JP5901335B2 - インク組成物、画像形成方法及びそれを用いた印画物。 - Google Patents

インク組成物、画像形成方法及びそれを用いた印画物。 Download PDF

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Description

本発明は、インク組成物、画像形成方法及びそれを用いた印画物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ必要とされる画像部のみにインクを吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安いという利点を有し、さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式による画像の記録に用いられるインク組成物のなかでも、ラテックスを用いた水性インクは、画像の印刷のみならず、記録媒体に印刷適性を付与するための前処理、印刷された画像の保護・装飾を行う後処理などに好適に使用でき、また、水を主成分とすることから安全性に優れ、低粘度化によって高密度インクジェット記録への適用が可能になるなど、多くの優れた特徴、可能性を有する技術である。
ラテックスを含む水性のインクの基本構成材料の一例として、例えば、水、粒径が200nm程度のアクリル系ポリマーラテックス、水溶性有機溶剤、顔料分散物、界面活性剤を含有し、乾燥後のインク耐性や吐出性に優れるとされるインク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特表2011−507991号公報。
しかしながら、上記ラテックスを用いたインク組成物は、乾燥時の粘度上昇が十分でなく、印字物のにじみにはなお改善の余地があり、また、インク組成物の乾燥を低温で行った場合には、画像強度や形成された画像の光沢が不十分であるという問題があった。
上記従来技術の問題点を考慮してなされた本発明の課題は、インクジェット法により画像を記録する際の、にじみが抑制され、低温で乾燥した場合においても、堅牢性と光沢性に優れ、様々な基材に対する密着性が良好な画像を形成しうるインク組成物を提供することである。
また、本発明のさらなる課題は、前記本発明のインク組成物を用いた、堅牢性と光沢性に優れ、様々な基材に対する密着性が良好な画像を形成しうる画像形成方法及び本発明のインク組成物或いは本発明の画像形成方法により得られた印画物を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (a)総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位及び(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体、及び(b)水を含む水性媒体を含有するインクジェット用インク組成物。
前記総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位としては、総炭素数が7から20のアルキル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位であることが好ましい。
<2> 前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、少なくとも一部が中和された中和物であり、中和度が40%〜100%である、<1>に記載のインクジェット用インク組成物。
<3> 前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体の未中和状態におけるSP値が18.5MPa1/2〜20.5MPa1/2である、<1>又は<2>に記載のインクジェット用インク組成物。
<4> インク組成物における前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体の添加率が5質量%〜15質量%である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
<5> 前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体が、総炭素数7から炭素数20のアルキルメタクリレートに由来する繰り返し単位及びメタクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含む共重合体である、<1>〜<>のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
<6> 前記(b)水を含む水性媒体が、(c)水溶性有機溶剤を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
<7> さらに、(d)着色剤を含む、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
<8> <1>〜<7>のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程を含む、画像形成方法。
<9> <1>〜<7>のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与されたインク組成物に含まれる(b)水を含む水性媒体の少なくとも一部を乾燥して除去するインク乾燥工程を含む、画像形成方法。
<10> 前記インク乾燥工程が、55℃以下の雰囲気下で行われる、<9>に記載の画像形成方法。
<11> 画像記録媒体上に、<1>〜<7>のいずれか1項に記載のインク組成物により形成された画像を有する印画物。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明によれば、インクジェット法により画像を記録する際の、にじみが抑制され、低温で乾燥した場合においても、堅牢性と光沢性に優れ、様々な基材に対する密着性が良好な画像を形成しうるインク組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、堅牢性と光沢性に優れ、様々な基材に対する密着性が良好な画像を形成しうる画像形成方法及び堅牢性と光沢性に優れ、様々な基材に対する密着性が良好な画像を有する印画物を提供することができる。
<インクジェット用インク組成物>
本発明のインクジェット用インク組成物は、(a)総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位と、を含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体〔以下、適宜、(a)特定共重合体と称する〕の好ましい態様である総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体、及び(b)水を含む水性媒体を含有する、水性のインク組成物である。
本発明の作用機構は明らかではないが、発明者らは以下のように推察する。
本発明のインク組成物は、(a)特定共重合体を含有するが、該(a)特定共重合体は、親水性の繰り返し単位と、疎水性の繰り返し単位とがバランス良く含まれ、特定の酸価を有することから、(b)水を含む水性媒体中では溶解された状態で存在するが、インクジェットノズルにより打滴された微細のインク組成物が基材上で乾燥する際には、水性媒体の減少に伴って速やかに粘度が上昇するため、隣接して打滴されたインクとの混合がし難くなり、インク滴が混合することに起因するにじみを効果的に抑制するものと考えられる。また、インク組成物に含まれる、水及び所望により(c)水溶性有機溶剤を含む(b)水性媒体が揮発して減少する以前には、(a)特定共重合体はインク組成物中に溶解しているため、(b)水性媒体の乾燥後に形成される画像において、ラテックス等の樹脂微粒子を含有するインク組成物と比較して表面が平滑な乾燥膜を与える。このため、画像の光沢性に優れるものと考えられる。さらに、本発明に係る(a)特定共重合体は、適切な酸価を有し、且つ、疎水性の繰り返し単位を含むため、インク組成物中、即ち充分な量の(b)水性媒体中では溶解して存在するが、乾燥後の塗膜では疎水性セグメントが水への溶解を妨げ、耐水性が発現することから堅牢性に優れた画像が形成されるものと思われる。また、画像形成に際して硬化反応を用いないことから形成された画像の残留応力が小さく、また、硬化反応に伴う体積収縮に起因する密着性低下などの懸念がないために、基材への密着性にも優れるものと考えられる。
<(a)総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位と、を含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体>
