JP7342496B2 - エステル化合物、エステル組成物、(メタ)アクリレート化合物、および硬化物、ならびにエステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法 - Google Patents

エステル化合物、エステル組成物、(メタ)アクリレート化合物、および硬化物、ならびにエステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、エステル化合物、(メタ)アクリレート化合物、および硬化物、ならびにエステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法に関する。
第三級炭素原子や第四級炭素原子を有する化合物は、その各末端に官能基を導入して、多官能のモノマーや、多官能の分散剤、改質剤などの機能性の添加剤等として様々に構造設計することができる。例えば、アクリル系のモノマーとしてペンタエリスリトールポリアクリレートやジペンタエリスリトールポリアクリレートなどが挙げられる。
特許文献1においては、特定の割合で第三級ヒドロキシル基を有するポリエステル樹脂の製造方法が開示されている。このなかで、第三級ヒドロキシル基を導入するための原料となる化合物として、トリメチロールプロパントリ-2-ヒドロキシイソブチレート(参考例2)が開示されている。
特開2003-160649号公報
ところで、上述のような第三級炭素原子や第四級炭素原子をもつ多官能化合物において、特定の官能基を置換して導入したものや、反応性の高い官能基と比較的低い官能基とを混在させた化合物が求められることがある。これに応じる技術として、例えば、ポリオールの第一級ヒドロキシル基に、第三級ヒドロキシル基を有する基を導入した化合物の設計が挙げられる。
本発明は、下記の式(1)または式(2)で表されるポリオールについて、その第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物の提供を目的とする。また、当該エステル化合物を2種以上含有させたエステル組成物の提供を目的とする。さらに、上記エステル化合物の第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入した(メタ)アクリレート化合物および当該(メタ)アクリレート化合物を硬化させた硬化物の提供を目的とする。
さらにまた、上記エステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法の提供を目的とする。
上記の課題は下記の手段により解決された。
<1> 下記式(1)または(2)で表されるポリオールについて、その各式において少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基に-C(=O)-L-C(OH)(CH32(ここで、Lは単結合または-CH2-である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物;
式(1)中、R1は、炭素数1もしくは3~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す;
式(2)中、R2は、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。
<2> 上記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH32(OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH2-である)、または、そのエステルとのエステル交換反応またはエステル化反応によって、当該ポリオールの第一級ヒドロキシル基に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、<1>に記載のエステル化合物。
<3> (CH32(OH)C-L-COOHのエステルが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルである、<2>に記載のエステル化合物。
<4> 式(1)または式(2)で表されるポリオールについて、各式のポリオールがもつ第一級ヒドロキシル基を少なくとも1つ残して、前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、<1>~<3>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<5> 第三級ヒドロキシル基含有基が-C(=O)-C(OH)(CH32基である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<6> R1がヒドロキシメチル基である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<7> R2がヒドロキシメチル基である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のエステル化合物。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の中で式(1)のポリオールにおいて、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物、および第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物からなる群から選ばれた少なくとも2つのエステル化合物を含むエステル組成物。
<9> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の中で、前記第三級ヒドロキシル基含有基と第一級ヒドロキシル基とを有する化合物において、前記第一級ヒドロキシル基の少なくとも1つに(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリレート化合物。
<10> 前記(メタ)アクリロイル基がアクリロイル基である、<9>に記載の(メタ)アクリレート化合物。
<11> <9>または<10>に記載の(メタ)アクリレート化合物を含むモノマーを硬化させた硬化物。
<12> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の製造方法であって、前記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH32(OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH2-である)、または、そのエステルとを反応させ、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記ポリオールの第一級ヒドロキシル基に前記第三級ヒドロキシル基含有基を導入する、エステル化合物の製造方法。
<13> 前記ポリオールに対する(CH32(OH)C-L-COOH、または、そのエステルの量により、共存させる触媒により、反応の温度により、あるいはこれらの2つ以上の条件により、当該ポリオールの第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基含有基を導入する数を調節する、<12>に記載の製造方法。
<14> <1>~<7>のいずれか1つに記載のエステル化合物の中で第三級ヒドロキシル基含有基が導入されずに残された第一級ヒドロキシル基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記残された第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入する、(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
