JP2013040314A - インク組成物、画像形成方法、及び印画物 - Google Patents
インク組成物、画像形成方法、及び印画物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013040314A JP2013040314A JP2011179984A JP2011179984A JP2013040314A JP 2013040314 A JP2013040314 A JP 2013040314A JP 2011179984 A JP2011179984 A JP 2011179984A JP 2011179984 A JP2011179984 A JP 2011179984A JP 2013040314 A JP2013040314 A JP 2013040314A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink composition
- group
- general formula
- polymer compound
- ink
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】少なくとも、(a)下記一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)水を含有するインク組成物。一般式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、n1は0から2の整数を表す。*は隣接する部位との連結位置を表す。
【化1】
【選択図】なし
Description
更に、本発明は、硬化性及び耐水性に優れた画像を高い生産性で形成しうる画像形成方法、及び、耐水性及び記録媒体との密着性に優れた画像を有する印画物を提供することを課題とする。
<3> 前記(a)一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物の重量平均分子量が、3000〜60000の範囲である<1>又は<2>に記載のインク組成物。
<4> 前記(a)一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物が、アルコール性水酸基、アルキル置換カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1つの親水性基を含む繰り返し単位を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
<5> 更に、(d)色材を含有する<1>から<4>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<6> 前記水の含有量が、インク組成物の全質量に対し、10質量%〜80質量%の範囲である<1>から<5>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<9> 更に、(f)水溶性有機溶剤を含有する<1>から<8>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<10> インクジェット記録用である<1>から<9>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<12> <1>から<10>のいずれか1項に記載のイインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与されたインク組成物中に含有される(c)水及び/又は(f)水溶性有機溶剤を加熱により除去して乾燥させる加熱乾燥工程と、前記インク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む<11>に記載の画像形成方法。
<13> 前記インク付与工程が、インクジェット法により前記インク組成物を記録媒体上に付与する工程である<11>又は<12>に記載の画像形成方法。
<14> 記録媒体上に、<1>〜<10>のいずれか1項に記載のインク組成物により形成された画像、又は、<11>から<13>のいずれか1項に記載の画像形成方法によって記録された画像を有する印画物。
更に、本発明によれば、硬化性及び耐水性に優れた画像を高い生産性で形成しうる画像形成方法、及び、耐水性及び記録媒体との密着性に優れた画像を有する印画物を提供することができる。
なお、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、本発明のインク組成物において固形分量とは、25℃においてインク組成物中に含まれる成分のうち、溶剤を除く全ての成分のインク組成物全体の質量に対する比率を意味する。固形分は液状の成分も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明のインク組成物は、少なくとも、下記一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物、光重合開始剤、及び水を含有するインク組成物である。
即ち、特定高分子化合物は、側鎖に一般式(1)で表される部分構造を複数有することで、側鎖に存在する重合性、架橋性に寄与する部分構造の運動性の高くなるため、架橋効率が向上するものと考えられる。この結果、硬化性等の効果が向上すると推察される。さらに、一般式(1)で表される部分構造は、疎水的な重合性部位を有することから加水分解耐性を発現し、本発明のインク組成物により得られたインク画像は、耐水性に優れたものとなると推察される。尚、上記メカニズムは推察であり、本発明は上記メカニズムに限定されるものではない。
本発明のインク組成物は、一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物(以下、適宜、「特定高分子化合物」と称する。)を含有する。
一般式(2)中、Lは、メチレン基、フェニレン基、−COO−、又は−CONH−を表し、フェニレン基、又は−COO−が好ましい。
これらの中でも、Jとしては、炭素数1〜6のアルキレン基、アルキル鎖中にエーテル結合、ウレタン結合又はウレイレン結合を含む炭素数1〜6のアルキレン基、及び、これらのアルキレン基が、メチル基、エチル基、ブチル基又は水酸基により置換された置換体からなる群から選択される基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基、アルキル鎖中にエーテル結合又はウレタン結合を含む炭素数1〜4のアルキレン基、及び、これらのアルキレン基が水酸基により置換された置換体からなる群から選択される基がより好ましい。
一般式(2)中、n2は0から2の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
特定高分子化合物が有する親水性基としては、特定高分子化合物の親水性を高める機能を有する基であれば特に限定されず、ノニオン性親水性基であってもよいし、イオン性親水性基(例えば、アニオン性親水性基又はカチオン性親水性基)であってもよい。
特定高分子化合物に導入しうる親水性基について説明する。
特定高分子化合物に導入しうる親水性基としては、ノニオン性親水性基及びイオン性親水性が好適に挙げられる。