本発明のインク組成物には、少なくとも、(a)総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位と、を含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体〔(a)特定共重合体〕の好ましい態様である総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む。
本発明における(a)特定共重合体は、インク組成物に含まれる(b)水性媒体に10%以上実質的に溶解する共重合体であることが好ましい。ここで(b)水性媒体は少なくとも水を含有し、所望により、さらに(c)水溶性有機溶剤を含有する。
なお、「(b)水性媒体に10質量%以上実質的に溶解する共重合体である」とは、インク組成物に使用される(b)水性媒体に、該(a)特定共重合体を10質量%添加して溶解させた溶液に対し、動的光散乱法により粒径測定を行ったとき、体積平均粒径が10nm以上の粒子が観察されない共重合体を指すものである。
本発明に用いられる(a)特定共重合体は、(a−1)炭素数7から炭素数22のアルキル(メタ)アクリレートと、(a−2)(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位と、を必須成分として含む共重合体であり、さらに、所望により、(a−3)他の任意のエチレン性不飽和モノマーを含む共重合成分として含んでもよい。本発明のインク組成物は、(a)特定共重合体の好ましい態様である総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含有する。
〔(a−2)(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位〕
本発明に係る(a)特定共重合体に用いられる「(a−2)(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位〔以下、適宜、繰り返し単位(a−2)と称する〕」は、(a)特定共重合体に水溶性を発現させる目的で含まれる繰り返し単位であり、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位とは、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの中和物から選ばれる1種以上に由来する繰り返し単位である。ここで、「中和物」とは、(メタ)アクリル酸におけるカルボキシ基が塩基によって中和されたものを指す。
後述する繰り返し単位(a−2)の導入量によって決定される(a)特定共重合体の酸価は、1.3mmol/g以上2.0mmol/g以下であり、1.35mmol/g以上1.95mmol/g以下であることがより好ましく、1.45mmol/g以上1.95mmol/g以下であることが特に好ましい。(a)特定共重合体の酸価が上記範囲にあることで、(a)特定共重合体はインク組成物中で安定に溶解して存在することになる。
なお、ここでいう酸価は、(a)特定共重合体における(メタ)アクリル酸が未中和状態である場合の酸価であり、(a)特定共重合体1gあたりのカルボキシ基のmolを示す。酸価の測定は、例えば自動滴定装置(例えば株式会社三菱化学アナリテック製GT−100)を用い、0.1mmol/L 水酸化カリウム水溶液による電位差滴定により行うことができる。
本発明のインク組成物においては、(a)特定共重合体の(b)水性媒体中における溶解性向上のため、繰り返し単位(a−2)を構成する(メタ)アクリル酸モノマーのうち、40%から100%が中和されていること、即ち、中和度が40%から100%であることが好ましく、繰り返し単位(a−2)を構成する(メタ)アクリル酸のうち、45%から90%が中和されていることが好ましい。即ち、繰り返し単位(a−2)として、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸中和物由来の繰り返し単位とを含み、中和物由来の繰り返し単位の含有量が上記範囲であることが、(a)特定共重合体の溶解性の観点から好ましい。
(メタ)アクリル酸を含む(a)特定共重合体を塩基により中和する方法としては、(a)特定共重合体を、水酸化ナトリウム水溶液や炭酸水素ナトリウム水溶液中で加熱撹拌する方法や、(a)特定共重合体の有機溶剤溶液と塩基性水溶液を混合撹拌する方法や、予め塩基により中和した(メタ)アクリル酸を他のモノマーと共重合し(a)特定共重合体の中和物を得る方法などが挙げられ、(a)特定共重合体中の(メタ)アクリル酸と中和塩基の当量比を制御することにより、中和度を制御することができる。
また、中和度の測定方法としては、インク組成物から(a)特定共重合体を再沈殿等の方法で分離し、これを塩酸等の強酸でカルボン酸の中和塩をカルボン酸に戻し、その後中和滴定により、過剰の強酸とカルボン酸の量を測定することにより測定する方法が挙げられる。
中和に用いる塩基には特に制限はなく、公知の無機塩基、有機塩基のいずれも使用することができる。
無機塩基としては、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を与える塩基が好ましく、特にアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩を与える無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
有機塩基としては、アンモニウム塩を与えるものが好ましく、例えば、アンモニアや、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンなどの有機アミン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリアルキルベンジルアンモニウムヒドロキシドのような4級アンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
(a)特定共重合体には、繰り返し単位(a−2)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。2種以上を含む場合には、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸中和物との組み合わせが好ましい。
(a)特定共重合体に含まれる繰り返し単位(a−2)の含有率は、(a)特定共重合体を上記好ましい酸価とする範囲であることが好ましく、より具体的には、(a)特定共重合体に含まれる全繰り返し単位に対して、9.3質量%〜17.2質量%が好ましく、10質量%から17質量%がより好ましく、12質量%から17質量%が特に好ましい。
〔(a−1)総炭素数7から2であり、且つ、直鎖状または分岐のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート〕
本発明に係る(a)特定共重合体は、「(a−1)総炭素数7から2であり、且つ、直鎖状または分岐のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート〔以下、適宜、繰り返し単位(a−1)と称する〕」を必須成分として含む。
繰り返し単位(a−1)では、総炭素数が7から22であるアルキル(メタ)アクリレート、即ち、(メタ)アクリレートのアルキルエステルであって総炭素数が7から22であり、且つ、直鎖状または分岐のアルキル基を有するのであれば、制限なく使用できる。
なかでも、水性媒体中への溶解性を高める観点から、総炭素数が7〜20のものが好ましく、7〜16のものがより好ましく、7〜12のものがさらに好ましい。即ち、アルキルアクリレートの場合には、炭素数4〜19のアルキル基を有するエステルであり、炭素数4〜13のアルキル基を有するエステルが好ましい。アルキルメタクリレートの場合には、炭素数3〜18のアルキル基を有するエステルであり、炭素数4〜18のアルキル基を有するエステルが好ましい。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖を有するものであってもよい。
本発明に係る(a)特定共重合体が含みうる繰り返し単位(a−1)としては、具体的には、例えば、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、なかでも、水溶解性を高める観点から、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどが好ましい。また、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートが耐水性を高める観点からより好ましい。