本発明によれば、下記の式(1)または式(2)で表されるポリオールの第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物を提供することができる。また、当該エステル化合物の2種以上を含有させたエステル組成物を提供することができる。さらに、上記エステル化合物の第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入した(メタ)アクリレート化合物および当該(メタ)アクリレート化合物を硬化させた硬化物を提供することができる。
さらに、上記エステル化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリレート化、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート組成物等というときにも同様の意味である。
<エステル化合物>
本発明のエステル化合物は、下記式(1)または(2)で表されるポリオールについて、その各式において少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基に-C(=O)-L-C(OH)(CH32(ここで、Lは単結合または-CH2-である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されていることを特徴とする。
式(1)中、R1は、炭素数1もしくは3~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す;
式(2)中、R2は、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。
第三級ヒドロキシル基含有基は、α-ヒドロキシイソブチリル基(-C(=O)-C(OH)(CH32基)またはα-ヒドロキシイソバレリル基(-C(=O)-CH2-C(OH)(CH32基)であって、α-ヒドロキシイソブチリル基(-C(=O)-C(OH)(CH32基)が好ましい。
式(1)中、R1は、炭素数1もしくは3~7(好ましくは1もしくは3または4、より好ましくは1もしくは3)の直鎖のアルキル基、炭素数3~7(好ましくは3~6、より好ましくは3または4)の分岐したアルキル基、炭素数3~7(好ましくは3~6、より好ましくは3または6)の脂環アルキル基、炭素数6~22(好ましくは6~14、より好ましくは6または10)のアリール基、炭素数7~24(好ましくは7~15、より好ましくは7または11)のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。なかでも、R1は上記炭素数の直鎖のアルキル基またはヒドロキシメチル基であることが好ましく、ヒドロキシメチル基がより好ましい。
式(2)中、R2は、それぞれ独立に、炭素数1~7(好ましくは1~4、より好ましくは1または2)の直鎖のアルキル基、炭素数3~7(好ましくは3~6、より好ましくは3または4)の分岐したアルキル基、炭素数3~7(好ましくは3~6、より好ましくは3または6)の脂環アルキル基、炭素数6~22(好ましくは6~14、より好ましくは6または10)のアリール基、炭素数7~24(好ましくは7~15、より好ましくは7または11)のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基(メチロール基)を表す。なかでも、R2は上記炭素数の直鎖のアルキル基またはヒドロキシメチル基であることが好ましく、ヒドロキシメチル基がより好ましい。
2つのR2は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
本発明においてエステル化合物は、式(1)または式(2)で表される化合物の第一級ヒドロキシル基(メチロール基)を少なくとも1つ残して、エステル化されていることが好ましい。具体的に、式(1)のポリオールにおいては、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物(1置換体:1HIBと呼ぶこともある)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物(2置換体:2HIB)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物(3置換体:3HIB)、および第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物(4置換体:4HIB)等が挙げられるが、なかでも1置換体、2置換体、または3置換体(R1がヒドロキシル基の場合)が好ましく、1置換体または2置換体がより好ましい。なお、HIBはα-ヒドロキシイソブチリル基の略称であるが、上記式で表されたとおり、本発明においてはこれに限定されず、α-ヒドロキシイソバレリル基であってもよい。
式(2)のポリオールにおいては、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物(1置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物(2置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物(3置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物(4置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が5つ導入されたエステル化合物(5置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が6つ導入されたエステル化合物(6置換体)等が挙げられるが、なかでも1置換体、2置換体、3置換体、4置換体(R2の少なくとも1つがヒドロキシル基の場合)、または5置換体(2つのR2がヒドロキシル基の場合)が好ましく、1置換体、2置換体、または3置換体がより好ましい。
本発明においては、上記エステル化合物の2つ以上を含有させた組成物とすることも好ましい。
具体的に式(1)のポリオールにおいては、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物(1置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物(2置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物(3置換体)、および第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物(4置換体)からなる群から選ばれた少なくとも2つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、少なくとも3つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、4つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよい。
式(1)のポリオール由来の化合物のエステル組成物において、1置換体(1HIB)は、組成物中のエステル化合物(1置換体~4置換体)と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、15質量%以上であることが一層好ましい。上限値としては、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
式(1)で表されるポリオールがトリメチロールエタン(略式:TME)の場合、特に、1置換体(1HIB)は、組成物中のエステル化合物(1置換体~4置換体)と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、30~55質量%であることが好ましい。
