JP2003192728A - 第3級水酸基を有するビニル重合性モノマー - Google Patents

第3級水酸基を有するビニル重合性モノマー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度の反応性と親水性で、単独又は種々のビ
ニルモノマーと共重合可能な第3級水酸基を有する新規
ビニル重合性モノマーの提供。 【解決手段】 下記一般式(I)表される、ビニル重合
性官能基と第3級水酸基を有するビニル重合性モノマー
及び前記モノマー、または、前記モノマーと他のビニル
モノマーを重合して得られる第3級水酸基を有する重合
体。 【化1】 (式中、Xはビニル重合性官能基を示し、R1、R2はそ
れぞれ同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、第3級水酸基とビ
ニル重合性官能基を有する新規なビニル重合性モノマー
及びその製造方法に関する。また本発明は、該モノマー
を単独重合又は種々のビニルコモノマーと共重合した第
3級水酸基を有する、適度の反応性と親水性を併せ持つ
新規機能性重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水酸基を有するビニル重合性モノ
マーを重合すると、ポリマー側鎖に水酸基を導入するこ
とができ、ポリマーの親水性が向上することが知られて
いる。また、その反応性を利用すると、さらに、多様な
機能性官能基を導入することができる。例えば、第1級
水酸基を有するメタクリル酸2−ヒドロキシエチルや第
2級水酸基を有するメタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ルの共重合体は、塗料や医療用材料として広く用いられ
ており、その第1級又は第2級水酸基に由来する親水性
や反応性が利用されている。
【0003】しかし第1級又は第2級水酸基を有するポ
リマーは、その水酸基の反応性が高いため不都合を生じ
る場合もある。例えば、ポリウレタン塗料は、塗料用樹
脂を含む主剤とポリイソシアネートを含む硬化剤を使用
直前に混合する二液型が広く用いられているが、硬化剤
のイソシアネート基の反応性が非常に大きいため、主剤
と硬化剤を混合後、イソシアネート基と塗料用樹脂の第
1級又は第2級の水酸基との反応が速やかに進行してし
まい、塗料としてのポットライフ(可使時間)が短いと
いう欠点がある。
【0004】また、親水性の高い単独重合体は、水に溶
解したり、膨潤したりする性質を有しており、水系での
利用に際しては、疎水性単量体との共重合が実用上必須
である。親水性を向上させるためには、親水性官能基を
数多く含むことが必要であるが、第1級又は第2級の水
酸基数が増大するにしたがって溶解や膨潤を起こし、接
触する水系へのポリマー溶出、塗膜表面外観の悪化、塗
膜の機械強度の低下など、水系での利用の際に十分な性
能が得られないことが問題となっている。
【0005】一方、第3級水酸基を有するビニル重合性
化合物としては、ヒドロキシアダマンタンのモノエステ
ル誘導体が特公平7−061980公報などに開示され
ている。しかしこれらは高価な上に、分子内に第3級水
酸基由来のエステル結合を有しているため、その熱安定
性、耐加水分解性が悪く、大きく用途が限定されてい
た。また現状では、この重合体は、アダマンタン構造に
由来する高耐熱性、高屈折率という特性は知られている
ものの、第3級水酸基に注目した特性は見いだされてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、上
記課題を解決するために、適度な反応性と親水性をポリ
マーに付与することのできる新規ビニル重合性単量体、
及びその重合体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、第3級水酸基を有
する新規ビニル重合性モノマーを重合したビニルポリマ
ーが適度な反応性と親水性を有していることを見いだ
し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は以下の構成を特徴とす
るものである。 (1)下記一般式(I)で表される、ビニル重合性基と
第3級水酸基を有する新規ビニル重合性モノマー。
【化4】 (式中、Xはビニル重合性官能基を示し、R1、R2はそ
れぞれ同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基であ
る。)
【0009】(2)上記(1)に記載のビニル重合性基
(X)が下記一般式(II)で示されることを特徴とする
第3級水酸基を有する新規ビニル重合性モノマー。
【化5】 (式中、R3は、メチル基又は水素原子、R4は繰り返し
単位毎に独立にメチル基又は水素原子を示し、nは2か
ら6の整数である。)
【0010】(3)下記式(III)で表されるエチレン
グリコールモノ(2−ヒドロキシイソブチレート)モノ
メタクリレートである新規ビニル重合性モノマー。
【化6】
【0011】(4)第3級水酸基原料として、2−ヒド
ロキシイソ酪酸又は2−ヒドロキシイソ酪酸エステルを
用いることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の新
規ビニル重合性モノマーの製造方法。
【0012】(5)第3級水酸基原料として、第3級水
酸基を有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニル
重合性基原料としてヒドロキシアルキルスチレン類を用
い、エステル化反応又はエステル交換反応することを特
徴とする上記(1)に記載のスチレン系ビニル重合性モ
ノマーの製造方法。
【0013】(6)第3級水酸基原料として、第3級水