(a)特定共重合体には、繰り返し単位(a−1)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(a−1)総炭素数7から22であり、且つ、直鎖状または分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、共重合体の極性を低くしうるという観点から、(a)特定共重合体中、40質量%〜90.7質量%含まれることが好ましく、50質量%〜90.7質量%含まれることがより好ましい。本発明では、(a)特定共重合体として、(a−1)総炭素数が7から22であり、且つ、直鎖状または分岐のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位の含有量が、(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体に含まれる全繰り返し単位中56質量%〜90.7質量%であり、b)水を含む水性媒体に10質量%以上溶解する(a)特定共重合体を含有する。
本発明に係る(a)特定共重合体には、本発明の効果を損ねない範囲で、前記(a−1)総炭素数7から22のアルキル(メタ)アクリレート、及び(a−2)(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位に加え、前記繰り返し単位(a−1)及び繰り返し単位(a−2)とは構造の異なる(a−3)他のエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて含んでいてもよい。
本発明で用いることができる(a−3)他のエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を構成しうるモノマーとしては、例えば、スチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレンモノマー類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの繰り返し単位(a−1)を構成するモノマー以外のアルキル(メタ)アクリレート類、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−トリメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、p−スルファモイルフェニル(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類などが挙げられる。
本発明に係る(a)特定共重合体が含みうる(a−3)他の繰り返し単位としては、共重合体の耐水性を高めるという観点から、低極性モノマー由来の繰り返し単位であることが好ましい。例えば、スチレン類や繰り返し単位(a−1)を構成するモノマー以外のアルキル(メタ)アクリレート類のように疎水性のモノマー由来の繰り返し単位を含むことで形成された画像の耐水性が向上する。一方、水酸基を有する(メタ)アクリレートやアクリルアミド類のような高極性モノマー由来の繰り返し単位を含むことで共重合体の水性媒体への溶解性が良好になるといった利点を有するようになる。このように、(a−3)他の繰り返し単位は、(a)特定共重合体に所望の物性を与えるために使用されてもよく、また、単に、分子量などを調整するために併用されてもよい。
本発明に係る(a)特定共重合体が、(a−3)他の繰り返し単位を含む場合の含有量としては、0.1質量%〜50.7質量%の範囲が好ましく、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
即ち、本発明に係る(a)特定共重合体としては、繰り返し単位(a−1)と繰り返し単位(a−2)のみを含む態様が最も好ましく、本発明のインク組成物は、好ましい態様である繰り返し単位(a−1)と繰り返し単位(a−2)のみを含む(a)特定共重合体を含有する。(a)特定共重合体、繰り返し単位(a−1)と繰り返し単位(a−2)のみを含む態様の場合、(a)特定共重合体中、(a−1)を10質量%〜17質量%含有し、(a−2)を83質量%〜90質量%含有する組み合わせが好ましい。
本発明のインク組成物に含まれる(a)特定共重合体の重量平均分子量は10,000〜150,000の範囲であることが、耐水性の観点から好ましく、吐出性を高める観点から、20,000〜90,000の範囲であることがより好ましい。
なお前記重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、カラムオーブンの設定温度を40℃として測定した。分子量の算出には標準ポリスチレンを用いた。
以下に本発明に使用しうる(a)特定共重合体の具体例を、該(a)特定共重合体が含む繰り返し単位、その質量基準の含有率、及び重量平均分子量を記載することで示すが本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の、「SP」は共重合体のSP値を、「AV」は酸価を示し、それぞれ既述の測定方法により得た値を記載している。
なお、以下の具体例において、本発明のインク組成物が含有する、繰り返し単位(a−1)と繰り返し単位(a−2)のみを含む(a)特定共重合体は、(A−1)、(A−2)、(A−7)、(A−8)、及び(A−11)である。
(a)特定共重合体は、公知の重合法で合成することができ、なかでも、ラジカル重合法が様々なモノマーでの適用性に優れているため好ましい。ラジカル重合の方法としては特に限定なく、溶液重合の他、懸濁重合、分散重合なども用いることができ、例えば特開2006−83232号公報等に記載の方法に準じて合成することができる。(a)特定共重合体を中和する方法としては、(a)特定共重合体を塩基性の水性媒体で混合撹拌し溶解する方法、(a)特定共重合体の水溶性有機溶剤溶液を塩基性の水性媒体と混合撹拌する方法、(a)特定共重合体の非水性有機溶剤溶液を塩基性の水性媒体と混合し、非水性有機溶剤を揮発させ除去し(a)特定共重合体を得る方法、(メタ)アクリル酸の中和物を他のモノマーと重合する方法等が挙げられる。
本発明のインク組成物における(a)特定共重合体の含有率は、インク組成物の総量に対し、5質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜12質量%がより好ましく、7質量%〜12質量%が最も好ましい。含有率が上記範囲であることで、インクジェット吐出性とにじみの双方が良好となる傾向にある。
本発明に係る(a)特定共重合体は、SP値が18.5〜20.5MPa1/2であることが好ましく、18.8〜20.3がより好ましく、18.9〜20.1が特に好ましい。本発明でいうSP値とは沖津法(接着38巻6号6頁(1994年)高分子刊行会)によって算出される溶解性パラメータであり、分子構造中のユニット毎にモル引力定数、モル体積を与え得られる沖津により提唱された推算値を示す。なお、ポリマーのSP値を算出する際には、(メタ)アクリル酸におけるカルボン酸は未中和の状態で計算を行うものとする。
<(b)水を含む水性媒体>
本発明に係る(b)水性媒体は、主たる成分として水を含有する。なお、本発明における水性媒体とは、溶媒及び分散媒を包含する意味で用いられる。
水としては、不純物を含まないイオン交換水、蒸留水などを用いることが好ましい。
本発明のインク組成物における水の含有量は、10〜97質量%であることが好ましく、また、のインク組成物の場合には、30〜95質量%であることが好ましく、35〜93質量%であることがより好ましい。
((c)水溶性有機溶剤)
また、(b)水を含む水性媒体には、目的に応じて、(c)水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。
ここで水溶性有機溶剤とは、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上である有機溶剤をいう。
本発明に用いうる(d)水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤及びエーテル系溶剤が好ましく挙げられる。
本発明で用いることのできる水溶性有機溶剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・アルコール類(例えば、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、
・多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−メチルプロパンジオール等)、
・多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、
・アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル等)、
・複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン等)、
・スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、
・スルホン類(例えば、スルホラン等)、
・その他(尿素、アセトニトリル、アセトン等)