特に、特定高分子化合物が親水性基を有する態様としては、前記一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位が、前記一般式(2)で表される繰り返し単位であり、更に、親水性基を有する繰り返し単位を共重合成分として含む態様であることが好ましい。
一般式(3)中、Rcyは、水素原子又はメチル基を表す。
Ryが、アルキレン基、アリーレン基、及びアラルキレン基からなる群から選ばれる基である場合、これらの基は、更に置換基を有していても、置換基を有していなくてもよい。また、Ryで表されるアルキレン基、アリーレン基、及びアラルキレン基は、その構造中に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はウレタン結合が存在していてもよい。
一般式(3)において、Ryは、単結合であることが好ましい。
Ryで表されるアルキレン基の具体例としては、−CH2−、−C2H4−、−C(CH3)2−CH2−、−CH2C(CH3)2CH2−、−C6H12−、−C4H7(C4H9)C4H8−、C18H36−、1,4−trans−シクロヘキシレン基、−C2H4−OCO−C2H4−、−C2H4−OCO−、−C2H4−O−C5H10−、−CH2−O−C5H9(C5H11)−、−C2H4−CONH−C2H4−、−C4H8−OCONH−C6H12−、−CH2−OCONHC10H20−、−CH2CH(OH)CH2−、等が挙げられる。
一般式(3)における親水性基Aがイオン性親水性基である場合、一般式(3)で表される繰り返し単位は、特定高分子化合物中、5〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
一般式(3)における親水性基Aがノニオン性親水性基である場合、一般式(3)で表される繰り返し単位は、特定高分子化合物中、20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%が更に好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。
なお、他の繰り返し単位を形成するモノマーとしては、上記以外の公知のモノマーを、必要に応じて使用することもできる。
具体的には、例えば、特開昭52−988号公報、特開昭55−154970号公報、Langmuir 18巻14号5414〜5421頁(2002年)等に記載の重合方法準じた方法で、特定高分子化合物を製造することができる。
本発明のインク組成物は、光重合開始剤を含有する。
本発明に使用される光重合開始剤は水溶性であることが好ましい。光重合開始剤の水溶性の程度としては、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することが好ましく、1質量%以上溶解することが好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。また、光重合開始剤としては、非水溶性の光重合開始剤を分散した光重合開始剤も用いることができる。
光重合開始剤としては市販品を用いてもよく、市販品で入手可能な光重合開始剤としては、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル]−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンのような水溶性の光重合開始剤や、[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド]の水分散物のような疎水性光重合開始剤を用いることができる。これらの他、特開2006−117795号公報の段落番号〔0069〕から〔0075〕に記載の水溶性の光重合開始剤も好ましく使用することができる。
本発明のインク組成物は、主たる溶媒として、水を含有する。
水としては、不純物を含まないイオン交換水、蒸留水などを用いることが好ましい。
本発明のインク組成物は、色材を含有してもよい。本発明のインク組成物は、色材を含有することで、着色インク組成物となる。
色材としては公知の染料及び顔料を用いることができる。
染料としては、水溶性染料や分散染料を用いることができる。
色材の中でも画像の耐候性の観点から、顔料が好ましく用いられる。
色材として顔料が用いられる場合、顔料は、インク組成物中に、顔料分散物として含有されることが好ましい。顔料分散物としては、顔料を顔料分散剤で分散したものの他、自己分散顔料も用いることができる。
本発明のインク組成物における色材として好適に用いられる顔料について、詳細に説明する。
顔料としては、一般に用いられる有機顔料、無機顔料、さらには、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。通常、市販されている顔料はいずれも使用でき、さらに、市販の顔料分散体や表面処理剤などで予め処理された顔料、例えば、顔料を分散媒としての不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらのうち、本発明で好ましく使用できる顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド(以下、PRと略称する)1、PR2、PR3、PR4、PR5、PR6、PR21、PR38、PR42、PR46、PR53:1、PR57:1、PR52:1、PR46、PR48、PR81、PR83、PR88、PR144、PR149、PR166、PR179、PR178、PR190、PR224、PR123、PR224、PR19、PR122、PR202、PR207、PR209、PR180、PR83、PR170、PR171、PR172、PR174、PR175、PR176、PR177、PR179、PR185、PR194、PR208、PR214、PR220、PR221、PR242、PR247、PR254、PR255、PR256、PR262、PR268、PR264、PR269、PR272、PR282、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。中でもキナクリドン顔料が好ましく、PR42、PR122、PR202、PR209、PR282、C.I.ピグメントバイオレット19が好ましい。
オレンジ色を呈する顔料としては、例えば、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、Β-ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、イソインドリノン顔料、ペリノン顔料、ジスアゾ顔料、キナクリドン顔料、アセトロン顔料、ピラゾロン顔料などが挙げられる。本発明で好ましく使用できる顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ(以下、POと略称する)2、PO3、PO4、PO5、PO13、PO15、PO16、PO22、PO24、PO34、PO36、PO38、PO43、PO48、PO49、PO51、PO55、PO60、PO61、PO62、PO64、PO66、PO72、PO74等が挙げられる。