酸基を有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニル
重合性基原料としてヒドロキシアルキルビニルエーテル
を用い、エステル化反応又はエステル交換反応すること
を特徴とする上記(1)に記載のビニルエーテル系ビニ
ル重合性モノマーの製造方法。
【0014】(7)第3級水酸基原料として、第3級水
酸基を有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニル
重合性基原料としてカルボン酸ビニル類を用い、エステ
ル交換反応することを特徴とする上記(1)に記載のビ
ニルエステル系ビニル重合性モノマーの製造方法。
【0015】(8)全モノマー成分に対して5〜100
モル%の、前記(1)〜(3)に記載のビニル重合性モ
ノマーの少なくとも一種を含む第一のモノマー成分と、
全モノマー成分に対して0〜95モル%の前記ビニル重
合性モノマー以外のビニルコモノマーを少なくとも一種
含む第二のモノマー成分とを重合することによって得ら
れる、第3級水酸基を有する重合体。
【0016】(9)繰り返し単位の5〜100モル%が
第一のモノマー成分由来の単位であり、0〜95モル%
が第二のモノマー成分由来の単位である(8)に記載の
重合体。
【0017】(10)180℃において、第3級水酸基
を有する多価アルコール化合物が重合体から脱離しない
ことを特徴とする(8)または(9)に記載の重合体。
【0018】(11)ポリスチレン換算の数平均分子量
が1000〜100000の範囲で、水酸基価が50〜
300mgKOH/g、全水酸基中の第3級水酸基の割
合が5モル%以上100モル%以下であることを特徴と
する(8)〜(10)のいずれかに記載の重合体。
【0019】(12)重合体がヒドロゲルであることを
特徴とする(8)または(9)に記載の重合体。
【0020】(13)含水平衡時の重量をW0とし、乾
燥時の重量をW1としたときの下記式で示す含水率が1
0〜90重量%であることを特徴とする(12)に記載
の重合体。 含水率(重量%)={(W0−W1)/W0}×100
【0021】(14)生体や血液と直接接触する表面部
分が(8)〜(10)のいずれかに記載された重合体で
構成されていることを特徴とする医療用材料。
【0022】(15)表面部分の25℃における純水と
の静的接触角が30〜80度であることを特徴とする
(14)に記載の医療用材料。
【0023】(16)(9)〜(11)のいずれかに記
載の重合体を用いてなる塗料用樹脂。
【0024】本発明の一般式(I)で表されるビニル重
合性モノマーは、(1)分子内に1つ以上の第3級水酸
基を有し、かつ(2)ビニル重合性官能基を分子内に1
つ以上有しており、(3)分子内に第3級炭素に隣接し
たエステル結合が存在しないという構造上の特徴を有し
ており、ビニル重合性官能基の由来となる原料Aと第3
級水酸基の由来となる原料Bとの反応により合成され
る。上記原料Aと原料Bの結合の形態は、エステル結
合、エーテル結合又は酸無水物結合などが考えられる
が、反応の容易さからエステル結合が特に好ましい。
【0025】本発明のモノマー製造の原料Aとなる一般
式(II)で表されるビニル重合性モノマーには、不飽和
カルボン酸誘導体やスチレン誘導体、ビニルエーテル
類、アリル化合物など様々な種類があり、いずれも水酸
基やエステル基、カルボキシル基などの反応性官能基を
有していれば、第3級水酸基を有するモノマーへと誘導
することができるが、その重合性や入手の容易さ、合成
の容易さを考えると、第1級水酸基又は第2級水酸基を
有する不飽和カルボン酸エステルやヒドロキシスチレン
類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、カルボン酸
ビニル化合物が好ましい。
【0026】原料Aとなる第1級水酸基又は第2級水酸
基を有する不飽和カルボン酸エステルとしては特に限定
されるものではないが、例えば(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、モノ(メ
タ)アクリル酸グリセロール、ジ(メタ)アクリル酸グ
リセロール、2−(メタ)アクリロキシエチル−2−ヒ
ドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロキシ
エチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、グリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリ
ル酸付加物類又はカプロラクトン変性ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。入手の容易さ
から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ま
しい。
【0027】その他の原料Aとしては、ヒドロキシスチ
レン類やヒドロキシアルキルビニルエーテル類、カルボ
ン酸ビニル化合物を用いることができる。一般的に入手
が容易な化合物としてはビニルベンジルアルコールや4
−ヒドロキシブチルビニルエーテル、酢酸ビニルがなど
挙げられる。
【0028】本発明のモノマー製造時における他方の原
料である、原料Bとなる化合物には、第3級水酸基を有
するオキシ酸又は第3級水酸基を有するオキシ酸エステ
ル、オキシ酸ハライドがあり、第3級水酸基を与えるオ
キシ酸として2―ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ
−2−メチル酪酸、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、
2−ヒドロキシ−2−メチル吉草酸、3−ヒドロキシ−