式(1)のポリオール由来の化合物の組成物において、2置換体(2HIB)は、組成物中のエステル化合物と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、25質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、65質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、特に、2置換体(2HIB)は、20~45質量%であることが好ましい。
式(1)のポリオール由来の化合物の組成物で、3置換体(3HIB)は、組成物中のエステル化合物と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが一層好ましい。上限値としては、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。
式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、特に、3置換体(3HIB)は、0~20質量%であることが好ましい。式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、3置換体(3HIB)は、第一級ヒドロキシル基を有さないため含有量が少ない方が好ましい。
式(1)のポリオール由来の化合物の組成物で、4置換体(4HIB)は、組成物中のエステル化合物と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、0質量%以上であり、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、10質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
尚、式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、4置換体(4HIB)は、そもそも存在しない。
式(1)のポリオール由来の化合物において1置換体(1HIB)~3置換体(3HIB)は、少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基を有していることが好ましい。この場合、引き続く(メタ)アクリレート化の工程で、(メタ)アクリレート化合物を生成する点で有用性を有する。(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリロイル基の数は、エステル化合物の第三級ヒドロキシル基含有基の数によって定まるものである。したがって、(メタ)アクリレート化合物のメタクリロイル基の数は、上記の置換数(1HIB~3HIB)と逆の数となる。本発明においては、この点を考慮して、上述した製造条件(i)~(v)等を適宜調節し第三級ヒドロキシル基含有基の置換数を設定することが好ましい。
一方、式(1)のポリオール由来の化合物において4置換体(4HIB)(式(1)で表されるポリオールがTMEの場合、3置換体(3HIB))では、第一級ヒドロキシル基が残っておらず、アクリロイル基の導入反応に供することはできない。その観点からは、式(1)のポリオール由来の化合物において4置換体(4HIB)は、組成物中の含有率が少ない方がよく、組成物中のエステル化合物と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、10質量%以下であることが好ましい。
ただし、4置換体(4HIB)は微量でも存在していてもよく、例えば、第一級ヒドロキシル基が減少したことによる粘度低減作用が期待できる点で好ましい。4置換体(4HIB)は微量に存在する場合の下限値としては、組成物中のエステル化合物と式(1)で表されるポリオールの総量に対して、0質量%超であり、上記観点では組成物中に多少は存在していることが好ましく、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。
式(2)のポリオールにおいては、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されたエステル化合物(1置換体:1HIB)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されたエステル化合物(2置換体:2HIB)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されたエステル化合物(3置換体:3HIB)、第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されたエステル化合物(4置換体:4HIB)、第三級ヒドロキシル基含有基が5つ導入されたエステル化合物(5置換体:5HIB)、第三級ヒドロキシル基含有基が6つ導入されたエステル化合物(6置換体:6HIB)からなる群から選ばれた少なくとも2つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、少なくとも3つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、少なくとも4つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、少なくとも5つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよく、6つのエステル化合物を含むエステル組成物としてもよい。
式(2)の各置換体(nHIB)の組成物中の含有量は、組成物中のエステル化合物と式(2)で表されるポリオールの総量に対して、1置換体(1HIB)は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
2置換体(2HIB)、3置換体(3HIB)、4置換体(4HIB)は合計で、組成物中のエステル化合物と式(2)で表されるポリオールの総量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。
5置換体(5HIB)および6置換体(6HIB)は微量になりがちであり、引き続くアクリレート化合物の合成の観点では、微量に抑えられていることが好ましい。5HIBおよび6HIBの合計で、組成物中のエステル化合物と式(2)で表されるポリオールの総量に対して、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。下限値としては、0質量%超であり、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好い。5置換体(5HIB)および6置換体(6HIB)は組成物中に微量でも存在していることが好ましく、その理由は上記の式(1)の誘導体における4HIBと同義である。
さらには、上記式(1)のポリオールから誘導したエステル化合物と式(2)のポリオールから誘導したエステル化合物とを含有させたエステル組成物としてもよい。両者の配合量は特に限定されないが、[式(1)のポリオールから誘導したエステル化合物]:[式(2)のポリオールから誘導したエステル化合物]として、質量基準で、10:90~90:10が好ましく、20:80~80:20がより好ましく、30:70~70:30がより好ましい。
上述したエステル化合物の組成物(エステル組成物)にはさらに他の成分を含有させてもよい。用途にもよるが、一般的な添加剤を上げると、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、重合禁止剤、フィラーなどの補強剤、分散材、改質剤、色材(顔料、染料)などが挙げられる。
エステル化合物の分子量は特に限定されないが、式(1)のポリオールから誘導したエステル化合物の場合、220以上であってもよく、300以上であってもよく、390以上であってもよく、460以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、500以下であることが実際的である。
式(2)のポリオールから誘導したエステル化合物の場合、330以上であってもよく、420以上であってもよく、510以上であってもよく、600以上であってもよく、680以上であってもよく、770以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、800以下であることが実際的である。
