフェノールを加えた後、濃縮してジペンタエリスリトールのαF−アクリレート変性体を得た(収量10g)。
NMR測定結果から、αF−アクリル酸フルオライドによる多価アルコールの平均変性率は95%であった。
実施例4(ジペンタエリスリトールとαF−アクリル酸フルオライドとの反応)
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ジペンタエリスリトール5g、ジメチルホルムアミド100mlを仕込み冷却し懸濁した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル20gを滴下した後、氷浴で冷却した。冷却後、αF−アクリル酸フルオライド11gを滴下し、その後5℃で6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をMIBK50ml中に添加し、1N−HCl水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液は、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、50mgの4−メトキシフェノールを加えた後、濃縮してジペンタエリスリトールのαF−アクリレート変性体を得た(収量8g)。
NMR測定結果から、αF−アクリル酸フルオライドによる多価アルコールの平均変性率は93%であった。
実施例5
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ペンタエリスリトール5g、ピリジン100mlを仕込み懸濁した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル20gを滴下した後、氷浴で冷却した。冷却後、酸フルオライド:
ICH2CF2CF2OCF(CF3)COF
を44g滴下し、その後25℃で6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をMIBK50ml中に添加し、1N−HCl水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液は、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥後、濃縮して含フッ素多価アルコールエステルの混合物を得た(収量42g)。
NMR測定結果から、含フッ素酸フルオライドによる多価アルコールの平均変性率は73%であった。
19F−NMR(δ:ppm):−83.0、−83.6、−90.0、−111.8、−133.4
1H−NMR(δ:ppm):4.78、4.73、4.61、3.90
比較例1
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ジペンタエリスリトール5g、ピリジン100mlを仕込み懸濁した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル20gを滴下した後、氷浴で冷却した。冷却後、αF−アクリル酸クロライド:
2C=CF−COCl
を13g滴下し、その後5℃で6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をMIBK50ml中に添加し、1N−HCl水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液は、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、50mgの4−メトキシフェノールを加えた後、濃縮したが目的物は得られなかった。
比較例2
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、ジペンタエリスリトール5g、ピリジン100mlを仕込み懸濁し氷浴で冷却した。冷却後、αF−アクリル酸フルオライド11gを滴下し、その後5℃6時間攪拌した。反応終了後、室温に加温した反応液をMIBK50ml中に添加し、1N−HCl水溶液で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。
洗浄後のMIBK溶液は、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥し、50mgの4−メトキシフェノールを加えた後、濃縮したが目的物は得られなかった。

Claims (8)

  1. 式(1):
    1O(CH2CH2O)m2 (1)
    (式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも低級アルキル基;mは1〜10の整数)、または式(2):
    Figure 2008247815
    (式中、nは2〜10の整数)で表されるエーテル系溶媒と塩基性有機溶媒との混合溶媒中で、多価アルコールと酸フルオライドとを反応させる多価アルコールエステルの製造法。
  2. 前記酸フルオライドが、式(3):
    3COF (3)
    (式中、R3は、エーテル結合、炭素−炭素二重結合および/またはハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基)で表される化合物である請求項1記載の製造法。
  3. 前記式(3)において、R3が、エーテル結合、炭素−炭素二重結合および/またはヨウ素原子を含んでいてもよい含フッ素アルキル基R4である請求項2記載の製造法。
  4. 前記多価アルコールが、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンまたはジペンタエリスリトールである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. 前記塩基性有機溶媒が、アミン系溶媒または含窒素複素環系溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
  6. 前記塩基性有機溶媒とエーテル系溶媒との質量比が、19/1〜1/2である請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 式(I):
    Figure 2008247815
    または式(II):
    Figure 2008247815
    (式中、R5は同じかまたは異なり、水酸基、エーテル結合、炭素−炭素二重結合、メチル基および/またはヨウ素原子を含んでいてもよい含フッ素アルキル基。ただし、R5の少なくとも1個は水酸基以外である)で表される含フッ素多官能エステル。
  8. 式(I)または(II)において、R5の少なくとも1つがCH2=CFCOOである請求項7記載の含フッ素多官能エステル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011102439A1 (ja) * 2010-02-22 2011-08-25 セントラル硝子株式会社 ジフルオロ酢酸エステルの製造方法
CN105669448A (zh) * 2016-03-03 2016-06-15 国药集团化学试剂有限公司 一种季戊四醇三丙烯酸酯的制备方法

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