紫色を呈する顔料としては、例えばナフトロン顔料、ペリレン顔料、ナフトールAS顔料、ジオキサジン顔料等が挙げられる。本発明で好ましく使用できる顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット(以下、PVと略称する)13、PV17、PV23、PV29、PV32、PV37、PV50等が挙げられる。
白色を呈する顔料としては、例えば、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)、有機中空微粒子、白色有機顔料などが利用可能である。白色顔料に使用される無機粒子は単体でも良いし、例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。
色材として顔料を用いる場合には、顔料粒子を調製する際に、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。
本発明に用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
本発明のインク組成物には、必須成分である(a)特定高分子化合物、(b)水、(c)光重合開始剤、及び任意に含有される(d)色材に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、公知の添加剤を併用することができる。以下、インク組成物に使用しうる添加剤について説明する。
本発明のインク組成物には、前記特定高分子化合物とは構造の異なる重合性化合物を含有してもよい。重合性化合物を含有することで、インク組成物の硬化性や吐出性が一層向上する。
ラジカル重合性化合物としては、以下に示す如き、ラジカル重合性単官能モノマー、ラジカル重合性多官能モノマー、ラジカル重合性オリゴマー、高分子の重合性化合物が挙げられる。
本発明のインク組成物は、主たる溶剤として水を含有するが、目的に応じて、溶剤中に、さらに、水溶性有機溶剤を併用することが好ましい。
ここで水溶性有機溶剤とは、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上である有機溶剤をいう。
・アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、
・多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−メチルプロパンジオール等)
・アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)
・複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレンウレア等)
・スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)
・スルホン類(例えば、スルホラン等)
・その他(尿素、アセトニトリル、アセトン等)
複素環類としては、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンウレア等が好ましく、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。特に沸点の高い溶剤は好ましく用いることができ、常圧での沸点が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。
好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
本発明にはポリアルキルシロキサンを有するシリコーン系界面活性剤や、フッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いることができる。
本発明のインク組成物には、特定高分子化合物とは構造の異なる水性ポリマーを添加することができる。
水性ポリマーの好ましい例としては、ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセルロース誘導体や、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
本発明においては、公知の増感色素を併用することができ、増感色素を併用することが好ましい。
本発明に適用される増感色素としては、蒸留水に対して、室温において、0.5質量%以上の溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましく。3質量%以上溶解するものが特に好ましい。
また、増感度色素としては、非水溶性の重合開始剤を分散した光重合開始剤も用いることができる。
本発明のインク組成物の調製方法としては、特に制限はなく、各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミル、ディスパーなどの簡単な分散機により撹拌、混合し、分散させることにより調製することができる。各成分の添加順序については任意である。好ましくは、アゾ顔料、高分子分散剤及び有機溶剤をプレミックスした後に分散処理し、得られた分散物を樹脂と有機溶剤とともに混合する。この場合、添加時や添加後、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザーなどの簡単な撹拌機にて均一に混合する。ラインミキサーなどの混合機を用いて混合してもよい。また、分散粒子をより微細化するために、ビーズミルや高圧噴射ミルなどの分散機を用いて混合してもよい。また、顔料や高分子分散剤の種類によっては、顔料分散前のプレミックス時に樹脂を添加するようにしてもよい。
特定高分子化合物を含有する本発明のインク組成物は、高pHに調製されて場合においても優れた保存安定性を発揮することができる。
本発明の画像形成方法は、本発明のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、前記付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程とを含むことを特徴とする。これらの工程を行うことで、記録媒体上に定着したインク組成物による画像が形成される。
以下、本発明の画像形成方法における、インク付与工程について説明する。
本発明におけるインク付与工程は、本発明のインク組成物を記録媒体上に付与する工程であれば限定されない。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi(dot per inch)、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
以下、本発明の画像形成方法における、照射工程について説明する。
本発明における照射工程は、前記記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程であれば限定されない。
本発明のインク組成物に活性エネルギー線を照射することで、光重合開始剤からラジカルが発生し、特定高分子化合物における一般式(1)で表される部分構造が有するビニル基や、任意成分として含有される重合性化合物が有するエチレン性不飽和結合部位の重合が進行し、インクを硬化させ、印画物の耐水性等を向上させることが可能となる。