本発明のエステル化合物の好ましい例としては、下記式(a1)~(a3)、(b1)~(b4)、(c1)~(c5)、(d1)~(d11)、(e1)~(e7)のいずれかで表されるものが挙げられ、なかでも第一級ヒドロキシル基を残存した式(a1)、(a2)、(b1)~(b3)、(c1)~(c4)、(d1)~(d10)、(e1)~(e6)のいずれかで表されるものがより好ましい。
式中のR11およびR12はそれぞれ上記R1およびR2と同義の基であり、好ましい範囲も同じである。式RH中で*は結合位置である。
本発明のエステル化合物の製造方法は特に限定されないが、上記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH32(OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH2-である)、または、そのエステルとを反応させ、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、上記ポリオールの第一級ヒドロキシル基に上記第三級ヒドロキシル基含有基を導入する方法が挙げられる。このとき、(i)上記ポリオールに対する(CH32(OH)C-L-COOH、または、そのエステルの量により、(ii)共存させる触媒により、(iii)反応の温度により、(iv)反応時間により、あるいは(v)これらの2つ以上の条件により、上記ポリオールの第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基含有基を導入する数を調節することが挙げられる。
(CH32(OH)C-L-COOHまたはそのエステルは、換言すると、α-ヒドロキシイソ酪酸またはそのエステル、あるいはβ-ヒドロキシイソ吉草酸またはそのエステルであり、第三級ヒドロキシル基含有化合物と称することがある。(CH32(OH)C-L-COOHのエステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルであることが好ましく、なかでもメチルエステル((CH32(OH)C-L-COOCH3)またはエチルエステル((CH32(OH)C-L-COOC25)がより好ましく、メチルエステルがさらに好ましい。具体的には、β-ヒドロキシイソ吉草酸メチル((CH32(OH)C-CH2-COOCH3)、α-ヒドロキシイソ酪酸メチル((CH32(OH)C-COOCH3)、β-ヒドロキシイソ吉草酸エチル((CH32(OH)C-CH2-COOC25)、α-ヒドロキシイソ酪酸エチル((CH32(OH)C-COOC25)が挙げられ、β-ヒドロキシイソ吉草酸メチルまたはα-ヒドロキシイソ酪酸メチルが好ましく、α-ヒドロキシイソ酪酸メチルがより好ましい。
本発明で用いる(CH32(OH)C-L-COOHまたはそのエステルは、1種を用いても、2種以上であってもよい。
式(1)または(2)で表されるポリオールに第三級ヒドロキシル基を導入する数は、上述のように、適宜、基質の量や触媒、反応条件等を調節して変化させることができる。例えば、エステル化合物の量に対する、第三級ヒドロキシル基含有化合物(例えばα-ヒドロキシイソ酪酸メチル)の量を調節することで制御することができる。式(1)または(2)で表されるポリオールに対して、モル比で、第三級ヒドロキシル基含有化合物(第三級ヒドロキシル基含有化合物/ポリオール)を1.0倍以上で反応させることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることがさらに好ましい。上限値としては、10.0倍以下であることが好ましく、8.0倍以下であることがより好ましく、6.0倍以下であることがさらに好ましい。
あるいは、エステル化ないしエステル交換反応を推進する金属塩の種類や量を調節することができる。例えば、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩や、テトライソプロピルチタネート等のチタンアルコキシドなどを選定することが挙げられる。添加量としては、第三級ヒドロキシル基含有化合物100質量部に対して、金属化合物を0.1質量部以上とすることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。上限値としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。この量を上記下限値以上とすることで、反応速度を効果的に上昇させることができる。一方、この量を上限以下とすることにより残存添加物量を効果的に低減でき、さらに、残存添加物に由来する組成物の変質を効果的に抑制できる。
反応温度は適宜定めればよいが、80℃以上で反応を行うことが好ましく、85℃以上であることがより好ましい。上限値としては、150℃以下であることが好ましく、145℃以下であることがより好ましい。
反応時間は仕込み量等に応じて適宜定めればよいが、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、2.5時間以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましく、7時間以下であることがさらに好ましい。
上記の反応においては、溶媒を用いてもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒、ヘキサン等の脂肪族化合物溶媒、シクロヘキサンなどの脂環式化合物溶媒、フッ化炭化水素のようなハロゲン化炭化水素溶媒、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。エステル交換反応を利用する場合には、反応によって生成するアルコールを排出するように、アルコールと共沸する溶媒を選定することが好ましい。また、アルコールを系外に排出するように、分留装置を設けてもよい。
反応装置は通常この種の反応に用いられるものを適宜選定して用いることができ、バッチ式でもフロー式でも良く、本発明においてはバッチ式の反応釜を用いることが好ましい。反応釜には、撹拌機、蒸留塔、温度計、ガス導入管、反応液等の導入管を備えたものが好ましい。反応釜は密閉性のあるものを用いることが好ましく、必要に応じて、適宜、加圧、減圧を行うことが好ましい。
<(メタ)アクリレート化合物>
本発明の好ましい実施形態においては、上記式(1)または式(2)から誘導されたエステル化合物の中で、上記第三級ヒドロキシル基含有基と第一級ヒドロキシル基とを有する化合物において、上記第一級ヒドロキシル基の少なくとも1つに(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリレート化合物を提供することができる。特に、本発明の(メタ)アクリレート化合物は、第三級ヒドロキシル基含有基に(メタ)アクリロイル基が導入されていないことが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基であることが好ましい。
本発明においては、上記エステル化合物に導入された(メタ)アクリロイル基の数は特に限定されないが、式(1)に由来するエステル化合物の場合は、1~3個が好ましく、1個または2個がより好ましい。式(2)に由来するエステル化合物の場合は、(メタ)アクリロイル基の数が、1~5個が好ましく、1~4個がより好ましく、2個または3個がさらに好ましい。
具体的に式(1)のポリオール由来のエステル化合物から誘導された場合には、前記第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が3つ導入された(メタ)アクリレート化合物(1-3置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が2つ導入された(メタ)アクリレート化合物(2-2置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が1つ導入された(メタ)アクリレート化合物(3-1置換体)が挙げられる。