上記水溶性有機溶剤のうち、好ましい例としては、多価アルコールエーテル類、及び複素環類が挙げられ、これらを併用して使用することが好ましい。多価アルコールエーテル類では、いわゆるグリコールエーテル類が好ましく、具体的には、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましく、2−ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが更に好ましい。複素環類としては、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が好ましく、2−ピロリドンが特に好ましい。特に沸点の高い溶媒が好ましく用いられ、常圧での沸点が120℃以上の溶媒が好ましく、沸点が150℃以上である溶媒がさらに好ましい。
水溶性有機溶剤は、単独もしくは複数を併用しても良い。
水溶性有機溶剤をインク組成物における(b)水性媒体に添加する場合の添加率としては、総量で1質量%〜60質量%が好ましく、2質量%〜35質量%であることがより好ましい。
なお、水溶性有機溶剤の種類と含有率は、(a)特定共重合体との相関により選択されることが好ましい。(a)特定共重合体の水性媒体への溶解性や塩化ビニルシート等の非浸透性支持体への密着性を高める観点で、2−ピロリドンや、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の複素環化合物やアミド類を用いることが好ましい。複素環化合物やアミド類を用いることで(a)特定共重合体は水性媒体へ溶解性が高まるが、乾燥後はこれらの有機溶剤による溶解効果がなくなるため耐水性が発現するものと考えられる。これらのインク組成物中の含有率は5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。
また、吐出性を高める観点では(a)特定共重合体のSP値が18.5〜20.0の範囲である場合には、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルや、ジプロピレングリコールジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコール単位を有する多価アルコールエーテル類や1,2−ヘキサンジオールや2−メチル−1,3−プロパンジオール等の炭素数4以上の多価アルコールを用いることが好ましい。(a)特定共重合体のSP値が20.0〜20.5の場合は、エチレングリコールやプロピレングリコール単位を有する多価アルコールエーテル類や多価アルコールを用いることが好ましい。これらのインク組成物中の含有率は5質量%〜20質量%が好ましく、5質量%から15質量%がより好ましい。
水溶性有機溶剤として複数の種類の水溶性有機溶剤を用いることも好ましい、例えば前記の効果を具備するために、複素環化合物またはアミド類と、多価アルコールエーテル類または多価アルコールを併用することが好ましい。複素環化合物またはアミド類と、多価アルコールエーテル類または多価アルコールを併用する場合のインク組成物中の含有率は、水溶性有機溶剤の合計量が10質量%〜40質量%であることが好ましく、10質量%〜35質量%がより好ましい。
<(d)着色剤>
本発明のインク組成物は、(d)着色剤を含有してもよい。本発明のインク組成物は、さらに(d)着色剤を含有することで、着色インク組成物となる。
本発明に用いることができる着色剤には、特に制限はなく、顔料、水溶性染料、分散染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。このなかでも、着色剤としては、顔料及び水溶性染料から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
(顔料)
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられ、また、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料(例えば、顔料を分散媒として水、液状有機化合物や不溶性の樹脂等に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等)も挙げられる。なお、前記顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年、朝倉書店発行)、橋本勲著「有機顔料ハンドブック」(2006年、カラーオフィス発行)、W.Herbst, K.Hunger編「Industrial Organic Pigments」(1992年、Wiley−VHC発行)、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報、特開2009−235370号公報に記載のものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、緑色顔料、オレンジ顔料、茶色顔料、バイオレット顔料、黒色顔料、白色顔料などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、イエロー色を呈する顔料であり、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非ベンジジン系アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、酸性染料レーキ顔料、塩基性染料レーキ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料、ピラゾロン顔料、アセトロン顔料、金属錯塩顔料、ニトロソ顔料、金属錯体アゾメチン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料などが挙げられる。これらのうち、本発明で好ましく使用できる顔料として、例えば、C.I.ピグメントイエロー(以下、PYと略称する)1、PY3、PY12、PY13、PY14、PY16、PY17、PY18、PY24、PY60、PY74、PY83、PY93、PY94、PY95、PY97、PY100、PY109、PY110、PY115、PY117、PY120、PY128、PY138、PY139、PY150、PY151、PY153、PY154、PY155、PY166、PY167、PY173、PY175、PY180、PY181、PY185、PY194、PY213、PY214、PY219等が挙げられる。中でも、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アセトロン顔料等のベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料が好ましく、イソインドリン顔料が最も好ましい。
前記マゼンタ顔料は、赤あるいはマゼンタ色を呈する顔料であり、例えば、モノアゾ系顔料、β−ナフトール顔料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、酸性染料レーキ顔料、塩基性染料レーキ顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、アリザリンレーキ顔料、ナフトロン顔料、ナフトールAS系レーキ顔料、ナフトールAS顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
これらのうち、本発明で好ましく使用できる顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド(以下、PRと略称する)1、PR2、PR3、PR4、PR5、PR6、PR21、PR38、PR42、PR46、PR53:1、PR57:1、PR52:1、PR46、PR48、PR81、PR83、PR88、PR144、PR149、PR166、PR179、PR178、PR190、PR224、PR123、PR224、PR19、PR122、PR202、PR207、PR209、PR180、PR83、PR170、PR171、PR172、PR174、PR175、PR176、PR177、PR179、PR185、PR194、PR208、PR214、PR220、PR221、PR242、PR247、PR254、PR255、PR256、PR262、PR268、PR264、PR269、PR272、PR282、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。中でもキナクリドン顔料が好ましく、PR42、PR122、PR202、PR209、PR282、C.I.ピグメントバイオレット(以下、PVと略称する)19などの、無置換キナクリドン、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドン、およびこれらの混晶が好ましい。
前記シアン顔料は、青あるいはシアン色を呈する顔料であり、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン顔料、酸性染料レーキ顔料、塩基性染料レーキ顔料、アントラキノン系顔料、アルカリブルー顔料等が挙げられる。本発明で好ましく使用できる顔料としては、C.I.ピグメントブルー(以下、PBと略称する)1、PB15、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB16、PB18、PB24、PB25、PB60、PB79等が挙げられる。この中でも銅フタロシアニン顔料が好ましく、PB15、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6、が好ましい。
前記緑色顔料は、緑色を呈する顔料であり、フタロシアニン顔料や金属錯体顔料などが挙げられる。本発明で好ましく使用できる顔料としては、C.I.ピグメントグリーン(以下、PGと略称する)7、PG8、PG10、PG36などが挙げられる。
前記オレンジ顔料は、オレンジ色を呈する顔料であり、例えば、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、Β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、イソインドリノン顔料、ペリノン顔料、ジスアゾ顔料、キナクリドン顔料、アセトロン顔料、ピラゾロン顔料などが挙げられる。本発明で好ましく使用できる顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ(以下、POと略称する)2、PO3、PO4、PO5、PO13、PO15、PO16、PO22、PO24、PO34、PO36、PO38、PO43、PO48、PO49、PO51、PO55、PO60、PO61、PO62、PO64、PO66、PO72、PO74等が挙げられる。中でも、イソインドリン顔料が好ましい。
前記茶色顔料は、茶色を呈する顔料であり、例えばPBr25、PBr32等のナフトロン顔料等が挙げられる。
前記バイオレット顔料は紫色を呈する顔料であり、例えばナフトロン顔料、ペリレン顔料、ナフトールAS顔料、ジオキサジン顔料等が挙げられる。本発明で好ましく使用できる顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット(以下、PVと略称する)13、PV17、PV23、PV29、PV32、PV37、PV50等が挙げられる。
前記黒色顔料は、黒色を呈する顔料であり、例えば、カーボンブラック、インダジン顔料、ペリレン顔料等が挙げられ、本発明では、C.I.ピグメントブラック(以下、PBkと略称する)1、PBk7、PBk31、PBk32等が挙げられる。
これらのなかでも、PB15:3、15:4、15:6、PR122、PV19やこれらを含む固溶体などのキナクリドン顔料、PY74、139、120、150、151、154、180、185、PBk7などが発色性と耐光性の観点から好適である。
前記白色顔料としては、C.I.ピグメントホワイト4である酸化亜鉛、6である酸化チタン、7である硫化亜鉛、12である酸化ジルコニウム(ジルコニウムホワイト)、18である炭酸カルシウム、19である酸化アルミニウム・酸化ケイ素(カオリンクレー)、21又は22である硫酸バリウム、23である水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、27である酸化ケイ素、28であるケイ酸カルシウムが好ましい。
白色顔料に使用される無機粒子は単体でもよいし、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。
なかでも、前記酸化チタンが好適に使用される。なお、前記酸化チタンに加えて他の白色顔料(上述した白色顔料以外のものであってもよい。)を併用してもよい。
顔料粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、顔料、分散剤、媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。なお、本発明においては、粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)等の市販の粒径測定装置を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
(分散剤)
着色剤として顔料を用いる場合には、顔料粒子を調製する際に、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
また、本発明のインク組成物には、着色剤として自己分散顔料を用いることもできる。本発明でいう自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
本発明でいう表面に極性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接に又はジョイントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料誘導体という)をいう。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
このような表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、WO97/48769号公報、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、特開平11−323232号公報、特開2000−265094公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤で酸化させることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルホン化ピリジン塩、アミド硫酸などで酸化したり、することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルホン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
そのほかの表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383公報、同2000−303014公報等に記載の顔料誘導体をミリングなどの処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特願2000−377068、同2001−1495、同2001−234966に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
顔料表面における極性基は、フリーでも塩の状態でも良いし、あるいはカウンター塩を有していても良い。カウンター塩としては、例えば、無機塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機塩(トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルタを使用することも好ましい。
インク組成物中の分散剤の好ましい添加量は、インク組成物中における顔料の質量をP、インク組成物中における高分子分散剤の質量をDとした場合、その質量比(D/P)が、0.01≦D/P≦2.0であることが好ましく、0.03≦D/P≦1.5であることがより好ましく、0.05≦D/P≦0.6であることが更に好ましい。
さらに、分散時には、分散剤に加えて、一般にシナジストと呼ばれる分散助剤(例えば、日本ルーブリゾール社より市販されているSOLSPERSEシリーズの5000、12000、22000、BASF・ジャパン社より市販されているEFKA6745等)や、各種界面活性剤、消泡剤を添加して、顔料の分散性、濡れ性を向上させることも好ましい。
本発明において、顔料の分散を行う場合には、顔料と分散剤とを混合した後、極性有機溶媒に添加して分散する、又は、極性有機溶媒と分散剤とを混合した後、顔料を添加して分散することが好ましい。分散には、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ソルトミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。中でもビーズミル分散装置は、分散性に優れるので好ましい。
ビーズミル分散を行う際に使用するビーズは、好ましくは0.01〜3.0mm、より好ましくは0.05〜1.5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mmの体積平均径を有するものを用いることにより、安定性に優れた顔料分散物を得ることができる。
(水溶性染料)
本発明のインク組成物には、(d)着色剤として水溶性染料を用いてもよい。本発明に用いうる水溶性染料としては、例えば酸性染料や直接染料が挙げられる。酸性染料、直接染料は、可溶化基として、酸性基をもつ構造となっている。酸性基としては、スルホン酸基およびその塩、カルボン酸基およびその塩、リン酸基およびその塩が挙げられる。酸性基の数はひとつでも複数でもよく、組み合わせでもよい。水溶性染料が含有する発色団の化学構造としては、アゾ系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、ピラゾロン系、ニトロ系、スチルベン系、キノリン系、メチン系、チアゾール系、キノンイミン系、インジゴイド系、ローダミン系、アントラキノン系、アンスラキノン系のものなどが挙げられる。
以下に限定されるものではないが、好ましい油溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー19、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドブルー62、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブラック01、C.I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトイエロー142、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトブルー15、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー249、C.I.ダイレクトレッド81、C.I.ダイレクトレッド9、C.I.ダイレクトレッド31、C.I.ダイレクトブラック154、C.I.ダイレクトブラック17等が挙げられる。
(分散染料)
また、本発明のインク組成物には、(d)着色剤として分散染料を用いることもできる。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、201、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
本発明に用いることができる着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(d)着色剤をインク組成物に用いる場合の含有率は、色材の物性(比重、着色力や色味等)、インク組成物を何色組み合わせて印画物を作製するかといった条件により適宜選択することができるが、インク組成物全質量に対して、0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、0.5質量%〜20質量%であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
本発明のインク組成物には、必須成分である(a)特定共重合体共重合体、(b)水を含む水性媒体、及び好ましい併用成分である(c)水溶性有機溶剤、(d)着色剤に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、公知の添加剤を併用することができる。
以下、インク組成物に使用しうる添加剤について説明する。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明においては、高分子界面活性剤も用いることができ、以下の水溶性樹脂が、好ましい高分子界面活性剤として挙げられる。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
また、本発明のインク組成物は、吐出適性向上等を目的として、フッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤を用いてもよい。フッ素系界面活性剤を含有することにより、吐出性及び記録媒体への密着性向上が期待できる。フッ素系界面活性剤としては、例えば、特開2002−277862号公報等に記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えば、ZONYL FSN(フッ素系界面活性剤 Aldrich社製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
本発明に係るインクには、上述した各構成要素に加えて、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤、固体湿潤剤、シリカ微粒子等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
<インク組成物の調製方法>
本発明に係るインク組成物の調製方法としては、特に制限はなく、各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミル、ディスパーなどの簡単な分散機により撹拌、混合し、分散させることにより調製することができる。各成分の添加順序については任意である。好ましくは、アゾ顔料、高分子分散剤及び有機溶剤をプレミックスした後に分散処理し、得られた分散物を樹脂と有機溶剤とともに混合する。この場合、添加時や添加後、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザーなどの簡単な撹拌機にて均一に混合する。ラインミキサーなどの混合機を用いて混合してもよい。また、分散粒子をより微細化するために、ビーズミルや高圧噴射ミルなどの分散機を用いて混合してもよい。また、顔料や高分子分散剤の種類によっては、顔料分散前のプレミックス時に樹脂を添加するようにしてもよい。
また、インク組成物の調製後に、フィルタリングにより、吐出性を低下させるおそれのある粗大粒子などを除去することが好ましい。
本発明のインク組成物は、25℃における表面張力が20mN/m〜40mN/mであることが好ましい。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。
また、粘度は、3mPa・s〜40mPa・sが好ましく、6mPa・s〜20mPa・sがより好ましい。インク組成物の粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYOCO.LTD製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、前記インク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程を含むことを特徴とする。なお、インク付与工程の後、放置することでインク組成物中の(b)水性溶媒が乾燥により減少して(a)特定共重合体が析出することで記録媒体上に定着したインク組成物による画像が形成されるが、該インク付与工程の後に、記録媒体上に付与されたインク組成物に含まれる(b)水を含む水性媒体の少なくとも一部を乾燥して除去するインク乾燥工程を行うことで、より速やかに、光沢性、耐久性及び記録媒体との密着性に優れたインク画像が形成される。本発明のインク組成物は、前記(a)特定共重合体を用いているため、インク乾燥工程は、70℃以下の雰囲気下、即ち、通常行われる80℃を超えるような高温乾燥を経ることなく、密着性に優れた画像が速やかに形成される。
(インク付与工程)
以下、本発明の画像形成方法における、インク付与工程について説明する。本発明におけるインク付与工程は、前記インク組成物を記録媒体上に付与する工程であれば限定されない。
本発明の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明の画像形成方法における記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、加熱手段を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルタ、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320dpi〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400dpi〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
本発明のインク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが望ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、インク組成物の吐出はインク組成物を好ましくは25℃〜60℃、より好ましくは25℃〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3mPa・s〜20mPa・s、より好ましくは3mPa・s〜15mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク組成物の粘度が40mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
吐出時のインク組成物の温度は一定であることが好ましくインク組成物の温度の制御幅は、より好ましくは設定温度の±5℃、更に好ましくは設定温度の±2℃、最も好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
本発明において、記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の記録媒体を使用することができる。記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。中でも、本発明のインク組成物は密着性に優れるため、記録媒体として非吸収性記録媒体に対して好適に使用することができポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等のプラスチック基材が好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂基材がより好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂シート又はフィルムがさらに好ましい。
(インク乾燥工程)
インク乾燥工程では、前記付与したインク組成物中の(b)水を含む水性媒体を減少させる工程である。本工程では、水とともに、所望によりインク組成物中に含まれる(c)水溶性有機溶剤も減少し、インク画像が記録媒体に定着される。
インク乾燥工程においては、加熱手段により(b)水を含む水性媒体が蒸発し、減少されることにより定着されることが好ましい。
吐出された本発明のインク組成物を乾燥して、定着させるインク乾燥工程について説明する。
加熱手段としては、水および必要に応じて併用される水溶性有機溶剤を乾燥させることができれば特に限定されず、公知の加熱手段を目的に応じて適宜使用することができるが、使用可能な加熱手段としては、例えば、プラテンヒーター、ヒートドラム、温風、赤外線ヒーター、赤外線ランプ、熱オーブン、ヒート板加熱などが挙げられる。このなかでも、プラテンヒーターを用いて基材を裏面より加熱して乾燥する方法や、赤外線ヒーターや温風により表面から乾燥する方法が好ましく、これらを組み合わせて使用することも好ましい。
加熱温度は、インク組成物中に存在する(b)水を含む水性媒体、即ち、水性媒体中に含まれる水や必要に応じて併用される水溶性有機溶剤が蒸発して減少し、かつ(a)特定共重合体の皮膜を形成することができれば特に制限はないが、
前記(a)特定共重合体と(b)水性媒体とを含むインク組成物は(b)水性媒体の減少により速やかに平滑な皮膜を形成しうることから、乾燥は60℃以下のマイルドな加温雰囲気下で行われることが好ましい。ここで、60℃以下の雰囲気とは、基材の表面温度が60℃以下であることを指す。
加熱温度(雰囲気温度)は30℃以上であればその効果が得られ、好ましくは、40℃〜60℃の範囲である。本発明の画像形成方法の好ましい態様である60℃以下の雰囲気下での乾燥工程によれば、エネルギーが小さくて済み、また、耐熱性の低い記録媒体を用いた場合にも、熱による変形や損傷を受けにくいという利点も有する。
なお、紙や金属フィルムなどの耐熱性の記録媒体を用いる場合には、本発明のインク組成物からなる画像をより高い温度で乾燥することも可能であり、その場合は、40℃〜150℃程度までの雰囲気温度が可能であり、40℃〜80℃程度の温度範囲でインク乾燥工程を行ってもよい。
なお、乾燥/加熱時間は、インク組成物中に存在する(b)水を含む水性媒体が蒸発し、かつ(a)特定共重合体を含む皮膜を形成することができれば特に制限はなく、用いるインク組成物の組成・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
<印画物>
本発明の印画物は、記録媒体上に、前記本発明のインク組成物により形成された画像を有する。
本発明の印画物は、前記本発明のインク組成物を用いて記録された画像を有する印画物であることから、打滴時のにじみが抑制され、堅牢性、光沢性、及び基材への密着性に優れた画像を有する印画物となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
実施例、比較例で使用した顔料分散物、インク組成物の素材を以下に示す。
<樹脂被覆顔料の分散物の調製>
(合成例1:ポリマー分散剤E−1の合成)
撹拌機、冷却管を備えた500mlの三口フラスコにメチルエチルケトン44gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン25gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.43g、ベンジルメタクリレート30g、メタクリル酸5g、及びメチルメタクリレート15gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン1gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.21gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤E−1を43g得た。
得られた樹脂の組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は42,000であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.4mgKOH/gであった。
(合成例2:樹脂被覆顔料の分散物の調製)
(樹脂被覆シアン顔料分散物(C))
ピグメントブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化(株)製)10部と、上記合成例1で得られたポリマー分散剤E−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の、ポリマー分散剤E−1で被覆されたシアン顔料の分散物を得た。以下、この顔料分散物を「C分散物」と称する。
<合成例3:比較水溶性共重合体(B−1)の合成>
撹拌羽根を具備した200mLの三ツ口フラスコに、2−ブタノン(和光純薬工業株式会社製)10.0gを添加した後、窒素気流下で80℃の油浴中で10分間加熱撹拌した。次いで、メタクリル酸n−ブチル(和光純薬工業株式会社製)24g、メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)6.0g、6−メルカプトヘキサノール(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)0.1g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製)80mg、2−ブタノン30g、2−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)5gの混合溶液を3時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌後、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル46mgを加え還流下で3時間加熱撹拌した。
得られたポリマー溶液にアセトン100gを加え、3Lのn−ヘキサン中に再沈殿した。生じた沈殿物をろ別後、真空下で乾燥し、28gの白色固体を得た。得られたポリマー10.0gに2−ピロリドン20.0g、炭酸水素ナトリウム1.46gと水18gを加え、80℃で30分間撹拌しポリマーを溶解した。水分を添加し、下記構造の水溶性ポリマーB−1の20%溶液を得た。
既述のGPC法により測定した重量平均分子量は50,000であった。また、記述の方法により測定したSP値及び酸価を以下に示した。比較水溶性ポリマーは以下に示すように酸価が本発明の範囲外の比較共重合体である。
<合成例4〜合成例9:(a)特定共重合体(A−1)〜(A−6)及び比較水溶性共重合体(B−2),(B−3)の合成>
前記比較水溶性共重合体(B−1)の合成と同様の操作で、下記表1に記載のモノマーを原料として用い、6−メルカプトヘキサノール、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、及び炭酸水素ナトリウムの添加量を適宜変更し、(a)特定共重合体(A−1)から(A−6)および、比較水溶性共重合体(B−2)及び(B−3)の20%溶液を調製した。
前記合成例4〜合成例9で得られた各共重合体に含まれる繰り返し単位、その含有比率(質量基準)、重量平均分子量、SP値及び酸価を以下に示す。
なお、以下の(a)特定共重合体のうち(A−1)及び(A−2)が本発明に係る共重合体であり、(A−3)〜(A−6)は参考例である。

前記表1に記載のモノマーの略号は以下の通りである。
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート (和光純薬工業株式会社製)
BMA:n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
HMA:ヘキシルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)
MMA:メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)