照射条件及び基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている照射条件及び照射方法を本発明においても同様に適用することができる。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査する方式や、駆動を伴わない別光源によって行われ、駆動を伴わない別光源によって行われる方式が好ましい。活性エネルギー線の照射は、インク着弾、熱定着後、一定時間(例えば、0.01秒間〜120秒間、好ましくは、0.01秒間〜60秒間をおいて行われることになる。
本発明の画像形成方法は、インク付与工程後であって照射工程前に、更に加熱乾燥工程を有することが好ましい。
乾燥工程においては、記録媒体上に付与されたインク組成物中に含有される(c)水及び/又は(f)水溶性有機溶剤を加熱により除去して乾燥させる。
乾燥工程において、記録媒体上に吐出されたインク組成物は、加熱手段により、水及び必要に応じて併用される水溶性有機溶剤が蒸発されることにより除去され、加熱乾燥され、定着されることが好ましい。
加熱手段としては、水及び必要に応じて併用される水溶性有機溶剤を乾燥させることができればよく、限定されないが、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブン、ヒート版加熱などを使用することができる。
加熱温度は、40℃以上が好ましく、40℃〜150℃程度がより好ましく、40℃〜80℃程度が更に好ましい。なお、乾燥/加熱時間は、用いるインク組成物の組成・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
本発明の印画物は、本発明の画像形成方法によって記録されたことを特徴とする。本発明の印画物は、本発明の画像形成方法によって記録された印画物であることから、記録された画像の耐水性及び記録媒体との密着性に優れた印画物となる。
<ポリマー分散剤E−1の合成>
撹拌機、冷却管を備えた500mlの三口フラスコにメチルエチルケトン44gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン25gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.43g、ベンジルメタクリレート30g、メタクリル酸5g、及びメチルメタクリレート15gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させた後、メチルエチルケトン1gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.21gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤E−1を43g得た。尚、本実施例で使用した試薬は特に記載がないものは和光純薬株式会社製の試薬を用いた。
得られたポリマー分散剤E−1の組成は、1H−NMRで確認し、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は42000であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.4mgKOH/gであった。
C.I.ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化(株)製)10部と、上記ポリマー分散剤E−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて4時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、樹脂被覆されたシアン顔料の分散物である色材分散物Aを得た(顔料濃度:10.2質量%)。
<特定高分子化合物P−1の合成>
撹拌機、冷却管を備えた200mlの三口フラスコに重量平均分子量5000のポリアクリル酸20gを、N−メチルピロリドン100gに溶解後、炭酸カリウム32.1gを加えて50℃に加熱した。ここにクロロメチルスチレン28.0g(m体、p体混合物、商品名:CMS−P、AGCセイミケミカル株式会社製)を加え、5時間撹拌した。得られたポリマーをヘキサン2000g、イソプロピルアルコール400gの混合溶液に2回再沈殿し、ポリマーを乾燥することで、特定高分子化合物P−1を30.2g得た。
得られた特定高分子化合物P−1について、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は5500であり、1H NMRで算出した組成比は、a/b=75/25質量%であった。
撹拌機、冷却管を備えた窒素置換した200mlの三口フラスコにイソプロピルアルコール10gを入れ、窒素気流下70℃に加熱した。10分間の加熱後、メチルメタクリレート20g、メタクリル酸45.5g、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)0.81g、2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリル0.3g、イソプロピルアルコール80gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後1時間撹拌し、2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリルを0.2g加え、さらに2時間反応後、ポリマー溶液にアセトン50gを加えた。得られたポリマー溶液を5Lのヘキサン中に再沈殿し、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を得た。得られたメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体20gを、N−メチルピロリドン100gに溶解後、炭酸カリウム15.1gを加えて50℃に加熱した。ここにクロロメチルスチレン16.6g(m体、p体混合物、商品名CMS−P、AGCセイミケミカル株式会社製)を加え、5時間撹拌した。得られたポリマーをヘキサン2000g、イソプロピルアルコール400gの混合溶液に2回再沈殿し、ポリマーを乾燥することで、特定高分子化合物P−2を30.2g得た。
得られた特定高分子化合物P−2について、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は24500であり、1H NMRで算出した組成比はa/b/c=21/43/46質量%であった。
撹拌機、冷却管を備えた200mlの三口フラスコに重量平均分子量5000のポリアクリル酸10g、イソプロピルアルコール100gを加え、50℃で加熱溶解した。この溶液に、水酸化ナトリウム4.6g加えた後、ビニルベンジルグリシジルエーテル(商品名:VBGE、AGCセイミケミカル社製)15.5gを加え60℃で4時間撹拌した。得られた反応溶液を2000gのヘキサンに2回再沈殿し、ポリマーを乾燥することで、特定高分子化合物P−3を23g得た。
得られた特定高分子化合物P−3について、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は6100であり、1H NMRで算出した組成比はa/b=68/32質量%であった。