なお、本発明においては、上記1-3(HIB-MA・AA)置換体、2-2置換体、および3-1置換体からなる群から選ばれる少なくとも2つを含む(メタ)アクリレート組成物としてもよい。
式(2)のポリオールにおいては、第三級ヒドロキシル基含有基が1つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が5つ導入された(メタ)アクリレート化合物(1-5置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が2つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が4つ導入された(メタ)アクリレート化合物(2-4置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が3つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が3つ導入された(メタ)アクリレート化合物(3-3置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が4つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が2つ導入された(メタ)アクリレート化合物(4-2置換体)、第三級ヒドロキシル基含有基が5つ導入されかつ(メタ)アクリロイル基が1つ導入された(メタ)アクリレート化合物(5-1置換体)が挙げられる。
なお、本発明においては、上記1-5(HIB-MA・AA)置換体、2-4置換体、3-3置換体、4-2置換体、および5-1置換体からなる群から選ばれる少なくとも2つを含む(メタ)アクリレート組成物としてもよい。
さらには、上記式(1)に由来するエステル化合物から誘導した(メタ)アクリレート化合物と式(2)に由来するエステル化合物から誘導した(メタ)アクリレート化合物とを含有させた(メタ)アクリレート組成物としてもよい。
(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に限定されないが、式(1)のポリオール由来のエステル化合物から誘導した化合物の場合、180以上であってもよく、240以上であってもよく、290以上であってもよく、350以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、450以下であることが実際的である。
式(2)のポリオール由来のエステル化合物から誘導した化合物の場合、300以上であってもよく、350以上であってもよく、410以上であってもよく、460以上であってもよく、510以上であってもよく、570以上であってもよい。上限値としては特に限定されないが、700以下であることが実際的である。
本発明の(メタ)アクリレート化合物の好ましい例としては、下記式(a11)、(a12)、(b11)~(b13)、(c11)~(c14)、(d11)~(d20)、(e11)~(e16)のいずれかで表されるものが好ましい。
式中のR11およびR12はそれぞれ上記R1およびR2と同義の基であり、好ましい範囲も同じである。式RH中で*は結合位置である。RA中のRMは水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。RA中の*は結合位置である
上記の(メタ)アクリレート化合物は、上記エステル化合物の中で第三級ヒドロキシル基含有基が導入されずに残された第一級ヒドロキシル基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記残された第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入することで得ることができる。
上記(メタ)アクリロイル基の導入は、メチロール基を有するエステル化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルを反応させて行われることが好ましい。具体的には、エステル化合物中に残された第一級ヒドロキシル基(メチロール基)と(メタ)アクリル酸ないしそのエステルとをエステル化反応またはエステル交換反応させて、第一級ヒドロキシル基に選択的に(メタ)アクリロイル基を導入した化合物を得て、これを含む(メタ)アクリレート組成物を調製することが好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリル酸がそのエステルの場合は、特に限定されるものではなく、公知の(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルのエステル部位の炭素数は1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~3がさらに好ましい。当該部位がアルキル基を含むとき、直鎖(炭素数1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~3がさらに好ましい)、分岐(炭素数3~12が好ましく、3~6がより好ましい)および環状(炭素数3~12が好ましく、3~6がより好ましい)のいずれであってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(例えば、n-ブチル基、t-ブチル基)等が挙げられる。さらに具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどが挙げられる。本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステルは、1種であっても、2種以上であってもよい。
エステル化合物の(メタ)アクリレート化においては、適宜、基質の量や触媒、反応条件等を調節して変化させて、所望の(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。例えば、エステル化合物の量に対する、(メタ)アクリレート化合物の量を調節することで、導入する(メタ)アクリロイル基の数を変化させることができる。具体的には、(i)上記エステル化合物に対する(メタ)アクリル酸またはそのエステルの量により、(ii)共存させる触媒により、(iii)反応の温度により、(iv)反応時間により、あるいは(v)これらの2つ以上の条件により、所望の化合物を得ることが挙げられる。
具体的には、エステル組成物中のエステル化合物に対して(メタ)アクリル酸もしくはそのエステルをモル基準比((メタ)アクリル酸もしくはそのエステル/エステル化合物)で、1.0倍以上で反応させることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20.0倍以下であることが好ましく、15.0倍以下であることがより好ましく、5倍以下であることがより好ましく、4倍以下であってもよい。
あるいは、エステル化ないしエステル交換反応を推進する金属塩の種類や量を調節することができる。例えば、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩や、テトライソプロピルチタネート等のチタンアルコキシドなどを選定することが挙げられる。添加量としては、(メタ)アクリル酸またはそのエステル100質量部に対して、金属化合物を0.5質量部以上とすることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。上限値としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
反応温度は適宜定めればよいが、50℃以上で反応を行うことが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。上限値としては、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