BnMA:ベンジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
<インク組成物の調製>
得られた分散物(C分散物)(a)特定共重合体、(b)水を含む水性媒体に含まれる水及び(c)水溶性有機溶剤及び他の原料の種類及び含有量を、と他の原材料を、下記表2に示す組成になるように、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて500回転/分にて混合撹拌し、分散組成物を得た。これをそれぞれプラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の孔径5μmフィルタ(ミリポア社製のMillex−SV、直径25mm)にて濾過して、実施例1〜実施例12及び比較例1〜比較例3のインク組成物を得た。
なお、以下のうち、実施例1〜実施例8は本発明の実施例であり、実施例9〜実施例12は参考例である。
なお、(c)水溶性有機溶剤として、2−ピロリドン(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)、及び2−メチル−1,3−プロパンジオール(表中には、「MDP」と記載:東京化成工業株式会社製)を、界面活性剤として、ZONYL FSN(フッ素系界面活性剤 Aldrich社製)を用い、水はイオン交換水を用いた。インク組成物の粘度は室温で4mPa・s〜20mPa・sの範囲であった。
<インク組成物の評価>
得られたインクをRK PRINT COAT INSTRUMENTS社製 Kハンドコーター KハンドコーターのNo.2バーを用いて、8cm四方の塩化ビニルシート(エイブリィ・デニソン社製、AVERY 400 GLOSS WHITE PERMANENT)に12μmの厚みで塗布した。さらに60℃で3分間水分を乾燥した。
得られた印画物を用いて、以下の評価を行った。評価結果は、上記表2に示す。
<耐水性評価>
インク画像の堅牢性の指標のひとつとして耐水性について評価した。
上記画像を形成した塩化ビニルシートを、水を浸した綿棒で10回こすり、画像の剥がれを目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:画像にはがれやこすり跡が全くない。
B:画像にこすり跡がわずかにあるが、実用上問題ない状態。
C:画像のこすり跡が著しいまたは、はがれが生じている状態。
<にじみ性評価>
インクジェット記録装置として、市販のインクジェットプリンタ(富士フイルムダイマティックス社製、DMP−2831)を用意した。得られた各インク組成物を上記インクジェットプリンタに装填し、40度で加熱したポリ塩化ビニル製基材(エイブリィ・デニソン社製、AVERY 400 GLOSS WHITE PERMANENT)に2ドット幅の細線を5cmの長さで記録した。吐出停止後、得られた細線のにじみを目視評価した。
A:にじみがほとんどなく、細線が直線な状態。
B:にじみがわずかにあるが、細線はほぼ直線であり実用上問題ない状態。
C:にじみが著しく、細線の一部が太くなり、実用上問題ある状態。
<基材密着性の評価>
ポリ塩化ビニル性基材との密着性評価方法としてクロスハッチテスト(JIS K5600−5−6、2004年)を行った。上記にじみ性評価に適用したインクジェット記録方法に従い、画像部の平均膜厚が12μmのベタ画像を描画した。その後、各々の印刷物に対して、クロスハッチテストを実施した。なお、評価は、JIS K5600−5−6(2004年)に従い、0〜5の6段階に評価し分類した。ここで、評価分類0がカットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがないことを意味し以下の分類で評価した。
格子状に切り込みを入れる際、インク−基材間評価の時は、画像部に対し基材に達する深さまで切り込みをいれて評価を行った。下記評価基準のA、Bであれば実用上問題がない。
A:JIS K5600−5−6 分類 0または1
B:JIS K5600−5−6 分類 2または3
C:JIS K5600−5−6 分類 4または5
<光沢性評価>
画像の光沢は、下記条件で光沢度を測定することで行った。
前記密着性試験で使用したベタ画像について、JIS Z8741に基づき、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で測定を行った。下記基準に従い評価点をつけた。
A:光沢度50以上
B:光沢度20以上50未満
C:光沢度20未満
評価B以上が実用上許容できる。
<耐光性評価>
上記各評価に加え、インク画像の堅牢性の指標のひとつとして、以下の条件で耐光性の評価を行った。
実施例1〜実施例12のインク組成物により画像を形成した塩化ビニルシートを、ウエザーメーター(アトラスC.165:アトラス社製)を用いて、キセノン光(100000lx)を7日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR:Xrite Company社製)を用いて測定し、色素残存率として評価した。その結果、実施例1〜実施例12のインク組成物で形成した画像の色素残存率はいずれも80%以上であり良好であることが確認された。
表3の結果より明らかなように、本発明に係る実施例1〜実施例のインク組成物は、インクジェット方式により打点干渉によるにじみのない高精細な画像が形成され、60℃という低温で乾燥した場合においても光沢と記録媒体への密着性に優れた画像が形成された。また、インク画像の耐光性にも優れることが確認された。一方、(a)特定共重合体(A−1)と同じ繰り返し単位を有していても、酸価が本発明の範囲よりも高い比較共重合体(B−1)を用いた比較例1のインク組成物は、画像の耐水性、基板との密着性及びにじみ抑制効果に劣り、酸価が本発明の範囲よりも低い比較共重合体(B−2)を用いた比較例2のインクでは、画像の耐水性は発現するものの、光沢性、基板との密着性及びにじみ抑制効果に劣り、酸価及びSP値のいずれもが本発明の範囲外である比較共重合体(B−3)を用いた比較例3のインク組成物は、評価項目の全てにおいて劣るものであった。

Claims (11)

  1. (a)総炭素数が7から22のアルキル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位及び(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含み、未中和状態での酸価が1.3mmol/g〜2.0mmol/gである、アルキル(メタ)アクリレート共重合体、及び(b)水を含む水性媒体を含有するインクジェット用インク組成物。
  2. 前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、少なくとも一部が中和された中和物であり、中和度が40%〜100%である、請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体の未中和状態におけるSP値が18.5MPa1/2〜20.5MPa1/2である、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット用インク組成物。
  4. インク組成物における前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有率が5質量%〜15質量%である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  5. 前記(a)アルキル(メタ)アクリレート共重合体が、総炭素数7から炭素数20のアルキルメタクリレートに由来する繰り返し単位及びメタクリル酸に由来する繰り返し単位のみを繰り返し単位として含む共重合体である、請求項1から請求項4のいずれか1項インクジェット用インク組成物。
  6. 前記(b)水を含む水性媒体が、(c)水溶性有機溶剤を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  7. さらに、(d)着色剤を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程を含む、画像形成方法。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与されたインク組成物に含まれる(b)水を含む水性媒体の少なくとも一部を乾燥して除去するインク乾燥工程を含む、画像形成方法。
  10. 前記インク乾燥工程が、60℃以下の雰囲気下で行われる、請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 画像記録媒体上に、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物により形成された画像を有する印画物。
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