撹拌機、冷却管を備えた窒素置換した200mlの三口フラスコにイソプロピルアルコール10gを入れ、窒素気流下70℃に加熱した。10分間の加熱後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36g、メタクリル酸64g、ドデシルメルカプタン(和光純薬工業株式会社製)1.55g、2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリル0.38g、イソプロピルアルコール150gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後1時間撹拌し、2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリルを0.2g加え、さらに2時間反応後、ポリマー溶液にアセトン200gを加えた。得られたポリマー溶液を10Lのヘキサン中に再沈殿し、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を得た。 撹拌機、冷却管を備えた200mlの三口フラスコに2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体20g、イソプロピルアルコール100gを加え、50℃で加熱溶解した。この溶液に、水酸化ナトリウム5.9g加えた後、ビニルベンジルグリシジルエーテル12.5gを加え60℃で4時間撹拌した。得られた反応溶液を2000gのヘキサンに2回再沈殿し、ポリマーを乾燥することで、特定高分子化合物P−4を22g得た。
得られた特定高分子化合物P−4について、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は14300であり、1H NMRで算出した組成比はa/b/c=50/20/20質量%であった。
特定高分子化合物P−3の合成を応用して、比較高分子化合物B−1を次の如く合成した。即ち、アクリロイル基の導入には、特定高分子化合物P−3の合成に用いたビニルベンジルグリシジルエーテルに代えて、4−ヒドロキブチルアクリレートグリシジルエーテル(商品名:4HBAGE、日本化成株式会社製)を用いた。
得られた比較高分子化合物B−1について、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は6300であり、1H NMRで算出した組成比はa/b=26/74質量%であった。
・(a)特定高分子化合物:特定高分子化合物P−1、P−2、P−3、及びP−4(前掲した構造を有する化合物)
・比較用高分子化合物:比較用高分子化合物B−1(前掲した構造を有する化合物)
・(b)光重合開始剤:イルガキュア 2959(商品名、BASF・ジャパン社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)
・(c)水:蒸留水
・(d)色材: C分散物
・(e)重合性化合物:メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)
・(f)水溶性有機溶剤:2−ピロリドン(和光純薬株式会社製)
・(g)界面活性剤:ZONYL FNS(登録商標、フッ素系界面活性剤、アルドリッチジャパン社製)
<インク組成物の調製>
下記表1に示す組成の各成分を、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて撹拌して、粗インク組成物をそれぞれ調製した。得られた各粗インク組成物は、プラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の孔径5μmフィルタ(ミリポア社製のMillex−SV、直径25mm)にて濾過して完成品である実施例1〜7及び比較例1のインク組成物を得た。
なお、表1中、水についての欄は、インク組成物の調製において添加した水の量を左欄に示し、調製されたインク組成物中に含有される水の総含有量を右欄に示した。
実施例1〜7で得られたインク組成物の表面張力を、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、25℃の条件下で測定したところ、実施例1〜7のインク組成物の表面張力は、いずれも22.0mN/m〜27.0mN/mの範囲内であった。
また、得られたインク組成物のpHは、いずれも7.5〜9.1の範囲内であった。
得られた実施例及び比較例の各インク組成物を、RK PRINT COAT INSTRUMENTS社製 Kハンドコーター KハンドコーターのNo.2バーを用いて、8cm四方の塩化ビニルシート(エイブリィ・デニソン社製、AVERY 400 GLOSS WHITE PERMANENT)に12μmの厚みで塗布した後、60℃で3分間水分を乾燥して塗膜を得た。
得られた塗膜を用いて、以下に示す硬化性及び耐水性の評価を行った。
更に、得られた実施例及び比較例の各インク組成物を用いて、以下に示す保存安定性、吐出性の評価を行った。
上記にて得られた塗膜を、低圧水銀灯で700mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、硬化膜を得た。露光後の硬化膜について、膜表面のべたつきを触診にて評価した。べたつきが残る場合は、べたつきが無くなるまで露光を繰り返し、べたつきがなくなるまでの露光量により硬化性を評価した。評価結果を表1に示す。
−評価基準−
A:1回の露光でべたつきが無くなる。
B:2〜3回の露光でべたつきが無くなる。
C:4〜5回の露光でべたつきが無くなる。
D:6回以上露光してもべたつきが無くならない。
なお、評価ランクA及びBが、実用上問題のないレベルである。
上記にて得られた塗膜を、低圧水銀灯で1500mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、平均膜厚2μmのベタ画像を有する印画物を得た。得られた印画物の表面を水を含浸した綿棒にてこすり、画像の濃度を目視で確認し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
−評価基準−
A:20回以上こすっても、画像に変化が認められなかった。
B:10〜19回のこすりで、画像の濃度が低下した。
C:2〜9回のこすりで、画像の濃度が低下した。
D:1回こすっただけで、画像の濃度が著しく低下した。
なお、評価ランクA〜Bが、実用上問題のないレベルである。
得られた実施例及び比較例の各インク組成物を、60℃の条件で72時間加温した。
加熱後の各インク組成物を用いて、前記「(1)硬化性評価」と同様の評価方法及び評価基準により硬化性評価を行うことで、インクの保存安定性を評価した。なお、加水分解等により重合性基が分解する化合物では、硬化性が低下する。評価結果を表1に示す。
インクジェット記録装置として、市販のインクジェットプリンタ(ローランド ディー.ジー.社製SP−300V)を用意した。得られた各インク組成物を該インクジェットプリンタに装填し、塩化ビニルシート(エイブリィ・デニソン社製、AVERY 400 GLOSS WHITE PERMANENT)にヘッドから、30分間吐出し、ベタ画像及び細線を記録した。吐出停止後、得られた画像を5分間放置した。その後、再び、ベタ画像及び細線を記録して得られた画像(5cm×5cm)を観察した。観察した画像を下記の評価基準に従って目視により評価した。評価結果を表1に示す。