反応時間は仕込み量等に応じて適宜定めればよいが、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、5時間以上であることがさらに好ましい。上限値としては、20時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましく、8時間以下であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリレート化反応においては、溶媒を用いてもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒、ヘキサンなどの脂肪族化合物溶媒、シクロヘキサンなどの脂環式化合物溶媒、フッ化炭化水素のようなハロゲン化炭化水素溶媒、N,N-ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。ここでの溶媒は、エステル交換反応を利用する場合、反応によってアルコールと共沸する溶媒を採用することが好ましい。反応中に系内に生成する水については、トルエン等と共沸させながら、ディーン・スターク・トラップを用いて系外に除去してもよい。
(メタ)アクリレート化反応においては、触媒ないし助触媒を用いることが好ましい。例えば、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸などのスルホン酸化合物、が挙げられる。これらの触媒等の量は適宜調節して添加すればよいが、例えば、エステル組成物100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。上限としては、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
また、(メタ)アクリレート化反応においては、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、パラメトキシフェノールおよびヒドロキノンなどのフェノール系化合物が挙げられる。重合禁止剤の量は、適宜調節して添加すればよいが、例えば、エステル組成物100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.010質量部以上であることがより好ましい。上限としては、3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
上記触媒、触媒助剤および重合禁止剤は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
反応装置は通常この種の反応に用いられるものを適宜選定して用いることができ、バッチ式でもフロー式でも良く、本発明においてはバッチ式の反応釜を用いることが好ましい。反応釜には、撹拌機、蒸留塔、温度計、ガス導入管、反応液等の導入管を備えたものが好ましい。反応釜は密閉性のあるものを用いることが好ましく、必要に応じて、適宜、加圧、減圧を行うことが好ましい。
<用途>
本発明のエステル化合物は、反応活性の高い第一級ヒドロキシル基を含んでいるため、アルコールを原料とする化合物の合成に好適に利用することができる。例えば、第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入したアクリル化合物を合成することができる。また、酸化されやすい第二級ヒドロキシル基を含まないため、酸化防止剤などといった添加剤、安定剤用途としても利用することができる。
本発明の(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基を介した各種の硬化物の原料モノマーとして有用である。硬化物はホモポリマーでもコポリマーでもよい。ここで、コポリマーの態様を例示すると、(メタ)アクリレート化合物として先に挙げた式(1)に由来するエステル化合物から誘導した各化合物(1-3置換体、2-2置換体、3-1置換体)の併用、式(2)に由来するエステル化合物から誘導した各化合物(1-5置換体、2-4置換体、3-3置換体、4-2置換体、5-1置換体)の併用、または式(1)から誘導した化合物と式(2)から誘導した化合物との併用、あるいはその他のビニルモノマー等との併用などが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物を硬化物とする態様については、例えば、上記原料モノマーを基材に塗布し、これを紫外線の照射等により重合させてポリマーを硬化塗膜として活用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例中の物性等の分析方法は以下の通りである。
(1)核磁気共鳴装置(NMR)
化合物の構造決定にはNMRを使用した(日本電子社製、型式:JNM-ECA500)。
使用した重溶媒および測定周波数は各化合物の帰属中に記載した。
(2)生成物の質量比
エステル化合物の生成物の質量比はNMRのピーク積分値で、(メタ)アクリレート化合物の生成物の質量比は、ガスクロマトグラフィー(GC、装置名:Agilent 6850 network GC system、アジレント社製)のピークの面積比より定量した。
(3)高分解能質量分析
化合物の高分解能質量(ミリマス)分析は、GC-MSにて行った。
GC装置:Agilent 7890A(アジレント社製)
MS装置:AccuTOF GCV JMS-T100GCV(日本電子社製)
GC使用時の測定条件
カラム:HP-FFAP、またはHP-1
移動相:ヘリウム
流速:1.0mL/分から1.3mL/分
試料濃度:1質量%
注入量:1μL
MS測定条件
イオン化法:CI+
イオン化温度:250℃
イオン化電圧/電流:200eV/300μA
検出器電圧:2400V
実施例1
α-ヒドロキシイソ酪酸メチル(略式:HBM)130.0g(1.100モル)と、ペンタエリスリトール(略式:PE)(富士フイルム和光純薬社製、試薬)50.0g(0.367モル)と、N,N-ジメチルホルムアミド(略式:DMF)200.0gとトルエン40.0gと、酸化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、99.9%試薬)0.87gとを、1Lの三口フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が100℃~140℃の間となるように加熱してエステル交換反応を行った。その温度にて、反応によって生成したメタノールをトルエンと共沸させながら系外へ除去して、2.8時間反応させた。メタノールを除去した後の反応系を放冷すると単相であり、白色の沈殿物が確認された。反応液を撹拌したのち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルターを用いたろ過にて沈殿物を除去した。ろ液を1L三口フラスコに戻し、40torr~340torr減圧下で釜内温度が90℃~120℃となるように加熱してDMFを系外へ留去した。その後、メタキシレン850gを投入し残存したDMFをメタキシレンと共沸させながら系外へ除去することで、化合物A~化合物Dの混合物(エステル化合物の組成物)97.5gを得た。質量比はNMRの積分値より算出し、化合物A:化合物B:化合物C:化合物D:PE=18.5:42.9:28.6:4.5:3.0であった。
下記に実施例1の反応スキームを示す。
実施例1で得られた化合物Aの構造は1HNMR、13CNMR、HMQC(Heteronuclear Multiple Quantum Correlation)の各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Aの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が223.11761(C9196)であったことから、化合物Aの組成式はC9186と求められた。
実施例1で得られた化合物Bの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定し(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Bの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が309.15439(C13258)であったことから、化合物Bの組成式はC13248と求められた。
実施例1で得られた化合物Cの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Cの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が395.19117(C173110)であったことから、化合物Cの組成式はC173010と求められた。
実施例1で得られた化合物Dの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Dの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が481.22795(C213712)であったことから、化合物Dの組成式はC213612と求められた。
実施例2
実施例1で得られたエステル組成物34.2g(0.118モル)(質量比は化合物A:18.5質量%、化合物B:42.9質量%、化合物C:28.6質量%、化合物D:4.5質量%、PE:3.0質量%、その他の成分2.5質量%)と、アクリル酸34.2g(0.475モル)と、パラトルエンスルホン酸一水和物2.4gと、ヒドロキノン0.2gと、パラメトキシフェノール0.07gと、トルエン60.0gとを、1Lの三口フラスコに収容し、325torrの減圧下で釜内温度が70℃~90℃となるように加熱してアクリレート化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、7.0時間反応させた。反応液を300mL分液ロートに移し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mLで3回中和したのち、水50mLで2回洗浄を行った。得られた有機層にパラメトキシフェノール0.02gを加えてエバポレーターで濃縮することで、化合物E~化合物Hの混合物38.6gを得た。質量比はGCの面積比より算出し、化合物E:化合物F:化合物G:化合物H=9.1:27.0:38.1:13.6であった。
下記に実施例2の反応スキームを示す。
実施例2で得られた化合物Eの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Eの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が353.12364(C17218)であったことから、化合物Eの組成式はC17208と求められた。
実施例2で得られた化合物Fの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Fの分子量を測定した。プロトン化された質量数が227.09195(C11155)、281.10251(C14176)、299.11308(C14197)、313.12873(C15217)、367.13929(C18238)の5種のフラグメントが得られたことから、化合物Fの組成式はC18249と求められた。
実施例2で得られた化合物Gの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Gの分子量を測定した。プロトン化された質量数が227.09195(C11155)、313.12873(C15217)、331.13929(C15238)、345.15494(C162511)の4種のフラグメントが得られたことから、化合物Gの組成式はC192810と求められた。
実施例2で得られた化合物Hの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Hの分子量を測定した。プロトン化された質量数が259.11816(C12196)、345.15494(C162511)、363.16551(C16279)の3種のフラグメントが得られたことから、化合物Hの組成式はC203211と求められた。
実施例1にて得られた13CNMRと実施例2にて得られた13CNMRを比較した。第一級ヒドロキシル基が隣接する炭素のピークに着目するとピーク位置が変化しているのに対し、第三級ヒドロキシル基が隣接する炭素のピークに着目するとピーク位置が変化していないことが分かった。したがって、実施例2においてアクリレート化されたヒドロキシル基は第一級ヒドロキシル基のみであり、エステル交換によって導入した第三級ヒドロキシル基はアクリレート化していないことがわかった。
実施例3
実施例2にて製造された化合物E~化合物Hの混合物(4.9g)に対して、重合開始剤1(ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、イルガキュア184、BASF社製)5質量%(0.245g)を添加し、均一溶解させたものをモノマー組成物とした。得られたモノマー組成物を、バーコーターを用いて、基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で紫外線照射によって硬化させ、硬化物の膜厚が22μmの薄膜硬化板を得た。得られた硬化物の各種物性を測定したところ、耐屈曲性13mm、鉛筆硬度2H、水接触角60.0°、接着性0点であった。
耐屈曲性:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板についてJIS K 5600-5-1に準拠し、円柱型マンドレル屈曲試験機を用いて硬化膜を180度折り曲げ、目視にて割れや剥がれの有無を確認した。割れや剥がれの起こるマンドレルの最大直径を記す。
円柱型マンドレル屈曲試験機は、コーテック株式会社製のものを用いた。
鉛筆硬度:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板についてJIS K 5600-5-4に準拠し、鉛筆硬度を測定した。
鉛筆硬度の測定は、コーテック株式会社製の鉛筆硬度計を用いて行った。
水接触角:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板について、接触角計を用いて測定した。
接触角計は、協和界面科学製のものを用いた。
接着性:基板素材0.3mm厚ポリカーボネート上で硬化させた膜厚22μm薄膜硬化板について旧JIS K 5400に準拠し、測定した。
実施例4
α-ヒドロキシイソ酪酸メチル70.9g(0.600モル)と、トリメチロールエタン(略式:TME)(三菱ガス化学社製)48.0g(0.400モル)と、トルエン(富士フイルム和光純薬社製、特級試薬)100.0gと、酸化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、99.9%試薬)0.12gとを、1Lの三口フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が100℃~140℃の間となるように加熱してエステル交換反応を行った。その温度にて、反応によって生成したメタノールをトルエンと共沸させながら系外へ除去して、16.5時間反応させた。メタノールを除去した後の反応系を放冷すると二相に分離し、沈殿物も確認された。反応液を60℃で加熱、撹拌したのち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルターを用いたろ過にて沈殿物を除去した。ろ液を1Lナスフラスコに戻し、40torr~340torr減圧下で釜内温度が90℃~120℃となるように加熱してトルエンを系内から系外へ除去、濃縮することで化合物I~化合物Kを含むエステル組成物72.6gを得た。質量比はNMRの積分値より算出し、化合物I:化合物J:化合物K:TME=42.7:39.1:8.2:9.1であった。