3−メチル吉草酸、2−ヒドロキシ−2−メチル吉草
酸、3−ヒドロキシ−3−メチル吉草酸又は4−ヒドロ
キシ−4−メチル吉草酸などが挙げられる。光学異性体
の存在するものは、何れを用いてもよく、混合物を用い
てもよい。また、これらのハライド化合物も用いること
ができる。入手の容易さから、好ましくは2−ヒドロキ
シイソ酪酸である。好ましい第3級水酸基を有するビニ
ル重合性モノマーとして、化学式(III)で表されるエ
チレングリコールモノ(2−ヒドロキシイソブチレー
ト)モノメタクリレートが挙げられる。
【0029】さらに、第3級水酸基を与えるオキシ酸エ
ステルとしては、例えば2―ヒドロキシイソ酪酸メチ
ル、2―ヒドロキシイソ酪酸エチル、2―ヒドロキシイ
ソ酪酸アリル、2―ヒドロキシイソ酪酸ブチル、2―ヒ
ドロキシイソ酪酸ヘキシル、2―ヒドロキシイソ酪酸−
2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸
メチル、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、2−
ヒドロキシ−2−メチル吉草酸メチル、3−ヒドロキシ
−3−メチル吉草酸メチル又は4−ヒドロキシ−4−吉
草酸メチルなどが挙げられる。光学異性体の存在するも
のは何れを用いてもよく、また混合物を用いてもよい。
入手の容易さから、好ましくは2−ヒドロキシイソ酪酸
メチルである。好ましい第3級水酸基を有するビニル重
合性モノマーとして、化学式(III)で表されるエチレ
ングリコールモノ(2−ヒドロキシイソブチレート)モ
ノメタクリレートが挙げられる。
【0030】ビニル重合性基原料(A)と第3級水酸基
原料(B)との特に好ましい組み合わせは、以下の通り
である。 (1)第3級水酸基原料(B)として第3級水酸基を有
するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニル重合性基
原料(A)としてヒドロキシスチレン類又はヒドロキシ
アルキルスチレン類を用いエステル化反応又はエステル
交換反応するスチレン系ビニル重合性モノマーの製造方
法。 (2)第3級水酸基原料(B)として、第3級水酸基を
有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニル重合性
基原料(A)としてヒドロキシアルキルビニルエーテル
を用い、エステル化反応又はエステル交換反応するビニ
ルエーテル系ビニル重合性モノマーの製造方法。 (3)第3級水酸基原料(B)として、第3級水酸基を
有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニル重合性
基原料(A)としてカルボン酸ビニル類を用い、エステ
ル交換反応するビニルエステル系ビニル重合性モノマー
の製造方法。
【0031】本発明における原料Aの第3級水酸基を有
するビニル重合性原料と、第3級水酸基の由来となる原
料Bとの結合を形成する反応は、原料100重量部に対
して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量
部の触媒の存在下に実施される。触媒は、特に限定され
るものでないが、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金
属、アルミニウム、錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、
ジルコニウム、ゲルマニウム、コバルト、クロム、鉄、
銅等の金属及び有機金属化合物、有機酸塩、無機酸塩、
ハロゲン化物、ヒドロキシドなどの金属化合物、有機ス
ルホン酸、あるいはナトリウムメトキシド、リチウムメ
トキシド、アルミン酸ナトリウム、カチオン型イオン交
換樹脂、ゼオライト類、シリカ−アルミナ、シリカ−チ
タニア、ベントナイト、モンモリロナイト又は活性白土
などの固体酸などが挙げられる。
【0032】反応は、上記触媒の存在下、温度40〜2
50℃、好ましくは50〜150℃で生成するアルコー
ル、水などを除去して行う。圧力は、大気圧以上でも大
気圧以下でも行えるが、反応が進行するに従って大気圧
以下で行うのが好ましく、特に好ましくは300mmH
g以下で行う。また、生成するアルコール、水などを除
去容易にするため、アルコールや水と共沸する溶媒を共
存させてもよい。本発明の分子内に第3級水酸基を有す
るビニル重合性モノマーの製造方法では、環状エステル
やオキシ酸の環状2量体を開環させる工程を含んでよ
い。開環反応は、上記の触媒を用いてもよく、40〜2
50℃、好ましくは80〜150℃で行う。
【0033】本発明で得られる第3級水酸基を有するビ
ニル重合性モノマーは、ラジカル重合、アニオン重合、
配位アニオン重合など公知の重合法を用いて単独重合、
又は種々のビニルコモノマー類と容易に共重合すること
が出来る。
【0034】一般式(I)で表される第一のモノマー成
分と共重合可能な第二のモノマー成分であるビニル重合
性コモノマーとしては不飽和カルボン酸又はそのエステ
ル化合物、スチレン、スチレン誘導体、共役ビニル化合
物又はα―オレフィンから1種類以上が選択されるが、
使用の目的に応じてその種類や含量を選択することがで
き、数種を組み合わせて用いても良い。例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソ
ボルニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル
(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
の(メタ)アクリレート類、また2−(メタ)アクロイ
ルオキシエチルホスホリルコリンなどのリン脂質類似官