−評価基準−
A:抜けの発生等によるドット欠けの発生が認められず、良好な画像が得られた。
B:抜けの発生等によるドット欠けの発生がわずかに認められたが、実用上支障を来さない程度であった。
C:抜けの発生等によるドット欠けの発生があり、実用に耐えない画像であった。
なお、評価ランクA及びBが実用上問題のないレベルである。
さらに、実施例5のインク組成物の如く重合性化合物が併用された場合においても、高い硬化性が得られた。
一方、比較用高分子化合物B−1を含有する比較例1のインク組成物は、耐水性に劣り、また、高温条件で保管した後において硬化性が低下し、保存安定性についても劣るものであった。また、比較例1のインク組成物は、インクジェット記録用に適用した場合における吐出性についても劣るものであった。
Claims (14)
- 少なくとも、(a)下記一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)水を含有するインク組成物。
(一般式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、n1は0から2の整数を表す。*は隣接する部位との連結位置を表す。) - 前記(a)一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物が、親水性基を更に含む請求項1に記載のインク組成物。
- 前記(a)一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物の重量平均分子量が、3000〜60000の範囲である請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
- 前記(a)一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物が、アルコール性水酸基、アルキル置換カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1つの親水性基を含む繰り返し単位を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 更に、(d)色材を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記水の含有量が、インク組成物の全質量に対し、10質量%〜80質量%の範囲である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(a)一般式(1)で表される部分構造を含む繰り返し単位を有する高分子化合物が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
(一般式(2)中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、Lは、メチレン基、フェニレン基、−COO−、又は−CONH−を表す。Jは、単結合又は炭素数1から8のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、ウレイレン結合、又は4級アンモニウム基をアルキル鎖中に含んでいてもよく、炭素数1から4のアルキル基又は水酸基で置換されていてもよい。R3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。n2は0から2の整数を表す。) - 更に、(e)重合性化合物を含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 更に、(f)水溶性有機溶剤を含有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与された前記インク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む画像形成方法。
- 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与されたインク組成物中に含有される(c)水及び/又は(f)水溶性有機溶剤を加熱により除去して乾燥させる加熱乾燥工程と、前記インク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む請求項11に記載の画像形成方法。
- 前記インク付与工程が、インクジェット法により前記インク組成物を記録媒体上に付与する工程である請求項11または請求項12に記載の画像形成方法。
- 記録媒体上に、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物により形成された画像、又は、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の画像形成方法によって記録された画像を有する印画物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011179984A JP5749119B2 (ja) | 2011-08-19 | 2011-08-19 | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011179984A JP5749119B2 (ja) | 2011-08-19 | 2011-08-19 | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013040314A true JP2013040314A (ja) | 2013-02-28 |
JP5749119B2 JP5749119B2 (ja) | 2015-07-15 |
Family
ID=47888993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011179984A Expired - Fee Related JP5749119B2 (ja) | 2011-08-19 | 2011-08-19 | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5749119B2 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09222730A (ja) * | 1996-02-16 | 1997-08-26 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 水現像性感光性樹脂組成物 |
JPH11269416A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-10-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット式製版用油性インクおよびインクジェット式印刷版の作成方法 |