下記に実施例4の反応スキームを示す。
実施例4で得られた化合物Iの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Iの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が207.12758(C9195)であったことから、化合物Iの組成式はC9185と求められた。
実施例4で得られた化合物Jの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Jの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が293.15948(C13257)であったことから、化合物Jの組成式はC13247と求められた。
実施例4で得られた化合物Kの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Kの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が379.19626(C17319)であったことから、化合物Kの組成式はC17309と求められた。
実施例5
実施例4で得られたエステル組成物10.3g(0.045モル)(質量比は化合物I:42.7質量%、化合物J:39.1質量%、化合物K:8.2質量%、TME:9.1質量%、その他の成分0.9質量%)と、アクリル酸12.3g(0.179モル)と、パラトルエンスルホン酸一水和物0.83gと、ヒドロキノン0.085gと、パラメトキシフェノール0.030gと、トルエン60.0gとを、300mLの三口フラスコに収容し、285torrの減圧下で釜内温度が70℃~90℃となるように加熱してアクリレート化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、8.0時間反応させた。反応液を300mL分液ロートに移し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mLで3回中和したのち、水50mLで2回洗浄を行った。得られた有機層にパラメトキシフェノール0.003gを加えてエバポレーターで濃縮することで、化合物L~化合物Nの混合物8.9gを得た。質量比はGCの面積比より算出し、化合物L:化合物M:化合物N=20.2:54.8:4.2であった。
下記に実施例5の反応スキームを示す。
実施例5で得られた化合物Lの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Lの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が283.11761(C14196)であったことから、化合物Lの組成式はC14186と求められた。
実施例5で得られた化合物Mの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Mの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が315.14383(C15237)であったことから、化合物Mの組成式はC15237と求められた。
実施例5で得られた化合物Nの構造は1HNMR、13CNMR、HMQCの各種スペクトルから同定した(下記参照)。
[NMRデータ]
さらにGC-MS分析を用いて、化合物Nの分子量を測定した。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が347.17004(C16278)であったことから、化合物Nの組成式はC16268と求められた。
本発明では、ポリオールの第一級ヒドロキシル基に第三級ヒドロキシル基を導入したエステル化合物を製造することができる。上記のエステル化合物を用いて、これを(メタ)アクリレート化した化合物を生成させることができ、硬化物として膜や成形体に用いるなど、各種、工業材料の原料として用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)または(2)で表されるポリオールについて、その各式において少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基に-C(=O)-L-C(OH)(CH 3 2 (ここで、Lは単結合または-CH 2 -である)で表される第三級ヒドロキシル基含有基が導入されたエステル化合物であって、前記第三級ヒドロキシル基含有基と第一級ヒドロキシル基とを有する化合物において、前記第一級ヒドロキシル基の少なくとも1つに(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリレート化合物
    Figure 0007342496000031
    式(1)中、R 1 は、炭素数1もしくは3~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す;
    式(2)中、R 2 は、それぞれ独立に、炭素数1~7の直鎖のアルキル基、炭素数3~7の分岐したアルキル基、炭素数3~7の脂環アルキル基、炭素数6~22のアリール基、炭素数7~24のアリールアルキル基、または、ヒドロキシメチル基を表す。
  2. 上記式(1)または(2)で表されるポリオールと、(CH 3 2 (OH)C-L-COOH(ここで、Lは単結合または-CH 2 -である)、または、そのエステルとのエステル交換反応またはエステル化反応によって、当該ポリオールの第一級ヒドロキシル基に前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、請求項1に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  3. (CH 3 2 (OH)C-L-COOHのエステルが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはブチルエステルである、請求項2に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  4. 式(1)または式(2)で表されるポリオールについて、各式のポリオールがもつ第一級ヒドロキシル基を少なくとも1つ残して、前記第三級ヒドロキシル基含有基が導入されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  5. 第三級ヒドロキシル基含有基が-C(=O)-C(OH)(CH 3 2 基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  6. 1 がヒドロキシメチル基である、請求項1~5のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  7. 2 がヒドロキシメチル基である、請求項1~6のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  8. 前記(メタ)アクリロイル基がアクリロイル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物を含むモノマーを硬化させた硬化物。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法であって、第三級ヒドロキシル基含有基が導入されずに残された第一級ヒドロキシル基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルとを反応させて、エステル交換反応またはエステル化反応を介して、前記残された第一級ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入する、(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
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