能基を有する(メタ)アクリレートなどの(メタ)アク
リレート類、スチレン、α―メチルスチレン、クロロス
チレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレインな
どのビニル化合物、エチレンやプロピレンなどのα−オ
レフィン類、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換
マレイミド類、アクリルアミド類、ビニルピロリドン
類、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。また多官能
性単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レートやポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
などの多官能性(メタ)アクリレート類やジビニルベン
ゼンなどの多官能性オレフィンなどが挙げられる。
【0035】またその重合体の形態は、ランダム重合
体、グラフト重合体、ブロック共重合体、ヒドロゲルな
どが例示できるがこれらに限定されるものではなく、ま
たどんな形態であっても第3級水酸基に由来する適度な
反応性と親水性という特徴が失われるものではない。モ
ノマー組成の割合は使用する目的によって適宜調整すれ
ばよいが、第3級水酸基の特徴を発揮するため、一般式
(I)の第一のモノマー成分は、全モノマー成分に対し
て5モル%以上100モル%以下用いるのが好ましい。
これら重合体自体を成形加工して用いることもできる
し、溶剤に溶解して塗布し、表面のみを改質することも
できる。またこれら重合体を既存の樹脂にブレンドして
用いることもできる。
【0036】本発明における重合体の製造時には、上記
モノマー成分と開始剤のみを用いて塊状重合することも
できるし、適当な溶媒を用いて溶液重合したり、懸濁重
合や乳化重合を適用することもできる。溶媒としては、
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアル
コール類やTHF、DMF、ジメチルスルホキシド、ト
ルエン、アセトンなどの有機溶媒又は水などを単独で、
またそれらを組み合わせて任意の割合で混合して用いる
ことができる。必要ならば、連鎖移動剤を用いることも
できる。さらに、要求に応じて抗酸化剤、紫外線吸収
剤、滑剤、流動性調節剤、離型剤、耐電防止剤、光拡散
剤などの添加剤やガラス繊維や炭素繊維又は粘土化合物
などの無機フィラーを、適宜、添加することもできる。
【0037】本発明により提供される重合体は、第3級
水酸基を有するために適度な反応性と親水性を兼ね備え
た重合体であるという特徴を有するほかに、第3級水酸
基由来のエステル結合を分子内に有しないことも大きな
特徴である。すなわち現在までに知られている第3級水
酸基を有する重合体は、ピナコール誘導体、もしくはヒ
ドロキシアダマンタン誘導体から合成されるものであ
り、多価アルコール類が第3級水酸基に由来するエステ
ル結合によって結合した構造を持つ。このことにより加
熱時に多価アルコール類が脱離する特徴があった。この
脱離反応はおおよそ180℃から顕著になる傾向がある
が、樹脂成型時においては180℃を上回る温度で成形
される場合がほとんどであり、多価アルコールの脱離
は、樹脂の機械強度の低下、色調の悪化、成形不良を引
き起こす原因となるので好ましくない場合があった。本
発明により提供されるモノマーからなる重合体は、第3
級水酸基に由来するエステル結合を有しないため、上記
問題点を回避することが可能となる。
【0038】本発明の重合体は、適度な反応性と親水性
を有した機能性樹脂であることから、得られるポリマー
は、各種成形体、フィルム、シート、繊維、粘着剤、接
着剤、塗料、人工大理石、導光板、光ファィバー、緩衝
材や食品トレイなどの発泡体、コンタクトレンズや人工
血管、カテーテル、血液浄化膜、歯科材料などの医療材
料、微生物や菌体、薬理活性物質などの担体、マイクロ
カプセル、化粧品基材、インキ、繊維処理剤、紙処理
剤、木材処理剤、逆浸透膜材料、各種バインダー用樹脂
など種々の用途に用いることができるが、これらに限定
されるものではない。また、成形時に、その用途に応じ
て各種の成形助剤、例えばフィラー、着色剤、補強剤、
ワックス類、熱可塑性ポリマー、オリゴマーなどを併用
することもできる。
【0039】さらに、本発明によって提供される重合体
は、既存のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)と同様、重合体内に水を含有する、ヒドロゲルとし
ての用途に適する。ヒドロゲルの製法については公知の
技術を用いることができる。その含水率は共重合種とそ
の組成割合にも大きく影響され、任意に調整することが
可能であるが、10%〜90%であるものが一般的に最
もよく用いられており、コンタクトレンズ、菌体や微生
物、薬理物質などの担体、金属捕集剤、化粧品基材など
の幅広い用途に用いることができる。
【0040】本発明によって提供される重合体は、適度
な親水性を示すことから、生体や血液と直接接触する表
面部分を本発明の重合体で構成すると優れた生体適合性
を示す。特に血液適合性については、元来シリコーンな
どの疎水性材料が血栓を生じにくく、疎水性が高いほど
抗血栓性を示すと考えられていたが、親水性ポリマー鎖
をグラフトした表面は血液との界面エネルギーが小さく
なり、タンパク質あるいは細胞との相互作用が小さくな
ることわかり、親水性表面も血栓の付着を抑制すること
がわかっている。しかし親水性表面は、微少な血栓が塞
栓を引き起こしたり、循環血小板に損傷を与えたり、カ
ルシウムイオンの沈着を引き起こし、血栓形成の引き金
となりうる場合がある。よって材料の親水性、疎水性と