JP2003192728A (ja) * | 2001-04-26 | 2003-07-09 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 第3級水酸基を有するビニル重合性モノマー |
JP2003320747A (ja) * | 2002-05-02 | 2003-11-11 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録用シート |
JP2007002018A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Fujifilm Holdings Corp | インク組成物、それを用いた画像形成方法、及び記録物 |
JP2007246787A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Seiko Epson Corp | カプセル化物 |
JP2008189773A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Soken Chem & Eng Co Ltd | 架橋性高分子化合物およびこれを含有する感光性樹脂組成物 |
JP2011046871A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Fujifilm Corp | インクセット及び画像形成方法 |
-
2011
- 2011-08-19 JP JP2011179984A patent/JP5749119B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09222730A (ja) * | 1996-02-16 | 1997-08-26 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 水現像性感光性樹脂組成物 |
JPH11269416A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-10-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット式製版用油性インクおよびインクジェット式印刷版の作成方法 |
JP2003192728A (ja) * | 2001-04-26 | 2003-07-09 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 第3級水酸基を有するビニル重合性モノマー |
JP2003320747A (ja) * | 2002-05-02 | 2003-11-11 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録用シート |
JP2007002018A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Fujifilm Holdings Corp | インク組成物、それを用いた画像形成方法、及び記録物 |
JP2007246787A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Seiko Epson Corp | カプセル化物 |
JP2008189773A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Soken Chem & Eng Co Ltd | 架橋性高分子化合物およびこれを含有する感光性樹脂組成物 |
JP2011046871A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Fujifilm Corp | インクセット及び画像形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5749119B2 (ja) | 2015-07-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5680353B2 (ja) | 水性インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット印画物 | |
JP5295284B2 (ja) | インク組成物及び画像形成方法。 | |
JP5808684B2 (ja) | 水性インク組成物及び画像形成方法 | |
JP5762172B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5883144B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法、印画物、およびグラフト共重合体 | |
JP5611870B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5579887B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5901335B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及びそれを用いた印画物。 | |
JP5844238B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5749119B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 | |
JP5908820B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP2012144644A (ja) | インク組成物及び画像形成方法 | |
JP2014198747A (ja) | インク組成物、画像記録方法及び印画物 | |
JP5591770B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 | |
JP5587231B2 (ja) | インク組成物及び画像形成方法。 | |
JP5714473B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5579769B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5579768B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP2014058608A (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP2013023588A (ja) | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150414 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150513 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5749119 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |