JP7342496B2 - エステル化合物、エステル組成物、(メタ)アクリレート化合物、および硬化物、ならびにエステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法 - Google Patents
エステル化合物、エステル組成物、(メタ)アクリレート化合物、および硬化物、ならびにエステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法 Download PDFInfo
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本発明は、下記の式(1)または式(2)で表されるポリオールについて、その第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物の提供を目的とする。また、当該エステル化合物を2種以上含有させたエステル組成物の提供を目的とする。さらに、上記エステル化合物の第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入した(メタ)アクリレート化合物および当該(メタ)アクリレート化合物を硬化させた硬化物の提供を目的とする。
さらにまた、上記エステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法の提供を目的とする。
<1> 下記式(1)または(2)で表されるポリオールについて、その各式において少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基に-C(=O)-L-C(OH)(CH3)2(ここで、Lは単結合または-CH2-である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物;
式(2)中、R2は、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。
<2> 上記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH3)2(OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH2-である)、または、そのエステルとのエステル交換反応またはエステル化反応によって、当該ポリオールの第一級ヒドロキシル基に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、<1>に記載のエステル化合物。
<3> (CH3)2(OH)C-L-COOHのエステルが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルである、<2>に記載のエステル化合物。
<4> 式(1)または式(2)で表されるポリオールについて、各式のポリオールがもつ第一級ヒドロキシル基を少なくとも1つ残して、前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、<1>~<3>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<5> 第三級ヒドロキシル基含有基が-C(=O)-C(OH)(CH3)2基である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<6> R1がヒドロキシメチル基である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<7> R2がヒドロキシメチル基である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の中で式(1)のポリオールにおいて、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物、および第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物からなる群から選ばれた少なくとも2つのエステル化合物を含むエステル組成物。
<9> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の中で、前記第三級ヒドロキシル基含有基と第一級ヒドロキシル基とを有する化合物において、前記第一級ヒドロキシル基の少なくとも1つに(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリレート化合物。
<10> 前記(メタ)アクリロイル基がアクリロイル基である、<9>に記載の(メタ)アクリレート化合物。
<11> <9>または<10>に記載の(メタ)アクリレート化合物を含むモノマーを硬化させた硬化物。
<12> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の製造方法であって、前記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH3)2(OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH2-である)、または、そのエステルとを反応させ、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記ポリオールの第一級ヒドロキシル基に前記第三級ヒドロキシル基含有基を導入する、エステル化合物の製造方法。
<13> 前記ポリオールに対する(CH3)2(OH)C-L-COOH、または、そのエステルの量により、共存させる触媒により、反応の温度により、あるいはこれらの2つ以上の条件により、当該ポリオールの第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基含有基を導入する数を調節する、<12>に記載の製造方法。
<14> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の中で第三級ヒドロキシル基含有基が導入されずに残された第一級ヒドロキシル基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記残された第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入する、(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
さらに、上記エステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供することができる。
また、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリレート化、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート組成物等というときにも同様の意味である。
本発明のエステル化合物は、下記式(1)または(2)で表されるポリオールについて、その各式において少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基に-C(=O)-L-C(OH)(CH3)2(ここで、Lは単結合または-CH2-である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されていることを特徴とする。
式(2)中、R2は、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。
2つのR2は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
具体的に式(1)のポリオールにおいては、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物(1置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物(2置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物(3置換体)、および第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物(4置換体)からなる群から選ばれた少なくとも2つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、少なくとも3つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、4つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよい。
式(1)で表されるポリオールがトリメチロールエタン(略式:TME)の場合、特に、1置換体(1HIB)は、組成物中のエステル化合物(1置換体~4置換体)と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、30~55質量%であることが好ましい。
式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、特に、2置換体(2HIB)は、20~45質量%であることが好ましい。
式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、特に、3置換体(3HIB)は、0~20質量%であることが好ましい。式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、3置換体(3HIB)は、第一級ヒドロキシル基を有さないため含有量が少ない方が好ましい。
尚、式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、4置換体(4HIB)は、そもそも存在しない。
式(1)のポリオール由来の化合物において1置換体(1HIB)~3置換体(3HIB)は、少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基を有していることが好ましい。この場合、引き続く(メタ)アクリレート化の工程で、(メタ)アクリレート化合物を生成する点で有用性を有する。(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリロイル基の数は、エステル化合物の第三級ヒドロキシル基含有基の数によって定まるものである。したがって、(メタ)アクリレート化合物のメタクリロイル基の数は、上記の置換数(1HIB~3HIB)と逆の数となる。本発明においては、この点を考慮して、上述した製造条件(i)~(v)等を適宜調節し第三級ヒドロキシル基含有基の置換数を設定することが好ましい。
ただし、4置換体(4HIB)は微量でも存在していてもよく、例えば、第一級ヒドロキシル基が減少したことによる粘度低減作用が期待できる点で好ましい。4置換体(4HIB)は微量に存在する場合の下限値としては、組成物中のエステル化合物と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、0質量%超であり、上記観点では組成物中に多少は存在していることが好ましく、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。
2置換体(2HIB)、3置換体(3HIB)、4置換体(4HIB)は合計で、組成物中のエステル化合物と式(2)で表されるポリオールの総量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。
5置換体(5HIB)および6置換体(6HIB)は微量になりがちであり、引き続くアクリレート化合物の合成の観点では、微量に抑えられていることが好ましい。5HIBおよび6HIBの合計で、組成物中のエステル化合物と式(2)で表されるポリオールの総量に対して、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。下限値としては、0質量%超であり、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好い。5置換体(5HIB)および6置換体(6HIB)は組成物中に微量でも存在していることが好ましく、その理由は上記の式(1)の誘導体における4HIBと同義である。
式(2)のポリオールから誘導したエステル化合物の場合、330以上であってもよく、420以上であってもよく、510以上であってもよく、600以上であってもよく、680以上であってもよく、770以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、800以下であることが実際的である。
本発明で用いる(CH3)2(OH)C-L-COOHまたはそのエステルは、1種を用いても、2種以上であってもよい。
あるいは、エステル化ないしエステル交換反応を推進する金属塩の種類や量を調節することができる。例えば、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩や、テトライソプロピルチタネート等のチタンアルコキシドなどを選定することが挙げられる。添加量としては、第三級ヒドロキシル基含有化合物100質量部に対して、金属化合物を0.1質量部以上とすることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。上限値としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。この量を上記下限値以上とすることで、反応速度を効果的に上昇させることができる。一方、この量を上限以下とすることにより残存添加物量を効果的に低減でき、さらに、残存添加物に由来する組成物の変質を効果的に抑制できる。
本発明の好ましい実施形態においては、上記式(1)または式(2)から誘導されたエステル化合物の中で、上記第三級ヒドロキシル基含有基と第一級ヒドロキシル基とを有する化合物において、上記第一級ヒドロキシル基の少なくとも1つに(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリレート化合物を提供することができる。特に、本発明の(メタ)アクリレート化合物は、第三級ヒドロキシル基含有基に(メタ)アクリロイル基が導入されていないことが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基であることが好ましい。
なお、本発明においては、上記1-3(HIB-MA・AA)置換体、2-2置換体、および3-1置換体からなる群から選ばれる少なくとも2つを含む(メタ)アクリレート組成物としてもよい。
なお、本発明においては、上記1-5(HIB-MA・AA)置換体、2-4置換体、3-3置換体、4-2置換体、および5-1置換体からなる群から選ばれる少なくとも2つを含む(メタ)アクリレート組成物としてもよい。
式(2)のポリオール由来のエステル化合物から誘導した化合物の場合、300以上であってもよく、350以上であってもよく、410以上であってもよく、460以上であってもよく、510以上であってもよく、570以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、700以下であることが実際的である。