生体適合性については、そのバランスが重要であり、一
般的に表面部分の25℃における純水との静的接触角が
30°以上70°以下であると生体適合性に優れると言
われている。本発明により提供されるモノマーを用いた
重合体は25℃における純水との静的接触角が30°以
上80°以下であるため有用であり、さらに既存の代表
的な親水性モノマーである2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの重合体に比べて水溶性が低いため、
接触する水系へのポリマー溶出、表面外観の悪化、機械
強度の低下などを引き起こしにくい利点がある。
【0041】また本発明によって提供される重合体は、
適度な反応性を示すことから、各種塗料のポリオール成
分として、特にイソシアネート硬化型塗料のポリオール
として用いたときに、第3級水酸基の含量を調節するこ
とによりポットライフを任意の長さの調節が可能であ
る。また硬化反応の速度を抑制することでき、表面に平
滑性の付与が可能となる。塗料用のポリオール成分とし
て使用するポリマーは特に限定されないが、ポリスチレ
ン換算の数平均分子量が1000〜100000の範囲
で、水酸基価が50〜300mgKOH/gであるもの
が最も一般的であり、全水酸基中の第3級水酸基の割合
が5モル%以上100モル%以下であるものを用いる
と、第3級水酸基の反応性に起因するポットライフ延長
効果、または表面平滑効果の特徴が発現する。
【0042】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲
を限定されるものではない。 実施例1 撹拌機、分留コンデンサー、温度計、ガス導入管を備え
た1000mL反応器に2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート(2−HEMA)130g(1.0モル)、2−
ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)130g(1.1
モル)、テトライソプロピルチタネート(TPT)1.
3g(0.5%)、重合禁止剤としてアンテージW−4
00(2、2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール、川口化学工業(株)製)0.25gを
仕込み、空気を8mL/minの速度で吹き込みながら
反応させた。3.5時間かけて、反応温度を80℃から
除々に上げていき、反応液温度が138℃になってメタ
ノールが留去し始め、その後、1時間半で反応を終了と
し、橙色の反応液250gと留出液7.9gを得た。反
応液をガスクロマトグラフの内標法で定量したところ、
2−HEMA基準での転化率は72モル%で、収率56
モル%であった。反応液250gに蒸留水250mLと
クロロホルム500mLを加え、分液ロートで抽出操作
を4回行い、クロロホルム層をエバポレータ−で留去
し、淡黄色の液体109gを得た。全収率は、50重量
%であった。GC−MAS(ガスクロマトグラフ付き質
量分析法)、1H−NMR及び13C−NMRで分析した
結果、生成物がエチレングリコールモノ(2−ヒドロキ
シイソブチレート)モノメタクリレートであることを確
認した(純度98重量%)。1H−NMRおよび13C−
NMRのスペクトルと帰属を図1および図2に示す。
【0043】実施例2 実施例1と同じ反応器にパラビニルベンジルアルコール
134g(1.0モル)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチ
ル130g(1.1モル)、テトライソプロピルチタネ
ート1.3g(0.5%)、重合禁止剤としてアンテー
ジW−400(川口化学工業(株)製)0.25gを仕
込み、空気を20mL/minの速度で吹き込みながら
80〜100℃で4時間反応しメタノールを留出させ
た。つづいて200〜150mmHgで8時間脱メタノ
ール反応を進行させ、徐々に減圧度を増して、さらにメ
タノールと未反応原料を留出させた。反応液をガスクロ
マトグラフの内標法で定量したところ、転化率は70%
モル、収率45モル%であった。反応液250gに蒸留
水250mLとヘキサン/トルエン混合溶媒500mL
を加え、分液ロートで抽出操作を4回行い、有機層を精
留して目的とする淡黄色液体85g(純度95重量%)
を得た。生成物がパラビニルベンジルアルコール2−ヒ
ドロキシイソブチレートであることをGC−MASで確
認した。
【0044】実施例3 実施例1と同じ反応器に4−ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル116g(1.0モル)、2−ヒドロキシイソ酪
酸メチル130g(1.1モル)、テトライソプロピル
チタネート1.3g(0.5%)を仕込み、80〜10
0℃で4時間反応しメタノールを留出させた。つづいて
200〜150mmHgで8時間脱メタノール反応を進
行させ、徐々に減圧度を増して、さらにメタノールと未
反応原料を留出させた。反応液をガスクロマトグラフの
内標法で定量したところ、転化率は79モル%、収率5
9モル%であった。反応液250gに蒸留水250mL
とクロロホルム500mLを加え、分液ロートで抽出操
作を4回行い、クロロホルム層を精留して目的とする淡
黄色液体88g(純度90重量%)を得た。生成物が4
−ヒドロキシブチルビニルエーテル2−ヒドロキシイソ
ブチレートであることをGC−MASで確認した。
【0045】実施例4 実施例1と同じ反応器に酢酸ビニル116g(1.0モ
ル)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル130g(1.1
モル)、テトライソプロピルチタネート1.3g(0.
5%)を仕込み、60℃から80℃で6時間反応させ酢
酸メチルを留出させた。つづいて200〜150mmH
gで8時間反応を進行させ、酢酸メチルと未反応原料を
留出させた。反応液をガスクロマトグラフの内標法で定
量したところ、転化率は60%、収率49モル%であっ
た。反応液250gを精留して目的とする淡黄色液体6
5g(純度88重量%)を得た。生成物が2−ヒドロキ
シイソ酪酸ビニルであることをGC−MASで確認し
た。
【0046】分子内に第3級水酸基を有するビニル重合
性単量体を重合して得られる重合体 実施例5 撹拌機、冷却管、温度計を備えた200mLガラス製反
応容器にモノマーとしてエチレングリコールモノ(2−
ヒドロキシイソブチレート)モノメタクリレート(HB
HEMA)を81g、連鎖移動剤としてドデカンチオー
ル(DSH)を0.12g、重合開始剤として2、2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(ABN−
E)を0.3g、溶媒としてメタノールを60g混合
し、65℃にて3時間重合した。重合液をジイソプロピ
ルエーテルに滴下してポリマーを沈殿させ、減圧乾燥し
た。重合は均一に進行し、得られたポリマーはメタノー
ル、アセトン、THFなどの有機溶剤に完全に溶解し
た。ポリマーの収率を重量法によって求め、分子量はT
HFを展開溶媒としてGPCによりポリスチレン換算で
求めた。重合体の親水性の指標となる静的接触角は、得
られた重合体をエタノール/テトラヒドロフラン混合溶
媒に溶解し、ガラス基板上にキャストし乾燥したサンプ
ルを用いて協和界面科学製接触角計CA−X型で測定し
た。結果を表1に示す。
【0047】実施例6 HBHEMAを54g、MMAを25g混合しモノマー
として用いた以外は実施例5と同様にして合成した。結
果を表1に示す。
【0048】実施例7 HBHEMAを12g、MMAを5.6g混合しモノマ
ーとして用いた以外は実施例5と同様にして合成した。
結果を表1に示す。
【0049】比較例1 MMA50gをモノマーとして用い、溶媒としてトルエ
ンを用いた以外は実施例5と同様にして合成した。 結
果を表2に示す。
【0050】比較例2 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)50
gをモノマーとして用いた以外は実施例5と同様にして
合成した。結果を表2に示す。
【0051】比較例3 HEMAを32.5g、MMAを25g混合しモノマー
として用いた以外は実施例5と同様にして合成した。結
果を表2に示す。
【0052】比較例4 HEMAを7.5g、MMAを52g混合しモノマーと
して用いた以外は実施例5と同様にして合成した。結果
を表2に示す。
【0053】 表1実施例番号 実施例5 実施例6 実施例7 仕込みモノマー(モル%) MMA 0 50 90 HBHEMA 100 50 10 ポリマー収率 (重量%) 60 65 57 重量平均分子量 (万) 10 10 11接触角 (度) 61 62 68
【0054】 表2比較例番号 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 仕込みモノマー(モル%) MMA 100 0 50 90 HEMA 0 100 50 10 ポリマー収率 (重量%) 67 77 56 62 重量平均分子量 (万) 10 −* 6.1 9.0接触角 (度) 72 60 61 68 *THFに溶解しないため測定せず。
【0055】ヒドロゲルの合成 実施例8 HBHEMA11.3g、エチレングリコールジメタク
リレート(EGDMA)0.1gを秤量し、これらを均
一に混合したのち、これにABN−E0.01gを加え
て内径が20mmのポリプロピレン製管状容器内に入れ
た。ついで容器内を減圧下脱気した後、40℃の恒温水
槽中で4時間重合させ、さらに50℃で4時間、60℃
で4時間加熱したのち、乾燥機中で60〜130℃まで
12時間かけて徐々に昇温して直径約20mmの重合体
を得た。得られた重合体を切削加工して試験片を作製、
含水平衡時の試験片の重量(W 0(g))と、これを乾
燥させた試験片の重量(W1(g))とを測定し、次式
にしたがって含水率(重量%)を求めた。結果を表3に
示す。 含水率(重量%)={(W0−W1)/W0}×100
【0056】実施例9〜11、および比較例5〜8 メタクリレート組成を表3および表4に示すように変更
したほかは、実施例8と同様にして重合を行なって棒状
の重合体をえた。同様に作製した試験片の含水量につい
て表3および表4に示す。
【0057】 表3実施例番号 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 仕込みモノマー(モル%) MMA 0 49 0 0 HEMA 0 0 49 69 HBHEMA 99 50 50 30 EGDMA 1 1 1 1含水率(重量%) 20 11 27 32
【0058】 表4比較例番号 比較例5 比較例6 比較例7 比較例8 仕込みモノマー(モル%) MMA 0 49 69 99 HEMA 99 50 30 0 HBHEMA 0 0 0 0 EGDMA 1 1 1 1含水率(重量%) 39 19 10 2
【0059】第3級水酸基含有塗料用樹脂の合成 実施例12 撹拌機、冷却管、温度計を備えた5000mLの反応器
にキシレン1600g、酢酸ブチル400gを仕込み、
85℃に昇温し、そこへスチレン500g、メタクリル
酸メチル500g、アクリル酸−n−ブチル280g、
メタクリル酸−n−ブチル420g、エチレングリコー
ルモノ(2−ヒドロキシイソブチレート)モノメタクリ
レート118g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
168g、アクリル酸14g、α、α’−アゾビスイソ
ブチロニトリル24gの混合物を3時間にわたって連続
滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、2時間加熱撹
拌し、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル10gを
添加して更に3時間加熱撹拌した。エバポレーターを用
いて溶媒を除き、塗料用樹脂Aを1812g得た。得ら
れた樹脂Aの性状は水酸基価50mgKOH/g、酸価
6mgKOH/gであった。樹脂A75重量部に対して
トルエン25重量部を加えてワニスAを得た。
【0060】比較例9 実施例12の滴下するモノマーと開始剤の混合物をスチ
レン500g、メタクリル酸メチル400g、アクリル
酸−n−ブチル380g、メタクリル酸−n−ブチル4
20g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル240
g、アクリル酸14g、α、α’−アゾビスイソブチロ
ニトリル24gの混合物に替えたこと以外は実施例4と
同様の反応を行い、塗料用樹脂Bを1770g得た。得
られた樹脂Bの性状は水酸基価52mgKOH/g、酸
価5mgKOH/gであった。樹脂B75重量部にトル
エン25重量部を加え、ワニスBを得た。
【0061】表5に示すような割合で、ワニスAあるい
はワニスBに、ルチル型二酸化チタン顔料(「CR−9
0」石原産業(株)製)を混合し二酸化チタンを分散さ
せた後、硬化剤(「DN−980」大日本インキ化学工
業(株)製)とレベリング剤(「BYK−301」ビッ
クケミー・ジャパン社製)を加えてエナメル塗料を調合
した。得られた塗料はドクターブレードを用いて化成処
理鋼板に上に膜厚15〜20μmとなるように塗装し
た。塗膜の評価結果を表5に示す。
【0062】
【0063】上記評価は以下の試験条件で測定した。 (1)水酸基価:JIS K−0070に準じて測定し
た。 (2)酸価:JIS K−8400に準じて測定した。 (3)ポットライフ:塗料用樹脂含有溶液と硬化剤とを
混合後、初期粘度の2倍の粘度になるまでの時間を測定
した。 (4)60度鏡面反射率:JIS K−5400に準じ
て測定した。 (5)エリクセン値:JIS K−5400に準じて測
定した。 (6)鉛筆硬度試験:JIS K−5400に準じて測
定した。 (7)ラビング試験:トルエンをしみ込ませたガーゼで
塗膜面を100回払拭した後、目視で塗膜の状態を観察
した。(○;変化無し、×;一部溶解) 上記テストの結果、本発明で得られる第3級水酸基含有
モノマーをワニス原料の一成分として用いることにより
塗膜性能を維持したまま、ポットライフを3倍以上に延
長できることがわかった。
【0064】
【発明の効果】本発明においては、先のビニル重合性基
(X)の由来となる化合物と第3級水酸基の由来となる
化合物との反応によって、ビニル重合性基(X)と第3
級水酸基を有する一般式(I)の新規ビニル重合性モノ
マーを得る。該モノマーは親水性や適度な反応性を有す
るので、各種ビニルモノマーとの共重合することによっ
て得られるポリマーは、各種成形体、フィルム、シー
ト、繊維、粘着剤、接着剤、塗料、人工大理石、導光
板、光ファイバー、緩衝剤や食品トレイなどの発砲体、
コンタクトレンズや人工血管、カテーテル、血液浄化
膜、歯科材料などの医療材料、微生物や菌体、薬理活性
物質などの担体、マイクロカプセル、化粧品基材、イン
キ、繊維処理剤、紙処理剤、木材処理剤、逆浸透膜材
料、各種バインダー用樹脂など種々の用途に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で得られたビニル重合性モノ
マーの1H―NMRスペクトルを表すチャートである。
【図2】 図2は実施例1で得られたビニル重合性モノ
マーの13C―NMRスペクトルを表すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 27/00 A61L 27/00 W 4J100 29/00 29/00 Q C07C 69/675 C07C 69/675 C08F 12/22 C08F 12/22 16/26 16/26 C09D 125/18 C09D 125/18 129/10 129/10 133/14 133/14 157/00 157/00 (72)発明者 山田 元 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 川嶋 孝正 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 桑原 章二郎 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4C081 AB13 AB23 AB32 AC08 BA03 CA051 CA081 CC01 DA01 DA03 DC12 4C083 AD091 CC01 FF01 4C089 AA01 AA10 BE03 BE05 CA08 4H006 AA01 AB46 BN10 BP10 BT12 4J038 CC061 CC091 CE051 CG141 CH121 CH161 CJ131 EA011 GA03 MA14 NA06 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AB03Q AB07P AB08Q AB16Q AE09P AF06Q AJ02Q AL03Q AL05Q AL08P AL08Q AL09Q AL62Q AL63Q AL66Q AM02Q AM15Q AM45Q AM47Q AM48Q AQ08Q BA03P BA05Q BA06Q BA08Q BA15P BA62Q BC04Q BC07Q CA04 CA05 DA00 DA01 DA30 JA00 JA03 JA05 JA11 JA13 JA50 JA58 JA61

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される、ビニル重
    合性基と第3級水酸基を有するビニル重合性モノマー。 【化1】 (式中、Xはビニル重合性官能基を示し、R1、R2はそ
    れぞれ同一又は異なる炭素数1から4のアルキル基であ
    る。)
  2. 【請求項2】 前記ビニル重合性基(X)が、下記一般
    式(II)で示されることを特徴とする請求項1記載のビ
    ニル重合性モノマー。 【化2】 (式中、R3は、メチル基又は水素原子、R4は繰り返し
    単位毎に独立にメチル基又は水素原子を示し、nは2か
    ら6の整数である。)
  3. 【請求項3】 下記式(III)で表されるエチレングリ
    コールモノ(2−ヒドロキシイソブチレート)モノメタ
    クリレートである請求項1又は2に記載のビニル重合性
    モノマー。 【化3】
  4. 【請求項4】 第3級水酸基原料(B)として、2−ヒ
    ドロキシイソ酪酸又は2−ヒドロキシイソ酪酸エステル
    を用いることを特徴とする請求項1〜3に記載のビニル
    重合性モノマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 第3級水酸基原料(B)として、第3級
    水酸基を有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニ
    ル重合性基原料(A)としてヒドロキシスチレン類又は
    ヒドロキシアルキルスチレン類を用い、エステル化反応
    又はエステル交換反応することを特徴とする請求項1に
    記載のスチレン系ビニル重合性モノマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 第3級水酸基原料(B)として、第3級
    水酸基を有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニ
    ル重合性基原料(A)としてヒドロキシアルキルビニル
    エーテルを用い、エステル化反応又はエステル交換反応
    することを特徴とする請求項1に記載のビニルエーテル
    系ビニル重合性モノマーの製造方法。
  7. 【請求項7】 第3級水酸基原料(B)として、第3級
    水酸基を有するオキシ酸又はオキシ酸エステルを、ビニ
    ル重合性基原料(A)としてカルボン酸ビニル類を用
    い、エステル交換反応することを特徴とする請求項1に
    記載のビニルエステル系ビニル重合性モノマーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 全モノマー成分に対して5〜100モル
    %の、請求項1〜3に記載のビニル重合性モノマーの少
    なくとも一種を含む第一のモノマー成分と、全モノマー
    成分に対して0〜95モル%の前記ビニル重合性モノマ
    ー以外のビニルコモノマーを少なくとも一種含む第二の
    モノマー成分とを重合することによって得られる、第3
    級水酸基を有する重合体。
  9. 【請求項9】 繰り返し単位の5〜100モル%が第一
    のモノマー成分由来の単位であり、0〜95モル%が第
    二のモノマー成分由来の単位である請求項8に記載の重
    合体。
  10. 【請求項10】 180℃において、第3級水酸基を有
    する多価アルコール化合物が重合体から脱離しないこと
    を特徴とする請求項8又は9に記載の重合体。
  11. 【請求項11】 ポリスチレン換算の数平均分子量が1
    000〜100000の範囲で、水酸基価が50〜30
    0mgKOH/g、全水酸基中の第3級水酸基の割合が
    5モル%以上100モル%以下であることを特徴とする
    請求項8〜10のいずれかに記載の重合体。
  12. 【請求項12】 重合体がヒドロゲルであることを特徴
    とする請求項8または9に記載の重合体。
  13. 【請求項13】 含水平衡時の重量をW0とし、乾燥時
    の重量をW1としたときの下記式で示す含水率が10〜
    90重量%であることを特徴とする請求項12に記載の
    重合体。 含水率(重量%)={(W0−W1)/W0}×100
  14. 【請求項14】 生体や血液と直接接触する表面部分が
    請求項8〜10のいずれかに記載された重合体で構成さ
    れていることを特徴とする医療用材料。
  15. 【請求項15】 表面部分の25℃における純水との静
    的接触角が30度〜80度であることを特徴とする請求
    項14に記載の医療用材料。
  16. 【請求項16】 請求項9〜11のいずれかに記載の重
    合体を用いてなる塗料用樹脂。
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