具体的には、エステル組成物中のエステル化合物に対して(メタ)アクリル酸もしくはそのエステルをモル基準比((メタ)アクリル酸もしくはそのエステル/エステル化合物)で、1.0倍以上で反応させることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20.0倍以下であることが好ましく、15.0倍以下であることがより好ましく、5倍以下であることがより好ましく、4倍以下であってもよい。
あるいは、エステル化ないしエステル交換反応を推進する金属塩の種類や量を調節することができる。例えば、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩や、テトライソプロピルチタネート等のチタンアルコキシドなどを選定することが挙げられる。添加量としては、(メタ)アクリル酸またはそのエステル100質量部に対して、金属化合物を0.5質量部以上とすることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。上限値としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
反応時間は仕込み量等に応じて適宜定めればよいが、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、5時間以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましく、8時間以下であることがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリレート化反応においては、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、パラメトキシフェノールおよびヒドロキノンなどのフェノール系化合物が挙げられる。重合禁止剤の量は、適宜調節して添加すればよいが、例えば、エステル組成物100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.010質量部以上であることがより好ましい。上限としては、3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
上記触媒、触媒助剤および重合禁止剤は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明のエステル化合物は、反応活性の高い第一級ヒドロキシル基を含んでいるため、アルコールを原料とする化合物の合成に好適に利用することができる。例えば、第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入したアクリル化合物を合成することができる。また、酸化されやすい第二級ヒドロキシル基を含まないため、酸化防止剤などといった添加剤、安定剤用途としても利用することができる。
本発明の(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を介した各種の硬化物の原料モノマーとして有用である。硬化物はホモポリマーでもコポリマーでもよい。ここで、コポリマーの態様を例示すると、(メタ)アクリレート化合物として先に挙げた式(1)に由来するエステル化合物から誘導した各化合物(1-3置換体、2-2置換体、3-1置換体)の併用、式(2)に由来するエステル化合物から誘導した各化合物(1-5置換体、2-4置換体、3-3置換体、4-2置換体、5-1置換体)の併用、または式(1)から誘導した化合物と式(2)から誘導した化合物との併用、あるいはその他のビニルモノマー等との併用などが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物を硬化物とする態様については、例えば、上記原料モノマーを基材に塗布し、これを紫外線の照射等により重合させてポリマーを硬化塗膜として活用することができる。
(1)核磁気共鳴装置(NMR)
化合物の構造決定にはNMRを使用した(日本電子社製、型式:JNM-ECA500)。
使用した重溶媒および測定周波数は各化合物の帰属中に記載した。
(2)生成物の質量比
エステル化合物の生成物の質量比はNMRのピーク積分値で、(メタ)アクリレート化合物の生成物の質量比は、ガスクロマトグラフィー(GC、装置名:Agilent 6850 network GC system、アジレント社製)のピークの面積比より定量した。
(3)高分解能質量分析
化合物の高分解能質量(ミリマス)分析は、GC-MSにて行った。
GC装置:Agilent 7890A(アジレント社製)
MS装置:AccuTOF GCV JMS-T100GCV(日本電子社製)
GC使用時の測定条件
カラム:HP-FFAP、またはHP-1
移動相:ヘリウム
流速:1.0mL/分から1.3mL/分
試料濃度:1質量%
注入量:1μL
MS測定条件
イオン化法:CI+
イオン化温度:250℃
イオン化電圧/電流:200eV/300μA
検出器電圧:2400V
α-ヒドロキシイソ酪酸メチル(略式:HBM)130.0g(1.100モル)と、ペンタエリスリトール(略式:PE)(富士フイルム和光純薬社製、試薬)50.0g(0.367モル)と、N,N-ジメチルホルムアミド(略式:DMF)200.0gとトルエン40.0gと、酸化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、99.9%試薬)0.87gとを、1Lの三口フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が100℃~140℃の間となるように加熱してエステル交換反応を行った。その温度にて、反応によって生成したメタノールをトルエンと共沸させながら系外へ除去して、2.8時間反応させた。メタノールを除去した後の反応系を放冷すると単相であり、白色の沈殿物が確認された。反応液を撹拌したのち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルターを用いたろ過にて沈殿物を除去した。ろ液を1L三口フラスコに戻し、40torr~340torr減圧下で釜内温度が90℃~120℃となるように加熱してDMFを系外へ留去した。その後、メタキシレン850gを投入し残存したDMFをメタキシレンと共沸させながら系外へ除去することで、化合物A~化合物Dの混合物(エステル化合物の組成物)97.5gを得た。質量比はNMRの積分値より算出し、化合物A:化合物B:化合物C:化合物D:PE=18.5:42.9:28.6:4.5:3.0であった。
下記に実施例1の反応スキームを示す。
[NMRデータ]
[NMRデータ]
[NMRデータ]
[NMRデータ]
実施例1で得られたエステル組成物34.2g(0.118モル)(質量比は化合物A:18.5質量%、化合物B:42.9質量%、化合物C:28.6質量%、化合物D:4.5質量%、PE:3.0質量%、その他の成分2.5質量%)と、アクリル酸34.2g(0.475モル)と、パラトルエンスルホン酸一水和物2.4gと、ヒドロキノン0.2gと、パラメトキシフェノール0.07gと、トルエン60.0gとを、1Lの三口フラスコに収容し、325torrの減圧下で釜内温度が70℃~90℃となるように加熱してアクリレート化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、7.0時間反応させた。反応液を300mL分液ロートに移し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mLで3回中和したのち、水50mLで2回洗浄を行った。得られた有機層にパラメトキシフェノール0.02gを加えてエバポレーターで濃縮することで、化合物E~化合物Hの混合物38.6gを得た。質量比はGCの面積比より算出し、化合物E:化合物F:化合物G:化合物H=9.1:27.0:38.1:13.6であった。
下記に実施例2の反応スキームを示す。
[NMRデータ]
[NMRデータ]
[NMRデータ]
[NMRデータ]
実施例2にて製造された化合物E~化合物Hの混合物(4.9g)に対して、重合開始剤1(ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、イルガキュア184、BASF社製)5質量%(0.245g)を添加し、均一溶解させたものをモノマー組成物とした。得られたモノマー組成物を、バーコーターを用いて、基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で紫外線照射によって硬化させ、硬化物の膜厚が22μmの薄膜硬化板を得た。得られた硬化物の各種物性を測定したところ、耐屈曲性13mm、鉛筆硬度2H、水接触角60.0°、接着性0点であった。
円柱型マンドレル屈曲試験機は、コーテック株式会社製のものを用いた。
鉛筆硬度の測定は、コーテック株式会社製の鉛筆硬度計を用いて行った。
接触角計は、協和界面科学製のものを用いた。
α-ヒドロキシイソ酪酸メチル70.9g(0.600モル)と、トリメチロールエタン(略式:TME)(三菱ガス化学社製)48.0g(0.400モル)と、トルエン(富士フイルム和光純薬社製、特級試薬)100.0gと、酸化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、99.9%試薬)0.12gとを、1Lの三口フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が100℃~140℃の間となるように加熱してエステル交換反応を行った。その温度にて、反応によって生成したメタノールをトルエンと共沸させながら系外へ除去して、16.5時間反応させた。メタノールを除去した後の反応系を放冷すると二相に分離し、沈殿物も確認された。反応液を60℃で加熱、撹拌したのち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルターを用いたろ過にて沈殿物を除去した。ろ液を1Lナスフラスコに戻し、40torr~340torr減圧下で釜内温度が90℃~120℃となるように加熱してトルエンを系内から系外へ除去、濃縮することで化合物I~化合物Kを含むエステル組成物72.6gを得た。質量比はNMRの積分値より算出し、化合物I:化合物J:化合物K:TME=42.7:39.1:8.2:9.1であった。
下記に実施例4の反応スキームを示す。
[NMRデータ]
[NMRデータ]
[NMRデータ]
実施例4で得られたエステル組成物10.3g(0.045モル)(質量比は化合物I:42.7質量%、化合物J:39.1質量%、化合物K:8.2質量%、TME:9.1質量%、その他の成分0.9質量%)と、アクリル酸12.3g(0.179モル)と、パラトルエンスルホン酸一水和物0.83gと、ヒドロキノン0.085gと、パラメトキシフェノール0.030gと、トルエン60.0gとを、300mLの三口フラスコに収容し、285torrの減圧下で釜内温度が70℃~90℃となるように加熱してアクリレート化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、8.0時間反応させた。反応液を300mL分液ロートに移し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mLで3回中和したのち、水50mLで2回洗浄を行った。得られた有機層にパラメトキシフェノール0.003gを加えてエバポレーターで濃縮することで、化合物L~化合物Nの混合物8.9gを得た。質量比はGCの面積比より算出し、化合物L:化合物M:化合物N=20.2:54.8:4.2であった。
下記に実施例5の反応スキームを示す。
[NMRデータ]
[NMRデータ]
[NMRデータ]
Claims (10)
- 下記式(1)または(2)で表されるポリオールについて、その各式において少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基に-C(=O)-L-C(OH)(CH 3 ) 2 (ここで、Lは単結合または-CH 2 -である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物であって、前記第三級ヒドロキシル基含有基と第一級ヒドロキシル基とを有する化合物において、前記第一級ヒドロキシル基の少なくとも1つに(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリレート化合物;
式(2)中、R 2 は、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。 - 上記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH 3 ) 2 (OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH 2 -である)、または、そのエステルとのエステル交換反応またはエステル化反応によって、当該ポリオールの第一級ヒドロキシル基に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、請求項1に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- (CH 3 ) 2 (OH)C-L-COOHのエステルが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルである、請求項2に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- 式(1)または式(2)で表されるポリオールについて、各式のポリオールがもつ第一級ヒドロキシル基を少なくとも1つ残して、前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- 第三級ヒドロキシル基含有基が-C(=O)-C(OH)(CH 3 ) 2 基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- R 1 がヒドロキシメチル基である、請求項1~5のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- R 2 がヒドロキシメチル基である、請求項1~6のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- 前記(メタ)アクリロイル基がアクリロイル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物を含むモノマーを硬化させた硬化物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法であって、第三級ヒドロキシル基含有基が導入されずに残された第一級ヒドロキシル基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記残された第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入する、(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
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